JP2007147353A - プローブ及び特定物質解析装置並びに特定物質解析方法 - Google Patents

プローブ及び特定物質解析装置並びに特定物質解析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】タンパク質等の微小な特定物質の重量を、実際の付着状態に相関付けながら正確に測定して該特定物質の解析を高精度に行うこと。
【解決手段】所定の厚みを有した平板状に形成され、基端側から先端側に向けて一方向に延びたレバー部10と、該レバー部の主面10a上に取り付けられ、特定物質DNAが反応して付着する薄膜11と、該レバー部の基端側を片持ち状態に支持するホルダ部12と、レバー部の変位を測定する変位測定手段13とを備え、薄膜が、多層に積層された層状物質を剥離して得られた薄膜であるプローブ2を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、微小粉末や生体試料(原子、分子やDNA等)等の微小な特定物質の重量を計測するプロープ及び該プローブを有する特定物質解析装置、並びに、特定物質解析方法に関するものである。
生体内で生じる様々な分子間の相互作用等を解析するために、タンパク質やDNA等の微小な特定物質の重量を測定する必要がある。このような微小の特定物質の重量を測定して解析を行う方法としては、従来より各種の方法が提案されており、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)現象を利用した表面プラズモン共鳴センサ(SPRセンサ)や、水晶振動子を用いた水晶振動子秤量法(QCM: Quartz Crystal Microbalance)によるQCMバイオセンサ(例えば、特許文献1及び2参照)や、カンチレバーを利用したカンチレバーセンサ(例えば、特許文献3参照)等が知られている。
上記SPRセンサは、主として抗原−抗体反応をリアルタイムにモニタリングする装置であり、生体内で起こる様々な分子間相互作用を解析することができるものである。
具体的に説明すると、ガラス基板等の透明基板上に形成した金薄膜の表面に、タンパク質等、ある特定のターゲット物質に対する抗体を、リンカーを介して固定した後、透明基板を通して金薄膜の裏面側にプリズムを介してレーザ光を入射・反射させる。この際、レーザ光の全反射によって、金薄膜側に微弱なエネルギー波(エバネッセント波)が生じると共に、抗体に接触した金薄膜表面に粗密波(表面プラズモン)が発生する。そして、レーザ光の入射角度を変化させると、特定の入射角度で、エバネッセント波と粗密波との波数が一致して反射光が減衰する。
この現象は、金薄膜と抗体との境界面で起こる表面プラズモン共鳴によるものである。そして、抗原−抗体反応、即ち、抗体に対して抗原であるターゲット物質が結合(修飾)して重量が変化すると、抗体の誘電率が変わり共鳴角度が変化する。よって、共鳴角度の変化(即ち、誘電率変化)を経時的に測定することで、金薄膜表面で起きる反応を検出することができ、特異的結合反応をリアルタイムに検出して、抗体に結合したターゲット物質の定量化を行うことができる。その結果、分子間相互作用等を解析することができる。
また、QCMバイオセンサは、一定の周波数で振動している水晶振動子の電極に金薄膜を被膜させ、該金薄膜上に特定のターゲット物質に対する抗体を、リンカーを介して固定させたものである。そして、タンパク質やDNA等の微小なターゲット物質が抗体に結合すると、重量が変化するので振動数が変化する。この振動状態を測定することで、特異的結合反応をリアルタイムに検出して、ターゲット物質の分析や解析を行うことができる。
また、カンチレバーセンサは、QCMバイオセンサと同様に、カンチレバーの所定領域上に金薄膜を被膜させると共に、該金薄膜上に特定のターゲット物質に対する抗体を、リンカーを介して固定させ、該カンチレバーを所定の共振周波数で振動させるものである。そして、振動している状態でターゲット物質が抗体に結合すると、その重量変化によりカンチレバーの振動状態が変化する。この振動状態を測定することで、特異的結合反応をリアルタイムに検出して、ターゲット物質の分析や解析を行うことができる。
上述したいずれのセンサにおいても、ターゲット物質が結合する抗体を吸着させる金薄膜等の薄膜が被膜されており、ターゲット物質が抗体に結合したことを信号の変化として捕らえている。そして、この微小重量の変化に基づいて、分子間の様々な相互作用の解析を行っている。また、測定感度としては、数pgから数十pgと非常に高いものである。
特開平11−352045号公報 特開2003−234632号公報 特開2004−125706号公報
しかしながら、上記従来の各種センサでは以下の課題が残されていた。
即ち、SPRセンサを利用した測定では、同じSPRセンサ同士間で相互の測定結果を比較し合うことはできるが、他の検出方法で測定された測定結果と比較し合って、測定結果の妥当性を検討するといったことができなかった。つまり、測定結果が、SPRセンサ固有の値として示されるので、他の方法による測定結果と比較することができなかった。そのため、利便性に欠け、測定結果を有効に利用することが困難であった。
また、使用者の間では、目的のターゲット物質が付着したセンサ表面(金薄膜の表面)の状態を把握したいという要望がある。つまり、金薄膜表面に予め固定された抗体に対して、抗原等のターゲット物質が結合すると、表面プラズモン共鳴現象によりSPRシグナルが変化することは明らかとなっているが、実際に表面がどのような状態になっているか、即ち、抗体に対していくつぐらいの抗原が結合しているのか、また、どのような状態で結合しているのか等ということに関しては未だに解明されていないためである。よって、SPRシグナルとして、あるシグナル量を得ることができるが、このシグナル量と実際のターゲット物質の結合量との関係を相関付けることができなかった。その結果、ターゲット物質を正確に解析することができなかった。
この問題は、従来のQCMバイオセンサやカンチレバーセンサを利用した場合であっても、同一の課題を有していた。
仮にこれを解明するため、走査型プローブ顕微鏡のカンチレバー等を利用して、ターゲット物質が抗体に結合した後の結合状態を観察しようとしても、いずれのセンサであっても抗体が吸着するセンサ面は数十nmのスケールで凹凸形状となっているので、該凹凸内に抗体やターゲット物質が入り込んでしまい、ターゲット物質の結合状態を正確に観察することができなかった。その結果、走査型プローブ顕微鏡等を用いたとしても、やはり上述した問題が依然残されたままであった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、タンパク質等の微小な特定物質の重量を、実際の結合状態に相関付けながら正確に測定して該特定物質の解析を高精度に行うことができるプローブ及び該プローブを有する特定物質解析装置並びに特定物質解析方法を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明のプローブは、所定の厚みを有した平板状に形成され、基端側から先端側に向けて一方向に延びたレバー部と、該レバー部の主面上に取り付けられ、特定物質が反応して付着する薄膜と、前記レバー部の基端側を片持ち状態に支持するホルダ部と、前記レバー部の変位を測定する変位測定手段とを備え、前記薄膜が、多層に積層された層状物質を剥離して得られた薄膜であることを特徴とするものである。
この発明に係るプローブにおいては、ホルダ部に基端側が片持ち状態に支持されたレバー部の主面上に、雲母(マイカ)やグラファイト等の層状物質を剥離して得られた薄膜が接着等により取り付けられている。この雲母等の層状物質から得られた薄膜は、その物性上予め表面が原子レベルで平滑されているという特徴を有しているので、レバー部の主面が従来のように数十nmのスケールで凹凸状になっていたとしても、薄膜表面は主面の凹凸の影響を受けることなく、原子レベルで平らな平滑面となっている。
そして、この薄膜上にタンパク質やDNA等の微小な特定物質が反応して付着すると、その重量変化によりレバー部は撓んで変形する。また、このレバー部の変位は、変位測定手段によって測定される。
そして、この変位測定手段による測定結果に基づいて、薄膜に付着した特定物質の微小な重量変化を正確に測定することができる。
ここで、薄膜表面は、上述したように原子レベルで平らな平滑面となっているので、走査型プローブ顕微鏡等を利用して薄膜表面に付着した特定物質の状態、例えば、特定物質がいくつ付着したのか、どのような状態で付着したのか等を観察することができる。つまり、数十nmの凹凸内に入り込んで特定物質を観察することが困難であった従来のものとは異なり、表面が原子レベルで平滑なため、このような不具合がなく、付着した全ての特定物質の、実際の状態を正確に観察して把握することができる。
その結果、特定物質の実際の付着状態と、変位測定手段による測定結果とを関係付けることができ、微小な特定物質の重量を正確に測定して、解析を高精度に行うことができる。特にこの測定データは、従来のSPRセンサとは異なり、装置固有のデータではないので他のデータとの比較を行うことができ、該データを有効に活用できると共に測定結果の信頼性を向上することができる。
また、本発明のプローブは、上記本発明のプローブにおいて、前記薄膜上には、金薄膜又は二酸化珪素のいずれかが被膜されていることを特徴とするものである。
この発明に係るプローブにおいては、薄膜上にさらに金薄膜又は二酸化珪素(SiO)が被膜されているので、予め金薄膜表面又は二酸化珪素表面に抗体(例えば、IgG抗体)の一端を、リンカーを介して固定することができる。そして、この状態で抗体に反応する抗原等のターゲット物質(特定物質)が接近すると、抗体と抗原とが結合して重量が変化する。
この際、金薄膜又は二酸化珪素は、原子レベルで平滑された薄膜上に被膜されているので、薄膜と同様にやはり表面が原子レベルで平滑化した状態となっている。よって、予め抗体がどのような状態で、金薄膜又は二酸化珪素にどのくらいの個数固定していたか、また、この抗体に対していくつ抗原が結合したか等を、走査型プローブ顕微鏡等を利用して正確に把握することができる。
その結果、従来困難であった、変位測定手段による測定結果と、実際の結合状態とを相関付けた抗体−抗原反応を観察することができる。
また、抗体と金薄膜又は二酸化珪素とを固定させる際に、両者を繋ぎとめる分子膜等の上述したリンカーを用いる必要があるが、薄膜上に二酸化珪素を被膜させることで、金薄膜よりも多種多様のリンカーを利用することができる。よって、リンカーの選択肢が増えるので、観察をより容易に行うことができる。この点、二酸化珪素を用いることが好ましい。
また、本発明のプローブは、上記本発明のプローブにおいて、前記レバー部を前記主面に直交する方向に向けて、所定の周波数で振動させる加振手段を備え、前記変位測定手段が、前記レバー部の振動状態の変化から、前記特定物質の付着に起因するレバー部の重量変化を測定することを特徴とするものである。
この発明に係るプローブにおいては、加振手段がレバー部を主面に直交する方向に向けて所定の周波数で振動させる。また、変位測定手段が、レバー部の振動状態の測定を行っている。ここで、薄膜上に特定物質が付着すると該付着に起因して重量が変化し、レバー部の振動状態(例えば、周波数)が変化する。変位測定手段は、この振動状態の変化からレバー部の重量変化を正確に測定する。例えば、特定物質が付着してレバー部の重量が増加すると、振動周波数が低くシフトする。よって、逆にこの周波数変化をモニタすることで、重量変化を正確に測定することができる。そして、この測定結果から特定物質の解析を行う。
このように動的な方法で、特定物質の微小な重量変化を測定することができ、静的な方法に比べて測定結果の精度をより向上することができる。
また、本発明のプローブは、上記本発明のいずれかのプローブにおいて、前記レバー部を複数備え、各レバー部の前記薄膜がそれぞれ異なる種類の前記特定物質を付着させることを特徴とするものである。
この発明に係るプローブにおいては、それぞれ異なる種類の特定物質を付着させる薄膜を有するレバー部を、例えば、アレイ状に複数備えているので、一度に複数種類の特定物質を検出して解析を行うことができる。例えば、一度に複数の抗体−抗原反応を観察することができ、各種のアレルギー反応(例えば、蕎麦、卵や花粉アレルギー等)を一度に効率良く調べることが可能である。よって、解析にかける時間を短縮することができると共に、使い易さが向上する。
また、本発明の特定物質解析装置は、上記本発明のいずれかのプローブと、前記レバー部の主面に対向するように配され、先端に探針を有するカンチレバーと、該カンチレバーと前記プローブとを、前記主面に平行なXY方向に相対的に走査させると共に、主面に垂直なZ方向に相対的に移動させる移動手段と、前記カンチレバーの変位を測定する第2の変位測定手段と、該第2の変位測定手段による測定結果に基づいて、前記走査時に前記探針と前記レバー部との距離を、前記カンチレバーの撓みが一定となるように前記移動手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
この発明に係る特定物質解析装置においては、カンチレバーを備えているので、プローブに付着した特定物質の観察を行うことができる。つまり、特定物質がプローブの薄膜上に付着した後、移動手段によりプローブとカンチレバーとをXY方向に相対的に移動させて、探針で薄膜上の走査を行う。この際、制御手段は、第2の変位測定手段による測定結果に基づいて、カンチレバーの撓みが一定となるように探針とレバー部との距離(高さ)を移動手段によりフィードバック制御する。その結果、薄膜上に付着した特定物質の形状観察を行うことができ、実際の付着状態を正確に把握することができる。なお、特定物質の形状観察だけでなく、特定物質の導電性の有無等、各種物性情報についても観察することができる。
特に、原子レベルで平滑な薄膜を有するプローブを用いているので、従来観察が困難であった特定物質の実際の付着状態を高精度に観察することができる。よって、特定物質の状態を正確に把握して定量化することができ、特定物質の解析を正確に行うことができる。また、プローブに対向する位置にカンチレバーを備えているので、特定物質が付着した後、検出時の雰囲気を選ばずに、例えば、真空中、ガス中や溶液中で、検出と同時に速やかに特定物質の形状観察を行うことができる。よって、使い易く、測定時間の短縮化を図ることができる。
また、本発明の特定物質解析装置は、上記本発明の特定物質解析装置において、溶液及び前記特定物質を貯留すると共に、少なくとも前記プローブ及び前記カンチレバーを溶液内に浸した状態で収納する容器を備えていることを特徴とするものである。
この発明に係る特定物質解析装置においては、プローブ及びカンチレバーが溶液中に浸された状態で容器内に収納されている。そして、溶液中に含まれる特定物質が、プローブの主面に設けられた薄膜に反応して付着する。また、カンチレバーを利用して、そのまま溶液内で特定物質の形状観察を行える。
このように溶液を貯留する容器を備えているので、液中で特定物質の観察を行うことができる。よって、観察できる特定物質の幅を広げることができ、より使い易くなり、機能性が向上する。
また、本発明の特定物質解析方法は、所定の厚みを有した平板状に形成され、基端側がホルダ部に片持ち状態に支持されたレバー部と、該レバー部の主面上に設けられて特定物質が反応して付着する薄膜とを備えたプローブと、主面に対向するように配され、先端に探針を有するカンチレバーとを利用して、特定物質の解析を行う特定物質分析方法であって、前記プローブの周囲に前記特定物質を供給して、該特定物質を前記薄膜に反応させて付着させる付着工程と、該付着工程中における前記レバー部の変位を測定する変位測定工程と、前記付着工程後、前記探針と前記レバー部との距離を、前記カンチレバーの撓みが一定となるように前記主面に垂直なZ方向に移動制御しながら、前記カンチレバーと前記プローブとを前記主面に平行なXY方向に向けて相対的に移動させて、前記探針で前記薄膜上を走査する走査工程とを備え、前記薄膜が、多層に積層された層状物質を剥離して得られた薄膜であることを特徴とするものである。
この発明に係る特定物質解析方法においては、まず、付着工程によりプローブの周囲にタンパク質やDNA等の微小な特定物質を供給して、該特定物質を薄膜に反応させて付着させる。この付着によりレバー部は重量が変化するので、撓んで変形する。このレバー部の変位を変位測定工程により測定することで、薄膜に付着した特定物質の微小な重量変化を正確に測定することができる。
次いで、付着工程が終了した後、プローブとカンチレバーとをXY方向に相対的に移動させて、探針で薄膜上の走査工程を行う。この走査工程の際、カンチレバーの撓みが一定となるように探針とレバー部との距離(高さ)をフィードバック制御する。その結果、薄膜上に付着した特定物質の形状観察を行うことができ、実際の付着状態を正確に把握することができる。なお、特定物質の形状観察だけでなく、特定物質の導電性の有無等、各種物性情報についても観察することができる。
ここで、主面上に設けられた薄膜は、雲母やグラファイト等の層状物質を剥離して得られたものであり、その物性上予め表面が原子レベルで平滑されているという特徴を有しているので、レバー部の主面が従来のように数十nmのスケールで凹凸状になっていたとしても、薄膜表面は主面の凹凸の影響を受けることなく、原子レベルで平らな平滑面となっている。よって、走査工程により、薄膜表面に付着した特定物質の状態、例えば、特定物質がいくつ付着したのか、どのような状態で付着したのか等を観察することができる。つまり、数十nmの凹凸内に入り込んで特定物質を観察することが困難であった従来のものとは異なり、付着した全ての特定物質の、実際の状態を正確に観察して把握することができる。
その結果、特定物質の実際の付着状態と、変位測定工程による測定結果とを関係付けることができ、微小な特定物質の重量を正確に測定して解析を高精度に行うことができる。特にこの測定データは、従来のSPRセンサとは異なり、装置固有のデータではないので他のデータとの比較を行うことができ、該データを有効に活用できると共に、測定結果の信頼性を向上することができる。
また、プローブに対向する位置にカンチレバーを備えているので、特定物質が付着した後、検出時の雰囲気を選ばずに、例えば、真空中、ガス中や溶液中で、検出と同時に速やかに特定物質の形状観察を行うことができる。よって、使い易く、測定時間の短縮化を図ることができる。
また、本発明の特定物質解析方法は、上記本発明の特定物質解析方法において、前記付着工程前に、前記レバー部を前記主面に垂直な方向に向けて、所定の周波数で振動させる加振工程を備え、前記レバー部を振動させた状態で前記付着工程を行った後、前記走査工程前にレバー部の振動を停止させることを特徴とするものである。
この発明に係る特定物質解析方法においては、まず、付着工程を行う前に、レバー部を主面に直交する方向に向けて所定の周波数で振動させる加振工程を行う。その後、付着工程を行う。ここで、薄膜上に特定物質が付着すると該付着に起因して重量が変化し、レバー部の振動状態(例えば、周波数)が変化する。そして、変位測定工程において、この振動状態の変化からレバー部の重量変化を正確に測定する。例えば、特定物質が付着してレバー部の重量が増加すると、振動周波数が低くシフトする。よって、逆にこの周波数変化をモニタすることで、重量変化を正確に測定することができる。そして、この測定結果から特定物質の解析を行う。
このように動的な方法で、特定物質の微小な重量変化を測定することができ、静的な方法に比べて測定結果の精度をより向上することができる。
また、付着工程が終了した後、走査工程前にレバー部の振動状態を停止する。その後、カンチレバーによる走査を行って、付着した特定物質の形状観察を行う。
本発明に係るプローブ及び特定物質解析装置並びに特定物質解析方法によれば、特定物質の実際の付着状態と、変位測定手段による測定結果とを関係付けることができ、微小な特定物質の重量を正確に測定して解析を高精度に行うことができる。
以下、本発明に係るプローブ及び特定物質解析装置並びに特定物質解析方法の一実施形態について、図1から図7を参照して説明する。
本実施形態の特定物質解析装置1は、図1に示すように、プローブ2と、該プローブ2の後述するレバー部10の主面10aに対向するように配され、先端に探針3を有するカンチレバー4と、該カンチレバー4とプローブ2とを、主面10aに平行なXY方向に相対的に走査させると共に、主面10aに垂直なZ方向に相対的に移動させる移動手段5と、カンチレバー4の変位を測定する第2の変位測定手段6と、該第2の変位測定手段6による測定結果に基づいて、走査時に探針3とレバー部10との距離を、カンチレバー4の撓みが一定となるように移動手段5を制御する制御手段9と、溶液W及び特定のDNA(特定物質)を貯留すると共に、少なくともプローブ2及びカンチレバー4を溶液W内に浸した状態で収納する容器7とを備えている。
即ち、本実施形態では、溶液W内に存在するDNAを液中観察する場合を例にして説明する。
上記プローブ2は、図2に示すように、所定の厚みを有した平板状に形成され、基端側から先端側に向けて一方向に延びたレバー部10と、該レバー部10の主面10a上に取り付けられ、DNAが反応して付着する薄膜11と、該レバー部10の基端側を片持ち状態に支持するホルダ部12と、該レバー部10の変位を測定する変位測定手段13とを備えている。
このプローブ2は、例えば、シリコン支持層、酸化層及びシリコン活性層の3層を熱的に貼り合わせたSOI基板から形成されており、レバー部10及びホルダ部12が一体的に形成されている。また、レバー部10とホルダ部12との接合部分であるレバー部10の基端側には、開口14が形成されており、レバー部10が基端側で屈曲して撓み易くなっている。即ち、レバー部10の基端側は、応力が集中する応力集中部として機能するようになっている。なお、この開口14の数は、1つに限定されず、2つ以上形成しても構わないし、形成されていなくても構わない。
また、ホルダ部12及びレバー部10の基端側には、レバー部10の撓み量に応じて抵抗値が変化するピエゾ抵抗素子15が、開口14の両側にレバー部10の長手方向に沿って設けられている。なお、このピエゾ抵抗素子15は、SOI基板にイオン注入法や拡散法等により不純物が注入されて形成されたものである。
また、このピエゾ抵抗素子15には、アルミニウム等の金属配線16が電気的に接続されており、金属配線16を含む全体的な形状がU字状になるように形成されている。また、金属配線16の端部は、2つの外部接続端子17にそれぞれ電気的に接続されている。つまり、一方の外部接続端子17から金属配線16に流れた電流は、一方のピエゾ抵抗素子15を通った後、開口14を回り込んで他方のピエゾ抵抗素子15に流れ、その後、他方の外部接続端子17から外部に流れるようになっている。
なお、ピエゾ抵抗素子15及び金属配線16上には、図示しない絶縁膜が成膜されており、外部と電気的に接触しないようになっている。
そして、外部接続端子17を介して金属配線16にバイアス電圧を印加することにより、レバー部10の撓み(変位)、即ち、ピエゾ抵抗素子15に生じる歪に応じてレベル変化する電気的信号を、出力信号として取り出すことができるようになっている。また、この出力信号は、図1に示す制御部20に出力されるようになっている。そして、制御部20は、送られてきた出力信号に基づいて、重量変化に起因するレバー部10の変位を算出し、DNAの検出を行うようになっている。
即ち、上述したピエゾ抵抗素子15、金属配線16及び外部接続端子17は、上記変位測定手段13を構成している。
また、上記薄膜11は、多層に積層された雲母(マイカ)やグラファイト類等の層状物質を剥離して得られた薄膜であり、レバー部10の主面10a上に接着剤等によって取り付けられている。このような層状物質を剥離して得られた薄膜11は、その物性上、表面が原子レベルで平滑されているという特徴を有しているので、レバー部10の主面10aの表面が従来どおり数十nmの凹凸を繰り返す凹凸面であったとしても、薄膜11の表面は主面10aの影響を受けることなく、原子レベルで平らな平滑面となっている。
このように構成されたプローブ2は、図1に示すように、ホルダ部12を介してXYZステージ21によって、XY方向及びZ方向に移動するようになっている。これにより、プローブ2とカンチレバー4とが、XY方向及びZ方向に対して相対的に移動可能とされている。このXYZステージ21は、例えば、3方向に移動可能な圧電素子であり、駆動部22から印加された電圧に応じて3方向に移動するようになっている。即ち、これらXYZステージ21及び駆動部22は、上記移動手段5を構成している。
上記カンチレバー4は、プローブ2と同様に例えば、シリコン支持層、酸化層及びシリコン活性層の3層を熱的に貼り合わせたSOI基板から形成されており、図3に示すように、平板状のレバー部30と、該レバー部30の先端に形成された上記探針3と、レバー部30の基端側を片持ち状に支持するホルダ部31とを備えている。また、プローブ2と同様に、レバー部30の基端側に開口32が形成されていると共に、レバー部30の撓み量に応じて抵抗値が変化するピエゾ抵抗素子33が設けられている。また、このピエゾ抵抗素子33にも同様に、金属配線34及び2つの外部接続端子35が電気的に接続されている。
なお、プローブ2と同様に、ピエゾ抵抗素子33及び金属配線34上には、図示しない絶縁膜が成膜されており、外部と電気的に接触しないようになっている。
また、このカンチレバー4に設けられたピエゾ抵抗素子33は、レバー部30の撓み(変位)応じてレベル変化する電気的信号を、出力信号として図1に示すZ電圧フィードバック回路23に出力するようになっている。このZ電圧フィードバック回路23は、送られてきた出力信号が常に一定となるように、駆動部22をフィードバック制御する。これにより、移動手段5により走査を行ったときに、探針3とレバー部10との距離を、カンチレバー4の変位が一定となるように制御することができる。
また、このZ電圧フィードバック回路23には、上述した制御部20が接続されており、該制御部20が出力信号に基づいて、レバー部30の変位を算出し、薄膜11の表面の形状観察を行うようになっている。
上述したピエゾ抵抗素子33、金属配線34及び外部接続端子35は、上記第2の変位測定手段6を構成している。また、Z電圧フィードバック回路23及び制御部20は、制御手段9を構成している。
また、容器7には、該容器7内に貯留された溶液Wを外部の排水タンク25に排出する排水ポンプ26と、該容器7内に貯液タンク27から新たな溶液Wを注入する注入ポンプ28とを備えている。なお、注入ポンプ28及び貯液タンク27の数は、任意に設定して構わない。
次に、このように構成されたプローブ2及び特定物質解析装置1により、溶液W中に存在するDNAを検出して、解析を行う特定物質解析方法について説明する。
本実施形態の特定物質解析方法は、プローブ2の周囲にDNAを供給して、特定のDNAを薄膜11に反応させて付着させる付着工程と、該付着工程中におけるレバー部10の変位を測定する変位測定工程と、付着工程後、探針3とレバー部10との距離を、カンチレバー4の撓みが一定となるようにZ方向に移動制御しながら、カンチレバー4とプローブ2とをXY方向に向けて相対的に移動させて、探針3で薄膜11上を走査する走査工程とを備えている。これら各工程について、以下に詳細に説明する。
まず、容器7内にプローブ2及びカンチレバー4を位置させた状態で、注入ポンプ28を作動させて貯液タンク27から容器7内にDNAを含む溶液Wを注入する。これにより、図4に示すように、プローブ2の周囲にDNAが浮遊するように供給される。ここで、レバー部10の主面10a上には、薄膜11が取り付けられているので、薄膜11に接近したDNAが該薄膜11に反応して次々と付着する。
この付着工程により、レバー部10は重量が変化するので、撓んで変形する。レバー部10が撓んで変形すると、レバー部10の基端側に設けられたピエゾ抵抗素子15に歪みが生じ、該歪みに応じて抵抗値が変化する。そして、ピエゾ抵抗素子15は、レバー部10の撓みに応じた出力信号を制御部20に出力する。この変位測定工程により、制御部20は送られてきた出力信号からレバー部10の変位を測定でき、薄膜11にDNAが付着したことによる重量変化を正確に測定することができる。
次いで、付着工程が終了した後、駆動部22からXYZステージ21に電圧を印加して、図5に示すようにプローブ2をXY方向及びZ方向に移動させて、カンチレバー4の探針3を薄膜11の表面に接触させる。探針3が接触すると、レバー部10が若干撓むのでピエゾ抵抗素子33の抵抗値が変化して出力信号が変化する。制御部20は、この出力信号が所定の値となるまで、XYZステージ21を介してプローブ2を移動させる。その結果、探針3を所定の力で薄膜11の表面に接触させることができる。
探針3を接触させた後、XYZステージ21を介してプローブ2をXY方向に移動させて、探針3で薄膜11上の走査を行う走査工程を行う。この走査を行っている間、カンチレバー4は薄膜11の表面に付着したDNAの形状(凹凸)に応じて上下に撓んで変形しようとするので、ピエゾ抵抗素子33の抵抗値が変化する。そして、ピエゾ抵抗素子33は、この撓みに応じた出力信号を、プリアンプを介してZ電圧フィードバック回路23に出力する。Z電圧フィードバック回路23は、送られてきた出力電圧が一定となるように、即ち、カンチレバー4の撓みが一定となるように、XYZステージ21をZ方向にフィードバック制御する。これにより、探針3とレバー部10との距離を、カンチレバー4の撓みが一定となるように制御した状態で走査を行うことができる。また、制御部20は、Z電圧フィードバック回路23により上下させる信号に基づいて、薄膜11の表面形状、即ち、付着したDNAの形状測定を行う。
ここで、薄膜11の表面は、主面10aの凹凸の影響を受けることなく、原子レベルで平らな平滑面となっているので、上述した走査工程及び変位測定工程により、薄膜11表面に付着したDNAの状態、例えば、DNAがいくつ付着したのか、また、どのような状態で付着したのか等を観察することができる。つまり、数十nmの凹凸内に入り込んでDNAを観察することが困難であった従来のものとは異なり、付着した全てのDNAの、実際の付着状態を正確に観察して把握することができる。
その結果、DNAの実際の付着状態と、変位測定手段13による測定結果とを関係付けることができ、微小なDNAの重量を正確に測定して解析を高精度に行うことができる。特に、この測定データは、従来のSPRセンサとは異なり、装置固有のデータではないので、他のデータとの比較を行うことができ、該データを有効に活用できると共に測定結果の信頼性を向上することができる。
上述したように、本実施形態のプローブ2及び特定物質解析装置1並びに特定物質解析方法によれば、DNAの実際の付着状態と、変位測定手段13による測定結果とを関係付けることができ、微小なDNAの重量を正確に測定して、DNAの解析を高精度に行うことができる。
また、プローブ2に対向する位置にカンチレバー4を備えているので、DNAが付着した後、そのまま溶液中で速やかにDNAの形状観察を行うことができる。よって、使い易く、測定時間の短縮化を図ることができる。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、特定物質をDNAとして説明したが、DNAに限られるものではない。例えば、微小粉末、タンパク質等の生体分子やアレルギーの原因となる抗原を微小な特定物質としても構わない。
ここで、特定物質を抗原とし、本発明に係るプローブ2及び特定物質解析装置1を利用して抗原の結合状態を正確に測定して、抗体−抗原反応を観察する場合を以下に説明する。なお、抗体として最も多量に血液中に含まれているIgG(Immunoglobulin Gamma)抗体を例にして説明する。
まず、この抗体−抗原反応の観察を行う場合には、予めプローブ2の薄膜11上に、IgG抗体の一端を固定させておく必要がある。そこで、薄膜11上にIgG抗体の一端を、例えばリンカーを利用して予め固定化させる。
次いで、IgG抗体が固定化されたプローブ2を、各種の抗原が存在する溶液W内に浸す。すると、IgG抗体に反応する特定の抗原が次々とIgG抗体に結合して修飾し始める。レバー部10は、この抗原の修飾によって重量が変化するので、撓んで変形する。そして、このレバー部10の変位を変位測定手段13で測定することで、抗原の修飾状態を検出することができる。
次いで、抗原の修飾が終了した後、カンチレバー4を利用して薄膜11の表面状態を観察する。この際、薄膜11の表面は、その物性上予め原子レベルで平滑化されているので、凹凸内にIgG抗体が入り込んで観察することが困難であったという従来の問題が解消され、IgG抗体の数や固体状態、IgG抗体と抗原との修飾状態、IgG抗体に対していくつの抗原が修飾しているか等の実際の状態を正確に観察することができる。
つまり、変位測定手段13による測定結果を、実際の状態に関係付けながら解析することができる。従って、従来取得することが困難であった正確で幅広いデータを取得することができ、抗原−抗体反応をより詳細に解明することができる。
また、この抗原−抗体反応を行うにあたって、図6に示すように、薄膜11上に金薄膜40を被膜したプローブ41を利用しても構わない。この金薄膜40は、原子レベルで平滑化された薄膜11上に被膜されているので、薄膜11と同様にやはり表面が原子レベルで平滑化された状態となっている。
このプローブ41においては、薄膜11上にさらに金薄膜40が被膜されているので、IgG抗体を金薄膜40上に、図示しないリンカーを介して確実に固定することができる。よって、抗原−抗体反応をより正確に観察することができる。
なお、金薄膜だけに限られず、二酸化珪素(SiO)を薄膜11上に被膜しても構わない。上述したように、IgG抗体を固定させる際に分子膜等のリンカーを用いる必要があるが、薄膜11上に二酸化珪素を被膜することで、金薄膜40よりも多種多様のリンカーを利用することができる。よって、リンカーの選択肢が増えるので、観察をより容易に行えることができる。この点、二酸化珪素を用いることがより好ましい。
また、上記実施形態では、ホルダ部12でレバー部10を1つ支持したプローブ2を例にしたが、レバー部10は1つに限られず、例えば、レバー部10をアレイ状に複数備え、各レバー部10の薄膜11がそれぞれ異なる種類の特定物質を付着させるように構成しても構わない。
こうすることで、一度に複数種類の特定物質を検出して解析を行うことができる。例えば、一度に複数の抗体−抗原反応を観察することができ、各種のアレルギー反応(例えば、蕎麦、卵や花粉アレルギー等)を一度に効率良く調べることができる。よって、解析にかける時間を短縮することができ、使い易さを向上することができる。
また、上記実施形態では、ピエゾ抵抗素子15、33を利用した自己検知方式により、プローブ2及びカンチレバー4の変位を測定したが、自己検知方式に限られず、光を利用した光テコ方式により、プローブ2及びカンチレバー4の変位を測定するように構成しても構わない。
また、上記実施形態では、プローブ2を振動させず静的な状態で測定を行ったが、この場合に限られず、図7に示すように圧電素子41等の加振手段をホルダ部12に設けて、レバー部10を主面10aに直交するZ方向に向けて所定の周波数で振動させても構わない。この場合には、薄膜11上にDNA等の特定物質が付着すると、該付着に起因する重量変化によりレバー部10の振動状態、即ち、周波数が変化する。そして、変位測定手段13がこのレバー部10の周波数の変化を検出し、レバー部10の重量変化を算出すれば良い。このように、動的な方法で特定物質の微小な重量変化を測定することで、静的な方法に比べて測定結果の精度をより向上することができる。
なお、付着工程が終了した後、走査工程前にレバー部10の振動状態を停止させる。その後、カンチレバー4による走査を行って、付着した特定物質の形状観察を行う。
本発明の一実施形態に係る特定物質解析装置の構成図である。 図1に示す特定物質解析装置を構成する本発明に係るプローブの斜視図である。 図1に示す特定物質解析装置を構成するカンチレバーの斜視図である。 図2に示すプローブの周囲にDNAを供給し、DNAが薄膜に付着し始めた状態を示す図である。 図4に示す状態の後、DNAが薄膜上に付着したプローブをカンチレバーに接近させている状態を示す図である。 図2に示すプローブとは異なる他のプローブの例を示す図であって、薄膜上に金薄膜が被膜されたプローブを示す図である。 図2に示すプローブとは異なる他のプローブの例を示す図であって、レバー部を振動させる加振手段を有するプローブを示す図である。
符号の説明
W 溶液
DNA 特定物質
1 特定物質解析装置
2、41 プローブ
4 カンチレバー
3 探針
5 移動手段
6 第2の変位測定手段
7 容器
9 制御手段
10 レバー部
10a 主面
11 薄膜
12 ホルダ部
13 変位測定手段
40 金薄膜
41 圧電素子(加振手段)

Claims (8)

  1. 所定の厚みを有した平板状に形成され、基端側から先端側に向けて一方向に延びたレバー部と、
    該レバー部の主面上に取り付けられ、特定物質が反応して付着する薄膜と、
    前記レバー部の基端側を片持ち状態に支持するホルダ部と、
    前記レバー部の変位を測定する変位測定手段とを備え、
    前記薄膜は、多層に積層された層状物質を剥離して得られた薄膜であることを特徴とするプローブ。
  2. 請求項1に記載のプローブにおいて、
    前記薄膜上には、金薄膜又は二酸化珪素のいずれかが被膜されていることを特徴とするプローブ。
  3. 請求項1又は2に記載のプローブにおいて、
    前記レバー部を前記主面に直交する方向に向けて、所定の周波数で振動させる加振手段を備え、
    前記変位測定手段が、前記レバー部の振動状態の変化から、前記特定物質の付着に起因するレバー部の重量変化を測定することを特徴とするプローブ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のプローブにおいて、
    前記レバー部を複数備え、各レバー部の前記薄膜がそれぞれ異なる種類の前記特定物質を付着させることを特徴とするプローブ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のプローブと、
    前記レバー部の主面に対向するように配され、先端に探針を有するカンチレバーと、
    該カンチレバーと前記プローブとを、前記主面に平行なXY方向に相対的に走査させると共に、主面に垂直なZ方向に相対的に移動させる移動手段と、
    前記カンチレバーの変位を測定する第2の変位測定手段と、
    該第2の変位測定手段による測定結果に基づいて、前記走査時に前記探針と前記レバー部との距離を、前記カンチレバーの撓みが一定となるように前記移動手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする特定物質解析装置。
  6. 請求項5に記載の特定物質解析装置において、
    溶液及び前記特定物質を貯留すると共に、少なくとも前記プローブ及び前記カンチレバーを溶液内に浸した状態で収納する容器を備えていることを特徴とする特定物質解析装置。
  7. 所定の厚みを有した平板状に形成され、基端側がホルダ部に片持ち状態に支持されたレバー部と、該レバー部の主面上に設けられて特定物質が反応して付着する薄膜とを備えたプローブと、主面に対向するように配され、先端に探針を有するカンチレバーとを利用して、特定物質の解析を行う特定物質分析方法であって、
    前記プローブの周囲に前記特定物質を供給して、該特定物質を前記薄膜に反応させて付着させる付着工程と、
    該付着工程中における前記レバー部の変位を測定する変位測定工程と、
    前記付着工程後、前記探針と前記レバー部との距離を、前記カンチレバーの撓みが一定となるように前記主面に垂直なZ方向に移動制御しながら、前記カンチレバーと前記プローブとを前記主面に平行なXY方向に向けて相対的に移動させて、前記探針で前記薄膜上を走査する走査工程とを備え、
    前記薄膜が、多層に積層された層状物質を剥離して得られた薄膜であることを特徴とする特定物質解析方法。
  8. 請求項7に記載の特定物質解析方法において、
    前記付着工程前に、前記レバー部を前記主面に垂直な方向に向けて、所定の周波数で振動させる加振工程を備え、
    前記レバー部を振動させた状態で前記付着工程を行った後、前記走査工程前にレバー部の振動を停止させることを特徴とする特定物質解析方法。




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