JP2007148192A - 積層体、それを用いた定着部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

積層体、それを用いた定着部材、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性ゴムで構成される弾性層と、塗工作業性が容易且つ加工時に弾性層の熱劣化を抑制するプライマー層と、フッ素系樹脂で構成される離型層とを備えた非粘着性及び柔軟性を有する積層体、これを用いた定着部材、定着装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】基体23a上に、耐熱性ゴム(例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フロロシリコーンゴム等)からなる第1の層23b、フッ素樹脂を主成分とする接着樹脂と有機磁性体(例えば、高スピン有機分子系磁性体、有機金属錯体系磁性体、有機熱処理物系磁性体等)を含有してなる第2の層23c、及びフッ素系樹脂からなる第3の層23dを順次設けた積層体(ロール形状またはベルト形状)とする。これを用いて定着装置、画像形成装置に配備する。
【選択図】図6

Description

本発明は、耐熱性、非粘着性及び柔軟性を有する積層体に関する。特には、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いるのに好適なフッ素樹脂層を表面に有する積層体及びその積層体を用いた定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化や高速化の市場要求が強くなってきている。これらの要求性能を達成するためには、画像形成装置に用いられる定着装置の熱効率の改善が重要である。
画像形成装置では、電子写真記録、静電記録、磁気記録等の画像形成プロセスにより、画像転写方式もしくは直接方式で、記録材シート、印刷紙、感光紙あるいは静電記録紙などの記録材上に未定着トナー画像を形成する。この場合、未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、ベルト定着方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。
また、これら最近の画像形成装置において用いられる定着部材(ローラ形状やベルト形状)には、オイルレスでのトナー離型性、柔軟性、弾力性などが必要とされている。これらの要求を満たすため、積層体により構成した部材が使用されている。
その積層体の構成として、例えば、基体上に、第1の層(耐熱合成ゴムからなる弾性層)と、第2の層(第1の層と第3の層を接合するフッ素樹脂を主成分とする接着層:プライマー層)、第3の層(フッ素樹脂からなる離型層)を設けたものが知られている。
上記の弾性層を構成する材料としては、耐熱性ゴム、中でも耐熱性合成ゴムであるシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが使用されている。また離型層を構成する材料としては四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、及び、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)といったものが使用されている。
この離型層を設ける場合、弾性層の表面にプライマー層を形成し、更にその上に上述したようなフッ素樹脂の分散塗料や粉体塗料、もしくはフッ素樹脂チューブを積層し、これらフッ素樹脂の融点以上の温度で加熱して層形成することが知られている。
しかしながら、上記フッ素樹脂の融点は非常に高温であり、弾性層に用いる耐熱性合成ゴムにとって過酷な温度である。このため、高温加熱して定着部材を作製すると、耐熱合成ゴムが熱劣化し、定着部材の性能を左右する離型層の剥がれや、弾性層にクラックや表層硬度変化などの問題を引き起こすことがあった。なお、弾性層にクラックや表層硬度の変化を引き起こすと定着部材の表面性が損なわれ、画像汚れ、画像ムラ、光沢ムラ、画像定着不良等の不具合の発生を生じたりする。
上記問題を解決するための対策として、本出願人は先に、耐熱合成ゴムに酸化錫及び酸化チタンから選ばれる少なくとも一つを含有(耐熱合成ゴムにSnO2、TiO2を添加)させる手法(例えば、特許文献1参照。)、あるいは、耐熱合成ゴムに酸化錫と、酸化鉄、カーボンブラック、酸化セリウム及び水酸化セリウムから選ばれる少なくとも1種とを含有(耐熱合成ゴムにSnO2、Fe23、他を添加)させる手法(例えば、特許文献2参照。)を提案した。
特許文献1または特許文献2の手法により、耐熱合成ゴムの耐熱性が向上し、画像汚れ、画像ムラ、光沢ムラ画像定着不良などが防止される。しかし、上記無機充填剤の添加により耐熱性を向上させる手法を用いる場合、耐熱合成ゴムの粘度上昇を引き起こし、定着部材を塗工加工により製作する際の加工性が必ずしも充分であると言えるものではなかった。
また、他の手法として、離型層を形成するために用いるフッ素樹脂にリン酸基を含有させて焼成温度を耐熱合成ゴムが耐えうる温度まで下げる手法が提案されている。
しかし、焼成温度は300℃という高温処理であり、耐熱合成ゴムの劣化を必ずしも充分に抑制できるものとは言い難いものであった(例えば、特許文献3参照。)。
一方、複写機やプリンター等画像形成装置の高速化の要求が強まってきている。このような要求を達成する方法として電磁誘導加熱方式の定着装置が提案されている。例えば、耐熱性の定着ベルト基体上に電磁誘導による発熱性を有する薄膜層を設けて構成したIH定着ベルトが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
上記構成の定着ベルトも前述と同様に離型層にフッ素樹脂が使用されおり、また熱伝導性を向上させるために熱伝導性の高い無機充填剤が添加されている。このため、前述した問題と同様の課題がある。
また先に、本出願人は、定着ベルトが非発熱性である電磁誘導加熱方式の定着装置(IH定着装置)を提案した(例えば、特許文献5参照。)。
すなわち、特許文献5においては、発熱層を定着ベルト内に設けず、定着ベルトは、加熱ローラとの接触により電磁誘導による発熱材料層からの熱を熱伝導によって受ける構成となっている。更に加熱ローラは、非発熱体と発熱材料層との間に磁性体層を設けており、励磁コイルにより発生する磁場Eが集中しやすい構成とし、励磁コイルと非発熱体とのギャップから漏れ難くして加熱性を高める構成となっている。
このような構成によって、発熱層以外の層が加熱されることに伴う不具合(例えば、破損、層間剥離など)を解消することができる。しかし、励磁コイルと非発熱体とのギャップは構成上、定着ベルトの厚みと励磁コイルとのギャップの影響を受けてしまう可能性がある。
特開2004−163715号公報 特開2004−170758号公報 特開2005−212318号公報 特開2003−338365号公報 特開2005−91422号公報
前述のように無機充填剤の添加による耐熱性向上の手法では、耐熱合成ゴムの粘度上昇を引き起こし、定着部材の塗工加工性に難があった。また、電磁誘導加熱方式のIH定着ベルトを用いる手法では、離型層としてフッ素樹脂の使用、あるいは熱伝導性向上のための無機充填剤添加が付帯するため、耐熱合成ゴムの熱劣化や塗工加工性に問題がある。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、耐熱性ゴムから構成される弾性層と、塗工作業性が容易で且つ加工時において弾性層の熱劣化を抑制するプライマー層と、フッ素系樹脂から構成される離型層とを備えた非粘着性及び柔軟性を有する積層体を提供すると共に、この積層体を用いた定着部材、定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、基体上に順次設ける耐熱性ゴム層とフッ素系樹脂層の間にフッ素樹脂を主成分とする接着樹脂に有機磁性体を含有させた接着層を介在させることによって、上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。以下、本発明について具体的に説明する。
すなわち、本発明は、基体上に、耐熱性ゴムからなる第1の層、フッ素樹脂を主成分とする接着樹脂からなる第2の層、及びフッ素系樹脂からなる第3の層が順次設けられた積層体において、
前記第2の層が、少なくとも有機磁性体を含有していることを特徴とする積層体である。
上記構成とすることにより、積層体作製時の塗工性が良好で加工が容易であり、加熱加工処理においても耐熱ゴムが熱劣化することがない。これによって、耐熱性、非粘着性及び柔軟性を有する積層体が提供される。
また、本発明は、上記積層体において、前記有機磁性体が、高スピン有機分子系磁性体、有機金属錯体系磁性体、有機熱処理物系磁性体から選ばれる何れか一種もしくはそれらを組み合せたものであることを特徴とする。
上記磁性体を用いることによって、加熱加工工程における耐熱ゴム材料の熱劣化を抑制する効果が充分に発揮される。これによって、弾性層にクラックや表層硬度変化を引き起こすことなく表面性の良好な積層体が提供される。
更に、本発明は、画像形成プロセスにおいて転写体上のトナー像を定着させるローラ形状もしくはベルト形状を有する定着部材であって、
前記定着部材は、前記何れかに記載の積層体からなることを特徴とする定着部材に係るものである。
上記積層体を用いることにより、オイルレスでのトナー離型性、柔軟性、弾力性などの要求を達成することができ、定着性能及び耐久性の優れたローラ形状もしくはベルト形状の定着部材が提供される。
また、本発明は、画像形成プロセスにおいて転写体上のトナー像を定着させる定着部材を備えた定着装置であって、
前記定着部材は、上記に記載の定着部材からなることを特徴とする定着装置に係るものである。
上記定着部材を備えた定着装置とすることにより、画像汚れ、画像ムラ、光沢ムラ、画像定着不良等の発生のない高品質の画像が定着、形成される。
また、本発明は、電磁誘導加熱により発熱する加熱ローラと、
該加熱ローラに平行配置される定着ローラと、
該加熱ローラと定着ローラとに掛け回される電磁誘導加熱に対して非発熱性のベルトと、
該ベルトを介して定着ローラに圧接すると共に該ベルトとの間で定着ニップ部を形成する加圧ローラと、
前記加熱ローラをその外周側から電磁誘導により加熱する加熱手段と、
を備えた定着装置であって、前記何れかに記載の積層体からなるベルトであることを特徴とする定着装置に係るものである。
上記有機磁性体を含有する積層体からなるベルトを用いた構成とすることにより、電磁誘導加熱の加熱効率を更に向上し、画像形成装置の高速化要求を満たすことが可能であると共に、画像汚れ、画像ムラ、光沢ムラ、画像定着不良等の発生のない高品質の画像が定着、形成される。
また、本発明は、少なくとも像担持体、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、定着手段、除電手段、及びクリーニングを有する画像形成装置であって、
前記定着手段は、前記何れかに記載の定着装置により構成されたことを特徴とする画像形成装置に係るものである。
上記画像形成装置によれば、前記何れかに記載の定着装置を備えているので、経時においても、画像汚れ、画像ムラ、光沢ムラ、画像定着不良等の発生などもなく、常に安定した高品質の画像が形成される。
このため、例えば、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置として用いることができる。
本発明に係るフッ素樹脂を主成分とする接着樹脂と有機磁性体を含有する第2の層(プライマー層)は、塗工作業性が容易で且つ加工時において弾性層の熱劣化を抑制する。これによって、表面性が良好で、耐熱性、非粘着性及び柔軟性を有するフッ素系樹脂からなる第3の層(離型層)を備えた積層体が提供される。
本発明に係る定着部材によれば、フッ素系樹脂からなる第3の層を表面に有するため、オイルレスでのトナー離型性がある。そして、柔軟性、弾力性などを有し、定着性能及び耐久性の優れた定着部材が提供される。
本発明に係る定着装置によれば、画像汚れ、画像ムラ、光沢ムラ、画像定着不良等の発生のない高品質定着を行うことができる。
また、加熱ローラと定着ローラとに掛け回されるベルト構成とした電磁誘導加熱方式の定着装置とすれば、電磁誘導加熱の加熱効率が更に向上し、画像形成装置の高速化要求を満たすことができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、経時においても、画像汚れ、画像ムラ、光沢ムラ、画像定着不良等のない定着がなされ、高品質の画像形成を行うことができる。
前述のように本発明における積層体は、基体上に、耐熱性ゴムからなる第1の層、フッ素樹脂を主成分とする接着樹脂からなる第2の層、及びフッ素系樹脂からなる第3の層が順次設けられた積層体において、前記第2の層が、少なくとも有機磁性体を含有していることを特徴とするものである。
図1は本発明における積層体の構成例を示す概略断面図である。
図1の構成では、基体51上に、耐熱性ゴムからなる第1の層(弾性層)52、フッ素樹脂を主成分とする接着樹脂と有機磁性体を含有する第2の層(プライマー層)53、及びフッ素系樹脂からなる第3の層(離型層)54が順次設けられている。
すなわち、第2の層53に有機磁性体を含有していることによって、積層体作製時の塗工性を良好に維持しつつ、高温度による加熱加工時における第1の層52を形成する耐熱性ゴムの熱劣化を抑制することが可能となり、耐熱性、非粘着性及び柔軟性を有するフッ素樹脂層を表面に備えた積層体が得られる。
本発明における積層体50は、シート形状、ローラ形状、あるいはベルト形状であっても構わない。そして、後述のように画像形成装置における定着装置の定着部材のほか、加圧部材や搬送部材(搬送ベルトやローラ)として有用であるばかりではなく、画像形成装置以外の用途、例えば、汚れ防止、離型性、耐熱性などが必要とされる部材として使用可能である。
ここで、前記有機磁性体としては、高スピン有機分子系磁性体、有機金属錯体系磁性体、有機熱処理物系磁性体などが挙げられる。これら有機磁性体から選ばれる何れか一種もしくはそれらを組み合せたものであることが好ましい。以下に、有機磁性体について具体的に説明する。
有機磁性体は磁性発現状態によって次のように分類されるが、強磁性体、反強磁性体、超常磁性体、常磁性体、スピングラス等これらのどの磁性体であっても構わない。
有機磁性体を例示すると、例えば、1,4−ビス(2,2’,6,6’−テトラメチル−1−オキシル)ブタインを加熱または紫外線照射することによって製造された黒色粉末状ポリマー〔Nature, 326,370(1987)〕、1,3,5−トリアミノベンゼンを沃素によって重合した黒色不溶性ポリマー〔Synth.Metal, 19,709(1987)〕、ポリカルベン(日本化学学会誌、1987,No.4,595)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
高スピン有機分子系磁性体とは、π共役系を持つ有機分子の固有のトポロジー的対称性により並行スピンを持たせるもの、純有機分子にスピンを持たせるものであり、凡そモノマーユニット単位でフリーラジカル/スピンを有している材料であり、熱劣化に伴うラジカルを捕捉抑制するものである。
例えば、ポリカルベン、ポリフェニルアセチレン、COPNA樹脂(縮合芳香族多環化合物樹脂)系材料等が挙げられる(高スピン有機分子系磁性体例:日本化学会誌、595(1987)、J.Am.Chem.Soc,109,1266(1987)、第9回基礎有機化学連合討論会要旨集P-60(1988),Mol.Cryst,Liq.Cryst,176,125(1987),日本化学会春季,142,34(1991)、日本化学会第57回3D410-413(1988)等)が、これらに限定されるものではない。
有機金属錯体系磁性体とは、遷移金属を配位した有機錯体化合物の集合体であり、遷移金属イオンが有機分子を介して超交換相互作用により、スピンが並行に並ぶものであり、凡そ一分子錯体単位で金属の価数変化をすることにより酸素による熱劣化を抑制するものである。
例えば、デカメチルフェロセン/TCNQ電荷移動錯体、オキサイドビスベンゾアト錯体、ポリフィリン錯体、フタロシアニン錯体担持ポリマー、フェロセン錯体担持ポリマー等が挙げられる(有機金属錯体系磁性体例:J.Am.Chem.Soc.109,769(1987),J.Am.Chem.Soc.108,3143(1986)、特開昭62-192383、Chem.Lett,2331(1987)等)が、これに限定されるものではない。
有機熱処理物系磁性体とは、ポリマーや有機金属錯体化合物を高温で熱処理したものであり、炭化する前段階の構造を構成しており、フリーラジカルや遷移金属イオンなどが多量に発生し、各々が相互作用をしているものであり、熱劣化に伴うラジカル捕捉、酸化劣化抑制などの効果を有する。
例えば、ポリアクリル二トリル熱処理物、オクタシアノフタロシアニン化合物熱処理物、インダンスロン熱処理物、アダマンタン熱処理物や上記高スピン有機分子系磁性体や有機金属錯体系磁性体の熱処理物などが挙げられる(有機熱処理物系磁性体例:Synth,Metals,27.B615(1988)IUPAC,CHEMRAWNVI,Tokyo,1C05(1987),Synth,Metals,27,B625(1988)、Chem,Express,5,597,601,605(1990)、特開平5−114508等)が、これらに限定されるものではない。
すなわち、上記磁性体を用いることによって、加熱工程における耐熱ゴム材料の熱劣化に伴うラジカル等を捕捉して、効果的に酸化劣化を抑制することができる。そのため、耐熱性ゴムからなる第1の層(弾性層)にクラックの発生や、表層硬度の変化を引き起こすことなく、表面性の良好な積層体が得られる。
本発明においては、第2の層(プライマー層)に有機磁性体を含有することによって、少なくとも第1の層(弾性層)の熱劣化を抑制するものであるが、後述のような電磁誘導加熱方式の定着装置の定着部材として用いる場合には、有機磁性体の電子スピン濃度が高い方が好ましい。
すなわち、電子スピン共鳴(ESR)法により測定される有機磁性体のスピン濃度が、少なくとも1×1017/g以上、更に好ましくは1×1018/g以上であることが好ましい。1×1017/g以上のスピン濃度であると、強磁性を発現する可能性が高くなり、電磁誘導加熱方式において磁束を集中させるのに有効な磁性材料となる。 なお、スピン濃度が1×1017/g未満であると強磁性発現の可能性が乏しくなり、電磁誘導加熱方式において磁束を集中させることが難しくなる。
本発明の積層体は、画像形成プロセスにおいて転写体上のトナー像を定着させる定着部材として好適に用いられる。定着部材は、ローラ形状もしくはベルト形状であるものが好ましい。
以下、本発明における定着部材の構成を説明する。
図2は、ローラ形状(a)及びベルト形状(b)の定着部材の構成例を示す概略断面図である。
図2(a)において、Aは定着部材(ローラ)である。定着部材(ローラ)Aは、基体A1上に、耐熱性合成ゴム等の耐熱性弾性体(ゴム)(以降、「耐熱性合成ゴム」と称することがある。)で構成される第1の層(弾性層)A2、第2の層(プライマー層)A3、及び第3の層(フッ素系樹脂で構成される離型層)A4を順次備えている。そして、前記プライマー層A3には、有機磁性体が含有されている。
図2(b)において、Bは定着部材(無端ベルト)である。定着部材(無端ベルト)Bは、基体B1上に、耐熱性合成ゴムで構成される第1の層(弾性層)B2、第2の層(プライマー層)B3、及び第3の層(フッ素系樹脂で構成される離型層)B4を順次備えている。そして、前記プライマー層B3には、有機磁性体が含有されている。
なお、基体A1と弾性層A2との間、または基体B1と弾性層B2との間に接着強度を高めるためにシリコーン系プライマーを使用してもよい。
図2(a)及び図2(b)に示す定着部材は、それぞれ耐熱性の基体A1またはB1の表面に前記耐熱性合成ゴムをコーティングして弾性層A2またはB2を設け、更にその上面にコーティングにより、プライマー層A3またはB3を設け、その上にフッ素系樹脂をコーティングして離型層A4またはB44を設けて作製することができる。
上記弾性層の作製方法としては、シリコーンプライマー等で基体表面を改質して耐熱合成ゴム材料をスプレー塗装やブレードコート、ディッピング等によって塗布し、その後ゴムを加硫して弾性層とすることができる。
また、プライマー層の作製方法としては、フッ素樹脂を主成分とするプライマー分散液(水系フッ素樹脂ディスパージョンなど)を弾性層と同様に塗布し、乾燥してプライマー層とすることができる。
更に離型層の作製方法としては、前記弾性層上のプライマー層上にフッ素系樹脂分散液(水系フッ素樹脂ディスパージョンなど)を弾性層と同様に、スプレー塗装、ブレードコート、またはディピングなどによる塗装や、フッ素樹脂系粉体塗料を静電塗装、流動浸漬、または回転ライニング法などによってフッ素系樹脂塗布膜を形成し、そのフッ素系樹脂塗膜を焼成して離型層とすることができる。
前述のように、プライマー層A3またはB3が、有機磁性体を含有していると、弾性層と離型層の界面の耐熱性を向上させ、フッ素樹脂焼成時の熱による弾性層を構成する耐熱性合成ゴムの劣化及びそれに起因する接着強度の低下をより抑制させることができる。
すなわち、有機磁性体の有する磁性発現に関わるフリーラジカル/スピンが、離型層を形成する際のフッ素系樹脂塗膜焼成時における耐熱合成ゴムの熱劣化、主鎖断裂や側鎖酸化劣化などに伴う発生するラジカルを捕捉し、耐熱合成ゴムへのダメージを抑制すると推測される。そのため、焼成時の劣化が少なくなり、定着装置稼動の高温経時においても、界面劣化が抑制され、離型層剥がれや弾性層の表面硬度変化やクラックが抑制されるものと考えられる。
定着部材は画像形成装置の定着装置に配備され、画像形成プロセスにおいて転写体上のトナー像を定着させる役割を担うものである。
本発明の積層体からなるローラ形状もしくはベルト形状の定着部材とすることにより、オイルレスでのトナー離型性、柔軟性、弾力性などの要求を達成することができ、画像汚れ、画像ムラ、光沢ムラ、画像定着不良等の発生のない高品質の画像が定着できる。すなわち、定着性能及び耐久性に優れる。従って、定着手段として上記定着装置が配備された画像形成装置は、常に安定した高品質の画像が形成される。
以下、図を参照して画像形成装置及び定着装置について説明する。図3は、本発明における電子写真方式の画像形成装置(例えば、複写機やレーザプリンタ等)を説明するための概略構成図である。
図3において、画像形成装置100は、静電潜像が形成される感光体ドラム101、感光体ドラム101に接触して帯電処理を行う帯電ローラ102、レーザビーム等の露光手段103、感光体ドラム101の静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ104、帯電ローラ102にDC電圧を印加するためのパワーパック105、感光体ドラム101上のトナー像を記録紙107に転写処理する転写ローラ106、転写処理後の感光体ドラム101をクリーニングするためのクリーニング装置108、感光体ドラム101の表面電位を測定する表面電位計109、並びに定着ローラ111及び加圧ローラ112からなる定着装置110によって構成されている。
この電子写真方式を用いる画像形成装置100では、回転する感光体ドラム101の感光体層を帯電ローラ102を用いて一様に帯電させた後にレーザビーム等の露光手段103で露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによって現像してトナー像とし、このトナー像を記録紙107上に転写する。そして、この記録紙107を、定着ローラ111及び加圧ローラ112からなる定着装置110に通過させ、記録紙107上に付着しているトナーを定着ローラ111の熱により軟化させつつ加圧して記録紙107上にトナー像が定着するように構成されている。
この場合の定着ローラ111として、本発明の積層体からなる定着部材が好適に用いられる。図3の構成では定着部材は、いわゆるローラ形状であるが、定着部材がベルト形状でも構わない。ベルト方式の定着装置について下記に説明する。
図4はベルト方式の定着装置を説明するための概略構成図である。
図4に示した定着装置117は、加熱ローラ115と、加熱ローラ115に平行配置される定着ローラ114と、前記加熱ローラ115と定着ローラ114とによって掛け回される、回転可能に設けた定着ベルト113と、前記ベルト113を介して定着ローラ114に圧接すると共に、前記ベルト113との間で定着ニップ部を形成する加圧ローラ116から構成されている。この場合のベルト113として、本発明の積層体からなる定着部材が好適に用いられる。
図4のようなベルト方式の定着装置117は、加熱ローラ115で加熱された定着ベルト113と加圧ローラ116との間に記録紙107を通過させることにより、記録紙107の上に付着しているトナーを定着ベルト113の熱により軟化させつつ加圧ローラ116で加圧して記録紙上に定着させるようになっている。
上記積層体により構成した定着部材について詳しく説明する。
図1に示したように 積層体からなる定着部材の構成は、基体と、この基体の上に第1の層として耐熱性ゴム(耐熱合成ゴム)からなる弾性層と、第2の層として、第1の層と第3の層を接合するフッ素樹脂を主成分とする接着樹脂と有機磁性体を含有するプライマー層と、この第2の層の上に第3の層としてフッ素樹脂からなる離型層を設けた構成になっている。
以後、「第1の層」を「弾性層」、「第2の層」を「プライマー層」、及び「第3の層」を「離型層」と表現することがある。
本発明の実施形態における定着部材を構成するプライマー層としては、フッ素系樹脂を主成分とするもの(フッ素樹脂系プライマー)であれば特に限定されない。
ここで、フッ素樹脂系プライマーは、官能基を有するフッ素樹脂からなり、弾性層を形成する材料の種類、その表面の性質、及びフッ素樹脂系プライマーを介して形成する離型層(フッ素樹脂、いわゆるトップコートの種類)などにより適宜選択される。
フッ素樹脂系プライマーは、その上に被覆する離型層のフッ素樹脂の構造と類似の構造を有するものに官能基を含んだものが好ましい。このように類似構造のフッ素樹脂系を組合せることによって、フッ素樹脂系プライマーに用いられるフッ素樹脂とその上に被覆されるフッ素樹脂との相溶性が良好なものとなる。これにより、フッ素樹脂系プライマー層と弾性層の表面との接着性だけではなく、フッ素樹脂系プライマー層と離型層との層間接着強度も良好なものとなりうる。
上記フッ素樹脂系プライマーを用いれば、高温での使用においても、例えば、他の樹脂成分からなるプライマーを用いた場合に問題となるような、重合体の熱収縮率の違いなどによる層間剥離やクラック、ピンホールなどを起こし難い。
また、塗膜の最表面に官能基を含まないフッ素樹脂を用いて離型層を形成しても、優れた耐熱性、耐薬品性、非粘着性、及び低摩擦性をより効果的に発揮することができる。
なお、フッ素樹脂系プライマーの層厚は0.01〜5μmであることが好ましい。この範囲を逸脱していると、接着強度が低下したり、プライマー自身にクラックや凝集破壊が起き、所望の性能が得られない場合がある。
また、プライマー層における有機磁性体の添加量は、フッ素樹脂系プライマー分散液100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。有機磁性体の添加量が0.01重量部未満では所望の耐熱性が得られず、接着強度が低下したり、耐熱合成ゴムの劣化によってゴム破壊する場合がある。一方、10重量部を越えるとプライマー層の成膜性が劣り、プライマー層にクラックや凝集破壊が生じる場合がある。
前述のように、電磁誘導加熱方式の定着装置の定着部材として用いる場合には、有機磁性体のスピン濃度が、1×1017/g以上であり、更に好ましくは1×1018/g以上であることが好ましい。このようなスピン濃度であれば、特に本発明に記載のような電磁誘導による加熱方式に用いられる場合の定着ベルトにおいて磁束集中を図るのに有効となる。
なお、上記スピン濃度は、磁束集中に着目した場合のものであり、このスピン濃度範囲以外でも耐熱性ゴムの熱劣化防止には有効であるので、このスピン濃度に限定されるものではない。従って、本発明記載のような電磁誘導方式の定着ベルトの場合であっても、上記スピン濃度範囲以外の有機磁性体を、耐熱性ゴムの熱劣化防止を目的としたプライマー添加材料として使用しても何ら差し支えない。
更に、本発明における有機磁性体の他に、必要に応じて無機磁性体を含有していても何ら問題なく、磁束集中を図る場合にはより効果的である。この場合、併用される無機磁性体としては、フェロ磁性あるいはフェリ磁性を示す強磁性体が挙げられる。
フェロ磁性体としては、Fe、Ni、Co及びその合金、CrO2等の酸化物が、フェリ磁性体としては、スピネル型フェライト(MnFe24、Fe34、γ−Fe23、NiZnFe48、ZnFe24等)、ガーネット(Y3Fe612等)等が、それぞれ挙げられる。
なお、前記プライマー分散液への添加方法としては、超音波やホモジナイザー等、一般的な方法で分散させることができる。
前記弾性層A2またはB2を構成する耐熱性ゴムとしては、好ましくは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フロロシリコーンゴム等の耐熱性合成ゴムであるが、耐熱性ゴム(いわゆる耐熱性弾性体)であれば特にこれらに限定されるものではない。また特に、弾性層A2またはB2を構成する耐熱性合成ゴムがシリコーンゴム、フッ素ゴム、フロロシリコーンゴムなどの耐熱性合成ゴムであると、定着時の温度(〜200℃)において耐熱性を有しているので、定着部材の表面の柔軟性が表層にそのまま反映され、安定して良好な定着画像品質が得られる。
また、前記離型層A4またはB4を構成するフッ素系樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン−ポリエチレンフルオロビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などから選ばれるフッ素系樹脂、またはそれらのフッ素樹脂の混合物、またはそれらのフッ素樹脂を耐熱性の樹脂に分散させたものが挙げられるが、フッ素系樹脂であれば特にこれらに限定されるものではない。離型層A4またはB4がフッ素系樹脂で構成されることでトナーのオイルレス離型性が発現することになる。なお、本発明における離型層A4またはB4の膜厚が厚いと光沢ムラが発生し易くなるので層構成に応じて適宜厚さを設定することが好ましい。
前記加熱定着部材Aにおける基体A1は、好ましくは、アルミニウム、ステンレススチール、真鍮等の金属材料で構成されるローラである。
また、前記加熱定着部材Bにおける基体B1は、ステンレススチール、ニッケル等の金属材料で構成される無端ベルト、ポリイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂材料で構成される無端ベルト、あるいは、これらの積層無端ベルトである。
なお、定着部材がローラ形状、ベルト形状(無端ベルト)であるものについて記載したが、目的、用途に応じて上記材料から構成される(積層構成も含む)シート形状であるものを用いても構わない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
先ず、実施例と比較例において用いる有機磁性体、及びフッ素系樹脂含有プライマーを以下により合成した。
〔合成例1〕
有機磁性体の合成(I)(高スピン有機分子系磁性体:COPNA樹脂系材料)
ピレン20.2gとベンズアルデヒド10.6gを充分撹拌混合した後、p−トルエンスルホン酸5重量%を加えて、アルゴン気流中、撹拌しながら160℃、共沸脱水により1時間加熱した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、メタノールに再沈精製し、トリアリールメタン構造を有する化合物(I)を28.9g(収率93.9%)得た。
次に、この化合物の光酸化処理を行なうため、クロロホルム/四塩化炭素=1/1(Vol/Vol)混合溶媒600mlに化合物(I)を200mg溶解し、高圧水銀灯(ウシオ電機社製 UM−102)を用いて、5時間照射した。光照射後、試料溶液をメタノールにて再沈精製し、脱水素生成物を192mg(収率96.0%)得た。
この脱水素生成物を、シャーレに水を張り、その下に永久磁石を置いた水面凝集法にて評価したところ、即座に磁束密度の高いところに集まり、更にこの脱水素生成物をESRスペクトル(日本電子社製 JEOL−JES−TE300)測定したところ、低磁場側に非常に巾広いブロードな吸収が見られ、磁性体であることが確認された。更に、スピン濃度を求めたところ、1.0×1018スピン/gであった。
〔合成例2〕
有機磁性体の合成(II)(有機金属錯体系磁性体:フェロセンポリマー系材料[フェロセン−ケイ皮アルデヒド縮合ポリマー])
フェロセン200gとケイ皮アルデヒド80gと無水塩化第2鉄25.8gとジメチルホルムアミド150mlを混合し、窒素気流下で撹拌しつつ140℃に加熱した。次に、キシレン375mlに溶解したケイ皮アルデヒド100gを1時間かけて滴下した。キシレンとの反応により生成した水は、共沸により系外に溜出した。更に150℃まで昇温し、2時間反応させた。反応終了後、室置まで放冷し、生じた樹脂を濾別精製した。褐色樹脂281g(収率86.5%)を得た。
このフェロセンポリマー10gと2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン12.6gをジメチルホルムアミド1500mlに充分に溶解し、アルゴン気流下、12時間、加熱還流を行なった。その後、試料溶液をメタノールにて再沈精製し、磁性体7.3g(収率73%)を得た。
この樹脂について、VSM(振動式試料磁力計)を用いて磁化特性を測定したところ、Is(飽和磁化)=0.09emu/g、Hc(保持力)=200Oeが得られた。 ESRにより求めたスピン濃度は3.0×1018/gであった。
〔合成例3〕
有機磁性体の合成(III)(有機熱処理物系磁性体:熱処理インダントロン材料)
インダントロン(東京化成製)10gをガラスチューブアルゴン封入下、常圧で500℃にて加熱処理を所定時間行ない、インダントロンの加熱処理物を得た。VSM(振動式試料磁力計)を用いて磁化特性を測定したところ、Is(飽和磁化)=0.25emu/g、Hc(保持力)=60Oeが得られた。ESRにより求めたスピン濃度は2.5×1018/gであった。
〔合成例4〕
プライマー分散液の合成(IV)(水性フッ素樹脂ディスパージョン)
攪拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた3リットルガラスライニング製オートクレーブに純水1500ml、パーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0gを入れ、窒素ガスで充分置換した後、真空にし、エタンガス20mlを仕込んだ。次いで、ヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量体として、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネン−1−オール)3.8g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)18gを窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を70℃に保った。攪拌を行いながらテトラフルオロエチレンガスを内圧が8.5kgf/cm2Gとなるように圧入した。次いで、過硫酸アンモニウム0.15gを水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラフルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2Gまで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。テトラフルオロエチレンの供給を続けながら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約40g消費されるごとに、前記ヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量体1.9gを計3回(計5.7g)圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約160g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、青みがかった半透明の水性フッ素樹脂ディスパージョン1702gを得た。得られた水性フッ素樹脂ディスパージョン中のフッ素樹脂の固形分濃度は10.9重量%、動的光散乱法で測定した粒子径は70.7nmであった。
更にこの水性フッ素樹脂ディスパージョンを界面活性剤により濃縮して、固形分濃度を15重量%とした。この水性フッ素樹脂ディスパージョン100重量部(固形分濃度15重量%)、界面活性剤を濃縮時に使用した量と併せ1.0重量部、増粘剤:メチルセルロース水溶液(メチルセルロース4.8重量%)4.0重量部を均一混合し、SUS網(300メッシュ)で濾過して、プライマー分散液とした。
(実施例1)
以下の工程を順次経て、実施例1の積層体を作製した。
〈a−1〉工程:40μm厚のシート状のステンレススチール(SUS)製基体上にプライマー(東レダウコーニングシリコーン社製、DY39−051)を塗布し乾燥してシリコーンプライマー層を形成した。
〈b−1〉工程:形成したシリコーンプライマー層の上に耐熱性シリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン社製、DY35−2083)の溶液を塗布して300μmの塗布層を形成し、シリコーンゴムを120℃×15分間の1次加硫後、200℃×4時間の2次加硫を経て弾性層を形成した。
〈c−1〉工程:形成した弾性層の上に、合成例4で合成したプライマー分散液(水性フッ素樹脂ディスパージョン)に0.1重量部の合成例1で合成した高スピン有機分子系磁性体(COPNA樹脂系材料)を分散させたプライマーをスプレー塗装して厚さ2μmのプライマー層を形成した。
〈d−1〉工程:形成したプライマー層の上に、PFA(三井・デュポンフロロケミカル社製、PFA340−J)を20μmの膜厚になるように粉体塗布してフッ素樹脂塗布層を形成し、この塗布層を340℃で30分間焼成して離型層を形成した。
(実施例2)
実施例1の(c−1)工程において用いた、0.1重量部の高スピン有機分子系磁性体に替えて0.1重量部の合成例2で合成した有機金属錯体系磁性体(フェロセンポリマー系材料)を分散させたプライマーを用いた以外は、実施例1と同様の工程を順次経て実施例2の積層体を作製した。
(実施例3)
実施例1の(c−1)工程において用いた、0.1重量部の高スピン有機分子系磁性体に替えて0.1重量部の合成例3で合成した有機熱処理物系磁性体(熱処理インダントロン材料)を分散させたプライマーを用いた以外は、実施例1と同様の工程を順次経て実施例3の積層体を作製した。
(比較例1)
実施例1の(c−1)工程において用いた、0.1重量部の高スピン有機分子系磁性体を含まず、合成例4で合成したプライマー分散液(水性フッ素樹脂ディスパージョン)のみのプライマーを用いた以外は、実施例1と同様の工程を順次経て比較例1の積層体を作製した。
上記作製した実施例1〜実施例3、及び比較例1の積層体を用いて、次の条件で剥離試験を行い接着性の評価を行った。結果を下記表1に示す。
<剥離試験法>
試験巾10mm、引張り速度約50mm/minで、90度剥離試験を行った。剥離場所が弾性層とプライマー、あるいはゴム層とプライマーの間のものを×とし、ゴム層での破壊より強い接着強度が出たものを○として表1に示した。
Figure 2007148192
実施例1〜3の積層体における各層間の剥離強度は高く、ゴム層で破壊するほどの接着強度を示し、積層体形成工程での焼成による劣化は認められなかった。
一方、比較例1については、プライマー層とゴム層間で剥離することが観察され、接着力不足であることが認められた。このことから、積層体形成工程での焼成によりゴム層が硬化劣化し、非常に硬くなったため層界面間で剥がれたものと考えられる。
(実施例4)
以下の工程を順次経て、実施例4の定着ローラを作製した。
〈a−2〉工程:直径40mmのアルミニウムで構成される芯金上にプライマー(東レダウコーニングシリコーン社製、DY39−051)を塗布し乾燥してシリコーンプライマー層を形成した。
〈b−2〉工程:形成したシリコーンプライマー層の上に耐熱性シリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン社製、DY35−2083)溶液を250μmの塗布層を形成し、シリコーンゴムを120℃×15分間の1次加硫後、200℃×4時間の2次加硫を経て弾性層を形成した。
〈c−2〉工程:形成した弾性層の上に、合成例4で合成したプライマー分散液(水性フッ素樹脂ディスパージョン)に0.1重量部の合成例2で合成した有機金属錯体系磁性体(フェロセンポリマー系材料)を分散させたプライマーをスプレー塗装して厚さ2μmのプライマー層を形成した。
〈d−2〉工程:形成したプライマー層の上に、プライマー層の上にPFA分散液(三井・デュポンフロロケミカル社製、PFA945HP−Plus)をスプレー塗装して30μm厚の塗布層を形成し、この塗布層を340℃で30分間焼成して離型層を形成した。
(実施例5)
実施例4の(c−2)工程において用いた、0.1重量部の合成例2で合成した有機金属錯体系磁性体(フェロセンポリマー系材料)に替えて0.1重量部の合成例3で合成した有機熱処理物系磁性体(熱処理インダントロン材料)を分散させたプライマーを用いた以外は、実施例4と同様の工程を順次経て実施例5の定着ローラを作製した。
(比較例2)
実施例4の(c−2)工程において用いた、0.1重量部の有機金属錯体系磁性体(フェロセンポリマー系材料)を含まず、合成例4で合成したプライマー分散液(水性フッ素樹脂ディスパージョン)のみのプライマーを用いた以外は、実施例4と同様の工程を順次経て比較例2の定着ローラを作製した。
(実施例6)
以下の工程を順次経て、実施例6の定着ベルトを作製した。
〈a−3〉工程:直径60mm、幅400mm、厚さ0.1mmのポリイミド樹脂製シームレスベルトの表面にシリコーンゴム用プライマー(東レダウコーニング社製、DY39−067)をスプレー塗装して厚さ1μmのシリコーンプライマー層を形成した。
〈b−3〉工程:このシリコーンプライマー層の上に耐熱性シリコーンゴム(東レダウコーニング社製、DY35−2083)のトルエン溶液をスプレー塗装して200μmの塗布層を形成し、シリコーンゴムを120℃×15分間の1次加硫後、200℃×4時間の2次加硫を経て弾性層を形成した。
〈c−3〉工程:形成した弾性層の上に、合成例4で合成したプライマー分散液(水性フッ素樹脂ディスパージョン)に0.1重量部の合成例2で合成した有機金属錯体系磁性体(フェロセンポリマー系材料)を分散させたプライマーをスプレー塗装して厚さ2μmのプライマー層を形成した。
〈d−3〉このフッ素系樹脂含有プライマー層の上にPFA分散液(三井・デュポンフロロケミカル社製、PFA945HP−Plus)をスプレー塗装して30μm厚の塗布層を形成し、この塗布層を340℃で30分間焼成して離型層を形成した。
(実施例7)
実施例6の(c−3)工程において用いた、0.1重量部の合成例2で合成した有機金属錯体系磁性体(フェロセンポリマー系材料)に替えて0.1重量部の合成例3で合成した有機熱処理物系磁性体(熱処理インダントロン材料)を分散させたプライマーを用いた以外は、実施例6と同様の工程を順次経て実施例7の定着ベルトを作製した。
(比較例3)
実施例6の(c−3)工程において用いた、0.1重量部の有機金属錯体系磁性体(フェロセンポリマー系材料)を含まず、合成例4で合成したプライマー分散液(水性フッ素樹脂ディスパージョン)のみのプライマーを用いた以外は、実施例6と同様の工程を順次経て比較例3の定着ベルトを作製した。
なお、実施例及び比較例の他のPFA系フッ素樹脂としては、PFA940HP−puls(三井・デュポンフロロケミカル社製)、PFA440HP−J(三井・デュポンフロロケミカル社製)、PFA441HP−J(三井・デュポンフロロケミカル社製)、PFA940HP−puls(三井・デュポンフロロケミカル社製)、PFA950HP−puls(三井・デュポンフロロケミカル社製)等も用いることができる。
上記作製した実施例4〜7、及び比較例2、3で作製した定着部材(定着ローラ及び定着ベルト)について次の評価を行った。
「部材作製後の外観」を目視により観察した。次いで、それぞれの定着部材を用いて複写を行い、複写枚数が「1枚」、「10万枚」及び「20万枚」に達した時点での「画質(ベタ地)」を観察し、定着部材(定着ローラ及び定着ベルト)の表面における「複写後の外観」について異常の有無を目視により確認し、下記評価基準により評価した。評価結果を下記表2に示す。
<目視観察による評価基準>
○:実用上、問題とならないレベル
△:若干の異変や劣化が認められるレベル
×:著しい異変や劣化が認められるレベル
ここでいう画質の劣化とは、ゆず肌や光沢ムラのことを意味する。これは定着部材の弾性層が劣化することで、部材表面の平滑性が失われ、あるいは定着時の圧力が不均一になったことに起因するものである。
Figure 2007148192
実施例4〜7については、定着部材作製後(1枚)、10万枚、及び20万枚の複写を終えても、画質及び定着ベルトに特に異常は見られなかった。一方、比較例2、3については、10万枚の複写を終えた時点で定着ベルト表面に多少のクラック、及び弾性層の硬化劣化による画質の劣化が見られたが、部品は破損していなかったので評価を継続した。しかし、20万枚の複写を終えた時点では画質が著しく劣化し、定着ベルトを観察するとクラックが発生・成長しており、定着部材として満足に機能しないレベルまで劣化・破損していた。なお、クラックが発生した場合には、クラックが発生した部分にトナーが残留するので、画像汚れや表面不均一による画像定着不良などの不具合が発生することとなる。
(実施例8)
本発明の積層体からなる定着部材を備えた定着装置を組み込んで画像形成装置を構成した。
図5は、本発明における定着装置を組み込んだ画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図中1は像担持体、2は帯電手段、3はレーザ書き込みユニット、4は現像装置、5は転写ローラ、6はクリーニング装置である。また図中7は給紙部、8は給紙ローラ、9はレジストローラ対、10は定着装置、11は排紙部、12は画像形成装置本体を示す。なお、定着装置10の定着ベルトは、例えば、実施例6、7のようなベルト構成からできている。
像担持体1は、図示しない駆動手段により図中矢印方向に回転駆動され、帯電手段2によりその表面を一様に帯電させ、ついでレーザ書き込みユニット3からの露光により表面に潜像を形成する。この潜像は、現像装置4によって可視像化し、給紙部7から給紙ローラ8やレジストローラ対9等を介して供給する紙等の転写体Pに転写ローラ5によってトナー像を転写する。トナー像転写後に像担持体1表面上に残留するトナーはクリーニング装置6によって除去する。 画像を転写された転写体Pは、定着装置10へ導入し、加熱、加圧によってトナー像を転写体Pに定着させ、その後排紙部11へと排紙する。
上記構成の画像形成装置を用いて複写した結果、オイルレスでも画像汚れ、画像ムラ、光沢ムラ、画像定着不良等の発生のない高品質の画像が形成された。なお、本発明の画像形成装置は図5に示す構成に限定されない。
(実施例9)
本発明の積層体からなる定着部材を配備して電磁誘導加熱方式の定着装置を構成した。
図6は、本発明における電磁誘導加熱方式の定着装置の一構成例(A)と、定着ベルトの拡大断面(B)を示す概略図である。
この定着装置は、誘導加熱手段20の電磁誘導により加熱される加熱ローラ21と、加熱ローラ21と軸線が平行となるように配置され定着ローラ22と、加熱ローラ21と定着ローラ22とに掛け回した無端状の本発明の積層体からなる定着部材(定着ベルト)23と、定着ベルト23を介して定着ローラ22に圧接して回転する加圧ローラ24とから構成されている。
誘導加熱手段20は、電磁誘導により加熱ローラ21を加熱するもので、磁界発生手段である励磁コイル25と、励磁コイル25を巻いたコイルガイド板26と、励磁コイル25の外側に配したフェライト等の強磁性体からなる半円筒形状の励磁コイルコア27と、励磁コイルコア27を固定支持する励磁コイルコア支持部材28とから構成してある。なお、励磁コイル25は、図示を省略した駆動用電源に接続してある。
コイルガイド板26は加熱ローラ21の外周面に近接配置した半円筒形状をしており、励磁コイル25は、図7(図6の定着装置における誘導加熱手段の構成を示す概略断面図(要部断面図(A)、要部側面図(B)、要部拡大断面図(C))に示すように一本の励磁コイル線材をコイルガイド板26に沿って加熱ローラ21の軸方向に交互に巻き付けたものであり、図7(C)に示すように、コイルの軸と垂直方向に磁場Eを発生させ、加熱ローラ21を電磁誘導により加熱する。この加熱ローラ21は、例えばセラミック等の断熱性を有する材料や、スーパー・エンジニアリング・プラスティックにフェノール樹脂やガラス等のバルーン(中空体)を分散混合した断熱材等や、シリカ製の低熱伝導性の材料等からなる中空円筒状の非発熱体30と、その外周面(定着ベルト23への接触面)側に設けた発熱材料層31からなる。
中空筒状の非発熱体30は、加熱ローラ21としての支持体を兼ねるので、肉厚を例えば0.3mmあるいは0.4mm等のように支持体としての所要の剛性を有する構成とする。一方、発熱材料層31はSUS430やニッケル等の発熱材料を蒸着等により1〜10μm程度の厚さで層状に非発熱体30上に形成して構成する。
図6において、定着ローラ22は、例えば、ステンレススチール等の金属製の芯金を、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして被覆して構成する。加圧ローラ24は、例えば、銅やアルミ等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金の表面に耐熱性でかつトナー離型性の高い弾性部材を設けて構成する。定着ローラ22と加圧ローラ24は、定着ベルト23を介して圧接し、転写体Pとその上のトナーTを加熱、加圧により定着させる。
図6(B)の要部拡大概略図(図6(A)の23の構造を示す拡大断面部分図)に示した定着ベルト23は、熱伝導性が良好でたわみなどの変形が生じにくいものであればよく、本発明においては定着ベルト23に電磁誘導による発熱性は不要であるので、前記実施例6及び7と同様の定着ベルトを用いることができる。
すなわち、定着ベルト23は、基体23a上に、耐熱性合成ゴムで構成される弾性層23b、プライマー層23c及び、フッ素系樹脂で構成される離型層23dを順次有している。そして、前記プライマー層23cは、有機磁性体を含有した構成となっており、励磁コイル25により発生する磁場Eが集中しやすい構成とし、発熱材料層31への磁束集中を可能とし、励磁コイル25と非発熱体30とのギャップから漏れ難くして加熱性を高めることを可能とした構成となっている。
なお、前記プライマー層23cに含有の有機磁性体はスピン濃度が少なくとも1×1017/g以上であり、このようなスピン濃度を有する有機磁性体は強磁性が発現する可能性が高い。従って、特に磁束集中を可能とするに有効な磁性材料となり、耐熱性向上と併せた相乗効果が現出する。 なお図中40は温度センサで定着ベルト23の内側に配置し、定着ベルト23の温度が検出できる構成としている。
このような構成で励磁コイル25に駆動電源から高周波交流電流を給電して磁場Eを発生させ、加熱ローラ21の発熱材料層31を電磁誘導により加熱する。定着ベルト23は、加熱ローラ21との接触により発熱材料層31からの熱伝導を受け、加熱ローラ21と定着ローラ22の回転によって発熱材料層31が連続的に全体に渡って加熱され、昇温する。この際、断熱性あるいは低熱伝導性の非発熱体30によって発熱材料層31の熱が中空内部へ伝わることがほぼ遮断され、効率よく定着ベルト23へと伝熱される。
上記構成の電磁誘導加熱方式の定着装置を配備した画像形成装置を用いて複写した結果、定着ベルトの層間剥離やクラックの発生、あるいは表面硬度の変化などがなく、初期特性の改善はもとより経時耐久性に優れ、画像ムラ、光沢ムラ、画像定着不良等の発生のない高品質の画像が形成された。なお、本発明の定着装置は図6及び7に示す構成に限定されない。
前述のように本発明の積層体を用いれば、第2の層(官能基を有するフッ素樹脂系プライマー層)に有機磁性体を含有しているので、何ら熱的な悪影響を与えずに第1の層(弾性層)を形成しつつ、第3の層(離型層)界面との接着性向上が図られるため、耐熱性、非粘着性、柔軟性に優れた定着部材を得ることができる。このような定着部材を画像装置に配備すれば、耐熱合成ゴムの劣化による弾性層のクラック発生に起因する画像汚れ、表面不均一による画像定着不良等の不具合の発生を防止することができる。また、電磁誘導加熱定着方式の非発熱定着ベルトとして用いれば、励磁コイルとのギャップからの影響を少なくし、磁束集中の効果を付与できるという効果も得られ、良好な発熱効果が得られる電磁誘導加熱定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
本発明における積層体の構成例を示す概略断面図である。 本発明におけるローラ形状(a)及びベルト形状(b)の定着部材の構成例を示す概略断面図である。 本発明における電子写真方式の画像形成装置を説明するための概略構成図である。 本発明におけるベルト方式の定着装置を説明するための概略構成図である。 本発明における定着装置を組み込んだ画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明における電磁誘導加熱方式の定着装置の一構成例(A)と、定着ベルトの拡大断面(B)を示す概略図である。 図6の定着装置における誘導加熱手段の構成を示す概略断面図(要部断面図(A)、要部側面図(B)、要部拡大断面図(C))である。
符号の説明
A 定着部材(ローラ)
B 定着部材(無端ベルト)
A1、B1 基体
A2、B2 第1の層(弾性層)
A3、B3 第2の層(プライマー層)
A4、B4 第3の層(離型層)
1 像担持体
2 帯電手段
3 レーザ書き込みユニット
4 現像装置
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
7 給紙部
8 給紙ローラ
9 レジストローラ対
10 定着装置
11 排紙部
12 画像形成装置本体
20 誘導加熱手段
21 加熱ローラ
22 定着ローラ
23 定着ベルト
23a 基体
23b 弾性層
23c プライマー層
23d 離型層
24 加圧ローラ
25 励磁コイル
26 コイルガイド板
27 励磁コイルコア
28 励磁コイルコア支持部材
30 非発熱体
31 発熱材料層
40 温度センサ
P 転写体
T トナー
50 積層体
51 基体
52 第1の層(弾性層)
53 第2の層(プライマー層)
54 第3の層(離型層)

Claims (6)

  1. 基体上に、耐熱性ゴムからなる第1の層、フッ素樹脂を主成分とする接着樹脂からなる第2の層、及びフッ素系樹脂からなる第3の層が順次設けられた積層体において、
    前記第2の層が、少なくとも有機磁性体を含有していることを特徴とする積層体。
  2. 前記有機磁性体が、高スピン有機分子系磁性体、有機金属錯体系磁性体、有機熱処理物系磁性体から選ばれる何れか一種もしくはそれらを組み合せたものであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 画像形成プロセスにおいて転写体上のトナー像を定着させるローラ形状もしくはベルト形状を有する定着部材であって、
    前記定着部材は、請求項1または2に記載の積層体からなることを特徴とする定着部材。
  4. 画像形成プロセスにおいて転写体上のトナー像を定着させる定着部材を備えた定着装置であって、
    前記定着部材は、請求項3に記載の定着部材からなることを特徴とする定着装置。
  5. 電磁誘導加熱により発熱する加熱ローラと、
    該加熱ローラに平行配置される定着ローラと、
    該加熱ローラと定着ローラとに掛け回される電磁誘導加熱に対して非発熱性のベルトと、
    該ベルトを介して定着ローラに圧接すると共に該ベルトとの間で定着ニップ部を形成する加圧ローラと、
    前記加熱ローラをその外周側から電磁誘導により加熱する加熱手段と、
    を備えた定着装置であって、
    前記ベルトは、請求項1または2に記載の積層体からなるベルトであることを特徴とする定着装置。
  6. 少なくとも像担持体、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、定着手段、除電手段、及びクリーニングを有する画像形成装置であって、
    前記定着手段は、請求項4または5に記載の定着装置により構成されたことを特徴とする画像形成装置。
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