次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明を適用する組立式デスクの全体斜視図、図2〜図13はその詳細を示し、図14〜図26は本発明に係る上キャビネットの構造及びその支持構造を示し、図中符号1はL形天板、2は矩形天板、3は端部脚体、4は中間部脚体、5はコーナー脚体、6は幕板、7は目隠しパネル、8は支柱、9は上キャビネットをそれぞれ示している。
本実施形態の組立式デスクは、図1、図5、図6及び図9に示すように、L形天板1と矩形天板2の端部側に、互に鏡像関係にある端部脚体3,3を配置するとともに、L形天板1と矩形天板2の連結部に中間部脚体4を配置し、更にL形天板1のコーナー部にコーナー脚体5を配置し、それらを互に後述の連結金具を介してビーム10,…で連結するとともに、前記端部脚体3とコーナー脚体5との間、コーナー脚体5と中間部脚体4との間、及び中間部脚体4ともう一つの端部脚体3との間で、その後端面間に幕板6,…を着脱可能に取付けている。更に、本実施形態の組立式デスクには、前記幕板6の背面側に目隠しパネル7を着脱可能に取付けることができるように構成している。そして、前記L形天板1の後縁とその幕板6との間にはダクト開口11が形成されており、該L形天板1の下方で下端が固定された一対の支柱8,8が前記ダクト開口11を通して立設され、両支柱8,8の上端部に上キャビネット9,9が支持されている。
前記端部脚体3とビーム10との連結はT字形金具12を用いて行い(図4及び図5参照)、前記中間部脚体4とビーム10との連結は十字形金具13を用いて行い(図6参照)、そしてコーナー脚体5との連結はコーナー脚体5に取付けた受け金具14とビーム10の端部に連結した連結金具15を互に所定角度で連結する(図7〜図9参照)。
本実施形態に係る組立式デスクの基本構成は、二つの端部脚体3と、中間部脚体4及びコーナー脚体5をデスク形態に応じて適数用い、それに幕板6とビーム10、更に二つT字形金具12と、十字形金具13及び受け金具14、連結金具15をデスク形態に応じて適数用いる。それに加えてL形天板1や矩形天板2をデスク形態に応じて適数用いる。図1に示したデスク形態は、L形天板1と矩形天板2を連結した平面視L字形である。この例では、二つの端部脚体3,3と、各一つの中間部脚体4及びコーナー脚体5と、3枚の幕板6,…と、3本のビーム10,…と、二つT字形金具12,12と、一つの十字形金具13及び一つの受け金具14と二つの連結金具15,15を用いる。
そして、前記端部脚体3とコーナー脚体5を所定位置に立起保持し、前記ビーム10の一端にT字形金具12を連結するとともに、他端に連結金具15を連結し、T字形金具12を端部脚体3の上端部の前後中間部に連結するとともに、連結金具15を前記コーナー脚体5の上端部の前方寄りに取付けた受け金具14に所定角度(90°L形天板1であれば45°)で連結する。また、前記中間部脚体4を前記コーナー脚体5から所定距離だけ離した位置に立起保持し、ビーム10の一端に十字形金具13を連結するとともに、他端に連結金具15を連結し、十字形金具13を中間部脚体4の上端部の前後中間部に連結するとともに、連結金具15を前記コーナー脚体5に取付けた前記受け金具14に所定角度(90°L形天板1であれば45°)で連結する。それから、前記幕板6を前記端部脚体3とコーナー脚体5の後端面の上部に渡して上方から嵌合係止し、もう一辺側にも前記幕板6を前記コーナー脚体5と中間部脚体4の後端面の上部に渡して上方から嵌合係止する。この際、前記幕板6の上昇を抑制して係合状態を維持する。また、前記端部脚体3の上端部の前方寄り位置には、内側方に直角に向くように短連結板16の一端部を取付け、前記中間部脚体4の上端部の前方寄り位置には、両端部が両側方に直角に向くように長連結板17の中央部を取付けている。また、前記コーナー脚体5の上端部の後部寄り位置に固定板18を取付けている。そして、前記端部脚体3、中間部脚体4及びコーナー脚体5の上に、前記L形天板1を載置し、下方から前記ビーム10,10、短連結板16、長連結板17及び固定板18に挿通したネジ19,…を該L形天板1の下面に形成した螺孔20,…に螺合して取付けている。
そして、前記L形天板1の一側方に矩形天板2を延設するには、先ず前記中間部脚体4に連結した前記十字形金具13にビーム10の一端を連結するとともに、該ビーム10の他端にT字形金具12を連結し、前記中間部脚体4から所定距離だけ離して端部脚体3を立起するとともに、該端部脚体3の上端部の前後中間部に前記T字形金具12を連結し、それから幕板6を該端部脚体3と前記中間部脚体4の後端面の上部に渡して上方から嵌合係止し、最後に前記矩形天板2を当該端部脚体3と中間部脚体4の上に載置し、下方から前記ビーム10、端部脚体3の上端部の前方寄り位置に内側方へ向けて取付けた短連結板16と前記中間部脚体4の上端部の前方寄り位置に両側方へ向けて取付けた長連結板17に挿通したネジ19,…を該矩形天板2の下面に形成した螺孔20,…に螺合して取付けている。
また、前記目隠しパネル7を前記幕板6の背面側に取付けるには、図12に示すように、前記幕板6の両端部上端に設けた上端キャップ21と両端部下端に設けた受片22を利用し、前記目隠しパネル7の前面であって両側下部に縦方向に取付けた係止金具23で保持する。具体的には、前記上端キャップ21には前方下降した傾斜面24を有し、前記受片22には係合孔25を有し、前記係止金具23の下端の突片26を前記受片22の係合孔25に上方から落とし込むと同時に、該係止金具23の上端のフック片27を前記上端キャップ21の傾斜面24で載支するとともに、フック片27を傾斜面24にネジ止めする。
更に、上キャビネット9を設ける場合には、前記L形天板1と幕板6との間に形成された前記ダクト開口11から上方へ立ち上げた一対の支柱8,8の上端部間に上キャビネット9を取付けるのである。ここで、前記上キャビネット9は、前記コーナー脚体5と中間部脚体4との間でL形天板1の後部の上位、あるいは端部脚体3と中間部脚体4との間で矩形天板2の後部の上位に設けることも可能である。
次に、デスクの全体形状について説明する。前記L形天板1は、平面視略L字形で、コーナー部の角度は90°、120°、135°のものがあり、着座側のコーナー内角部には滑らかに湾曲している。本実施形態では角度が90°のものを示している。また、前記矩形天板2は平面視長方形であるが、両側縁の奥行幅が他の連設する天板の奥行幅と一致すれば、左右の側縁で奥行幅を変え、前縁を滑らかな曲線で結んだ形状であっても構わない。
前記端部脚体3と中間部脚体4は、図4〜図6に示すように略同一構造であり、上下方向に延びた偏平四角筒状の脚板部28と、該脚板部28の上端に取付ける上支持部材29と、該脚板部28の下端に取付ける下支持部材30と、前記脚板部28の前端面に取付ける化粧部材31とから概略構成されている。前記端部脚体3と中間部脚体4の違いは、脚板部28に設ける縦ダクト32の凹溝を形成する位置だけであり、端部脚体3では内側面に縦ダクト32を設け、中間部脚体4では両側面に縦ダクト32,32を設けている。尚、前記縦ダクト32には、着脱可能にダクトカバー33を装着している。ここで、前記脚板部28は板金加工で作製し、前記上支持部材29と下支持部材30はアルミダイキャストで作製し、前記化粧部材31はアルミ押出し成形によって作製している。
各部の詳細について説明する。先ず、前記L形天板1及び矩形天板2は、木質系の板体であり、下面には所定位置に前記螺孔20,…を設けるために、オニメナットを埋設しており、また位置決めのための係合穴34,…も形成している。しかし、天板の構造は何ら限定されるものではない。
次に、前記端部脚体3と中間部脚体4について説明する。前述のように端部脚体3と中間部脚体4の相違点は脚板部28の形状のみである。前記脚板部28は、図4に示すように、前方開放した平面視略コ字形の胴板35と、該胴板35の前縁部間に介在させる断面略コ字形の前補強部材36と、該胴板35の上下端部に介装する断面略コ字形の上補強部材37及び下補強部材38から構成されている。そして、前記胴板35の前縁部間に前補強部材36をスポット溶接するとともに、前記胴板35の上下端部に上補強部材37及び下補強部材38をスポット溶接し、箱型の前記脚板部28を形成する。ここで、前記上補強部材37と下補強部材38とは同一部材で、更に左右対称形であり、それぞれ前記上支持部材29と下支持部材30の固定部を受け入れてボルト固定できるようになっている。
また、図4〜図6に示すように、前記端部脚体3及び中間部脚体4の前記T字形金具12又は十字形金具13を取付ける上端の後方寄り位置には、前記上支持部材29に上方へ開放した凹陥部39を形成し、該凹陥部39には側方へ開放した切欠部40を連通形成している。ここで、前記端部脚体3では内側に位置する側壁に前記切欠部40を形成し、前記中間部脚体4では両側に位置する両側壁に前記切欠部40,40を形成している。また、前記化粧部材31は、図4に示すように、前記胴板35の前補強部材36を隠蔽するように取付ける。
前記コーナー脚体5は、図7〜図9に示すように、板金加工で作製した筒状構造を有し、前端面に前記化粧部材31を設けるとともに、後端は平面視においてそれぞれ左右に45°傾いた傾斜後面板41,41を直交状態で設けている。
そして、図4、図12及び図13に示すように、前記端部脚体3と中間部脚体4の後面板42の上部には、それぞれ上下一対となった係止具43,43を左右に2列、合計4個の係止具43,…をネジ止めして突設している。この係止具43は前記後面板42に取付けた状態で上向きフックを構成する。また、前記コーナー脚体5の各傾斜後面板41の上部にも一対の係止具43,43を上下に突設している。そして、前記幕板6の前面で両側部には、前記係止具43,…に対応する位置に4つの係止孔44,…を開口している。そして、前記幕板6の係止孔44,…に対応する前記端部脚体3と中間部脚体4の後面板42の係止具43,…に上方から嵌合係止する。それから、押え金具45を前記上支持部材29の後端部にネジで取付けると同時に、該押え金具45の後端部の両側に形成した下向き爪46,46を、前記幕板6の上端キャップ21を取付けた部分のスチール板上端に形成した左右2つの係合段部47,47に上方から係合して、当該幕板6の上動を規制し、前記係止孔44から係止具43が抜けるのを防止している。
ここで、前記端部脚体3に幕板6を連結する場合には、4つの前記係止具43,…に幕板6の4つの係止孔44,…を嵌合係止する。それに対して、前記中間部脚体4に幕板6,6を連結するには、図13に示すように、正面視において、前記中間部脚体4の左列の上下係止具43,43に、左側の幕板6の外側列の係止孔44,44を嵌合係止し、該中間部脚体4の右列の上下係止具43,43に、右側の幕板6の外側列の係止孔44,44を嵌合係止する。つまり、前記幕板6の側端縁は、前記中間部脚体4の中心線に一致する。この場合、前記押え金具45の左側の下向き爪46は、左側の幕板6の外側の係合段部47に係合するとともに、右側の下向き爪46は、右側の幕板6の外側の係合段部47に係合する。即ち、一つの押え金具45で、両側の幕板6,6を、同時に押さえ込むのである。
同様に、前記コーナー脚体5の傾斜後面板41に突設した係止具43,43に、前記幕板6の上下の係止具43,43を嵌合係止する。前記コーナー脚体5に嵌合係止した前記幕板6の上動を規制する押え手段も適宜設ける。また、図9に示すように、前記コーナー脚体5の両傾斜後面板41,41に取付けた両幕板6,6の端部間には、四角形の化粧支柱48を配設している。
次に、図5〜図11に基づいて、前記端部脚体3とコーナー脚体5との間、コーナー脚体5と中間部脚体4との間、端部脚体3と中間部脚体4との間に、前記ビーム10,…を連結する構造を説明する。前記T字形金具12は、図4、図5及び図10に示すように、平面視略T字形のアルミダイキャスト製のブロック体であり、一端部に前記端部脚体3の上支持部材29に取付ける取付部49と、該取付部49から側方へ延びた連結部50とからなる。前記取付部49は、上支持部材29の凹陥部39内に嵌合し、上方からボルト51,51にて螺合し、前記連結部50の基部は、前記上支持部材29の切欠部40を通して当該端部脚体3の内方へ突出する。一方、前記ビーム10は、前記T字形金具12の連結部50に外嵌する寸法のスチール製の角パイプである。そして、前記T字形金具12の連結部50に前記ビーム10の一端部を外嵌した後、上方からネジ52を連結部50に螺合する。そして、前記T字形金具12の連結部50とビーム10の端部に、下方からネジ19を貫通させて、L形天板1の螺孔20に螺合する。
前記中間部脚体4の両側にビーム10,10を連結するには、図6及び図11に示すように、前記十字形金具13を用いる。前記十字形金具13は、平面視略十字形のアルミダイキャスト製のブロック体であり、中央部に前記端部脚体3の上支持部材29に取付ける取付部53と、該取付部53から両側方へ延びた連結部54,54とからなる。ここで、前記取付部53は、前記T字形金具12の取付部49と略同じ形状であり、また前記連結部54も前記T字形金具12の連結部50と略同じ形状である。つまり、前記取付部53は、上支持部材29の凹陥部39内に嵌合し、上方からボルト51,51にて螺合する。そして、前記連結部54,54の基部は、前記上支持部材29の切欠部40,40を通して当該端部脚体3の両側方へ突出する。そして、前記十字形金具13の両連結部54,54にそれぞれ前記ビーム10,10の一端部を外嵌した後、上方からネジ52を連結部54に螺合する。そして、前記十字形金具13の連結部54,54とビーム10,10の端部に、下方からネジ19,19を貫通させて、前記L形天板1と矩形天板2の下面に形成した螺孔20に螺合する。この場合、前記中間部脚体4の中心線はL形天板1と矩形天板2の接合線に一致する。尚、矩形天板2,2同士の連結においても同様である。
また、図7〜図9に示すように、前記コーナー脚体5の上端の前部に固定した受け金具14は、アルミダイキャスト製のブロック体であり、前記コーナー脚体5の上端に取付ける固定部55と、該固定部55から前方へ延び、前記連結金具15,15を角度調節可能に連結する二方連結部56と、前記固定部55の両側に延びた翼部57,57とを有している。前記固定部55は、ボルト58,…にて前記コーナー脚体5の上端に固定する。前記二方連結部56は、外周が円弧状となっており、円弧状の外周縁に沿って三つの孔が連続した多連孔59,59を上下貫通形成している。ここで、両多連孔59,59の接近した内側の孔部から離間した外側の孔部へ三対あり、それぞれ内側から外側へ順に90°、120°、135°の角度に、前記連結金具15,15をボルト60で連結できるようになっている。また、前記連結金具15は、アルミダイキャスト製のブロック体であり、前記受け金具14の二方連結部56に連結する基部61と、該基部61から延びた連結部62とからなる。そして、前記連結金具15の連結部62には、前記端部脚体3に取付けたT字形金具12に連結した前記ビーム10の端部又は前記中間部脚体4に取付けた十字形金具13に連結したビーム10の端部を外嵌し、両者をネジ止めする。また、前記受け金具14の翼部57の先端部には、上方へ位置決めとL形天板1を取付けるための筒部63を突設し、該筒部63の中心孔は上下貫通している。
また、図5に示すように、前記端部脚体3の上支持部材29の前部に凹段部64を形成し、該凹段部64に前記短連結板16の一端部を嵌合してネジ止めして取付ける。一方、図6に示すように、前記中間部脚体4の上支持部材29の凹段部64に、前記長連結板17の中央部を嵌合するとともに、該中央部をネジ止めして取付ける。そして、前記短連結板16と長連結板17の両突出端部に下方から前記ネジ19,…を通してL形天板1と矩形天板2の螺孔20,…にそれぞれ螺合する。尚、前記上支持部材29の前端部には、上下に貫通した連結孔65を形成してあり、前記端部脚体3では下方から固定ネジ66を挿通してL形天板1又は矩形天板2の前側の螺孔20に螺合する。
このように、下方から複数箇所でネジ19,…や固定ネジ66をL形天板1と矩形天板2の複数の螺孔20,…に位置を合わせて螺合する必要がある。この位置決めを容易にするために、前記T字形金具12、十字形金具13、受け金具14、短連結板16及び長連結板17の上面にダボ67,…を突設し、前記L形天板1と矩形天板2の下面の所定位置に予め形成しておいた前記係合穴34,…に係合するようにしている。
このようにデスクの基本構成は完成するが、前記幕板6の背後に目隠しパネル7を取付けるには、図3及び図12示すように、前記幕板6の両側下端に前記受片22,22を取付け、また目隠しパネル7の前面両側部に前記係止金具23,23を取付けておき、該係止金具23の下端の突片26を、前記幕板6の下端後方に臨んだ前記受片22の係合孔25に落とし込むと同時に、前記係止金具23の上端のフック片27を、前記幕板6の両側上端に取付けた上端キャップ21の傾斜面24に載支し、該フック片27に形成した通孔に上方から挿通した固定ネジを前記傾斜面24に形成した螺孔に螺合して取付ける。ここで、前記係止金具23のフック片27が上端キャップ21の傾斜面24に載支したので、前記目隠しパネル7の自重によって前記幕板6の背面に接近するように作用するので、前記固定ネジを螺孔に螺合する前に前記目隠しパネル7から手を離してもその状態は維持されている。また、前記目隠しパネル7の高さを微調節するには、前記上端キャップ21の傾斜面24と係止金具23のフック片27との間に適数枚のシート又は板を挟めば良い。
また、図12及び図13に示すように、前記幕板6の両側上端部の上端キャップ21と、前記係止金具23の上端部と、前記押え金具45と、更に前記上支持部材29の後端部とを隠蔽するための化粧キャップ68を嵌着している。
次に、図1、図9、図14〜図26に基づいて本発明に係る上キャビネット9の構造及びその支持構造を詳細に説明する。前記上キャビネット9は、前記L形天板1の後縁とその幕板6との間に形成されたダクト開口11を通して立設され、該L形天板1の下面側において前記端部脚体3とビーム10を利用して端部固定金具69にて固定された端部側の支柱8と、前記コーナー脚体5を利用してコーナー固定金具70にて固定されたコーナー部側の支柱8との上端に渡した支持板71に載置した状態で取付けられる。ここで、前記支持板71には図1に示すように横方向に2個の上キャビネット9,9を並べて一体化した状態で取付けることも、更に3個以上を取付けることも原理的には可能である。
先ず、図14及び図15に基づいて、前記支柱8の下端を固定して立起状態に保持するための端部固定金具69を説明する。前記端部固定金具69は、平面視略四角形の固定板72の後方端部に開口部73を形成し、該開口部73に前記支柱8の下端部を嵌挿するとともに、該固定板72の下面に溶着した断面略コ字形の補強部材74の凹溝内の底板75に支柱8の下端を当止し、該底板75の下方から前記支柱8の下端片76にネジ77を螺着するとともに、前記開口部73の口縁部で前記支柱8を溶接して強固に連結する。また、前記端部固定金具69は、前記固定板72の四辺を下方へ折曲して、あるいは他の板材を溶接して強固な箱型構造とし、前側には下方へ折曲した下縁を前方へ折曲して断面略L字形の第1取付部78を形成するとともに、左右一側を下方へ折曲して前記第1取付部78よりも下方へ延びた第2取付部79を形成している。そして、前記第1取付部78を前記端部脚体3に連結したビーム10を後方且つ下方から抱き込むように嵌合し、該第1取付部78の水平片78Aを該ビーム10の下面にネジ80,80を螺合するとともに、前記第2取付部79を前記端部脚体3の脚板部28の内側面にネジ81,…を螺合して取付ける。前記支柱8は、下端部を前記端部固定金具69の固定板72の開口部73の口縁部で溶接するとともに、該固定板72の下方に間隔を隔てて設けた前記補強部材74の底板75に下端をネジ止めする2点支持構造であるので、曲げ強度に対して耐久性が高い取付構造となる。
ここで、前記端部固定金具69の第1取付部78を前記ビーム10へ取付け、第2取付部79の前記端部脚体3に取付けた状態で、前記固定板72の側縁に有する突縁72Aが前記端部脚体3の脚板部28の上縁と上支持部材29とので形成される段部28Aに係合し、また前記固定板72の上面は、前記ビーム10の上面と面一になり、この上に前記L形天板1を載置して取付けることができるように、前記固定板72には取付孔82,…を形成し、前記L形天板1の下面に形成した螺孔20,…にネジ19,…にて連結するとより強固になる。更に、前記第1取付部78の水平片78Aを貫通し、前記ビーム10の端部に螺合するネジ80を前記T字形金具12の連結部50に螺合するようにすれば更に強固になる。
前記端部固定金具69を所定位置に取付け、その後に前記L形天板1を取付けた状態では、当該端部固定金具69に下端を固定した前記支柱8は該L形天板1の後縁と前記幕板6との間に形成されたダクト開口11から上方へ立ち上がった状態となるのである。この場合、前記支柱8及び端部固定金具69は、前記幕板6には連結されてなく、従って幕板6を単に端部脚体3の後面板42と前記コーナー脚体5の傾斜後面板41に設けた係止具43,…に単に嵌合係止しているだけであって、前記支柱8の支持強度に何ら影響を及ぼさないのである。尚、前記端部固定金具69の取付作業は、前記L形天板1を取付けた後でも、前記幕板6を外した状態でL形天板1の後方から容易に行うことができる。また、前記支柱8を立設するか否かに係わらず、前記L形天板1には表面側の形状に何らかの影響を及ぼす加工は一切不要である。
次に、図9及び図16に基づいて、前記支柱8の下端を固定して立起状態に保持するための前記コーナー固定金具70を説明する。前記コーナー固定金具70は、平面視略直角三角形状の固定板83の一方の斜辺近傍に開口部84を形成し、該開口部84に前記支柱8の下端部を嵌挿するとともに、該固定板83の下面に間隔を設けて配置した板状の補強部材85に支柱8の下端を当止し、該補強部材85の下方から前記支柱8の下端片76にネジ77を螺着するとともに、前記開口部73の口縁部で前記支柱8を溶接して強固に連結する。
更に詳しくは、前記コーナー固定金具70の固定板83であって、前記開口部84に沿って下方へ折曲板86を形成するとともに、該折曲板86に直交させて前縁部に折曲板87を形成して補強するとともに、前記固定板83の下面に断面略コ字形の保持部材88を溶着し、該保持部材88の一対の垂下した保持板89,89で前記コーナー脚体5の上端部を両側から抱き込むようになっている。そして、前記補強部材85は、前記折曲板86,87と一方の保持板89に周縁を接合して水平に配した状態で溶接固定している。
そして、前記コーナー固定金具70の保持部材88を前記コーナー脚体5の上端部に外嵌し載置して、該保持部材88の両保持板89,89を前記コーナー脚体5の両側面にそれぞれネジ90,…で螺着する。前記固定板83は、前記コーナー脚体5の後部上面に水平に保持されるが、その一部は前記受け金具14の翼部57,57の上面に接合し、該固定板83に形成した円孔91,91に前記筒部63,63が嵌合するようにしている。このように、前記コーナー固定金具70の固定板83は、前記コーナー脚体5の上面と受け金具14の翼部57,57に載置し、両保持板89,89を該コーナー脚体5の両側面にネジ止めするとともに、円孔91,91と筒部63,63が嵌合することにより、当該コーナー脚体5に対するコーナー固定金具70の位置決めを正確に行われた状態で、強固に取付けられている。ここで、前記コーナー固定金具70の固定板83の上面と前記ビーム10の上面とは面一に設定しているから、ビーム10の上に前記L形天板1を対置すると、その下面が前記固定板83の上面に接合する。そして、前記受け金具14の筒部63,63に下方から挿通してネジ19,19をL形天板1の下面に形成した螺孔20,20に螺合する。この状態で、前記L形天板1の後縁と幕板6との間に形成されたダクト開口11を通して立起状態で保持されるのである。
前記コーナー固定金具70での支柱8に対する支持構造は、前述の端部固定金具69と同じ技術的思想で構成されている。つまり、前記固定金具69,70に対する支柱8の連結は、固定板72,83に形成した開口部73,84に支柱8の下端部を嵌挿し、該固定板の下方に間隔を置いて設けた補強部材74,85の板部に下端を当止して下方からネジ止めするとともに、前記開口部73,84の口縁部で支柱8と溶接する、つまり上下2点支持構造である。また、前記固定金具69,70は、L形天板1の下面側で幕板6とは関係なく脚体3,5に直接ネジ止めするとともに、前記ビーム10や受け金具14を利用して三次元的に複数箇所で固定するのである。
尚、本実施形態では、L形天板1を有するL形デスクの後縁の両側端部に支柱8,8を立設するものを示したが、矩形天板2の両端に端部脚体3,3が取付けられた平デスクの後縁の両側部に支柱8,8を立設する場合には、前述の右側の端部脚体3に取付けた右側用の端部固定金具69と鏡像関係にある左側用の端部固定金具を前記同様に取付ければ良い。
ここで、本実施形態で使用した前記支柱8の構造について簡単に説明する。前記支柱8は、図9、図14〜図16に示すように、断面略コ字形の主杆体92をその凹溝を前面側に向け、該主杆体92の前面側からそれよりも横幅が広い断面略コ字形の化粧カバー93を被せて互にスポット溶接等によって固定し、全体として筒状構造としたものである。また、前記化粧カバー93の後縁に沿った主杆体92の両側面に上下方向に一体間隔毎に縦長の係止孔94,…を形成している。前記支柱8の係止孔94,…は、両側に立設した状態で、両支柱8,8間に棚板やピンナップボード等のオプションを支持するブラケットを係止するために使用する。
次に、本発明に係る上キャビネット9は、図17〜図26に示すように、前面開放した箱型の本体部100の前面に上下開閉可能に開閉扉101を設けるとともに、該開閉扉101の下部に沿って引手部材102を設け、前記本体部100の両側には側面カバー103,103で覆われたリンク機構部104,104が設けられ、該リンク機構部104を介して前記開閉扉101と引手部材102が連動し、該引手部材102を引き下げると前記開閉扉101が上方へ回動して前記本体部100の前面を開放するようになっている。また、前記開閉扉101の裏面上部であって、前記リンク機構部104による該開閉扉101の回動中心よりも高さHだけ高い位置に、後方へ突出した膨出部105,105を左右に設けている。
そして、図17、図18及び図21に示すように、前記支柱8,8の上端に固定した前後方向に向いたブラケット106,106に前記支持板71の両端部を載置して下方からネジ107,107でそれぞれ取付け、前記本体部100の底面板108の前後中央部に左右両側に連続した下方開放の凹段部109を形成し、該凹段部109を前記支持板71に上方から嵌合した状態で載置するとともに、端部に位置する前記側面カバー103の下端部で前記凹段部109の側方開放部を塞ぎ、且つ前記支持板71の側端を当止し、前記底面板108を前記支持板71に本体部100の内部からネジ110,…にて締結している。
このように、前記本体部100の底面板108の凹段部109を、前記支持板71に嵌合した状態では、該凹段部109を形成する前後の突縁部111,111が前記支持板71の前後端に当接するので、該本体部100の前後方向の位置決めが確実であり、また本体部100の側端部に取付けた前記側面カバー103の下端部で前記支持板71の側端を当止するので、該本体部100の横方向の位置決めが確実であり、その後のネジ110による締結作業が容易になるのである。
更に詳しくは、前記支持板71は、前後縁に立上げた縁板112,112を有し、該縁板112の上端は内向きに端面略L字形に折曲して載置縁113をそれぞれ形成し、前後中央部にも長手方向に延びたハット形の中補強114を固着し、該中補強114には前記載置縁113と同一面となる載置台115を設けている。更に、前記縁板112と中補強114との間には前補強116と後補強117をそれぞれ固着し、それぞれ底板部に固着する部分に前記ネジ107を螺合するナット118を固着し、また底板部から浮いた取付面119にもその下面に前記ネジ110を螺合するナット120を固着している。一方、前記本体部100の底面板108の凹段部109内には前記支持板71の前後の載置縁113,113及び中央部の載置台115に載置する平面を有するとともに、前記ナット120,120に対応する位置に下方へ凹んだバーリング孔121,121を形成している。ここで、前記凹段部109を支持板71に載置した際に、該バーリング孔121の突出端が前記取付面119に当接するように設定している。
更に、前記上キャビネット9の詳細を図17及び図18に基づいて説明する。前記本体部100は、前記底面板108と、該底面板108の上面両側縁に立起状態で固着する側面板122,122と、前記底面板108の後縁に立設し、両側部を前記側面板122,122の後縁と上縁に固着する背面板123と、該背面板123に連続した上面板124とからなる。前記上面板124の前縁は前下方に傾斜した傾斜面125となっている。
前記開閉扉101は、側面視逆L字形の表面板126と、該表面板126の裏面に装着する裏面板127とから中空パネル構造となっている。そして、前記裏面板127の上部には板材をプレス加工して後方を突出した前記膨出部105,105を形成している。ここで、前記膨出部105の縦断面形状は略半円形状である。また、前記開閉扉101の左右中央部の下端部に後述のラッチ式の施錠装置128を内蔵している。
前記引手部材102は、図17及び図18に示すように、アルミ押出し型材で形成し、前面部に凹んだ指掛け部129を有するとともに、上縁部は前記開閉扉101の下縁後面側の段部130に係合する係合凸部131を形成している。ここで、前記係合凸部131の左右中央部には切欠132を形成している。
次に、前記開閉扉101と引手部材102が連動させるリンク機構部104を簡単に説明する。前記リンク機構部104は、前記開閉扉101に取付けて上下回動させる扉リンク部材133と、前記引手部材102に取付けて上下回動させる引手リンク部材134と、両リンク部材を連動させる連結部材135と、前記開閉扉101との重量バランスを取るための引張りコイルばね136とから構成されている。前記扉リンク部材133は、後部を前記側面板122の上部で前後中央部に突設した枢軸137で上下回動可能に支持するとともに、該枢軸137による枢着点から前方へ延び、それから下方へ延び、更に前方へ延びたクランク状のアーム138の先端に側面視略T字状に連結片139を設け、該連結片139を前記開閉扉101の側端部に沿わせて取付けている。また、前記引手リンク部材134は、中央部を前記側面板122の下方前部に突設した枢軸140で上下回動可能に支持するとともに、該枢軸140による枢着点から前方へ側面視略L字形に延びたアーム141の先端部を前記引手部材102の側端面に取付け、また枢軸140による枢着点から後方へ作動片142が延びている。そして、前記扉リンク部材133のアーム138の中間部と前記引手リンク部材134の作動片142の後端部を前記連結部材135の両端にそれぞれ枢着している。更に、前記扉リンク部材133の枢軸137による枢着点から後方へ延びた部分と、前記側面板122の後方下端の角部との間に前記引張りコイルばね136を介在させている。
そして、図21に示す開閉扉101が閉じた状態から、前記引手部材102の指掛け部129に指を掛けて引き下げれば、前記引手リンク部材134の作動片142が上方へ回転し、リンク部材135を介して前記扉リンク部材133のアーム138を押上げ、もって扉リンク部材133が枢軸137を中心に上方へ回転して、図22に示すように、前記開閉扉101は前記本体部100の上方へ退避して、該本体部100の前面が開放するのである。
ここで、前記開閉扉101が閉止状態と開放状態になったときにクリック感を持たせるために、図20〜図21に示すように、前記枢軸140を取付けたベース143に前記引手リンク部材134の枢着板144を摺動可能となし、前記枢着板144の外側にばね板145を圧接し、前記枢着板144の回転方向に所定角度離した位置に設けた二つの係合凹部146,146に、前記ばね板145に設けた弾片147が閉止状態と開放状態とで係合するようにしている。
また、前記側面板122の中央部にはストッパー148を突設し、前記開閉扉101が閉止状態で前記扉リンク部材133のアーム138のエルボー部が当止し、また開放状態で前記引手リンク部材134の作動片142が当止するようになっている。
このように、前記両側面板122,122の外側にはリンク機構部104が設けられるが、これらを当該側面板122の外側に取付けた前記側面カバー103で隠蔽するのである。そして、前記側面板122の上下縁には外側へ直角の折曲した下片149と上片150を有し、前記側面カバー103の内側面の下縁部に、前記下片149の前後部に形成したスリット孔151,151に上方から落とし込む下向き爪片152,152を形成するとともに、前記側面カバー103の上縁に前記上面板124の側縁上面に係止する係止片153を形成し、上方からネジ154を係止片153と上面板124を貫通させて前記上片150に螺合して取付ける。
前述の上キャビネット9には、書籍やその他の物品を収容するが、通常は後述の施錠装置128を開錠状態で使用する。この場合、前記開閉扉101は、その重量によって閉止状態を維持している。しかし、不意に地震が発生し、内部に収容した物品が前方へ移動したときに、前記開閉扉101の下部に当れば該開閉扉101を押上げる方向に力が作用する。そこで、本実施形態ではこのような場合でも前記開閉扉101に押上げる力が作用しないように、図21に示すように、当該開閉扉101の回動中心、即ち前記扉リンク部材133の枢軸137の中心を結ぶ水平線よりも高さHだけ高い位置に前記膨出部105の頂部を設定している。つまり、内部に収容した物品が前方へ移動すると、前記膨出部105の頂部に真っ先に当るので、その衝撃力は前記開閉扉101を閉止方向へ作用するので、不意に開閉扉101が開放して収容物品が天板上に落下することがないのである。
次に、図21〜図25に基づいて、前記開閉扉101を閉止状態で前記引手部材102にラッチにて係着するための施錠装置128を説明する。前記開閉扉101の表面板126と裏面板127の間の空間内に取付けた施錠装置128は、保持ケース155内に固定したシリンダー錠156と、シリンダー錠156の施錠、開錠動作に連動して係脱動作するラッチ機構157とよりなる。前記シリンダー錠156には、ラッチ機構157を構成する正面視逆T字形の操作片158が組み込まれ、該操作片158は施錠動作時に下動し、開錠動作時に上動するようになっている。そして、前記ラッチ機構157は、前記保持ケース155の下端部両側にラッチ片159,159を回動可能に取付けるとともに、該ラッチ片159,159の基端部内側部分を前記操作片158の下端部両側にそれぞれリンク連結し、前記保持ケース155の下端両側部の壁部に形成した開口160,160から、前記ラッチ片159,159が出没するようにしている。前記保持ケース155の下端部は、前記裏面板127の下端の段部130から下方へ突出してあり、開閉扉101の閉止時に前記引手部材102の切欠132内に進入し、施錠時に前記ラッチ片159,159が突出して前記係合凸部131の内側に係止するのである。
最後に、図26に基づいて前記支持板71の上に、2個の上キャビネット9,9を載置して支持するために、両上キャビネット9,9同士を連結する構造を簡単に説明する。左右の両端部には前記側面カバー103,103を取付けるが、中間部に設ける側面カバー103Aは、下縁部に前記支持板71を受け入れる切欠部161を形成している。この側面カバー103Aを側面板122に取付ける構造は前記同様である。そして、前記支持板71に2個の上キャビネット9,9を載置し、前述のように支持板71にネジ110,…で連結した状態で、中央部で接合された一方の上キャビネット9の側面板122、側面カバー103Aと他方の上キャビネット9の側面板122、側面カバー103Aの上部前後部に形成したバーリング孔162,162と通孔163,163とに雄ネジ164と雌ネジ165とで締結するのである。尚、3個以上の上キャビネット9,…を前記支持板71に取付ける構造も同様である。この場合、前記支持板71の支柱8による支持部のスパンが長くなり過ぎると撓むので、両支柱8,8の中間部にも補助支柱を立設することが好ましい。