JP2010184365A - 熱硬化性樹脂への粒子分散設計支援装置、支援方法及びプログラム - Google Patents

熱硬化性樹脂への粒子分散設計支援装置、支援方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】熱硬化性樹脂中へ粒子を配合する工程での粒子の攪拌挙動を迅速かつ高精度に予測する。
【解決手段】熱硬化樹脂への粒子分散の設計支援装置がモデル作成部12と流動解析部13から構成され、モデル作成部12は各版容器と液状樹脂部の形状を定義し、流動解析部13内のクラスター内粒子数解析部14では液状熱硬化性樹脂中に投入されたクラスター内粒子数の時間変化率を計算し、微小時間経過後の前記クラスター内粒子数の増分あるいは減分を近似的に求め、新しい時刻におけるクラスター内粒子数を逐次求めていく。流動解析部13内の熱硬化性樹脂粘度解析部15では粘度算出式を用いてクラスター内粒子数解析部14中の粘度を計算する。また、流動解析部13内の温度、せん断速度解析部16では樹脂の温度、せん断速度分布を算出してクラスター内粒子数解析部14に代入し、攪拌層内のクラスター内粒子数の分布と時間変化を逐次計算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化性樹脂への粒子分散の設計支援技術に関する。
熱硬化性樹脂はその硬化物が接着性、機械的強度、電気絶縁性、耐薬品性などに優れた性質を有しているため、電気機器の構造絶縁材料や電子、機構部品の封止材料として広く用いられている。この中でモータや発電機、変圧器、開閉器のような高電圧機器においては電気絶縁性、機械的特性、信頼性確保のためにコイルなどの電流が流れる箇所とその周りの筐体との間に樹脂を注入して固める方法が用いられる。
近年、これらの機器は高出力化のために発熱量が増え、小型化のために使用樹脂量が減少し、樹脂による強度確保が困難な状況になりつつある。このため高強度樹脂の開発と実用化が急務になっている。樹脂の強度を飛躍的に向上させる手段として有力なのは、樹脂にナノサイズの粒子を配合させ、分子レベルの補強効果を付与するナノコンポジット材料である。この配合工程では、攪拌槽の中の液状の熱硬化性樹脂にナノサイズの粒子を投入し、羽根の回転や遠心力を与えて粒子を樹脂中に分散させる手法が用いられる。
しかし、粒子が非常に小さく、粒子数が非常に多いため、粒子は極めて凝集しやすく、均一に分散させるための条件設定が非常に難しい状況になっている。攪拌装置仕様や条件を合理的に決定するためには攪拌挙動のシミュレーション技術の構築が重要となってきた。特に熱硬化性樹脂は反応の進行により攪拌中に粘度が複雑に変化するため、適切な粒子の挙動モデルと連立させて、数値解析により温度、粘度、流速などの物理量の変化を計算し、各種条件と粒子の分散状態の関連を事前に予測することが必要となる。
本発明は熱硬化性樹脂への粒子分散の設計支援行う装置、方法、およびコンピュータプログラムを対象とする。
特許文献1は反応速度モデルを基にして熱硬化性樹脂の流動挙動と硬化後の残留ひずみまでを一貫して解析する装置、方法である。特許文献2もやはり反応速度モデルを基にして熱硬化性樹脂の流動挙動を解析する装置、方法である。特許文献3は所定の空間内で運動する粉体の挙動を解析する装置、方法に係り、現像、転写などのプロセスを含む電子写真プロセスにおける現像剤の挙動を解析する装置、方法とコンピュータプログラムである。特許文献4は容器内における粒子の微小時間経過毎の位置を求めるシミュレーション装置、方法に関するものであり、特に電子写真プロセスでの粉体の混合攪拌時の静電気容量をシミュレートする装置と方法である。特許文献5も特許文献4と同じである。特許文献6は電子写真技術を用いた画像形成装置に関連し、容器内における粒子位置を微小時間毎に求めるシミュレーション装置と記録媒体である。
特開2006−205740号公報 特開平11−232250号公報 特開2006−330156号公報 特開平10−260159号公報 特開平10−260160号公報 特開2003−223049号公報
特許文献1と2は熱硬化性樹脂の解析モデルとしてはかなり厳密であるが、樹脂は均質体としての取り扱いとなる。すなわち、樹脂中に充填材としての粒子が含まれていてもその粒子は時間や場所によらず常に均一の分布を保っているという前提がある。したがって、最初は凝集している粒子が樹脂中へ分散していく時間変化は取り扱えないという問題がある。
特許文献3は粉体が流体中の拡散していく挙動をシミュレーションするが、熱硬化性樹脂特有の粘度変化は取り扱っていない。特許文献4と特許文献5は静電気を持つ粉体の空気中での攪拌時の挙動を解析するもので熱硬化性樹脂中への粒子の分散とは物理モデルが異なっている。
特許文献6は攪拌時の粒子の接触など粒子間の相互作用を考慮して解析する手法であるが、熱硬化性樹脂中への粒子の分散とは物理モデルが異なっている。以上述べたように、熱硬化性樹脂中への粒子の分散を予測する手法がこれまでになく、粒子配合工程では試行錯誤を繰り返すのが現状となっている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は熱硬化性樹脂への粒子の分散挙動を事前に予測し、この結果を基に攪拌装置の設計や条件設定を合理的に行うことにある。
上記問題を解決するために、本発明の設計支援装置は、攪拌槽のモデル作成部と流動解析部から構成される。前記モデル作成部において前記攪拌槽の形状や回転状態を定義する。前記流動解析部では液状熱硬化性樹脂中に投入された粒子の凝集体であるクラスターを定義し、前記クラスター内粒子数の時間変化率を粒子の凝集項とせん断破壊項の差によって計算し、差分式により微小時間経過後の前記クラスター内粒子数の増分あるいは減分を近似的に求め、新しい時刻における前記クラスター内粒子数を逐次求めていくモデルを用いる。前記凝集項ならびに前記せん断破壊項には粘度項が含まれ、前記粘度は反応の進行により値が変化する状態を表せる粘度算出式を用いる。
さらに、流体と熱の移動を記述する質量・運動量・エネルギーの保存方程式と組み合わせて、有限差分法、あるいは有限要素法を用いて数値解析し、前記攪拌槽モデル部内の樹脂の温度、粘度、せん断速度分布を算出して前記凝集項とせん断破壊項に代入して前記攪拌層モデル部内のクラスター内粒子数の分布と時間変化を逐次計算する。
本発明によれば、クラスター内粒子数の変化は樹脂の熱・流動解析で得られる任意の場所と時間における温度、粘度、せん断速度などの値から計算できる。すなわち、粒子形状や数を幾何学的にモデル化せずに目的の計算が可能になるので、迅速なシミュレーションを行うことができる。また、熱硬化性樹脂特有の反応の進行による粘度変化を考慮するので高精度のシミュレーションが可能となる。
図1は本発明の実施例1の設計支援装置の概略構成図である。 図2は図1に示す設計支援装置のハードウエア構成例を示す図である。 図3は本発明の実施例1の3次元流動解析処理を説明するためのフロー図である。 図4は本発明の実施例1の粘度式の等温粘度変化を示す図である。 図5は本発明の実施例1の非等温粘度変化を取り扱う説明図である。 図6は本発明の実施例1の攪拌槽の温度と攪拌限界粘度到達時間の関係の計算例である。 図7は攪拌温度75℃における時間と粘度比の関係の計算例である。 図8はせん断速度をパラメータとしたときの時間とクラスター内粒子数の関係の計算例である。 図9は粒子径をパラメータとしたときの時間とクラスター内粒子数の関係の計算例である。 図10は熱硬化性樹脂の反応率α、粘度ηの変化を説明する図である。 図11は本発明の実施例2の設計支援装置の概略構成図である。 図12は本発明の実施例2の3次元流動解析処理を説明するためのフロー図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例1の設計支援装置の概略構成図である。図示するように、本実施例の設計支援装置はGUI(Graphical User Interface)部11とモデル作成部12、流動解析部13を有する。流動解析部は13はクラスター内粒子数解析部14と熱硬化性樹脂粘度解析部15ならびに温度、せん断速度解析部16に分かれ、お互いに解析データの授受を行いながら、それぞれ、モデル作成部12で作成したモデルに対応した解析を行う。
GUI部11は、画面表示およびキーボード、マウス等の入力装置を介して、ユーザより各種指示や情報などの入力を受け付けたり、3次元流動解析の結果を表示したりする。また、モデル作成部12は、GUI部11を介して受け付けたユーザの指示に従い、設計支援の対象とする攪拌容器と容器内の液状樹脂部の形状データ(モデルデータ)を作成する。
流動解析部13は、解析対象領域で流動中の熱硬化性樹脂への粒子の分散状態の変化を解析する(3次元流動解析)。流動解析部13は、クラスター内粒子数解析部14、熱硬化性樹脂粘度解析部15、及び温度、せん断速度解析部16から構成される。
クラスター内粒子数解析部14では樹脂中に投入された粒子の凝集体であるクラスターを定義し、前記クラスター内粒子数の時間変化率を粒子の凝集項とせん断破壊項の差によって計算し、差分式により微小時間経過後の前記クラスター内粒子数の増分あるいは減分を近似的に求め、新しい時刻における前記クラスター内粒子数を逐次求める計算を行う。
熱硬化性樹脂粘度解析部15は前記粒子の凝集項中の分散媒(粒子を投入する前の溶液)粘度と前記せん断破壊項中のスラリー(粒子を投入後の溶液)粘度を計算する。分散媒粘度の計算では熱硬化性樹脂の反応の進行による粘度変化が計算できる粘度算出式を用いる。スラリー粘度の計算では上記分散媒粘度と粒子含有率、前記クラスター内の粒子数、クラスターの空隙率などの関数となる粘度式を用いる。なお、前記分散媒粘度算出式は温度と時間の関数形、温度と反応率の関数形の2種類があり、後者は反応率算出用の反応速度式も含まれる。粘度計算結果はクラスター内粒子解析部14と温度、せん断速度解析部16に送られ、それぞれ値がセットされる。
温度、せん断速度解析部16は、流体と熱の移動を記述する質量・運動量・エネルギーの保存方程式からなり、熱硬化性樹脂粘度解析部から送られた粘度データは運動量保存方程式中にセットされるとともに、有限差分法、あるいは有限要素法を用いて数値解析し、温度とせん断速度の計算結果は前記クラスター内粒子解析部14に送られる。これにより、新しい時刻でのクラスター内粒子数が求められる。以上の手順は微小時間経過ごとにモデル作成部12内の液状樹脂部全域で行われ、解析を続行する。
上記構成の設計支援装置は、例えば図2に示すような、CPU21と、メモリ22と、HDD等の外部記憶装置23と、CD−ROMやDVD−ROM等の可搬性を有する記憶媒体24から情報を読み出す読取装置25と、キーボードやマウスなどの入力装置26と、CRTやLCDなどの表示装置27と、インターネットなどのネットワーク通信を行なうための通信装置28とを備えた一般的なコンピュータシステムにより構成される。
本発明の設計支援装置は、図2のコンピュータシステムにおいて、CPU21がメモリ22上にロードされた所定のプログラム(モデル作成部12を実現する3D−CAD、CAMあるいはCAEプログラム、熱硬化性樹脂流動解析部13を実現する3次元流動解析プログラム)を実行することで実現できる。これらのプログラムは、読取装置25を介して記憶媒体24から、あるいは、通信装置28を介してインターネットなどからの通信媒体から、メモリ22に直接ロードしてもよいし、あるいは、一旦、外部記憶装置23にダウンロードしてから、メモリ22にロードしてもよい。
図3は本発明の実施例1の設計支援装置による3次元流動解析処理を説明するためのフロー図である。流動解析部13ではGUI部11を介してユーザより3次元攪拌解析に必要な、熱硬化性樹脂の物性値を受け取る(S201)。本実施例では後述する粘度計算式中の係数、比熱、密度、熱伝導率などである。
次に、熱硬化性樹脂流動解析部13ではGUI部11を介してユーザより3次元流動解析のための各種条件(境界条件、解析条件、および初期条件)を受け取る(S202)。各種条件には、攪拌槽の温度、形状データ、回転速度、使用樹脂量、攪拌される粒子の大きさ、粒子の含有率などが含まれる。
モデル作成部12は、GUI部11を介してユーザより3次元流動解析指示を受け着ける。それから、指定されたモデルデータを、モデル作成部12から取り込む(S203)。次に、モデル作成部12は、取り込んだデータが特定する樹脂領域を3次元解析領域に設定する。そして、この3次元解析領域を複数の3次元ソリッド要素に分割する際の条件(分割数や要素サイズなど)を、GUI部11を介してユーザより受け取る(S204)。そして、受け付けた分割条件に従い、3次元解析領域を複数の3次元ソリッド領域に分割する(S205)。
次に、流動解析部13の中のクラスター内粒子数解析部14において初期条件から計算できる固定パラメータの値を計算する(S206)。具体的な内容については後述する。次にクラスターない粒子解析部14で用いる比較用クラスター内粒子数n0とクラスター切断回数Nbをセットする(S207)。この具体的な内容は後述する。
以上の準備が終わるとクラスター内粒子数解析部14の中のクラスター内粒子数変化率dn/dtの計算を行う(S208)。この式は下記の形を用いる。

dn/dt=BgTN0/η+Sgφnγ−Sh(d0n/Nb)(n/(1−ε)−1)ηsγ (式1)
ここで、n:クラスター内粒子数、t:時間、Bg:ブラウン凝集速度定数とボルツマン定数を含む係数、T:温度、N0:解析領域内の粒子数、η:分散媒(粒子を含まない熱硬化性樹脂単体)の粘度、Sg:せん断凝集速度定数を含む係数、φ:固体体積分率、γ:せん断速度、Sh:粒子間結合エネルギーを含む係数、d0:粒子直径、Nb:クラスター切断回数、ε:クラスター内ボイド率、ηs:スラリー(粒子を含む熱硬化性樹脂)の粘度 である。
式1の右辺第1項はブラウン運動による粒子の凝集項、第2項はせん断速度が働くとクラスターが変形して隣のクラスターと結合しやすくなることを表すせん断凝集項、第3項はせん断速度が働くとクラスターにせん断エネルギーが働きクラスターが破壊して分散が進行することを表すせん断破壊項である。数1の意味は右辺第1項と第2項の和が右辺第3項よりも大きくなればdn/dtは正となり、クラスター内の粒子数が増加する方向、すなわち、凝集が進むことを示す。反対に負になればクラスター内の粒子数が減少する方向、すなわち、分散が進むことを示す。数1においてクラスター内ボイド率εは次式で計算される。
ε=εmax(1−n(−0.4)) (式2)
ここで、εmax:クラスター内最大空隙率である。クラスターは粒子の凝集体であり、粒子間には空隙部が存在し、n=1(完全分散)でε=0、nが増加するとεも増加する傾向を持つ。数2はこれを表せる形になっている。クラスター内粒子数nは後述する方法により設定する。また、固体体積分率φは次式で計算される。
φ=φ0/(1−ε(1−φ0) (式3)
ここで、φ0:凝集なしの状態での固体体積分率である。粒子が凝集したクラスターが存在すると空隙部の存在によりφはφ0よりも大きくなる。数3を用いるとその状態が計算できる。数1の解析領域内の粒子数N0は樹脂に投入する粒子の体積と粒子径d0から計算する。また、粒子体積と樹脂体積の関係から粒子の占める割合であるφ0が求められる。通常、攪拌開始直前には粒子がクラスターに分かれており、その大きさからクラスター内粒子数nを計算する。また、クラスター切断回数Nbは1回の切断により2つに分裂することを繰り返したとしてN0とnの関係から数学的に求めることができる。数1の溶媒粘度ηは後述する熱硬化性樹脂用の粘度計算式から求める。一方、スラリー粘度ηsは次式で求められる。
ηs=ηexp(2.5φ/(1−φ/φm)) (式4)
ここで、φm:最大個体体積分率である。数4は固体体積分率φが大きくなり、φmに近づくにつれて粒子を含む熱硬化性樹脂の粘度が急激に上昇する状態を表すことができる。また、数1のせん断速度γは後述する粘度計算式と質量、運動量、エネルギー保存式を用いて求められる。また、せん断発熱などにより温度が変化する場合の温度も求められる。
以上をまとめると、S202の受付条件は数1の中のBg、T、Sg、Sh、d0、数2のεmax:、式4のφmとなる。また、S206で計算される値は数1のN0、φ、n、Nb、εとなる。また、S202で初期のnがn0として、Nbはそのままセットされる。
次に、熱硬化性樹脂粘度解析部15の具体例について説明する。熱硬化性樹脂粘度解析部15では熱硬化性樹脂用粘度計算式を用いて時間tを初期時間にセットする。それから3次元ソリッド要素毎に時間tにおける熱硬化性樹脂分散媒の粘度を算出する(S209)。
なお、等温粘度式は数1〜数4で示される。
η=η0((1+t/t0)/(1−t/t0)) (式5)
η0=a exp(b/T) (式6)
t0=d exp(d/T) (式7)
C=f/T−g (式8)
ここで、ηは分散媒粘度、tは時間、Tは温度、η0は初期分散媒粘度、t0はゲル化時間、Cは粘度上昇係数、a,b,d,e,f,gは材料の固有係数である。図4はこの粘度式の等温特性を示したものである。各温度Tにおいて分散媒粘度は時間tで初期粘度となり、時間の経過とともに反応の進行により分散媒粘度が増大し、ゲル化時間において分散媒粘度は無限大となる。また、温度が高くなるにしたがって、初期分散媒粘度は低くなり、ゲル化時間は短くなる。
一方、非等温状態での粘度変化は以下の手法で予測できる。
式1で、
μ=(η/η0)(1/C) (式9)
τ=t/t0 (式10)
と置くと次式が得られる。
μ=(1+τ)/(1−τ) (式11)
ここで、μは無次元分散媒粘度、τは無次元時間である。μ−τ特性曲線を図5の(a)に示す。いま、状態1で時間t1、温度T1とし、ここからそれぞれ微小量Δt、ΔT変化し、状態2でt2,T2になったとする。これにより、μ−τ特性曲線上ではτ1からΔτ変化し、μ1がμ2になる。すなわち、時間と温度が同時に変化する現象を一本の曲線上の変化として取り扱うことができる。Δτを微小量とすれば近似的に次式が成立する。
μ2=μ1+(dμ/dτ)μ1Δτ
=μ1+2Δτ/((1−τ1)) (式12)
また、Δτは近似的に次式で求めることができる。
Δτ=(∂τ/∂t)τ1Δt+(∂τ/∂T)τ1ΔT
=Δt/(d exp(e/T1))+ΔT e τ1/(T1) (式13)
式13を式12に代入すれば既知の値を用いてμ2が求められる。式11により、
τ2=(μ2−1)/(μ2+1) (式14)
となる。
式9から、状態2の粘度は次式で求められる。
η2=η0(T2)μ2C(T2) (式15)
以上の手順をτ=0から1とみなせる無次元時刻まで繰り返せば、図5−(b)に示す初期状態からゲル化に至るまでの実際の分散媒粘度変化が計算できる。このようにして得られた粘度は逐次クラスター内粒子数解析部14に送られ、数1の分散媒粘度ηがセットされる。一方、数4からスラリー粘度ηsが求められ数1のηsがセットされる。
次に温度、せん断速度解析部16の具体例について説明する。ここでは質量、運動量、エネルギ保存方程式を用いて、要素毎に、時間tにおける温度、速度、せん断速度などを算出する(S210)。
なお、質量保存方程式は、式16で表される。
(∂ρ/∂t) +ρ(▽・v)=0 (式16)
また、運動量保存方程式は、数17で示される。
ρ(∂v/∂t + v・▽v)=−▽p +▽・τ+ρg (式17)
また、エネルギ保存方程式は、数18で示される。
ρCp(∂T/∂t + v・▽T)=λ▽T +τ:▽v (式18)
ここで、ρは密度、tは時間、▽はナブラ演算子、vは速度ベクトル、pは圧力、τは偏差応力テンソル、gは重力ベクトル、Cpは定圧比熱、Tは温度、λは熱伝導率である。なお、τは粘度ηsと速度勾配であるせん断速度を用いて計算される。式16〜式18は3次元の偏微分方程式であり、厳密解は求められないので、有限差分法あるいは有限要素法などの数値解析手法により、温度、速度、せん断速度などの近似解が求められる。
ここで計算されたせん断速度γの値はクラスター内粒子数解析部14の中の数1にセットされる。また、温度は次の時刻での数1の温度T、分散媒粘度η、スラリー粘度ηsの計算用にセットされる。以上で初期状態における数1の右辺にすべて値が代入される。
次に、クラスター内粒子数解析部14において数1の計算結果からdn/dt<0か?という判断が行われる(S211)。これがNoになれば凝集進行あるいは分散が進まない状態となるので、分散解析は終了となる。Yesになれば分散が進行しているので次のη/η0<所定値か?という判定に進む(S212)。
ここで、η0は式6に記載した分散媒初期温度である。温度一定の場合は反応の進行によりηは単調増加、温度上昇を伴う場合は一旦減少した後増加する。粒子の攪拌工程で時間を要すると反応が進行しすぎて粘度上昇し、実用に適さなくなるため、ここでは初期粘度に対する粘度の比であるη/η0を計算し、所定値(例えば1.5程度の値)と比較し、Noならその時間で解析終了となる。Yesの場合はまだ攪拌可能なので時間をタイムステップΔt進める(S213)。ここで新しい時刻でのクラスター内粒子数nを計算する(S214)。
ここでは、式1を次のように差分形式に書き換える。
Δn/Δt=BgTN0/η+Sgφnγ−Sh(d0n/Nb)(n/(1−ε)−1)ηsγ (式19)
ここで、Δn:新しい時刻でのnの近似変化分である。これから次式が得られる。
Δn=(BgTN0/η+Sgφnγ−Sh(d0n/Nb)(n/(1−ε)−1)ηsγ )Δt (式20)
右辺はすべて値が入力されており、式20によりΔt経過後のΔnが近似的に計算できる。分散進行の場合はΔnは負になっている。最初に計算済みの初期クラスター内粒子数nにこのΔnを加えると新しい時刻におけるnが計算できる。
次にクラスター内粒子数解析部14においてn≒n0/2か?という判定が行われる(215)。この判定はクラスター内粒子数が比較用クラスター内粒子数n0の半分に達したら、クラスターが新たに二つに分裂し、クラスター切断回数Nbを1つ増やすために用いられる。数20をそのまま計算すると小数も出てくるのでnがほぼn0/2とみなせる状態での判定方式としている。
最初はS207において初期nが比較用クラスター内粒子数n0になっており、まず、この値と比較される。ここでNoの場合はまたS207に戻り、n0は初期nのまま、Nbも初期にセットした値のままとなる。Yesの場合はクラスターが分裂した状態なので、n0/2を新しいn0にセットしなおす。また、切断回数が1回増えているので、Nb+1を新しいクラスター切断回数としてNbにセットしなおす。この手順を繰り返し、S211またはS212の判定でNoとなる状態で計算を終了する。
次に、具体的な解析例を説明する。図6はあるエポキシ樹脂の粘度パラメータを用いたときの攪拌槽の温度とη/η0が1.5に達する時間tの関係の計算結果である。攪拌槽の温度が高くなるほど反応の進行が早いため短い時間で粘度が上昇する。ここではS212の所定値は1.5とした。この場合、各温度においてグラフの下側が攪拌可能時間となる。
図7は、攪拌槽の温度を75℃とした場合の時間tとη/η0の関係の計算結果である。この温度は後述する攪拌解析で設定した温度条件である。時間の経過とともに反応が進行するためη/η0は初期の1より増加し、約16000sで1.5に達する。したがって、この温度条件では16000sまでは攪拌可能時間となる。
図8は、攪拌槽を回転させ、攪拌槽内でせん断速度γがもっとも大きかった場所におけるクラスター内粒子数の変化を計算した結果である。ここでは4種類の回転数での結果をまとめて示した。それぞれの条件でのせん断速度γは200,500,1000,2000s−1となっている。ここでは図6の特性のエポキシ樹脂に粒子径d0が12nmの粒子をφ0=0.02の配合量、攪拌槽の温度75℃で攪拌する条件を用いた。γが200s−1ではnは時間の経過とともに緩やかに減少し、γの増加に伴いnは小さくなる。
また、γが大きくなると、式1の特性により攪拌開始直後に急激にnが小さくなり時間の経過とともにnは飽和する。図8での攪拌時間は3600sであり、攪拌限界時間である16000sより小さいのでこの時間内では問題なく攪拌できる。なお、攪拌槽内では場所によりせん断速度γは異なるが、攪拌はせん断速度のもっとも大きい場所を起点として対流輸送により速やかに行われるので、各時刻において場所によるnの違いは非常に小さい。
図9も攪拌槽を回転させ、攪拌槽内の一箇所におけるクラスター内粒子数の変化を計算した結果である。ここでは粒子径d0が5,12,25,50nmの4種類を用いたときの結果をまとめて示した。ここでは、図6の特性のエポキシ樹脂に粒子をφ0=0.02の配合量、攪拌槽の温度75℃で攪拌し、γが1000s−1となる回転数での条件を用いた。D0が小さいと凝集しやすいのでnの減少は少ないがd0の増加とともにnは急激に減少する。D0=50nmではほぼn=1近くになっており、完全分散に近い状態が計算されている。
このように、本発明では分散に影響するパラメータを詳細に机上検討でき、粒子分散のプロセス設計を合理的に行うことができる。
次に、本発明の実施例2の設計支援装置及び3次元流動解析処理について説明する。実施例1では粘度は温度と時間の関数として表し、ゲル化時刻までの粘度変化を計算している。このような熱硬化性樹脂の物性変化は反応の進行によるものであり、反応率の変化を表す式を基礎にして粘度計算や流動解析を行なうのが本発明の実施例2である。
図10に、熱硬化性樹脂の等温状態での物性値の変化を示す。熱硬化性樹脂は時間の経過とともに反応が進行し、反応率αと分子量が増えていく。これにより、等温状態では液体の粘度ηが上昇する。流動が可能なのはまだ粘度が低い領域にあるときである。粘度は指数関数的に増加を続け、反応率がゲル化反応率αgelに達すると粘度は無限大になり、ゲル化が起きる。また、αlimは攪拌限界反応率であり、αgelより小さい値に設定しておく。実施例2では各時刻ごとに計算されるαの値をαlimと比較することにより、実施例1でのS212に相当する判定ができる。
図11に、本発明の実施例2の設計支援装置の概略図を示す。実施例2においても設計支援装置の概略は図1と同じである。異なる点は、熱硬化性樹脂粘度解析部15に反応率の計算を行う反応率計算部17が加わり、温度、せん断速度解析部16に反応による発熱速度の計算を行う発熱速度計算部18が加わることである。実施例2において設計支援装置の実現手段も図2と同じである。
図12は、本発明の実施例2の設計支援装置の3次元流動解析処理を説明するフロー図である。流動解析部13ではGUI部11を介してユーザより3次元攪拌解析に必要な、熱硬化性樹脂の物性値を受け取る(S301)。本実施形態では後述する熱反応式や粘度計算式中の係数、比熱、密度、熱伝導率などである。
次に、熱硬化性樹脂流動解析部13では、GUI部11を介してユーザより3次元流動解析のための各種条件(境界条件、解析条件、および初期条件)を受け取る(S302)。各種条件には、攪拌槽の温度、形状データ、回転速度、使用樹脂量、攪拌される粒子の大きさ、粒子の含有率などが含まれる。
モデル作成部12は、GUI部11を介して、ユーザより3次元流動解析指示を受け着ける。それから指定されたモデルデータを、モデル作成部12から取り込む(S303)。次に、モデル作成部12は、取り込んだデータが特定する樹脂領域を3次元解析領域に設定する。そして、この3次元解析領域を複数の3次元ソリッド要素に分割する際の条件(分割数や要素サイズなど)を、GUI部11を介してユーザより受け取る(S304)。そして、受け付けた分割条件に従い、3次元解析領域を複数の3次元ソリッド領域に分割する(S305)。S306,S307,S308の内容はそれぞれ実施例1のS206,S207,S208と同じである。
次に、流動解析部13の熱硬化性樹脂粘度解析部15の具体例について説明する。まず、時間tを初期時間にセットする。それから、熱硬化性樹脂用の熱反応式と温度条件を用いて3次元ソリッド要素毎に時間tにおける反応率と発熱速度を算出する(S309)。
熱反応式は式21〜式25で表される。
∂α/∂t=(K1+K2α)(1−α) (式21)
K1=Ka exp(−Ea/T) (式22)
K2=Kb exp(−Eb/T) (式23)
α=Q/Q0 (式24)
∂Q/∂t=Q0(K1+K2α)(1−α) (式25)
ここで、αは反応率、tは時間、Tは温度、∂α/∂tは反応速度、K1、K2は温度の関数で表される係数、N、M、Ka Kb Ea Ebは材料の固有係数、Qは時刻tまでの発熱量、Q0は反応終了までの総発熱量、∂Q/∂tは発熱速度を示している。そのうち、N、M、Ka 、Kb 、Ea 、Eb、Q0はステップS301で受け付けた熱硬化性樹脂の物性値である。また、温度TはステップS302で受け付けた成形条件である。数21〜数25に初期状態から微小時間Δt経過毎の温度Tを逐次代入していけば反応速度、発熱速度の時間変化が計算でき、反応速度を微小時間経過Δt毎に時間方向に近似積分すれば反応率の時間変化が計算できる。
次に、粘度式と反応率、温度条件を用いて要素毎に時間tにおける分散媒粘度を算出する(S310)。
また、粘度式は式26〜式28で表される。
η=η0((1+α/αgel)/(1−α/αgel)) (式26)
η0=a exp(b/T) (式27)
C=f/T−g (式28)
ここで、ηは分散媒粘度、Tは温度、η0は初期分散媒粘度、αは反応率、αgelはゲル化時の反応率、Cは粘度上昇係数であり、a,b,f,gならびにαgelは材料の固有係数である。a,b,f,gならびにαgelはステップS301で受け付けた熱硬化性樹脂の物性値である。a,b,f,g、αgelの値と温度、ならびにS309で計算されたαの値を式26〜式28に代入すれば分散媒粘度が計算できる。
この手法を用い、微小時間Δt変化毎に、温度条件とそのときの反応率を逐次代入していけば、等温状態では図4と、非等温状態では図5−(b)と同様の熱硬化性樹脂特有の分散媒の粘度変化が計算できる。分散媒粘度ηを式4に代入してスラリー粘度ηsが計算できる。S310で計算されたηとηsはS308に送られ、数1中に値がセットされる。
次に、質量、運動量、エネルギー保存方程式を用いて、要素毎に、時間tにおける温度、速度、せん断速度などを算出する(S311)。なお、質量、運動量の保存方程式は、実施例1の式16、式17と同じになる。
また、エネルギー保存方程式は、式29で示される。
ρCp(∂T/∂t + v・▽T)=λ▽T +τ:▽v+ρ(dQ/dt)
(式29)
ここで、ρは密度、Cpは定圧比熱、Tは温度、tは時間、vは速度ベクトル、▽はナブラ演算子、λは熱伝導率、τは偏差応力テンソル、Qは発熱量である。式29では実施例1の式14に発熱速度dQ/dtが加わっている。この発熱速度はS309で計算されており、これを用いて式29により温度計算を行う。すなわち、実施例2では熱硬化性樹脂の反応発熱を含んだ解析が可能となり、より正確に解析ができる。ここで計算された温度とせん断速度はS308に送られ式1にセットされる。
S312の判定内容は実施例1のS311と同じである。S313では、S309で計算された反応率αが攪拌限界反応率αlimと比較され、αがαlimに達した場合は解析が終了となる。αがαlimによりも小さい場合には時間tをタイムステップΔt進める(S314)。S315,S316,S317は、それぞれ実施例1のS214,S215,S216と同じになる。
以上述べた手法により、反応発熱の影響を考慮した上で、粒子の分散に影響するパラメータを詳細に机上検討でき、粒子分散のプロセス設計を合理的に行うことができる。
本発明によれば、クラスター内粒子数の変化は樹脂の熱・流動解析で得られる任意の場所と時間における温度、粘度、せん断速度などの値から計算できる。すなわち、粒子形状や数を幾何学的にモデル化せずに目的の計算が可能になるので、迅速なシミュレーションを行うことができる。また、熱硬化性樹脂特有の反応の進行による粘度変化を考慮するので高精度のシミュレーションが可能となり、実験前段階での粒子攪拌プロセスの最適化を図れるため、産業上の利用可能性は極めて高い。
11 GUI部
12 モデル作成部
13 流動解析部
14 クラスター内粒子数解析部
15 熱硬化性樹脂粘度解析部
16 温度、せん断速度解析部
17 反応率計算部
18 発熱速度計算部
21 CPU
22 メモリ
23 外部記憶装置
24 記憶媒体
25 読取装置
26 入力装置
27 表示装置
28 通信装置

Claims (5)

  1. モデル作成部と流動解析部から構成される熱硬化性樹脂への粒子分散の設計支援装置であって、前記モデル作成部は攪拌容器と容器内の液状樹脂部の形状を定義し、前記流動解析部は、クラスター内粒子数解析部と熱硬化性樹脂粘度解析部と温度、せん断速度解析部とを備え、前記クラスター内粒子数解析部は、前記熱硬化性樹脂中に投入された粒子の凝集体であるクラスターを定義し、前記クラスター内粒子数解析部は、クラスター内粒子数の時間変化率を粒子の凝集項とせん断破壊項の差によって計算し、差分式により微小時間経過後の前記クラスター内粒子数の増分あるいは減分を近似的に求め、新しい時刻における前記クラスター内粒子数を逐次求めていくモデルを用いてクラスター内粒子数を解析し、前記熱硬化性樹脂粘度解析部は、前記凝集項ならびに前記せん断破壊項には粘度項が含まれ、前記粘度は反応の進行により値が変化する状態を表せる粘度算出式を用いて粘度を算出し、温度、せん断速度解析部は、前記流体と熱の移動を記述する質量・運動量・エネルギーの保存方程式と組み合わせて、有限差分法、あるいは有限要素法を用いて数値解析し、前記攪拌槽モデル部内の樹脂の温度、粘度、せん断速度分布を算出して前記凝集項とせん断破壊項に代入して前記攪拌層モデル部内のクラスター内粒子数の分布と時間変化を逐次計算することを特徴とする熱硬化性樹脂への粒子分散の設計支援装置。
  2. 請求項1に記載の設計支援装置であって、前記粘度算出式は温度と時間の関数となる式を用いることを特徴とする熱硬化性樹脂への粒子分散の設計支援装置。
  3. 請求項1に記載の設計支援装置であって、前記粘度算出式は温度と反応率の関数となる式を用いるとともに反応率を算出するための反応速度式を併せて用いることを特徴とする熱硬化性樹脂への粒子分散の設計支援装置。
  4. コンピュータにより熱硬化性樹脂への粒子分散の設計を支援する方法であって、モデル作成ステップと流動解析ステップからなり、前記モデル作成ステップにおいて攪拌容器と容器内の液状樹脂部の形状を定義するとともに、前記流動解析ステップでは樹脂中に投入された粒子の凝集体であるクラスターを定義し、前記クラスター内粒子数の時間変化率を粒子の凝集項とせん断破壊項の差によって計算し、差分式により微小時間経過後の前記クラスター内粒子数の増分あるいは減分を近似的に求め、新しい時刻における前記クラスター内粒子数を逐次求めていくモデルを用い、前記凝集項ならびに前記せん断破壊項には粘度項が含まれ、前記粘度は反応の進行により値が変化する状態を表せる粘度算出式を用い、流体と熱の移動を記述する質量・運動量・エネルギーの保存方程式と組み合わせて、有限差分法、あるいは有限要素法を用いて数値解析し、前記攪拌槽モデル部内の樹脂の温度、粘度、せん断速度分布を算出して前記凝集項とせん断破壊項に代入して前記攪拌層モデル部内のクラスター内粒子数の分布と時間変化を逐次計算することを特徴とする熱硬化性樹脂への粒子分散の設計を支援する方法。
  5. コンピュータにより熱硬化性樹脂への粒子分散の設計を支援するプログラムであって、モデル作成ステップと流動解析ステップからなり、前記モデル作成ステップにおいて攪拌容器と容器内の液状樹脂部の形状を定義するとともに、前記流動解析ステップでは樹脂中に投入された粒子の凝集体であるクラスターを定義し、前記クラスター内粒子数の時間変化率を粒子の凝集項とせん断破壊項の差によって計算し、差分式により微小時間経過後の前記クラスター内粒子数の増分あるいは減分を近似的に求め、新しい時刻における前記クラスター内粒子数を逐次求めていくモデルを用い、前記凝集項ならびに前記せん断破壊項には粘度項が含まれ、前記粘度は反応の進行により値が変化する状態を表せる粘度算出式を用い、流体と熱の移動を記述する質量・運動量・エネルギーの保存方程式と組み合わせて、有限差分法、あるいは有限要素法を用いて数値解析し、前記攪拌槽モデル部内の樹脂の温度、粘度、せん断速度分布を算出して前記凝集項とせん断破壊項に代入して前記攪拌層モデル部内のクラスター内粒子数の分布と時間変化を逐次計算することを特徴とする熱硬化性樹脂への粒子分散の設計を支援するプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013180494A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Sumitomo Rubber Ind Ltd 流体の混練状態のシミュレーション方法
JP2014048099A (ja) * 2012-08-30 2014-03-17 Shimizu Corp 吸水膨張性粘土の挙動予測方法
US9424377B2 (en) 2013-01-30 2016-08-23 Fujitsu Limited Simulation method and simulation device

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