JP2007147421A - 走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】
走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造について、そのZ方向の変位量を犠牲にすることなく、高い共振周波数を有する高精度な位置制御を高速で行えるようにすること。
【解決手段】
走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造について、試料面の情報を得るためのプローブと、該プローブを振動させる手段とを、Z方向に走査させる円筒型圧電素子に接続するための支持部材が該円筒型圧電素子の内側に窪んだキャップ状の構造となっており、上記円筒型圧電素子の内部に上記プローブと、該プローブを振動させる手段とを存在させていること。
【選択図】図3
走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造について、そのZ方向の変位量を犠牲にすることなく、高い共振周波数を有する高精度な位置制御を高速で行えるようにすること。
【解決手段】
走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造について、試料面の情報を得るためのプローブと、該プローブを振動させる手段とを、Z方向に走査させる円筒型圧電素子に接続するための支持部材が該円筒型圧電素子の内側に窪んだキャップ状の構造となっており、上記円筒型圧電素子の内部に上記プローブと、該プローブを振動させる手段とを存在させていること。
【選択図】図3
Description
この発明は走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造に関するものであり、走査型プローブ顕微鏡の技術を応用した試料観察、加工や情報記録などを行う装置に利用することができるものである。
本発明と関連する従来技術として、特開2002−82036号公報に記載されている発明(PZTの中央付近を把持することにより、PZTプローブを把持部分に力を及ばないようにし、共振による振幅の増大を防ぐもの)、特開2003−315239号公報に記載されているもの(XY軸スキャナとは独立して駆動するZ軸スキャナ用のPZT(ピエゾ素子)を連結してZ軸に高い共振周波数を持たせるもの)がある。
ところで、物質表面の表面形状等の測定を行う際、光学顕微鏡では回折限界のため、その分解能は使用する光の波長もしくはその半分程度に留まってしまうことが知られている。他方、近年の科学技術の進歩に伴い、例えば、半導体等の微細形状を有する製品の検査や、DNA等の生体組織の測定に要求される分解能は、nmオーダーになっている。このnmオーダーの測定を可能にするものとして、機械的探針を機械的に走査して試料表面の情報を得る走査型プローブ顕微鏡(SPM)が広く知られている。走査型プローブ顕微鏡
には、原子間力顕微鏡(AFM)や走査型トンネル顕微鏡(STM)、走査型近接場光顕微鏡(SNOM)などがある。
には、原子間力顕微鏡(AFM)や走査型トンネル顕微鏡(STM)、走査型近接場光顕微鏡(SNOM)などがある。
これらナノメートル(nm)オーダーの測定が可能な顕微鏡のうち、原子間力顕微鏡(AFM)や走査型トンネル顕微鏡(STM)が被測定物の表面形状しか測定できないのに対して、走査型近接場光顕微鏡(SNOM)はその光学特性、更には物質の組成分析も行うことができる利点があるため、現在注目されている。
このような走査型プローブ顕微鏡においては、XY方向走査の間、Z方向についても試料と探針との相互作用が一定になるようにフィードバック制御してZ方向の移動を担う走査機構(スキャナ)を動かしている。このZ方向の走査はXYZ各方向のなかでは最も高い周波数での動きとなる。
このような走査型プローブ顕微鏡においては、XY方向走査の間、Z方向についても試料と探針との相互作用が一定になるようにフィードバック制御してZ方向の移動を担う走査機構(スキャナ)を動かしている。このZ方向の走査はXYZ各方向のなかでは最も高い周波数での動きとなる。
特に近年では、使い勝手等を含めて高精度、高速走査のニーズが多くなっていることから、スキャナの走査周波数の向上が求められている。
高い走査周波数を実現するには、構造体が高い共振周波数を有していることが必要であり、走査型プローブ顕微鏡のスキャナには、上記の特開2002−82036号公報(特許文献1)や特開2003−315239号公報(特許文献2)に開示されているように円筒型圧電素子や積層型圧電素子を組合せてたり、小型化を行ったりして高帯域化を図っている。
特開2002−82036号公報
特開2003−315239号公報
高い走査周波数を実現するには、構造体が高い共振周波数を有していることが必要であり、走査型プローブ顕微鏡のスキャナには、上記の特開2002−82036号公報(特許文献1)や特開2003−315239号公報(特許文献2)に開示されているように円筒型圧電素子や積層型圧電素子を組合せてたり、小型化を行ったりして高帯域化を図っている。
しかし、Z方向の走査(スキャナ)に関しては、Z方向変位量が単純に圧電素子の長さに依存しているために、圧電素子を短くすることができず、そのため共振周波数が上げられないという問題があり、上記特許文献1,2に記載されている発明ではこの問題は解決されていない。
特にチューニングフォークと光ファイバーを用いた走査型近接場光顕微鏡(SNOM)では、チューニングフォーク(例えば液晶振動子によるもの)の長さがそのままZ軸のスキャナに加わるために共振周波数が非常に低くなってしまうという問題がある。
特にチューニングフォークと光ファイバーを用いた走査型近接場光顕微鏡(SNOM)では、チューニングフォーク(例えば液晶振動子によるもの)の長さがそのままZ軸のスキャナに加わるために共振周波数が非常に低くなってしまうという問題がある。
そこで本発明の目的は、以上の問題認識に基づき、走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造について、そのZ方向の変位量を犠牲にすることなく、高い共振周波数を有する高精度な位置制御を高速で行えるようにすることである。
上記課題を解決するための手段は、走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造について、
(イ)試料面の情報を得るためのプローブと、該プローブを振動させる手段とを、Z方向に走査させる円筒型圧電素子に接続するための支持部材が該円筒型圧電素子の内側に窪んだキャップ状の構造となっており、
(ロ)上記円筒型圧電素子の内部に上記プローブと、該プローブを振動させる手段とを存在させていることである。
(イ)試料面の情報を得るためのプローブと、該プローブを振動させる手段とを、Z方向に走査させる円筒型圧電素子に接続するための支持部材が該円筒型圧電素子の内側に窪んだキャップ状の構造となっており、
(ロ)上記円筒型圧電素子の内部に上記プローブと、該プローブを振動させる手段とを存在させていることである。
〔実施の態様〕
(1)そして、解決手段における上記円筒型圧電素子の内径は、前記支持部材の前記円筒型圧電素子の内側に窪んだ部分の外径とほぼ同じである(請求項2に対応)。
(2)解決手段又は上記(1)の実施の態様における上記支持部材はヤング率/密度の比が高い材料で構成されている(請求項3に対応)。
(3)解決手段、上記(1)又(2)の上記支持部材と前記円筒型圧電素子の結合は、該円筒型圧電素子の接合表面に金属を蒸着して金属薄膜を形成し、その面に前記支持部材を接合した構成である(請求項4に対応)。
(4)解決手段、上記(1)又(2)の上記プローブは光源から発せられる光の波長よりも小さい開口を有する光ファイバー型プローブであり、当該プローブを振動させる手段はチューニングフォーク型振動子を用いる(請求項5に対応)。
(1)そして、解決手段における上記円筒型圧電素子の内径は、前記支持部材の前記円筒型圧電素子の内側に窪んだ部分の外径とほぼ同じである(請求項2に対応)。
(2)解決手段又は上記(1)の実施の態様における上記支持部材はヤング率/密度の比が高い材料で構成されている(請求項3に対応)。
(3)解決手段、上記(1)又(2)の上記支持部材と前記円筒型圧電素子の結合は、該円筒型圧電素子の接合表面に金属を蒸着して金属薄膜を形成し、その面に前記支持部材を接合した構成である(請求項4に対応)。
(4)解決手段、上記(1)又(2)の上記プローブは光源から発せられる光の波長よりも小さい開口を有する光ファイバー型プローブであり、当該プローブを振動させる手段はチューニングフォーク型振動子を用いる(請求項5に対応)。
(1)請求項1の発明の効果
試料面の情報を得るためのプローブと、該プローブを振動させる手段とを、Z方向に走査させる円筒型圧電素子に接続するための支持部材が該円筒型圧電素子の内側に窪んだキャップ状の構造となっており、上記円筒型圧電素子の内部に該プローブと、該プローブを振動させる手段とが存在しているので、走査型近接場光顕微鏡用スキャナの固定面からプローブまでの距離を可能な限り縮めた構成となる。したがって、走査型近接場光顕微鏡用スキャナの固定面からプローブまでの距離を可能な限り縮めた構成によって高い共振周波数を確保することができ、Z方向の変位量を犠牲にすることなく、高い共振周波数を有する高精度な位置制御を高速で行えるようにすることができる。それゆえ、高精度な位置制御を高速で行える走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造が構成される。
試料面の情報を得るためのプローブと、該プローブを振動させる手段とを、Z方向に走査させる円筒型圧電素子に接続するための支持部材が該円筒型圧電素子の内側に窪んだキャップ状の構造となっており、上記円筒型圧電素子の内部に該プローブと、該プローブを振動させる手段とが存在しているので、走査型近接場光顕微鏡用スキャナの固定面からプローブまでの距離を可能な限り縮めた構成となる。したがって、走査型近接場光顕微鏡用スキャナの固定面からプローブまでの距離を可能な限り縮めた構成によって高い共振周波数を確保することができ、Z方向の変位量を犠牲にすることなく、高い共振周波数を有する高精度な位置制御を高速で行えるようにすることができる。それゆえ、高精度な位置制御を高速で行える走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造が構成される。
(2)請求項2の発明の効果
スキャナ全体を小型化することができ、請求項1の発明の効果をさらに高めることができる。
(3)請求項3の発明の効果
支持部材に高い共振周波数を確保することができるので、スキャナ構造全体としても高い共振周波数を確保することができ、請求項1,2の発明の効果をさらに高めることができる。
(4)請求項4の発明の効果
局部加熱を用いないのでセラミックスの熱歪みによる残留応力がなく、したがって割れが生じ難く、加工コストが安い。また、金属とセラミックスの接続部が強固になるため、通常行われる接着剤等の弾性材を用いる場合よりも高い共振周波数を確保することができ、請求項1乃至3の発明の効果をさらに高めることができる。
(5)請求項5の発明の効果
請求項1乃至4の発明の効果を最も顕著に奏する走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造を実現できる。
スキャナ全体を小型化することができ、請求項1の発明の効果をさらに高めることができる。
(3)請求項3の発明の効果
支持部材に高い共振周波数を確保することができるので、スキャナ構造全体としても高い共振周波数を確保することができ、請求項1,2の発明の効果をさらに高めることができる。
(4)請求項4の発明の効果
局部加熱を用いないのでセラミックスの熱歪みによる残留応力がなく、したがって割れが生じ難く、加工コストが安い。また、金属とセラミックスの接続部が強固になるため、通常行われる接着剤等の弾性材を用いる場合よりも高い共振周波数を確保することができ、請求項1乃至3の発明の効果をさらに高めることができる。
(5)請求項5の発明の効果
請求項1乃至4の発明の効果を最も顕著に奏する走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造を実現できる。
1.実施例
図1に従来の走査型近接場光顕微鏡の全体構成を示し、図2に本発明の走査型近接場光顕微鏡のスキャナ構造を示し、図3に本発明の走査型近接場光顕微鏡の全体構成を示しているので、まず図1を参照しつつ、走査型近接場光顕微鏡の全体構成を説明する。
光源1から照射されたレーザーはレンズ7を用いて光ファイバー2a内に集光され、カプラー3および光ファイバー2b内を通り、加振用振動子14上に固定されていて波長以下の開口を持つプローブ4の先端で近接場光が発生する。
一般に知られている通り、この近接場光は開口径とほぼ同じだけの距離内に存在する非伝播光であり、通常は観察されない。しかし、XY走査ステージ6上に載置された試料5をこの近接場光領域に接触させると、近接場光が散乱され伝播光に変換される。この散乱光が再びプローブ4を通って光ファイバー2b、カプラー3と伝幡し、光ファイバー2c端面から出射され、フォトマルチプライヤ(PMT)9によって検知される。この検知された光の強度や周波数スペクトルに応じて、例えばその表面形状や試料の構造、組成を測定することができる。
図1に従来の走査型近接場光顕微鏡の全体構成を示し、図2に本発明の走査型近接場光顕微鏡のスキャナ構造を示し、図3に本発明の走査型近接場光顕微鏡の全体構成を示しているので、まず図1を参照しつつ、走査型近接場光顕微鏡の全体構成を説明する。
光源1から照射されたレーザーはレンズ7を用いて光ファイバー2a内に集光され、カプラー3および光ファイバー2b内を通り、加振用振動子14上に固定されていて波長以下の開口を持つプローブ4の先端で近接場光が発生する。
一般に知られている通り、この近接場光は開口径とほぼ同じだけの距離内に存在する非伝播光であり、通常は観察されない。しかし、XY走査ステージ6上に載置された試料5をこの近接場光領域に接触させると、近接場光が散乱され伝播光に変換される。この散乱光が再びプローブ4を通って光ファイバー2b、カプラー3と伝幡し、光ファイバー2c端面から出射され、フォトマルチプライヤ(PMT)9によって検知される。この検知された光の強度や周波数スペクトルに応じて、例えばその表面形状や試料の構造、組成を測定することができる。
そして、プローブ4と試料5間のZ軸距離制御は原子間力を利用して行う。例えば加振用振動子14を用いてプローブ4を振動させた状態で試料に近付けるとシアフォースによってその振幅が減少することから、その情報を検知することでプローブ4の周波数もしくは位相、振幅等を取得し、制御コントローラ8を用いてプローブ4と試料5間のZ軸距離を一定に保つようにZ軸スキャナ12Aを位置制御する。
この状態で試料5をプローブ4に対してXY走査ステージ6によりXY方向に走査することで測定することができる。
この状態で試料5をプローブ4に対してXY走査ステージ6によりXY方向に走査することで測定することができる。
このようなプローブ4の位置制御、近接場光発生および散乱光の検出・解析を、ホストPC10を用いて統括的にコントロールすることで、平面領域内での試料5のデータが得られ、これを例えばPCの画面上に3次元的に表示することも可能である。
上記構成で用いられているZ軸スキャナ12Aは、円筒型圧電素子や積層型圧電素子を用いた構成が広く採用されている。これらの中には分割電極を用いてXY方向にも首振り運動を行うことによって走査するXYZ軸スキャナも存在するが、これは圧電素子の全長を長くする必要があるため共振周波数が低くなり走査スピードが低下するので、本発明ではZ方向のみの構成で説明する。
上記構成で用いられているZ軸スキャナ12Aは、円筒型圧電素子や積層型圧電素子を用いた構成が広く採用されている。これらの中には分割電極を用いてXY方向にも首振り運動を行うことによって走査するXYZ軸スキャナも存在するが、これは圧電素子の全長を長くする必要があるため共振周波数が低くなり走査スピードが低下するので、本発明ではZ方向のみの構成で説明する。
〔第一形態〕
次に図2を参照して、本発明の第一形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造を説明する。この第一形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナは、筺体等へ取り付けるための取り付け部材11の下面にZ方向に走査させる円筒型圧電素子12が固定されている。また、支持部材13は円筒型圧電素子12の内側に窪んだ構造になっており、その窪んだ部分(円筒部分)13aが円筒型圧電素子12に挿入され、円筒型圧電素子12の下端にフランジ部分13bが固定されている。そして、支持部材13の窪んだ部分(円筒状部分)13aに加振用振動子14が挿入されて着脱自在にに取り付けられるようになっており、この加振用振動子14にプローブ4が固定されている。
次に図2を参照して、本発明の第一形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造を説明する。この第一形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナは、筺体等へ取り付けるための取り付け部材11の下面にZ方向に走査させる円筒型圧電素子12が固定されている。また、支持部材13は円筒型圧電素子12の内側に窪んだ構造になっており、その窪んだ部分(円筒部分)13aが円筒型圧電素子12に挿入され、円筒型圧電素子12の下端にフランジ部分13bが固定されている。そして、支持部材13の窪んだ部分(円筒状部分)13aに加振用振動子14が挿入されて着脱自在にに取り付けられるようになっており、この加振用振動子14にプローブ4が固定されている。
上記円筒型圧電素子12は円筒形状の圧電体と、その内側周面と外側周面に設けられた一対のZ軸駆動電極を備えている。しかしながら必ずしも圧電素子は円筒型圧電素子である必要もなく、積層型圧電素子にZ方向に伸びる貫通穴を設けて中空にしたものを用いることもできる。
また円筒型圧電素子12は初期状態において制御コントローラ8から一定のバイアス電圧が印加されている。円筒型圧電素子12に印加される電圧が変更されると、円筒型圧電素子12に印加されている電圧とバイアス電圧との差の極性に応じて、円筒型圧電素子12が伸縮し、円筒型圧電素子12がZ方向に変位される。その結果、プローブ4がZ方向に変位すなわち走査される。
加振用振動子14には、例えば水晶振動子を用いたチューニングフォークが用いられ、その振動する先端部分にプローブ4を接着して固定されている。
また円筒型圧電素子12は初期状態において制御コントローラ8から一定のバイアス電圧が印加されている。円筒型圧電素子12に印加される電圧が変更されると、円筒型圧電素子12に印加されている電圧とバイアス電圧との差の極性に応じて、円筒型圧電素子12が伸縮し、円筒型圧電素子12がZ方向に変位される。その結果、プローブ4がZ方向に変位すなわち走査される。
加振用振動子14には、例えば水晶振動子を用いたチューニングフォークが用いられ、その振動する先端部分にプローブ4を接着して固定されている。
一般的に片側を固定された構造体の固有振動数fは、固定端から自由端の先端までの長さをL、使用する材質の密度をρ、使用する材質のヤング率をEとすると、下記のように表される。
f=1/4L×(E/ρ)0.5 ・・・式(1)
そのため第一形態のようにすることで、円筒型圧電素子12に支持部材13の窪んだ部分(円筒状部分)13aが挿入することにより固定面(円筒状阻止12の取り付け部材11への固定面)からプローブまでの距離Lを可能な限り縮めた構成となるので、上記距離Lが縮められる分だけ高い共振周波数を確保することができる。
f=1/4L×(E/ρ)0.5 ・・・式(1)
そのため第一形態のようにすることで、円筒型圧電素子12に支持部材13の窪んだ部分(円筒状部分)13aが挿入することにより固定面(円筒状阻止12の取り付け部材11への固定面)からプローブまでの距離Lを可能な限り縮めた構成となるので、上記距離Lが縮められる分だけ高い共振周波数を確保することができる。
〔第二形態〕
次に、図4を参照して、本発明の第二形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造を説明する。この第二形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造では、円筒型圧電素子12の内径を支持部材13の円筒型圧電素子12の内側に窪んだ部分の外径とほぼ同程度まで小さくしている。ただし、Z方向に伸びる円筒型圧電素子12の内径方向への変移を阻害しない程度に円筒型圧電素子12の内径と支持部材13の上記外径との間にクリアランスを保つ必要がある。通常の走査型近接場光顕微鏡用スキャナでは、上記変移は数μm程度のストロークであるため、部材の機械精度、接合精度を考慮しても上記クリアランスは数十〜数百μm確保できれば問題がない。
他方、本発明によれば、円筒型圧電素子12自体の共振周波数とストロークは全長が一定であれば直径には依存しないため、円筒型圧電素子12の内径を小さくすることができる。そして、円筒型圧電素子12の内径を小さくすることで、円筒型圧電素子12の外径を小さくできることから、スキャナ全体の小型化が図られ、小型で高い共振周波数のものを確保できる。
次に、図4を参照して、本発明の第二形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造を説明する。この第二形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造では、円筒型圧電素子12の内径を支持部材13の円筒型圧電素子12の内側に窪んだ部分の外径とほぼ同程度まで小さくしている。ただし、Z方向に伸びる円筒型圧電素子12の内径方向への変移を阻害しない程度に円筒型圧電素子12の内径と支持部材13の上記外径との間にクリアランスを保つ必要がある。通常の走査型近接場光顕微鏡用スキャナでは、上記変移は数μm程度のストロークであるため、部材の機械精度、接合精度を考慮しても上記クリアランスは数十〜数百μm確保できれば問題がない。
他方、本発明によれば、円筒型圧電素子12自体の共振周波数とストロークは全長が一定であれば直径には依存しないため、円筒型圧電素子12の内径を小さくすることができる。そして、円筒型圧電素子12の内径を小さくすることで、円筒型圧電素子12の外径を小さくできることから、スキャナ全体の小型化が図られ、小型で高い共振周波数のものを確保できる。
〔第三形態〕
次に、本発明の第三形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造を説明する。この第三形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造では、支持部材13にヤング率/密度の比が高い材料で構成されており、このことによって、より高い共振周波数を確保できる(式(1)参照)。なお、ヤング率/密度の比が高いとは、好ましくは2.5×1011cm2/sec2以上であることである。そして、4×1010cm2/sec2以下ではほとんど効果はない。このヤング率/密度の比が高い好適な材料としては、例えばステンレスやセラミックスがある。またセラミックスであれば加工性の観点からマシナブルセラミックスが好ましい。
次に、本発明の第三形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造を説明する。この第三形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造では、支持部材13にヤング率/密度の比が高い材料で構成されており、このことによって、より高い共振周波数を確保できる(式(1)参照)。なお、ヤング率/密度の比が高いとは、好ましくは2.5×1011cm2/sec2以上であることである。そして、4×1010cm2/sec2以下ではほとんど効果はない。このヤング率/密度の比が高い好適な材料としては、例えばステンレスやセラミックスがある。またセラミックスであれば加工性の観点からマシナブルセラミックスが好ましい。
さらに、図5を参照して、本発明の第四形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造を説明する。この第四形態の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造では、支持部材13と円筒型圧電素子12の結合に、円筒型圧電素子12の接合表面15に金属を蒸着して金属薄膜16を形成し、その面に支持部材13を接合する構成としている。より詳しくは、セラミックス焼結体の接合面にイオンプレーティングにより、アルミニウム、チタン、ニッケル等の金属を真空蒸着によって金属薄膜16を形成し、その面に接合する固形金属を重ね、両材料を拘束し、103Pa以下の真空環境で、固形金属の融点以上での濡れが良くなりかけた温度で加熱し、拡散接合を行うものである。この方法を用いることで、局部加熱を用いないためセラミックスの応力がなく、割れが生じ難く、加工コストが安い。また、金属とセラミックスの接続部が強固になるため、通常行われる接着剤等の弾性材を用いる場合よりも高い共振周波数を確保できる。
1:光源
2a,2b,2c:光ファイバー
3:カプラー
4:プローブ
5:試料
6:XY走査ステージ
8:制御コントローラ
9:フォトマルチプライヤ(PMT)
10:ホストPC
11:取り付け部材
12:円筒型圧電素子
12A:Z軸スキャナ
13:支持部材
14:加振用振動子
15:接合表面
16:金属薄膜
2a,2b,2c:光ファイバー
3:カプラー
4:プローブ
5:試料
6:XY走査ステージ
8:制御コントローラ
9:フォトマルチプライヤ(PMT)
10:ホストPC
11:取り付け部材
12:円筒型圧電素子
12A:Z軸スキャナ
13:支持部材
14:加振用振動子
15:接合表面
16:金属薄膜
Claims (5)
- 試料面の情報を得るためのプローブと、該プローブを振動させる手段とを、Z方向に走査させる円筒型圧電素子に接続するための支持部材が該円筒型圧電素子の内側に窪んだキャップ状の構造となっており、上記円筒型圧電素子の内部に上記プローブと、該プローブを振動させる手段とが存在する、走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造。
- 前記円筒型圧電素子の内径が、前記支持部材の前記円筒型圧電素子の内側に窪んだ部分の外径とほぼ同じである請求項1の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造。
- 前記支持部材はヤング率/密度の比が高い材料で構成されている請求項1,2の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造。
- 前記支持部材と前記円筒型圧電素子の結合は、該円筒型圧電素子の接合表面に金属を蒸着して金属薄膜を形成し、その面に前記支持部材を接合した構成である請求項1乃至3の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造。
- 前記プローブは光源から発せられる光の波長よりも小さい開口を有する光ファイバー型プローブであり、前記プローブを振動させる手段はチューニングフォーク型振動子を用いた請求項1乃至3の走査型近接場光顕微鏡用スキャナ構造。
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2005
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