JP2007151222A - 電気自動車の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】静音性を確保しつつ余剰回生電力を有効利用して蓄電装置を冷却することができる電気自動車の制御装置を提供する。
【解決手段】バッテリ30が車室内に配置された電気自動車1において、ECU50は、バッテリ30の温度に基づく充電制限が行われる場合、バッテリ30の温度に基づき余剰回生電力にて空調装置40を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】バッテリ30が車室内に配置された電気自動車1において、ECU50は、バッテリ30の温度に基づく充電制限が行われる場合、バッテリ30の温度に基づき余剰回生電力にて空調装置40を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、蓄電装置を有する電気自動車の制御装置に関する。
電気自動車では、バッテリに蓄えられた電力を用いてモータを駆動して車両を駆動する。バッテリは充放電時に発熱するが、バッテリ温度が上昇すると電池性能が低下するばかりでなく寿命も低下する。そこで、従来、バッテリ温度の上昇による性能や寿命の低下を回避するため、バッテリを冷却するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、電気自動車では、一般に、制動時および減速時には、車輪の駆動力によってモータを駆動し、モータを発電機として動作させて回生発電を行い、その回生電力でバッテリを充電している。この回生充電を行う際、バッテリには受け入れ可能な電力に限度があり、バッテリの充電可能電力を超えて充電することはできない。そのため、回生電力が充電可能電力を超える場合には、バッテリの充電に利用できない余剰回生電力が生じる。
特許文献2には、バッテリの充電に利用できない余剰回生電力を利用して、バッテリ冷却用の冷却ファンを駆動させるものが提案されている。この構成によれば、余剰回生電力を有効利用してバッテリを冷却することができる。
しかし、上記特許文献1に記載された技術では、バッテリを車室内に配置した車両の場合、冷却ファンの風量を増大してしまうと、ファン作動音が増大し、ドライバー等の乗員に不快感を与えてしまう。
そこで、本発明は、静音性を確保しつつ余剰回生電力を有効利用して蓄電装置を冷却することができる電気自動車の制御装置を提供する。
本発明は、蓄電装置が車室内に配置された電気自動車の制御装置において、蓄電装置の温度に基づく充電制限が行われる場合、蓄電装置の温度に基づき余剰回生電力にて空調装置を制御するものである。
本発明の一実施態様では、前記電気自動車は、駆動源としてエンジンおよびモータを有するハイブリッド自動車である。
本発明によれば、静音性を確保しつつ余剰回生電力を有効利用して蓄電装置を冷却することができる電気自動車の制御装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施の形態に係る電気自動車の制御装置を含む電気自動車1の概略構成を示すブロック図である。本実施の形態における電気自動車1は、車室内に蓄電装置が配置され、当該蓄電装置に蓄えられた電力を用いてモータを駆動し、これにより車両を駆動するものである。電気自動車1の種類は特に限定されないが、ここでは駆動源としてエンジンおよびモータを有するハイブリッド自動車である。
図1において、電気自動車1は、電力回生装置10を有する。この電力回生装置10は、モータを含み、車両の制動時および減速時に当該モータを発電機として動作させることにより、制動時および減速時における機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換する装置である。この電力回生装置10には、電力分配装置20を介して、蓄電装置としてのバッテリ30が接続されており、電力回生装置10の回生電力にてバッテリ30を充電することができるようになっている。
より具体的には、本実施の形態では、電力回生装置10は走行用のモータ11およびインバータ12を含み、モータ11はインバータ12および電力分配装置20を介してバッテリ30に接続されている。力行時には、インバータ12は、バッテリ30の直流電力を交流電力に変換してモータ11に供給し、モータ11を回転駆動する。一方、回生時には、インバータ12は、モータ11の回生電力を直流電力に変換してバッテリ30に供給し、バッテリ30を充電する。
また、バッテリ30は、本実施の形態では図1に示されるように、ケース31に収容されて車室内に配置されている。ケース31の内面とバッテリ30の外面との間には、空気が流通するための(熱交換のための)空間32が設けられている。また、ケース31には、車室と空間32とを連通させる2つの開口33,34が設けられている。
電力回生装置10には、さらに、電力分配装置20を介して、空調装置40のコンプレッサ(以下、A/Cコンプレッサと称す)41が接続されており、電力回生装置10の回生電力をA/Cコンプレッサ41に供給することができるようになっている。
電力分配装置20は、後述するECU50の制御指示に従って、電力回生装置10の回生電力をバッテリ30とA/Cコンプレッサ41とに分配し、バッテリ30の電力をモータ11とA/Cコンプレッサ41とに分配する装置である。
電気自動車1は、さらに電子制御ユニット(ECU :Electronic Control Unit)50を有する。このECU50は、温度計60により測定されたバッテリ30の温度や適宜の手段で検知されたバッテリ30の充電状態(SOC :State OF Charge)等の入力を受け付け、これらに基づいて電力分配装置20等を制御することにより、バッテリ30の充電や冷却に関する制御を行うものである。
図2は、ECU50の動作手順を示すフローチャートである。以下、図2を参照して、ECU50の動作について説明する。
ECU50は、外部から入力されるSOCに基づき、バッテリ30が満充電か否かを判断する(S1)。ここで、満充電とは、それ以上充電する必要がない状態を意味し、充電可能な最大容量まで充電された状態とは必ずしも一致しない。
満充電であると判断された場合(S1:YES)、ECU50は、電力回生装置10による回生を行わないこととし(S2)、ステップS1に戻る。
一方、満充電でないと判断された場合(S1:NO)、ECU50は、温度計60の出力に基づき、バッテリ30の温度が所定温度T℃以上であるか否かを判断する(S3)。ここで、所定温度T℃は、バッテリ30の性能や寿命の低下を回避する観点より予め設定される。
バッテリ30の温度がT℃以上でないと判断された場合(S3:NO)、ECU50は、充電制限を解除状態とし(S4)、ステップS1に戻る。具体的には、ECU50は、回生電力がバッテリ30に供給されるように電力分配装置20を制御する。このように、バッテリ30の温度がT℃未満の場合、満充電になるまで回生が実施され、回生電力にてバッテリ30が充電される。
一方、バッテリ30の温度がT℃以上であると判断された場合(S3:YES)、ECU50は、充電制限を有効状態とするとともに(S5)、回生電力によるA/Cコンプレッサ41の増速を行う(S6)。具体的には、ECU50は、回生電力がバッテリ30に供給されないように、かつ回生電力がA/Cコンプレッサ41に供給されるように電力分配装置20を制御する。このように、バッテリ30の温度がT℃以上の場合、バッテリ30の充電制限は行われるが、回生は実施され(回生制限は行われず)、充電に利用されない回生電力(余剰回生電力)は、A/Cコンプレッサ41の増速に使用される。そして、A/Cコンプレッサ41の増速により車室内温度が低下し、車室内に設置されたバッテリ30の温度が低下する。例えば、低温の車室内空気は、開口33からケース31内の空間32に流入し、空間32においてバッテリ30と熱交換して暖められた後、開口34から流出する。
ECU50は、温度計60の出力を監視し、バッテリ30の温度が所定温度T’℃以下になるまで、充電制限およびA/Cコンプレッサ41の増速を維持する(S7:NO)。そして、バッテリ30の温度が所定温度T’℃以下になると(S7:YES)、回生電力によるA/Cコンプレッサ41の増速を止めるとともに(S8)、充電制限を解除状態とし(S4)、ステップS1に戻る。具体的には、ECU50は、回生電力がA/Cコンプレッサ41に供給されないように、かつ回生電力がバッテリ30に供給されるように電力分配装置20を制御する。このように、バッテリ30の温度がT’℃以下まで低下すると、回生電力によるA/Cコンプレッサ41の増速が停止され、充電制限が解除され、その後、満充電になるまで回生が実施され、回生電力にてバッテリ30が充電される。
以上のとおり、本実施の形態では、蓄電装置が車室内に配置された電気自動車において、蓄電装置の温度に基づく充電制限が行われる場合、蓄電装置の温度に基づき余剰回生電力にて空調装置を制御する。具体的には、余剰回生電力にて空調装置を駆動することにより、蓄電装置を冷却する。このため、本実施の形態によれば、静音性を確保しつつ余剰回生電力を有効利用して蓄電装置を冷却することができる。
より具体的に言えば、本実施の形態によれば、バッテリ30の温度上昇に伴う充電制限が入る状況においても電力を回生し、その電力を活用し充電制限が解除できるようバッテリ30を冷却するので、車両全体としてのエネルギー効率を向上させることができ、燃費向上を実現することができる。また、本実施の形態によれば、車室内に配置されたバッテリ30を空調装置40により冷却するので、冷却ファンを用いる場合と比較して、静音性に優れ、快適性を確保することができる。また、風の温度を下げることができるので、高い熱交換性能を得ることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更することができる。例えば、上記実施の形態では、充電制限を行う場合、回生電力をバッテリ30に全く供給しないこととしたが、充電制限の態様はこれに限定されず、例えば次のような態様であってもよい。すなわち、ある態様では、ECU50は、バッテリ30の温度に応じて充電可能電力を決定し、回生電力が充電可能電力を超える場合には、回生電力のうち充電可能電力に相当する電力をバッテリ30に供給し、残りの電力(余剰回生電力)をA/Cコンプレッサ41に供給する。ここで、上記充電可能電力は、好適にはバッテリ温度が高くなるにつれて小さくなるように決定される。また別の態様では、ECU50は、バッテリ30の温度に応じて充電利用割合を決定し、回生電力のうち当該充電利用割合分をバッテリ30に供給し、残りの電力(余剰回生電力)をA/Cコンプレッサ41に供給する。ここで、上記充電利用割合は、好適にはバッテリ温度が高くなるにつれて小さくなるように決定される。
また、バッテリ30が満充電の場合において、上記実施の形態では回生しないこととしたが、回生を実施して回生電力をバッテリ30以外の負荷(例えば、A/Cコンプレッサ41や抵抗など)で消費することとしてもよい。
また、バッテリ30の電力は、A/Cコンプレッサ41に供給されてもよい。例えば、バッテリ30の温度がT℃以上である場合、回生電力だけでなく、バッテリ30の電力をA/Cコンプレッサ41に供給してもよい。
1 電気自動車、10 電力回生装置、11 モータ、12 インバータ、20 電力分配装置、30 バッテリ、40 空調装置、41 A/Cコンプレッサ、50 ECU、60 温度計。
Claims (2)
- 蓄電装置が車室内に配置された電気自動車の制御装置において、
蓄電装置の温度に基づく充電制限が行われる場合、蓄電装置の温度に基づき余剰回生電力にて空調装置を制御することを特徴とする電気自動車の制御装置。 - 請求項1に記載の電気自動車の制御装置において、
前記電気自動車は、駆動源としてエンジンおよびモータを有するハイブリッド自動車であることを特徴とする電気自動車の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005338645A JP2007151222A (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 電気自動車の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005338645A JP2007151222A (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 電気自動車の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007151222A true JP2007151222A (ja) | 2007-06-14 |
Family
ID=38211966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005338645A Pending JP2007151222A (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 電気自動車の制御装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2007151222A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011244568A (ja) * | 2010-05-17 | 2011-12-01 | Denso Corp | 減速エネルギ回収制御装置 |
JP2012111381A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Daimler Ag | ハイブリッド電気自動車の制御装置 |
JP2017093048A (ja) * | 2015-11-04 | 2017-05-25 | 株式会社デンソー | モータ制御装置 |
JP2021097574A (ja) * | 2019-12-19 | 2021-06-24 | トヨタ自動車株式会社 | 電動車両 |
-
2005
- 2005-11-24 JP JP2005338645A patent/JP2007151222A/ja active Pending
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JP7248565B2 (ja) | 2019-12-19 | 2023-03-29 | トヨタ自動車株式会社 | 電動車両 |
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