JP2007144423A - 吸水剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加圧下吸収倍率(AAP)および加圧下のゲル層の通液速度(FRUP)、生理食塩水流れ誘導性(SFC)、膨潤した吸水剤集合体の保型性、ボール破裂強度(BBS)等に優れ、これらの効果持続性に優れた、新規な吸水剤を提供する。
【解決手段】 所定の吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)を含み、カチオン性高分子化合物(B)の使用量は吸水性樹脂粒子(A)に対し0.01〜10重量部であり、前記カチオン性高分子化合物(B)が前記吸水性樹脂粒子(A)と実質的にイオン結合してなる吸水剤において、自由膨潤倍率(GV)が23g/g以上、4.9kPaでの加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g以上、生理食塩水流れ誘導性(SFC)が50(10−7×cm×s×g−1)以上、短時間加圧時ゲル変形(0.5hrPT)が12.5cm以下、加圧時ゲル変形経時劣化(ΔPT)が3.5cm以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

この発明は、新規な吸水剤に関する。
近年、紙オムツや生理用ナプキン、いわゆる失禁パット等の吸水性物品には、その構成材として、体液を吸収させることを目的とし吸水性樹脂が幅広く使用されている。このような吸水性樹脂は、例えば、日本工業規格(JIS)K7223−1996に記載されており既に公知である。上記の吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体ケン化物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物又はこれらの架橋体、及びカチオン性モノマーの架橋体等が知られている。
一般的に吸水性樹脂は粉末状であるため、それ単独で使用されることは少なく、粉砕パルプや紙等のような親水性のセルロース繊維と混合され、おむつ等の吸水体として使用されている(例えば、特許文献1参照)。短時間の間に大量の水を吸収させるような用途では、吸水性樹脂単独では短時間のうちに吸収しきれず水が広がってしまうのを防ぐため、このような混合は特に必要である。セルロース繊維は粉末状の吸水性樹脂を保持したり、あるいは、毛管現象により分布している吸水性樹脂にまんべんなく水を行き渡らせたり、あるいは、吸水後の膨潤した吸水性樹脂を保持する働きがある。
しかしながら、上記の技術により得られた吸水体は、たとえば、紙おむつの吸水体として使用した場合、吸水性樹脂粒子のセルロース繊維に対する比率が高くなると、セルロース繊維間の結合力が弱いため、実使用時において尿吸収後に膨潤した吸水性樹脂の移動や脱落が起こり、そのために期待した程には吸水性能がでないといった問題点や、尿中のある種の成分により吸水性樹脂粒子の分解が起こるために設計通りの性能が出ないといった問題点を有していた。
これまで、上記の問題点を解決するため数多くの提案がなされてきた。以下にそれらの技術の内容と問題点を挙げる。
カルボキシル基を有する吸水性樹脂粒子表面を、前記カルボキシル基と反応して共有結合を形成しうる2個以上の官能基を有する架橋剤で処理して前記カルボキシル基の一部で架橋させ、その後、粒子を、カルボキシル基と反応してイオン結合を形成しうる、重量平均分子量2000以上のカチオン性高分子化合物と混合するという方法が知られている(特許文献2参照)。
表面に酸性基を有する吸水性樹脂粒子、セルロース繊維および重量平均分子量2000以上のカチオン性高分子化合物を含んでなる吸水体とする方法が知られている(特許文献3参照)。
カルボキシル基を有する吸水性樹脂粒子表面を、前記カルボキシル基と反応して共有結合を形成しうる2個以上の官能基を有する架橋剤で処理して前記カルボキシル基の一部で架橋させ、その後、粒子を、カルボキシル基と反応してイオン結合を形成しうる、重量平均分子量2000以上のカチオン性高分子化合物と混合するという方法、および、表面に酸性基を有する吸水性樹脂粒子、セルロース繊維および重量平均分子量2000以上のカチオン性高分子化合物を含んでなる吸水体とする方法が知られている(特許文献4参照)。
149μm以下の粒子が10重量%よりも少なく、かつ生理食塩水28g/吸水剤gを吸水する際に吸水速度が20〜90秒の範囲である粒子状の吸水剤であって、かつこのようにして得られる膨潤ヒドロゲルに直径15/32インチ(約11.9cm)の鋼球(JIS B−1501の鋼球)を20cmの高さから自由落下させたときに、該鋼球が膨潤ヒドロゲルから弾むか、もしくは静止後、膨潤ヒドロゲルへの該鋼球(約11.9cm)の侵入がないことを特徴とする吸水剤が知られている(特許文献5参照)。
20秒以下の秒数の吸収速度をもち、本質的に吸水性で、少なくとも30ml/gの常圧吸収能を有するベースポリマー粒子からなり、多価イオン性架橋剤で表面架橋され、かつ前期ベースポリマー粒子よりも大きいサイズの粒子に造粒されてなる吸液性ポリマー組成物であって、前記吸液性ポリマー粒子が表面架橋及び造粒の前に、その300ミクロンより大きな粒子を実質的に含まず、かつ前記粒子の40%以上が150ミクロン以下の粒子からなる粒度分布を有することを特徴とする吸液性ポリマー組成物が知られている(特許文献6参照)。
100重量部の高吸水性樹脂に対して10〜100重量部の水を含水させた高吸水性樹脂含水物に、(a)反応性基を有する親水性ポリマーを、該高吸水性樹脂100重量部に対して0.005〜5重量部、及び(b)該反応性基を有する親水性ポリマーと反応し得る官能基を2個以上有する架橋剤を、該反応性基を有する親水性ポリマー/該架橋剤の重量比0.1〜30で添加、混合し、加熱反応させることから成る、高吸水性樹脂の製造方法が知られている(特許文献7参照)。
これら公知の技術により改質された吸水性樹脂は確かにセルロース繊維等の素材と複合した時に移動や脱落が起こりにくくなっており、また、膨潤した吸水剤集合体の保型性やボール破裂強度(BBS)も優れているものもある。本発明でいう「膨潤した吸水剤集合体」とは吸水後に、膨潤した吸水剤が互いに接触しており、1つの塊とみなすことのできる状態をいう。例えば、膨潤した吸水剤間にイオン結合、水素結合、共有結合、配位結合などの結合力が作用し、膨潤した吸水剤間が互いに接触している状態である。しかし、吸水性樹脂粒子および/または吸水剤の加圧下吸水量(加圧下吸収倍率(AAP))、加圧下のゲル層の通液速度(FRUP)、生理食塩水流れ誘導性(SFC)が十分でないために、セルロース繊維やその他の素材と複合されて、紙おむつなどに使用された場合、その吸水特性が十分とは言えなかった。たとえば、紙おむつの吸水体の一部に吸水性樹脂を使用した場合、加圧下吸収倍率(AAP)が低いために、体重による圧がかかると、吸水体に吸収された尿がおむつの表面に戻り出てくるといった欠点や、加圧下のゲル層の通液速度(FRUP)や生理食塩水流れ誘導性(SFC)が十分でないために、吸水体中の通液性が悪く、そのため、吸水体に液が十分に行き渡らず、吸水量の低下や液の漏れを生ずるといった欠点などの、重大な問題があった。
また、上記の公知の技術により改質された吸水性樹脂は、確かにセルロース繊維等の素材と複合した時に移動や脱落が起こりにくくなっており、また、膨潤した吸水剤集合体の保型性やボール破裂強度(BBS)も優れているものもあるが、吸水後、時間が経つにつれ、それらの吸水特性が徐々に失われていき、特に、膨潤した吸水剤集合体の保型性やボール破裂強度(BBS)はかなり低下するという欠点があった。これらが低下することで、特に、吸水性樹脂の比率が高い吸水体を使用した紙おむつでは、長時間使用すると膨潤ゲルの移動などが起こり、吸水性能の低下が起こってしまう。
エポキシ基含有の架橋剤により表面近傍が架橋され、かつ該架橋剤が残存しているカルボキシル基含有の吸水性樹脂粉末に対して、加熱された粉末状態にて求核剤を添加して残存架橋剤を低減することを特徴とする吸水剤粉末の製造方法が知られている(特許文献8参照)。前記特許文献8に記載されている実施例1には、吸水性樹脂粉末に求核剤としてポリエチレンイミンを添加する例が記載されている。
(1)水に不溶で、水に対して膨潤性の重合体を含んでなる複数の吸収性ゲル形成粒子、および、(2)尿の中に含まれる少なくとも1種の成分と反応し得る吸収性改良重合体の混合物を含んでなる、改良された吸収性を有する吸収性材料であって、前記混合物が、(i)有機溶剤、好ましくは極性有機溶剤、水および前記吸収性改良重合体を含み、前記有機溶剤と前記水の重量比が少なくとも50:50、好ましくは70:30〜98:2、である溶液を前記複数の吸収性ゲル形成粒子上に塗布し、(ii)塗布したこの吸収性ゲル形成粒子から前記有機溶剤および水の一部を除去することにより製造されることを特徴とする、吸水性材料が知られている(特許文献9および特許文献10参照)。前記特許文献9および特許文献10に記載されている実施例には、吸水性樹脂粉末にポリアリルアミンが添加されている例がある。
20g/cm(1.96kPa)の荷重下における、吸収開始から60分経過後の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液の拡散吸収倍率が25g/g以上である吸水性樹脂に、重量平均分子量5000以上のポリアミン化合物を添加することを特徴とする吸収剤組成物の製造方法が知られている(特許文献11参照)。
保水能が20g/g以上、吸水速度が120秒以下、加圧下の通液速度が200秒以下である吸水性樹脂組成物が知られている(特許文献12参照)。前記特許文献12に記載されている実施例19には、吸水性樹脂粒子にポリエチレンイミンを添加する記載がある。
(a)水不溶性吸収性ヒドロゲル形成重合体からなる吸収性ゲル状粒子、(b)ポリ陽イオン重合体、(c)グルー微小繊維、および、(d)担体層を含んでなる吸収性材料であって、前記ポリ陽イオン重合体は前記吸収性ゲル状粒子に結合し、かつ、前記グルー微小繊維は前記吸収性ゲル状粒子と前記担体層との間で接着剤として作用することを特徴とする、吸収性材料が知られている(特許文献13参照)。
これらの技術においても、吸水性樹脂粒子と混合されるカチオン性高分子化合物が十分に架橋されていなかったり、吸水性樹脂粒子の加圧下のゲル層の通液速度(FRUP)や生理食塩水流れ誘導性(SFC)が十分でないために、その吸水特性が上記の理由と同様に十分とは言えなかった。また、膨潤した吸水剤集合体についても、吸水後、時間が経つにつれ、それらの吸水特性が徐々に失われていき、特に、膨潤した吸水剤集合体の保型性やボール破裂強度(BBS)はかなり低下するという欠点があった。
含水液体と接触して遅延結合性を示すことを特徴とする吸水性ポリマーが知られている(特許文献14参照)。この技術においても、吸水性樹脂粒子の加圧下のゲル層の通液速度(FRUP)や生理食塩水流れ誘導性(SFC)が十分でないために、その吸水特性が上記の理由と同様に十分とは言えなかった。また、吸水性樹脂粒子とポリアミンを混合して得られた、吸水剤の加圧下吸収倍率(AAP)は十分ではなく、体重による圧がかかると、吸水体に吸収された尿がおむつの表面に戻り出てくるといった欠点があった。
水不溶性で、吸収する、ハイドロゲルを形成するポリマーとポリカチオン性ポリマーが反応し、両者間に共有結合を形成させることにより、加圧下のゲル層の通液性を向上させる技術が知られている(特許文献15参照)。しかし、加熱によって前記両者間に共有結合が形成されることにより膨潤した吸水剤集合体の保型性やボール破裂強度(BBS)がかなり低下するという欠点があった。また、吸水性樹脂粒子の加圧下のゲル層の通液速度(FRUP)や生理食塩水流れ誘導性(SFC)が十分でないために、その吸水特性が上記の理由と同様に十分とは言えなかった。
酸性基を有する水不溶性で膨潤性のポリマーと、塩基性基を有する水不溶性で膨潤性のポリマーとを混合して使用することにより、塩水に接触した時に、塩水中の塩をポリマー中に取り込み、それぞれの酸性基と塩基性基が塩によって中和することにより、十分な加圧下吸収倍率(AAP)、生理食塩水流れ誘導性(SFC)、膨潤した吸水剤集合体の保型性やボール破裂強度(BBS)を実現する技術が知られている(特許文献16〜19参照)。しかし、この技術は酸性基と塩基性基の比率が重要で、多くの高価な塩基性を有する水不溶性で膨潤性のポリマーを使用しなければならず(通常、酸性基を有する水不溶性で膨潤性のポリマーに対して、はぼ同量であり、少なくとも10重量%以上である)、非常に不経済である。また、塩を含まない液や、中和できる量よりも多量の塩の存在下では、吸水量が大幅に低下するという欠点があった。さらに、通常、上記の技術で得られる吸水剤の自由膨潤倍率(GV)は十分でないという欠点があった。
少なくともアニオン性解離基を有する吸水性樹脂粒子およびカチオン性基を有する水膨潤性樹脂粒子を含む吸水剤組成物であって、前記吸水性樹脂粒子のアニオン性解離基の45〜90モル%が中和されており、前記アニオン性解離基を有する吸水性樹脂粒子および前記カチオン性基を有する水膨潤性樹脂粒子の総重量に対する前記アニオン性解離基を有する吸水性樹脂粒子の重量比率αが少なくとも0.8であり、該吸水剤組成物の加圧下吸収倍率Pが少なくとも20g/gであることを特徴とする吸水剤組成物が知られている(特許文献20参照)。この技術で得られる吸水剤は十分な加圧下吸収倍率(AAP)、生理食塩水流れ誘導性(SFC)を有しているが、この技術で使用されるカチオン性基を有する水膨潤性樹脂粒子は水可溶度が低く、そのため膨潤した吸水剤集合体の保型性やボール破裂強度(BBS)がかなり劣ってしまう欠点があった。
米国特許第3888257号 特開平5−31362号 登録特許第3017584号 米国特許第5382610号 登録特許第3107909号 特開平2−227435号 特開平8−53550号 WO97/03114 特表平9−509591号 WO95/22356 特開2000−342963号 WO96/17884 特開平9−290000号 特開平9−3123号 WO97/12575 WO99/34841 WO99/34842 WO99/34843 WO99/25393 特開2000−95955号
実使用にあたって、加圧下吸収倍率(AAP)、加圧下のゲル層の通液速度(FRUP)、生理食塩水流れ誘導性(SFC)に優れ、また、セルロース繊維等の複合する相手の素材との相乗効果を十分に引き出し、また、膨潤した吸水剤集合体の保型性やボール破裂強度(BBS)に優れており、長時間これらの効果が持続するような吸水性樹脂が理想的であるが、このようなものはいまだ得られていないのが現状である。
上記課題を解決する手段として、この発明は、次のような吸水剤を提供する。
すなわち、本発明にかかる吸水剤は、主成分がアクリル酸0モル%〜50モル%およびアクリル酸塩100モル%〜50モル%(但し、両者の合計量は100モル%とする)からなる単量体を重合・架橋させてなる吸水性樹脂を表面架橋させることにより得られる吸水性樹脂粒子(A)と、水可溶度が100重量%〜10重量%であるカチオン性高分子化合物(B)を含み、カチオン性高分子化合物(B)の使用量は吸水性樹脂粒子(A)に対し0.01〜10重量部であり、前記カチオン性高分子化合物(B)が前記吸水性樹脂粒子(A)と実質的にイオン結合してなる吸水剤において、自由膨潤倍率(GV)が23g/g以上、4.9kPaでの加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g以上、生理食塩水流れ誘導性(SFC)が50(10−7×cm×s×g−1)以上、短時間加圧時ゲル変形(0.5hrPT)が12.5cm以下、加圧時ゲル変形経時劣化(ΔPT)が3.5cm以下であることを特徴とする。
上記吸水剤においては、ボール破裂強度(BBS)が80gf以上であるのが好ましく、加圧時ゲル変形(16hrPT)が12.5cm以下であるのがより好ましい。また、16時間ボール破裂強度(16hrBBS)が80gf以上であるのがより好ましい。
さらに、ボール破裂強度低下率(DBBS)が40%以下であるのが好ましく、カチオン性高分子化合物(B)のカチオン密度が2mmol/g以上であるのがより好ましい。また、カチオン性高分子化合物(B)が、ポリアミジン、ポリビニルアミンまたはその塩、ポリ(N−ビニルホルムアミド)の部分加水分解物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を含むものであることがより好ましい。
上記吸水剤においては、前記吸水性樹脂を70重量%以上含むのが好ましく、さらに無機粉末を含むのがより好ましい。また、重量平均粒径が300〜600μmの範囲内であるのがより好ましい。
さらに、前記吸水剤を強酸水溶液中で攪拌した場合に、分離されるカチオン性高分子化合物(B)が、吸水剤に含まれるカチオン性高分子化合物(B)の50重量%以上であるのが好ましく、カチオン性高分子化合物(B)が、水溶液またはゲル状液で添加されたものであるのがより好ましい。
本発明によれば、吸水体に使用した際に、吸水体に吸収された尿がおむつの表面に戻り出てくるといった現象が著しく改善され、また、本発明の吸水剤を単独で吸水体として使用した場合や、セルロース繊維等の素材と複合して使用した場合に、移動や脱落が起こりにくくなっており、その効果が吸水後も長時間持続し、実使用時に、吸水体中での膨潤後の吸水剤の移動が起こりにくくなり、吸水体としての性能を十分に発揮する、吸水剤を提供することが出来るという効果を奏する。
以下、本発明の説明において、下記の略語を使用する。
自由膨潤倍率:以下、GVと略す。
4.9kPaでの加圧下吸収倍率:以下、AAPと略す。
加圧下のゲル層の通液速度:以下、FRUPと略す。
生理食塩水流れ誘導性:以下、SFCと略す。
短時間加圧時ゲル変形:以下、0.5hrPTと略す。
加圧時ゲル変形:以下、16hrPTと略す。
加圧時ゲル変形経時劣化:以下、ΔPTと略す。
ボール破裂強度:以下、BBSと略す。
16時間ボール破裂強度:以下、16hrBBSと略す。
ボール破裂強度低下率:以下、DBBSと略す。
上記略語において、GVはGel Volumeの略、AAPはAbsorbency Against Pressureの略、FRUPはFlow Rate Under Pressureの略、SFCはSaline Flow Conductivityの略、PTはPressure Testの略、BBSはBall Burst Strengthの略、DBBSはDeterioration of Ball Burst Strengthの略である。
なお、これらの値は全て、後述の測定法で測定されたものである。
本発明は、吸水性樹脂より得られる吸水剤に関するものである。なお、本発明でいう吸水剤とは、吸水性樹脂を主成分とする(好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上)、改質された高分子吸水剤ないしは、その組成物のことである。吸水性樹脂とは、架橋構造を有し、水に不溶性で、水に対して膨潤性の重合体を含む、ゲル形成樹脂のことである。
−吸水性樹脂粒子(A)−
以下、まず本発明で使用される吸水性樹脂粒子(A)について説明する。
本発明において使用することのできる吸水性樹脂粒子(A)は、AAPが20g/g以上のものが好ましく、22g/g以上のものがより好ましく、25g/g以上のものがさらに好ましく、27g/g以上のものがその上さらに好ましく、30g/g以上のものが最も好ましい。AAPを20g/g以上とすることによって、本発明の吸水剤を紙おむつの吸水体の一部に使用した場合、吸水体に吸収された尿がおむつの表面への戻りを防ぐ効果が非常に大きくなる。
また、吸水性樹脂粒子(A)はFRUPが1500秒以下であるものが好ましく、1200秒以下であるものがより好ましく、800秒以下であるものがさらに好ましく、500秒以下のものがその上さらに好ましく、300秒以下であるものが非常に好ましく、150秒以下であるものが最も好ましい。また、吸水性樹脂粒子(A)はSFCが20(10−7×cm×s×g−1)以上であるものが好ましく、25(10−7×cm×s×g−1)以上であるものがより好ましく、35(10−7×cm×s×g−1)以上であるものがさらに好ましく、50(10−7×cm×s×g−1)以上であるものがさらにより好ましく、75(10−7×cm×s×g−1)以上であるものが最も好ましい。吸水性樹脂粒子(A)のFRUPおよびSFCは、本発明で得られる吸水剤の膨潤後の通液性に、非常に大きな影響を与える。つまり、本発明の吸水剤を製造する際に、好ましくは、吸水性樹脂粒子(A)の、FRUPを1500秒以下、および/または、SFCを20(10−7×cm×s×g−1)以上とすることで、本発明の吸水剤を紙おむつの吸水体の一部に使用した場合の、通液性を良好にし、吸水体に液を十分に行き渡らせ、吸水量を増大させ、液の漏れを防止するという効果が著しく向上する。
本発明において好適に使用される吸水性樹脂粒子(A)は、たとえば、前駆体である吸水性樹脂(以下、単に、「吸水性樹脂」と呼ぶことがある)の粒子表面近傍に特定の表面架橋を施すことによって製造することができる。
吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物又はこれらの架橋体、カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコール変性物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等の1種または2種以上を挙げることができる。これらの吸水性樹脂は、1種または混合物でも用いられるが、中でもカルボキシル基を有するものの1種またはその混合物が好ましく、典型的にはアクリル酸及び/又はその塩(中和物)を主成分とする単量体を重合・架橋することにより得られる重合体が主成分とされる。このようなものは、例えば、部分中和架橋ポリアクリル酸(米国特許第4625001号、同第4654039号、同第5250640号、同第5275773号、欧州特許第456136号等)、架橋され部分的に中和された澱粉−アクリル酸グラフトポリマー(米国特許第4076663号)、イソブチレン−マレイン酸共重合体(米国特許第4389513号)、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体のケン化物(米国特許第4124748号)、アクリルアミド(共)重合体の加水分解物(米国特許第3959569号)、アクリロニトリル重合体の加水分解物(米国特許第3935099号)等に開示されている。
また、上記吸水性樹脂としては、架橋構造を有しており該吸水性樹脂中の未架橋の水可溶成分が好ましくは25重量%以下、より好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下のものが用いられる。
上記吸水性樹脂を構成する成分としては、アクリル酸(塩)(すなわち、アクリル酸及び/又はその塩(中和物))を用いることが好ましい。上記アクリル酸の塩としては、アクリル酸のナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩等を例示することができるが、好ましくはナトリウム塩である。上記吸水性樹脂は、その主成分の構成単位としてアクリル酸0モル%〜50モル%およびアクリル酸塩100モル%〜50モル%(但し、両者の合計量は100モル%とする)の範囲にあるものが好ましく、アクリル酸10モル%〜40モル%およびアクリル酸塩90モル%〜60モル%(但し、両者の合計量は100モル%とする)の範囲にあるものがより好ましい。上記塩を形成させるための吸水性樹脂の中和は重合前に単量体の状態で行っても良いし、あるいは重合途中や重合後に重合体の状態で行っても良いし、それらを併用してもよいが、重合体の状態で中和を行うと可溶分が少なくなるという利点も有するものの、中和にかなりの長時間を要するため、生産コストの点から重合前の単量体の状態で中和を行う方が好ましい。
本発明で用いる吸水性樹脂を得るための単量体は、必要に応じて上記アクリル酸(塩)以外の単量体を含有していてもよい。アクリル酸(塩)以外の単量体としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和単量体及びその塩;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−ビニルアセトアミド等のノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びこれらの四級塩等のカチオン性不飽和単量体等が挙げられる。これら単量体は、単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明において、アクリル酸(塩)以外の単量体を用いる場合には、該アクリル酸(塩)以外の単量体は、主成分として用いるアクリル酸及びその塩との合計量に対して、好ましくは30モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合である。上記アクリル酸(塩)以外の単量体を上記の割合で用いることにより、最終的に得られる吸水性樹脂粒子(A)の吸収特性がより一層向上すると共に、吸水性樹脂粒子(A)をより一層安価に得ることができる。
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上述の単量体を重合するに際しては、バルク重合や沈殿重合を行うことが可能であるが、性能面や重合の制御の容易さ、さらに膨潤ゲルの通液性の観点から、上記単量体を水溶液とすることによる水溶液重合や逆相懸濁重合が好ましい。尚、上記単量体を水溶液とする場合の該水溶液(以下、単量体水溶液と称する)中の単量体の濃度は、水溶液の温度や単量体によって決まり、特に限定されるものではないが、10重量%〜70重量%の範囲内が好ましく、20重量%〜60重量%の範囲内がさらに好ましい。また、上記水溶液重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよく、併用して用いられる溶媒の種類は、特に限定されるものではない。
水溶液重合の方法としては、双腕型ニーダー中で単量体水溶液を、得られる含水ゲルを砕きながら重合したり、所定の容器中や駆動するベルト上に単量体水溶液を供給し、重合して得られたゲルをミートチョッパー等で粉砕する方法等が挙げられる。
上記の重合を開始させる際には、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の光重合開始剤を用いることができる。さらに、これら重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用し、両者を組み合わせることによりレドックス系開始剤とすることもできる。上記の還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、アミン類等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これら重合開始剤の使用量は、通常0.001モル%〜2モル%、好ましくは0.01モル%〜0.1モル%である。これら重合開始剤の使用量が0.001モル%未満の場合には、未反応の単量体が多くなり、従って、得られる吸水性樹脂中の残存単量体量が増加するので好ましくない。一方、これら重合開始剤の使用量が2モル%を超える場合には、得られる重合体中の水可溶成分量が増加するので好ましくない場合がある。
また、反応系に放射線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより重合反応の開始を行ってもよいし、さらに、上記重合開始剤を併用してもよい。尚、上記重合反応における反応温度は、特に限定されるものではないが、15〜130℃の範囲が好ましく、20〜110℃の範囲内がより好ましい。また、反応時間も特に限定されるものではなく、単量体や重合開始剤の種類、反応温度等に応じて適宜設定すればよい。
前記吸水性樹脂としては、架橋剤を使用しない自己架橋型のものであってもよいが、一分子中に、2個以上の重合性不飽和基や、2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合又は反応させたものがさらに好ましい。
これら内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これら内部架橋剤は、単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。また、これら内部架橋剤は、反応系に一括添加してもよく、分割添加してもよい。少なくとも1種または2種類以上の内部架橋剤を使用する場合には、最終的に得られる吸水性樹脂粉末の吸収特性等を考慮して、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を重合時に必須に用いることが好ましい。
これら内部架橋剤の使用量は、前記単量体に対して、0.005モル%〜2モル%の範囲内であることが好ましく、0.02モル%〜0.5モル%の範囲内とすることがより好ましく、0.04モル%〜0.2モル%の範囲内とすることがさらに好ましい。上記内部架橋剤の使用量が0.005モル%よりも少ない場合、並びに、2モル%よりも多い場合には、充分な吸収特性が得られないおそれがある。
上記内部架橋剤を用いて架橋構造を重合体内部に導入する場合には、上記内部架橋剤を、上記単量体の重合前あるいは重合途中、あるいは重合後、または中和後に反応系に添加するようにすればよい。
尚、上記重合に際しては、反応系に、炭酸(水素)塩、二酸化炭素、アゾ化合物、不活性有機溶媒等の各種発泡剤;澱粉・セルロース、澱粉・セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子;各種界面活性剤;キレート剤;次亜燐酸(塩)等の連鎖移動剤を添加してもよい。また、無機粉末を添加してもよい。
上記架橋重合体が水溶液重合で得られたものでゲル状である場合、すなわち含水ゲル状架橋重合体である場合、該架橋重合体は、必要に応じて乾燥し、乾燥の前および/または後で通常粉砕されて吸水性樹脂とする。また、乾燥は通常60℃〜250℃、好ましくは100℃〜220℃、より好ましくは120℃〜200℃の温度範囲で、乾燥時間は10分〜12時間、好ましくは20分〜6時間、より好ましくは30分〜3時間の範囲である。
本発明に用いることのできる吸水性樹脂の含水率は特に限定されないが、好ましくは、含水率は0重量%以上400重量%以下、より好ましくは0.2重量%以上40重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以上10重量%以下である。
また、本発明に用いることのできる吸水性樹脂としては、粒子状のものを挙げることができる。吸水性樹脂の粒径は、重合反応により得られた乾燥粉砕前のゲル状の重量平均粒径が1000μmを超えるようなものも使用できるが、通常重量平均粒径が10μm〜1000μm、好ましくは100μm〜800μm、より好ましくは150μmを越えて700μm以下、さらに好ましくは300μmを越えて600μm以下、最も好ましくは400μmを越えて500μm以下のものである。さらに好ましくは吸水性樹脂中の微粉末(例えば149μm以下)の粒子は少ない方が好ましく、具体的には10重量%以下、さらには5重量%以下、特に3重量%以下であることが好ましい。このようにして得られた吸水性樹脂の粒子形状は、球状、破砕状、不定形状等特に限定されるものではないが、粉砕工程を経て得られた不定形破砕状のものが好ましく使用できる。
また、本発明に用いられる吸水性樹脂粒子(A)は好ましくは、必要に応じて、上記方法により得られた吸水性樹脂の表面近傍を特定の表面架橋剤を用いて架橋処理することによって得られる。本発明で好適に使用される表面架橋剤としては、吸水性樹脂中の官能基と反応しうる官能基を、少なくとも2個有する化合物を例示することが出来る。吸水性樹脂中の官能基は好ましくはアニオン性解離基であり、より好ましくはカルボキシル基である。
このような表面架橋剤としては例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレンジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化合物や、それらの無機塩ないし有機塩(例えば、アジチニウム塩等);2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物、および、その多価アミン付加物(例えばハーキュレス製カイメン;登録商標);γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノブロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤;亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物又は塩化物等の多価金属化合物等を挙げることができる。また、使用することのできる表面架橋剤は特開昭58−180233号公報、特開昭61−16903号公報、特開昭59−189103号公報、特開昭52−117393号公報、特開昭51−136588号公報、特開昭61−257235号公報、特開昭62−7745号公報、特開昭61−211305号公報、特開昭61−252212号公報、特開昭61−264006号公報、独国特許第4020780号公報、WO99/42494号公報、WO99/43720号公報、WO00/31153号公報、特開2000−197818号公報などにも例示される。これらの1種または複数を組み合わせて使用することができる。
また、これら表面架橋剤の使用量は、吸水性樹脂粒子100重量部に対して0.001〜10重量部程度であり、好ましくは0.01〜5重量部の範囲内である。10重量部を越える場合には、見合っただけの性能が出ずに不経済となるばかりか、残存する表面架橋剤の量が多くなるため好ましくない。さらに、表面架橋剤の使用量が0.001重量部未満の場合には、加圧下吸収倍率向上が不十分となるため好ましくない。
また、表面架橋剤の反応をより加速し吸収特性をより向上するために、無機酸、有機酸等を用いても良い。これらの無機酸、有機酸としては硫酸、リン酸、塩酸、クエン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリセリンリン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、フマル酸、プロヒオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、マロン酸、酪酸、イソ酪酸、イミジノ酢酸、リンゴ酸、イセチオン酸、シトラコン酸、アジピン酸、イタコン酸、クロトン酸、シュウ酸、サリチル酸、没食子酸、ソルビン酸、グルコン酸、p−トルエンスルホン酸等が例示される。これらの使用量は、吸水性樹脂のpH等によって異なるが、吸水性樹脂100重量部に対して、好ましくは0〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。
本発明において吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際には、溶媒として水を用いることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0を越え、20重量部以下が好ましく、0.5重量部〜10重量部の範囲内がより好ましく、0.5〜5重量部の範囲内がさらに好ましい。
また、吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際には、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒を用いてもよい。上記の親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アルコキシポリエチレングリコール等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類:ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、5重量部以下がさらに好ましい。
そして、吸水性樹脂に表面架橋剤を混合する際、例えば、上記の親水性有機溶媒中に吸水性樹脂を分散させた後、表面架橋剤を添加してもよいが、必要に応じて水および/または親水性有機溶媒に溶解あるいは分散させた表面架橋剤を、攪拌下に、吸水性樹脂に直接、噴霧若しくは滴下して添加する方法が好ましい。また、水を用いて混合する場合には、水に不溶な無機微粒子粉末や、界面活性剤等を共存させてもよい。用いられる界面活性剤や水に不溶な無機微粒子粉末は、米国特許第5164459号公報、欧州特許第827753号公報、欧州特許第349240号公報、欧州特許第761241号公報などに例示される。
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際に用いられる混合装置は、両者を均一かつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が好適である。
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合した後、その混合物は、加熱処理および/あるいは光照射処理をおこなわれることにより、吸水性樹脂の表面近傍が架橋され、好ましくは、AAPおよびFRUPおよびSFCが前記範囲とされる。本発明で加熱処理を行う場合、処理時間は、1分〜180分が好ましく、3分〜120分がより好ましく、5分〜100分がさらに好ましい。処理温度は60〜250℃の範囲が好ましく、100〜210℃の範囲がより好ましく、120〜200℃の範囲がさらに好ましい。加熱温度が60℃未満では、加熱処理に時間がかかり生産性の低下を引き起こすのみならず、均一な架橋が達成されず、目的とする吸水性樹脂粒子(A)が得られなくなるおそれがある。また処理温度が250℃を越えると、得られる吸水性樹脂がダメージを受け、吸水倍率に優れたものが得られにくいことがある。
上記の加熱処理は、通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができる。上記の乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。加熱処理にかえて本発明において光照射処理を行う場合には、紫外線を照射することが好ましく、また、光重合開始剤を使用することができる。
本発明に用いることのできる吸水性樹脂粒子(A)の含水率は特に限定されないが、好ましくは含水率は0重量%以上400重量%以下、より好ましくは0.01重量%以上40重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以上10重量%以下である。
また本発明に用いることのできる吸水性樹脂粒子(A)としては、重量平均粒径が1000μmを超えるようなものも使用できるが、通常重量平均粒径が10μm〜1000μm、好ましくは100μm〜800μm、より好ましくは150μmを越えて750μm以下、さらに好ましくは300μmを越えて650μm以下、最も好ましくは400μmを越えて600μm以下のものである。さらに好ましくは吸水性樹脂粒子(A)中の微粉末(例えば149μm以下)の粒子は少ない方が好ましく、具体的には10重量%以下、さらには5重量%以下、特に3重量%以下であることが好ましい。
また本発明に用いることのできる吸水性樹脂粒子(A)としては、嵩比重が0.4g/ml未満のものも使用できるが、好ましくは嵩比重が0.4g/ml以上であり、0.5g/ml以上であることがさらに好ましい(嵩比重の測定法はEP1029886に例示されている)。嵩比重が0.4g/ml以下の場合には、プロセスによるダメージを受けやすくなり、物性が低下するおそれがある。
こうして得られた吸水性樹脂粒子(A)は、好ましくは、上記のAAPやFRUP、SFC、平均粒径、嵩比重、水可溶分、構造、形状、含水率などを有するものであるが、その他の方法で本発明の吸水性樹脂粒子(A)を得てもよい。
−カチオン性高分子化合物(B)−
以下、次いで、吸水性樹脂粒子(A)と混合されるカチオン性高分子化合物(B)について説明する。
本発明において用いることのできるカチオン性高分子化合物(B)は、その水可溶度が100重量%〜10重量%であり、好ましくは100重量%〜20重量%であり、より好ましくは100重量%〜30重量%である。水可溶度が10重量%未満になってしまうと、本発明における吸水剤の特徴の1つである、膨潤した吸水剤集合体の保型性やBBSが低下してしまうおそれがあり、あるいはまた、この効果が長時間持続しなくなるおそれがある。なお、上記水可溶度とは後述の方法にて測定したものをいう。
本発明において吸水性樹脂粒子(A)と混合する場合は、カチオン性高分子化合物(B)は、その水可溶度が100重量%〜10重量%の範囲に架橋されていることが好ましい。より好ましくは100重量%〜20重量%の範囲であり、さらに好ましくは100重量%〜30重量%の範囲である。この場合、上記カチオン性高分子化合物(B)は、カチオン性高分子を架橋剤を用いて架橋して得られるものが好ましく、使用される架橋剤の量は、カチオン性高分子に対し0.01重量%〜10重量%の範囲(すなわち、カチオン性高分子100重量部に対し0.01重量部〜10重量部の範囲)が好ましいが、より好ましくは0.05重量%〜7.5重量%の範囲であり、さらに好ましくは0.1重量%〜5重重量%の範囲である。0.01重量%よりも少なくなると架橋の効果が得られず、また、10重量%よりも多くなるとカチオン性高分子化合物(B)の水可溶度が下がり過ぎてしまうおそれがある。
特に、使用されるカチオン性高分子化合物(B)がエチレンイミン単量体から得られる重合体(すなわち、エチレンイミン単量体を主成分(50重量%以上、好ましくは70重量%以上)とする単量体から得られる重合体)である場合には、水可溶度が70重量%〜10重量%の範囲であることが好ましく、50重量%〜10重量%の範囲であることがさらに好ましい。水可溶度が70%を超えると、十分に架橋されていないため、得られる吸水剤の性能が十分でなく、さらに、吸水後、時間の経過によって、吸水剤の吸水特性がうしなわれていく場合がある。水可溶度が10重量%よりも少なくなると、期待する効果が得られなくなるおそれがある。
AAPが20g/g以上であり、かつFRUPが800秒以下である吸水性樹脂粒子(A)と混合する場合、または、AAPが20g/g以上であり、かつ、SFCが20(10−7×cm×s×g−1)以上である吸水性樹脂粒子(A)と混合する場合、使用されるカチオン性高分子化合物(B)の水可溶度が10重量%よりも少なくなると、期待する効果が得られなくなるおそれがある。この場合、カチオン性高分子化合物(B)は、たとえば、カチオン性高分子を、架橋剤を用いて架橋することにより得られるものであることが好ましく、カチオン性高分子に対して0.01重量%〜10重量%の架橋剤により架橋されてなるカチオン性高分子化合物(B)であることがより好ましいが、必ずしも架橋している必要はない。
カチオン高分子化合物(B)の使用量は、吸水性樹脂粒子(A)100重量部に対し0.01〜10重量部の範囲である必要があり、好ましくは0.05〜5重量部の範囲であり、より好ましくは0.1〜3重量部の範囲である。吸水性樹脂粒子の粒径にもよるが、0.01重量部以下だと吸水性樹脂の改質が不十分である場合があり、10重量部を越える量では添加量に見合っただけの効果が得られない場合があり、また、経済的にも不利である。
上記の条件を満たすことで、本発明の吸水剤において、吸水性樹脂粒子(A)の内部への、カチオン性高分子化合物(B)の浸透を抑制することができ、それによって、吸水特性が失われたり、膨潤した吸水剤集合体の保型性やBBSが経時劣化したりすることを抑制できる。
カチオン性高分子化合物(B)は、たとえば、粉末、水溶液、ゲル状液、ゲル状固体もしくは、水とエタノールのような親水性有機溶媒との混合溶媒に溶解された形や、水とエタノールのような親水性有機溶媒との混合溶媒を含むゲルといった形で使用される。カチオン性高分子化合物(B)のどのような形で使用するかについては、特に限定されないが、好ましくは水溶液またはゲル状液で使用される。
カチオン性高分子化合物(B)は、特に水溶液で添加される場合、その濃度は特に限定されないが、好ましくは1重量%〜50重量%、より好ましくは2重量%〜30重量%である。
上記のカチオン性高分子化合物(B)としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基およびそれらの塩、および第4級アルキルアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましく使用される。この場合、アミノ基の塩とは、アミノ基窒素が無機酸あるいは有機酸で中和されるか、または、アミノ基窒素と求電子試薬との反応により得られたものである。中和に使用可能な無機酸としては、たとえば、炭酸;ホウ酸;塩酸、フッ化水素酸等の水素酸;硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸等のポリリン酸、トリポリリン酸、ウルトラリン酸(酸性メタリン酸)、過塩素酸等の酸素酸;上記酸素酸の塩;等をあげることができ、有機酸としては、たとえば、カルボン酸、スルフィン酸、スルホン酸、フェノール酸、エノール(カルボニル化合物の互変異性体)、メルカプタン、イミド(酸イミド)、オキシム、スルホンアミド等の、酸性の官能基を有する化合物が挙げられ、具体的には、たとえば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸グリコール酸、乳酸、トリクロロ乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、タルトロン酸、没食子酸等のオキシ酸;アスパラギン酸等のアミノ酸;p−トルエンスルホン酸、等を例示できる。求電子試薬として使用可能なものとしては、たとえば、ヨードメタン、ヨードエタン、2−ヨードプロパン、ベンジルヨージド、ブロモメタン、ブロモエタン、2−ブロモプロパン、ベンジルブロミド、クロロメタン、クロロエタン、2−クロロプロパン、ベンジルクロライド等のアルキルハライド;ジエチル硫酸、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸などをあげることができる。上記の無機酸、有機酸、求電子試薬はそれぞれ単独で使用されたり、2種以上併用されたりする。
カチオン性高分子化合物(B)の具体例としては、たとえば、ポリエチレンイミン、ポリアミン、エチレンイミンのグラフトにより変成された変性ポリアミドアミン、プロトン化ポリアミドアミン、ポリアミドアミンとエピクロルヒドリンの縮合物、アミン類とエピクロルヒドリンの縮合物、ポリ(ビニルベンジルジアルキルアンモニウム)、ポリ(ジアリルアルキルアンモニウム)、ポリ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルジアルキルアミン)、ポリエーテルアミン、ポリビニルアミン、変性ポリビニルアミン、ポリ(N−ビニルホルムアミド)の部分加水分解物、ポリ(N−ビニルアルキルアミド)の部分加水分解物、(N−ビニルホルムアミド)−(N−ビニルアルキルアミド)共重合体の部分加水分解物、ポリアルキルアミン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾリン、ポリビニルテトラヒドロピリジン、ポリジアルキルアミノアルキルビニルエーテル、ポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ポリアリルアミン、ポリアミジン、澱粉やセルロースのカチオン化物および、これらの塩もしくは求電子試薬との反応物などのカチオン性高分子電解質である。ここでいうポリアミジンとは、分子内にアミジン環を有する高分子のことであり、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルを共重合後、酸処理することにより得られたものがより好ましい。ポリアミジンの具体例としては、特許第2624089号に記載されている、アミジン構造を有するカチオン性高分子などが挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの中でも、ポリアミジンまたはその塩、ポリビニルアミンまたはその塩、ポリ(N−ビニルホルムアミド)の部分加水分解物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を含むカチオン性高分子化合物(B)が好適である。
本発明のカチオン性高分子化合物(B)は、好ましくは重量平均分子量が2000以上であり、より好ましくは数平均分子量が2000以上であり、さらに好ましくは重量平均分子量が5000以上、その上さらに好ましくは数平均分子量が5000以上であり、最も好ましくは重量平均分子量が10000以上である。重量平均分子量が2000未満であると期待する効果が得られなくなるおそれがある。なお、平均分子量の測定は、数平均分子量は粘度法によって測定し、重量平均分子量は平衡沈降法によって測定される。また、その他ゲルパーミエッションクロマトグラフィー、静的光散乱などによっても測定できる。
架橋されてなるカチオン高分子化合物(B)を得る方法としては、対応するカチオン性基を含有する単量体を重合する際に他の共重合性架橋剤と共重合して架橋重合体としたり、カチオン性高分子をその官能基(たとえばアミノ基)と反応しうる基を2個以上有する架橋剤で架橋するなど、従来公知の方法でカチオン性高分子に架橋構造を導入することができる。架橋剤としては、その官能基がアミノ基である場合には、たとえば、エポキシ基、ケトン基、アルデヒド基、アミド基、ハロゲン化アルキル基、イソシアネート基、カルボキシル基、酸無水物基、酸ハライド基、アミド結合部分、エステル結合部分、活性二重結合などを1分子あたり2個以上有する、従来一般に用いられている化合物を使用できる。このような架橋剤としては、たとえば、ビスエポキシ化合物、エピクロロヒドリン、ハロヒドリン類、ジブロモエチレンなどのジハロゲン化物、ホルマリン、グリオキサールのようなジアルデヒド化合物、(ポリ)エチレングリコール類のジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール類のジグリシジルエーテル、ネオペンチルアルコールなどのジアルコールのジグリシジルエーテル類、グリセロールのポリジグリシジルエーテル類、メチレンビスアクリルアミド、ジアクリレート化合物などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、本発明のカチオン性高分子化合物(B)はカチオン密度が2mmol/g以上であることが好ましく、4mmol/g以上であることがさらに好ましく、6mmol/g以上であることが最も好ましい。カチオン密度が2mmol/g未満であると、吸水性樹脂粒子とカチオン性高分子化合物(B)を混合して得られた吸水剤における、膨潤後の吸水剤集合体の保型性やBBSが十分でなくなるおそれがある。
−本発明の吸水剤の製法−
以上にようにして得られた吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)とを混合することで本発明の吸水剤を得ることができる。以下、本発明の吸水剤を得るための製法について説明する。
本発明の吸水剤の製法は、吸水性樹脂粒子(A)をカチオン性高分子化合物(B)と混合することにより行うことが可能である。この混合に際しては、必ずしも加熱を必要とせず、吸水性樹脂粒子(A)をカチオン性高分子化合物(B)を含む溶液(水溶液など)、または、カチオン性高分子化合物(B)を含むゲル状の液や固体、または、カチオン性高分子化合物(B)の粉末と混合する。
これにより、目的とする吸水剤が得られる。カチオン性高分子化合物(B)を含む溶液、または、カチオン性高分子化合物(B)を含むゲル状の液や固体を用いた場合には、混合により吸水性樹脂粒子(A)の表面にイオン結合層が形成される。カチオン性高分子化合物(B)の粉末を用いた場合には、混合時または混合後に水を加えることにより吸水性樹脂粒子(A)の表面にイオン結合層が形成される。水溶液、親水性有機溶媒溶液、または、ゲル状の液や固体など、水や水溶性有機溶媒を用いて混合した場合には、混合後、必要に応じて加熱などにより乾燥させてもよい。乾燥は通常30℃〜170℃の範囲で行われることが好ましく、50℃〜150℃の範囲がより好ましい。
本発明において吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)との混合には、種々の形態を取ることが可能であるが、吸水性樹脂粒子(A)に対して、カチオン性高分子化合物を含む溶液(水溶液など)、または、カチオン性高分子化合物(B)を含むゲル状の液の、液滴を混合したり、吸水性樹脂粒子(A)に対して各液を噴霧して混合したりすることで行われる。この混合には、たとえば、高速攪拌混合機、気流混合機、転動式混合機、混練機等の装置を利用できる。混合に際し、セルロース粉末等の有機粉末や微粒子シリカ等の無機粉末を共存させておくことも可能である。更に、得られた吸水剤は心要により乾燥しても良い。
本発明において吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)との混合は、吸水性樹脂の表面近傍を特定の表面架橋剤を用いて架橋処理する前、吸水性樹脂と表面架橋剤の混合と同時、吸水性樹脂と表面架橋剤の混合物を加熱処理している間、吸水性樹脂と表面架橋剤の混合物を加熱処理し吸水性樹脂粒子(A)が得られた後、吸水性樹脂と表面架橋剤の混合物を加熱処理し得られた吸水性樹脂粒子(A)を冷却した後、吸水性樹脂粒子(A)を篩などを用いて特定の粒径の範囲にする段階もしくはその前後などの、どの段階でも行うことができ、また、複数の段階で混合を行ってもよい。前記の混合する段階の中でも、吸水性樹脂と表面架橋剤の混合物を加熱処理し吸水性樹脂粒子(A)が得られた後、もしくは、吸水性樹脂と表面架橋剤の混合物を加熱処理し得られた吸水性樹脂粒子(A)を冷却した後に、カチオン性高分子化合物(B)との混合を行うのが好ましい。例えば、吸水性樹脂と表面架橋剤の混合物を加熱処理し得られた吸水性樹脂粒子(A)を冷却する工程で、カチオン性高分子化合物(B)との混合を行うことで、効率のよい製造プロセスとすることができ、また、冷却時の余熱を利用して、得られた吸水剤を乾燥することも可能である。
本発明において吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)との混合は、どのような温度下で行っても良いが、好ましくは5℃〜200℃の間で行われ、さらに好ましくは、25℃〜130℃の間で行われる。
本発明において吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)との混合時の、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)それぞれの温度は特に限定されないが、好ましくは5℃〜200℃の間であり、さらに好ましくは25℃〜130℃の間である。吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)のそれぞれの温度が異なっていてもよい。
本発明において吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)との混合時に、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)それぞれの温度が異なった場合は、冷却効果が得られることがある。例えば、60℃〜200℃の範囲にある吸水性樹脂粒子(A)と、0℃〜100℃の範囲にあるカチオン性高分子化合物(B)とを混合した場合には、混合によって得られた吸水剤を効率よく冷却することが可能である。
本発明において、必要に応じて、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)との混合前、中、後、どの段階においても、セルロース粉末等の有機粉末や、微粒子シリカ等の無機粉末や、酸化防止剤および/またはホウ素化合物、界面活性剤などを添加することができる。また、これらの添加方法は、そのものを直接添加したり、水溶液として添加したりする方法が挙げられるが、特に限定されない。これらの添加量は、吸水性樹脂粒子(A)に対して、好ましくは5重量%以下であり、さらに好ましくは1重量%以下である。
また、本発明において、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)とを混合した後に、さらに吸水性樹脂粒子(A)を混合することで吸水剤を得ても良い。さらに混合する吸水性樹脂粒子(A)は、初回に混合されるものと同じ諸物性を有するものでもよいし、そうでなくても良い。
また、本発明において、吸水性樹脂粒子(A)の特定の粒度範囲のものとカチオン性高分子化合物(B)とを混合した後に、さらに特定の粒度範囲の吸水性樹脂粒子(A)を混合することで吸水剤を得ても良い。このような手法では、例えば、吸水性樹脂粒子(A)の300μm未満の粒径のものとカチオン性高分子化合物(B)とを混合した後に、吸水性樹脂粒子(A)の300μm以上の粒径のものをさらに混合するという方法などが好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明において、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)とを混合した直後は、混合によって得られた吸水剤は粘着性を持ち、取り扱い性が悪いことが多い。これは特に、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)の水溶液とを混合した場合に顕著である。そのため、混合によって得られた吸水剤を乾燥することが好ましい。乾燥することによって、粘着性が低減し、取り扱い性が向上する。本発明における吸水剤の乾燥時間は通常30秒〜60分であり、好ましくは1分〜30分である。また、乾燥温度は特に限定されないが、好ましくは30℃〜170℃の間であり、さらに好ましくは50℃〜150℃の間である。
本発明において、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)とを混合することによって、吸水性樹脂粒子(A)を造粒し、それによって得られる吸水剤の重量平均粒径を、吸水性樹脂粒子(A)の平均粒径にくらべて大きくことができる。通常、重量平均粒径を30μm〜150μm大きくすることが可能である。同様に、149μm以下の粒径を有する粒子の割合を3重量%以下に低減することができる。これらいずれか、または、両方によって、粉体の取り扱いが容易になり、また、SFCなどで表される通液性も向上させることができる。
本発明において、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)とを混合することによって、得られる吸水剤のSFCを吸水性樹脂粒子(A)のSFCに比べて大きくすることができる。
本発明において、吸水剤の粒径は特に限定されないが、重量平均粒径300μm〜600μmの間が好ましい。さらに好ましくは吸水剤中の微粉末(例えば149μm以下)の粒子は少ない方が好ましく、具体的には5重量%以下、さらには3重量%以下、特に1重量%以下であることが好ましい。
この様にして得られた吸水剤には、必要に応じて、セルロース粉末等の有機粉末や、微粒子シリカ等の無機粉末や、酸化防止剤および/またはホウ素化合物、界面活性剤などを添加することができる。特に、微粒子シリカ等の無機粉末を添加することで、通液性を向上させることができる。これらの添加量は、吸水剤に対して、好ましくは5重量%以下であり、さらに好ましくは1重量%以下である。
また、本発明の吸水剤を二種類以上混合して吸水剤としても良い。
また、本発明の吸水剤を、塩酸などの強酸性水溶液中で攪拌することによって、混合された、カチオン性高分子化合物(B)を分離することができる。こうして分離されたカチオン性高分子化合物(B)は、核磁気共鳴分光法や赤外分光法やゲルパーミエッションクロマトグラフィー等の公知の分析方法で同定することが出来る。
本発明の吸水剤において、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)が実質的にイオン結合している場合において、これを示す一つの方法として、次の方法がある。すなわち、実質的にイオン結合している場合には、本発明の吸水剤を純水中で攪拌しても、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)をあまり分離することはできない。しかし、強酸性水溶液中で攪拌することによって、塩交換が起こり、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)のイオン結合が解離し、これらをほぼ分離することが可能である。通常、これらの操作は、室温下(20℃〜25℃)、相対湿度40%〜60%、液温20℃〜25℃、吸水剤の重量に対して200倍の重量の液量の中で攪拌され、攪拌時間は1時間、攪拌は穏やかに行われ、強酸水溶液は0.1Nの塩酸が用いられる。本発明の吸水剤は、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)が実質的にイオン結合していることが好ましいため、前述の方法で、純水中で本発明の吸水剤を攪拌した場合には、分離されるカチオン性高分子化合物(B)は、吸水剤に含まれるカチオン性高分子化合物(B)の50重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがさらに好ましい。前述の方法で、強酸水溶液中で本発明の吸水剤を攪拌した場合には、分離されるカチオン性高分子化合物(B)は、吸水剤に含まれるカチオン性高分子化合物(B)の50重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましい。
上記の製法で得られた本発明の吸水剤は例えば、吸水性樹脂粒子(A)100重量部とカチオン性高分子化合物(B)0.01重量部〜10重量部とを混合した吸水剤であって、前記カチオン性高分子化合物(B)は、カチオン性高分子に対し0.01重量%〜10重量%の架橋剤により架橋して得られるものであり、前記カチオン性高分子化合物(B)の水可溶度が、エチレンイミン単量体から得られるカチオン性高分子化合物(B)の場合は70重量%〜10重量%、その他のカチオン性高分子化合物(B)の場合は100重量%〜10重量%である、吸水剤である。
また、上記の方法で得られた本発明の吸水剤は、例えば、吸水性樹脂粒子(A)100重量部とカチオン性高分子化合物(B)0.01重量部〜10重量部とを混合した吸水剤であって、前記吸水性樹脂粒子(A)は、4.9kPaでの加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g以上であり、かつ、加圧下のゲル層の通液速度(FRUP)が800秒以下であり、前記カチオン性高分子化合物(B)は、水可溶度が100重量%〜10重量%である、吸水剤である。
また、上記の製法で得られた本発明の吸水剤は、例えば、吸水性樹脂粒子(A)100重量部とカチオン性高分子化合物(B)0.01重量部〜10重量部とを混合した吸水剤であって、前記吸水性樹脂粒子(A)は、4.9kPaでの加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g以上であり、かつ、生理食塩水流れ誘導性(SFC)が20(10−7×cm×s×g−1)以上であり、前記カチオン性高分子化合物(B)は、水可溶度が100重量%〜10重量%である、吸水剤である。
また、上記の製法で得られたこれらの本発明の吸水剤は、好ましくは、後述の0.5hrPT、16hrPT、ΔPT、BBS、16hrBBS、DBBS、GV、AAP、SFCの値を有するものである。
また、本発明の吸水剤は、以下に記載の吸水特性を有する吸水剤でもある。
−本発明の吸水剤の吸水特性−
上記して得られた本発明の吸水剤は、従来にない優れた吸水特性を示す新規な吸水剤である。
すなわち、本発明の吸水剤は16hrPTおよび/または0.5hrPTが12.5cm以下であることが好ましく、11.0cm以下であることがより好ましく、9.0cm以下であることがさらに好ましい。12.5cm以下であると、膨潤後の吸水剤集合体の保型性がより優れており、また、16hrPTが12.5cm以下であると、その効果が吸水後、より長時間持続する。また、紙おむつなどの吸水体の一部として使用された場合(吸水体の幅は一般的に11cm〜13cmであることが多い)、16hrPTおよび/または0.5hrPTが12.5cm以下であると、吸水体中の膨潤した吸水剤が体重などの加圧によって、押しつぶされたり、偏ったりしないため、吸水体の性能が著しく向上する。
本発明の吸水剤はΔPTが3.5cm以下であることが好ましく、2.0cm以下であることがより好ましい。ΔPTの値は後述の計算式から得られたものである。ΔPTが3.5cmを超えると、膨潤後の吸水剤集合体の保型性の経時劣化が大きすぎるため、吸水体などに長時間使用された場合に、著しい性能低下が起こってしまう場合がある。ΔPTが3.5cm以下の場合、通常、長時間十分な保型性を維持することができ、吸水体などに使用された場合、吸水体の性能が著しく向上する。
本発明の吸水剤はBBSおよび/または16hrBBSが80gf以上であることが好ましく、95gf以上であることがさらに好ましい。これらの値は、膨潤後の吸水剤によって形成されるゲル層の破裂強度を表している。BBS、および/または、16hrBBSが80gf未満になると急激にゲル層の強度が低下するため、吸水体中の膨潤した吸水剤が十分にその形状を保てず、吸水体が分裂したりするため、吸水体の性能が著しく低下する場合がある。BBS、および/または、16hrBBSが80gf以上の場合、通常、十分なゲル層の破裂強度を得ることができ、吸水体などに使用された場合、吸水体の性能が著しく向上する。また、特に16hrBBSが80gf以上の場合、長時間十分なゲル層の破裂強度を維持することができる。
本発明の吸水剤はDBBSが40%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。DBBSが40%を超えると、膨潤後の吸水剤によって形成されるゲル層の破裂強度の経時劣化が大きすぎるため、吸水体などに長時間使用された場合に、著しい性能低下が起こってしまう場合がある。DBBSが40%以下の場合、通常、長時間十分なゲル層の破裂強度を維持することができ、吸水体などに使用された場合、吸水体の性能が著しく向上する。
より優れた吸水体を得るために、吸水剤のGVは23g/g以上であることが好ましく、25g/g以上であることがより好ましく、28g/g以上であることがさらに好ましく、31g/g以上であることがその上さらに好ましく、35g/g以上であることが最も好ましい。これは、吸水体の吸水量を確保するためである。
また、吸水体に体重による圧がかかった時、吸水体に吸収された尿がおむつの表面に戻り出てくるといった現象をより著しく減少させるため、吸水剤のAAPは20g/g以上であることが好ましく、21.5g/g以上であることがより好ましく、23g/g以上であることがさらに好ましく、24.5g/g以上であることがその上さらに好ましく、26g/g以上であることが最も好ましい。
本発明の吸水剤のSFCは25(10−7×cm×s×g−1)以上が好ましく、35(10−7×cm×s×g−1)以上がより好ましく、50(10−7×cm×s×g−1)以上がさらに好ましく、100(10−7×cm×s×g−1)以上がもっとも好ましい。SFCを25(10−7×cm×s×g−1)以上とすることで、本発明の吸水剤を紙おむつの吸水体の一部に使用した場合の、通液性を良好にし、吸水体に液を十分に行き渡らせ、吸水量を増大させ、液の漏れを防止するという効果が著しく向上する。
また、本発明の吸水剤の形状はシート状やゲル状、繊維状、など広く用いることができるが、好ましくは、粒子状であり、前記吸水樹脂と同様の平均粒径や粒度、水可溶分、含水率を示すものである。
また、上述のように、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)は、実質的にイオン結合している、もしくは、吸水時に実質的にイオン結合を形成することが好ましい。
本発明の吸水剤は、上記のように、
1. 好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、AAPが20g/g以上であり、かつ16hrPTが12.5cm以下である吸水剤である。
2. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、AAPが20g/g以上であり、かつ16hrBBSが80gf以上である吸水剤である。
3. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、16hrPTが12.5cm以下であり、かつΔPTが3.5cm以下である吸水剤である。
4. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、0.5hrPTが12.5cm以下であり、かつΔPTが3.5cm以下である吸水剤である。
5. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、16hrBBSが80gf以上であり、かつΔPTが3.5cm以下である吸水剤である。
6. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、BBSが80gf以上であり、かつΔPTが3.5cm以下である吸水剤である。
7. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、16hrPTが12.5cm以下であり、かつDBBSが40%以下である吸水剤である。
8. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、0.5hrPTが12.5cm以下であり、かつDBBSが40%以下である吸水剤である。
9. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、16hrBBSが80gf以上であり、かつDBBSが40%以下である吸水剤である。
10. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、BBSが80gf以上であり、かつDBBSが40%以下である吸水剤である。
11. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、SFCが50(10−7×cm×s×g−1)以上であり、かつ16hrBBSが80gf以上である吸水剤である。
12. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、SFCが50(10−7×cm×s×g−1)以上であり、かつBBSが80gf以上である吸水剤である。
13. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、SFCが50(10−7×cm×s×g−1)以上であり、かつ16hrPTが12.5cm以下である吸水剤である。
14. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、SFCが50(10−7×cm×s×g−1)以上であり、かつ0.5hrPTが12.5cm以下である吸水剤である。
15. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、AAPが20g/g以上であり、かつ16hrPTが12.5cm以下または16hrBBSが80gf以上である吸水剤である。
16. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、16hrPTまたは0.5hrPTが12.5cm以下であり、かつΔPTが3.5cm以下である吸水剤である。
17. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、16hrBBSまたはBBSが80gf以上であり、かつΔPTが3.5cm以下である吸水剤である。
18. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、16hrPTが12.5cm以下または0.5hrPTが12.5cm以下または16hrBBSが80gf以上またはBBSが80gf以上であり、かつΔPTが3.5cm以下である吸水剤である。
19. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、DBBSが40%以下であり、かつ、16hrPTまたは0.5hrPTが12.5cm以下である吸水剤である。
20. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、DBBSが40%以下であり、かつ、16hrBBSまたはBBSが80gf以上である吸水剤である。
21. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、DBBSが40%以下であり、かつ、16hrPTが12.5cm以下または0.5hrPTが12.5cm以下または16hrBBSが80gf以上またはBBSが80gf以上である吸水剤である。
22. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、SFCが50(10−7×cm×s×g−1)以上であり、かつ、16hrPTまたは0.5hrPTが12.5cm以下である吸水剤である。
23. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、SFCが50(10−7×cm×s×g−1)以上であり、かつ、16hrBBSまたはBBSが80gf以上である吸水剤である。
24. また、好ましくは、GVが23g/g以上であり、かつ、SFCが50(10−7×cm×s×g−1)以上であり、かつ、16hrPTが12.5cm以下または0.5hrPTが12.5cm以下または16hrBBSが80gf以上またはBBSが80gf以上である吸水剤である。
25. また、好ましくは、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)を含み、前記カチオン性高分子化合物(B)が前記吸水性樹脂粒子(A)と実質的にイオン結合してなる吸水剤において、GVが23g/g以上、AAPが20g/g以上、SFCが50(10−7×cm×s×g−1)以上である吸水剤である。
上記の3〜24に記載の吸水剤において、より好ましくはさらにAAPが20g/g以上、さらには上述のAAPを有する吸水剤である。
上記の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、16、17、18、19、20、21に記載の吸水剤において、より好ましくはさらにSFCが25(10−7×cm×s×g−1)以上、さらには、上述のSFCを有する吸水剤である。
上記の2、4、5、6、8、9、10、11、12、14、17、20、23、25に記載の吸水剤において、より好ましくはさらに16hrPTが12.5cm以下、さらには、上述の16hrPTを有する吸水剤である。
上記の1、2、3、5、6、7、9、10、11、12、13、15、17、20、23、25に記載の吸水剤において、より好ましくはさらに0.5hrPTが12.5cm以下、さらには、上述の0.5hrPTを有する吸水剤である。
上記の1、2、7、8、9、10、11、12、13、14、15、19、20、21、22、23、24、25に記載の吸水剤において、より好ましくはさらにΔPTが3.5cm以下、さらには、上述のΔPTを有する吸水剤である。
上記の1、3、4、6、7、8、10、12、13、14、16、19、22、25に記載の吸水剤において、より好ましくはさらに16hrBBSが80gf以上、さらには、上述の16hrBBSを有する吸水剤である。
上記の1、2、3、4、5、7、8、9、11、12、13、14、15、16、19、22、23、24、25に記載の吸水剤において、より好ましくはさらにBBSが80gf以上、さらには、上述のBBSを有する吸水剤である。
上記の1、2、3、4、5、6、7、11、12、13、14、15、16、17、22、23、24、25に記載の吸水剤において、より好ましくはさらにDBBSが80gf以上、さらには、上述のDBBSを有する吸水剤である。
上記の1〜24に記載の吸水剤において、より好ましくは、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)を含み、前記カチオン性高分子化合物(B)が前記吸水性樹脂粒子(A)と実質的にイオン結合してなる吸水剤である。
これら上記のより好ましいAAP、SFC、16hrPT、0.5hrPT、ΔPT、BBS、16hrBBS、DBBSなどの範囲は一つ、さらに好ましくは二つ以上の組み合わせでそれぞれの吸水剤に適用される。
上記の中でも、より好ましいのは、1、2、4、10、12、14、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25に記載の吸水剤であり、さらに好ましいのは、1、2、4、10、25に記載の吸水剤である。
例えば、上記の1に記載の吸水剤は、十分なGVを有し、かつ、AAPに優れ、かつ、吸水後、長時間が経過してもその膨潤した吸水剤集合体の保型性が維持されているため、吸水体に使用された場合、著しい性能向上をもたらす。
また、例えば、上記の2に記載の吸水剤は、十分なGVを有し、かつ、AAPに優れ、かつ、吸水後、長時間が経過してもそのBBSが維持されているため、吸水体に使用された場合、著しい性能向上をもたらす。
また、例えば、上記の4に記載の吸水剤は、十分なGVを有し、かつ、吸水後、膨潤した吸水剤集合体の保型性に優れており、かつ、その膨潤した吸水剤集合体の保型性が経時的に劣化しないため、吸水体に使用された場合、著しい性能向上をもたらす。
また、例えば、上記の10に記載の吸水剤は、十分なGVを有し、かつ、吸水後、BBSに優れており、かつ、そのBBSが経時的に劣化しないため、吸水体に使用された場合、著しい性能向上をもたらす。
また、例えば、上記の25に記載の吸水剤は、吸水性樹脂粒子(A)とカチオン性高分子化合物(B)を含み、前記カチオン性高分子化合物(B)が前記吸水性樹脂粒子(A)と実質的にイオン結合してなる吸水剤の中でも、特に優れたSFCを有し、十分なGVを有し、かつ、AAPに優れているため、吸水体に使用された場合、著しい性能向上をもたらす。
このように、例えば、上記の1〜25に記載の吸水剤は、従来にない優れた吸水性能を示す新規な吸水剤である。
これらは、例えば、上記の吸水剤の製法を用いて製造することが可能である。また、形状はシート状や、フィルム状や、繊維状のものなど特に限定されないが、好ましくは前記の、粒径の範囲の、粒子状のものである。
本発明の吸水剤は、吸水体に使用した際に優れた吸水特性を有する。つまり、吸水体に体重による圧がかかった時、吸水体に吸収された尿がおむつの表面に戻り出てくるといった現象が著しく改善されている。また、本発明の吸水剤を単独で吸水体として使用した場合や、セルロース繊維等の素材と複合して使用した場合に、移動や脱落が起こりにくくなっており、その効果が吸水後も長時間持続する。また、膨潤後の吸水剤集合体の保型性やBBSにも優れており、この効果が長時間持続する。この膨潤後の吸水剤集合体の保型性やBBSが優れていることにより、吸水剤を吸水体の一部として使用した場合、実使用時に、吸水体中での、膨潤後の吸水剤の移動が起こりにくくなり、吸水体としての性能を十分に発揮することが出来る。
−本発明の吸水体の製法および吸水特性−
上記方法により得られた吸水剤は、適当な素材と組み合わせることにより、たとえば、衛生材料の吸収層として好適な吸水体とすることができる。以下、本発明の吸水体について説明する。
本発明の吸水体とは血液や体液、尿などを吸収する、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、医療用パッド等の衛生材料に用いられる、吸水性樹脂または吸水剤、とその他の素材からなる成形された組成物のことであり、用いられる素材の例としては、たとえば、セルロース繊維が挙げられる。セルロース繊維の具体例としては、木材からのメカニカルパルプ、ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、溶解パルプ等の木材パルプ繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維等を例示できる。好ましいセルロース繊維は木材パルプ繊維である。これらセルロース繊維はナイロン、ポリエステル等の合成繊維を一部含有していてもよい。本発明の吸水剤を吸水体の一部として使用する際には、吸水体中に含まれる本発明の吸水剤の重量が、好ましくは30重量%以上であり、より好ましくは50重量%以上であり、さらに好ましくは70重量%以上である。吸水体中に含まれる本発明の吸水剤の重量が、30重量%未満になると、十分な効果が得られなくなるおそれがある。
上記方法により得られた吸水剤とセルロース繊維から吸水体を得るには、たとえば、セルロース繊維からなる紙やマットに吸水剤を散布し、必要によりこれらで挟持する方法、セルロース繊維と吸水剤を均一にブレンドする方法、など吸水体を得るための公知の手段を適宜選択できる。好ましくは、吸水剤とセルロース繊維を乾式混含した後、圧縮する方法である。この方法により、セルロース繊維からの吸水剤の脱落を著しく抑えることが可能である。圧縮は加熱下に行うことが好ましく、その温度範囲は、たとえば50〜200℃である。また、吸水体を得るために、特表平9−509591号や特開平9−290000号に記載されている方法も好ましく用いられる。
この発明の製法により得られた吸水剤は、水を吸収して膨潤した後もセルロース繊維等の複合する相手の素材からの脱落が少なく、しかも、膨潤した吸水剤集合体の保型性やBBSが優れており、吸水特性に優れているため種々の用途の吸水保水剤として使用できる。この吸水保水剤としては下記のものを挙げることができる。
(1)吸収物品用吸水保水剤
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、医療用パッド等。
(2)農園芸用保水剤
水海苔代替、土壌改質改良剤、保水剤、農薬効力持続剤等。
(3)建築用保水剤
内装壁剤用結露防止材、セメント添加剤等
(4)その他
リリースコントロール剤、保冷剤、使い捨てカイロ、汚泥凝固剤、食品用鮮度保持剤、イオン交換カラム材料、スラッジまたはオイルの脱水剤、乾燥剤、湿度調整材料等。
また、本発明の吸水体は、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、医療用パッド等の衛生材料に用いられる場合、(a)着用者の体に隣接して配置される液体透過性のトップシート、(b)着用者の身体から遠くに、着用者の衣類に隣接して配置される、液体に対して不透過性のバックシート、および、(c)トップシートとバックシートの間に配置された吸水体を含んでなる構成で使用されることが好ましい。吸水体は二層以上であっても良いし、パルプ層などとともに用いてもよい。
より好ましい構成では、吸水体中の吸水剤は、坪量が60g/m〜1500g/mであるのが好ましく、より好ましくは、100g/m〜1000g/m、さらに好ましくは、150g/m〜500g/mである。
また、本発明では、さらに消毒剤、消臭剤、抗菌剤、香料、各種の無機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等を添加し、これにより、本発明の吸水剤に種々の機能を付与させることもできる。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。以下では、単なる「%」は「重量%」を、「部」は「重量部」をそれぞれ意味する。尚、吸水性樹脂粒子、カチオン性高分子化合物、吸水剤(吸水性樹脂粒子とカチオン性高分子化合物とを混合して得られたもの)、の諸性能は、以下の方法で測定した。以下の測定は、特に記載がない限り、室温(20℃〜25℃)、相対湿度40〜60%の下で行われ、用いる装置および液の温度は20℃〜25℃とする。
(a)自由膨潤倍率(GV)
吸水剤0.2gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、大過剰の(通常500ml)0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。60分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いてedana ABSORBENCY II 441.1−99に記載の遠心力で3分間水切りを行った後、袋の重量W1(g)を測定した。また、同様の操作を吸水剤を用いないで行い、そのときの重量W0(g)を測定した。そして、W1よりW0を差し引いた値を吸水剤の重量(g)で除して、その値から、最初の吸水剤の重量(1g/g)を引いて、自由膨潤倍率(GV)(g/g)を算出した。
(b)4.9kPaでの加圧下吸収倍率(AAP)
ステンレス400メッシュの金網(目の大きさ38μm)を底に融着させた、内径60mmのプラスチックの支時円筒の底の網上に、吸水剤または吸水性樹脂粒子0.9gを均一に散布し、その上に吸水剤・吸水性樹脂粒子に対して、50g/cm(4.9kPa)の荷重を均一に加えることができるように調整された、外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒との壁面に隙間が生じず、かつ上下の動きは妨げられないピストンと荷重をこの順に載置し、この測定装置一式の重量を測定した(Wa)。直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mmのガラスフィルターを置き、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)をガラスフィルターの表面と同レベルになるように加える。その上に直径90mmの濾紙を載せ表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除く。上記測定装置一式を前記湿った濾紙上にのせ、液を荷重下で吸収させる。1時間後測定装置一式を持ち上げ、その重量を再測定する(Wb)。WbよりWaを差し引いた値を吸水剤・吸水性樹脂粒子の重量(0.9g)で除して4.9kPaでの加圧下の吸収倍率(g/g)を求めた。本発明において、4.9kPaでの加圧下吸収倍率はAAPと略される。
(c)水可溶度
0.01gのカチオン性高分子化合物を1000mlのビーカーに量りとり、そこに500mlの0.1mol/l塩酸を加える。1時間攪拌後、濾紙によってろ過し、ろ過液を50mlビーカーに20mlとる。そのビーカーに指示薬として、トルイジンブルー指示薬溶液(和光純薬工業株式会社製)を数滴加える。1/400(mol/l)のポリビニル硫酸カリウム標準溶液(和光純薬工業株式会社製)を徐々に加えていき、溶液の色が青から紫に変わった所を終点とする。カチオン性高分子化合物の理論アミン価をNc(eq/g)、溶出したカチオン性高分子化合物の重量をWc(g)、滴定の終点までのポリビニル硫酸カリウム標準溶液の滴下量をV(ml)とすると、Wcは以下の式で表される。
Wc(g)=(1/Nc)×(1/400)×V×500/(20×1000)
水可溶度(重量%)は以下の式で表される。
水可溶度(重量%)=Wc/0.01×100
(d)加圧時ゲル変形(16hr Pressure Test)
以下に記載する操作は、室温下(20℃〜25℃)、および、相対湿度40〜60%の室内で行われる。図2に示すような、直径6.0cm、ふちの高さ1.3cmのポリプロピレン製の円皿形(シャーレ状)の容器1に、吸水剤1.5gを均一に散布する。その容器に0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)30gを30秒で、上から注ぎ込み吸水剤を膨潤させる。生理食塩水を注ぎ込んでから、30秒以内に、直径7.3cm、重さ10.5gのポリプロピレン製の円形の蓋3を、吸水剤および生理食塩水の入った円皿形の容器1を完全に覆うように載せ、その上にさらに459gの重り4を載せる。
この状態で室温下、30分間静置した後、容器を逆さにして、膨潤した吸水剤の集合体2(約31.5gの膨潤ゲル集合体)を容器内での形状を実質保ったまま、容器より取り出す。次いで、図3に示すように、この膨潤した吸水剤の集合体2(通常、直径約6〜8cm前後/高さ1〜1.5cm前後の円柱状の膨潤ゲル集合体)を容器内での形状を実質保ったまま、縦17cm×横12cm×厚み0.004cmのチャック付きポリ袋5(ユニパックF−4、株式会社生産日本社製)の中央に位置するように入れ、チャックを約9割程度閉めて、平面上で室温下16時間静置する。
静置後、図4に示すように、膨潤した吸水剤の集合体の入ったポリ袋5の上から、底面の面積が70.8cm2、重さ3485gの円柱形の重り6を、膨潤吸水剤の集合体2の中心と、円柱形の重り6の中心が、上部から見た時にちょうど重なるように載せ、1分間、重り6の重量によって加圧する。1分後、重りを取り除き、加圧で変形したゲルをさらに30秒間静置する。30秒静置後、図5に示すように、変形した膨潤吸水剤の集合体7の、任意の端から任意の端までの直線距離8が最も長くなるような、2点間の直線距離を測定し、その長さを加圧時ゲル変形(16hrPT)とする。加圧時ゲル変形の単位はcmで表される。また、加圧時ゲル変形は16hrPTと略される。
(e)加圧下のゲル層の通液速度(FRUP)
コック付きガラスカラムK(「バイオカラムCF−30K」(株)井内盛栄堂カタログコード22−635−07、下部フィルター#G2、内径1インチ、長さ400mm)に、吸水性樹脂粒子0・5gを充填し、過剰の生理食塩水を用い、吸水性樹脂粒子を平衡膨潤させた(約30分から1時間)。次いで、図1に示したように、膨潤した吸水性樹脂粒子Aが充分沈降したのち、上部に重りBを載置可能な円形板Cおよび下部にガラスフィルター付加圧板Iを設けた加圧棒D(該加圧板Iは、厚さ10mmで直径約1インチの大ききを有し、最下部にガラスフィルター(#G0)を備え、その上部の円盤は直径1mmの孔が約2mm間隔で84個開孔した構造を有する。該ガラスフィルター付加圧板IはガラスカラムK内部を自由に上下可能で、生理食塩水が加圧板I上部よりガラスフィルターHを経て通過可能な構造となっている。)を膨潤した吸水性樹脂粒子Aの上部に空気を抜きながら載置し、さらに重りBを図1のように載置して、膨潤した吸水性樹脂粒子Aに24.5g/cm(2.4kPa)の荷重を均一にかけた。図1のように液面を液高200mmのところに合わせてコックを開き、生理食塩水Jが図1に示す2本の標準線L(液高150mmの液面)とM(液高100mmの液面)との間(実測により液量25m1)を通過する時間を測定し、3回の平均値をとって加圧下のゲル層の通液速度(FRUP)(秒)とした。なお、本装置を使用して、吸水性樹脂粒子のない状態で測定した値は10秒であった。本発明において、加圧下のゲル層の通液速度はFRUPと略される。
(f)平均粒径および粒度
JIS標準篩(850μm、600μm、300μm、150μm、45μm)で分級することで粒度分布を求めて、対数正規確率紙にプロットすることで、重量平均粒径D50を求めた。
(g)可溶分量
吸水性樹脂、または、吸水性樹脂粒子0.5gを1000mlのイオン交換水中に分散させ、16時間攪拌した後、膨潤ゲルを濾紙で濾過した。そして、得られた濾液中の水溶性高分子、すなわち、吸水性樹脂粉末から溶出した可溶分量(重量%、対吸水性樹脂粒子)を、トルイジンブルー指示薬溶液(和光純薬工業株式会社製)を指示薬とし、所定量の(通常10ml)0.005mmol/lメチルグリコールキトサンを1/400(mol/l)のポリビニル硫酸カリウム標準溶液(和光純薬工業株式会社製)を用いて滴定する、コロイド滴定により測定した。
(h)含水率
吸水性樹脂、または、吸水性樹脂粒子1.0gをアルミカップに載せ、180℃の無風オーブンで3時間乾燥し、その乾燥減量に基き含水率を求めた。
(i)カチオン密度
0.01gのカチオン性高分子化合物を1000mlのビーカーに量りとり、そこに500mlの0.1mol/l塩酸を加える。10分間攪拌後、この溶液を、50mlビーカーに20mlとる。そのビーカーに指示薬として、トルイジンブルー指示薬溶液(和光純薬工業株式会社製)を数滴加える。1/400(mol/l)のポリビニル硫酸カリウム標準溶液(和光純薬工業株式会社製)を徐々に加えていき、溶液の色が青から紫に変わった所を終点とする。滴定の終点までのポリビニル硫酸カリウム標準溶液の滴下量をV(ml)とすると、カチオン密度は以下の式で表される。
カチオン密度(mmol/g)
=(V×(1/400))/(0.01×(20/500))
(j)生理食塩水流れ誘導性(SFC)試験(特表平9−509591参照)
特表平9−509591の生理食塩水流れ誘導性(SFC)試験に準じて行った。
図7に示す装置を用い、容器40に均一に入れた吸水剤(0.900g)を人工尿(1)中で0.3psi(2.07kPa)の加圧下、60分間膨潤させ、ゲル44のゲル層の高さを記録し、次に0.3psi(2.07kPa)の加圧下、0.69重量%塩化ナトリウム水溶液33を、一定の静水圧でタンク31から膨潤したゲル層を通液させた。このSFC試験は室温(20〜25℃)で行った。コンピューターと天秤を用い、時間の関数として20秒間隔でゲル層を通過する液体量を10分間記録した。膨潤したゲル44(の主に粒子間)を通過する流速FS(t)は増加重量(g)を増加時間(s)で割ることによりg/sの単位で決定した。一定の静水圧と安定した流速が得られた時間をtSとし、tSと10分間の間に得たデータだけを流速計算に使用して、tSと10分間の間に得た流速を使用してFS(t=0)の値、つまりゲル層を通る最初の流速を計算した。FS(t=0)はFS(t)対時間の最小2乗法の結果をt=0に外挿することにより計算した。
生理食塩水流れ誘導性=(FS(t=0)×L)/(ρ×A×ΔP)
=(FS(t=0)×L)/139506
ここで、
S(t=0):g/sで表した流速
:cmで表したゲル層の高さ
ρ:NaCl溶液の密度(1.003g/cm
A:セル41中のゲル層上側の面積(28.27cm
ΔP:ゲル層にかかる静水圧(4920dyne/cm
およびSFC値の単位は(10−7×cm×s×g−1)である。
図7に示す装置としては、タンク31には、ガラス管32が挿入されており、ガラス管32の下端は、0.69重量%塩化ナトリウム水溶液33をセル41中の膨潤ゲル44の底部から、5cm上の高さに維持できるように配置した。タンク31中の0.69重量%塩化ナトリウム水溶液33は、コック付きL字管34を通じてセル41へ供給された。セル41の下には、通過した液を補集する容器48が配置されており、補集容器48は上皿天秤49の上に設置されていた。セル41の内径は6cmであり、下部の底面にはNo.400ステンレス製金網(目開き38μm)42が設置されていた。ピストン46の下部には液が通過するのに十分な穴47があり、底部には吸水剤あるいはその膨潤ゲルが、穴47へ入り込まないように透過性の良いガラスフィルター45が取り付けてあった。セル41は、セルを乗せるための台の上に置かれ、セルと接する台の面は、液の透過を妨げないステンレス製の金網43の上に設置した。
人工尿(1)は、塩化カルシウムの2水和物0.25g、塩化カリウム2.0g、塩化マグネシウムの6水和物0.50g、硫酸ナトリウム2.0g、りん酸2水素アンモニウム0.85g、りん酸水素2アンモニウム0.15g、および、純水994.25gを加えたものを用いた。
(k)ボール破裂強度(BBS)試験(特表平9−509591参照)
特表平9−509591号に記載のボール破裂強度(BBS)試験の測定法に準じて測定を行った。
この試験は、濡れた(膨潤した)状態における吸水剤のボール破裂強度(BBS)を測定する。吸水剤のBBSは、この試験方法に規定する手順で人工尿(1)中で膨潤させた吸水剤ゲル層を破裂させるのに必要な力(ピーク負荷、グラムで表示)である。吸水剤のBBSは、人工尿(1)中で膨潤させた吸水剤の湿潤一体性の評価に使用される。
(k−1)試料調製装置
BBS測定に好適な試料調製装置を図8に示す。この装置は、吸水剤層260を収容するのに使用される内側シリンダー270、テフロン(登録商標)製平底トレー240、内側シリンダーカバープレート220、およびステンレスの重り210を含んでなる。内側シリンダー270は透明なLEXANの棒(または同等品、例えばアクリル樹脂棒)からくり抜いたもので、内径6.00cm(=28.27cm)、壁厚約0.5cm、および高さ約1.50cmを有する。外側シリンダー230は透明なLEXANの棒(または同等品、例えばアクリル樹脂棒)からくり抜いたもので、内側シリンダーの外径より僅かに大きい内径を有するので、内側シリンダー270は外側シリンダー230の中にちょうど入り、自由にスライドできる。外側シリンダー230の壁厚は約0.5cm、高さは約1.00cmである。外側シリンダー230の底部は、取り付ける前に二軸方向に張り詰めた、No.400メッシュ(目開き38μm)のステンレス鋼スクリーン250に面している。内側シリンダーのカバープレート220は、厚さ0.8cm、重量500gを有するガラス板からなる。ステンレスの重り210は重量が1700gである。
(k−2)破裂試験機
この試験には、破裂試験荷重セルを備えた引張試験機(Intelevt−II−STD Tensile Tester、Thwing Tester、Thwing−Albert Instrument Co.,Pennsylvania製)を使用した。
図9に関して、この装置は、二重ねじ計器の上部に備えた固定クロスヘッド310の上に取り付けた円形の下側試料クランププラテン280、研磨したステンレス鋼製のボール形状プローブ290を備えた力感知荷重セル330、可動クロスヘッド320、および試料260を空気圧により固定する上側クランププラテン300を含んでなる。下側クランププラテン280は固定クロスヘッド310の上に取り付けてある。力感知負荷セル330はプローブ290を備えている。下側クランププラテン280および上側クランププラテン300の両方共、直径115mm、厚さ2.9mm、および直径18.65mmの円形開口部を有する。研磨したステンレス鋼製のボール形状プローブ290は直径が15.84mmである。可動クロスヘッド320は上昇してプローブ290を試料に接触させ、貫通させる。プローブ290が試料260を貫通した時、試験は完了したと考えられ、試験データが表示され、記録される。
(k−3)手順
図8に関して、内側シリンダー270を外側シリンダー230の中に挿入した。吸水剤の1.4gアリコートを内側シリンダー270に加え、組み立てたシリンダーを穏やかに振る、および/または、軽く叩くことにより、底部の400メッシュ(目開き38μm)ステンレススクリーン250の上に一様に分散させた。組み立てた、吸水剤を含むシリンダーをテフロン(登録商標)製平底トレー240に移し、内側シリンダーカバープレート220を内側シリンダー270の上に置いた。人工尿(1)42.0ミリリットルをテフロン(登録商標)製平底トレー240に加えた。人工尿(1)は平底トレー240からステンレススクリーン250を通過した。加えた人工尿(1)はすべて吸水剤260に5分間以内で吸収された。次いで、ステンレスの重り210を内側シリンダーカバープレート220の上に置いた。さらに25分後、ステンレスの重り210および内側シリンダーカバープレート220を除去した。これで、BBS測定用の膨潤した吸水剤の予め決められた層260が調製された。吸水剤ゲル層260を含む内側シリンダー270を直ちにBBS試験用の破裂試験装置に移した。
図9に関して、吸水剤ゲル層260を含む内側シリンダー270を下側クランププラテン280の上に置き、空気圧により上側クランププラテン300で固定した。破壊感度10.00gおよび試験速度5.00インチ/分で、試験スイッチを押して試験を開始した。可動クロスヘッド320が上昇し、研磨されたステンレス鋼製のボール形状プローブ290が吸水剤ゲル層260を貫通した。試料の破裂が記録された後、可動クロスヘッド320は出発位置に戻った。BBSはピーク負荷グラムとして表示され、3回の測定の平均を報告する。BBSの単位はgfで表される。ボール破裂強度はBBSと略される。
(l)16時間ボール破裂強度(16hrBBS)試験
上記(k)ボール破裂強度(BBS)試験と同様の測定法であるが、上記(k−3)手順において、人工尿(1)を加えたのち、25分後にステンレスの重り210および内側シリンダーカバープレート220を除去するが、この25分後を16時間後に変更し、同様の操作を行うことで測定した。16時間ボール破裂強度は16hrBBSと略される。
(m)短時間加圧時ゲル変形(0.5hr Pressure Test)
上記(d)の加圧時ゲル変形の測定法における、室温下16時間静置するところを室温下30分間静置するという変更以外は、同様に測定を行った。短時間加圧時ゲル変形の単位はcmで表される。また、本発明において短時間加圧時ゲル変形は0.5hrPTと略される。
(n)加圧時ゲル変形経時劣化(ΔPT)
加圧時ゲル変形経時劣化(ΔPT)は以下の式で表される。この値は加圧時ゲル変形の経時劣化の度合いを示した値である。
加圧時ゲル変形経時劣化(ΔPT)
=(加圧時ゲル変形)−(短時間加圧時ゲル変形)
=(16hrPT)−(0.5hrPT)
短時間加圧時ゲル変形(0.5hrPT)とは、前述の方法で測定したものをいう。加圧時ゲル変形経時劣化(ΔPT)の単位はcmで表される。また、本発明において、加圧時ゲル変形経時劣化はΔPTと略される。ΔPTは負の値を示すこともある。
(o)ボール破裂強度低下率(DBBS)
ボール破裂強度低下率(DBBS)は以下の式で表される。この値はボール破裂強度の経時劣化の度合いを示した値である。
ボール破裂強度低下率(DBBS)
=〔1−(16時間ボール破裂強度)/(ボール破裂強度)〕×100
=〔1−(16hrBBS)/(BBS)〕×100
ボール破裂強度低下率はDBBSと略される。DBBSの単位は%である。DBBSは負の値を示すこともある。
(参考例1)
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、71.3モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38重量%)にポリエチレングリコールジアクリレート(平均分子量487)0.08モル%を溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。続いて、反応液に過硫酸アンモニウム2.9gおよびL−アスコルビン酸0.08gを攪拌しながら添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、20〜90℃で重合を行い、重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体(1)を取り出した。
得られた含水ゲル状架橋重合体(1)は、その径が約5mm以下に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(1)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、180℃で50分間熱風乾燥した。次いで、ロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmおよび150μmのJIS振動ふるい網で分級することで、平均粒径450μm、149μm以下の粒径を有する樹脂の割合が3%、GVが32g/g、吸水性樹脂中の未架橋の水可溶成分が8重量%、含水率が5重量%の不定形破砕粒子状の吸水性樹脂(1)を得た。
吸水性樹脂(1)500重量部に対し、1,4−ブタンジオール5重量部、イソプロピルアルコール2.5重量部、水15重量部からなる表面架橋剤を含む溶液を攪拌しながら添加し、得られた混合物を5Lモルタルミキサーに投入しオイル温度212℃のオイルバスで加熱しながら30分間攪拌熱処理する事で、GVが25.6g/g、AAPが22.4g/g、FRUPが70秒、SFCが101(単位:10−7×cm×s×g−1)を有する吸水性樹脂粒子(A−1)を得た。結果を表1にまとめた。
(参考例2)
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、71.3モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38重量%)にポリエチレングリコールジアクリレート(平均分子量487)0.05モル%を溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。続いて、反応液に過硫酸アンモニウム2.9gおよびL−アスコルビン酸0.08gを攪拌しながら添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、20〜90℃で重合を行い、重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体(2)を取り出した。
得られた含水ゲル状架橋重合体(2)は、その径が約5mm以下に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(1)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、180℃で50分間熱風乾燥した。次いで、ロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmおよび150μmのJIS振動ふるい網で分級することで、平均粒径470μm、149μm以下の粒径を有する樹脂の割合が3%、GVが36g/g、吸水性樹脂中の未架橋の水可溶成分が10重量%、含水率が6重量%の不定形破砕粒子状の吸水性樹脂(2)を得た。
吸水性樹脂(2)500重量部に対し、1,4−ブタンジオール5重量部、イソプロピルアルコール2.5重量部、水15重量部からなる表面架橋剤を含む溶液を攪拌しながら添加し、得られた混合物を5Lモルタルミキサーに投入しオイル温度212℃のオイルバスで加熱しながら30分間攪拌熱処理する事で、GVが29.2g/g、AAPが25.1g/g、FRUPが220秒、SFCが40(単位:10−7×cm×s×g−1)を有する吸水性樹脂粒子(A−2)を得た。結果を表1にまとめた。
(参考例3)
ポリアリルアミン(商品名:PAA−10C、重量平均分子量約1万、日東紡績株式会社製)の10%水溶液100部に対し、架橋剤であるエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名:デナコールEX810、ナガセ化成工業株式会社製)を、0.25部を攪拌しながら加えて、混合後も1分間攪拌した。これを60℃で1時間静置し、カチオン性高分子化合物(B−1)の水溶液を得た。カチオン性高分子化合物(B−1)の水可溶度は97%、カチオン密度は17mmol/gであった。
(参考例4)
ポリエチレンイミン(数平均分子量約7万、株式会社日本触媒製、カチオン密度23mmol/g)の10%水溶液100部に対し、架橋剤であるエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名:デナコールEX810、ナガセ化成工業株式会社製)を、0.5部を攪拌しながら加えて、混合後も1分間攪拌した。これを60℃で1時間静置し、カチオン性高分子化合物(B−2)の水溶液を得た。カチオン性高分子化合物(B−2)の水可溶度は38%、カチオン密度22mmol/gであった。
(参考例5)
1000mlのビーカー中にN−ビニルホルムアミド350g、純水1390gを投入し、この反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。続いて、反応液にV−50(和光純薬工業株式会社)1.48gを攪拌しながら添加し、65℃に加温したところ、およそ1分後に重合が開始した。16時間後に、得られた重合体をエタノール中で沈降させたのち、乾燥させ、ポリ(N−ビニルホルムアミド)を得た。
こうして得られたポリ(N−ビニルホルムアミド)を5重量%の水溶液とし、ポリマー重量に対して、0.5当量の水酸化ナトリウムを加え、75℃で、2時間反応させ、ポリ(N−ビニルホルムアミド)の部分加水分解物であるカチオン性高分子化合物(B−3)の水溶液を得た。カチオン性高分子化合物(B−3)の水可溶度は99%、カチオン密度6mmol/gであった。
また、得られたポリ(N−ビニルホルムアミド)を5重量%の水溶液とし、ポリマー重量に対して、1.5当量の水酸化ナトリウムを加え、75℃で、4時間反応させ、ポリ(N−ビニルホルムアミド)の加水分解物として、ポリビニルアミンの水溶液を得た。
(参考例6)
参考例5で得られたポリビニルアミンの10%水溶液100部に対し、架橋剤であるエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名:デナコールEX810、ナガセ化成工業株式会社製)を、0.05部を攪拌しながら加えて、混合後も1分間攪拌した。これを60℃で1時間静置し、カチオン性高分子化合物(B−4)の水溶液を得た。カチオン性高分子化合物(B−4)の水可溶度は97%、カチオン密度は12mmol/gであった。
(比較参考例1)
特開平5−31362号に記載されている、吸水性樹脂の合成例と実施例1を参考にして、以下に示す手順でその追試を行った。
アクリル酸ナトリウム74.95モル%、アクリル酸25モル%およびトリメチロールプロパントリアクリレート0.05モル%からなるアクリル酸塩系単量体の37%水溶液4000部を過硫酸アンモニウム2.0部およびL−アスコルビン酸0.08部を用いて窒素雰囲気中30〜80℃で重合を行い、ゲル状含水架橋重合体を得た。得られた含水ゲル状架橋重含体を150℃の熱風乾燥機で乾燥後、ハンマーミルで粉砕し、20メッシュ(目開き850μm、タイラーの標準ふるい)。金網でふるいわけして20メッシュ通過物を得た。これを吸水性樹脂(3)と言う。吸水性樹脂(3)100部に対し、グリセリン0.5部、水2部およびエチルアルコール2部を添加混合した後、210℃で10分間加熱処理して表面近傍が2次架橋された吸水性樹脂粒子(C−1)を得た。吸水性樹脂粒子(C−1)のGVは34.1g/g、AAPは8.2g/g、FRUPは2000秒、SFCが2(単位:10−7×cm×s×g−1)であった。結果を表1にまとめた。
(比較参考例2)
特開2000−95955号に記載されている、参考例4を参考にして、以下に示す手順でその追試を行った。
滴下ロート、攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた20Lのステンレス釜に、無機粒子(商品名:アエロジルR972、日本アエロジル社製)100gを含むシクロヘキサン溶液10Lを仕込み、室温下に攪拌を行った。次に予め0℃に冷却した30%のポリエチレンイミン(商品名:エポミンP−1000、株式会社日本触媒製、カチオン密度23mmol/g)5636gおよび純水4000gからなるポリエチレンイミン水溶液に、架橋剤であるエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名:デナコールEX810、ナガセ化成工業株式会社製)の50%水溶液363gを攪拌しながら加えて、架橋剤および親水性高分子化合物を含む水溶液を調整し、ついでこの溶液を室温下にシクロヘキサン溶液に攪拌しながら加えた。攪拌下、徐々に系の温度を65℃にまで昇温し、65℃で3時間反応を行った。その後系温度を室温にまで冷却し、生成した含水球状ゲルを吸引ろ過し、得られた含水球状ゲルを60℃で48時間減圧乾燥して、含水率15%のサラサラのカチオン性基を有する水膨潤性樹脂粒子を得た。これを、カチオン性高分子化合物(D−1)とした。カチオン性高分子化合物(D−1)の水可溶度は5%であった。
(比較参考例3)
特開平9−3123号に記載されている、参考例2を参考にして、以下に示す手順でその追試を行った。
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38%)に、トリメチロールプロパントリアクリレート7gおよびポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート1gを溶解し、窒素ガスで脱気後、過硫酸カリウム2.3gとL−アスコルビン酸0.11gを添加し、重合を行った。重合が終了した時点で、得られた含水ゲル状架橋重合体をさらに細分化し、150℃の熱風乾燥機中で含水ゲル状架橋重合体の含水量が5%以下になるまで乾燥を行った。乾燥物をロールグラニュレーターで粉砕し、20メッシュ金網通過物を分取した。このものの平均粒径は約390μmで、しかも粒径が106μm未満の粒子の割合は5重量%であった。20メッシュ通過物100部に対し、グリセリン0.5部、水3部、イソプロピルアルコール0.75部からなる水性液を添加混合し、得られた混合物を200℃で33分間加熱処理して弱酸性基を有する吸水性樹脂粒子(C−2)を得た。吸水性樹脂粒子(C−2)のGVは28.2g/g、AAPは21.3g/g、FRUPは1214秒、SFCが10(単位:10−7×cm×s×g−1)であった。結果を表1にまとめた。
(実施例1)
参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(A−1)100部に対して、参考例3で得られたカチオン性高分子化合物(B−1)の10%水溶液を10部添加混合し、90℃で20分間加熱乾燥した後、目開き850μmの篩で分級して、850μm以下の粒子を得た。これを吸水剤(1)という。得られた吸水剤(1)の諸物性を表2、3に示す。
(実施例2)
参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(A−1)100部に対して、参考例4で得られたカチオン性高分子化合物(B−2)の10%水溶液を15部添加混合し、90℃で20分間加熱乾燥した後、目開き850μmの篩で分級して、850μm以下の粒子を得た。これを吸水剤(2)という。得られた吸水剤(2)の諸物性を表2、3に示す。
(実施例3)
参考例2で得られた吸水性樹脂粒子(A−2)100部に対して、参考例3で得られたカチオン性高分子化合物(B−1)の10%水溶液を5部添加混合し、120℃で20分間加熱乾燥した後、目開き850μmの篩で分級して、850μm以下の粒子を得た。これを吸水剤(3)という。得られた吸水剤(3)の諸物性を表2、3に示す。
(実施例4)
参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(A−1)100部に対して、ポリアリルアミン塩酸塩(PAA−HCl−3L、重量平均分子量約1万、日東紡績株式会社製、カチオン密度11mmol/g)の50%水溶液を3部添加し、90℃で20分間加熱乾燥した後、目開き850μmの篩で分級して、850μm以下の粒子を得た。これを吸水剤(4)という。得られた吸水剤(4)の諸物性を表2、3に示す。
(実施例5)
参考例2で得られた吸水性樹脂粒子(A−2)100部に対して、ポリエチレンイミン(数平均分子量約7万、株式会社日本触媒製、カチオン密度23mmol/g)の30%水溶液を20部添加し、120℃で30分間加熱乾燥した後、目開き850μmの篩で分級して、850μm以下の粒子を得た。このものに、さらに、超微粒子の酸化ケイ素(日本アエロジル社製、商品名:アエロジル200)を1部添加混合した。これを吸水剤(5)という。得られた吸水剤(5)の諸物性を表2、3に示す。
(実施例6)
参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(A−1)100部に対して、ポリアミジン(ハイモ株式会社製、商品名:ハイモロックZP−700、カチオン密度6mmol/g)の5%水溶液を15部添加し、90℃で20分間加熱乾燥した後、目開き850μmの篩で分級して、850μm以下の粒子を得た。これを吸水剤(6)という。得られた吸水剤(6)の諸物性を表2、3に示す。
(実施例7)
参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(A−1)100部に対して、参考例5で得られたカチオン性高分子化合物(B−3)の10%水溶液を10部添加混合し、90℃で20分間加熱乾燥した後、目開き850μmの篩で分級して、850μm以下の粒子を得た。これを吸水剤(7)という。得られた吸水剤(7)の諸物性を表2、3に示す。
(実施例8)
参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(A−1)100部に対して、参考例5で得られたカチオン性高分子化合物(B−4)の10%水溶液を10部添加混合し、90℃で20分間加熱乾燥した後、目開き850μmの篩で分級して、850μm以下の粒子を得た。これを吸水剤(8)という。得られた吸水剤(8)の諸物性を表2、3に示す。
(実施例9)
参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(A−1)100部に対して、ポリアミジン(ハイモ株式会社製、ハイモロックZP−700、カチオン密度6mmol/g)の5%水溶液を10部添加し、90℃で20分間加熱乾燥した後、目開き850μmの篩で分級して、850μm以下の粒子を得た。このものに、さらに、超微粒子の酸化ケイ素(日本アエロジル社製、商品名:アエロジル200)を0.5部添加混合した。これを吸水剤(9)という。得られた吸水剤(9)の諸物性を表2、3に示す。
(実施例10)
参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(A−1)100部に対して、ポリ(N−ビニルホルムアミド)の部分加水分解物(BASF社製、商品名:CatiofastPR8106、カチオン密度6.1mmol/g)の10%水溶液を5部添加し、90℃で20分間加熱乾燥した後、目開き850μmの篩で分級して、850μm以下の粒子を得た。このものに、さらに、超微粒子の酸化ケイ素(日本アエロジル社製、商品名:アエロジル200)を0.5部添加混合した。これを吸水剤(10)という。得られた吸水剤(10)の諸物性を表2、3に示す。
(実施例11)
参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(A−1)100部に対して、ポリアミジン(Dia−Nitrix Co.,Ltd製、商品名:PVAD−L、カチオン密度5.8mmol/g)の10%水溶液を7部添加し、90℃で20分間加熱乾燥した後、目開き850μmの篩で分級して、850μm以下の粒子を得た。このものに、さらに、超微粒子の酸化ケイ素(日本アエロジル社製、商品名:アエロジル200)を0.5部添加混合した。これを吸水剤(11)という。得られた吸水剤(11)の諸物性を表2、3に示す。
(比較例1)
参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(A−1)を比較吸水剤(1)とした。比較吸水剤(1)の諸物性を表2、3に示す。
(比較例2)
比較参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(C−1)100部に対して、ポリエチレンイミン(数平均分子量約7万、株式会社日本触媒製)の30%水溶液を5部添加して、比較吸水剤(2)を得た。得られた比較吸水剤(2)の諸物性を表2、3に示す。
(比較例3)
参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(A−1)100部に対して、比較参考例2で得られたカチオン性高分子化合物(D−1)を5部添加して、比較吸収剤(3)を得た。得られた比較吸水剤(3)の諸物性を表2、3に示す。
(比較例4)
比較参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(C−1)100部に対して、エチレンジアミンの30%水溶液を10部添加し、90℃で20分間加熱乾燥した後、目開き850μmのふるいでふるいわけして、850μm以下の粒子を得た。これを比較吸収剤(4)とする。得られた比較吸水剤(4)の諸物性を表2、3に示す。
(比較例5)
比較参考例1で得られた吸水性樹脂粒子(C−1)100部に対して、ポリエチレンイミン(数平均分子量約7万、株式会社日本触媒製)の30%水溶液を20部添加し、120℃で10分間加熱乾燥した後、目開き850μmのふるいでふるいわけして、850μm以下の粒子を得た。このものに、さらに、超微粒子の酸化ケイ素(日本アエロジル社製、商品名:アエロジル200)を1部添加混合した。これを比較吸水剤(5)という。得られた比較吸水剤(5)の諸物性を表2、3に示す。
(比較例6)
特表平9−509591号に記載されている、実施例3を参考にして、以下に示す手順でその追試を行った。
比較参考例3で得られた吸水性樹脂粒子(C−2)100グラムをKitchen型ミキサーに入れた。濃度10重量%のポリアリルアミン(商品名:PAA−10C、重量平均分子量約1万、日東紡績株式会社製、カチオン密度17.1mmol/g)10g、および、エタノール20gからなる溶液を調製した。溶液の一部を噴霧装置で吸収性ゲル形成粒子の上に噴霧した後、ミキサーを約4分間運転した。溶液全部が吸収性ゲル形成粒子の上に噴霧されるまで、噴霧/混合工程を繰り返した。得られた混合物中を100℃で約3時間真空乾燥させた。乾燥した吸収性材料をハンマー型粉砕機で粉末化し、標準♯20篩(850ミクロン)にかけ、標準♯20篩を通過する粒子を得た。これを比較吸水剤(6)という。得られた比較吸水剤(6)の諸物性を表2、3に示す。
(比較例7)
特開平9−3123号に記載されている、実施例2を参考にして、以下に示す手順でその追試を行った。
比較参考例3で得られた吸水性樹脂粒子(C−2)100部に対して、ポリエチレンイミン(数平均分子量約7万、株式会社日本触媒製)の塩酸塩(70モル%中和物)の43%溶液5.5部を添加混合し、混合後20分間、温度90℃の熱風乾燥機中で保持した。その後、混合物を840μmの開孔を有する金網を通過せしめ、吸水剤を得た。これを比較吸水剤(7)という。得られた比較吸水剤(7)の諸物性を表2、3に示す。
表にみるように、実施例で得られた吸水剤は、GVが高く、かつ、AAPが高く、しかも、16hrPT、0.5hrPT、BBS、16hrBBS、ΔPT、DBBSに優れていた。これらの中でも、実施例1〜3に見られるような、架橋されたカチオン性高分子化合物を用いたものや、実施例6〜11に見られるようなカチオン性高分子化合物を用いたものは、その効果が特に優れている。比較例で得られた比較例1は吸水性樹脂粒子(A)をカチオン性高分子化合物(B)と混合せずに吸水剤としたため、16hrPT、0.5hrPT、BBS、16hrBBSにおいて劣っていた。比較吸収剤のうち、比較例2および5は、用いた吸水性樹脂粒子のAAPが低いため、吸水剤として十分なAAPをそなえていない。比較例3および4は、用いた吸水性樹脂粒子のGVが高く、かつ、AAPも高いものの、用いているカチオン性高分子が好ましくないため、16hrPT、0.5hrPT、BBS、16hrBBSにおいて劣っていた。比較例6および7は、吸水性樹脂粒子のFRUP、SFCが低いため、また、用いたカチオン性高分子化合物が架橋されておらず適当でないため、16hrPT、0.5hrPT、BBS、16hrBBSにおいて十分な性能が得られていない。図6には、吸水剤1と、比較吸水剤2の、16hrPTを測定する際の、加圧前と加圧後の写真を示した。吸水剤1では、膨潤後の吸水剤集合体の保型性が優れているため、ほとんど変形は起こらないが、比較吸水剤2では形が崩れてしまっている。
以上、本発明の実施例でも明らかであるが、本発明の吸水剤は、GVやAAPやSFCも優れた吸水剤であって、さらに膨潤後の吸水剤集合体の保型性やBBSが優れ、その効果が吸水後、より長時間持続する新規な吸水剤を与える。
Figure 2007144423
Figure 2007144423
Figure 2007144423
本発明にかかる吸水剤は、例えば、吸水体に使用した際に、吸水体に吸収された尿がおむつの表面に戻り出てくるといった現象が著しく改善され、また、本発明の吸水剤を単独で吸水体として使用した場合や、セルロース繊維等の素材と複合して使用した場合に、移動や脱落が起こりにくくなっており、その効果が吸水後も長時間持続し、実使用時に、吸水体中での膨潤後の吸水剤の移動が起こりにくくなり、吸水体としての性能を十分に発揮するため、このような吸水体や吸水剤として好適に使用することができる。
本発明における吸水性樹脂粒子(A)が示す性能の一つである、加圧下のゲル層の通液速度(FRUP)の測定に用いる測定装置の概略の断面図である。 本発明における吸水剤が示す性能の一つである、加圧時のゲル変形(16hrPT)または短時間加圧時ゲル変形(0.5hrPT)の測定に用いる測定装置の一つであって、膨潤した吸水剤集合体を形成するための装置の、概略の断面図である。 本発明における吸水剤が示す性能の一つである、加圧時のゲル変形(16hrPT)または短時間加圧時ゲル変形(0.5hrPT)の測定に用いる測定装置の一つであって、膨潤した吸水剤集合体を収納するための装置の、概略の上部から見た図である。 本発明における吸水剤が示す性能の一つである、加圧時のゲル変形(16hrPT)または短時間加圧時ゲル変形(0.5hrPT)の測定に用いる測定装置の一つであって、膨潤した吸水剤集合体に圧をかけるための装置の、概略の断面図である。 本発明における吸水剤が示す性能の一つである、加圧時のゲル変形(16hrPT)または短時間加圧時ゲル変形(0.5hrPT)の測定時のイメージ図例の一つであって、膨潤した吸水剤集合体に圧をかけた後の変形した吸水剤集合体の一例の、概略の上部から見た図である。 本発明における吸水剤が示す性能の一つである、加圧時のゲル変形(16hrPT)の測定時の、加圧前と加圧後のイメージ図例であって、膨潤した吸水剤集合体と、圧をかけた後の変形した、膨潤した吸水剤集合体の例を示している。ここで比較されているものは吸水剤1と、比較吸水剤2であり、これらの上部から見た図である。 生理食塩水流れ誘導性(SFC)の測定に用いる測定装置の概略の断面図である。 膨潤した吸水剤の予め決められた層を調製するための装置を図式的に示す図である。 吸水剤のボール破裂強度(BBS)値を測定するための装置を図式的に示す図である。
符号の説明
A 膨潤した吸水性樹脂粒子
B 重り
C 円形板
D 加圧棒
H ガラスフィルター
I ガラスフィルター付き加圧板
J 生理食塩水
K コック付きガラスカラム
L 標準線(液高150mmの液面)
M 標準線(液高100mmの液面)
1 円皿形(シャーレ状)の容器
2 膨潤した吸水剤の集合体
3 円形の蓋
4 重り
5 チャック付きポリ袋
6 重り
7 変形した膨潤吸水剤の集合体
8 その長さが最大となるような、任意の端から任意の端までの2点間の直線距離
31 タンク
32 ガラス管
33 0.69重量%塩化ナトリウム水溶液
34 コック付きL字管
35 コック
40 容器
41 セル
42 ステンレス製金網
43 ステンレス製金網
44 膨潤ゲル
45 ガラスフィルター
46 ピストン
47 ピストン中の穴
48 補集容器
49 上皿天秤
210 ステンレスの重り
220 内側シリンダーカバープレート
230 外側シリンダー
240 テフロン(登録商標)製平底トレー
250 No.400メッシュのステンレス鋼スクリーン
260 吸水剤層
270 内側シリンダー
280 円形の下側試料クランププラテン
290 研磨したステンレス鋼製のボール形状プローブ
300 円形の上側試料クランププラテン
310 固定クロスヘッド
320 可動クロスヘッド
330 力感知荷重セル

Claims (12)

  1. 主成分がアクリル酸0モル%〜50モル%およびアクリル酸塩100モル%〜50モル%(但し、両者の合計量は100モル%とする)からなる単量体を重合・架橋させてなる吸水性樹脂を表面架橋させることにより得られる吸水性樹脂粒子(A)と、水可溶度が100重量%〜10重量%であるカチオン性高分子化合物(B)を含み、カチオン性高分子化合物(B)の使用量は吸水性樹脂粒子(A)に対し0.01〜10重量部であり、前記カチオン性高分子化合物(B)が前記吸水性樹脂粒子(A)と実質的にイオン結合してなる吸水剤において、自由膨潤倍率(GV)が23g/g以上、4.9kPaでの加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g以上、生理食塩水流れ誘導性(SFC)が50(10−7×cm×s×g−1)以上、短時間加圧時ゲル変形(0.5hrPT)が12.5cm以下、加圧時ゲル変形経時劣化(ΔPT)が3.5cm以下であることを特徴とする、吸水剤。
  2. ボール破裂強度(BBS)が80gf以上である、請求項1に記載の吸水剤。
  3. 加圧時ゲル変形(16hrPT)が12.5cm以下である、請求項1または2に記載の吸水剤。
  4. 16時間ボール破裂強度(16hrBBS)が80gf以上である、請求項1から3までのいずれかに記載の吸水剤。
  5. ボール破裂強度低下率(DBBS)が40%以下である、請求項1から4までのいずれかに記載の吸水剤。
  6. カチオン性高分子化合物(B)のカチオン密度が2mmol/g以上である、請求項1から5までのいずれかに記載の吸水剤。
  7. カチオン性高分子化合物(B)が、ポリアミジン、ポリビニルアミンまたはその塩、ポリ(N−ビニルホルムアミド)の部分加水分解物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1から6までのいずれかに記載の吸水剤。
  8. 前記吸水性樹脂を70重量%以上含む、請求項1から7までのいずれかに記載の吸水剤。
  9. さらに無機粉末を含む、請求項1から8までのいずれかに記載の吸水剤。
  10. 重量平均粒径が300〜600μmの範囲内である、請求項1から9までのいずれかに記載の吸水剤。
  11. 前記吸水剤を強酸水溶液中で攪拌した場合に、分離されるカチオン性高分子化合物(B)が、吸水剤に含まれるカチオン性高分子化合物(B)の50重量%以上である、請求項1から10までのいずれかに記載の吸水剤。
  12. カチオン性高分子化合物(B)が、水溶液またはゲル状液で添加されたものである、請求項1から11までのいずれかに記載の吸水剤
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