JP3848797B2 - 内燃機関の冷却水制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、同一回転数および同一負荷状態において燃焼温度若しくは機関冷却水に対する熱伝達率の異なる複数の燃焼状態を有する内燃機関の冷却水制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
同一回転および同一負荷状態において複数の燃焼状態、例えば、吸気行程に燃料を噴射し、吸入空気量と燃料量の割合(以下、A/Fと称する)がストイキオにて制御されるモード(以下、ストイキオと称する)や、同様に吸気行程に燃料が噴射されるがA/Fはリーンに設定されるモード(以下、吸気リーンと称する)や圧縮行程に燃料を噴射し、A/Fは更にリーンに設定されるモード(以下、圧縮リーンと称する)等を有する内燃機関が従来より知られている。
【0003】
また、水冷式内燃機関は通常、機関内部で燃焼時に発生した余剰熱量を冷却水に伝達させて機関自体の温度が過剰に上昇しない様に構成されており、また、伝達させられた熱を空気に放熱させる為にラジエターで熱交換させるように構成されている。
また、このラジエターにおける熱交換を補助する為に、一般的に電動モータによるファン(以下、ラジエター電動ファンと称する)にてラジエターコア部に送風して冷却する様にされている。
【0004】
このとき、機関冷却水温度が所定温度より低いときには、ラジエター電動ファンによる冷却は不要である為、モータを止めて送風せず、機関冷却水温度が所定温度以上である場合のみ電動ファンを駆動して送風冷却を行う様に制御されている。
【0005】
また、機関冷却水温度が上記とは通常異なる所定温度以下の場合、通常、機関の暖機途上には、機関暖機促進の観点からラジエターによる冷却自体が不要である為、ラジエターを迂回するバイパス通路が設けられており、また、この通路を切換える為に通常は温度に応じて機械的に開度が変化するサーモワックスタイプのバイパスバルブが設けられており、これによって機関冷却水温に応じて通路の切換えを行っている。このようにして、従来の内燃機関の冷却水制御装置では、機関温度を所定範囲内に制御している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の内燃機関の冷却水制御装置では、以下のような問題点があった。
先ず、上記機関冷却制御は、従来の複数の燃焼状態を持たず、ストイキオにて燃焼させる内燃機関に対して考えられたものであり、内燃機関の冷却能力は内燃機関の使用状況と発生熱量の関係から、基本的にラジエター電動ファンでの補助が無い場合には機関冷却水温度が上昇するように、即ち、過剰に冷却しない様に冷却水量やラジエターのサイズ等が設定されている。
【0007】
しかし、上記内燃機関では従来とは異なる燃焼状態を有しており、このストイキオ以外の燃焼状態は一般的にストイキオに対して発生熱量が小さく、冷却水への熱伝達量も小さい。
従って、上記手法にて設定された冷却系の冷却能力は該モードでは過剰となり、機関暖機に時間がかかってしまい、その結果燃費や排気ガス等が悪化する為、機関暖機完了まで燃費向上を目的とした該モードを使用することが出来ない。
また、このとき、熱発生量の小さい燃焼状態を基に冷却系の設計を行った場合、熱発生量最大となる領域等で冷却能力不足となり、オーバーヒート等の問題が発生する。
【0008】
また、機関暖機完了後の機関冷却水制御においても、熱発生量の小さなリーン燃焼状態使用時には、熱発生量の大きなストイキオ基準で設計される冷却系では冷却能力過剰となる為、ラジエター電動ファン停止状態でも冷却水温度が低下していく制御不可能状態となってしまう。
また、このとき、熱発生量の小さい燃焼状態を基に冷却系の設計を行った場合、熱発生量最大となる領域等で冷却能力不足となったり、ラジエター電動ファンの動作が頻繁となり、機関燃費悪化するといった問題が発生してしまう。
【0009】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、精密に冷却水温度の制御が可能で、リーン燃焼領域の拡大が図れ、排気ガス、燃費性能の改善を図ることができる内燃機関の冷却水制御装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る内燃機関の冷却水制御装置は、同一機関回転数および同一負荷状態において燃焼温度、若しくは機関冷却水に対する熱伝達率の異なる複数の燃焼モードを持ち、水冷方式によって機関を冷却し、機関冷却水の放熱をラジエターによって行い、該ラジエターによる放熱を電動ファンにより補助し、機関冷却水温度が所定温度未満の場合に前記ラジエターへの通路をバイパスする通路を有し、前記ラジエターとバイパス通路の流量を電気的に調整可能なバイパスバルブを具備し、冷却水の温度を車室内の空気と熱交換することで車室内の温度を暖めるヒータブロアが装備された内燃機関の冷却水制御装置であって、前記機関と前記ラジエターとを環状に接続する冷却水通路を流れる冷却水の機関冷却水温度を検出する水温センサと、機関回転数を検出するクランク角センサと、機関吸入空気量、機関吸入管圧力、アクセル開度のいずれかである機関負荷を検出する機関負荷検出手段と、バイパスバルブ目標開度に基づき前記バイパスバルブの開度を変更するコントロールユニットとを備え、前記コントロールユニットは、機関回転数、機関負荷、及び機関冷却水温度上昇判定値の3次元のテーブルデータであって、機関の燃焼モード及びヒータブロア作動有無に対応した複数の機関冷却水温度上昇判定マップと、第2の機関冷却水温度変化量、及びバイパスバルブ目標開度の2次元のテーブルデータである冷却水バイパスバルブ目標開度マップとを有し、前記水温センサにより取得した現在の機関冷却水温度と前回取得時の機関冷却水温度との偏差から機関冷却水温変化量を求め、前記現在の機関冷却水温度が所定温度未満の場合には、前記バイパスバルブ目標開度を全開とし、前記現在の機関冷却水温度が所定温度以上の場合には、機関の燃焼モード及びヒータブロア作動有無に基づいて前記複数の機関冷却水温度上昇判定マップの1つを選択し、選択した機関冷却水温度上昇判定マップから、前記クランク角センサにより検出した機関回転数と前記機関負荷検出手段により検出した機関負荷に応じた機関冷却水温度上昇判定値を取得し、前記機関冷却水温変化量と前記機関冷却水温度上昇判定値との偏差である第2の機関冷却水温度変化量を求め、前記冷却水バイパスバルブ目標開度マップから、前記第2の機関冷却水温度変化量に応じたバイパスバルブ目標開度を取得して前記バイパスバルブの開度を変更するものである。
【0011】
請求項2の発明に係る内燃機関の冷却水制御装置は、同一機関回転数および同一負荷状態において燃焼温度、若しくは機関冷却水に対する熱伝達率の異なる複数の燃焼モードを持ち、水冷方式によって機関を冷却し、機関冷却水の放熱をラジエターによって行い、該ラジエターによる放熱を電動ファンにより補助し、機関冷却水温度が所定温度未満の場合に前記ラジエターへの通路をバイパスする通路を有し、前記ラジエターとバイパス通路の流量を電気的に調整可能なバイパスバルブを具備し、冷却水の温度を車室内の空気と熱交換することで車室内の温度を暖めるヒータブロアが装備された内燃機関の冷却水制御装置であって、前記機関と前記ラジエターとを環状に接続する冷却水通路を流れる冷却水の機関冷却水温度を検出する水温センサと、機関回転数を検出するクランク角センサと、機関吸入空気量、機関吸入管圧力、アクセル開度のいずれかである機関負荷を検出する機関負荷検出手段と、電動ファン制御目標回転数に基づき前記電動ファンを駆動するコントロールユニットとを備え、前記コントロールユニットは、機関回転数、機関負荷、及び機関冷却水温度上昇判定値の3次元のテーブルデータであって、機関の燃焼モード及びヒータブロア作動有無に対応した複数の機関冷却水温度上昇判定マップと、第2の機関冷却水温度変化量、及び電動ファン制御目標回転数の2次元のテーブルデータであるラジエター電動ファン制御目標回転数マップとを有し、前記水温センサにより取得した現在の機関冷却水温度と前回取得時の機関冷却水温度との偏差から機関冷却水温変化量を求め、前記現在の機関冷却水温度が所定温度未満の場合には、前記電動ファン制御目標回転数を停止とし、前記現在の機関冷却水温度が所定温度以上の場合には、機関の燃焼モード及びヒータブロア作動有無に基づいて前記複数の機関冷却水温度上昇判定マップの1つを選択し、選択した機関冷却水温度上昇判定マップから、前記クランク角センサにより検出した機関回転数と前記機関負荷検出手段により検出した機関負荷に応じた機関冷却水温度上昇判定値を取得し、前記機関冷却水温変化量と前記機関冷却水温度上昇判定値との偏差である第2の機関冷却水温度変化量を求め、前記ラジエター電動ファン制御目標回転数マップから、前記第2の機関冷却水温度変化量に応じた電動ファン制御目標回転数を取得して前記電動ファンを駆動するものである。
【0012】
請求項3の発明に係る内燃機関の冷却水制御装置は、前記複数の機関冷却水温度上昇判定マップを、ストイキオ状態かつヒータブロア作動無時の機関冷却水温度上昇判定マップと、ストイキオ状態かつヒータブロア作動有時の機関冷却水温度上昇判定マップと、吸気行程噴射リーン状態かつヒータブロア作動無時の機関冷却水温度上昇判定マップと、吸気行程噴射リーン状態かつヒータブロア作動有時の機関冷却水温度上昇判定マップと、圧縮行程噴射リーン状態かつヒータブロア作動無時の機関冷水温度上昇判定マップと、圧縮行程噴射リーン状態かつヒータブロア作動有時の機関冷水温度上昇判定マップの6つとしたものである。
【0013】
請求項4の発明に係る内燃機関の冷却水制御装置は、前記機関負荷検出手段を、前記機関の吸入空気量を検出するエアーフローセンサとしたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
まず、この発明の概要を説明する。
機関暖機運転中の問題に対しては、従来の機関冷却水温度によって機械的に開度の決まるサーモワックスタイプのバイパスバルブを廃止し、例えば特開平3−179214号公報に示される様な既知の技術である電気的に開度を制御可能なバイパスバルブに変更した上で、バイパスバルブ開度全開(ラジエターは使用しない状態)としたときの冷却水量の設定を機関熱発生量の最も小さいときに合わせて設定し、後は機関燃焼状態、例えば通常のストイキオや希薄燃焼モードや機関圧縮行程時の燃料噴射による超希薄燃焼モード等に応じて開度を変更することにより、機関熱発生量の小さな燃焼モード使用ときにも暖機時間が促進可能となり、また、熱発生量が大きな燃焼モード使用時でもオーバーヒートすること無く制御可能となる。
【0027】
このとき、所定期間の機関冷却水温度上昇量を制御装置内で計算してこの値を基に機関冷却水温度が上昇しているか下降しているか判断することにより開度を制御したり、計算した機関冷却水温度上昇量と上昇量偏差を求める為の所定の値(以下、機関冷却水温度上昇判定値)との偏差に応じて開度を制御することにより、更に精密に機関冷却水温度の制御が可能となる。
【0028】
また、上記組み合わせに加えてバイパスバルブ全閉(ラジエターへ全冷却水を還流する状態)にしたときに最大熱量発生する燃焼状態でもラジエター電動ファンの駆動無しに冷却可能か若しくは安全マージンを取ってそれよりも幾らか小さな通常よりも大容量のラジエターを使用することにより、熱発生量の大きな場合においてもバイパスバルブ開度制御のみで冷却水温度をある程度制御可能となり、その結果ラジエター電動ファンの使用頻度が減る為、機関の燃費向上も可能となる。なお、本実施の形態によるバイパスバルブの開と閉によるバイパス側とラジエター側の選択は一例であり、配置等で自由に構成可能である。
【0029】
次に、機関暖機完了後でも使用燃焼モードによっては機関冷却水温度が低下してしまう問題点に対しても、上記のバイパスバルブを制御する手法によって熱発生量が小さい燃焼モードの場合にはバイパスバルブの開度を開き側に制御することで低下を抑制可能となる。
【0030】
また、これに付随しての機関燃費向上策として、機関熱発生量の小さな燃焼モードではラジエター電動ファンの停止冷却水温度を高温側に変更したり、回転数を低回転側に制御することもシステムの消費電力を押さえ、内燃機関にかかる負荷を低減することが出来るので効果的である。
このとき、熱発生量の大小の判断は燃焼モード毎でも、先述の所定期間の機関冷却水温度上昇量と機関冷却水温度上昇判定値との偏差でも可能である。
【0031】
更に、所定期間の機関冷却水温度上昇量と機関冷却水温度上昇判定値との偏差を用いた場合には、この偏差に応じてラジエター電動ファンの停止冷却水温度を高温側に変更したり、回転数を低回転側に制御することで精密に冷却水温度の制御が可能となる。
【0032】
以上の制御を行うことによって、全体の冷却水量は従来または従来以上として最大冷却能力を損ねること無く、機関暖機時における循環冷却水量を従来に比べて少なくすることが可能となる為、機関暖機にかかる時間を短縮することが可能となり、排気ガス、燃費等の性能を向上することが可能となる。
【0033】
また、機関回転数、負荷、燃焼モード等によっては燃焼温度が低く、従来は機関冷却水温度が低下していく状況においても、ラジエターに循環する冷却水量を機関冷却水温度の推移に応じて制限することによって事前に防ぐことが出来る為、排気ガス、燃費等の性能を向上することが可能となる。
【0034】
また、上記制御を応用することによって、従来ラジエター電動ファンによってラジエターによる冷却を補助していた部分も、最大冷却能力としてはオーバースペックである本制御ではラジエターのみによる冷却で十分となる為、ラジエター電動ファンと言った負荷の使用頻度が減り、その結果、機関の燃費性能を向上させることが可能となる。
【0035】
また、以上の制御を行うことで、所定の機関状態に於いても内燃機関の冷却水温度を目標温度に早く昇温させ、その後は目標温度に適正に制御することが可能となり、排気ガス、燃費性能を機関使用状況に関わらず従来よりも向上させることが可能となる。
【0036】
以下、この発明の一実施の形態を、図を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明による実施の形態1を示す構成図である。
図において、1は内燃機関、2はラジエター、3は冷却水通路、4は冷却水ポンプ、5はバイパス通路、6はバイパスバルブ、7はコントロールユニット、8はクランク角センサ、9は水温センサ、10はラジエター電動ファン、11はヒータブロア、12はエアーフローセンサである。
【0037】
内燃機関1は燃焼による損失熱を機関冷却水に伝導させて冷却を行っているが、一般的な内燃機関では、この熱を大気中に放熱する為のラジエター2を備えており、内燃機関1とラジエター2間は冷却水通路3で環状に接続されている。そして、この冷却水は内燃機関1により駆動される冷却水ポンプ4によって強制循環させられている。
【0038】
このとき、機関冷却水温度が低い場合にはラジエター2による放熱が不要であるので、ラジエター2をバイパスさせる為のバイパス通路5とラジエター2への通路を遮断する為のバイパスバルブ6を備えている。また、このバイパスバルブ6は一般的にはサーモワックス等の感熱体を用いた機械式のバルブが用いられているが、本実施の形態においては電気的にかつ任意に制御可能なモータで駆動されるバルブを用いる。このバイパスバルブ6はマイコン制御のコントロールユニット7からの指令で動作する。なお、バイパスバルブ6の開閉動作による冷却水の流れの方向を図2に示す。
【0039】
また、このコントロールユニット7には、内燃機関1の回転数を知る為のクランク角センサ8と機関冷却水温度を知る為の冷却水温センサ9と内燃機関の吸入空気量を知る為のエアーフローセンサ12とが接続されており、これらの信号をコントロールユニット7内に取り込み、内部で演算処理することによって内燃機関1の各状態を検出している。なお、内燃機関1自体の制御もこのコントロールユニット7で行っている。
【0040】
また、上述したラジエター2には電動モータで駆動されるラジエター電動ファン10が取り付けられており、車両停止時で走行風の無い場合や内燃機関1の放熱量の多い場合に駆動してラジエター2の放熱を補助して冷却水温度を一定範囲内に制御している。なお、このラジエター電動ファン10もコントロールユニット7からの指示により作動している。
【0041】
次に、内燃機関1は車両に搭載されているが、この車両には大抵、車室内の温度を暖める為のヒータブロア11が装備されており、これは内燃機関1の冷却水の温度を車室内の空気と熱交換することで行われているのが一般的であり、本実施の形態でもこれを採用している。
【0042】
次に、動作について、図3および図4を参照して説明する。
本実施の形態は、バイパスバルブを用いて冷却水通路を制御することによる機関冷却水温度の制御方法の一例である。
【0043】
まず、図3に示すように、所定期間毎に実行されるルーチンであるR100を用意する。本ルーチン内の処理は、ステップ101において現在の機関冷却水温度TW(n)を取得し、ステップ102にて前回取得時の機関冷却水温度TW(n-1)との偏差を求め、ステップ103にてコンピュータ内の所定の記憶領域(RAM領域)に機関冷却水温変化量TWTRとして記憶させるだけで終了する。
【0044】
次に、図4に示すように、本処理のメインとなるルーチンR110を用意する。本ルーチン内の処理を実施する前に、コンピュータ内の記憶領域(ROM領域)に機関冷却水温度変化量が所定量以上であるか比較する為の機関冷却水温度上昇判定値を準備する。なお、本機関冷却水温度上昇判定値は機関回転数、および機関負荷のパラメータによる3次元のマップデータとし、更にストイキオ、吸気行程噴射リーンモード、圧縮行程噴射リーンモード等、燃焼温度の異なるモード毎に準備する。また、機関冷却水温度に直接影響を与える、車両装備のヒータブロアの作動有無に応じて異なる値とする為、これも個別に準備する。
【0045】
即ち、本実施の形態においては、ストイキオ状態での機関冷却水温度上昇判定マップKTTWUSとヒータブロア作動時のマップKTTWUSB、吸気行程噴射リーン状態での機関冷却水温度上昇判定マップKTTWULとヒータブロア作動時のマップKTTWULB 、圧縮行程噴射リーン状態での機関冷水温度上昇判定マップKTTWUALとヒータブロア作動時のマップKTTWUALBの6つを準備しておく。
【0046】
なお、本実施の形態では、上記全てを準備しているが、実際にはヒータブロア作動時のマップは省略したり、ストイキオ状態のマップを基準に各状態毎に一定量またはゲインを持たせてオフセットすることによっても、制御精度は劣るが、ほぼ同様の効果は得ることが可能である。
【0047】
次に、実際の制御内容について、詳しく説明する。
ステップS111にて、現在の機関冷却水温度TW(n)がある所定の値KTWBC以上であるか検査する。ここでTW(n)がKTWBCよりも低い場合、ステップS112へ進み、バイパスバルブの開度を全開とし、機関の冷却を行う冷却水量を少なくすると共に、冷却水のラジエターへの循環を禁止させる。
【0048】
また、ステップS111にてTW(n)がKTWBCと等しいか高かった場合、ステップS113へ進む。ステップS113では、機関の燃焼モードを検査し、燃焼モード毎にステップS114からS116までの各ステップに振り分ける。ステップS114からS116では基本的にフラグのクリアとセットのみを行っており、現在の冷却水温の制御モードを示すフラグF101の該当しないビットをクリアし、該当するビットをセットする。今回本フラグは、1バイト(8ビット)で準備し、上位4ビットを燃焼モード判断用、下位4ビットをその他の判断用に使用する様に用いた。即ち、ステップS113で検査した状態に基づき、F101の上位4ビットの内いずれか1ビットのみセットされた状態とする。
【0049】
次に、ステップS117で車両のヒータブロア作動状況を検査し、状況に応じてステップS118かステップS119のいずれかへ分岐する。ステップS118はヒータブロア作動時に選択され、F101の下位4ビットの内の所定のビット(今回は最下位のビットを使用)をセットする。また、ヒータブロア非作動時にはステップS119が選択され、F101の所定のビットをクリアする。
ここまでの処理で、 最初に準備しておいた6通りの機関冷水温度上昇判定マップの内、現在どれを選択すべきなのかがF101を見るだけで判断可能となる。
【0050】
次に、ステップS120へと進み、F101を基に現在該当する機関冷却水温度上昇判定マップを選択し、機関回転数NEと機関吸入空気量または機関吸入管圧力またはアクセル開度から求まる機関負荷LEを基に選択したマップ内を検索し、現在の機関運転状態に応じた機関冷却水温度上昇判定値KTWUを取得する。
【0051】
次に、ステップS121へと進み、先に求めた機関冷却水温変化量TWTRと現在の機関運転状態に応じた機関冷却水温度上昇判定値KTWUとの偏差、即ち第2の機関冷却水温度変化量KTWR2を算出する。そしてステップS122では予めコンピュータ内に準備しておく算出した第2の機関冷却水温度変化量KTWR2をパラメータとした2次元のテーブルデータである冷却水バイパスバルブ目標開度マップKTTWBPOから算出したKTWR2を基に現在要求されている冷却水バイパスバルブ目標開度KTWBPOを取得する。
【0052】
なお、本実施の形態では、上述の機関冷却水温度上昇判定マップを燃焼モードやヒータブロア動作有無で複数準備しているが、ここで準備している冷却水バイパスバルブ目標開度マップを燃焼モード、ヒータブロア動作有無によって複数準備する様にしてもほぼ同様の効果が得られる。
次に、ステップS123で実際にバイパスバルブ目標開度KTWBPOに基づき、バイパスバルブの開度を変更する。
【0053】
このように、同一回転および同一負荷状態において複数の燃焼状態を有する内燃機関で従来の構成および制御では、リーンモード等の燃焼温度が低く冷却水への放射熱の少ない運転状態の場合に機関冷却水温度が低下してしまい、内燃機関の安定して運転可能な冷却水温範囲を下回ってしまうような状況でも、機関燃焼モードや機関運転状態、水温変化度合いをモニタし、状況に応じてラジエター部への還流流量を制限する本実施の形態による制御では、防ぐことができ、リーン燃焼領域の拡大を図ることが可能となる。
【0054】
また、バイパスバルブ自体が電気的に制御可能で本実施の形態による制御によって冷却水温度の制御が精密に行えることから、バイパスバルブ全開時の流量即ちラジエターをバイパスする流量を少なく設定することが可能となり、この結果、機関暖機時間の短縮を図ることが可能となり、排気ガス、燃費性能の改善が可能となる。
また、バイパスバルブの制御のみである程度の運転領域における冷却水温度の制御が可能となる為、従来に比べてラジエター電動ファンの動作頻度も低減することが出来る為、燃費性能の改善が可能となる。
【0055】
従って、本実施の形態では、機関暖機時におけるバイパスバルブ全開時の機関冷却水量低減による昇温性能向上と、バイパスバルブ全閉時のラジエターによる余裕のある冷却効果とその中間にバイパスバルブの開度を制御することによる冷却水温度の制御により、従来より応答性および目標温度追従性に優れた冷却水温度制御が可能となり、その結果、排気ガス、燃費性能の改善が可能となる。
また、上記効果に付随して、バイパスバルブ開度制御のみである程度の温度制御が可能となる為ラジエターファンの使用頻度が低下し、この効果でも燃費改善が可能となる。
【0056】
実施の形態2.
図5および図6はこの発明の実施の形態2を示すフローチャートであり、本実施の形態では、ラジエター電動ファンの制御による機関冷却水温度の制御方法の一例である。なお、回路構成については、実施の形態1と同様図1のものを用いてよい。
【0057】
まず、図5に示すように、所定期間毎に実行されるルーチンであるR200を用意する。本ルーチン内の処理は、ステップ201において現在の機関冷却水温度TW(n)を取得し、ステップ202にて前回取得時の機関冷却水温度TW(n-1)との偏差を求め、ステップ203にてコンピュータ内の所定の記憶領域(RAM領域)に機関冷却水温変化量TWTRとして記憶させるだけで終了する。
【0058】
次に、本処理のメインとなるルーチンR210を用意する。本ルーチン内の処理を実施する前に、コンピュータ内の記憶領域(ROM領域)に機関冷却水温度変化量が所定量以上であるか比較する為の機関冷却水温度上昇判定値を準備する。なお、本機関冷却水温度上昇判定値は機関回転数、および機関負荷のパラメータによる3次元のマップデータとし、更にストイキオ、吸気行程噴射リーンモード、圧縮行程噴射リーンモード等、燃焼温度の異なるモード毎に準備する。また、機関冷却水温度に直接影響を与える、車両装備のヒータブロアの作動有無に応じて異なる値とする為、これも個別に準備する。
【0059】
即ち、本実施の形態においては、ストイキオ状態での機関冷却水温度上昇判定マップKTTWUSとヒータブロア作動時のマップKTTWUSB、吸気行程噴射リーン状態での機関冷却水温度上昇判定マップKTTWULとヒータブロア作動時のマップKTTWULB 、圧縮行程噴射リーン状態での機関冷水温度上昇判定マップKTTWUALとヒータブロア作動時のマップKTTWUALBの6つを準備しておく。
【0060】
なお、本実施の形態では、上記全てを準備しているが、実際にはヒータブロア作動時のマップは省略したり、ストイキオ状態のマップを基準に各状態毎に一定量またはゲインを持たせてオフセットすることによっても、制御精度は劣るが、ほぼ同様の効果は得ることが可能である。
【0061】
次に、図6を参照して、実際の制御内容について、詳しく説明する。
ステップS211にて現在の機関冷却水温度TW(n)がある所定の値KTWROF以上であるか検査する。ここでTW(n)がKTWROFよりも低い場合、ステップS212へ進み、ラジエター電動ファンの駆動を停止させる。
【0062】
また、ステップS211にてTW(n)がKTWROFと等しいか高かった場合、ステップS213へ進む。ステップS213では、機関の燃焼モードを検査し、燃焼モード毎にステップS214からS216までの各ステップに振り分ける。ステップS214からS216では基本的にフラグのクリアとセットのみを行っており、現在の冷却水温の制御モードを示すフラグF101の該当しないビットをクリアし、該当するビットをセットする。今回本フラグは、1バイト(8ビット)で準備し、上位4ビットを燃焼モード判断用、下位4ビットをその他の判断用に使用する様に用いた。即ち、ステップS213で検査した状態に基づき、F101の上位4ビットの内いずれか1ビットのみセットされた状態とする。
【0063】
次に、ステップS217で車両のヒータブロア作動状況を検査し、状況に応じてステップS218かステップS219のいずれかへ分岐する。ステップS218はヒータブロア作動時に選択され、F101の下位4ビットの内の所定のビット(今回は最下位のビットを使用)をセットする。また、ヒータブロア非作動時にはステップS219が選択され、F101の所定のビットをクリアする。
ここまでの処理で、 最初に準備しておいた6通りの機関冷水温度上昇判定マップの内、現在どれを選択すべきなのかがF101を見るだけで判断可能となる。
【0064】
次に、ステップS220へと進み、F101を基に現在該当する機関冷却水温度上昇判定マップを選択し、機関回転数NEと機関吸入空気量または機関吸入管圧力またはアクセル開度から求まる機関負荷LEを基に選択したマップ内を検索し、現在の機関運転状態に応じた機関冷却水温度上昇判定値KTWUを取得する。
【0065】
次に、ステップS221へと進み、先に求めた機関冷却水温変化量TWTRと現在の機関運転状態に応じた機関冷却水温度上昇判定値KTWUとの偏差、即ち第2の機関冷却水温度変化量KTWR2を算出する。そしてステップS222では予めコンピュータ内に準備しておく算出した第2の機関冷却水温度変化量KTWR2をパラメータとした2次元のテーブルデータであるラジエター電動ファン制御目標回転数マップKTTWRFOから算出したKTWR2を基に現在要求されているラジエター電動ファン制御目標回転数KTWRFOを取得する。
【0066】
なお、本実施の形態では、先に示した機関冷却水温度上昇判定マップを燃焼モードやヒータブロア動作有無で複数準備しているが、ここで準備しているラジエター電動ファン制御目標回転数マップを燃焼モード、ヒータブロア動作有無によって複数準備する様にしてもほぼ同様の効果が得られる。また、ラジエター電動ファン制御目標回転数マップ内にはKTWR2が負の値即ち、冷却水温度が低下傾向にある場合には、基本的に停止させる値を記述しておく。
次に、ステップS223で実際にラジエター電動ファン制御目標回転数KTWRFOに基づき、ラジエター電動ファンの駆動を行う。
【0067】
このように、本実施の形態では、リーンモード等の燃焼温度が低く冷却水への放射熱の少ない運転状態の場合に、機関燃焼モードや機関運転状態、水温変化度合いに応じてラジエター電動ファンの回転数や回転開始条件を変更することで、精密に冷却水温度の制御が可能となり、リーン燃焼領域の拡大が図れ、排気ガス、燃費性能の改善が可能となる。
【0068】
なお、本実施の形態においては、機関燃焼モード、機関運転状態等に加え、機関冷却水温度の変化によりラジエター電動ファンの回転数を細かく制御するようにしているが、回転数は一定でも、算出した第2の機関冷却水温度変化量KTWR2に応じてラジエター電動ファンの制御開始水温を変更するだけでもある程度の効果が見られる。また、更に簡略的には機関燃焼モード毎にパラメータを機関冷却水温度としたラジエター電動ファン目標回転数マップを準備しておき、機関燃焼モードに応じて切換えるだけでも相当の効果が有り、また、回転数制御をせずとも、回転開始水温を機関燃焼モード毎に持つことによって変更するだけでも従来よりも機関冷却水温度の制御は向上させることが可能である。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、同一機関回転数および同一負荷状態において燃焼温度、若しくは機関冷却水に対する熱伝達率の異なる複数の燃焼モードを持ち、水冷方式によって機関を冷却し、機関冷却水の放熱をラジエターによって行い、該ラジエターによる放熱を電動ファンにより補助し、機関冷却水温度が所定温度未満の場合にラジエターへの通路をバイパスする通路を有し、前記ラジエターとバイパス通路の流量を電気的に調整可能なバイパスバルブを具備し、冷却水の温度を車室内の空気と熱交換することで車室内の温度を暖めるヒータブロアが装備された内燃機関の冷却水制御装置であって、前記機関と前記ラジエターとを環状に接続する冷却水通路を流れる冷却水の機関冷却水温度を検出する水温センサと、機関回転数を検出するクランク角センサと、機関吸入空気量、機関吸入管圧力、アクセル開度のいずれかである機関負荷を検出する機関負荷検出手段と、バイパスバルブ目標開度に基づき前記バイパスバルブの開度を変更するコントロールユニットとを備え、前記コントロールユニットは、機関回転数、機関負荷、及び機関冷却水温度上昇判定値の3次元のテーブルデータであって、機関の燃焼モード及びヒータブロア作動有無に対応した複数の機関冷却水温度上昇判定マップと、第2の機関冷却水温度変化量、及びバイパスバルブ目標開度の2次元のテーブルデータである冷却水バイパスバルブ目標開度マップとを有し、前記水温センサにより取得した現在の機関冷却水温度と前回取得時の機関冷却水温度との偏差から機関冷却水温変化量を求め、前記現在の機関冷却水温度が所定温度未満の場合には、前記バイパスバルブ目標開度を全開とし、前記現在の機関冷却水温度が所定温度以上の場合には、機関の燃焼モード及びヒータブロア作動有無に基づいて前記複数の機関冷却水温度上昇判定マップの1つを選択し、選択した機関冷却水温度上昇判定マップから、前記クランク角センサにより検出した機関回転数と前記機関負荷検出手段により検出した機関負荷に応じた機関冷却水温度上昇判定値を取得し、前記機関冷却水温変化量と前記機関冷却水温度上昇判定値との偏差である第2の機関冷却水温度変化量を求め、前記冷却水バイパスバルブ目標開度マップから、前記第2の機関冷却水温度変化量に応じたバイパスバルブ目標開度を取得して前記バイパスバルブの開度を変更するので、機関暖機時間の短縮を図ることができ、排気ガス、燃費性能の改善が可能になり、また、バイパスバルブの制御のみである程度の運転領域における冷却水温度の制御が可能となり、従来に比べてラジエター電動ファンの動作頻度も低減することが出来る為、更に、燃費性能の改善が可能になるという効果がある。
【0071】
また、この発明によれば、同一機関回転数および同一負荷状態において燃焼温度、若しくは機関冷却水に対する熱伝達率の異なる複数の燃焼モードを持ち、水冷方式によって機関を冷却し、機関冷却水の放熱をラジエターによって行い、該ラジエターによる放熱を電動ファンにより補助し、機関冷却水温度が所定温度未満の場合にラジエターへの通路をバイパスする通路を有し、前記ラジエターとバイパス通路の流量を電気的に調整可能なバイパスバルブを具備し、冷却水の温度を車室内の空気と熱交換することで車室内の温度を暖めるヒータブロアが装備された内燃機関の冷却水制御装置であって、前記機関と前記ラジエターとを環状に接続する冷却水通路を流れる冷却水の機関冷却水温度を検出する水温センサと、機関回転数を検出するクランク角センサと、機関吸入空気量、機関吸入管圧力、アクセル開度のいずれかである機関負荷を検出する機関負荷検出手段と、電動ファン制御目標回転数に基づき前記電動ファンを駆動するコントロールユニットとを備え、前記コントロールユニットは、機関回転数、機関負荷、及び機関冷却水温度上昇判定値の3次元のテーブルデータであって、機関の燃焼モード及びヒータブロア作動有無に対応した複数の機関冷却水温度上昇判定マップと、第2の機関冷却水温度変化量、及び電動ファン制御目標回転数の2次元のテーブルデータであるラジエター電動ファン制御目標回転数マップとを有し、前記水温センサにより取得した現在の機関冷却水温度と前回取得時の機関冷却水温度との偏差から機関冷却水温変化量を求め、前記現在の機関冷却水温度が所定温度未満の場合には、前記電動ファン制御目標回転数を停止とし、前記現在の機関冷却水温度が所定温度以上の場合には、機関の燃焼モード及びヒータブロア作動有無に基づいて前記複数の機関冷却水温度上昇判定マップの1つを選択し、選択した機関冷却水温度上昇判定マップから、前記クランク角センサにより検出した機関回転数と前記機関負荷検出手段により検出した機関負荷に応じた機関冷却水温度上昇判定値を取得し、前記機関冷却水温変化量と前記機関冷却水温度上昇判定値との偏差である第2の機関冷却水温度変化量を求め、前記ラジエター電動ファン制御目標回転数マップから、前記第2の機関冷却水温度変化量に応じた電動ファン制御目標回転数を取得して前記電動ファンを駆動するので、精密に冷却水温度の制御が可能となり、リーン燃焼領域の拡大が図れ、排気ガス、燃費性能の改善が可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1におけるバイパスバルブ開閉による冷却水経路の一例を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1におけるバイパスバルブ開度を制御することによる機関冷却水温度制御の説明に供するためのフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1におけるバイパスバルブ開度を制御することによる機関冷却水温度制御の説明に供するためのフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態2におけるラジエター電動ファンの回転数を制御することによる機関冷却水温度制御の説明に供するためのフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2におけるラジエター電動ファンの回転数を制御することによる機関冷却水温度制御の説明に供するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関、 2 ラジエター、 3 冷却水通路、 4 冷却水ポンプ、5 バイパス通路、 6 バイパスバルブ、 7 コントロールユニット、 8 クランク角センサ、 9 水温センサ、 10 ラジエター電動ファン、 11ヒータブロア、 12 エアーフローセンサ。
Claims (4)
- 同一機関回転数および同一負荷状態において燃焼温度、若しくは機関冷却水に対する熱伝達率の異なる複数の燃焼モードを持ち、水冷方式によって機関を冷却し、機関冷却水の放熱をラジエターによって行い、該ラジエターによる放熱を電動ファンにより補助し、機関冷却水温度が所定温度未満の場合に前記ラジエターへの通路をバイパスする通路を有し、前記ラジエターとバイパス通路の流量を電気的に調整可能なバイパスバルブを具備し、冷却水の温度を車室内の空気と熱交換することで車室内の温度を暖めるヒータブロアが装備された内燃機関の冷却水制御装置であって、
前記機関と前記ラジエターとを環状に接続する冷却水通路を流れる冷却水の機関冷却水温度を検出する水温センサと、
機関回転数を検出するクランク角センサと、
機関吸入空気量、機関吸入管圧力、アクセル開度のいずれかである機関負荷を検出する機関負荷検出手段と、
バイパスバルブ目標開度に基づき前記バイパスバルブの開度を変更するコントロールユニットとを備え、
前記コントロールユニットは、
機関回転数、機関負荷、及び機関冷却水温度上昇判定値の3次元のテーブルデータであって、機関の燃焼モード及びヒータブロア作動有無に対応した複数の機関冷却水温度上昇判定マップと、
第2の機関冷却水温度変化量、及びバイパスバルブ目標開度の2次元のテーブルデータである冷却水バイパスバルブ目標開度マップとを有し、
前記水温センサにより取得した現在の機関冷却水温度と前回取得時の機関冷却水温度との偏差から機関冷却水温変化量を求め、
前記現在の機関冷却水温度が所定温度未満の場合には、前記バイパスバルブ目標開度を全開とし、
前記現在の機関冷却水温度が所定温度以上の場合には、機関の燃焼モード及びヒータブロア作動有無に基づいて前記複数の機関冷却水温度上昇判定マップの1つを選択し、
選択した機関冷却水温度上昇判定マップから、前記クランク角センサにより検出した機関回転数と前記機関負荷検出手段により検出した機関負荷に応じた機関冷却水温度上昇判定値を取得し、
前記機関冷却水温変化量と前記機関冷却水温度上昇判定値との偏差である第2の機関冷却水温度変化量を求め、
前記冷却水バイパスバルブ目標開度マップから、前記第2の機関冷却水温度変化量に応じたバイパスバルブ目標開度を取得して前記バイパスバルブの開度を変更する
ことを特徴とする内燃機関の冷却水制御装置。 - 同一機関回転数および同一負荷状態において燃焼温度、若しくは機関冷却水に対する熱伝達率の異なる複数の燃焼モードを持ち、水冷方式によって機関を冷却し、機関冷却水の放熱をラジエターによって行い、該ラジエターによる放熱を電動ファンにより補助し、機関冷却水温度が所定温度未満の場合に前記ラジエターへの通路をバイパスする通路を有し、前記ラジエターとバイパス通路の流量を電気的に調整可能なバイパスバルブを具備し、冷却水の温度を車室内の空気と熱交換することで車室内の温度を暖めるヒータブロアが装備された内燃機関の冷却水制御装置であって、
前記機関と前記ラジエターとを環状に接続する冷却水通路を流れる冷却水の機関冷却水温度を検出する水温センサと、
機関回転数を検出するクランク角センサと、
機関吸入空気量、機関吸入管圧力、アクセル開度のいずれかである機関負荷を検出する機関負荷検出手段と、
電動ファン制御目標回転数に基づき前記電動ファンを駆動するコントロールユニットとを備え、
前記コントロールユニットは、
機関回転数、機関負荷、及び機関冷却水温度上昇判定値の3次元のテーブルデータであって、機関の燃焼モード及びヒータブロア作動有無に対応した複数の機関冷却水温度上昇判定マップと、
第2の機関冷却水温度変化量、及び電動ファン制御目標回転数の2次元のテーブルデータであるラジエター電動ファン制御目標回転数マップとを有し、
前記水温センサにより取得した現在の機関冷却水温度と前回取得時の機関冷却水温度との偏差から機関冷却水温変化量を求め、
前記現在の機関冷却水温度が所定温度未満の場合には、前記電動ファン制御目標回転数を停止とし、
前記現在の機関冷却水温度が所定温度以上の場合には、機関の燃焼モード及びヒータブロア作動有無に基づいて前記複数の機関冷却水温度上昇判定マップの1つを選択し、
選択した機関冷却水温度上昇判定マップから、前記クランク角センサにより検出した機関回転数と前記機関負荷検出手段により検出した機関負荷に応じた機関冷却水温度上昇判定値を取得し、
前記機関冷却水温変化量と前記機関冷却水温度上昇判定値との偏差である第2の機関冷却水温度変化量を求め、
前記ラジエター電動ファン制御目標回転数マップから、前記第2の機関冷却水温度変化量に応じた電動ファン制御目標回転数を取得して前記電動ファンを駆動する
ことを特徴とする内燃機関の冷却水制御装置。 - 前記複数の機関冷却水温度上昇判定マップは、
ストイキオ状態かつヒータブロア作動無時の機関冷却水温度上昇判定マップと、
ストイキオ状態かつヒータブロア作動有時の機関冷却水温度上昇判定マップと、
吸気行程噴射リーン状態かつヒータブロア作動無時の機関冷却水温度上昇判定マップと、
吸気行程噴射リーン状態かつヒータブロア作動有時の機関冷却水温度上昇判定マップと、
圧縮行程噴射リーン状態かつヒータブロア作動無時の機関冷水温度上昇判定マップと、
圧縮行程噴射リーン状態かつヒータブロア作動有時の機関冷水温度上昇判定マップの6つである
ことを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の冷却水制御装置。 - 前記機関負荷検出手段は、
前記機関の吸入空気量を検出するエアーフローセンサである
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の内燃機関の冷却水制御装置。
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