JP2007145890A - コークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤及び補修方法 - Google Patents

コークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤及び補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 コークス炉炭化室炉床の凹凸が激しくなり、炭化室のコークス押し出し抵抗が高まり、炉床の損傷が増大するのを防止することができるコークス炉炭化室炉床の補修剤及び補修方法を提案する。
【解決手段】 本発明は、シリカ、アルミナを主成分とする粉末に、微粉末状フリットと顆粒状低融点化合物の2種の融剤を含有する補修剤、並びにその補修剤を粉末状で350〜600℃の炭化室炉床耐火煉瓦表面の凹部に敷き込んだ後、水平かつ平坦に均す補修方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、コークス炉における炭化室炉床(炉底とも言う)を構成する耐火物の補修剤及び補修方法に関し、さらに詳しくは炭化室内等で熱履歴やプッシャー(押し出し機)等による物理的な力を受けて損傷した炉床の耐火煉瓦表面などを熱間で補修するコークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤及び補修方法に関する。
コークス炉は高温の炭化室にて石炭を乾留、コークス化する目的で使用されるが、国内のコークス炉は築炉後20〜30年以上、経過しているものが多い。一般にこのようなコークス炉内の耐火煉瓦が摩耗、損傷した場合、補修対象の炭化室の運転を一時停止して煉瓦を積み替える補修がなされていたが、この炉内煉瓦の積み替えには多額の費用を要するため、頻繁には炉内煉瓦の積み替えができないという事情があり、炉内煉瓦には長期間の熱履歴がかかることとなる。更にプッシャーによるコークス押し出し(排出)作業の反復で物理的な力が繰り返しかかることで、コークス排出側(コークスサイド、CS)炭化室内の炉床耐火煉瓦表面は摩耗、損傷を生じる結果となっていた。そして、この炉床煉瓦表面の損傷が押し出し抵抗となり、排出作業による炭化室内の耐火煉瓦表面の摩耗、損傷を増大させることになっていた。このため補修方法の改善が要求されていた。
このコークス炉炭化室内の炉壁や炉床の補修方法としては、耐火材の溶射や乾式投げ込み法、モルタル、不定形耐火物を主成分にした補修材を水に分散させ、補修箇所に吹きつける方法が一般に知られており、また特許文献1には、乾燥粉コークスを炭化室内に投入し、押し出し機により炉床煉瓦表面の凹部を埋め尽くす方法が、特許文献2には、耐火骨材(電融アルミナ等)にフリット(釉薬)やシリカ、りん酸塩を混合、水と混練して流動性を持たせた補修材が開示されている。
特開昭59−187082号公報 特開2004−168586号公報
しかしながら、前述の溶射法は、炉床煉瓦表面に耐火材が強固に接着し、耐久性には問題ないが、多額な費用が掛かる上、補修速度が遅く、広範囲な部分を効率良く補修することができないという問題があった。
また、前記特許文献1に開示された方法、即ち乾燥粉コークスを補修材として投入、押し出し機により炉床煉瓦表面の凹部を埋め尽くす方法では、煉瓦凹部は補修時に埋め尽くされるが、煉瓦と補修材との接着性が低く、その後の石炭装入時の衝撃等で剥離部分が生じ、長期間補修効果を維持することが困難であった。
さらに、前記特許文献2に開示された耐火骨材混合物を水と混練し流動性を持たせた補修材では、補修後には充填密度の高い層が得られるが、水が混在したままで高温の炉内に使用することにより、水が急激に蒸発し、補修材に割れを生じ易く、また気泡や発泡で生じた空洞化による欠陥部や、水の蒸発熱による炉壁や炉床煉瓦表面の急激な温度低下で発生する耐火材への熱衝撃、急激な水の蒸発で発生する水蒸気爆発等で煉瓦の損傷していない部分まで損傷させる恐れがあるという問題点があった。
そこで、本発明は、上述の従来の方法における課題を解消でき、水を使用せずにコークス炉炭化室炉床の煉瓦表面に接着性と圧縮強度が従来法と比べ数倍高く、かつ適用温度域が非常に広く、補修効果が長期間持続する補修剤と作業性の良い補修方法を提案することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたものであって、シリカ、アルミナを主成分とする粉末に、微粉末状フリットと顆粒状低融点化合物の2種の融剤を含有することを特徴とするコークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤(以下、第1の発明という)に関するものである。
また、本発明は、上記粉末状補修剤において、微粉末状フリットは、粒子径が0.07mm以下、融点が600〜900℃の硼珪酸系ガラスであり、顆粒状低融点化合物は、粒子径が0.1〜1mmの硼酸及び/又は酸化硼素であり、さらにそれらの平均粒子径の比(顆粒状低融点化合物/微粉末状フリット)が10倍以上である前記コークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤(以下、第2の発明という)をも提案する。
さらに、本発明は、粒径が0.01〜2.0mmのシリカ15〜45wt%、粒径が0.05〜1.0mmのアルミナ50〜80wt%、フリット1〜12wt%、低融点化合物1〜5wt%からなることを特徴とする前記コークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤(以下、第3の発明という)をも提案する。
また、本発明は、前記コークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤を、粉末状で350〜600℃の炭化室炉床耐火煉瓦表面の凹部に敷き込んだ後、水平かつ平坦に均すことを特徴とするコークス炉炭化室炉床の補修方法(以下、第4の発明という)をも提案する。
本発明の第1の発明のコークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤は、水を必要とせず粉末の形態で炭化室炉床に敷き込みができるものであって、600℃以上の広い高温域において、補修剤の主成分であるシリカ(SiO2)及びアルミナ(Al23)が2種の融剤(フリット及び低融点化合物)を接着成分として接着結合され、平滑な補修層表面を補修部分全体に施工、形成できるものであり、補修層の圧縮強度及び耐摩耗性が高く、補修層と煉瓦表面との接着性が高く、補修効果が長期間持続するものである。
また、本発明の第2の発明の粉末状補修剤において、微粉末状フリットを特定の硼珪酸系ガラスとし、顆粒状低融点化合物を特定の硼酸及び/又は酸化硼素とし、さらにそれらの平均粒子径の比を10倍以上とした(平均粒子径に10倍以上の較差を付けた)場合、補修剤中で二種成分の存在位置を別々に配置でき、それにより接着性を支配する因子である融点、高温粘性等の物性において、二種を別々に作用させることができ、両者物性の利点を幅広い温度域で引き出すことが可能になる。
さらに、本発明の第3の発明の粉末状補修剤において、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、フリット、及び低融点化合物の各成分の割合を特定することにより、強固で平滑な補修層を長期に渡って安定維持することが可能になる。すなわち、600〜1200℃の幅広い温度域で補修剤を炉床と強固に接着させ、形成された補修剤層を従来の数倍の強度に保つことができ、しかも補修層表面の耐摩耗性と平滑性が数倍向上する。この補修剤によって、コークス炉におけるプッシャーによる炭化室からのコークス押し出し作業が容易になり、さらに補修部分全体の補修層の均一性、平滑性が長期間持続するためプッシャーによるコークス押し出し作業を長期間にわたって容易に繰り返すことが可能となる。
また、本発明の第4の発明のコークス炉炭化室炉床の補修方法は、前記粉末状補修剤を粉末状のままに600℃以下に放冷させた炭化室炉床耐火煉瓦表面の凹部(摩耗等により形成された凹部)に敷き込んだ後、グランドを整備するような水平用具を用い水平かつ平坦に均すことにより、補修層を短い作業時間で効果的に得ることが可能になるのである。そして、水平かつ平坦に均すだけなので補修速度が非常に速く、広範囲な部分を効率良く補修することができる。
本発明において使用するシリカ(SiO2)は、主成分となる粉末であって、SiO2の粒径は0.01〜2.0mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.03〜1.5mmの範囲であり、特に限定するものではないが、好適なのは珪石粉、3〜7号珪砂である。
本発明において使用するアルミナ(Al23)は、主成分となる粉末であって、Al23の粒径は0.05〜1.0mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5mmの範囲であり、特に限定するものではないが、好適なのは焼成ボーキサイトである。
前記範囲より粒径が小さ過ぎると、比表面積の増大により充填密度が小さく(気孔率が高くポーラスに)なり、さらに接着剤成分が希釈されるため、補修剤層全体の強度が低くなり易い。即ち補修剤の比表面積が増大すると、接着剤成分、特に微粉末のフリットが補修剤中で希釈され易くなり、期待する補修剤層全体の強度が得られない。微粒子径の方が粗粒子径に比べ、フリットと低融点化合物は局在化し難いため、局在的存在濃度が低く効果が低いからである。尚、接着剤成分を多量にして強度を改善させようとしても、焼成後に収縮や亀裂が発生し易くなるため好ましくない。
また前記範囲より粒径が大きすぎると、補修剤層表面の耐摩耗性が劣るようになり、特に補修層が薄い場合に脆くなり易く好ましくない。
本発明に用いる微粉末状フリットは、接着成分である融剤であって、一般に良く知られている硼珪酸系ガラス(SiO2、B23、Al23、CaO、Na2O、K2O等)や、さらにZrOが加わるジルコン系ガラス、硼珪酸系ガラスにMgO、SrO、BaO等も配合したガラスが使用でき、粒子径が0.07mm以下、融点が600〜900℃の硼珪酸系ガラスが好ましい。
本発明に用いる顆粒状低融点化合物も、接着成分である融剤であって、硼酸及び/又は酸化硼素が好ましいが、特にこれに限定されるものではなく、硼酸及び/又は酸化硼素を多量に含有する類似の融点を有する化合物を使用してもよく、粒子径が0.1〜1mmの硼酸及び/又は酸化硼素が好ましい。
また、接着成分を構成する各成分の粒径範囲及び平均粒子径は、それぞれ0.005〜0.05mm(平均粒子径0.02〜0.04mm)、粒径範囲及び平均粒子径は0.2〜0.8mm(平均粒子径0.4〜0.6mm)がより好ましい。さらに、それらの平均粒子径の比(顆粒状低融点化合物/微粉末状フリット)を10倍以上とする(即ち平均粒子径に10倍以上の較差を付ける)ことが好ましい。
このように二種の接着剤成分の平均粒子径に10倍以上の較差をつけることにより、補修剤中で二種成分の存在位置を別々に配置でき、それにより接着性を支配する因子である融点、高温粘性(高温溶融時の粘性・粘着性・流動性・浸透性)等の物性において、二種が別々に作用することができ、両者物性の利点を幅広い温度域で引き出すことが可能になった。言い換えると、二種の接着剤成分の粒子径が類似している場合、粉末補修剤中では二種成分の中間の物性を有すあたかも一種の成分として作用してしまい、狭い温度域しか適用できない。これに対し、二種の接着剤成分の粒子径が明らかに異なる場合は二種の物性ピークを双子山にすることができる。
そして、低融点化合物は低温域の接着剤として、フリットは高温域での接着剤として作用する。低融点化合物は、フリットに比べ、明らかに融点が低く、高温粘性も低い化合物が好適に選択され、その点で硼酸及び/又は酸化硼素を始め、これらを主成分とする化合物が好ましい。
本発明の第1の発明の粉末状補修剤は、前記の各成分、即ちシリカ、アルミナを主成分とする粉末と、微粉末状フリットと顆粒状低融点化合物の合計4成分を必須成分とするものであって、水を必要とせず粉末の形態で炭化室炉床に敷き込みができ、600〜1200℃の幅広い温度域で炉床と強固に接着され、形成された補修剤層を従来の数倍の強度に保つことができ、しかも補修層表面の耐摩耗性と平滑性が数倍向上し、この平滑な補修層表面を補修部分全体に施工できる。形成された補修部分は、圧縮強度及び耐摩耗性が高く、補修層と煉瓦表面との接着性が高く、補修効果が長期間持続する。そのため、コークス炉におけるプッシャーによる炭化室からのコークス押し出し作業が容易になり、又補修部分全体の補修層の均一性、平滑性が長期間持続するためプッシャーによるコークス押し出し作業を長期間にわたって容易に繰り返すことが可能となる。
本発明の第2の発明では、二種の融剤(接着成分)である微粉末状フリット及び顆粒状低融点化合物が前記の好ましい態様であって、微粉末状フリットは、粒子径が0.07mm以下、融点が600〜900℃の硼珪酸系ガラスであり、顆粒状低融点化合物は、粒子径が0.1〜1mmの硼酸及び/又は酸化硼素であり、さらにその平均粒子径の比(顆粒状低融点化合物/微粉末状フリット)が10倍以上である。
この第2の発明では、補修剤中で二種成分の存在位置を別々に配置でき、それにより接着性を支配する因子である融点、高温粘性等の物性において、二種を別々に作用させることができ、両者物性の利点を幅広い温度域で引き出すことが可能になる。
最適な補修層を得るのに、二種接着剤成分の粒子径とその融点を始めとする物性(高温溶融時の粘性・粘着性・流動性・浸透性等)と混合割合で、補修層の形成状態や強度が決定する。
二種接着剤成分の平均粒子径に10倍以上の較差をつけることで、補修剤中で二種成分の存在位置を別々に配置でき、それにより接着性を支配する因子である融点、高温粘性(高温溶融時の粘性・粘着性・流動性・浸透性)等の物性において、二種が別々に作用することができ両者物性の利点を幅広い温度域で引き出すことが可能になった。
一般に融点が500℃以下になると補修層の圧縮強度の低下要因となり、融点が900℃以上となると補修層の形成が不充分で、表面の平滑性や補修部分全体での層形成が困難になってくる。低融点化合物として硼酸及び/又は酸化硼素を使用することで、硼酸は300℃で酸化硼素に変化し、酸化硼素の融点は577℃である。微粉末状フリットは粒子径が0.07mm以下、融点が600〜900℃の硼珪酸系ガラスである。
第3の発明では、主成分であるSiO2、Al23が前記の好ましい態様であって、SiO2の粒径は0.01〜2.0mmであり、Al23の粒径は0.05〜1.0mmである。
これらの粒径範囲のSiO2粒子、Al23粒子を用いることにより、接着剤成分(フリットと低融点化合物)の物性(融点、高温粘性)を有効かつ最大限に引き出すことが可能にできる。その結果、充填密度が高くかつ平滑な表面を補修部分全体に形成でき、補修層の強度とともに補修層と煉瓦表面との接着性を決める重要な要素となる。要するにSiO2粒子、Al23粒子の粒径範囲により、炉底に形成させる補修層の接着強度、内部の強度、表面の耐摩耗性と平滑性等の効果が左右され、前記の粒径範囲において、炉床の凹凸粗さに影響されることなく、表面が平滑で全体的に均一かつ強固な補修層を形成できる。勿論、SiO2とAl23成分だけでは強度の発現は無く、接着性に優れたフリットと低融点化合物とを配合することで強固な補修層を形成できるものである。SiO2粒子、Al23粒子の粒径が前記範囲より粗くなり過ぎると、補修層表面の平滑性を得ることが難しくなり、特に補修層が薄くなると、脆くなってくる。粒径が細か過ぎると、粒子の比表面積が増大し、強固な補修層を得るのに接着性成分(フリットと低融点化合物)の混合割合も増加する必要がある。この接着性成分の過多は、コスト高になると共に高温域における補修層の強度低下の要因にもなるので好ましくない。
さらに、第3の発明では、本発明の必須成分の割合を特定したものであり、SiO215〜45wt%、Al2350〜80wt%、フリット1〜12wt%、低融点化合物1〜5wt%からなる。
上記の割合範囲にて配合することで、強固で平滑な補修層を長期に渡って安定維持することが可能になった。すなわち、600〜1200℃の幅広い温度域で補修剤を炉床と強固に接着させ、形成された補修剤層を従来の数倍の強度に保つことができ、しかも補修層表面の耐摩耗性と平滑性が数倍向上する。この補修剤によってコークス炉におけるプッシャーによる炭化室からのコークス押し出し作業が容易になり、又補修部分全体の補修層の均一性、平滑性が長期間持続するためプッシャーによるコークス押し出し作業を長期間にわたって容易に繰り返すことが可能なコークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤と補修方法を提供するものである。
第4の発明の補修方法では、前記粉末状補修剤を、粉末状のままで350〜600℃の炭化室炉床耐火煉瓦表面の凹部に敷き込んだ後、水平かつ平坦に均すことを特徴とする。即ち、本発明のコークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤を、粉末状で600℃以下に放冷させた炭化室炉床耐火煉瓦表面の凹部に敷き込んだ後、グランドを整備するような水平用具を用い水平かつ平坦に均すことにより、補修層を短い作業時間で効果的に得ることが可能になるのである。尚、耐火煉瓦表面の凹部とは、摩耗やその他の原因により生じた凹み部分を指す。
そして、第4の発明では、炉床煉瓦表面の凹部に粉末状補修剤を埋め尽くし、水平かつ平坦に均すだけなので補修速度が非常に速く、広範囲な部分を効率良く補修することができる。しかも炉床煉瓦表面に耐火材が強固に接着し、かつ従来の数倍の強度と耐久性を有する優れたモルタル補修層を形成でき、溶射法に近い性能を期待できるようになった。
〔物性試験〕
<試験方法>
800℃電気炉でシャモットレンガ(SK−32:80×80×15mm)を数時間加熱した。レンガを電気炉から取り出し、丸缶を輪切りにし、正方形状に折り曲げて作成したスチール枠(60×60×16mm,接着部面積36cm)を加熱レンガ上に載せた。その枠中に表1中に示す組成にて調製した実施例1〜5,比較例1〜2の粉末状補修剤85gを水平かつ平坦に均した後、すばやく800℃電気炉に戻して昇温し、900℃で3時間焼成した。焼成終了後、電気炉内で一晩放冷し、万能試験機により接着強度と圧縮強度を測定した。尚、補修剤焼結部のサイズは約60×60×13mmである。
<評価方法>
《接着強度》、
レンガと補修剤焼結部を垂直に立て、補修剤部分のみに荷重をかけて剥離するまでの最大荷重を測定し、表1に示した。
《圧縮強度》
接着強度測定で剥離した補修剤焼結部を垂直に立て圧縮強度を測定し、表1に示した。尚、接着部面積36cm、圧縮部面積約8cmである。
《収縮率》
円筒状スチール枠(φ35mm×h50mm)を加熱レンガ上に載せ、枠中に実施例1〜5,比較例1〜2の粉末状補修剤65gを水平かつ平坦に均した後、すばやく800℃電気炉に戻し昇温して900℃で3時間焼成した。焼成前後の高さを相対比較して縦方向の収縮率を算出し、表1に示した。
《表面耐摩耗性》
サンドペーパー(CC−320)を下に敷き、収縮率測定に使用した補修剤焼結部の上部表面を手圧にて600回研磨し、補修剤焼結部の摩擦減量を測定した。炉床レンガを同一面積で同様に研磨して、炉床レンガの摩擦減量と比較して、各補修剤の表面耐摩耗性を評価し、表1に示した。
◎:明らかに炉床レンガより摩擦減量が少ない(<30%少ない)
○:炉床レンガと同等からやや少ない摩擦減量である(10〜30%少ない)
○△:炉床レンガと同等な摩擦減量である(10%以内)
△:炉床レンガよりやや多い摩擦減量である(10〜30%多い)
×:明らかに炉床レンガより摩擦減量が多い(>30%多い)
<試験結果>
Figure 2007145890
〔実機試験〕
<試験方法>
コークス炉炭化室の3室を約600℃以下に放冷させた後、前記表1中の実施例3,実施例5,及び比較例2の粉末状補修剤を、各炭化室のCS(コークスサイド、コークス排出側)入口から奥(0〜7m)までの炉床に各補修剤を1〜50mm厚で水平に敷き、昇温させ石炭を入れずに一晩焼成した。翌日コークス炉3室に石炭を装入してコークス製造作業を再開した。その後の操業日数による炉床の補修層の状態を観察した。
<評価方法>
補修剤の評価は焼結後の外観から、収縮の有無、亀裂の有無、補修層の残存状態の3項目につき、施工翌日から3ヶ月後で評価し、表2に示した。尚、各欄は左から順次、収縮の有無、亀裂の有無、補修層の残存状態(表面耐摩耗性)の順で記載した。
◎:収縮が全く無し、亀裂が全く無し、補修層の摩耗が全く無し
○:収縮が極少量有、亀裂が極少量有、補修層が若干摩耗
△:収縮が少量有、亀裂が少量有、補修層が少量摩耗
×:収縮が明らかに大、亀裂が明らかに大、補修層が磨耗し明らかに悪い。
<試験結果>
Figure 2007145890
表1及び表2の結果より、本発明の実施例のコークス炉炭化室炉床補修剤は、炉床の凹凸粗さに影響されることなく充填密度が高くかつ平滑な表面を補修部分全体に形成でき、強度が高く、煉瓦表面との接着性の高い補修層を形成できることが確認された。
これに対し、本発明の補修剤を構成する四成分の一部が配合されていない三成分の比較例1,2では、接着強度も低く、表面耐摩耗性も低く、到底目的を果たせないものであった。

Claims (4)

  1. シリカ、アルミナを主成分とする粉末に、微粉末状フリットと顆粒状低融点化合物の2種の融剤を含有することを特徴とするコークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤。
  2. 微粉末状フリットは、粒子径が0.07mm以下、融点が600〜900℃の硼珪酸系ガラスであり、顆粒状低融点化合物は、粒子径が0.1〜1mmの硼酸及び/又は酸化硼素であり、さらにそれらの平均粒子径の比(顆粒状低融点化合物/微粉末状フリット)が10倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のコークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤。
  3. 粒径が0.01〜2.0mmのシリカ15〜45wt%、粒径が0.05〜1.0mmのアルミナ50〜80wt%、フリット1〜12wt%、低融点化合物1〜5wt%からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のコークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のコークス炉炭化室炉床の粉末状補修剤を、粉末状で350〜600℃の炭化室炉床耐火煉瓦表面の凹部に敷き込んだ後、水平かつ平坦に均すことを特徴とするコークス炉炭化室炉床の補修方法。
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