JP2007146110A - プライマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】造膜性樹脂(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する芳香族化合物であって該水酸基が2価の脂肪族または脂環式炭化水素基を介して芳香環に結合する化合物(C)と、溶剤(D)とを含有するプライマー組成物。
【選択図】なし
Description
ナイロンやポリカーボネートに用いられるプライマーとしては、オレフィン系重合体を含有するプライマーが挙げられる。例えば、特許文献1には、「メタロセン系触媒の共存下にプロピレンと他のα−オレフィンを共重合して得られたプロピレン系ランダム共重合体を、塩素含有率が10〜40重量%まで塩素化した、重量平均分子量が3000〜250000である塩素化プロピレン系ランダム共重合体と安定剤および有機溶剤を含むことを特徴とするバインダー樹脂組成物」が提案されている。
また、特許文献2には、「ABS樹脂、ポリカーボネート、およびABS/PC系ポリマーアロイのいずれかで作られた成形品に、膜厚が0.2〜1.2μmとなるように、ポリウレタン樹脂をアンダーコートとして塗布し、乾燥し、励起放電し、該アンダーコート上に金属薄膜を真空成膜することを特徴とする電磁波シールド膜の製造方法。」が提案されている。
(1)造膜性樹脂(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する芳香族化合物であって該水酸基が2価の脂肪族または脂環式炭化水素基を介して芳香環に結合する化合物(C)と、溶剤(D)とを含有するプライマー組成物。
(2)更に、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂(E)を含有する上記(1)に記載のプライマー組成物。
(3)前記カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂(E)の含有量が、前記造膜性樹脂(A)100質量部に対して1〜150質量部である上記(2)に記載のプライマー組成物。
(4)上記造膜性樹脂(A)が、熱可塑性ポリウレタンである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のプライマー組成物。
(5)上記熱可塑性ポリウレタンの数平均分子量が、3000〜70000である上記(4)に記載のプライマー組成物。
(6)上記造膜性樹脂(A)が、側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のプライマー組成物。
(7)更に、アルコキシシラン縮合触媒を含有する上記(6)に記載のプライマー組成物。
(8)上記アルコキシシラン縮合触媒の含有量が、上記側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部である上記(7)に記載のプライマー組成物。
(9)上記ポリイソシアネート(B)が、官能基数3以上である上記(1)〜(8)のいずれかに記載のプライマー組成物。
(10)上記ポリイソシアネート(B)が、アダクト体および/またはイソシアヌレート体である上記(9)に記載のプライマー組成物。
(11)上記ポリイソシアネート(B)の含有量が、上記造膜性樹脂(A)100質量部に対して5〜500質量部である上記(1)〜(10)のいずれかに記載のプライマー組成物。
(12)上記ポリイソシアネート(B)の含有量が、上記造膜性樹脂(A)100質量部に対して5〜100質量部である上記(1)〜(10)のいずれかに記載のプライマー組成物。
(13)上記化合物(C)の含有量が、上記造膜性樹脂(A)100質量部に対して1〜80質量部である上記(1)〜(12)のいずれかに記載のプライマー組成物。
(14)上記化合物(C)が、下記式(1)で表される上記(1)〜(13)のいずれかに記載のプライマー組成物。
(15)上記式(1)中、R1がメチレン基であり、R2がアリル基である、上記(14)に記載のプライマー組成物。
本発明のプライマー組成物は、造膜性樹脂(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する芳香族化合物であって該水酸基が2価の脂肪族または脂環式炭化水素基を介して芳香環に結合する化合物(C)と、溶剤(D)とを含有するプライマー組成物である。
次に、本発明のプライマー組成物に用いられる各成分について詳述する。
本発明のプライマー組成物に用いられる造膜性樹脂(A)は、従来公知のプライマー組成物のバインダー成分であれば特に限定されず、熱可塑性樹脂(例えば、熱可塑性ポリウレタン、側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂、塩素化ポリエチレン、フェノール樹脂、側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂以外の(メタ)アクリル樹脂)であるのが好ましく、中でも、熱可塑性ポリウレタン、側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂であるのがより好ましい。熱可塑性樹脂以外の樹脂としては、具体的には、例えば、石油樹脂、キシレン樹脂等を用いることもできる。
熱可塑性ポリウレタンとは、ポリオール化合物等の活性水素含有化合物と、ポリイソシアネート化合物とを、イソシアネート基(NCO基)と活性水素とのモル比が1/1程度になるように混合し、反応させて得られる線状の重合体である。
本発明のプライマー組成物は、熱可塑性ポリウレタンを含有すると、密着性がより向上するため、十分な可使時間を確保できる。
これらのうち、第二級炭素または第三級炭素に結合したNCO基を有するものが、得られる熱可塑性ポリウレタンを含有するプライマー組成物の密着性がより向上する点から好ましい。
このポリオール化合物としては、具体的には、例えば、上記で例示した各種低分子多価アルコール類のうち、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールが好適に挙げられる。
また、このジアルキルカーボネートとしては、例えば、下記式(2)で表されるジアルキルカーボネートを使用することができる。
この芳香族ジオール類としては、具体的には、例えば、キシリレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノール、スチレングリコール、4,4′−ジヒドロキシエチルフェノール;下記に示すようなビスフェノールA構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)、ビスフェノールF構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン)、臭素化ビスフェノールA構造、水添ビスフェノールA構造、ビスフェノールS構造、ビスフェノールAF構造のビスフェノール骨格を有するものが挙げられる。
このようなポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ソルビトール系ポリオールが挙げられる。
また、ビスフェノール骨格を有するポリエーテルポリオールの具体例としては、ビスフェノールA(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)に、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加させて得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
上記縮合系ポリエステルポリオールを形成する多塩基性カルボン酸としては、具体的には、例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、他の低分子カルボン酸、オリゴマー酸、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコールとの反応生成物等のヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
また、上記ラクトン系ポリオールとしては、具体的には、例えば、プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環重合体が挙げられる。
また、ビスフェノール骨格を有するポリエステルポリオールとしては、上記低分子多価アルコール類に代えて、または低分子多価アルコール類とともに、ビスフェノール骨格を有するジオールを用いて得られる縮合系ポリエステルポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ビスフェノールAとヒマシ油とから得られるポリエステルポリオール、ビスフェノールAとヒマシ油とエチレングリコールとプロピレングリコールとから得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
これらのうち、ポリエステルポリオールであるのが、得られる熱可塑性ポリウレタンを含有するプライマー組成物の密着性がより向上する点から好ましい。
このようなアミン化合物としては、アミン類およびアルカノールアミン類が挙げられる。アミン類としては、具体的には、例えば、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、プロパノールアミンが挙げられる。アルカノールアミン類としては、具体的には、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミンが挙げられる。
更に、本発明においては、上記熱可塑性ポリウレタンのJIS A硬度は、70〜100が好ましく、80〜95がより好ましい。JIS A硬度がこの範囲であると、硬化膜に適度な硬さを与え、耐衝撃性および接着性に優れる。
側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂とは、アクリル樹脂からなる主鎖にアルコキシシリル基を導入して変性させたアクリル樹脂のことをいう。
このような側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂としては、アクリル樹脂の主鎖をアルコキシシランで変性させたものが好適に例示されるが、アルコキシシランによる変性量(アルコキシシリル基の導入量)やアクリル樹脂のモノマーの違いに起因する骨格の相違により種々のグレードがあり、具体的には、ゼムラックYC−3623(カネカ社製)、ゼムラックYP−1915B(カネカ社製)が好適に例示される。
また、本発明においては、造膜性樹脂(A)として側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂を用いる場合、アルコキシシラン縮合触媒を併用するのが好ましい。
アルコキシシラン縮合触媒としては、具体的には、例えば、錫オクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジアルキル錫メルカプチド、オクテン酸コバルト、カプリル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛が挙げられ、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
このようなアルコキシシラン縮合触媒の含有量は、上記側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部であるのが好ましく、0.02〜1質量部であるのがより好ましい。アルコキシシラン縮合触媒の含有量がこの範囲であると、側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂を含有するプライマー組成物の密着性がより向上する点から好ましい。
フェノール樹脂とは、フェノール類とホルムアルデヒドとの付加・縮合で得られる樹脂をいい、具体的には、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾール樹脂、キシレノール樹脂等が好適に例示される。
上記側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂以外の(メタ)アクリル樹脂としては、公知のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体が挙げられ、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の共重合体が好適に例示される。
石油樹脂としては、石油を原料とした脂肪族、脂環族、芳香族系の樹脂が挙げられ、具体的には、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂、スチレン系石油樹脂等が好適に例示される。
本発明のプライマー組成物に用いられるポリイソシアネート(B)は、硬化剤成分として用いられるものであり、NCO基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、ウレタンプレポリマー、アダクト体、イソシアヌレート体であるのが好ましい。
また、上記ウレタンプレポリマーを生成するポリイソシアネート化合物としては、TMXDI、IPDI、水添MDI、水添TDIであるのが、得られるウレタンプレポリマーを含有するプライマー組成物が、密着性、硬化性、耐久性に優れる理由から好ましい。
官能基数が3以上のポリイソシアネート(B)は、特に限定されないが、例えば、アダクト体および/またはイソシアヌレート体が好適に挙げられる。これらは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
このようなアダクト体としては、市販品として、IPDI・TMPアダクト体(D140、三井武田ケミカル社製)、TMXDI・TMPアダクト体(サイセン3174、日本サイテックインダストリーズ社製)、HDI・TMPアダクト体(D160、三井武田ケミカル社製)、TDI・TMPアダクト体(スミジュールL75、バイエル社製)等を用いることもできる。
また、上記アダクト体は、必ずしもOH:NCO完全付加体でなくても、未反応原料を含んでいてもよく、また、後述するポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン等)とジイソシアネート化合物との付加体であってもよい。
このようなイソシアヌレート体としては、市販品として、IPDIイソシアヌレート3量体(T1890、デグッサ社製)、HDIイソシアヌレート3量体(スミジュール N3300、住化バイエルウレタン社製)等を用いることもできる。
本発明のプライマー組成物に用いられる化合物(C)は、水酸基を有する芳香族化合物であって該水酸基が2価の脂肪族または脂環式炭化水素基を介して芳香環に結合する化合物であれば特に限定されず、芳香環に直接結合する他の水酸基を有していてもよい。
その具体例としては、下記式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。
R1の炭素数1〜10の2価の脂肪族または脂環式炭化水素基としては、具体的には、例えば、アルキレン基、ビニレン基等の2価の脂肪族炭化水素基;1,4−シクロへキシレン基等の2価の脂環式炭化水素基;およびこれらを組合せた基が挙げられる。より具体的には、アルキレン基として、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,8−オクチレン基等が好適に例示される。
また、R2の炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、具体的には、例えば、アルキル基、ビニル基、アリル基等の1価の脂肪族炭化水素基;シクロへキシル基等の1価の脂環式炭化水素基;フェニル基等の1価の芳香族炭化水素基;およびこれらを組合せた基が挙げられる。より具体的には、アルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基等が好適に例示される。
また、上記式(1)で表される化合物(C)のうち、R1がメチレン基であり、R2が水素原子である化合物が、原料の入手容易性の観点から好ましく、また、該化合物を含有するプライマー組成物が密着性、耐久性、耐水性に優れる理由から好ましい。
このような化合物(C)としては、市販品としてOxyChem社製のメチロン75−108、住友化学社製のスミライト23等を用いることもできる。
本発明のプライマー組成物に用いられる溶剤(D)としては、上記造膜性樹脂(A)、上記ポリイソシアネート(B)および上記化合物(C)に対して不活性であれば従来公知の各種の溶剤を用いることができる。
具体的には、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
なお、上記溶剤は、充分に乾燥または脱水してから用いることが好ましい。これらのうち、酢酸エチルやトルエンが沸点が低く乾きが速い等の理由から好ましい。
本発明のプライマー組成物は、更に、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂(E)を含有するのが好ましい態様の一つである。
カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂(E)は、特に限定されず、例えば、アクリル酸および/またはメタクリル酸の単独重合体またはこれらを用いた共重合体が挙げられる。
具体的には、アクリル酸の単独重合体、メタクリル酸の単独重合体;アクリル酸とメタクリル酸と共重合体;アクリル酸および/またはメタクリル酸と、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランおよびスチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーとの共重合体が好適に例示される。
カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂(E)としては、市販品を用いることができる。具体的には、例えば、東亞合成社製のARUFON UC−3000、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920およびARUFON UHE−2012が挙げられる。
イミン化合物は、熱可塑性ポリウレタンの潜在性硬化剤であり、空気中の水分により加水分解されてアミノ基またはイミノ基を生成し、熱可塑性ポリウレタンのNCO基と反応することで硬化が進行する。
上記式(5)中、R15およびR16は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表し、R15とR16は、お互いに結合して環を形成することができる。なお、R15とR16が結合して環を形成する場合、形成されてなる環状炭化水素としては、例えば、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素が挙げられる。
具体的には、MIBKとプロピレンジアミンとから得られるもの;MIPKおよび/またはMTBKとジェファーミンEDR148とから得られるもの;MIPKおよび/またはMTBKと1,3BACとから得られるもの;MIPKおよび/またはMTBKとNBDAとから得られるもの;MIPKおよび/またはMTBKとMXDAとから得られるもの;MIPKおよび/またはMTBKとポリアミドアミンとから得られるもの;ジエチルケトンとMXDAとから得られるもの;等が好適に例示される。
これらのうち、MIPKまたはMTBKと1,3BACとから得られるもの;MIPKまたはMTBKとNBDAとから得られるもの;MIPKまたはMTBKとMXDAとから得られるものが、得られるプライマー組成物の密着性が向上するため好ましい。
加水分解触媒は、特に限定されず、その具体例としては、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸等のカルボン酸類;ポリリン酸、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート等のリン酸類;ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート等の有機金属類が挙げられる。
このような加水分解触媒を含有していれば、プラスチック成形体の表面に本発明のプライマー組成物を塗布した際に、イミン化合物の湿気(水)による加水分解が促進され、作業性および密着性のバランスが向上するため好ましい。
シランカップリング剤は、特に限定されず、その具体例としては、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、イソシアネートシラン、ケチミンシランもしくはこれらの混合物もしくは反応物、または、これらとポリイソシアネートとの反応により得られる化合物が挙げられる。
エポキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
メタクリルシランとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
イソシアネートシランとしては、例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
ケチミンシランとしては、例えば、ケチミン化プロピルトリメトキシシラン、ケチミン化プロピルトリエトキシシランが挙げられる。
シランカップリン剤の含有量がこの範囲であると、得られるプライマー組成物の密着性がより良好となるため好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
上記の各添加剤は適宜、組み合わせて用いることができる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、ディップ塗布等を挙げることができる。
造膜性樹脂A1として、ポリエステルポリオールとMDIとを反応させて得られるポリエステル−MDI熱可塑性ポリウレタン(デスモコール400、10質量%酢酸エチル溶液、JIS A硬度90、バイエル社製)を用いた。
造膜性樹脂A2として、ポリエステルポリオールとMDIとを反応させて得られるポリエステル−MDI熱可塑性ポリウレタン(デスモコール500、10質量%酢酸エチル溶液、JIS A硬度90、バイエル社製)を用いた。
造膜性樹脂A3として、ポリエステルポリオールとMDIとを反応させて得られるポリエステル−MDI熱可塑性ポリウレタン(パンデックスT5205、10質量%酢酸エチル溶液、大日本インキ社製)を用いた。
造膜性樹脂A4として、ポリエステルポリオールとIPDIとを反応させて得られるポリエステル−IPDI熱可塑性ポリウレタン(数平均分子量30000、固形分30質量%、SBUラッカー0866、住化バイエルウレタン社製)を用いた。
造膜性樹脂A5として、ポリエステルポリオールとIPDIとを反応させて得られるポリエステル−IPDI熱可塑性ポリウレタン(数平均分子量10000、固形分30質量%、デスモラック4340、住化バイエルウレタン社製)を用いた。
造膜性樹脂A6として、側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂(固形分40質量%、ゼムラックYP−1915B、カネカ社製)を用いた。
造膜性樹脂A7として、側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂(固形分50質量%、ゼムラックYC−3623、カネカ社製)を用いた。
ポリイソシアネートB1として、IPDIイソシアヌレート3量体(T1890、75質量%酢酸エチル溶液、デグッサ社製)を用いた。
ポリイソシアネートB2として、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)との反応物(NCO/OH=2.0)であるIPDI・TMPアダクト体(D140、75質量%酢酸エチル溶液、三井武田ケミカル社製)を用いた。
ポリイソシアネートB3として、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)と、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)との反応物(NCO/OH=2.0)であるTMXDI・TMPアダクト体(サイセン3174、74質量%酢酸エチル溶液、日本サイテックインダストリーズ社製)を用いた。
ポリイソシアネートB4として、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)と、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)との反応物(NCO/OH=2.0)であるHDI・TMPアダクト体(D160、75質量%酢酸エチル溶液、三井武田ケミカル社製)を用いた。
ポリイソシアネートB5として、下記構造式で表されるデスモジュールHL(75質量%酢酸エチル溶液、住化バイエルウレタン社製)を用いた。
ポリイソシアネートB6として、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)と、イソホロンジイソシアネート(TDI)との反応物(NCO/OH=2.0)であるTDI・TMPアダクト体(スミジュールL75、住友化学社製)を用いた。
化合物C1として、メチロン75−108(OxyChem社製)を用いた。
化合物C2として、スミライト23(10質量%MEK溶液、住友化学社製)を用いた。
ポリオール化合物1として、1,4−ブタンジオール(関東化学社製)を用いた。
アルコキシシラン縮合触媒1(シラン縮合触媒1)として、ジラウリン酸ジ−n−ブチル錫(DBTDI、東京化成社製)を用いた。
イミン化合物1として、ノルボルナンジアミン(NBDA、三井東圧化学社製)100gと、メチルイソプロピルケトン(MIPK)200gとを、トルエン200gとともにフラスコに入れ、生成する水を共沸により除きながら20時間反応させることで合成した、下記構造式で表される化合物を用いた。
カルボキシ基含有アクリル樹脂として、ARUFON UC−3000(東亞合成社製)を用いた。
カルボキシ基含有アクリル樹脂として、ARUFON UC−3900(東亞合成社製)を用いた。
カルボキシ基含有アクリル樹脂として、ARUFON UHE−2012(東亞合成社製)を用いた。
溶剤として、酢酸エチル、酢酸ブチルまたは酢酸エチルおよび酢酸ブチルの混合溶媒を用いた。
上述した各成分を、第1表〜第4表に示す成分比(質量部)で配合し、各組成物を調製した。得られた各組成物について、以下に示す方法で密着性および基材密着性の評価を行った。その結果を第1表〜第4表に示す。
密着性の評価は、碁盤目テープはく離試験により行った。
具体的には、まず、得られた各組成物を、ナイロンMXD6(実施例1〜28および比較例1〜10については、レニーNGX5945S、三菱エンジニアリングプラスチック社製;実施例29〜40については、レニー2051DS、三菱エンジニアリングプラスチック社製)に塗布し、60℃下で30分間乾燥させた後、その上(塗布面上)に、真空蒸着により金属蒸着膜(トップ:Sn、アンダー:Cu)を成膜することで試験体を作製した。
次に、得られた試験体に、1mmの基盤目100個(10×10)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端を金属蒸着膜に直角に保ち、瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。完全に剥がれないで残った基盤目数が100、即ち、全く剥がれなかったものが最も好ましいが、90以上であれば実用レベルである。
実施例29〜40については、更に、基材密着性の評価を碁盤目テープはく離試験により行った。
具体的には、各組成物をナイロンMXD6(レニー2051DS、三菱エンジニアリングプラスチック社製)に塗布し、60℃下で30分間乾燥させることで試験体を作成した。
次に、得られた試験体に、1mmの基盤目100個(10×10)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端を塗膜に直角に保ち、瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。完全に剥がれないで残った基盤目数が100、即ち、全く剥がれなかったものが最も好ましいが、90以上であれば実用レベルである。
また、第3表に示す結果から明らかなように、造膜性樹脂(A)として側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂を用い、ポリイソシアネート(B)および化合物(C)を含有する実施例20〜28で得られたプライマー組成物は、ポリイソシアネート(B)および化合物(C)をいずれか一方のみ含有する比較例7〜10のプライマー組成物に比べて、密着性が格段に優れていることが分かった。また、実施例20〜28で得られたプライマー組成物は、いずれも塗布面の平滑性が良好であった。
更に、第4表に示す結果から明らかなように、造膜性樹脂(A)、ポリイソシアネート(B)および化合物(C)のほかに、カルボキシ基含有(メタ)アクリル樹脂(E)を含有する場合(実施例30〜40)は、カルボキシ基含有(メタ)アクリル樹脂(E)を含有しない場合(実施例29)に比べて、より密着性に優れることが分かった。
Claims (15)
- 造膜性樹脂(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する芳香族化合物であって該水酸基が2価の脂肪族または脂環式炭化水素基を介して芳香環に結合する化合物(C)と、溶剤(D)とを含有するプライマー組成物。
- 更に、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂(E)を含有する請求項1に記載のプライマー組成物。
- 前記カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂(E)の含有量が、前記造膜性樹脂(A)100質量部に対して1〜150質量部である請求項2に記載のプライマー組成物。
- 前記造膜性樹脂(A)が、熱可塑性ポリウレタンである請求項1〜3のいずれかに記載のプライマー組成物。
- 前記熱可塑性ポリウレタンの数平均分子量が、3000〜70000である請求項4に記載のプライマー組成物。
- 前記造膜性樹脂(A)が、側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載のプライマー組成物。
- 更に、アルコキシシラン縮合触媒を含有する請求項6に記載のプライマー組成物。
- 前記アルコキシシラン縮合触媒の含有量が、前記側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部である請求項7に記載のプライマー組成物。
- 前記ポリイソシアネート(B)が、官能基数3以上である請求項1〜8のいずれかに記載のプライマー組成物。
- 前記ポリイソシアネート(B)が、アダクト体および/またはイソシアヌレート体である請求項9に記載のプライマー組成物。
- 前記ポリイソシアネート(B)の含有量が、前記造膜性樹脂(A)100質量部に対して5〜500質量部である請求項1〜10のいずれかに記載のプライマー組成物。
- 前記ポリイソシアネート(B)の含有量が、前記造膜性樹脂(A)100質量部に対して5〜100質量部である請求項1〜10のいずれかに記載のプライマー組成物。
- 前記化合物(C)の含有量が、前記造膜性樹脂(A)100質量部に対して1〜80質量部である請求項1〜12のいずれかに記載のプライマー組成物。
- 前記式(1)中、R1がメチレン基であり、R2がアリル基である、請求項14に記載のプライマー組成物。
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