JP2007145274A - 車両冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の内部にある熱源を好適に冷却する。
【解決手段】車両冷却装置は、車両の内部にある熱源に対して該車両の外部から空気を導入するための冷却風入口(200)及び該導入された空気を外部へ導出するための冷却風出口(201)のうち少なくとも一方を開閉可能な開閉手段と、熱源の温度を検出する温度検出手段とを備える。更に、この検出された温度に応じて、少なくとも一方を開閉するように開閉手段を制御する制御手段(100)を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に備えられ、車両の内部にある熱源を好適に冷却する、車両冷却装置の技術分野に関する。
一般的に、車両の冷却性能は、様々な走行条件の中でも最も厳しい条件に耐え得るよう設計される。そのため、この最も厳しい条件以外の走行条件では、必要以上の空気がエンジンルーム内へと導入されることとなり、車両を浮かせる力(即ち、揚力)が発生するため、接地加重が減少し、ハンドルの手応えがなくなる等の走行安定性に関する問題が生じ得る。又、空気抵抗(即ち、抗力)が増加するため、燃費に関する問題も生じ得る。このような不具合に対処するため、例えば冷却風出口に、ファン付ダクトを設置し、車両の空気流れの乱れを抑える技術が提案されている(特許文献1参照)。又、冷却風導入口をモータで駆動し、車速・冷却水・外気温に基づいて開閉を制御する技術が提案されている(特許文献2参照)。
特開平5−35566号公報 特表2005−500935号公報
しかしながら、例えば前述の特許文献1及び特許文献2に開示されている技術には、以下のような問題が生じ得る。即ち、特許文献1に開示された技術ではファン付ダクトの形状が車両のレイアウトの制約となる上、車両の旋回時や、車速が異なるケースではファン付ダクトの効果が変化するため、車両特性の変化が懸念される。又、特許文献2に開示された技術は、車速180km/h以上であり且つ水温と外気温が高い場合に開口部を開いて冷却性を向上させるシステムであり、効果を発揮する領域が限定されている。更に、冷却風出口の面積は一定のため、特に高速で旋回する際には車両の旋回安定性が悪化する可能性がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みてなされたものであり、車両の内部にある熱源を好適に冷却することが可能な車両冷却装置を提供することを課題とする。
本発明の車両冷却装置は上記課題を解決するために、車両の内部にある熱源に対して該車両の外部から空気を導入するための冷却風入口及び該導入された空気を前記外部へ導出するための冷却風出口のうち少なくとも一方を開閉可能な開閉手段と、前記熱源の温度を検出する温度検出手段と、該検出された温度に応じて、前記少なくとも一方を開閉するように前記開閉手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の車両冷却装置によれば、車両の走行時において、定期又は不定期に若しくは特定の走行状態である際に選択的に、例えば駆動装置等を備える開閉手段によって、車両の内部にある熱源に対して該車両の外部から空気を導入するための冷却風入口及び該導入された空気を前記外部へ導出するための冷却風出口のうち少なくとも一方を開閉可能とされる。ここに、「熱源」とは、エンジン或いは内燃機関、モータジェネレータ或いは電動機、バッテリー、ターボ装置など、車両の内部にある熱源一般のみならず、これらの熱源一般の熱を吸熱することで間接的な熱源たりうる冷却水及びラジエータを意味してもよい。又、「開閉可能」とは、狭義には、完全に閉じた状態と完全に開いた状態との二つの状態にすることが可能であるとの意味であり、広義には、完全に閉じた状態から完全に開いた状態との二つの状態の間の任意の状態にすることが可能である意味である。例えば、冷却風入口は、開閉手段によって閉じられた状態では空気を入れることができず、開かれた状態では空気を入れることができ、更に、完全に閉じた状態から完全に開いた状態との二つの状態の間の任意の状態では、開き具合に応じた量の空気を入れることができることになる。他方、冷却風出口は、開閉手段によって閉じられた状態では空気を出すことができず、開かれた状態では空気を出すことができ、更に、完全に閉じた状態から完全に開いた状態との二つの状態の間の任意の状態では、開き具合に応じた量の空気を出すことができることになる。
ここで、例えば所定車速閾値を超えた車速で車両が走行するとする。通常であれば、車両の走行に伴って熱を発生する熱源を冷却するために、冷却風入口部及び冷却風出口部を例えば全開にしたまま走行するので、車速の上昇に伴って車両が空気から受ける抗力及び揚力が相対的に上昇して、燃費及び走行安定性が低下することになりかねない。しかるに本発明によれば、先ず、例えば温度センサを備える温度検出手段が熱源の温度を検出する。ここに、熱源の温度を「検出する」とは、温度センサにより熱源の温度を直接検出する場合の他、熱源付近にある温度を検出することで推定する場合や、熱源の温度と特定の関係を有する他の物理的なパラメータを検出すると共に該検出されたパラメータに基いて熱源の温度を推定する或いは算出する場合も、含む趣旨である。そして、検出された温度に応じて、例えばコントローラを備える制御手段が冷却風入口及び冷却風出口のうち少なくとも一方を開閉するように開閉手段を制御する。従って、熱源の温度に応じた(つまり、熱源の冷却要求に応じた)量の空気を好適に入れることができるのである。言い換えると、空気が熱源の冷却要求を超えて車両の内部へ導入されることを回避することとなる。従って、抗力及び揚力を極力低減して、燃費(更に、最高速及び加速性能)及び走行安定性(例えば、直進安定性及び操舵の手応え)の低下を極力回避することも可能となる。この際ファンは不要なので、例えば前述した特許文献1におけるファン付ダクトと比べて、レイアウトの制約を低減することができる。又、冷却風出口部も開閉可能であり、例えば前述した特許文献2に開示された技術と比較して好適に、旋回方向に応じた制御が可能となり、旋回安定性を向上することになる。又、熱源の温度に代えて又は加えて、車両の車速に応じて、制御手段が冷却風入口及び冷却風出口のうち少なくとも一方を開閉するように開閉手段を制御してもよい。
以上のように本発明によれば、冷却風入口及び冷却風出口のうち少なくとも一方を選択的に開閉するように開閉手段を制御するという比較的容易な制御によって、車両の内部にある熱源を好適に冷却することが可能となる。具体的には、熱源の冷却要求と抗力及び揚力とのトレードオフの問題を、開閉手段を適宜制御することで解決することとなる。
本発明の車両冷却装置の一態様では、前記開閉手段は、前記少なくとも一方として、前記冷却風入口を開閉可能であり、前記制御手段は、前記検出された温度が所定温度閾値より大きい場合に、前記冷却風入口を開けるように前記開閉手段を制御する。
この態様によれば、例えば駆動装置等を備える開閉手段は、冷却風入口及び冷却風出口のうち少なくとも一方として、冷却風入口を開閉可能である。ここで、例えば温度センサを備える温度検出手段によって検出された温度が所定温度閾値より大きいとする。すると、例えばコントローラを備える制御手段は、冷却風入口を開けるように開閉手段を制御する。言い換えれば、制御手段は、検出された温度が所定温度閾値より小さい場合には、冷却風入口を閉めるように開閉手段を制御し、検出された温度が所定温度閾値より大きい場合(或いは大きくなった場合)には、冷却風入口を開けるように開閉手段を制御する。ここに、本発明に係る開閉手段が「開ける」とは、完全に開ける意味の他、開度或いは開口面積を大きくする意味も含む。即ち、制御手段による制御は、冷却風入口を完全に開けるように開閉手段を制御する場合の他、冷却風入口の開度或いは開口面積を大きくするように制御する場合も含む。又、開閉手段が「閉める」とは、完全に閉める意味の他、開度或いは開口面積を小さくする意味も含む。
以上のように本態様によれば、検出された温度が所定温度閾値より大きい場合に、少なくとも冷却風入口を選択的に開閉するように開閉手段を制御するという比較的容易な制御によって、車両の内部にある熱源を好適に冷却することが可能となる。
本発明の車両冷却装置の他の態様では、前記車両が左又は右のいずれに旋回するのかを検出する旋回検出手段を更に備え、前記開閉手段は、前記少なくとも一方として、前記冷却風出口を開閉可能であり、前記冷却風出口は、前記車両の左右側部に設けられた左右の開口部を含み、前記制御手段は、前記旋回検出手段による結果に従って前記車両が左又は右に旋回する場合には、前記左右の開口部のうち前記検出された左又は右に対応する一方を開くように前記開閉手段を制御する。
この態様によれば、車両冷却装置は、例えば操舵角センサのような、車両が左又は右のいずれに旋回するのか(以下、「車両の旋回方向」とも言う)を検出する旋回検出手段を更に備える。そして、例えば駆動装置等を備える開閉手段は、冷却風入口及び冷却風出口のうち少なくとも一方として、冷却風出口を開閉可能である。この冷却風出口は、車両の左右側部に設けられた左右の開口部を含む。ここで、旋回検出手段による結果に従って車両が左又は右に旋回する場合には、例えばコントローラを備える制御手段は、左右の開口部のうち検出された左又は右に対応する一方を開くように開閉手段を制御する。即ち、制御手段は、検出された温度が所定温度閾値より大きい場合であって、車両が左又は右に旋回する場合には、左右の開口部のうち前記左又は右に対応する一方を開くように開閉手段を制御する。この際、左右の開口部のうち、車両の旋回方向である左又は右に対応する一方ではない他方については、検出された温度が所定温度閾値より大きい場合であっても、閉じるように開閉手段を制御するとよい。例えば、右に旋回する場合には、旋回内輪である右側の開口部が閉じられ、旋回外輪である左側の開口部が開けられることとなる。
以上のように本態様によれば、左右の開口部のうち旋回方向に応じた一方を開くように開閉手段を制御するという比較的容易な制御によって、車両の内部にある熱源を好適に冷却することが可能となる。例えば、旋回方向に応じて空気を外部へ導出することとなり、車両の内部にある熱源を好適に冷却すると共に、旋回安定性を向上することとなる。
本発明の車両冷却装置の他の態様では、前記車両の車速を検出する車速検出手段を更に備え、前記開閉手段は、前記少なくとも一方として、前記冷却風入口を開閉可能であり、前記制御手段は、前記検出された車速が所定車速閾値より大きい場合には、前記冷却風入口を少なくとも部分的に閉じるように前記開閉手段を制御する。
この態様によれば、車両冷却装置は、例えば車速センサのような、車両の車速を検出する車速検出手段を更に備える。そして、例えば駆動装置等を備える開閉手段は、冷却風入口及び冷却風出口のうち少なくとも一方として、冷却風入口を開閉可能である。ここで、検出された車速が所定車速閾値より大きい場合には、例えばコントローラを備える制御手段は、冷却風入口を少なくとも部分的に閉じるように開閉手段を制御する。即ち、制御手段は、検出された温度が前記所定車速閾値より大きい場合であっても、車速が所定車速閾値より大きい場合には、冷却風入口を少なくとも部分的に閉じるように開閉手段を制御する。従って、車速が所定車速閾値より大きい場合に顕著となる抗力及び揚力を極力低減して、燃費及び走行安定性の低下を極力回避することとなる。
以上のように本態様によれば、冷却風入口を車速に応じて選択的に開閉するという比較的容易な制御によって、燃費及び走行安定性の低下を極力回避しながらも、車両の内部にある熱源を好適に冷却することが可能となる。
本発明の車両冷却装置の他の態様では、車両の内部にある熱源に対して該車両の外部から空気を導入するための冷却風入口及び該導入された空気を前記外部へ導出するための前記車両の左右側部に設けられた左右の開口部を含む冷却風出口のうち少なくとも前記左右の開口部を開閉可能な開閉手段と、前記車両が左又は右のいずれに旋回するのかを検出する旋回検出手段と、該旋回検出手段による結果に従って前記車両が左又は右に旋回する場合には、前記左右の開口部のうち前記検出された左又は右に対応する一方を開くように前記開閉手段を制御する制御手段とを備える。
この態様によれば、例えば駆動装置を備える開閉手段は、車両の内部にある熱源に対して該車両の外部から空気を導入するための冷却風入口及び該導入された空気を外部へ導出するための車両の左右側部に設けられた左右の開口部を含む冷却風出口のうち少なくとも左右の開口部を開閉可能である。又、例えば操舵角センサを備える旋回検出手段は、車両が左又は右のいずれに旋回するのかを検出する。ここで、例えば、該旋回検出手段による結果に従って車両が左又は右に旋回する場合には、例えばコントローラを備える制御手段は、左右の開口部のうち検出された左又は右に対応する一方を開くように開閉手段を制御する。この際、左右の開口部のうち、車両の旋回方向である左又は右に対応する一方ではない他方については、閉じるように開閉手段を制御するとよい。例えば、右に旋回する場合には、旋回内輪である右側の開口部が閉じられ、旋回外輪である左側の開口部が開けられることとなる。従って、旋回方向に応じて空気を外部へ導出することとなり、旋回安定性が向上することとなる。
以上のように本態様によれば、左右の開口部のうち旋回方向に応じた一方を開くように開閉手段を制御するという比較的容易な制御によって、旋回安定性を確保しつつも、車両の内部にある熱源を好適に冷却することが可能となる。
本発明の車両冷却装置の他の態様では、車両の内部にある熱源に対して該車両の外部から空気を導入するための冷却風入口及び該導入された空気を前記外部へ導出するための冷却風出口のうち少なくとも前記冷却風入り口を開閉可能な開閉手段と、前記車両の車速を検出する車速検出手段と、該検出された車速が所定車速閾値より大きい場合には、前記冷却風入口を少なくとも部分的に閉じるように前記開閉手段を制御する制御手段とを備える。
この態様によれば、車両冷却装置は、例えば車速センサのような、車両の車速を検出する車速検出手段を更に備える。そして、例えば駆動装置等を備える開閉手段は、冷却風入口及び冷却風出口のうち少なくとも一方として、冷却風入口を開閉可能である。ここで、検出された車速が所定車速閾値より大きい場合には、例えばコントローラを備える制御手段は、冷却風入口を少なくとも部分的に閉じるように開閉手段を制御する。従って、車速が所定車速閾値より大きい場合に顕著となる抗力及び揚力を極力低減して、燃費及び走行安定性の低下を極力回避することとなる。
以上のように本態様によれば、冷却風入口を車速に応じて選択的に開閉するという比較的容易な制御によって、燃費及び走行安定性の低下を極力回避しながらも、車両の内部にある熱源を好適に冷却することが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から更に明らかにされる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<構成>
先ず、本実施形態に係る車両冷却装置が設けられた車両1の前方部の構成を、図1を参照して、その基本動作と共に説明する。ここに、図1は、本発明の実施形態に係る車両冷却装置を搭載した車両の前方部のシステム系統図である。
図1において、実施形態に係る車両1は、本発明に係る「車両の内部にある熱源」の一例としてのエンジンルーム10(エンジン11、冷却水流路13及びラジエータ12を含む)、本発明に係る「制御手段」の一例としての制御装置100、本発明に係る「温度検出手段」の一例としての温度センサ133、本発明に係る「旋回検出手段」の一例としての操舵角センサ132、本発明に係る「車速検出手段」の一例としての車速センサ131、本発明に係る「冷却風入口」の一例としての冷却風入口部200、本発明に係る「冷却風出口」の一例としての冷却風出口部(左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202を含む)、及び本発明に係る「開閉手段」の一例としての各種開閉部(入口開閉部2000、左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020を含む)を備えて構成される。
エンジンルーム10は、車両1の前方に設けられ、エンジン11、冷却水流路13及びラジエータ12を備える。ここに、エンジン11は、例えばシリンダ(不図示)内において混合気を燃焼させ、その燃焼で得られる力に応じて生じるピストン(不図示)の往復運動を回転運動に変換するように構成されており、この燃焼によって比較的高い熱を発生することとなる。冷却水流路13は、上述のようにして熱を発生するエンジン11を適宜冷却するために、エンジン11と熱交換可能なように隣接して設置されており、冷却流水路13の内部に冷却水を循環させるように構成される。この冷却水は、好適には冬の凍結に耐えるように合成された不凍液であり、更に沸点も高められて冷却効果が向上されている。ラジエータ12は、上述のようにしてエンジン11を冷却した後の冷却水流路13中の冷却水を冷やすための冷却器であり、通常は車両1の前部に備えられ、車両の外部からエンジンルーム10に導入される空気(以下、適宜「冷却風」とも言う)によって冷却水の熱を奪うように構成される。
制御装置100は、好適には、周知の電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、制御プログラムを格納した読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、各種データを格納する随時書き込み読み出しメモリ(Random Access Memory:RAM)等を中心とした論理演算回路として構成される。そして、温度センサ133等の各種センサからの入力信号を受ける入力ポート及び、入口開閉部2000等の各種開閉部に制御信号を送る出力ポートに対して、バスを介して接続されている。
温度センサ133は、エンジン11、冷却水流路13及びラジエータ12等の熱源の温度を検出すると共に、検出された温度を示す温度信号を、電気的に接続された制御装置100へと伝達するように構成される。
操舵角センサ132は、例えばドライバーによる操舵角の変化を検出すると共に、検出された操舵角の変化を示す操舵角変化信号を、電気的に接続された制御装置100へと伝達して、車両1が左又は右のいずれに旋回するのかを検出するように構成される。
車速センサ131は、車両1の車速を検出すると共に、検出された車速を示す車速信号或いは車速パルスを、電気的に接続された制御装置100へと伝達するように構成される。
冷却風入口部200は、車両1の前方の外部とエンジンルーム10とを連通し、車両1の内部にあるエンジン11等の熱源に対して車両1の外部から空気を導入するように構成される。
冷却風出口部(左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202を含む)は、車両1の左右側の外部とエンジンルーム10とを各々連通し、冷却風入口部200から導入されてエンジンルーム10で吸熱して相対的に高温となった空気を、車両1の外部へ導出するように構成される。
各種開閉部(入口開閉部2000、左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020を含む)は、夫々電気的に接続された制御装置100の指令を受けて、入口開閉部2000は冷却風入口部200を、左出口開閉部2010は左冷却風出口部201を、右出口開閉部2020は右冷却風出口部202を、夫々開閉することが可能に構成される。
以上のように実施形態に係る車両冷却装置は構成されるので、温度センサ133によって検出された熱源の温度に応じて、例えば制御装置100が、冷却風入口部200、左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202のうち少なくとも一方を開閉するように入口開閉部2000、左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020のうち少なくとも一方を制御することが可能となる。又、操舵角センサ132による結果に従って車両1が左又は右に旋回する場合には、左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202のうち検出された左又は右に対応する一方を開くように左出口開閉部2010或いは右出口開閉部2020を制御することが可能となる。又更に、車速センサ131によって検出された車速が所定車速閾値より大きい場合には、冷却風入口部200を少なくとも部分的に閉じるように入口開閉部2000を制御することが可能となる。尚、上述した温度センサ133、操舵角センサ132及び車速センサ131の検出結果(即ち、温度、操舵角及び車速)は、制御装置100による制御の際に、いずれかが単独で利用されてもよいし、各々組み合わされて利用されてもよい。
次に、図2を用いて、冷却風入口部200を開閉可能な入口開閉部2000の構造の一例について更に詳しく説明する。ここに、図2は実施形態に係る車両冷却装置の冷却風入口を開閉可能な開閉手段の一例を示す模式図である。
図2において、入口開閉部2000は、例えば固定スリット部2001、可動スリット部2002及び入口駆動部2003を備えて構成される。
ここに、固定スリット部2001は、冷却風入口部200の全面を覆うように固定され、所定幅のスリットを少なくとも1本有しており、このスリットを介してエンジンルーム10の内部へ空気を導入するように構成される他、差し込み口20012を有しており、その中に可動スリット部2002を差し込むことができるように構成される(図2固定スリット部2001前面視及び入口開閉部2000上面視を参照)。
可動スリット部2002は、固定スリット部2001が有する所定幅のスリットに対応する(好適には、固定スリット部2001のスリットと同一幅、同一本数、同一間隔の)スリットを有しており、固定スリット部2001の差し込み口20012に差し込まれ、後述する入口駆動部2003によって差し込まれる深度を調整可能に構成される(図2可動スリット部2002前面視及び入口開閉部2000上面視を参照)。
入口駆動部2003は、例えばモータ又はアクチュエータを備え、固定スリット部2001の差し込み口20012に差し込まれた可動スリット部2002と機械的に接続されており、電気的に接続された制御装置100の制御に従って差し込む深度を調整可能に構成される(図2可動スリット部2002前面視を参照)。即ち、制御装置100は、入口駆動部2003を介して、固定スリット部2001の各スリットと、可動スリット部2002の各スリットとが各々重なり合う領域の面積の総和(即ち、開口面積)を調整することができる訳である。
以上、図2を参照して説明した構成によると、冷却風入口部200は、入口開閉部2000によって完全に閉じられた状態(具体的に例えば、開口面積が略零となる状態)では空気を入れることができず、完全に開かれた状態(具体的に例えば、開口面積が最大となる状態)では空気を入れることができ、更に、完全に閉じられた状態と、完全に開かれた状態との二つの状態の間の任意の状態にすることで、開き具合に応じた量の空気を入れることができることになる。
又更に、図3を用いて、左冷却風出口部201を開閉可能な左出口開閉部2010の構造の一例について更に詳しく説明する。ここに、図3は実施形態に係る車両冷却装置の冷却風出口を開閉可能な開閉手段の一例を示す模式図である。
図3において、左出口開閉部2010は、例えば開閉板2011、支柱2012及び出口駆動部2013を備えて構成される。
ここに、開閉板2011及び支柱2012は、開閉板2011が支柱2012を軸として左冷却風出口部201を覆い、左冷却風出口部201を開閉可能に構成される。又、出口駆動部2013は、例えば支柱2012を回転させるモータ或いはアクチュエータを備え、電気的に接続された制御装置100の制御に従って左出口開閉部2010の開度を調整可能に構成される。このように左出口開閉部2010は、偏心型又は非偏心型のバタフライ弁の如き構造を有する。
以上、図3を参照して説明した構成によると、左冷却風出口部201は、左出口開閉部2010によって完全に閉じられた状態(具体的に例えば、開度が略零となる状態)では空気を出すことができず、完全に開かれた状態(具体的に例えば、開度が最大となる状態)では空気を出すことができ、更に、完全に閉じられた状態と、完全に開かれた状態との二つの状態の間の任意の状態にすることで、開き具合に応じた量の空気を出すことができることになる。尚、右冷却風出口部202は左冷却風出口部201と左右対称であり、その基本構成は同様である。つまり、右冷却風出口部202も、右出口開閉部2020の開き具合に応じた量の空気を出すように構成される。
以上、図2及び図3を用いた例では、開口面積及び開度を調整することで、導入及び導出される空気の量を調整するという態様を採っているが、この態様はあくまで一例であり、本発明に係る「開閉手段」の態様は、空気の量を調整可能な限りこの態様に限られない。即ち、開き具合に応じて空気の量を調整可能な限り、「開閉手段」の態様は特に限定されない趣旨である。
<動作>
次に、以上図1から図3のように構成された車両冷却装置の動作処理について、図1から図3に加えて、図4を参照して説明する。ここに、図4は、実施形態に係る車両冷却装置の走行モード別の処理を示すフローチャートである。
図4において、先ず、車速センサ131の出力値に基づいて、車両1の車速が所定車速閾値より大きいか否かが判定される(ステップS1010)。ここに、「所定車速閾値」とは、車速と空力特性との関係に応じて決まる値である。このため、車両1の走行時に車両1が受ける抗力及び揚力が比較的高くなり車両1の燃費及び走行安定性が損なわれない車速の領域を、予め実験的、経験的、シミュレーション等によって特定することで、この所定車速閾値を予め設定しておけばよい。更にこの所定車速閾値を、出荷時に固定値として設定してもよいし、車両の使用途中や点検時に適宜変更可能に構成してもよい。加えて、厳密な意味での車速センサに固有の所定車速閾値に対して、若干のマージンを加えて、所定車速閾値として用いてもよい。
ここで、車両1の車速が所定車速閾値より大きい場合(以下、「高速モード」とも言う)(ステップS1010:Yes)、温度センサ133の出力値に基づいて、制御装置100は、入力開閉部2000を水温フィードバック制御する(ステップS1020)。ここに、「入力開閉部2000を水温フィードバック制御する」とは、具体的には、冷却水流路13の温度が所定温度閾値より大きい場合に、冷却風入口部200が相対的に開くように入力開閉部2000を制御し、逆に、冷却水流路13の温度が所定温度閾値以下の場合に、冷却風入口部200が相対的に閉じるように入力開閉部2000を制御することを言う。或いは、冷却水流路13の温度が相対的に上昇すれば、冷却風入口部200が相対的に開くように入力開閉部2000を制御し、逆に、冷却水流路13の温度が相対的に低下すれば、冷却風入口部200が相対的に閉じるように入力開閉部2000を制御することを言う。この制御により、高速モードにおいて車両1に導入される空気の量を極力低減することとなり、車両1が受ける抗力及び揚力を、極力低減することとなる。ここに、「所定温度閾値」とは、温度とエンジン11の負荷との関係に応じて決まる値である。このため、車両1の走行時にエンジン11の負荷が比較的高くなりエンジン11の安定性が損なわれない温度の領域を、予め実験的、経験的、シミュレーション等によって特定することで、この所定温度閾値を予め設定しておけばよい。更にこの所定温度閾値を、出荷時に固定値として設定してもよいし、車両の使用途中や点検時に適宜変更可能に構成してもよい。加えて、厳密な意味での温度センサに固有の所定温度閾値に対して、若干のマージンを加えて、所定温度閾値として用いてもよい。
続いて、操舵角センサ132の出力値に基づいて、操舵角の絶対値が所定操舵角閾値より小さいか否かが判定される(ステップS1030)ここに、「所定操舵角閾値」とは、操舵角と旋回安定性との関係に応じて決まる値であり、具体的に例えばスリップ角が2度に相当する操舵角である。このため、車両1の旋回時に左冷却風出口部201の圧力或いは右冷却風出口部202の圧力が比較的高くなり車両の旋回安定性が損なわれない操舵角の領域を、予め実験的、経験的、シミュレーション等によって特定することで、この所定操舵角閾値を予め設定しておけばよい。更にこの所定操舵角閾値を、出荷時に固定値として設定してもよいし、車両の使用途中や点検時に適宜変更可能に構成してもよい。加えて、厳密な意味での操舵角センサに固有の所定操舵角閾値に対して、若干のマージンを加えて、所定操舵角閾値として用いてもよい。
ここで、操舵角の絶対値が所定操舵角閾値より小さい場合(以下、「高速直進モード」とも言う)(ステップS1030:Yes)、即ち、車両1は直進しているとみなされる場合には、制御装置100は、温度センサ133の出力値に基づいて、左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020を水温フィードバック制御する(ステップS1040)。ここに、「左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020を水温フィードバック制御する」とは、具体的に例えば、冷却水流路13の温度が相対的に上昇すれば、左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202が相対的に開くように左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020を制御し、逆に、冷却水流路13の温度が相対的に低下すれば、左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202が相対的に閉じるように左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020を制御することを言う。この制御により、高速モードにおいて冷却風入口部200が水温フィードバック制御されることで変動する空気の導入量に対応して、空気を導出することとなる。尚、高速直進モードでは、主に、空気の導入が問題となるので、空気の導出に関わる左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202は全開のままでもよい。
他方、操舵角の絶対値が所定操舵角閾値以上の場合(以下、「高速旋回モード」とも言う)(ステップS1030:No)、即ち、車両1は直進ではなく左又は右に旋回するとみなされる場合には、制御装置100は、操舵角センサ132の出力値に基づいて、左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020を制御する(ステップS1041)。具体的に例えば、操舵角センサ132の出力値に基づいて、車両1の旋回方向が右であるとみなされる場合には、旋回外輪側である左出口開閉部2010を制御して左冷却風出口部201を全開にし、旋回内輪側である右出口開閉部2020を制御して右冷却風出口部202を全閉にする。
このようにして、高速直進モード及び高速旋回モードを含む高速モードにおける処理が行われ、再びステップS1010からの処理が行われることとなる(RETURN)。
他方、車両1の車速が所定車速閾値以下の場合(以下、「低速モード」とも言う)(ステップS1010:No)、制御装置100は、入口開閉部2000を制御して、冷却風入口部200を全開にする(ステップS1022)。続いて、制御装置100は、左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020を制御して、左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202を全開にする(ステップS1042)
このようにして、低速モードにおける処理が行われ、再びステップS1010からの処理が行われることとなる(RETURN)。
以上、図4を参照して説明した実施形態によれば、冷却風入口部200、左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202のうち少なくとも一方を選択的に開閉するように、入口開閉部2000、左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020のうち少なくとも一方を制御するという比較的容易な制御によって、車両1の内部にある熱源を好適に冷却することが可能となる。具体的に例えば、冷却水流路13の温度が比較的高い場合に、冷却風入口部200を開くようにする。このような温度に応じた制御は、車速が比較的大きい場合に、選択的に行えばよい。そうすれば、車両1が受ける揚力及び抗力を極力低減しながらも、車両1の内部にある熱源を好適に冷却することとなる。又更に、車速が比較的大きい場合には、操舵角に応じて、左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202が開閉されるので、旋回安定性も極力損なわれない。
次に上述した図4及び以下の式(1)から式(3)に加えて、図5及び図6に従って、高速モードと低速モードについて説明する。
ここに、式(1)から式(3)は夫々、
冷却風量Q=ρAV 式(1)
抗力Drag=CdρAV/2 式(2)
揚力Lift=ClρAV/2 式(3)
である。ここで、Qは冷却風量(つまりエンジンルーム10内に導入される空気の量)を、ρは空気密度を、Aは冷却風入口部200の開口面積を、Vは車速(空気流速に略比例)を、Cdは抗力係数を、Clは揚力係数を夫々示す。
図5は、実施形態に係る入口開閉部の制御を高速モードと低速モードとに分けることの必要性を示す特性図である。
図5において、先ず、横軸は車両1の車速Vを示し、第一縦軸は車両1が受ける抗力Drag及び揚力Liftを、又、第二縦軸は冷却風入口部200の開口面積Aを示す。図5において、実線で示した2本の曲線は、式(2)及び式(3)からも分かるように、開口面積Aを一定の場合に、車速Vに応じて抗力Drag及び揚力Liftが増加する様子を示す。又、図5において、波線で示した1本の直線は、開口面積Aを一定(例えば全開)にしている様子を示し、波線で示した1本の曲線は、開口面積Aを可変(例えば水温フィードバック制御)にしている様子を示す。
ここで仮に、車速Vに関わらず、開口面積Aを一定(例えば全開)のままにしておくとする。この際、車速Vの2乗に比例して抗力Drag及び揚力Liftが増加する。その影響は、車速Vが比較的低速であれば実践上比較的問題は少ないが、車速Vが所定車速閾値を超えたあたりから徐々に無視し得ない程に問題が顕在化し、例えば燃費及び走行安定性が損なわれる可能性がある。
そこで、車速Vの領域を所定車速閾値によって2分する。そして、車速Vが所定車速閾値以下の領域では(図4のステップS1022:低速モードに対応)、制御装置100は、入口開閉部2000を制御して、冷却風入口部200を全開にするが、他方で、車速Vが所定車速閾値より大きい領域では(図4のステップS1020:高速モードに対応)、温度センサ133の出力値に基づいて、制御装置100は、入力開閉部2000を水温フィードバック制御する。具体的には、冷却風入口部200の開口面積Aが相対的に小さくなるように、入口開閉部2000が制御される。というのも、式(1)を変形した式A=Q/ρVによると、一定の冷却風量Qを確保するために必要とされる開口面積Aは、車速Vに略反比例するからである。つまり、車速Vが増加する分、冷却風入口部200を少なくとも部分的に閉じてもよい、即ち、開口面積Aを相対的に小さくしてもよいといえるのである(図5のアを参照)。但し、開口面積Aは、車速Vに対して完全に反比例して小さくされてよい訳ではない。なぜなら、車速Vが上昇するということは、エンジン11の負荷が上昇することを意味し、それに伴い必要とされる冷却風量Qも相対的に上昇すると考えられるからである。従って、必要とされる冷却風量Qを冷却水流路13の温度から間接的に把握して、水温フィードバック制御するのである。
以上、図5を参照して説明したように実施形態に係る入口開閉部の制御を高速モードと低速モードとに分けて行うと、図6に示すように、車両1が受ける抗力及び揚力を低減することとなる。ここに、図6は、実施形態に係る入口開閉部の制御を高速モードと低速モードとに分けた場合の効果を示す特性図である。
図6において、先ず、横軸は冷却風入口部200の開口面積を示し、縦軸は車両1が受ける抗力及び揚力を示す。又、図5及び図6において、黒丸の凡例は、車速Vが所定車速閾値の際、開口面積Aを一定(例えば全開)とする場合を示し、白丸の凡例は車速Vが所定車速閾値の際、開口面積Aを可変(例えば水温フィードバック制御)とする場合を示す。
図6に示すように、式(2)及び式(3)によると、冷却風入口部200の開口面積Aが相対的に小さくされると(図5のア及び図6のア)、車両1が開口面積Aに略比例して受ける抗力Drag(図6のイ)及び揚力Lift(図6のウ)も相対的に小さくなるのである。従って、本実施形態に係る制御を実施しない場合と比べて、燃費及び走行安定性を改善することが可能となる。
以上図5及び図6に示すように、入口開閉部の制御を高速モードと低速モードとに分けることで、車両1の内部にある熱源を好適に冷却することができるのである。尚、図5及び図6に示す、車速V、抗力Drag、揚力Lift及び開口面積A夫々の関係は、式(1)から式(3)に基いた理論上の関係であり、実践上の全ての関係を網羅している訳ではない。即ち、実践上の車速V、抗力Drag、揚力Lift及び開口面積A夫々の関係は、式(1)から式(3)を、予め実験的、経験的、シミュレーション等によって、実際の車両1の動作に合致するように補正しておけばよい。更にこれらの関係を、出荷時に固定値として設定してもよいし、車両の使用途中や点検時に適宜変更可能に構成してもよい。
次に上述した図4に加えて、図7及び図8に従って、高速直進モードと高速旋回モードについて説明する。ここに、図7は、実施形態に係る出口開閉部の制御が高速直進モードである場合を示す概念図であり、図8は、実施形態に係る出口開閉部の制御が高速旋回モードである場合を示す概念図である。
図7の高速直進モード及び図8の高速旋回モード(両モードとも高速モードに含まれる)における入力開閉部2000は、両モードにおいて、水温フィードバック制御される(図4のステップS1020に対応)。この際、両モードにおいて、冷却風入口部200は略正面から空気を導入することになるため、車両1の前面は比較的高圧となり得る。そこで、両モードにおいて、入力開閉部2000が水温フィードバック制御され、車両1が受ける抗力及び揚力の増加は極力回避される(図4のステップS1020に対応)。
他方、図7の高速直進モード及び図8の高速旋回モードにおける左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020は、両モードにおいて、水温フィードバック制御されるのでは不十分である。というのも、図7の高速直進モードでは、車両1の左右側面の圧力が略同じである(左右ともに、比較的低圧)が、図8の高速旋回モードでは、車両1の左右側面のうち、旋回外輪側の圧力と旋回内輪側の圧力とに差が生じる(旋回外輪側は比較的低圧であるが、旋回内輪側は比較的高圧)ためである。従って、図7の高速直進モードでは、左右側面とも比較的低圧なので、左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020は、水温フィードバック制御され(図4のステップS1020に対応)、他方、図8の高速旋回モードでは、旋回外輪側は比較的低圧であるが旋回内輪側は比較的高圧であるので、左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202のうち、旋回外輪側が全開に、旋回内輪側が全閉になるように、左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020が夫々制御される(図4のステップS1041に対応)。具体的に例えば、図8の高速旋回モードにおいて、車両1が右に旋回する場合には、旋回外輪側である左冷却風出口部201が全開に、旋回内輪側である右冷却風出口部202が全閉になるように、左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020が夫々制御される。
以上、図7及び図8に示すように、高速直進モードと高速旋回モードとの別に応じて、水温フィードバック制御と全開或いは全閉制御とを切替えることで、旋回方向に応じて空気を外部へ導出することとなり、車両1の内部にある熱源を好適に冷却すると共に、旋回安定性が向上することとなる。
以上、図1から図8を用いて説明した実施形態によれば、車両1の内部にある熱源を好適に冷却することが可能である。例えば、温度センサ133によって検出された熱源の温度に応じて、冷却風入口部200、左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202のうち少なくとも一方を選択的に開閉するように、入力開閉部2000、左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020を制御するという比較的容易な制御によって、車両1の内部にある熱源を好適に冷却することが可能となるのである。又、冷却水流路13等の熱源の温度が所定温度閾値より大きい場合に、少なくとも冷却風入口部200を選択的に開閉するように入力開閉部2000を制御すれば、車両1の内部にある熱源を好適に冷却することになる。更に、熱源の温度に応じた制御に加えて又は代えて、左冷却風出口部201及び右冷却風出口部202のうち旋回方向に応じた一方を開くように左出口開閉部2010及び右出口開閉部2020を制御すれば、車両1の内部にある熱源を好適に冷却することになる。又更に、熱源の温度に応じた制御に加えて又は代えて、冷却風入口部200を車速に応じて選択的に開閉するように、入力開閉部2000を制御すれば、車両1の内部にある熱源を好適に冷却することが可能となるのである。
尚、上述の実施形態では、冷却装置の冷却対象は車両に備えられた熱源であるが、その他、使用時に熱を大なり小なり発生する動力源を搭載した乗物或いは機械、例えば船舶或いは航空機等の各種移動体の熱源に対しても、本発明に係る冷却装置を用いることができる。又、上述の実施形態では、冷却風出口部は車両1の左右側面に一つずつ備えられていたが、車両1の外部へ空気を好適に導出可能である限りにおいて、左右側面以外(例えば、車両1の上面或いは背面)に備えられてもよく、冷却風出口部の数を特に制限する趣旨でもない。又更に、上述の実施形態では、冷却風入口部200では開口面積が、左右の冷却風出口部では開度が、夫々可変とされていたが、その他、例えば冷却風入口部200では開度が、左右の冷却風出口部では開口面積が、夫々可変とされてもよい。即ち、結果的に空気の導入量及び導出量が可変である限り、冷却風入口部200及び冷却風出口部が開閉される態様は上述の実施形態に限られない趣旨である。又、上述の実施形態は、エンジン11が車両1の前方に設けられたFF方式(フロントエンジン・フロントドライブ方式)或いはFR方式(フロントエンジン・リヤドライブ方式)であったが、その他の方式、例えばMR方式(ミッドシップエンジン・リヤドライブ方式)或いはRR方式(リヤエンジン・リヤドライブ方式)においても、冷却風入口部200及び左右の冷却風出口部の配置を適宜変更することで、上述の実施形態を応用することが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両冷却装置も、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の実施形態に係る車両冷却装置を搭載した車両の前方部のシステム系統図である。 実施形態に係る車両冷却装置の冷却風入口を開閉可能な開閉手段の一例を示す模式図である。 実施形態に係る車両冷却装置の冷却風出口を開閉可能な開閉手段の一例を示す模式図である。 実施形態に係る車両冷却装置の走行モード別の処理を示すフローチャートである。 実施形態に係る入口開閉部の制御を高速モードと低速モードとに分けることの必要性を示す特性図である。 実施形態に係る入口開閉部の制御を高速モードと低速モードとに分けた場合の効果を示す特性図である。 実施形態に係る出口開閉部の制御が高速直進モードである場合を示す概念図である。 実施形態に係る出口開閉部の制御が高速旋回モードである場合を示す概念図である。
符号の説明
1…車両、10…エンジンルーム、11…エンジン、12…ラジエータ、13…冷却水流路、200…冷却風入口部、201…左冷却風出口部、202…右冷却風出口部、2000…入口開閉部、2010…左出口開閉部、2020…右出口開閉部、100…制御装置、131…車速センサ、132…操舵角センサ、133…温度センサ、2001…固定スリット部、20012…差し込み口、2002…可動スリット部、2003…入口駆動部、2011…開閉板、2012…支柱、2013…出口駆動部

Claims (6)

  1. 車両の内部にある熱源に対して該車両の外部から空気を導入するための冷却風入口及び該導入された空気を前記外部へ導出するための冷却風出口のうち少なくとも一方を開閉可能な開閉手段と、
    前記熱源の温度を検出する温度検出手段と、
    該検出された温度に応じて、前記少なくとも一方を開閉するように前記開閉手段を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする車両冷却装置。
  2. 前記開閉手段は、前記少なくとも一方として、前記冷却風入口を開閉可能であり、
    前記制御手段は、前記検出された温度が所定温度閾値より大きい場合に、前記冷却風入口を開けるように前記開閉手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両冷却装置。
  3. 前記車両が左又は右のいずれに旋回するのかを検出する旋回検出手段を更に備え、
    前記開閉手段は、前記少なくとも一方として、前記冷却風出口を開閉可能であり、
    前記冷却風出口は、前記車両の左右側部に設けられた左右の開口部を含み、
    前記制御手段は、前記旋回検出手段による結果に従って前記車両が左又は右に旋回する場合には、前記左右の開口部のうち前記検出された左又は右に対応する一方を開くように前記開閉手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両冷却装置。
  4. 前記車両の車速を検出する車速検出手段を更に備え、
    前記開閉手段は、前記少なくとも一方として、前記冷却風入口を開閉可能であり、
    前記制御手段は、前記検出された車速が所定車速閾値より大きい場合には、前記冷却風入口を少なくとも部分的に閉じるように前記開閉手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両冷却装置。
  5. 車両の内部にある熱源に対して該車両の外部から空気を導入するための冷却風入口及び該導入された空気を前記外部へ導出するための前記車両の左右側部に設けられた左右の開口部を含む冷却風出口のうち少なくとも前記左右の開口部を開閉可能な開閉手段と、
    前記車両が左又は右のいずれに旋回するのかを検出する旋回検出手段と、
    該旋回検出手段による結果に従って前記車両が左又は右に旋回する場合には、前記左右の開口部のうち前記検出された左又は右に対応する一方を開くように前記開閉手段を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする車両冷却装置。
  6. 車両の内部にある熱源に対して該車両の外部から空気を導入するための冷却風入口及び該導入された空気を前記外部へ導出するための冷却風出口のうち少なくとも前記冷却風入り口を開閉可能な開閉手段と、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段と、
    該検出された車速が所定車速閾値より大きい場合には、前記冷却風入口を少なくとも部分的に閉じるように前記開閉手段を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする車両冷却装置。
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