JP2005330322A - アンダーコート剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラスチック成形品の表面と真空蒸着により成膜される金属蒸着膜との密着性、特に耐湿熱性に優れるアンダーコート剤の提供。
【解決手段】ウレタンプレポリマー(A)と、エポキシ樹脂(B)と、潜在性硬化剤(C)と、溶剤(D)とを含有する、金属蒸着膜のアンダーコート剤。
【選択図】なし
【解決手段】ウレタンプレポリマー(A)と、エポキシ樹脂(B)と、潜在性硬化剤(C)と、溶剤(D)とを含有する、金属蒸着膜のアンダーコート剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、金属蒸着膜のアンダーコート剤に関する。
近年、各種の電気・電子機器、通信機器(例えば、携帯電話)等には、放射される電磁波ノイズによる他の電子機器の誤作動や、人体への悪影響といった電磁波障害を防止する目的で様々な電磁波シールド構造が採用されてきている。このような構造の1つとして、プラスチック成形品の表面に、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属薄膜を、無電解メッキ、溶融メッキ、真空メッキ等により成膜したものが知られている。特に、真空メッキによる成膜は、他のメッキ法とは異なり環境問題への影響が少ないため注目されており、今後とも発展が期待されているものである。
真空メッキ法として、例えば、特許文献1〜5等には、予め洗浄することなく、プライマーコート層を設けずに、ABS樹脂やポリカーボネートなどのプラスチック成形品の表面に、高周波励起プラズマにより各種の成膜を施すことが記載されている。
しかしながら、近年になって用いられるプラスチック成形品には、耐衝撃性、耐熱性、耐候性等の観点からポリカーボネートやナイロンが主に用いられてきており、このような成形品においては、当該成形品の表面と真空蒸着により成膜される金属蒸着膜との密着性が低いという問題があった。
この問題を解決するものとして、特許文献6には、「ABS樹脂、ポリカーボネート、およびABS/PC系ポリマーアロイのいずれかで作られた成形品に、膜厚が0.2〜1.2μmとなるように、ポリウレタン樹脂をアンダーコートとして塗布し、乾燥し、励起放電し、該アンダーコート上に金属薄膜を真空成膜することを特徴とする電磁波シールド膜の製造方法。」が提案されている。
しかしながら、近年になって用いられるプラスチック成形品には、耐衝撃性、耐熱性、耐候性等の観点からポリカーボネートやナイロンが主に用いられてきており、このような成形品においては、当該成形品の表面と真空蒸着により成膜される金属蒸着膜との密着性が低いという問題があった。
この問題を解決するものとして、特許文献6には、「ABS樹脂、ポリカーボネート、およびABS/PC系ポリマーアロイのいずれかで作られた成形品に、膜厚が0.2〜1.2μmとなるように、ポリウレタン樹脂をアンダーコートとして塗布し、乾燥し、励起放電し、該アンダーコート上に金属薄膜を真空成膜することを特徴とする電磁波シールド膜の製造方法。」が提案されている。
しかしながら、上記特許文献6に記載のアンダーコートを用いた場合であっても、成形品の表面と真空成膜により形成される金属薄膜との密着性は十分なものではなく、特に、耐湿熱性が劣る問題があった。
そこで、本発明は、プラスチック成形品の表面と真空蒸着により成膜される金属蒸着膜との密着性、特に耐湿熱性に優れるアンダーコート剤を提供することを課題とする。
そこで、本発明は、プラスチック成形品の表面と真空蒸着により成膜される金属蒸着膜との密着性、特に耐湿熱性に優れるアンダーコート剤を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ウレタンプレポリマーと、エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、溶剤とを含有する組成物が、耐湿熱性に優れるアンダーコート剤になることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(8)に示すアンダーコート剤を提供する。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(8)に示すアンダーコート剤を提供する。
(1)ウレタンプレポリマー(A)と、エポキシ樹脂(B)と、潜在性硬化剤(C)と、溶剤(D)とを含有する、金属蒸着膜のアンダーコート剤。
(2)上記ウレタンプレポリマー(A)が、骨格にポリカーボネートを有する上記(1)に記載のアンダーコート剤。
(3)上記ウレタンプレポリマー(A)が、分子内の全てのイソシアネート(NCO)基に第二級炭素または第三級炭素が結合した構造を有する上記(1)または(2)に記載のアンダーコート剤。
(4)上記ウレタンプレポリマー(A)が、重量平均分子量1500以下で官能基数3以上のウレタンプレポリマーを10〜90質量%含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアンダーコート剤。
(5)上記ウレタンプレポリマー(A)および上記エポキシ樹脂(B)の合計質量に対して、該エポキシ樹脂(B)を10〜90質量%含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載のアンダーコート剤。
(6)上記潜在性硬化剤(C)が、ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるケチミン(C=N)結合を有するケチミン化合物である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のアンダーコート剤。
(7)上記ケトンまたはアルデヒドが、下記一般式(1)または(2)で表される化合物である上記(6)に記載のアンダーコート剤。
式中、R1はメチル基または水素原子を表し、R2はメチル基またはエチル基を表し、R3は水素原子、メチル基またはエチル基を表し、R4は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R1およびR4は結合して環を形成していてもよい。R5はカルボニル基のα位に分岐状炭化水素基もしくは環状炭化水素基を有しない炭素数2以上の炭化水素基または水素原子を表し、R6はカルボニル基のα位に分岐状炭化水素基もしくは環状炭化水素基を有しない炭素数2以上の炭化水素基を表す。
(8)更に、上記潜在性硬化剤(C)の加水分解触媒を含有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載のアンダーコート剤。
本発明によれば、プラスチック成形品の表面と真空蒸着により成膜される金属蒸着膜との密着性、特に耐湿熱性に優れるアンダーコート剤を提供することができ、特に、ポリカーボネートやナイロンを含有するプラスチック成形品においても耐湿熱性が良好なものとなるため非常に有用である。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明のアンダーコート剤は、ウレタンプレポリマー(A)と、エポキシ樹脂(B)と、潜在性硬化剤(C)と、溶剤(D)とを含有する、金属蒸着膜のアンダーコート剤である。
次に、本発明のアンダーコート剤に用いるイソシアネート化合物(A)、エポキシ樹脂(B)、潜在性硬化剤(C)および溶剤(D)について詳述する。
本発明のアンダーコート剤は、ウレタンプレポリマー(A)と、エポキシ樹脂(B)と、潜在性硬化剤(C)と、溶剤(D)とを含有する、金属蒸着膜のアンダーコート剤である。
次に、本発明のアンダーコート剤に用いるイソシアネート化合物(A)、エポキシ樹脂(B)、潜在性硬化剤(C)および溶剤(D)について詳述する。
<ウレタンプレポリマー(A)>
本発明のアンダーコート剤に用いられるウレタンプレポリマー(A)は、通常の1液型のポリウレタン樹脂組成物と同様、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物(即ち、水酸(OH)基に対して過剰のNCO基)を反応させて得られる反応生成物であって、一般に、0.5〜10質量%のNCO基を分子末端に含有するものである。
本発明のアンダーコート剤に用いられるウレタンプレポリマー(A)は、通常の1液型のポリウレタン樹脂組成物と同様、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物(即ち、水酸(OH)基に対して過剰のNCO基)を反応させて得られる反応生成物であって、一般に、0.5〜10質量%のNCO基を分子末端に含有するものである。
このようなウレタンプレポリマー(A)を生成するポリイソシアネート化合物は、分子内にNCO基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、その具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)等の脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)、H6TDI(水添TDI)等の脂環式ポリイソシアネート;ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物;これらのイソシアネート化合物のカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;これらのイソシアネート化合物と後述するポリオール化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマー;等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
なお、分子内にNCO基を1個のみ有するモノイソシアネート化合物も、ジイソシアネート化合物等と混合することにより用いることができる。
なお、分子内にNCO基を1個のみ有するモノイソシアネート化合物も、ジイソシアネート化合物等と混合することにより用いることができる。
また、このようなウレタンプレポリマー(A)を生成するポリオール化合物は、OH基を2個以上有する化合物であれば、その分子量および骨格などは特に限定されず、その具体例としては、低分子多価アルコール類、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオール等が挙げられる。
ここで、低分子多価アルコール類としては、具体的には、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール、(1,3−または1,4−)ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどの低分子ポリオール;ソルビトールなどの糖類;等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールは、通常、上記低分子多価アルコール類から導かれるが、本発明においては、更に芳香族ジオール類から導かれるものも好適に用いることができる。この芳香族ジオール類としては、具体的には、例えば、キシリレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノール、スチレングリコール、4,4′−ジヒドロキシエチルフェノール;下記に示すようなビスフェノールA構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)、ビスフェノールF構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン)、臭素化ビスフェノールA構造、水添ビスフェノールA構造、ビスフェノールS構造、ビスフェノールAF構造のビスフェノール骨格を有するもの;が挙げられる。
上記低分子多価アルコール類および/または芳香族ジオール類から導かれるポリエーテルポリオールとしては、上記低分子多価アルコール類および上記芳香族ジオール類として例示した化合物から選ばれる少なくとも1種に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド(テトラメチレンオキサイド)などのアルキレンオキサイドおよびスチレンオキサイド等から選ばれる少なくとも1種を付加させて得られるポリオールが挙げられる。
このようなポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。
また、ビスフェノール骨格を有するポリエーテルポリオールの具体例としては、ビスフェノールA(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)に、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加させて得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
このようなポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。
また、ビスフェノール骨格を有するポリエーテルポリオールの具体例としては、ビスフェノールA(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)に、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加させて得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
同様に、ポリエステルポリオールとしては、上記低分子多価アルコール類および/または芳香族ジオール類と、多塩基性カルボン酸との縮合物(縮合系ポリエステルポリオール);ラクトン系ポリオール;ポリカーボネートポリオール;等が挙げられる。
上記縮合系ポリエステルポリオールを形成する多塩基性カルボン酸としては、具体的には、例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、他の低分子カルボン酸、オリゴマー酸、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコールとの反応生成物などのヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。ラクトン系ポリオールとしては、具体的には、例えば、プロピオンラクトン、バレロラクトンなどの開環重合体等が挙げられる。
また、ビスフェノール骨格を有するポリエステルポリオールとしては、上記低分子多価アルコール類に代えて、または低分子多価アルコール類とともに、ビスフェノール骨格を有するジオールを用いて得られる縮合系ポリエステルポリオールが挙げられる。具体的には、ビスフェノールAとヒマシ油とから得られるポリエステルポリオール、ビスフェノールAとヒマシ油とエチレングリコールとプロピレングリコールとから得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
上記縮合系ポリエステルポリオールを形成する多塩基性カルボン酸としては、具体的には、例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、他の低分子カルボン酸、オリゴマー酸、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコールとの反応生成物などのヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。ラクトン系ポリオールとしては、具体的には、例えば、プロピオンラクトン、バレロラクトンなどの開環重合体等が挙げられる。
また、ビスフェノール骨格を有するポリエステルポリオールとしては、上記低分子多価アルコール類に代えて、または低分子多価アルコール類とともに、ビスフェノール骨格を有するジオールを用いて得られる縮合系ポリエステルポリオールが挙げられる。具体的には、ビスフェノールAとヒマシ油とから得られるポリエステルポリオール、ビスフェノールAとヒマシ油とエチレングリコールとプロピレングリコールとから得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
その他のポリオールとしては、具体的には、例えば、アクリルポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオールなどの炭素−炭素結合を主鎖骨格に有するポリマーポリオール;等が挙げられる。
本発明においては、以上で例示した種々のポリオール化合物を1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明のアンダーコート剤に用いられるウレタンプレポリマー(A)は、上述したように、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物を反応させることによって得られるものであり、その具体例としては、上記で例示した各種ポリオール化合物と、各種ポリイソシアネート化合物との組み合わせによるものが挙げられる。
本発明においては、上記ウレタンプレポリマー(A)が骨格にポリカーボネートを有していることが、得られるアンダーコート剤を用いることにより、硬化後において、プラスチック成形品の表面と真空蒸着により成膜される金属蒸着膜との密着性、特に耐湿熱性がより向上する理由から好ましい。
そのため、ウレタンプレポリマー(A)の原料ポリオール化合物として、ポリカーボネートポリオールを用いるのが好ましい。
そのため、ウレタンプレポリマー(A)の原料ポリオール化合物として、ポリカーボネートポリオールを用いるのが好ましい。
また、本発明においては、上記ウレタンプレポリマー(A)は、下記一般式(3)で表されるように、分子内の全てのNCO基に第二級炭素または第三級炭素が結合した構造を有していることが、得られるアンダーコート剤を用いることにより、硬化後において、耐湿熱性がより向上する理由から好ましい。
式中、pは2以上の整数を表し、R7、R8およびR9は、それぞれ独立に、O、NおよびSからなる群より選択される少なくとも1種のヘテロ原子を含んでいてもよい有機基であり、R8は水素原子であってもよい。また、複数のR7およびR8は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。更に、R8が水素原子である場合においては、R7とR8の一部とが結合して環を形成していてもよい。
ここで、上記有機基としては、具体的には、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基などの炭化水素基;O、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する基(例えば、エーテル、カルボニル、アミド、尿素基(カルバミド基)、ウレタン結合など)を含む有機基等が挙げられる。これらのうち、R7およびR8で表される有機基は、アルキル基であることが好ましく、具体的には、メチル基であることが好ましい。
このようなウレタンプレポリマー(A)を生成するポリイソシアネート化合物としては、上記一般式(2)で表される構造を有するウレタンプレポリマーが得られるものであれば特に限定されず、公知の1液型のポリウレタン樹脂組成物の製造に用いられるものを用いることができる。
具体的には、上記で例示したポリイソシアネート化合物のうち、TMXDI、IPDI、水添MDI、水添TDIを用いることが、得られるウレタンプレポリマー(A)自体の保存安定性が優れ、該ウレタンプレポリマー(A)を含有して得られるアンダーコート剤の硬化後の耐湿熱性がより向上するという理由から好ましい。
具体的には、上記で例示したポリイソシアネート化合物のうち、TMXDI、IPDI、水添MDI、水添TDIを用いることが、得られるウレタンプレポリマー(A)自体の保存安定性が優れ、該ウレタンプレポリマー(A)を含有して得られるアンダーコート剤の硬化後の耐湿熱性がより向上するという理由から好ましい。
更に、本発明においては、上記ウレタンプレポリマー(A)が、重量平均分子量1500以下で官能基数3以上のウレタンプレポリマーを10〜90質量%含有していることが、得られるアンダーコート剤の硬化後の架橋密度が上がり、耐湿熱性がより向上するという理由から好ましい。
ここで、「重量平均分子量1500以下で官能基数3以上のウレタンプレポリマー」としては、例えば、上記低分子多価アルコール類と、上記ポリイソシアネート化合物のうちのジイソシアネート化合物との付加体が挙げられ、具体的には、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)とテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)とから合成されるTMXDI・TMP付加体が好適に挙げられる。
このような付加体としては、市販品として日本サイテックインダストリーズ社製のサイセン3174等を用いることもできる。また、上記付加体は、必ずしもOH:NCO完全付加体でなくても、未反応原料を含んでいてもよい。
ここで、「重量平均分子量1500以下で官能基数3以上のウレタンプレポリマー」としては、例えば、上記低分子多価アルコール類と、上記ポリイソシアネート化合物のうちのジイソシアネート化合物との付加体が挙げられ、具体的には、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)とテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)とから合成されるTMXDI・TMP付加体が好適に挙げられる。
このような付加体としては、市販品として日本サイテックインダストリーズ社製のサイセン3174等を用いることもできる。また、上記付加体は、必ずしもOH:NCO完全付加体でなくても、未反応原料を含んでいてもよい。
<エポキシ樹脂(B)>
本発明のアンダーコート剤に用いられるエポキシ樹脂(B)は、1分子中に2個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有する化合物からなる樹脂であれば特に限定されず、一般的に、エポキシ当量が90〜2000のものである。
このようなエポキシ樹脂(B)としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができ、具体的には、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型等のビスフェニル基を有するエポキシ化合物や、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物、更にナフタレン環を有するエポキシ化合物、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;
フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、トリス・ヒドロキシフェニルメタン型、三官能型、テトラフェニロールエタン型等の多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;
ダイマー酸等の合成脂肪酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;
下記式(4)で表されるN,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミノ基を有する芳香族エポキシ樹脂;
本発明のアンダーコート剤に用いられるエポキシ樹脂(B)は、1分子中に2個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有する化合物からなる樹脂であれば特に限定されず、一般的に、エポキシ当量が90〜2000のものである。
このようなエポキシ樹脂(B)としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができ、具体的には、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型等のビスフェニル基を有するエポキシ化合物や、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物、更にナフタレン環を有するエポキシ化合物、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;
フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、トリス・ヒドロキシフェニルメタン型、三官能型、テトラフェニロールエタン型等の多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;
ダイマー酸等の合成脂肪酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;
下記式(4)で表されるN,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミノ基を有する芳香族エポキシ樹脂;
下記式(5)で表されるトリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン環を有するエポキシ化合物、具体的には、例えば、ジシクロペンタジエンとメタクレゾール等のクレゾール類もしくはフェノール類を重合させた後、エピクロルヒドリンを反応させる公知の製造方法によって得ることができるエポキシ化合物;
脂環型エポキシ樹脂;東レチオコール社製のフレップ10に代表されるエポキシ樹脂主鎖に硫黄原子を有するエポキシ樹脂;ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂;ポリブタジエン、液状ポリアクリロニトリル−ブタジエンゴムまたはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を含有するゴム変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記で例示した各種エポキシ樹脂のうち、骨格に芳香環を有するエポキシ樹脂を用いるのが、得られるアンダーコート剤の耐熱性が高くなり、金属蒸着膜のプラスチック成形品への密着性が良好となる理由から好ましい。
また、このようなエポキシ樹脂としては、市販品としてジャパンエポキシレジン社製のエピコート828、エピコート154、エピコート630等を用いることができる。
また、このようなエポキシ樹脂としては、市販品としてジャパンエポキシレジン社製のエピコート828、エピコート154、エピコート630等を用いることができる。
本発明において、上記エポキシ樹脂(B)の含有量は、上記ウレタンプレポリマー(A)および上記エポキシ樹脂(B)の合計質量に対して、該エポキシ樹脂(B)を10〜90質量%であるのが好ましく、30〜80質量%であるのがより好ましい。
<潜在性硬化剤(C)>
本発明のアンダーコート剤に用いられる潜在性硬化剤(C)は、上述したウレタンプレポリマー(A)およびエポキシ樹脂(B)の硬化剤であって、具体的には、以下に示すケチミン化合物が好適に例示される。
本発明のアンダーコート剤に用いられる潜在性硬化剤(C)は、上述したウレタンプレポリマー(A)およびエポキシ樹脂(B)の硬化剤であって、具体的には、以下に示すケチミン化合物が好適に例示される。
本発明において潜在性硬化剤(C)として好適に用いられるケチミン化合物は、ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるケチミン結合を有する化合物である。したがって、本明細書においてケチミン化合物とは、−HC=N結合を有するアルジミンも含む意味で用いられる。
このようなケチミン化合物の合成に用いられるケトンまたはアルデヒドとしては、広く公知のものを使用することができ、例えば、下記一般式(1)または(2)で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(1)中、R1はメチル基または水素原子を表し、R2はメチル基またはエチル基を表し、R3は水素原子、メチル基またはエチル基を表し、R4は炭素数1〜6のアルキル基を表す。また、R1およびR4は結合して環を形成していてもよい。
上記一般式(2)中、R5はカルボニル基のα位に分岐状炭化水素基もしくは環状炭化水素基を有しない炭素数2以上の炭化水素基または水素原子を表し、R6はカルボニル基のα位に分岐状炭化水素基もしくは環状炭化水素基を有しない炭素数2以上の炭化水素基を表す。
上記一般式(2)中、R5はカルボニル基のα位に分岐状炭化水素基もしくは環状炭化水素基を有しない炭素数2以上の炭化水素基または水素原子を表し、R6はカルボニル基のα位に分岐状炭化水素基もしくは環状炭化水素基を有しない炭素数2以上の炭化水素基を表す。
上記一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、例えば、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチル−t−ブチルケトン(MTBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、ピバルアルデヒド(トリメチルアセトアルデヒド)、カルボニル基に分岐炭素が結合したイソブチルアルデヒド((CH3)2CHCHO)、メチルシクロヘキサノン、エチルシクロヘキサノン、メチルシクロヘキシルケトン等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのうち、MTBK、MIPKであるのが好ましい。
また、上記一般式(2)で表される化合物としては、具体的には、例えば、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトン、エチルプロピルケトン、エチルブチルケトン、ブチルプロピルケトン、エチルイソプロピルケトン等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのうち、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトンであるのが好ましい。
また、上記一般式(2)で表される化合物としては、具体的には、例えば、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトン、エチルプロピルケトン、エチルブチルケトン、ブチルプロピルケトン、エチルイソプロピルケトン等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのうち、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトンであるのが好ましい。
また、上記ケチミン化合物合成の原料として用いることができるアミン化合物としては、広く公知のものを使用することができ、分子内にアミノ基を2個以上有するポリアミンであるのが好ましく、反応調整が容易という観点から下記一般式(6)で表されるポリアミンであるのがより好ましい。
具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプロパン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ポリアミドアミン、イソホロンジアミン、ポリエーテル骨格のジメチレンアミンであるH2N(CH2CH2O)2(CH2)2NH2(ジェファーミンEDR148、サンテクノケミカル社製)等のアミン窒素にメチレン基が結合したポリエーテル骨格のジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(MPMD、デュポン・ジャパン社製)、m−キシリレンジアミン(MXDA)、ポリアミドアミン(X2000、三和化学社製等)、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC、三菱ガス化学社製)、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジアミンであるノルボルナンジアミン(NBDA、三井化学社製)等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらのうち、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)、ノルボルナンジアミン(NBDA)、m−キシリレンジアミン(MXDA)、ジェファーミンEDR148(商品名)、ポリアミドアミンであるのが好ましい。
これらのうち、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)、ノルボルナンジアミン(NBDA)、m−キシリレンジアミン(MXDA)、ジェファーミンEDR148(商品名)、ポリアミドアミンであるのが好ましい。
潜在性硬化剤(C)として好適に用いられるケチミン化合物は、上述したように、ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれる化合物であり、上記で例示した各種ケトンまたはアルデヒドと、各種アミンとの組み合わせによるものが挙げられる。
具体的には、後述する「ケチミン結合のα位に嵩高い基を有するケチミン化合物」および「アルジミンとポリアミンとの組み合わせから得られるケチミン化合物」の具体例以外に、メチルイソブチルケトン(MIBK)とプロピレンジアミンとから得られるもの、メチルエチルケトン(MEK)とブチレンジアミンとから得られるもの、ジエチルケトンとm−キシリレンジアミン(MXDA)とから得られるもの等が挙げられる。
このようなケチミン化合物は、ケトンまたはアルデヒドと、アミンとを、無溶媒下、またはベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒存在下、加熱環流させ、脱離してくる水を共沸により除きながら反応させることにより得ることができる。
具体的には、後述する「ケチミン結合のα位に嵩高い基を有するケチミン化合物」および「アルジミンとポリアミンとの組み合わせから得られるケチミン化合物」の具体例以外に、メチルイソブチルケトン(MIBK)とプロピレンジアミンとから得られるもの、メチルエチルケトン(MEK)とブチレンジアミンとから得られるもの、ジエチルケトンとm−キシリレンジアミン(MXDA)とから得られるもの等が挙げられる。
このようなケチミン化合物は、ケトンまたはアルデヒドと、アミンとを、無溶媒下、またはベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒存在下、加熱環流させ、脱離してくる水を共沸により除きながら反応させることにより得ることができる。
また、本発明においては、上記ケチミン化合物は、ケチミン炭素または窒素の少なくとも一方のα位に、分岐炭素または環員炭素が結合した構造、即ち、ケチミン結合のα位に嵩高い基を有する化合物であることが、上記ウレタンプレポリマー(A)および/またはエポキシ樹脂(B)との配合により得られる組成物の保存中、即ち、本発明のアンダーコート剤の保存中において、該ウレタンプレポリマー(A)および/またはエポキシ樹脂(B)と該ケチミン化合物との反応が抑制され、それらを安定に存在させることができる理由から好ましい。ここで、環員炭素は、芳香環を構成する炭素であっても、脂環を構成する炭素であってもよい。
このようなケチミン化合物において、ケチミン炭素のα位に、分岐炭素または環員炭素を導入する際は、カルボニル基のα位に分岐状炭化水素基または環状炭化水素基を有するケトンまたはアルデヒドが用いられる。
ここで、「カルボニル基のα位に分岐状炭化水素基または環状炭化水素基を有するケトンまたはアルデヒド」としては、ジイソプロピルケトンや上記一般式(1)で表される分岐状炭化水素基もしくは環状炭化水素基を有するケトンまたはアルデヒド;シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、エチルアミルケトン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、シクロヘキサンカルボクスアルデヒドなどの環状炭化水素基を有するケトンまたはアルデヒド;等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ここで、「カルボニル基のα位に分岐状炭化水素基または環状炭化水素基を有するケトンまたはアルデヒド」としては、ジイソプロピルケトンや上記一般式(1)で表される分岐状炭化水素基もしくは環状炭化水素基を有するケトンまたはアルデヒド;シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、エチルアミルケトン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、シクロヘキサンカルボクスアルデヒドなどの環状炭化水素基を有するケトンまたはアルデヒド;等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ケチミン結合のα位に嵩高い基を有するケチミン化合物としては、具体的には、メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチル−t−ブチルケトン(MTBK)と、ジェファーミンEDR148とから得られるもの;MIPKまたはMTBKと、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)とから得られるもの;MIPKまたはMTBKと、ノルボルナンジアミン(NBDA)とから得られるもの;MIPKまたはMTBKと、m−キシリレンジアミン(MXDA)とから得られるもの;MIPKまたはMTBKと、ポリアミドアミン(X2000)とから得られるもの等が好適に例示される。
これらのうち、MIPKまたはMTBKと、1,3BACとから得られるもの、MIPKまたはMTBKと、NBDAとから得られるもの、MIPKまたはMTBKと、MXDAとから得られるものが、得られるアンダーコート剤の耐湿熱性が向上するため好ましい。
これらのうち、MIPKまたはMTBKと、1,3BACとから得られるもの、MIPKまたはMTBKと、NBDAとから得られるもの、MIPKまたはMTBKと、MXDAとから得られるものが、得られるアンダーコート剤の耐湿熱性が向上するため好ましい。
また、アルジミンとポリアミンとの組み合わせから得られるケチミン化合物としては、具体的には、ピバルアルデヒド、イソブチルアルデヒドおよびシクロヘキサンカルボクスアルデヒドからなる群より選択される少なくとも1種のアルデヒドと、ノルボルナンジアミン(NBDA)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC)、ジェファーミンEDR148およびm−キシリレンジアミン(MXDA)からなる群より選択される少なくとも1種のアミンとの組み合わせから得られるものが好適に例示される。
本発明においては、上述したケチミン化合物以外の他の潜在性硬化剤(C)として、オキサゾリジン化合物を用いてもよい。
オキサゾリジン化合物は、酸素と窒素を含む飽和5員環の複素環を有する化合物で、湿気(水)の存在下で開環するオキサゾリジン環を有する化合物である。具体的には、N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンおよびそのポリイソシアネート付加物、オキサゾリジンシリルエーテル、カーボネートオキサゾリジン、エステルオキサゾリジン等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
オキサゾリジン化合物は、酸素と窒素を含む飽和5員環の複素環を有する化合物で、湿気(水)の存在下で開環するオキサゾリジン環を有する化合物である。具体的には、N−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンおよびそのポリイソシアネート付加物、オキサゾリジンシリルエーテル、カーボネートオキサゾリジン、エステルオキサゾリジン等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明において、上記潜在性硬化剤(C)の含有量は、潜在性硬化剤(C)の種類により変化するため特に限定されないが、例えば、潜在性硬化剤(C)がケチミン化合物である場合は、(上記ウレタンプレポリマー(A)中のイソシアネート基+上記エポキシ樹脂(B)中のエポキシ基)/(ケチミン化合物中のケチミン結合)で表される当量比が、0.5〜5.0となるように含有していることが好ましく、1.0〜2.0となるように含有していることがより好ましい。
<溶剤(D)>
本発明のアンダーコート剤に用いられる溶剤(D)としては、ウレタンプレポリマー(A)、エポキシ樹脂(B)および潜在性硬化剤(C)に対して不活性であれば従来公知の各種の溶剤を用いることができる。
具体的には、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
なお、上記溶剤は、充分に乾燥または脱水してから用いることが好ましい。これらのうち、酢酸エチルやトルエンが沸点が低く乾きが速い等の理由から好ましい。
本発明のアンダーコート剤に用いられる溶剤(D)としては、ウレタンプレポリマー(A)、エポキシ樹脂(B)および潜在性硬化剤(C)に対して不活性であれば従来公知の各種の溶剤を用いることができる。
具体的には、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
なお、上記溶剤は、充分に乾燥または脱水してから用いることが好ましい。これらのうち、酢酸エチルやトルエンが沸点が低く乾きが速い等の理由から好ましい。
本発明において、上記溶剤(D)の含有量は、アンダーコート剤の固形分濃度を、3〜30%、好ましくは5〜20%に調整するように添加することが、得られるアンダーコート剤の塗布性が優れるという理由から好ましい。
本発明のアンダーコート剤は、上記潜在性硬化剤(C)の加水分解触媒を含有するのが好ましい態様の一つである。
本発明に用いられる加水分解触媒は、特に限定されず、その具体例としては、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸などのカルボン酸類;ポリリン酸、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェートなどのリン酸類;ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートなどの有機金属類;等が挙げられる。
このような加水分解触媒を含有していれば、プラスチック成形体の表面に本発明のアンダーコート剤を塗布した際に、潜在性硬化剤(C)の湿気(水)による加水分解が促進され、作業性および密着性のバランスが向上するため好ましい。
本発明に用いられる加水分解触媒は、特に限定されず、その具体例としては、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸などのカルボン酸類;ポリリン酸、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェートなどのリン酸類;ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートなどの有機金属類;等が挙げられる。
このような加水分解触媒を含有していれば、プラスチック成形体の表面に本発明のアンダーコート剤を塗布した際に、潜在性硬化剤(C)の湿気(水)による加水分解が促進され、作業性および密着性のバランスが向上するため好ましい。
本発明において、加水分解触媒の含有量は、上記潜在性硬化剤(C)100質量部に対して0.01〜20質量部であるのが好ましく、0.1〜10質量部であるのがより好ましい。
本発明のアンダーコート剤は、シランカップリング剤を含有するのが好ましい態様の一つである。
本発明に用いられるシランカップリング剤は、特に限定されず、その具体例としては、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、イソシアネートシラン、ケチミンシランもしくはこれらの混合物もしくは反応物、または、これらとポリイソシアネートとの反応により得られる化合物等が挙げられる。
本発明に用いられるシランカップリング剤は、特に限定されず、その具体例としては、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、イソシアネートシラン、ケチミンシランもしくはこれらの混合物もしくは反応物、または、これらとポリイソシアネートとの反応により得られる化合物等が挙げられる。
アミノシランは、アミノ基もしくはイミノ基と加水分解性のケイ素含有基とを有する化合物であれば特に限定されず、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン等が挙げられる。
ビニルシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン等が挙げられる。
エポキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
メタクリルシランとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
イソシアネートシランとしては、例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
ケチミンシランとしては、例えば、ケチミン化プロピルトリメトキシシランが挙げられる。
エポキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
メタクリルシランとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
イソシアネートシランとしては、例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
ケチミンシランとしては、例えば、ケチミン化プロピルトリメトキシシランが挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、上記ウレタンプレポリマー(A)および上記エポキシ樹脂(B)の合計100重量部に対して、0.1〜10質量部であるのが好ましい。
シランカップリン剤(B)の含有量がこの範囲であれば、プラスチック成形体の表面と金属蒸着膜との密着性がより良好となるため好ましい。
シランカップリン剤(B)の含有量がこの範囲であれば、プラスチック成形体の表面と金属蒸着膜との密着性がより良好となるため好ましい。
本発明のアンダーコート剤は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記各種成分以外に、必要に応じて、各種の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、溶剤が挙げられる。
充填剤としては、例えば、ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物処理物が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
上記の各添加剤は適宜、組み合わせて用いることができる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
上記の各添加剤は適宜、組み合わせて用いることができる。
上記のような各成分から本発明のアンダーコート剤を製造する方法は、特に限定されないが、上述したウレタンプレポリマー(A)、エポキシ樹脂(B)および潜在性硬化剤(C)ならびに所望により加えられる各種添加剤を、溶剤(D)中で、ロール、ニーダー、押出し機、万能攪拌機等により混合する方法が挙げられる。
このようにして得られる本発明のアンダーコート剤は、真空蒸着により金属蒸着膜が成膜されるプラスチック成形品の表面に塗布することで用いられる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、ディップ塗布等を挙げることができる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、ディップ塗布等を挙げることができる。
本発明のアンダーコート剤が塗布されたプラスチック成形品の表面と、その上に真空蒸着により成膜される金属蒸着膜との密着性、特に耐湿熱性に優れる理由は詳細には明らかではないが、プラスチックもしくは金属蒸着膜を通して滲入する水分によるアンダーコート剤のポリマー骨格の切断が起こりにくいためであると考えられる。
本発明のアンダーコート剤は、このような特性を有することから、各種の電気・電子機器、通信機器、具体的には、携帯電話機、ゲーム機、コンピュータ、AV機器、医療用電子機器、電子計測機器、自動車用電装部品等の電磁波シールドのアンダーコート剤として好適に用いることができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<ウレタンプレポリマーA1>
ウレタンプレポリマーA1として、ポリカーボネートポリオール(プラクセルCD220、ダイセル化学工業社製、重量分子量2000)と、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI、日本サイテックインダストリーズ社製)とを、イソシアネート基/水酸基(水酸基1個あたりのイソシアネート基の基数)(以下、単に「NCO/OH」という。)=2.0となる当量比で混合し、スズ触媒の存在下、窒素気流中、80℃で8時間、撹拌しながら反応させることにより合成した、NCO基を3.3質量%含有するカーボネート・TMXDIウレタンプレポリマーを用いた。
<ウレタンプレポリマーA1>
ウレタンプレポリマーA1として、ポリカーボネートポリオール(プラクセルCD220、ダイセル化学工業社製、重量分子量2000)と、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI、日本サイテックインダストリーズ社製)とを、イソシアネート基/水酸基(水酸基1個あたりのイソシアネート基の基数)(以下、単に「NCO/OH」という。)=2.0となる当量比で混合し、スズ触媒の存在下、窒素気流中、80℃で8時間、撹拌しながら反応させることにより合成した、NCO基を3.3質量%含有するカーボネート・TMXDIウレタンプレポリマーを用いた。
<ウレタンプレポリマーA2>
ウレタンプレポリマーA2として、重量平均分子量が2000であるポリオキシプロピレンジオールと、トリレンジイソシアネート(TDI)とを、NCO/OH=2.0となる当量比で混合し、窒素気流中、80℃で8時間、撹拌しながら反応させることにより合成した、NCO基を3.3質量%含有するPPG・TDIウレタンプレポリマーを用いた。
ウレタンプレポリマーA2として、重量平均分子量が2000であるポリオキシプロピレンジオールと、トリレンジイソシアネート(TDI)とを、NCO/OH=2.0となる当量比で混合し、窒素気流中、80℃で8時間、撹拌しながら反応させることにより合成した、NCO基を3.3質量%含有するPPG・TDIウレタンプレポリマーを用いた。
<ウレタンプレポリマーA3>
ウレタンプレポリマーA3として、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)と、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)との反応物(NCO/OH=2.0)であるサイセン3174(日本サイテックインダストリーズ社製)を用いた。
ウレタンプレポリマーA3として、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)と、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)との反応物(NCO/OH=2.0)であるサイセン3174(日本サイテックインダストリーズ社製)を用いた。
<エポキシ樹脂B1>
エポキシ樹脂B1として、汎用ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるEP4100E(旭電化工業社製、エポキシ当量190)を用いた。
エポキシ樹脂B1として、汎用ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるEP4100E(旭電化工業社製、エポキシ当量190)を用いた。
<潜在性硬化剤C1>
潜在性硬化剤C1として、ノルボルナンジアミン(NBDA、三井東圧化学社製)100gと、メチルイソプロピルケトン(MIPK)200gとを、トルエン200gとともにフラスコに入れ、生成する水を共沸により除きながら20時間反応させることで合成した、下記式(7)で表されるケチミン化合物1を用いた。
潜在性硬化剤C1として、ノルボルナンジアミン(NBDA、三井東圧化学社製)100gと、メチルイソプロピルケトン(MIPK)200gとを、トルエン200gとともにフラスコに入れ、生成する水を共沸により除きながら20時間反応させることで合成した、下記式(7)で表されるケチミン化合物1を用いた。
<潜在性硬化剤C2>
潜在性硬化剤C2として、m−キシリレンジアミン(MXDA)100gと、ジエチルケトン200gとを、トルエン200gとともにフラスコに入れ、生成する水を共沸により除きながら20時間反応させることで合成した、下記式(8)で表されるケチミン化合物2を用いた。
潜在性硬化剤C2として、m−キシリレンジアミン(MXDA)100gと、ジエチルケトン200gとを、トルエン200gとともにフラスコに入れ、生成する水を共沸により除きながら20時間反応させることで合成した、下記式(8)で表されるケチミン化合物2を用いた。
<溶剤D>
溶剤D1として、メチルエチルケトンを用い、溶剤D2として、酢酸エチルを用いた。
溶剤D1として、メチルエチルケトンを用い、溶剤D2として、酢酸エチルを用いた。
<加水分解触媒>
加水分解触媒1として、2−エチルヘキサン酸を用い、加水分解触媒2として、オレイン酸を用いた。
加水分解触媒1として、2−エチルヘキサン酸を用い、加水分解触媒2として、オレイン酸を用いた。
(実施例1〜7、比較例1〜3)
上述した各組成成分を、下記表1に示す成分比(質量部)で配合し、各組成物を調製した。得られた各組成物について、以下に示す耐湿熱性の評価を行った。その結果を下記表1に示す。なお、下記表1中、「低分子3官能ウレタン比」とは、ウレタンプレポリマーA1であるカーボネート・TMXDIウレタンプレポリマーと、ウレタンプレポリマーA3であるTMXDI・TMP付加体との合計質量に対する、TMXDI・TMP付加体の含有割合を示した。
上述した各組成成分を、下記表1に示す成分比(質量部)で配合し、各組成物を調製した。得られた各組成物について、以下に示す耐湿熱性の評価を行った。その結果を下記表1に示す。なお、下記表1中、「低分子3官能ウレタン比」とは、ウレタンプレポリマーA1であるカーボネート・TMXDIウレタンプレポリマーと、ウレタンプレポリマーA3であるTMXDI・TMP付加体との合計質量に対する、TMXDI・TMP付加体の含有割合を示した。
<耐湿熱性>
耐湿熱性の評価は、碁盤目テープはく離試験により行った。
具体的には、まず、得られた各組成物を、ABS樹脂とポリカーボネートとを50:50の質量比でブレンドした樹脂からなる成形品表面に塗布し、100℃下で30分間乾燥させた後、その上(塗布面上)に、ニッケルを真空蒸着して金属蒸着膜を成膜することで積層体(試験体)を作製した。
次に、得られた試験体を60℃、95%RH(相対湿度)の条件下に200時間放置し、その後、試験体の有効面に、1mmの基盤目100個(10×10)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端を金属蒸着膜に直角に保ち、瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。完全に剥がれないで残った基盤目数が100、即ち、全く剥がれなかったものが最も好ましいが、90以上であれば実用レベルである。
耐湿熱性の評価は、碁盤目テープはく離試験により行った。
具体的には、まず、得られた各組成物を、ABS樹脂とポリカーボネートとを50:50の質量比でブレンドした樹脂からなる成形品表面に塗布し、100℃下で30分間乾燥させた後、その上(塗布面上)に、ニッケルを真空蒸着して金属蒸着膜を成膜することで積層体(試験体)を作製した。
次に、得られた試験体を60℃、95%RH(相対湿度)の条件下に200時間放置し、その後、試験体の有効面に、1mmの基盤目100個(10×10)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端を金属蒸着膜に直角に保ち、瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。完全に剥がれないで残った基盤目数が100、即ち、全く剥がれなかったものが最も好ましいが、90以上であれば実用レベルである。
(実施例8〜12、比較例4〜6)
上述した各組成成分を、下記表2に示す成分比(質量部)で配合し、各組成物を調製した。得られた各組成物について、耐湿熱性の評価を行った。その結果を下記表2に示す。なお、耐湿熱性の評価は、「ABS樹脂とポリカーボネートとを50:50の質量比でブレンドした樹脂からなる成形品表面」の代わりに、ナイロン(レニー、三菱ガス化学社製)を用いた以外は上述した評価方法と同様に行った。
上述した各組成成分を、下記表2に示す成分比(質量部)で配合し、各組成物を調製した。得られた各組成物について、耐湿熱性の評価を行った。その結果を下記表2に示す。なお、耐湿熱性の評価は、「ABS樹脂とポリカーボネートとを50:50の質量比でブレンドした樹脂からなる成形品表面」の代わりに、ナイロン(レニー、三菱ガス化学社製)を用いた以外は上述した評価方法と同様に行った。
表1および表2に示す結果より、実施例1〜12に示す組成物をアンダーコート剤として用いた場合は、比較例1〜6の組成物を用いた場合と比べ、プラスチック成形品表面と金属蒸着膜との密着性、特に耐湿熱性が非常に優れることが分かった。また、成形品への塗布性についても、実施例1〜12に示す組成物は良好であった。
Claims (8)
- ウレタンプレポリマー(A)と、エポキシ樹脂(B)と、潜在性硬化剤(C)と、溶剤(D)とを含有する、金属蒸着膜のアンダーコート剤。
- 前記ウレタンプレポリマー(A)が、骨格にポリカーボネートを有する請求項1に記載のアンダーコート剤。
- 前記ウレタンプレポリマー(A)が、分子内の全てのイソシアネート(NCO)基に第二級炭素または第三級炭素が結合した構造を有する請求項1または2に記載のアンダーコート剤。
- 前記ウレタンプレポリマー(A)が、重量平均分子量1500以下で官能基数3以上のウレタンプレポリマーを10〜90質量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載のアンダーコート剤。
- 前記ウレタンプレポリマー(A)および前記エポキシ樹脂(B)の合計質量に対して、該エポキシ樹脂(B)を10〜90質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載のアンダーコート剤。
- 前記潜在性硬化剤(C)が、ケトンまたはアルデヒドと、アミンとから導かれるケチミン(C=N)結合を有するケチミン化合物である請求項1〜5のいずれかに記載のアンダーコート剤。
- 更に、前記潜在性硬化剤(C)の加水分解触媒を含有する請求項1〜7のいずれかに記載のアンダーコート剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004147792A JP2005330322A (ja) | 2004-05-18 | 2004-05-18 | アンダーコート剤 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102154042B1 (ko) * | 2019-10-10 | 2020-09-09 | 주식회사 티앤에스 | 동결융해저항성이 우수하고, 부착성이 탁월하여 갈라짐이 없는, 내구성이 우수한 투수 골재 포장재용 바인더 조성물 |
-
2004
- 2004-05-18 JP JP2004147792A patent/JP2005330322A/ja not_active Withdrawn
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