JP2007147766A - レンズアクチュエータ、組み付け精度調整治具及び組み付け精度調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズホルダの上端部及び下端部を別個の部材でガイドしつつ、レンズホルダの光軸精度を容易に高めることができるレンズアクチュエータを提供すること。
【解決手段】本発明のレンズアクチュエータ1において、上側及び下側ケース6a,6bは、光軸O方向と平行な面に対する上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度を調整するための調整治具200,300に押し当てられ、所定の角度をなして互いに交差する側面30a,30b,30c,30d;33a,33b,33c,33dを有し、これらの側面の交差部が調整治具200,300の切欠部202,302に係合支持される係合部として形成されている。したがって、上側及び下側ケース6a,6bの一対の側面を調整治具200,300に対して押し当てるだけで上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度を高めることが可能になる。
【選択図】図13
【解決手段】本発明のレンズアクチュエータ1において、上側及び下側ケース6a,6bは、光軸O方向と平行な面に対する上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度を調整するための調整治具200,300に押し当てられ、所定の角度をなして互いに交差する側面30a,30b,30c,30d;33a,33b,33c,33dを有し、これらの側面の交差部が調整治具200,300の切欠部202,302に係合支持される係合部として形成されている。したがって、上側及び下側ケース6a,6bの一対の側面を調整治具200,300に対して押し当てるだけで上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度を高めることが可能になる。
【選択図】図13
Description
本発明は、レンズを光軸方向に沿って移動させるためのレンズアクチュエータ、及び、このレンズアクチュエータの組み付け精度を調整するための組み付け精度調整治具、並びに、レンズアクチュエータの組み付け精度を調整するための方法に関する。
レンズを光軸方向に沿って移動させるためのレンズアクチュエータは従来から様々な形態のものが知られている。例えば、特許文献1には、中空状のステッピングモータを利用したレンズアクチュエータが開示されている。このレンズアクチュエータにおいて、レンズを保持するレンズホルダは、その上端部及び下端部がそれぞれケース及び基体によりガイドされた状態で、光軸方向に移動できるようになっている。
特開2004−317864号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構造では、レンズホルダの上端部及び下端部のそれぞれが、ケース及び基体という別個の部材によってガイドされるため、ケース及び基体の組み付け精度が低いと、レンズホルダの光軸精度が高まらないといった問題が生じる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、レンズホルダの上端部及び下端部を別個の部材でガイドしつつ、レンズホルダの光軸精度を容易に高めることができるレンズアクチュエータ、及び、そのようなレンズアクチュエータの組み付け精度を調整するための組み付け精度調整治具、並びに、レンズアクチュエータの組み付け精度を調整するための方法を提供することを目的とする。
本発明のレンズアクチュエータは、レンズを保持するレンズホルダと、このレンズホルダの外側に配された中空状のモータとをケース内に備え、前記モータが回転することにより前記レンズホルダが光軸方向に沿って移動するレンズアクチュエータであって、前記ケースが上側ケースと下側ケースとを有し、前記上側ケースには、光軸方向に沿って移動する前記レンズホルダの上端部をガイドする上側ガイド部が形成され、前記下側ケースには、光軸方向に沿って移動する前記レンズホルダの下端部をガイドする下側ガイド部が形成され、前記上側及び下側ケースは、光軸方向と平行な面に対する上側及び下側ケースの組み付け精度を調整するための調整治具に押し当てられ、所定の角度をなして互いに交差する少なくとも一対の側面を有し、これらの側面の交差部が前記調整治具の切欠部に係合支持される係合部として形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、上側及び下側ケースの一対の側面を調整治具に対して押し当てるだけで上側及び下側ケースの組み付け精度を高めることが可能になる。そのため、レンズホルダの上端部及び下端部を上側ケース及び下側ケースによって個別にガイドしても、レンズホルダの光軸精度を容易に高めることができるようになる。また、上側及び下側ケースの側面の交差部が前記調整治具の切欠部に係合支持される係合部として形成されているため、上側及び下側ケースの一対の側面を調整治具に対して押し当てた状態を安定して保持することができる。
本発明のレンズアクチュエータにおいては、前記上側及び下側ケースは、光軸方向と垂直な面に対する上側及び下側ケースの組み付け精度を調整するための調整治具が押し当てられる水平押当部を有していることが好ましい。この構成によれば、光軸方向と垂直な面に対する上側及び下側ケースの組み付け精度を同時に調整することができ、レンズホルダの光軸精度をさらに高めることが可能になる。
本発明のレンズアクチュエータにおいては、前記ケースの一側面には、前記モータに対して電流を供給するための端子部をケースの外部に導出させる開口部が形成され、前記一側面以外の他の側面には、前記開口部と略同一形状のダミー開口部が形成されていることが好ましい。この構成によれば、端子部を導出さる開口部に加えて、同一形状のダミー開口部が形成されているため、ケースの一方側だけに開口が偏らず、ケース成形時におけるケースの歪みを防止することができる。
本発明のレンズアクチュエータにおいては、前記上側及び下側ケースと前記レンズホルダとが樹脂によって形成されていることが好ましい。この構成によれば、レンズホルダの光軸方向に沿う移動をガイドする上側及び下側ケースがレンズホルダと同じ樹脂材によって形成されているため(レンズホルダとケースとが同一素材によって形成されているため)、ガイド時における両部材の摩耗を防止することができる。
本発明のレンズアクチュエータにおいては、前記モータは、ロータと、このロータの外周に配されるステータとを有し、前記ステータは、円筒状に巻回された通電用のコイルと、このコイルと対向する複数の歯状のクローを所定のピッチで形成する磁性体で構成されたクロー部材とを備え、前記クロー部材は、前記コイルを部分的に取り囲む矩形枠状のハウジングを形成するとともに、前記コイルの外周部を部分的に露出させるための開口を前記ハウジングの4つの側面に形成していることが好ましい。
この構成によれば、開口を通じてコイルの外周部を部分的に露出させる大きさでクロー部材によりハウジングが形成されているため、円筒状のコイルの全周を取り囲む円筒状のハウジングをクロー部材が形成する場合に比べて、ステータ全体を小型化することができる。
さらに、本発明においては、上記構成の上側及び下側ケースの組み付け精度を調整するための組み付け精度調整治具及び組み付け精度調整方法も提供される。
本発明によれば、上側及び下側ケースの一対の側面を調整治具に対して押し当てるだけで上側及び下側ケースの組み付け精度を高めることが可能になる。そのため、レンズホルダの上端部及び下端部を上側ケース及び下側ケースによって個別にガイドしても、レンズホルダの光軸精度を容易に高めることができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図4には本発明の実施の形態に係るレンズアクチュエータ1の全体構成が示されている。なお、図1及び図2はレンズアクチュエータ1の斜視図であり、図3はレンズアクチュエータ1の要部縦断面図であり、図4はレンズアクチュエータ1の分解斜視図である。
図1〜図4には本発明の実施の形態に係るレンズアクチュエータ1の全体構成が示されている。なお、図1及び図2はレンズアクチュエータ1の斜視図であり、図3はレンズアクチュエータ1の要部縦断面図であり、図4はレンズアクチュエータ1の分解斜視図である。
これらの図に示されるように、レンズアクチュエータ1は、全体が略立方体状に形成されており、樹脂製のレンズホルダ2と、レンズホルダ2を光軸O方向に沿って移動可能に保持する中空のモータ4と、レンズホルダ2と共にモータ4を保持して収容する矩形枠状(本実施の形態では、略正方形状)の樹脂材で構成されたケース6とを備えてなる。なお、本実施の形態において、モータ4は、後述するように、いわゆるPM型2相クローポール式のステッピングモータを構成している。
レンズホルダ2は、光軸方向に沿って配列された所要のレンズ10…を保持してなる蓋状の第1のレンズバレル3及び筒状の第2のレンズバレル5を有する。第1のレンズバレル3は、第2のレンズバレル5に一体に取り付けられ、第2のレンズバレル5と一体で光軸方向に移動するようになっている。
モータ4は、光軸Oを中心に回転可能な円筒状のロータ(回転子)18と、このロータ18の外周に同心的に配置されるステータ(固定子)17とを有する。
ロータ18は、円筒状の永久磁石9と、永久磁石9の内側に同心的に配置された円筒状のカム部材7とを有する。カム部材7は、永久磁石9の内周面に接着固定されるとともに、その内周面に形成された雌ネジ7aが第2のレンズバレル5の外周面に形成された雄ネジ5aと螺合している。また、永久磁石9の外周には、N極とS極とが交互に所定数の対だけ等ピッチで着磁されている。
一方、ステータ17は、永久磁石9の周囲に同心的に配置されるとともに、スペーサ19を挟んで互いに上下に積層された第1のステータ部(1相側固定子)17a及び第2のステータ部(2相側固定子)17bとを有する。
図5及び図6に詳しく示されるように、第1のステータ部17aは、外周が略矩形状を成し且つ内周が円形を成す上側クロー部材11と、外周が略矩形状を成し且つ内周が円形を成す下側クロー部材12と、後述するフレキシブルプリント配線板50上に設置された状態でクロー部材11,12間に位置される円筒状又は環状の第1のマグネットコイル20とを有する。
上側及び下側クロー部材11,12は、磁性金属で構成され、その内周に沿って等ピッチで配置された複数(本実施の形態では10個)のクロー(歯部)11a,12aを有している。また、これらのクロー11a,11bは、クロー部材11,12の矩形枠状の主面11b,12bに対して略垂直に延びており、例えば主面11b,12bから90°曲げ起こすことによって形成されるとともに、N極とS極とが交互に着磁された永久磁石9の外周面と所定の空隙を介して対向している。また、上側クロー部材11のクロー11a(10個のクロー11aからなるクロー群)は、図7に明確に示されるように、下側クロー部材12のクロー12a(10個のクロー12aからなるクロー群)に対し、これらのクロー12aと交互に噛み合うように周方向に1/2ピッチずれて配置されている。
一方、第1のステータ部17aと同様に、第2のステータ部17bも、外周が略矩形状をなし、内周が円形を成す上側クロー部材13と、外周が略矩形状をなし、内周が円形をなす下側クロー部材14と、後述するフレキシブルプリント配線板50上に設置された状態でクロー部材13,14間に位置される円筒状又は環状の第2のマグネットコイル22とを有する。
上側及び下側クロー部材13,14は、磁性体で構成され、その内周に沿って等ピッチで配置された複数(本実施の形態では10個)のクロー(歯部)13a,14aを有している。また、これらのクロー13a,14bは、クロー部材13,14の矩形枠状の主面13b、14bに対して略垂直に延びており、例えば主面13b、14bから90°曲げ起こすことによって形成されるとともに、N極とS極とが交互に着磁された永久磁石9の外周面と所定の空隙を介して対向している。また、上側クロー部材13のクロー13a(10個のクロー13aからなるクロー群)も、図7に示されるように、下側クロー部材14のクロー14a(10個のクロー14aからなるクロー群)に対し、これらのクロー14aと交互に噛み合うように周方向に1/2ピッチずれて配置されており、これらのクロー群13a,14aの外周にマグネットコイル22が配置されている。なお、図7に明確に示されるように、2相側であるこの第2のステータ部17bのクロー群13a,14aは、1相側である第1のステータ部17aのクロー群11a,12aに対して周方向に1/4ピッチずれて配置されている。
なお、各クロー部材11,12,13,14の矩形枠状の外形は、小型化を図るために、例えば従来から存在する円環状クロー部材の外形の4隅を切り落として矩形状に調えることにより得られることが好ましい。
図8及び図9には、円筒状のマグネットコイル20,22を設置するためのフレキシブルプリント配線板(以下、FPCという)50が明確に示されている。図示のように、FPC50は、第1のステータ部17aの第1のマグネットコイル20が載置固定される円環状の第1のコイル載置部50aと、第2のステータ部17bの第2のマグネットコイル22が載置固定される円環状の第2のコイル載置部50bと、これらの載置部50a,50b同士を接続する接続部50cとを有し、第1及び第2のコイル載置部50a,50bが同一平面上で左右に位置してなる平坦なプリント基板を接続部50cで折り返して第1及び第2のコイル載置部50a,50bを互いに上下に位置(光軸O方向に対向)させた状態(図8及び図9の状態)で使用される。なお、各コイル載置部50a,50bは、外周が略矩形状をなし、内周が円形をなして形成されている。
一方、これらのコイル載置部50a,50b上に載置固定されるマグネットコイル20,22は、導電ワイヤで構成された芯材と、この芯材の外周に被覆された絶縁層と、この絶縁層の外周に塗布された接着剤で構成された接着層とによって構成された長尺な線材を円筒状又は環状に束ねることによって形成され、前記接着層同士の接着力により前記円環形状を保持するとともに、熱を加えて前記接着層を溶融させることにより、対応するコイル載置部50a,50bに対して溶着固定されている。この場合、マグネットコイル20,22は、コイル載置部50a,50bの矩形状の外形にほぼ内接するように配置される。
FPC50の各コイル載置部50a,50bの外周縁には、マグネットコイル20,22から導出される導電ワイヤの端部が電気的に接続(半田付け)される電気接点部を有する耳部(電気コネクタ)100,102が所定個数(本実施の形態では2つ)だけ設けられている。これらの耳部100,102は、各コイル載置部50a,50bの主面から90°曲げ起こすことによって形成されても良く、前記電気接点部は、第2のコイル載置部50bの主面から略垂直に屈曲状態で延び、外部の電気素子と電気的に接続される接続端子部50eに対してプリント配線により導通接続されている。なお、耳部100,102は、前記電気接点部を除く部分が絶縁材によって形成され、あるいは、導電材料の外面(電気接点部が位置する内面と反対側の面…、後述するクロー部材11,14の接続部11c、14cと対向する面)に絶縁層が形成されたものであっても良い。
また、FPC50は、ロータ18の回転を検出するための光センサチップ44(図9参照)が載置されるセンサ載置部50dを有している。このセンサ載置部50dは、第2のコイル載置部50bの主面から略垂直に延びるとともに光センサチップ44が載置される載置面90を形成しており、接続端子部50eと略対向するように設けられている。
ここで、マグネットコイル20,22が接着固定されるFPC50に対するクロー部材11,12,13,14の組み付け形態について簡単に説明すると、第1のステータ部17aの下側クロー部材(第1のクロー部材)12及び第2のステータ部17bの上側クロー部材(第2のクロー部材)13は、その間に絶縁材で構成されたスペーサ19を介在させた状態で、FPC50を接続部50cで折り曲げることによって第1のコイル載置部50aと第2のコイル載置部50bとの間に形成される空間S’内に挿入嵌合された状態で配置されている。この嵌合配置状態では、各クロー部材12,13のクロー群12a,13aが、対応する環状の第1のコイル載置部50a又は第2のコイル載置部50bの開口を通じて互いに反対側に突出することにより、各コイル載置部50a,50bに接着固定された対応するマグネットコイル20,22の内周面と所定の隙間を介して対向する。
なお、クロー群12a,13aとマグネットコイル20,22の内周面との間に所定の隙間を確実に確保して、クロー部材12,13とマグネットコイル20,22との接触を防止するためには、図11に示されるような構成をとることが好ましい。すなわち、図11に示されるFPC50の各コイル載置部50a,50bの内周縁には、空間S’内に挿入配置される対応するクロー部材12,13の各クロー12a,13aと対向する位置に、これらのクロー12a,13aとマグネットコイル20,22との電気的な接触を防止する絶縁突起99が形成されている。これらの絶縁突起99は、対応するクロー部材12,13の各クロー12a,13aと略同一形状をなして、クロー12a,13aと同じピッチでコイル載置部50a,50bの周方向に沿って設けられている。クロー部材12,13とマグネットコイル20,22との電気的な接触を防止する他の手段としては、例えば、マグネットコイル20,22と対向する各クロー12a,13aの対向面に絶縁膜を塗布したり、あるいは、各クロー12a,13aと対向するマグネットコイル20,22の内周面に絶縁膜を設けても良い。
また、FPC50の空間S’内に挿入配置されるクロー部材12,13と対をなすクロー部材11,14は、マグネットコイル20,22の外周側でクロー部材12,13と接続されている。
具体的には、第1のステータ部17aの上側クロー部材11は、その外周縁に、周方向に等しい角度間隔をもって設けられた複数の接続部11c(本実施の形態では、90°間隔で4つ)を有している。これらの接続部11cは、上側クロー部材11の主面11bに対して略垂直に延びており、下側クロー部材12の外周縁の対応する位置に形成された凹状の切り欠き70に係合する係合部72と、係合部72の両端にフランジ状に形成され且つ切り欠き70の両側に位置する下側クロー部材12の主面12bのフランジ受け部75と当接するフランジ当接面76とを有している。そして、上側クロー部材11は、係合部72が切り欠き70に係合され、フランジ当接面76が下側クロー部材12のフランジ受け部75に当接した状態で、その内周縁のクロー11aとマグネットコイル20との間に所定の隙間が確保されるとともに、下側クロー部材12に対して位置決めされて、そのクロー11aが下側クロー部材12のクロー12aと噛み合うことができる。
一方、第2のステータ部17bの下側クロー部材14も、その外周縁に、周方向に等しい角度間隔をもって設けられた複数の接続部14c(本実施の形態では、90°間隔で4つ)を有している。これらの接続部14cは、下側クロー部材14の主面14bに対して略垂直に延びており、上側クロー部材13の外周縁の対応する位置に形成された凹状の切り欠き80に係合する係合部82と、係合部82の両端にフランジ状に形成され、切り欠き80の両側に位置する上側クロー部材13の主面13bのフランジ受け部85と当接するフランジ当接面86とを有している。そして、下側クロー部材14は、係合部82が切り欠き80に係合され且つフランジ当接面86が上側クロー部材13のフランジ受け部85に当接した状態では、その接続部14cが第1のステータ部17aの上側クロー部材11の接続部11cに対して上側から重なり合い(図6参照)、その内周縁のクロー14aとマグネットコイル22との間に所定の隙間が確保されるとともに、上側クロー部材13に対して位置決めされて、そのクロー14aが上側クロー部材13のクロー13aと噛み合うことができる。
したがって、以上のような組み付け状態では、互いに噛み合わされたクロー部材11,12のクロー群11a,12aの外周に巻回状態でマグネットコイル20が配置され、また、互いに噛み合わされたクロー部材13,14のクロー群13a,14aの外周に巻回状態でマグネットコイル22が配置されることにより、マグネットコイル20,22同士が光軸O方向に対向して配置されるとともに、一対のクロー部11,12(13,14)同士が四隅で接続されて磁気回路が形成される。
なお、上記組み付け状態では、図10に明確に示されるように、第1のステータ部17aの下側クロー部材(第1のクロー部材)12に対して対向して接続される上側クロー部材(第3のクロー部材)11の接続部11cと耳部100,102とが対向し、耳部100,102によってクロー部材11とマグネットコイル20,22との間の電気的な接続が防止される(クロー部材11の接続部11cとマグネットコイル20,22との間に電気絶縁性の耳部100,102が介在される)。このような構成は、特に、本実施の形態のようにマグネットコイル20,22の導電ワイヤが耳部100,102の電気接点部に対して直接に半田付けされてなる半田付け部分の絶縁性を十分に確保し難い場合において有益である。また、上記組み付け状態では、前述したようにマグネットコイル20,22がコイル載置部50a,50bの矩形状の外形にほぼ内接するように配置されるが、これに伴って当該矩形の四隅に残る空間を利用して耳部100,102が設けられている。したがって、耳部100,102の設置位置を別個に確保する必要がなくなり、耳部100,102の設置によるコイル載置部50a,50b(FPC50)の大型化を防止できる。さらに、上記組み付け状態において、第1のステータ部17aの上側クロー部材11及び第2のステータ部17bの下側クロー部材14は、図6から容易に分かるように、マグネットコイル20,22を部分的に取り囲む矩形枠状(略立方体状)のステータハウジング160を形成するとともに、コイル載置部50a,50bの矩形状の外形にほぼ内接するマグネットコイル20,22の外周部を部分的に露出させるための開口(切り欠き)Pを、接続部11c,14cを利用してステータハウジング160の4つの側面に形成している。そのため、円筒状のマグネットコイル20,22の全周を取り囲む円筒状のステータハウジングをクロー部材11,14が形成する場合に比べて、ステータ17全体を小型化することができる。
また、上記構成のレンズホルダ2及びモータ4を保持して収容するケース6は、矩形枠状の上側ケース6aと下側ケース6bとを有する。これらの上側及び下側ケース6a,6bは、断面が略コの字状に形成されており、その開口同士を対向させて互いに上下に重ね合わせることにより、ステータ17及びロータ18を略密閉状態で収容するための収容空間(収納部)Sをレンズホルダ2と協働して形成するようになっている。
具体的には、図3及び図4に示されるように、上側ケース6aは、第1のステータ部17aの外側を全周にわたって取り囲む外側壁部30と、第1のステータ部17a及びロータ2を上側から覆う上壁部31と、ロータ2の内側上部を全周にわたって取り囲むとともにキャリア5とカム部材7との間に介挿される内側壁部32(ロータ18の内周側に延出する上側延出部)とを有しており、これらの壁部30,31,32により第1のステータ部17a及びロータ18の一部(上側半分)を直接に支持して収容するための第1の収容部S1を形成している。この場合、外側壁部30は、4つの第1〜第4の側面30a〜30dを有しており、これらの側面30a〜30dのうちの互いに隣り合う側面同士は、上側ケース6aの各角部を形成する稜線部79において所定の角度(以下、交差角と称する;本実施の形態では交差角が90°に設定されている)で交差している。また、第2のレンズバレル5と対向する内側壁部32の一方側の面32aは、レンズホルダ2(第2のレンズバレル5)の光軸Oに沿う移動(後述する)を上側でガイドする第1のガイド面(上側ガイド部)として機能するとともに、カム部材7と対向する内側壁部32の他方側の面32bは、ロータ18(カム部材7)の回転(後述する)を上側でガイドする第2のガイド面として機能するようになっている。すなわち、内側壁部32は、ケース6aと一体を成してレンズホルダ2の上側外周面とロータ18の上側内周面とをガイドするガイド部材として機能している。また、外側壁部30及び上壁部31は、クロー部材11,12を直接に支持する支持面として機能する。
一方、下側ケース6bは、第2のステータ部17bの外側を全周にわたって取り囲む外側壁部33と、第2のステータ部17a及びロータ2を下側から覆う底壁部34と、ロータ18の内側下部を全周にわたって取り囲むとともに第2のレンズバレル5とカム部材7との間に介挿される内側壁部35(ロータ18の内周側に延出する下側延出部)とを有しており、これらの壁部33〜35により第2のステータ部17b及びロータ18の一部(下側半分)を直接に支持して収容するための第2の収容部S2を形成している。この場合、外側壁部33は、4つの第1〜第4の側面33a〜33dを有しており、これらの側面33a〜33dのうちの互いに隣り合う側面同士は、下側ケース6bの各角部を形成する稜線部78において所定の角度(以下、交差角と称する;本実施の形態では交差角が90°に設定されている)で交差している。また、第2のレンズバレル5と対向する内側壁部35の一方側の面35aは、レンズホルダ2(キャリア5)の光軸Oに沿う移動を下側でガイドする第3のガイド面(下側ガイド部)として機能するとともに、カム部材7と対向する内側壁部35の他方側の面35bは、ロータ18(カム部材7)の回転(後述する)を下側でガイドする第4のガイド面として機能するようになっている。すなわち、内側壁部35は、ケース6bと一体を成してレンズホルダ2の下側外周面とロータ18の下側内周面とをガイドするガイド部材として機能している。また、外側壁部33及び底壁部34は、クロー部材13,14を直接に支持する支持面として機能する。また、底壁部34の四隅(4つの角部)には、後述する第3及び第4の調整治具部材400,500が押し当てられる水平押当部としての水平な押当面を有する脚部170a〜170d(図3及び図4参照)が突設されている。
なお、内側壁部35の上端面35cは、レンズホルダ2を介して後述するコイルスプリング39の下側方向への付勢力を受けるロータ18のカム部材7の下端面と当接することにより、ロータ18の下側方向への変位を規制している。
また、図4に明確に示されるように、下側ケース6bの4つの角部には上方に突出する突起100が形成されており、一方、上側ケース6aの4つの角部には突起100と対応する部位に貫通孔112が形成されており、突起100を貫通孔112内に挿入嵌合することにより上側ケース6aと下側ケース6bとが互いに一体をなすようになっている。
また、上側ケース6aと下側ケース6bとがこのように一体をなした状態では、図1及び図2に示されるように、ケース6の一側面に、FPC50の接続端子部50eをケース6の外部に導出させるための矩形状の電気接続開口部120が形成されるようになっている。本実施の形態において、この電気接続開口部120は、上側ケース6aの外側壁部30に形成された切り欠き150(図4参照)によって形成されている。また、電気接続開口部120から導出された接続端子部50eの下端部は、光センサチップ44からの検知信号を受けるセンサアセンブリ59内に位置しており、コイル20,22に電流を供給するための外部の電気素子(図示せず)に対して電気的に接続される外部接続端子を形成している。
また、ケース6の成形時におけるケース6の歪みを防止するため、ケース6には、電気接続開口部120が形成された側面以外の残る3つの側面にそれぞれ、電気接続開口部120と略同一形状のダミー開口部130が形成されている。これらのダミー開口部130も、上側ケース6aの外側壁部30に形成された切り欠き150(図4参照)によって形成されており、これらのダミー開口部130のうちの1つは、外方に突出するFPC50の接続部50cを逃がす(ケース6の外部に露出させる)ための開口として形成されている。
図3に明確に示されるように、ネジ5a,7aを介して互いに螺合する第2のレンズバレル5の外周面とカム部材7の内周面との間に形成される空間s”には、レンズホルダ2を光軸O方向に沿って付勢するコイルスプリング39が、第2のレンズバレル5の外周面に巻回される状態で配設されている。本実施の形態において、コイルスプリング39は、レンズホルダ2に対しこれを下側ケース6bに向けて付勢する付勢力を作用させ、結果的に、カム部材7の雌ネジ7aと第2のレンズバレル5の雄ネジ5aとの間のバックラッシュに伴うガタ付きを防止する。
図9に示されるようにFPC50のセンサ載置部50d上に載置された光センサチップ44は、その発光部44a及び受光部44bが永久磁石9の下側周端面9a(図3参照)と対向するようになっており、また、永久磁石9の下側周端面9aに設けられた例えば一対の凹部が光センサチップ44の発光部44aからの光を受光部44bに対して反射可能な反射面として形成されている。そのため、光センサチップ44は、永久磁石9(ロータ18)の回転に伴って前記凹部と対向した時だけ永久磁石9を検知して検知信号を生成することができる。したがって、前記凹部を所定の位置に規定することにより、ロータ18の回転位置(回転量)を前記凹部から光センサチップ44により検知してロータ18の回転制御を行なうことができる。
次に、上記構成のレンズアクチュエータ1の動作を簡単に説明する。
まず、図1〜図3の状態から、電気接続開口部120を通じてケース6の外部に導出されたFPC50の接続端子部50eを介して、マグネットコイル20,22の導電ワイヤに対し所定の態様(ステッピングモータにおいて周知の態様)で交互に電流Iを供給して励磁すると、クロー部材11〜14のクロー11a〜14aが交互に磁化され、密閉されたケース6内で磁束の漏れを生じることなく、一対のクロー部11,12(13,14)同士の四隅での接続(接続部11c,14c)に伴う磁気回路が形成される(クロー11a,12a又は13a,14aにヘテロポーラ磁界が現われる)。そのため、永久磁石9を有するロータ18が所定の方向に回転する。
まず、図1〜図3の状態から、電気接続開口部120を通じてケース6の外部に導出されたFPC50の接続端子部50eを介して、マグネットコイル20,22の導電ワイヤに対し所定の態様(ステッピングモータにおいて周知の態様)で交互に電流Iを供給して励磁すると、クロー部材11〜14のクロー11a〜14aが交互に磁化され、密閉されたケース6内で磁束の漏れを生じることなく、一対のクロー部11,12(13,14)同士の四隅での接続(接続部11c,14c)に伴う磁気回路が形成される(クロー11a,12a又は13a,14aにヘテロポーラ磁界が現われる)。そのため、永久磁石9を有するロータ18が所定の方向に回転する。
このようにしてロータ18が回転すると、ロータ18とネジ5a,7aを介して螺合するレンズホルダ2が、光軸Oに沿ってケース6aから突出する方向に移動する。このとき、ロータ18の回転及びレンズホルダ2の移動は、上側ケース6aの内側壁部32の両側のガイド面32a,32b及び下側ケース6bの内側壁部35の両側のガイド面35a,35bによってガイドされる。したがって、レンズホルダ2はガタ付くことなく滑らかに移動される。
また、このようにしてレンズホルダ2が光軸O方向に移動するにつれて、コイルスプリング39が伸張する。そして、コイルスプリング39は、この伸張によって生起される弾性復元力によりレンズホルダ2に対しこれを下側ケース6bに向けて付勢する付勢力を作用させるようになる。そのため、カム部材7の雌ネジ7aと第2のレンズバレル5の雄ネジ5aとの間のバックラッシュに伴うガタ付きが防止される。
以上のように回転し続けるロータ18の下側周端面9aに設けられた前記一方の凹部が光センサチップ44によって検知されると、それにより、マグネットコイル20,22の導電ワイヤに対する電流Iの供給が停止される。
なお、電流Iの供給方向を逆にしてロータ18を逆方向に回転させる(したがって、レンズホルダ2が先と逆の方向(ケース6内に引き込まれる方向)に移動される)場合も原理は同じである。
次に、上記構成のレンズアクチュエータ1における上側ケース6aと下側ケース6bとの組み付け精度を調整するための組み付け精度調整治具について説明する。
図16に示されるように、前記組み付け精度調整治具1000は、光軸O方向と平行な面に対する上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度(位置精度)を調整するための第1及び第2の調整治具部材200,300と、光軸O方向と垂直な面に対する上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度(位置精度)を調整するための略直方体状の第3及び第4の調整治具部材400,500とを有する。
図12〜図15に詳しく示されるように、第1の調整治具部材200は、略矩形状の台座を構成しており、センサアセンブリ59を除いて完全に組み立てられた状態のレンズアクチュエータ1のケース6a,6bの角部及びその近傍を受けるための段差を有する略V字状の切欠部202をその中央に備えている。具体的に、切欠部202は、第1の調整治具部材200の全長にわたって直線状に延びる凹状溝202aと、この凹状溝202aの両側に所定の高さの段部を形成し且つ第1の調整治具部材200の全長にわたって直線状に延びる略L字型の第1及び第2の段状溝202b,202cとを有する。また、第1の段状溝202bと凹状溝202aとの間及び第2の段状溝202cと凹状溝202aとの間にはそれぞれ、水平面に対して所定の角度で傾斜する第1及び第2のテーパ面250,252が形成されている。この場合、第1のテーパ面250と第2のテーパ面252とがなす角度は、上側ケース6aの互いに隣り合う側面30a,30b(30b,30c;30c,30d,;30d,30a)同士の交差角及び下側ケース6bの互いに隣り合う側面33a,33b(33b,33c;33c,33d,;33d,33a)同士の交差角と同じ角度に設定されている。すなわち、本実施の形態では、第1のテーパ面250を含む平面と第2のテーパ面252を含む平面とが凹状溝202a内で前記交差角を成して交差している。
また、第1の調整治具部材200は、切欠部202の両側に、第1の位置決め傾斜面210及び第2の位置決め傾斜面212を有している。この場合、第1の位置決め傾斜面210と第2の位置決め傾斜面212とがなす角度は、上側ケース6aの互いに隣り合う側面30a,30b(30b,30c;30c,30d,;30d,30a)同士の交差角及び下側ケース6bの互いに隣り合う側面33a,33b(33b,33c;33c,33d,;33d,33a)同士の交差角と同じ角度に設定されている。すなわち、本実施の形態では、第1の位置決め傾斜面210を含む平面と第2の位置決め傾斜面212を含む平面とが凹状溝202a内で前記交差角をなして交差している。
また、第1の調整治具部材200は、切欠部202の両側に、略直方体状の第2の調整治具部材300を受けるための凹陥部204,206を有している。これらの凹陥部204,206は、切欠部202の長手方向と直交する方向で第1の位置決め傾斜面210及び第2の位置決め傾斜面212の略中央を横切っている。
一方、第1の調整治具部材200の凹陥部204,206と係合する略直方体状の第2の調整治具部材300は、図13に明確に示されるように、その長手方向の略中央部に、センサアセンブリ59を除いて完全に組み立てられた状態のレンズアクチュエータ1のケース6a,6bの角部及びその近傍を受けるための段差を有する略V字状の切欠部302を有している。具体的に、切欠部302は、第2の調整治具部材300の全幅にわたって直線状に延びる凹状溝302aと、この凹状溝302aの両側に所定の高さの段部を形成し且つ第2の調整治具部材300の全長にわたって直線状に延びる略L字型の第1及び第2の段状溝302b,302cとを有する。また、第1の段状溝302bと凹状溝302aとの間及び第2の段状溝302cと凹状溝302aとの間にはそれぞれ、水平面に対して所定の角度で傾斜する第3及び第4のテーパ面350,352が形成されている。この場合、第3のテーパ面350と第4のテーパ面352とが成す角度は、上側ケース6aの互いに隣り合う側面30a,30b(30b,30c;30c,30d,;30d,30a)同士の交差角及び下側ケース6bの互いに隣り合う側面33a,33b(33b,33c;33c,33d,;33d,33a)同士の交差角と同じ角度に設定されている。すなわち、本実施の形態では、第1のテーパ面350を含む平面と第2のテーパ面352を含む平面とが凹状溝302a内で前記交差角を成して交差している。
また、第2の調整治具部材300は、切欠部302の両側に、第3の位置決め傾斜面360及び第4の位置決め傾斜面362を有している。この場合、第3の位置決め傾斜面360と第4の位置決め傾斜面362とがなす角度は、上側ケース6aの互いに隣り合う側面30a,30b(30b,30c;30c,30d,;30d,30a)同士の交差角及び下側ケース6bの互いに隣り合う側面33a,33b(33b,33c;33c,33d,;33d,33a)同士の交差角と同じ角度に設定されている。すなわち、本実施の形態では、第3の位置決め傾斜面360を含む平面と第4の位置決め傾斜面362を含む平面とが凹状溝302a内で前記交差角をなして交差している。
次に、上記構成の組み付け精度調整治具1000を用いてレンズアクチュエータ1における上側ケース6aと下側ケース6bとの組み付け精度を調整する方法(工程)について説明する。
まず、この調整工程において、センサアセンブリ59を除いた状態で組み立てられたレンズアクチュエータ1は、図12に示されるように、そのケース6a,6bの任意の1つの角部が第1の調整治具部材200の切欠部202の凹状溝202aに係合された状態で、ケース6a,6bの互いに隣り合う任意の一対の側面、例えば側面30b,30c;33b,33cが位置決め傾斜面210,212及びテーパ面250,252に沿うように、第1の調整治具部材200上に横向きに立てられて載置される。これにより、まず、光軸O方向と平行な面に対する上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度(位置精度)が一方向で調整される。
続いて、このように第1の調整治具部材200上に位置決めされたレンズアクチュエータ1の上側から、図13に示されるように第2の調整治具部材300を接近させ、図14及び図15に示されるように、第2の調整治具部材300の切欠部302の凹状溝302aが、第1の調整治具部材200の切欠部202の凹状溝202aに係合するケース6a,6bの角部と反対側の角部に係合するように、第2の調整治具部材300を第1の調整治具部材200の凹陥部204,206に係合させ、それにより、ケース6a,6bの互いに隣り合う残りの一対の側面、例えば側面30a,30d;33a,33dを位置決め傾斜面360,362及びテーパ面350,352に沿わせる。これによって、光軸O方向と平行な面に対する上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度(位置精度)が他方向で調整される。
そして最後に、図16(図17も参照)に示されるように、第3及び第4の調整治具部材400,500を切欠部202に係合させた(直方体状の第3及び第4の調整治具部材400,500の任意の1つの角部を切欠部202の凹状溝202aに係合させる)状態で上側ケース6aの上壁部31側及び下側ケース6bの底壁部34側からそれぞれレンズアクチュエータ1に対して当て付ける。この場合、下側ケース6bの底壁部34に突設された脚部170a〜170d及び上側ケース6aの上壁部31は、第3及び第4の調整治具部材400,500が押し当てられる水平押当部とし機能する。これにより、光軸O方向と垂直な面に対する上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度(位置精度)が調整される。
以上説明したように、本実施の形態のレンズアクチュエータ1において、上側及び下側ケース6a,6bは、光軸O方向と平行な面に対する上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度を調整するための調整治具1000(200,300,400,500)に押し当てられ、所定の角度を成して互いに交差する側面30a,30b,30c,30d;33a,33b,33c,33dを有し、これらの側面の交差部が調整治具200,300の切欠部202,302に係合支持される係合部として形成されている。したがって、上側及び下側ケース6a,6bの一対の側面を調整治具1000(200,300,400,500)に対して押し当てるだけで上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度を高めることが可能になる。そのため、レンズホルダ2の上端部及び下端部を上側ケース6a及び下側ケース6bによって個別にガイドしても、レンズホルダ2の光軸精度を容易に高めることができるようになる。また、上側及び下側ケース6a,6bの側面の交差部が調整治具200,300の切欠部202,302に係合支持される係合部として形成されているため、上側及び下側ケース6a,6bの一対の側面を調整治具に対して押し当てた状態を安定して保持することができる。
また、本実施の形態のレンズアクチュエータ1において、上側及び下側ケース6a,6bは、光軸O方向と垂直な面に対する上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度を調整するための調整治具400,500が押し当てられる水平押当部31,170aから170dを有している。そのため、光軸O方向と垂直な面に対する上側及び下側ケース6a,6bの組み付け精度を同時に調整することができ、レンズホルダ2の光軸精度をさらに高めることが可能になる。
また、本実施の形態のレンズアクチュエータ1において、ケース6の一側面には、モータ4に対して電流を供給するための接続端子部50eをケース6の外部に導出させる電気接続開口部120が形成され、前記一側面以外の他の側面には、電気接続開口部120と略同一形状のダミー開口部130が形成されている。このように、接続端子部50eを導出さる電気接続開口部120に加えて、同一形状のダミー開口部130が形成されていれば、ケース6の一方側だけに開口が偏らず、ケース成形時におけるケース6の歪みを防止することができる。
また、本実施の形態のレンズアクチュエータ1においては、レンズホルダ2の光軸O方向に沿う移動をガイドする上側及び下側ケース6a,6bがレンズホルダ2と同じ樹脂材によって形成されているため(レンズホルダ2とケース6とが同一素材によって形成されているため)、ガイド時における両部材2,6の摩耗を防止することができる。
また、本実施の形態のレンズアクチュエータ1において、クロー部材11,12,13,14は、コイル20,22を部分的に取り囲む矩形枠状のステータハウジング160を形成するとともに、コイル20,22の外周部を部分的に露出させるための開口Pをステータハウジング160の4つの側面に形成している。このように、開口Pを通じてコイル20,22の外周部を部分的に露出させる大きさでクロー部材11,12,13,14によりステータハウジング160が形成されていれば、円筒状のコイル20,22の全周を取り囲む円筒状のステータハウジングをクロー部材が形成する場合に比べて、ステータ全体を小型化することができる。
また、本実施の形態のレンズアクチュエータ1においては、ネジ5a,7aを介して互いに螺合する第2のレンズバレル5の外周面とカム部材7の内周面との間に形成される既存の空間s”に、カム部材7の雌ネジ7aと第2のレンズバレル5の雄ネジ5aとの間のバックラッシュに伴うガタ付きを防止するコイルスプリング39が配設されているため、コイルスプリング39の配設スペースを別個に確保する必要がなくなり(省スペース化を図ることができ)、レンズアクチュエータ1の小型化を図ることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、本実施の形態における各部材の形状や数などは例示であり、それに限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
1 レンズアクチュエータ
2 レンズホルダ
4 モータ
6 ケース
6a 上側ケース
6b 下側ケース
10 レンズ
11,12,13,14 クロー部材
17 ステータ
18 ロータ
20,22 マグネットコイル(コイル)
30a,30b,30c,30d 側面
31 上壁部(水平押当部)
33a,33b,33c,33d 側面
32a 第1のガイド面(上側ガイド部)
35a 第3のガイド面(下側ガイド部)
120 電気接続開口部(開口部)
130 ダミー開口部
160 ステータハウジング(ハウジング)
170a,170b,170c,170d 脚部(水平押当部)
200 第1の調整治具部材
202 切欠部
204,206 凹陥部
210 第1の位置決め傾斜面
212 第2の位置決め傾斜面
300 第2の調整治具部材
302 切欠部
360 第3の位置決め傾斜面
362 第4の位置決め傾斜面
400 第3の調整治具部材
500 第4の調整治具部材
1000 組み付け精度調整治具
O 光軸
P 開口
2 レンズホルダ
4 モータ
6 ケース
6a 上側ケース
6b 下側ケース
10 レンズ
11,12,13,14 クロー部材
17 ステータ
18 ロータ
20,22 マグネットコイル(コイル)
30a,30b,30c,30d 側面
31 上壁部(水平押当部)
33a,33b,33c,33d 側面
32a 第1のガイド面(上側ガイド部)
35a 第3のガイド面(下側ガイド部)
120 電気接続開口部(開口部)
130 ダミー開口部
160 ステータハウジング(ハウジング)
170a,170b,170c,170d 脚部(水平押当部)
200 第1の調整治具部材
202 切欠部
204,206 凹陥部
210 第1の位置決め傾斜面
212 第2の位置決め傾斜面
300 第2の調整治具部材
302 切欠部
360 第3の位置決め傾斜面
362 第4の位置決め傾斜面
400 第3の調整治具部材
500 第4の調整治具部材
1000 組み付け精度調整治具
O 光軸
P 開口
Claims (7)
- レンズを保持するレンズホルダと、このレンズホルダの外側に配された中空状のモータとをケース内に備え、前記モータが回転することにより前記レンズホルダが光軸方向に沿って移動するレンズアクチュエータにおいて、
前記ケースが上側ケースと下側ケースとを有し、前記上側ケースには、光軸方向に沿って移動する前記レンズホルダの上端部をガイドする上側ガイド部が形成され、前記下側ケースには、光軸方向に沿って移動する前記レンズホルダの下端部をガイドする下側ガイド部が形成され、前記上側及び下側ケースは、光軸方向と略平行な面に対する上側及び下側ケースの組み付け精度を調整するための調整治具に押し当てられ、所定の角度をなして互いに交差する少なくとも一対の側面を有し、これらの側面の交差部が前記調整治具の切欠部に係合支持される係合部として形成されていることを特徴とするレンズアクチュエータ。 - 前記上側及び下側ケースは、光軸方向と垂直な面に対する上側及び下側ケースの組み付け精度を調整するための調整治具が押し当てられる水平押当部を有していることを特徴とする請求項1記載のレンズアクチュエータ。
- 前記ケースの一側面には、前記モータに対して電流を供給するための端子部をケースの外部に導出させる開口部が形成され、前記一側面以外の他の側面には、前記開口部と略同一形状のダミー開口部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレンズアクチュエータ。
- 前記上側及び下側ケースと前記レンズホルダとが樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のレンズアクチュエータ。
- 前記モータは、ロータと、このロータの外周に配されるステータとを有し、
前記ステータは、円筒状に巻回された通電用のコイルと、このコイルと対向する複数の歯状のクローを所定のピッチで形成する磁性体で構成されたクロー部材とを備え、
前記クロー部材は、前記コイルを部分的に取り囲む矩形枠状のハウジングを形成するとともに、前記コイルの外周部を部分的に露出させるための開口を前記ハウジングの4つの側面に形成していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のレンズアクチュエータ。 - レンズを保持するレンズホルダと前記レンズホルダを光軸方向に沿って移動させるためのモータとを収容する矩形状の上側及び下側ケースの組み付け精度を調整するための組み付け精度調整治具であって、
光軸方向と平行な面に対する前記上側及び下側ケースの組み付け精度を調整するための第1及び第2の調整治具部材と、
光軸方向と垂直な面に対する前記上側及び下側ケースの組み付け精度を調整するための矩形状の第3及び第4の調整治具部材と、
を備え、
前記第1の調整治具部材は、前記上側及び下側ケースの角部と前記第3及び第4の調整治具部材の角部とを受けるための切欠部と、前記切欠部の両側に形成された第1の位置決め傾斜面及び第2の位置決め傾斜面と、前記切欠部の両側に形成され且つ前記第2の調整治具部材を受けるための凹陥部とを有し、前記第1の位置決め傾斜面と前記第2の位置決め傾斜面とが成す角度は、前記上側ケースの互いに隣り合う側面同士の交差角及び前記下側ケースの互いに隣り合う側面同士の交差角と同じ角度に設定され、
前記第2の調整治具部材は、前記上側及び下側ケースの角部を受けるための切欠部と、前記切欠部の両側に形成された第3の位置決め傾斜面及び第4の位置決め傾斜面とを有し、前記第3の位置決め傾斜面と前記第4の位置決め傾斜面とがなす角度は、前記上側ケースの互いに隣り合う側面同士の交差角及び前記下側ケースの互いに隣り合う側面同士の交差角と同じ角度に設定されていることを特徴とする組み付け精度調整治具。 - レンズを保持するレンズホルダと前記レンズホルダを光軸方向に沿って移動させるためのモータとを収容する矩形状の上側及び下側ケースの組み付け精度を組み付け精度調整治具を用いて調整する方法であって、
互いに組み付けられた前記上側及び下側ケースの任意の1つの角部を前記組み付け精度調整治具の第1の調整治具部材の切欠部に係合させた状態で、前記上側及び下側ケースの互いに隣り合う任意の一対の側面を前記第1の調整治具部材の位置決め傾斜面に沿わせることにより、光軸方向と平行な面に対する前記上側及び下側ケースの組み付け精度を一方向で調整し、
前記第1の調整治具部材上に位置決めされた前記上側及び下側ケースに対して光軸方向と垂直な方向から前記組み付け精度調整治具の第2の調整治具部材を接近させるとともに、前記第2の調整治具部材の切欠部が、前記第1の調整治具部材の切欠部に係合する前記上側及び下側ケースの前記角部と反対側の角部に係合するように、前記第2の調整治具部材を前記第1の調整治具部材に係合させることにより、前記上側及び下側ケースの互いに隣り合う残りの一対の側面を前記第2の調整治具部材の位置決め傾斜面に沿わせ、これにより、光軸方向と平行な面に対する前記上側及び下側ケースの組み付け精度を他方向で調整し、
前記組み付け精度調整治具の第3及び第4の調整治具部材を前記第1の調整治具部材の切欠部に係合させた状態で光軸方向から前記上側及び下側ケースに対して当て付けることにより、光軸方向と垂直な面に対する上側及び下側ケースの組み付け精度を調整することを特徴とする方法。
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