JP2007152203A - 排ガス脱硝装置の脱硝触媒層洗浄方法、及びこの方法に用いられる排ガス脱硝装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱硝触媒層やこれを構成する個々の触媒ブロックを取り出して洗浄する必要がなく、作業時間の短縮と作業労力の大幅な低減を図ると共に、別置きの水洗用プールを不要にすることが可能な排ガス脱硝装置の脱硝触媒層洗浄方法を提供する。
【解決手段】排ガスが流れるガス通路2が形成された排ガスダクト3と、この排ガスダクト3のガス通路内に配置され、注入されるアンモニアにより排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝触媒層5a,5bとを有して構成される排ガス脱硝装置の脱硝触媒層を洗浄するにあたり、脱硝触媒層5a,5bの前後を仕切りダンパ10〜13で仕切って密閉空間8,9を形成し、密閉空間8,9に給水して前記脱硝触媒層5a,5bを洗浄し、しかる後に密閉空間8,9内の水を排水すると共に前記仕切りダンパ10〜13を除去する。
【選択図】図2
【解決手段】排ガスが流れるガス通路2が形成された排ガスダクト3と、この排ガスダクト3のガス通路内に配置され、注入されるアンモニアにより排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝触媒層5a,5bとを有して構成される排ガス脱硝装置の脱硝触媒層を洗浄するにあたり、脱硝触媒層5a,5bの前後を仕切りダンパ10〜13で仕切って密閉空間8,9を形成し、密閉空間8,9に給水して前記脱硝触媒層5a,5bを洗浄し、しかる後に密閉空間8,9内の水を排水すると共に前記仕切りダンパ10〜13を除去する。
【選択図】図2
Description
この発明は、火力発電所等において発生する排ガス中の窒素酸化物を除去する排ガス脱硝装置に利用される脱硝触媒層洗浄方法と、この方法に適した排ガス脱硝装置に関する。
石油や石炭などの化石燃料を燃やすことで発生する窒素酸化物は、そのまま大気に放出すると、大気中で硝酸に変換し、酸性雨の原因となる。このため、火力発電所等にあっては、廃熱回収ボイラの下流側に排ガス中の窒素酸化物を除去するための排ガス脱硝装置が設けられている。
この排ガス脱硝装置は、排ガスが流れる排ガスダクトと、この排ガスダクト内にアンモニアを注入するアンモニア注入ノズルと、アンモニア注入ノズルの下流側に設けられ、注入されたアンモニアにより排ガス中から窒素酸化物を除去する脱硝触媒層を有して構成されており、従来においては、例えば特許文献1に示されるように、触媒ユニットを複数集積して形成された触媒ブロックを複数組み合わせて脱硝触媒層を構成するようにしている(特許文献1参照)。このように、従来の脱硝触媒層は、複数の触媒ブロックを組み合わせて構成され、触媒ブロック単位で分割可能になっている。
ところで、脱硝触媒層は、長期間使用すると、触媒の表面に酸性硫安や煤塵などが付着し、脱硝性能が低下するので、水洗により付着した酸性硫安や煤塵などを除去し、性能回復を図ることが好ましい。
しかしながら、上述のように複数の触媒ブロックの集合体として脱硝触媒層が構成される場合には、図5に示されるように、脱硝触媒層5を構成する複数の触媒ブロック7を1つ1つ取り出して別置きプールへ移動させ、それぞれを水洗する必要がある。このため、作業時間がかかり、また、多大な労力、費用を要するものであった。また、水洗するための別置きプールを予め用意しておかなければならず、水洗用プールを設置するためにスペースを確保する必要であった。さらに、触媒は衝撃に弱いため、水洗するために触媒を排ガスダクトから取り出す作業は慎重に行わなければならず、気を使った作業を強いられるものであった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、脱硝触媒層やこれを構成する個々の触媒ブロックを取り出して洗浄する必要がなく、作業時間の短縮と作業労力の大幅な低減を図ると共に、別置きの水洗用プールを不要にすることが可能な排ガス脱硝装置の脱硝触媒層洗浄方法、及びこの方法に用いられる脱硝装置を提供すことを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、この発明にかかる排ガス脱硝装置の脱硝触媒層洗浄方法は、排ガスが流れるガス通路が形成された排ガスダクトと、この排ガスダクトのガス通路内に配置され、注入されるアンモニアにより排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝触媒層とを有して構成される排ガス脱硝装置の脱硝触媒層洗浄方法であって、前記脱硝触媒層の前後を仕切りダンパで仕切って密閉空間を形成し、前記密閉空間に給水して前記脱硝触媒層を洗浄し、しかる後に密閉空間内の水を排水すると共に前記仕切りダンパを除去することを特徴としている(請求項1)。
したがって、上述の構成によれば、脱硝触媒層を排ガスダクトから取り出す作業が不要となり、仕切りダンパによって脱硝触媒層の前後を仕切って排ガスダクト内に密閉空間を形成し、この密閉空間に給水することで脱硝触媒層を洗浄することが可能となる。そして、洗浄が完了した後は、密閉空間に溜められた水を排水し、仕切りダンパを除去すれば、脱硝触媒層の一連の洗浄作業は完了し、脱硝触媒層が複数の触媒ブロックで構成される場合でも、洗浄作業を一回でまとめて行うことが可能となる。
このような洗浄方法に用いられる排ガス脱硝装置としては、排ガスが流れるガス通路が形成された排ガスダクトと、この排ガスダクトのガス通路内に配置され、注入されるアンモニアにより排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝触媒層とを有して構成され、前記脱硝触媒層の前後を仕切って密閉空間を形成する仕切りダンパを装着可能とするダンパ装着部と、前記密閉空間への給水を可能にする給水手段と、前記密閉空間内からの排水を可能にする排水手段とを有して構成するとよい(請求項2)。
したがって、このような脱硝装置によれば、脱硝触媒層を洗浄する場合は、脱硝触媒層の前後のダンパ装着部に仕切りダンパを装着して脱硝触媒層の周囲に密閉空間を形成し、その上で給水手段により密閉空間に給水すればよく、洗浄が完了した後に排水手段により密閉空間内の水を排水し、仕切りダンパをダンパ装着部から除去すればよい。
ここで、仕切りダンパとしては、人力での操作を可能にするために複数の角落板を重ね合わせて構成するとよい(請求項3)。
以上述べたように、請求項1及び2に係る発明によれば、脱硝装置の脱硝触媒層の前後を仕切りダンパで仕切って排ガスダクト内に密閉空間を形成し、この密閉空間に給水して脱硝触媒層を洗浄し、しかる後に密閉空間内の水を排水すると共に仕切りダンパを除去するようにしたので、脱硝触媒層を構成する個々の触媒ブロックを取り出して洗浄する必要がなくなり、洗浄作業を一回で終えることが可能となる。このため、作業時間の短縮と作業労力の大幅な低減を図ることが可能となり、また、触媒を洗浄するための水洗用プールが不要になると共に、洗浄作業に伴う触媒の破損の恐れを無くすことが可能となる。
また、請求項3に係る発明によれば、仕切りプレートを複数の角落板を重ね合わせて構成するようにしたので、人力の操作で仕切りプレートの脱着が可能となり、重機を用いた大掛かりな作業が不要となる。
以下、この発明の最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1及び図2において、本発明に係る脱硝触媒洗浄方法に利用される排ガス脱硝装置の好適な実施形態が示されている。この排ガス脱硝装置1は、ボイラ、ガスタービン、燃焼炉などから排出される排ガス中の窒素酸化物(NOx)を、注入アンモニアと触媒の作用により窒素と水に分解し、クリーンな排ガスを形成するためのもので、排ガスが流れるガス通路2が形成された排ガスダクト3を有し、このガス通路2内に、アンモニア含有ガスを噴射するアンモニア注入ノズル4と、その下流側に配置されて注入されたアンモニアにより排ガス中の窒素酸化物を還元する脱硝触媒層5とが設置されている。
この例において、脱硝触媒層5は、ガス通路2に所定の間隔をあけて2つ配置され、それぞれの脱硝触媒層5(上流側の脱硝触媒層5a、下流側の脱硝触媒層5b)は、ガス通路2の通路断面に合わせた大きさに形成され、ガス通路2を流れる排ガスを全て通過させるようにしている。これら脱硝触媒層5は、例えば、従前の構成と同様、図5に示されるように、複数の触媒ユニット6を集積して形成された触媒ブロック7を、縦横および上下に集積してガス通路の通路断面に合わせた大きさに形成されている。
そして、それぞれの脱硝触媒層5の前後には、図2に示されるように、ガス通路を仕切って脱硝触媒層の周囲に密閉空間8,9を形成する仕切りダンパ10〜13を装着可能にするためのダンパ装着部14a,14b,15a,15bが形成されている。
それぞれのダンパ装着部14a,14b,15a,15bは、図3に示されるように、排ガスダクト3の立設する互いに対向した内壁面に仕切りダンパ10〜13の両側をガイドする突条16を上端から下端にかけて形成することで構成され、それぞれのダンパ装着部14a,14b,15a,15bの上方に位置する排ガスダクト3の上部には、仕切りダンパ10〜13の出し入れを可能とする開口部17が形成されている。この開口部17は、仕切りダンパ10〜13の出し入れを行わないときには、図示しない蓋体によって閉塞されている。
それぞれのダンパ装着部14a,14b,15a,15bは、図3に示されるように、排ガスダクト3の立設する互いに対向した内壁面に仕切りダンパ10〜13の両側をガイドする突条16を上端から下端にかけて形成することで構成され、それぞれのダンパ装着部14a,14b,15a,15bの上方に位置する排ガスダクト3の上部には、仕切りダンパ10〜13の出し入れを可能とする開口部17が形成されている。この開口部17は、仕切りダンパ10〜13の出し入れを行わないときには、図示しない蓋体によって閉塞されている。
ここで、それぞれの仕切りダンパ10〜13は、図4に示されるように、複数の角落板20a,20bを上下に重ね合わせて構成されるもので、開口部17を介して複数の角落板20a,20bを上方から順次降下させることでガス通路2を仕切るようにしている。
密閉空間8,9は、脱硝触媒層5の前後を仕切りダンパ10〜13によって仕切ることで形成されるが、排ガスダクト3には、その上部に給水口21,22が、また、その下部に排水口23,24がそれぞれ密閉空間8,9と望むように設けられている。また、給水口21,22の流入側には、給水口21,22と給水源25とを接続する給水通路26を開閉する給水バルブ27,28が設けられ、排水口23,24の流出側には、排水口23,24に接続された排水通路29を開閉する排水バルブ30,31が設けられている。
密閉空間8,9は、脱硝触媒層5の前後を仕切りダンパ10〜13によって仕切ることで形成されるが、排ガスダクト3には、その上部に給水口21,22が、また、その下部に排水口23,24がそれぞれ密閉空間8,9と望むように設けられている。また、給水口21,22の流入側には、給水口21,22と給水源25とを接続する給水通路26を開閉する給水バルブ27,28が設けられ、排水口23,24の流出側には、排水口23,24に接続された排水通路29を開閉する排水バルブ30,31が設けられている。
以上の構成において、上流側の脱硝触媒層5aを洗浄する場合には、その脱硝触媒層5aの前後の2箇所のダンパ装着部14a,14bに仕切りダンパ10,11を開口部17から降下させて装着し、脱硝触媒層5aの周囲に密閉空間8を形成する。そして、給水バルブ27を開にして、密閉空間8に給水し、脱硝触媒層5aの全体を水に浸し、洗浄する。尚、給水バルブ27は、密閉空間8に水が満たされた状態において閉にする。また、洗浄時においては、必要に応じて、洗剤等を添加するようにしてもよい。
その後、洗浄を完了させる場合には、排水バルブ30を開にして密閉空間8内の水を排水し、排水しきった状態において、仕切りダンパ10,11を開口部17を介して抜き取り、除去する。
その後、洗浄を完了させる場合には、排水バルブ30を開にして密閉空間8内の水を排水し、排水しきった状態において、仕切りダンパ10,11を開口部17を介して抜き取り、除去する。
また、下流側の脱硝触媒層5bを洗浄する場合には、その脱硝触媒層5bの前後の2箇所のダンパ装着部15a,15bに仕切りダンパ12,13を開口部17から降下させて装着し、脱硝触媒層5bの周囲に密閉空間9を形成する。そして、給水バルブ28を開にして、密閉空間9に給水し、脱硝触媒層5bの全体を水に浸し、水洗する。尚、給水バルブ28は、密閉空間9に水が満たされた状態において閉にし、また、洗浄時においては、必要に応じて、洗剤等を添加する。
その後、洗浄を完了させる場合には、排水バルブ31を開にして密閉空間9内の水を排水し、排水しきった状態において、仕切りダンパ12,13を開口部17を介して抜き取り、除去する。
その後、洗浄を完了させる場合には、排水バルブ31を開にして密閉空間9内の水を排水し、排水しきった状態において、仕切りダンパ12,13を開口部17を介して抜き取り、除去する。
以上のそれぞれの脱硝触媒層5a,5bの洗浄工程は、別々に行うようにしても、同時に行うようにしてもよい。また、両方の脱硝触媒層5a,5bをまとめて洗浄するために、脱硝触媒層5aの上流側のダンパ装着部14aと脱硝触媒層5bの下流側のダンパ装着部15bとに仕切りダンパ10,13を装着させて両脱硝触媒層5a,5bを包含する一続きの密閉空間を形成し、給水バルブ27,28を開にして両脱硝触媒層5a,5bを洗浄し、洗浄後に排水バルブ30,31を開にして排水させ、仕切りダンパ10,13を除去するようにしてもよい。
したがって、上述の構成によれば、仕切りダンパ10〜13によって脱硝触媒層5a,5bの前後を仕切って排ガスダクト3内に密閉空間8,9を形成し、この密閉空間8,9に給水することで脱硝触媒層5a,5bを洗浄するようにしたので、脱硝触媒層5a,5bを排ガスダクト3から取り出して洗浄する作業が不要となり、脱硝触媒層5a,5bを構成する複数の触媒ブロックをまとめて一回で洗浄することが可能となる。このため、作業時間の短縮と作業労力の大幅な低減を図ることが可能となる。また、別置きの水洗用プールが不要となることから、水洗用プールを設置するスペースが不要となる。
さらに、上述の構成例においては、仕切りプレート10〜13を複数の角落板20a,20bを重ね合わせて構成するようにしたので、人力での操作で仕切りプレート10〜13の脱着が可能となり、重機を用いた大掛かりな作業が不要となる。
1 排ガス脱硝装置
2 ガス通路
3 排ガスダクト
4 アンモニア注入ノズル
5,5a,5b 脱硝触媒層
7 触媒ブロック
10、11,12,13 仕切りダンパ
14a,14b,15a,15b ダンパ装着部
21,22 給水口
23,24 排水口
27,28 給水バルブ
30,31 排水バルブ
2 ガス通路
3 排ガスダクト
4 アンモニア注入ノズル
5,5a,5b 脱硝触媒層
7 触媒ブロック
10、11,12,13 仕切りダンパ
14a,14b,15a,15b ダンパ装着部
21,22 給水口
23,24 排水口
27,28 給水バルブ
30,31 排水バルブ
Claims (3)
- 排ガスが流れるガス通路が形成された排ガスダクトと、この排ガスダクトのガス通路内に配置され、注入されるアンモニアにより排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝触媒層とを有して構成される排ガス脱硝装置の脱硝触媒層洗浄方法において、
前記脱硝触媒層の前後を仕切りダンパで仕切って前記排ガスダクト内に密閉空間を形成し、前記密閉空間に給水して前記脱硝触媒層を洗浄し、しかる後に密閉空間内の水を排水すると共に前記仕切りダンパを除去することを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒層洗浄方法。 - 排ガスが流れるガス通路が形成された排ガスダクトと、この排ガスダクトのガス通路内に配置され、注入されるアンモニアにより排ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝触媒層とを有して構成されている排ガス脱硝装置において、
前記脱硝触媒層の前後を仕切って前記排ガスダクト内に密閉空間を形成する仕切りダンパを装着可能にするダンパ装着部と、前記密閉空間への給水を可能にする給水手段と、前記密閉空間内からの排水を可能にする排水手段とを有して構成されることを特徴とする排ガス脱硝装置。 - 前記仕切りダンパは、複数の角落板を重ね合わせて構成されることを特徴とする請求項2記載の排ガス脱硝装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005349476A JP2007152203A (ja) | 2005-12-02 | 2005-12-02 | 排ガス脱硝装置の脱硝触媒層洗浄方法、及びこの方法に用いられる排ガス脱硝装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009136775A (ja) * | 2007-12-06 | 2009-06-25 | Chubu Electric Power Co Inc | 分解処理装置における固着反応処理剤の除去方法及び分解処理装置の反応管封止装置 |
-
2005
- 2005-12-02 JP JP2005349476A patent/JP2007152203A/ja active Pending
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JP2009136775A (ja) * | 2007-12-06 | 2009-06-25 | Chubu Electric Power Co Inc | 分解処理装置における固着反応処理剤の除去方法及び分解処理装置の反応管封止装置 |
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