JP2007140340A - 表示装置の製造方法および貼り付け装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液晶表示パネルに偏光板フィルムを貼り付けたときに、表示パネルの辺に気泡が生じるのを防ぐ。
【解決手段】 表示パネルの表面にフィルム材を貼り付ける工程を有する表示装置の製造方法であって、前記表示パネルは、前記フィルム材を貼り付ける面が3つ以上の辺を有する多角形状であり、前記フィルム材の1つの辺を前記表示パネル上の所定の位置に加圧して貼り付けを開始し、前記フィルム材の他の領域は、加圧領域を順次移動させながら貼り付け、かつ、前記フィルム材の辺のうち、貼り付けを開始した辺を除く他の辺は、加圧領域を辺方向に順次移動させながら貼り付ける表示装置の製造方法。
【選択図】 図6
【解決手段】 表示パネルの表面にフィルム材を貼り付ける工程を有する表示装置の製造方法であって、前記表示パネルは、前記フィルム材を貼り付ける面が3つ以上の辺を有する多角形状であり、前記フィルム材の1つの辺を前記表示パネル上の所定の位置に加圧して貼り付けを開始し、前記フィルム材の他の領域は、加圧領域を順次移動させながら貼り付け、かつ、前記フィルム材の辺のうち、貼り付けを開始した辺を除く他の辺は、加圧領域を辺方向に順次移動させながら貼り付ける表示装置の製造方法。
【選択図】 図6
Description
本発明は、表示装置の製造方法および貼り付け装置に関し、液晶表示パネルに偏光板などのフィルム材を貼り付ける工程に適用して有効な技術に関するものである。
従来、液晶表示装置を製造する工程には、液晶表示パネルにフィルム状の偏光板(以下、偏光板フィルムという)を貼り付ける工程がある。
前記液晶表示パネルに偏光板フィルムを貼り付ける工程は、たとえば、液晶表示パネルのフィルム貼り付け面に合わせて切断した偏光板フィルムを、貼り付けローラーを用いて貼り付ける方法が知られている(たとえば、特許文献1を参照。)。
前記特許文献1に記載された貼り付け方法は、まず、切断工程にて切断された偏光板フィルムを液晶基板(液晶表示パネル)の上まで、貼り付けローラー付きの貼り付けヘッドを用いて搬送し、液晶基板上で前記貼り付けヘッドを貼り付けローラーのある側を下に傾けながら下降させる。
次に、貼り付けローラーに押された偏光板フィルムの一端が、偏光板フィルムとほぼ同形状の液晶セルの一端に接触する時点で下降を停止し、その後液晶セルに接触した貼り付けローラーを転がしながら液晶基板の一端から反対側の一端まで順次液晶セル全面に貼り付けていくことで液晶セルの全面に偏光板フィルムを貼り付ける。
前記偏光板フィルムなどのフィルム部材を、前記液晶基板などの被貼り付け部材に貼り付ける方法および貼り付け装置としては、このような方法および装置が最も一般的であることが知られている。
また、前記液晶表示パネルに前記偏光板フィルムを貼り付けるときには、通常、液晶パネルの1組の平行な2辺の一方から貼り付けを始め、他方の辺に向かって貼り付けローラーを転がしながら貼り付けていく。そのため、液晶テレビなどで用いられる大型の液晶表示パネルに偏光板フィルムを貼り付けるときには、長尺の貼り付けローラーが用いられる。しかしながら、長尺の貼り付けローラーの場合、重力による撓みが生じ、均一に加圧しながら貼り付けることが難しい。そのため、長尺の貼り付けローラーを有する貼り付け装置では、たとえば、貼り付けローラーの中央付近にバックアップローラーを配置し、貼り付けローラーの撓みを防ぐ方法が提案されている(たとえば、特許文献2を参照。)。
特開2003−161935号公報
特開2003−280159号公報
前記従来の偏光板フィルムの貼り付け方法では、たとえば、液晶表示パネルの1つの辺から偏光板フィルムの貼り付けを開始し、貼り付けを開始した辺と対向する平行な辺で貼り付けを終了する。しかしながら、このような貼り付け方法では、貼り付けが完了する辺で、偏光板フィルムの貼り付けが不十分な箇所が生じ、気泡が生じるという問題があった。そして、貼り付けが不十分な箇所から偏光板フィルムが剥がれたり、異物が混入したりするという問題があった。
本発明の目的は、たとえば、液晶表示パネルに偏光板フィルムを貼り付けたときに、表示パネルの辺に気泡が生じるのを防ぐことが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概略を説明すれば、以下の通りである。
(1)表示パネルの表面にフィルム材を貼り付ける工程を有する表示装置の製造方法であって、前記表示パネルは、前記フィルム材を貼り付ける面が3つ以上の辺を有する多角形状であり、前記フィルム材の1つの辺を前記表示パネル上の所定の位置に加圧して貼り付けを開始し、前記フィルム材の他の領域は、加圧領域を順次移動させながら貼り付ける表示装置の製造方法である。
(2)前記(1)において、前記フィルム材は、貼り付けを開始する辺と平行な辺を有し、該平行な辺は、加圧領域を辺方向に順次移動させながら貼り付ける表示装置の製造方法である。
(3)前記(1)または(2)において、前記加圧領域は、前記フィルム材の2つの辺上の2つの点を結ぶ線を中心とした微小な幅を持つ領域であり、前記加圧領域の各点は、前記フィルム材の貼り付けを開始する辺の延長上の一点を中心とする円の円周上を移動する表示装置の製造方法である。
(4)前記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記加圧領域を移動させながら貼り終える前記フィルム材の辺は、該辺と前記加圧領域の中心線とのなす角を5度以上の鋭角に保って貼り付ける表示装置の製造方法である。
(5)表示パネルの表面にフィルム材を貼り付ける貼り付け装置であって、前記表示パネルの表面に重ねた前記フィルム材を加圧するローラーを有し、前記ローラーは、回転軸上の各点から前記フィルム材との接触面までの距離が異なり、かつ、一方向に単調に増加している貼り付け装置である。
(6)前記(5)において、前記ローラーは、円錐または円錐台形状であり、その側面をフィルム材に接触させて加圧する貼り付け装置である。
(7)表示パネルの表面にフィルム材を貼り付ける貼り付け装置であって、円錐または円錐台形状であり、その側面を、前記表示パネルの表面に重ねた前記フィルム材に接触させて加圧する加圧ローラーと、円錐または円錐台形状であり、その側面を、前記加圧ローラーの側面と接触させて前記加圧ローラーを支持する3個以上の奇数個のバックアップローラーとを有し、前記奇数個のバックアップローラーは、前記加圧ローラーの回転軸方向に沿って、貼り付け方向の前方および後方に交互に、かつ、前記加圧ローラーの側面のうち前記フィルム材と接触する領域の各点が1つ以上のバックアップローラーと接触するように配置されている貼り付け装置である。
(8)前記(7)において、各バックアップローラーの回転軸方向の長さが、前記加圧ローラーの回転軸方向の長さに対して4%以上34%以下の貼り付け装置である。
(9)前記(6)から(8)のいずれかにおいて、前記フィルム材が横の長さLa、縦の長さLbである長方形abcdの平面であり、前記ローラーは、前記フィルム材の辺abと平行に接触して貼り付けを開始し、前記ローラーによる加圧領域が前記フィルム材の角d上に位置するときの加圧領域と前記フィルム材の辺cdとのなす角度を(θ−ψ)、前記ローラーによる加圧領域が前記フィルム材の角c上に位置するときの加圧領域と前記フィルム材の辺cdとのなす角度を(θ+ψ)としたときに、下記数式(1)の関係を満たす貼り付け装置である。
La=Lb×{1/tan(θ−ψ)−1/tan(θ+ψ)}・・・(1)
(10)前記(9)において、前記ローラーの、前記フィルム材の角bを貼り付ける位置の外径をd1、前記フィルム材の角dを貼り付ける部分の外径をd2としたときに、下記数式(2)の関係を満たす貼り付け装置である。
d2/d1=tan(θ+ψ)/sin(θ−ψ)・・・(2)
(11)前記(5)から(10)までのいずれかにおいて、前記ローラーの側面全てもしくはその一部が弾性体により形成され、該弾性体の厚みがローラーの外径寸法の10%以上20%以下の貼り付け装置である。
(12)前記(11)において、前記弾性体が、硬度ショアAが40以上90以下の帯電防止ウレタンゴムの貼り付け装置である。
本発明の表示装置の製造方法は、前記手段(1)のように、表示パネルにフィルム材を貼り付けるときに、前記フィルム材の1つの辺から、その辺と平行に貼り付けを開始し、他の領域は、加圧領域(貼り付け領域)が順次移動するように貼り付けていく。そのため、たとえば、前記フィルム材の貼り付けを開始する辺以外の辺は、加圧領域が辺方向に移動しながら貼り付けられる。このようにすると、前記フィルム材の角部が点状に加圧されている状態で貼り付けを完了することができる。そのため、各辺に気泡が生じるのを防ぐことができる。
また、このような貼り付け方法では、貼り付け開始時は、1つの辺のほぼ全体を一度に加圧するので、前記フィルム材の位置ずれを防ぐことができる。
また、前記手段(1)のような貼り付け方法の場合、貼り付け開始後、加圧される領域は、前記フィルム材の2つの辺上の2つの点を結ぶ線を中心とする微小な幅を持つ領域である。また、前記表示パネルの貼り付け面は、一般に、長方形であることが多く、前記手段(2)のように、貼り付けを開始した辺と平行な辺を有することが多い。そのため、前記手段(1)のような貼り付け方法でフィルム材を貼り付けるときには、前記手段(3)のようにすることで、貼り付けを開始した辺と平行な辺に気泡が生じることを防げる。
またこのとき、前記気泡の発生を防ぐには、前記手段(4)のように、前記加圧領域を辺方向に移動させながら前記フィルム材を貼り付ける辺と前記線状の加圧領域とのなす角を5度以上の鋭角に保って貼り付けることが好ましい。
また、前記手段(1)から手段(4)までの貼り付け方法を実現するためには、たとえば、前記手段(5)のようなローラーを備える貼り付け装置を用いればよい。このとき、前記ローラーは、たとえば、前記手段(6)のように円錐または円錐台形状とし、その側面をフィルム材に接触させて加圧する。
また、たとえば、液晶テレビなどで用いられる大型の液晶表示パネルに偏光板フィルムなどのフィルム材を貼り付けるときには、長尺のローラーを有する貼り付け装置を用いる必要がある。このとき、前記長尺のローラーのたわみによる貼り付け不良を防ぐためには、たとえば、フィルム材を加圧するローラー(加圧ローラー)とは別に、前記加圧ローラーのたわみを防ぐためのバックアップローラーを設けることが好ましい。前記手段(6)のような円錐または円錐台形状のローラー(加圧ローラー)を有する貼り付け装置にバックアップローラーを設ける場合、その構成は、たとえば、前記手段(7)のようにする。
前記手段(7)の貼り付け装置では、奇数個のバックアップローラーを貼り付け方向の前方および後方に交互に配置することで、加圧ローラーの中央部付近を1つのバックアップローラーで支持できる。そのため、重力による加圧ローラーのたわみや、貼り付け方向に移動させたときの加圧ローラーのたわみを防ぐことができ、たわみによる貼り付け不良を低減できる。また、加圧ローラーの、フィルム材と接触する領域のすべての点が、1つ以上のバックアップローラーと接触することにより、局所的なへたりによる貼り付け不良を低減できる。
また、貼り付け装置に前記バックアップローラーを設ける場合、バックアップローラーは、少なくとも3つ必要である。また、バックアップローラーの数を多くすると、その分、部品点数が増えて、貼り付け装置の組み立て作業が複雑になる。そのため、バックアップローラーの数は、3個以上25個以下の奇数個とするのが好ましい。このとき、各バックアップローラーの回転軸方向の長さは、前記手段(8)のように、前記加圧ローラーの回転軸方向の長さに対して4%以上34%以下となる。
またこのとき、前記ローラーの回転軸方向の長さは、たとえば、前記手段(9)および手段(10)のような関係を満たすような長さにする。
また、前記ローラーの側面には、たとえば、前記手段(11)および手段(12)のような条件を満たす弾性体を設けることが好ましい。特に、手段(12)のような帯電防止ウレタンゴムを用いることで、たとえば、フィルム材を貼り付ける際にわずかに生じるフィルム材とローラー側面との摩擦による静電気を防ぎ、フィルム材が帯電するのを防ぐことができる。
以下、本発明について、図面を参照して実施の形態(実施例)とともに詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1および図2は、本発明が適用される表示装置の製造工程を説明するための模式図であり、図1は偏光板フィルムを貼り付けた表示パネルの正面図、図2は図1のA−A’線断面図である。
本発明の表示装置の製造方法は、たとえば、図1および図2に示すように、表示パネル1に偏光板フィルムなどのフィルム材2を貼り付ける工程に適用される。液晶表示素子などに使用される偏光板フィルムは、外力に対して弱く、また、貼り付けたときの気泡や異物の混入を嫌う。
図3は、従来の表示パネルにフィルム材を貼り付ける手順を示す模式図である。なお、図3では、貼り付ける手順を3段階で示し、各段階の正面図および左側面図を示している。
従来のフィルム材2の貼り付け方法では、たとえば、図3の上段に示すように、フィルム材2の1つの辺ab上に、辺abと平行に貼り付けローラー3を接触させた状態から貼り付けを開始する。このとき、フィルム材2と貼り付けローラー3の接触領域、すなわち加圧領域4は、貼り付けローラー3が接触した辺ab上に線状に分布している。なお、このときの加圧領域4は、辺abから辺bc方向に微小な幅を持つ面状の領域である。
またこのとき、貼り付けローラー3の回転軸(図示しない)は辺abと平行であり、貼り付けローラー3は回転しながら辺abと対向する辺cdに向かって移動する。またこのとき、貼り付けローラーによる加圧領域4は、図3に示したように辺abと平行に移動する。そして、加圧領域4が辺cd上に到達した時点でフィルム材2の貼り付けが完了する。なお、このときの加圧領域4は、辺ad上の1点と、辺bc上の1点を結ぶ直線を中心とした、辺ad方向に微小な幅を持つ面状の領域である。
しかしながら、このような貼り付け方法では、貼り付けが完了する辺cdで気泡が生じたり、剥がれにより異物が混入したりするという問題がある。
図4は、フィルム材の辺に気泡が生じないフィルム材の貼り付け方法の一例を説明するための模式図である。なお、図4では、貼り付ける手順を3段階で示し、各段階の正面図のみを示している。
従来の貼り付け方法において、フィルム材2の辺cdで生じる問題を解決する方法として、たとえば、図4に示すように、貼り付けローラー3の加圧領域4がフィルム材2の各辺ab,bc,cd,daと平行にならないようにする方法を本願発明者らは見いだした。
この方法では、まず、貼り付けローラー3の回転軸を、フィルム材2の各辺ab,bc,cd,daと平行にならないような向きにし、フィルム材2の角aから貼り付けを開始する。その後、貼り付けローラー3を回転させてフィルム材2上を移動させると、加圧領域4がフィルム材2の角cの方向に向かって順次移動し、フィルム材2の、貼り付けローラー3が通過した領域が表示パネル1に貼り付けられる。なお、このときの加圧領域4は、4つの辺ab,bc,cd,daのうちの2つの辺上にある2点間を結ぶ直線を中心とし、貼り付けローラー3の移動方向に微小な幅を持つ面状の領域である。
このとき、フィルム材2の各辺ab,bc,cd,da上の加圧領域4は、各辺方向に貼り付けが進行し、角cで貼り付けが完了する。そのため、加圧領域4がフィルム材2の各辺ab,bc,cd,daのいずれとも平行になることはなく、気泡が生じる要因を取り除くことができる。
しかしながら、図4に示したような貼り付け方法では、貼り付けがフィルム材2の角aから始まり、このときの加圧領域4は点状である。そのため、たとえば、貼り付けローラー3とフィルム材2の摩擦などによりフィルム材2に位置ずれが生じやすいという問題がある。特に、フィルム材2として偏光板フィルムを用い、表示パネル1に貼り付けるときは、たとえば、表示パネル1の表面と裏面に偏光板フィルムを貼り付ける。このとき、表示パネル1の各面に貼り付ける2枚の偏光板フィルムは、偏光軸が直交または平行になるように貼り付ける必要がある。そのため、貼り付け時にフィルム材2がずれると、偏光軸がずれ、光の透過率が低下してしまうという問題がある。
図5は、図4に示した貼り付け方法における問題点を解決する貼り付け方法を説明するための模式図である。なお、図5では、貼り付ける手順を4段階で示し、各段階の正面図のみを示している。
図4に示したような貼り付け方法で、フィルム材2に位置ずれが生じるのは、貼り付け開始時に加圧領域4が点状になっているためである。そこで、貼り付け開始時の加圧領域4を線状(面状)にするために、たとえば、図5に示すように、貼り付けローラー3がフィルム材2の辺abおよび辺cdを横切るような位置から貼り付けを開始する。このとき、貼り付けローラー3は、たとえば、加圧開始後、まず、フィルム材2の角a側に転がして貼り付けを行った後、反対側(角c側)に転がして、残りの領域を貼り付ける。このようにすれば、貼り付け開始時の加圧領域4を、フィルム材2の辺ab上の一点と辺cd上の一点を結ぶ直線を中心とし、貼り付けローラー3の移動方向に微小な幅を持つ面状の領域とすることができる。そのため、フィルム材2の位置ずれを防ぐことができる。
しかしながら、図5に示したような貼り付け方法の場合、貼り付け開始位置に貼り付けローラー3が接触した位置に接触跡5が残ることを本願発明者らは見いだした。このとき、貼り付け開始時の加圧領域4は、表示パネル1の表示領域(図示しない)を横切るので、接触跡5により、画像や映像を表示したときに光学的なむらや筋が発生するという問題があることも見いだした。
以下、前述の各貼り付け方法における問題点、すなわち、貼り付け完了時に表示パネル1の辺に気泡が生じる点、フィルム材2に位置ずれが生じる点、画像(映像)表示領域にローラー3の接触跡5が残る点を解決する貼り付け方法について説明する。
図6は、本発明による一実施例のフィルム材の貼り付け方法の原理を説明するための模式図である。なお、図6では、貼り付ける手順を4段階で示し、各段階の正面図のみを示している。
本実施例のフィルム材2の貼り付け方法は、前述の各問題を解決するために、図6に示すように、フィルム材2の1つの辺ab上に、加圧領域4が辺abから辺bc方向に微小な幅を持つ面状の領域となるように貼り付けローラー3を接触させて加圧し、貼り付けを開始する。このように、辺ab上から貼り付けを開始することで、フィルム材2の位置ずれを防ぐことができる。
また、フィルム材2の残りの領域を貼り付けるときには、図6に示したように、貼り付けローラー3の両端の単位時間当たりの移動量を異なる量にして移動させる。この方法だと、フィルム材2の辺bc上の加圧領域の単位時間当たりの移動量と、辺ad上の加圧領域の単位時間当たりの移動量が異なるので、辺ad上の加圧領域4がフィルム材2の角dに到達した時点で、辺bc上の加圧領域はまだ角cに到達していない。
そのため、その後、続けて貼り付けローラー3を移動させると、フィルム材2の辺abと平行な辺cd上も、加圧領域が辺方向に沿って移動する。そして、辺bc上を移動している加圧領域と辺cd上を移動している加圧領域がフィルム材2の角cに到達した時点で貼り付けが完了する。このようにすれば、加圧領域4の線分がフィルム材2の辺bcおよび辺cd、ならびに辺da上で各辺と平行になることはなく、各辺に気泡が生じるのを防げる。
また、このような貼り付け方法だと、貼り付け開始位置に生じる貼り付けローラー3の接触跡5は、フィルム材2の辺ab上に付く。そのため、表示領域に接触跡5が付くことも防げる。
図7および図8は、本実施例の貼り付け方法を実現する貼り付けローラーの概略構成を示す模式図であり、図7は貼り付けローラーを加圧面側から見た図、図8は図7のB−B’線断面図である。
図6に示したような手順でフィルム材2を表示パネル1に貼り付けるときには、たとえば、図7および図8に示したような、円錐台形状の貼り付けローラー3を用いる。この貼り付けローラー3は、側面がフィルム材2と接触する面であり、円錐台形状の芯材301の側面に表面材302をコーティングした構造になっている。また、この貼り付けローラー3は、2つの円形底面の中心点を通る直線を回転軸としており、芯材301の各底面には回転用の支持シャフト301a,301bが設けられている。
また、貼り付けローラー3は、支持シャフト301a,301bの周りに取り付けられた支持ハウジングRHa,RHbによって支持されている。また、図示は省略するが、支持ハウジングRHa,RHbは、たとえば、ベースプレートに固定されている。
本実施例では、芯材301および支持シャフト301a,301bは、たとえば、SUS304材などの金属材料を用いた同時加工により形成されているとする。なお、芯材301と支持シャフト301a,301bは、別工程で加工したものを組み立て形成してもよい。
また、表面材302は、たとえば、硬度ショアAが40から90程度の帯電防止ウレタンゴムを用いて形成する。
また、貼り付けローラー3の外径寸法dxは、芯材301の支持シャフト301a側から支持シャフト301bにかけて大きくなるように加工されているとする。またこのとき、表面材302の厚さは、たとえば、貼り付けローラー3の外形寸法dxに対して10%から20%程度の厚さになるように形成する。
図9は、図7および図8に示した貼り付けローラーを用いた貼り付け方法を説明するための模式図である。なお、図9では、貼り付け開始時の正面図および左側面図、ならびに下面図を示している。
図7および図8に示した貼り付けローラー3を用いてフィルム材2を表示パネル1に貼り付けるときには、たとえば、図9に示すように、貼り付けローラー3の側面とフィルム材2の接触領域(加圧領域4)が、フィルム材2の辺ab上で、辺abと平行になるように貼り付けローラー3を接触させる。このとき、フィルム材2は、辺cd側を浮かせるように支持しておく。
このような状態で貼り付けを開始すると、フィルム材2の辺ab上の各点から貼り付けローラー3の回転軸までの距離は、角bから角aに向かうにつれて徐々に大きくなっている。そのため、貼り付けローラー3を転がすと、貼り付けローラー3は、たとえば、図6に示したように移動するので、前述のように、貼り付け完了時に表示パネル1の辺上に気泡が生じることを防げると同時に、フィルム材2の位置ずれを防ぐことができる。また、表示領域に貼り付けローラー3の接触跡5が付くことも防げる。また、貼り付けローラー3の側面に、帯電防止ウレタンゴムなどの表面材302を形成しておけば、たとえば、貼り付けローラー3が転がるときの摩擦によりフィルム材2が帯電するのを防げる。
図10および図11は、貼り付けローラーの寸法の設定方法を説明するための模式図であり、図10は設定する必要がある寸法を示す図、図11は設定方法を説明する図である。
本実施例の貼り付けローラー3は、図6に示したような手順で、フィルム材2の貼り付け面全域を加圧できれば、円錐または円錐台形状の寸法は、どのような値であってもよい。しかしながら、貼り付け完了時にフィルム材2の各辺またはその近傍に気泡が生じることを防ぎ、フィルム材2の位置ずれを防ぐとともに、貼り付け作業の効率をよくするには、以下に示すような条件を満たすような寸法にすることが好ましい。
貼り付けローラー3の寸法のうち、重要な寸法パラメータは、たとえば、図10に示すように、フィルム材2の貼り付け面全域を加圧するために必要なローラーの長さL、フィルム材2の貼り付け面全域を加圧するために必要な領域の一方の端の外径d1および芯材の外径d1’、フィルム材2の貼り付け面全域を加圧するために必要な領域の他方の端の外径d2および芯材の外径d2’である。以下、図11を参照しながら、これらの寸法L,d1,d1’,d2,d2’の設定方法の一例を説明する。
まず、図11に示すように、貼り付けるフィルム材2は、横の長さがLa、縦の長さがLbである長方形abcdであり、辺abから貼り付けを始めるとする。このような状態から貼り付けを開始し、貼り付けローラー3を転がすと、貼り付けローラー3は、外径d1側の端の延長上にある点Oを中心に揺動する軌跡をとる。すなわち、貼り付けローラー3による加圧領域4の各点は、点Oを中心とした円の円周上を移動する。
このとき、貼り付けローラー3の、フィルム材2の角b上を加圧する位置が最も小さい半径R1の円周上を移動する。そのため、この位置をフィルム貼り付け面全体を加圧するために必要な領域の一方の端とし、その外径をd1、芯材の外径をd1’とする。
また、貼り付けローラー3の、フィルム材2の角d上を加圧する位置が最も大きい半径R3の円周上を移動する。そのため、この位置をフィルム貼り付け面全体を加圧するために必要な領域の他方の端とし、その外径をd2、芯材の外径をd2’とする。そうすると、フィルム貼り付け面全体を加圧するために必要なローラーの長さLは、L=R3−R1となる。
また、貼り付けローラー3が、フィルム材2の角d上を加圧しているときの線状の加圧領域4と辺cd(辺ab)とのなす角の角度を(θ−ψ)、フィルム材の角c上を加圧しているときの加圧領域4と辺cdとのなす角の角度を(θ+ψ)としたときに、各変数θ,ψは、下記数式(1)の関係を満たすようにする。
La=Lb×{1/tan(θ−ψ)−1/tan(θ+ψ)}・・・(1)
なお、前記各角度(θ−ψ),(θ+ψ)は、上記数式(1)の関係を満たし、かつ、5度≦(θ−ψ)<(θ+ψ)≦85度とすることが好ましい。
またこのとき、貼り付けローラー3の、フィルム材2の角b上を加圧する位置の外径d1と、角d上を加圧する位置の外径d2は、上記数式(1)の関係を満たす変数θ,ψを用いて、下記数式(2)の関係を満たすようにする。
d2/d1=tan(θ+ψ)/sin(θ−ψ)・・・(2)
また、貼り付けローラー3は、芯材301の側面に帯電防止ウレタンゴムなどの表面材302が形成されている。このとき、表面材302の厚さは、貼り付けローラー3の外径の10%から20%程度であることが好ましい。そのため、前記数式(1)および数式(2)の関係を満たすように設定した外径d1,d2に基づいて芯材301の外径d1’,d2’を設定する。
このような方法で設定した貼り付けローラー3の各寸法L,d1,d1’,d2,d2’の一例を挙げると、たとえば、フィルム貼り付け面全体を加圧するために必要なローラーの長さLが786mmの貼り付けローラー3の場合、支持シャフト301a側の外径d1を24.66mm、支持シャフト301b側の外径d2を40.37mmとし、その間の領域の外径は、貼り付けローラー3の回転軸方向に直線的に変化させる。
また、表面材302の厚さは、貼り付けローラー3の各領域の外径dxに比例させる。このとき、フィルム材2の貼り付け面全域を加圧するために必要なローラーの長さLが786mmであり、外径d1,d2がそれぞれ24.66mm,40.37mmであるとすれば、芯材301の支持シャフト301a側の外径d1’を16.44mm、支持シャフト301b側の外径d2’を26.91mmとし、その間の領域の外径は貼り付けローラー3の回転軸方向に直線的に変化させる。このようにすると、貼り付けローラー3の任意の断面において、表面材302の厚みを貼り付けローラーの外径dの16.7%に維持することができる。
なお、図11では、貼り付けローラー3の回転軸方向の長さが、フィルム材2の貼り付け面全域を加圧するために必要なローラーの長さLよりも長い例を示しているが、フィルム材2を貼り付けるためには、長さL=R3−R1だけあればよい。すなわち、貼り付けローラー3の回転軸方向の長さはL以上であればよい。
図12および図13は、本実施例の貼り付け方法を適用した表示装置の一例を示す模式図であり、図12は液晶表示パネルの正面図、図13は図12のC−C’線断面図である。
本実施例のフィルム材の貼り付け方法は、たとえば、液晶表示パネルの表面に偏光板フィルムを貼り付けるときに適用することが好ましい。前記液晶表示パネルは、たとえば、図12および図13に示すように、1対の基板101,102を環状のシール材103で接着し、両基板101,102とシール材103で囲まれた空間に液晶材料104を封入した表示パネル1である。このとき、各基板101,102の外部表面上には、たとえば、偏光板フィルム201,202を貼り付ける。このとき用いられる偏光板フィルム201,202は外力に対して弱く、気泡や異物の混入を嫌う。また、2枚の偏光板フィルム201,202は、偏光軸を直交または平行にして貼り付ける必要がある。そのため、偏光板フィルム201,202を貼り付けるときには、高効率高精度な貼り付け作業が要求される。
このような偏光板フィルム201,202の貼り付けに、本実施例の貼り付け方法を適用することで、気泡の発生や位置ずれを防ぎ、かつ貼り付け開始時の貼り付けローラーの接触跡による光学的なむらや筋を防ぐことができる。
また、図13では、各基板101,102の外部表面に直接偏光板フィルム201,202を貼っている例を示しているが、これに限らず、たとえば、基板101と偏光板フィルム201の間および基板102と偏光板フィルム202の間に、1枚または複数枚の位相差板が貼り付けられていてもよい。
以上説明したように、本実施例のフィルム貼り付け方法によれば、気泡の発生や位置ずれを防ぐことができる。また、貼り付け開始時の貼り付けローラー3の接触跡5による光学的なむらや筋を防ぐこともできる。そのため、高品質な液晶表示装置を効率よく量産できる。
また、図12および図13には、表示パネル1の一例として液晶表示パネルを示したが、液晶表示パネルに限らず、たとえば、PDPや有機ELを用いた表示パネルに偏光板フィルム等のフィルム状の光学部品を貼り付ける工程に、本実施例の貼り付け方法を適用することで、高品質な表示装置を効率よく量産できる。
図14は、本実施例の応用例を説明するための模式図である。なお、図14では、貼り付け開始時の正面図および左側面図、ならびに下面図を示している。
本実施例のフィルム貼り付け方法では、貼り付けローラー3は、たとえば、図7に示したように、円錐台座形状の加圧部の両底面に設けた支持シャフト301a,301bを、支持ハウジングRHa,RHbによってベースプレートなどに支持している。そのため、貼り付けローラー3の前記加圧部には撓みが生じる。貼り付けローラー3の前記加圧部が撓むと、ローラー3の端部と中央部で均等に加圧することが難しく、たとえば、気泡が生じることがある。特に、たとえば、液晶テレビなどに用いられる大型の表示パネル1にフィルム材2を貼り付けるときに用いる長尺の貼り付けローラー3の場合、前記加圧部に生じる撓みが大きくなる。
そこで、貼り付けローラー3の撓みを防ぐために、たとえば、図14に示すように、貼り付けローラー3の、フィルム材2と接触している部分の対向側に、バックアップローラー6を設けることが好ましい。さらに、このバックアップローラー6は、たとえば、図14に示すように、3個のバックアップローラー6を、貼り付けローラー3の回転軸方向に沿って、貼り付け方向の前方および後方に交互に配置することが好ましい。なお、図14では、3個のバックアップローラー6を配置している例を示しているが、3個に限らず、4個以上のバックアップローラー6を配置してもよい。
図15は、バックアップローラーの配置の一例を示す模式図である。なお、図15では、貼り付け面側から見た貼り付けローラーおよびバックアップローラーの位置関係を示す正面図と、右側面図を示している。また、正面図と右側面図の間には、断面図を示している。
貼り付けローラー3の撓みを防ぐバックアップローラーを配置するときには、たとえば、図15に示すように、7個のバックアップローラー601〜607を、貼り付けローラー3の回転軸方向に沿って、貼り付け方向の前方および後方に交互に配置する。
このとき、貼り付けローラー3の任意の断面は、芯材301の周囲に表面材302をコーティングした構造であり、芯材301の回転軸方向の両端には支持シャフト301a,301bが加工されている。そして、貼り付けローラー3全体は、貼り付けローラーを支持する支持ハウジングRHa1,RHa2,RHb1,RHb2によって支持されている。またこのとき、支持ハウジングRHa2,RHb2はベースプレート7にネジ(図示せず)で固定されており、ベースプレート7の取り付け面内である程度の自由度をもって取り付けられている。また、支持ハウジングRHa1は支持ハウジングRHa2に、支持ハウジングRHb1は支持ハウジングRHb2にネジ(図示せず)で固定されており、貼り付けローラー3の回転軸に垂直な面内である程度の自由度をもって取り付けられている。これらの貼り付けローラーを支持する支持ハウジングRHa1,RHa2,RHb1,RHb2の固定位置の調整により貼り付けローラー3は、最適な位置に位置決め固定される。
また、貼り付けローラー3とベースプレートSとの間には、貼り付けローラー3を支持する支持ハウジングRHa1,RHa2,RHb1,RHb2とは異なる支持ハウジングによって、各バックアップローラー601〜607が回転自由に、かつ、貼り付けローラー3と線接触するように支持されている。このとき、各バックアップローラー601〜607は、貼り付けローラー3と同様に、円錐台座形状をしているとする。
またこのとき、たとえば、貼り付けローラー3の支持シャフト301aに最も近い位置に配置されたバックアップローラー601は、位置決めプレートBP1に固定された支持ハウジングBH1a,BH1bで回転自由に支持されている。また、バックアップローラー602は、位置決めプレートBP2に固定された支持ハウジングBH2a,BH2bで回転自由に支持されている。また、バックアップローラー603は、位置決めプレートBP3に固定された支持ハウジングBH3a,BH3bで回転自由に支持されている。また、バックアップローラー604は、位置決めプレートBP4に固定された支持ハウジングBH4a,BH4bで回転自由に支持されている。また、バックアップローラー605は、位置決めプレートBP5に固定された支持ハウジングBH5a,BH5bで回転自由に支持されている。また、バックアップローラー606は、位置決めプレートBP6に固定された支持ハウジングBH6a,BH6bで回転自由に支持されている。また、バックアップローラー607は、位置決めプレートBP7に固定された支持ハウジングBH7a,BH7bで回転自由に支持されている。
また、各位置決めプレートBP1〜BP7は、ベースプレート7に固定されている。
また、貼り付けローラー3の回転軸に対する一方の側に配置されたバックアップローラー601,603,605,607は、同じ回転軸を中心に回転するように支持する。また、反対側に配置されたバックアップローラー602,604,606も、同じ回転軸を中心に回転するように支持する。
またさらに、貼り付けローラー3の回転軸に対する一方の側に配置されたバックアップローラー601,603,605,607と、その反対側に配置されたバックアップローラー602,604,606を、千鳥状に配置する際には、貼り付けローラー3の、フィルム材2と接する領域の任意箇所が、少なくとも1個のバックアップローラーと接触するように配置する。
このとき、各バックアップローラー601〜607の、ベースプレート7の取り付け面上での位置調整は、たとえば、ベースプレート7に取り付けられた位置決めプレートBP1〜BP7から調整ネジ(図示せず)で、バックアップローラー用の支持ハウジングを押し込むことでなされるとする。
次に、貼り付けローラー3および各バックアップローラー601〜607の寸法の一例を挙げる。貼り付けローラー3の加圧部の全長が、たとえば、786mmの場合、貼り付けローラー3の支持シャフト301a側の外径d1および支持シャフト301b側の外径d2はそれぞれ24.66mm,40.37mmである。このとき、各バックアップローラー601〜607の回転軸方向の長さが全て108mmであるとすれば、バックアップローラー601の小径すなわち支持ハウジングBH1a側の外径は24.96mmとし、大径すなわち支持ハウジングBH1a側の外径は27.12mmとする。また、バックアップローラー602の小径は27.12mmとし、大径すなわち支持ハウジングBH1a側の外径は29.28mmとする。また、バックアップローラー603の小径は29.28mmとし、大径は31.44mmとする。また、バックアップローラー604の小径は31.44mmとし、大径は33.59mmとする。また、バックアップローラー605の小径は33.59mmとし、大径は35.75mmとする。また、バックアップローラー606の小径は35.75mmとし、大径は37.91mmとする。また、バックアップローラー607の小径は37.91mmとし、大径は40.07mmとする。
なお、上記貼り付けローラー3および各バックアップローラー601〜607の寸法は、あくまで一例であり、適宜変更可能であることはもちろんである。
以下、図14および図15に示すように、複数個のバックアップローラー6(601〜607)を設け、かつ、千鳥状に配置したときの作用効果について説明する。
図16は、バックアップローラーを設けていない場合の問題点を説明する模式図である。また、図17は、貼り付けローラーと同じ長さのバックアップローラーを設けた場合の問題点を説明する模式図である。また、図18は、貼り付けローラーより短いバックアップローラーを設けた場合の第1の問題点を説明する模式図である。また、図19は、貼り付けローラーより短いバックアップローラーを設けた場合の第2の問題点を説明する模式図である。また、図20は、貼り付けローラーより短いバックアップローラーを設けた場合の第3の問題点を説明する模式図である。また、図21は、複数個のバックアップローラーを設けた場合の効果を説明する模式図である。また、図22は、貼り付けローラーより短いバックアップローラーを複数個設けた場合の問題点を説明する模式図である。また、図23は、貼り付けローラーより短いバックアップローラーを複数個設け、かつ千鳥状に配置したときの第1の効果を説明する模式図である。また、図24は、貼り付けローラーより短いバックアップローラーを複数個設け、かつ千鳥状に配置したときの第2の効果を説明する模式図である。
前記バックアップローラー6(601〜607)を設けていない場合、貼り付けローラー3は、前述のように、芯材301の両端に加工した支持シャフト301a,302bの2点で支持される。そのため、貼り付けローラー3は、たとえば、図16に示すように、重力gにより撓みω1が発生する。貼り付けローラー3が、たとえば、直径50mm、長さ970mmの円筒形の場合、重力による撓みω1は計算上、0.102mm程度となる。なお、図16では、円筒形の貼り付けローラー3を示しているが、本実施例で挙げたような円錐台形状の貼り付けローラー3でも、同様の撓みω1が発生する。この重力による撓みω1は、フィルム材2を貼り付ける際に気泡が生じる原因となる。
フィルム材2を表示パネル1に貼り付ける工程では、経験的に、貼り付けローラー3とフィルム材2の間に、0.03mmの隙間が生じると、フィルム材2と表示パネル1の間に気泡が生じるといわれている。そのため、重力による撓みω1は、0.03mm未満に抑える必要がある。
貼り付けローラー3の重力による撓みω1を小さくする方法としては、たとえば、図17に示すように、貼り付けローラー3と同じ長さのバックアップローラー6で貼り付けローラー3の側面を支持する方法が知られている。しかしながら、この場合、バックアップローラー6も、その直径によらず、貼り付けローラー3と同様に重力gによる撓みが発生する。そのため、バックアップローラー6を設けていない場合に比べて、貼り付けローラー3の重力による撓みω1の量は低減するものの、その量を0.03mm未満に抑えるのは難しい。
そこで考えられるのが、たとえば、図18に示すように、貼り付けローラー3よりも短いバックアップローラー6で支持する方法である。このようにすれば、バックアップローラー6の撓みが小さくなるので、貼り付けローラー3の重力による撓みω1をなくすことができる。しかしながら、たとえば、液晶表示パネルに偏光板フィルムを貼り付けるときなどのように、ガラス表面に樹脂製のフィルム材を貼り付ける場合、表面すなわちフィルム材と接触する面に、比較的柔らかいウレタンゴムをコーティングした貼り付けローラー3を用いることが多い。この場合、バックアップローラー6は、貼り付けローラー3の重力gによる撓みω1を小さくする方向に力F1を加えた状態で前記ウレタンゴムと接触している。そのため、経時変化により、図18に示したように、ウレタンゴムの、バックアップローラー6が接触している部分Sだけ直径が減少し、ヘタリと呼ばれる状態になる。このようなヘタリが生じると、フィルム材を貼り付ける際にヘタリが生じた部分Sに隙間が生じ、フィルム材2と表示パネル1の間に気泡が生じる。
また、貼り付けローラー3を用いてフィルム材2を貼り付けるときには、たとえば、図19に示すように、貼り付け方向D1に貼り付けローラー3を転がして移動させる。このとき、たとえば、貼り付けローラー3のフィルム材2と接触する位置の真下の位置にバックアップローラー6を配置していると、貼り付けローラー3がフィルム材2に引きずられ、貼り付けローラー3のフィルム材2への加圧方向とは垂直方向に当たる貼り付け方向D1と反対方向に撓みω2が発生し、所定の貼り付けができないという問題がある。
図19に示した撓みω2を防ぐためには、たとえば、貼り付けローラー3の貼り付け方向D1とは逆の方向に発生する力を受けなければならない。つまり、貼り付け方向D1と同じ方向の力を貼り付けローラー3に加える必要がある。そのため、たとえば、図20に示すように、貼り付けローラー3の貼り付け方向D1に対して斜め後方にバックアップローラー6を配置することが考えられる。しかしながら、この配置だと、バックアップローラー6から貼り付けローラー3に加える力F1は、貼り付け方向D1および加圧方向D2の両方に対して斜め方向を向いている。そのため、貼り付け作業を行うときに、貼り付けローラー3が、貼り付け方向D1の斜め前方方向D2に逃げ、フィルム材2に対して十分な加圧力が得られないという問題がある。
以上の点をふまえると、たとえば、図21に示すように、2つのバックアップローラー601,602を、貼り付けローラー3の貼り付け方向D1の斜め後方および斜め前方に配置して支持する方法が有効であると考えられる。この配置であれば、貼り付けローラー3の斜め後方に配置されたバックアップローラー601からの力F1により方向D3に逃げようとする貼り付けローラー3を、斜め前方に配置されたバックアップローラー602からの力F1’で支持し、逃げを防ぐことができる。
しかしながら、図21に示したような配置であっても、たとえば、バックアップローラー601,602の長さが、貼り付けローラー3の長さよりも短い場合、図22に示すように、貼り付けローラー3の表面(側面)のうち、バックアップローラー601,602が接触している部分Sにヘタリが発生してしまう。
そこで、上述のような重力による撓みω1およびフィルム材2に引っ張られることによる撓みω2の発生を防ぎ、かつ、ヘタリの発生による貼り付け不良を防ぐ方法として、たとえば、図23に示すように、3つのバックアップローラー601,602,603を回転軸方向に位置をずらして千鳥状に配置することが有効であることを、本願発明者らは見いだした。この方法では、図23に示すように、バックアップローラー601が接触する部分S1、バックアップローラー602が接触する部分S2、バックアップローラー603が接触する部分S3にヘタリが生じ、その結果としてヘタリが生じる部分Sが広くなる。このとき、ヘタリが生じる部分Sの長さが、たとえば、図24に示すように、フィルム材2の幅Wよりも大きくなるようにする。このようにすれば、経時変化により、貼り付けローラー3の表面(側面)にコーティングしたウレタンゴムにヘタリが生じても、貼り付けローラー3をフィルム材2に均等に接触させることができる。
またこのとき、フィルム材2に引っ張られることによる撓みω2の量は、貼り付けローラー3の中央部付近がもっとも大きい。そのため、たとえば、図24に示すように、貼り付けローラー3の中央部付近は、貼り付け方向D1とは逆方向の斜め後方に配置したバックアップローラー602で支持することが好ましい。また、貼り付けローラー3の逃げをバランスよく防ぐためには、中央部を境にして、対称となるようにバックアップローラーを配置することが好ましい。そのため、バックアップローラーは、3個以上の奇数個であることが好ましい。またさらに、貼り付けローラー3の、フィルム材2と接触する部分全体に、均等にヘタリが生じるようにするためには、フィルム材2と接触する部分の各点が、1つ以上のバックアップローラーと接するようにすることが好ましい。つまり、たとえば、3つのバックアップローラーを配置する場合、各バックアップローラーの長さは、貼り付けローラー3の、フィルム材2と接触する部分の長さの3分の1(33.33%)以上にすることが好ましい。
また、バックアップローラーの数は、3個以上の奇数個であれば、何個でもよいが、数が多くなると、それだけ支持ハウジングや位置決めプレートの数も増え、組み立て作業や調整作業が複雑になる。また、貼り付けローラーの一方、たとえば、斜め後方に配置したバックアップローラーの間には、支持ハウジングが介在できるだけの隙間が必要である。そのため、バックアップローラーの数は、たとえば、3個以上25個以下の奇数個にすることが好ましい。25個のバックアップローラーを配置する場合、各バックアップローラーの長さは、たとえば、貼り付けローラー3の、フィルム材2と接触する部分の長さの25分の1(4%)以上とする。
なお、図16から図24までの各図を用いた説明では、貼り付けローラー3が円筒形の場合を想定しているが、これに限らず、本実施例の貼り付けローラー3のように、円錐台座形状の場合も、前述のような各問題が生じる。そのため、本実施例の貼り付けローラー3の場合も、円筒形の場合と同様の考えに基づき、図15に示したように千鳥状に配置したバックアップローラー601〜607で貼り付けローラー3を支持することで、撓みω1およびフィルム材2に引っ張られることによる撓みω2の発生を防ぎ、かつ、ヘタリの発生による貼り付け不良を防ぐことができる。
以上、本発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはもちろんである。
1…表示パネル
101,102…基板
103…シール材
104…液晶材料
2…フィルム材
201,202…偏光板フィルム
3…貼り付けローラー
301…芯材
301a,301b…支持シャフト
302…表面材
4…加圧領域
5…接触跡
6,601〜607…バックアップローラー
7…ベースプレート
RHa,RHa1,RHa2,RHb,RHb1,RHb2…貼り付けローラーの支持ハウジング
BH1a〜BH7a,BH1b〜BH7b…バックアップローラーの支持ハウジング
BP1〜BP7…位置決めプレート
101,102…基板
103…シール材
104…液晶材料
2…フィルム材
201,202…偏光板フィルム
3…貼り付けローラー
301…芯材
301a,301b…支持シャフト
302…表面材
4…加圧領域
5…接触跡
6,601〜607…バックアップローラー
7…ベースプレート
RHa,RHa1,RHa2,RHb,RHb1,RHb2…貼り付けローラーの支持ハウジング
BH1a〜BH7a,BH1b〜BH7b…バックアップローラーの支持ハウジング
BP1〜BP7…位置決めプレート
Claims (7)
- 表示パネルの表面にフィルム材を貼り付ける工程を有する表示装置の製造方法であって、
前記表示パネルは、前記フィルム材を貼り付ける面が3つ以上の辺を有する多角形状であり、
前記フィルム材の1つの辺を前記表示パネル上の所定の位置に加圧して貼り付けを開始し、
前記フィルム材の他の領域は、加圧領域を順次移動させながら貼り付け、かつ、前記フィルム材の辺のうち、貼り付けを開始した辺を除く他の辺は、加圧領域を辺方向に順次移動させながら貼り付けることを特徴とする表示装置の製造方法。 - 前記フィルム材は、貼り付けを開始する辺と平行な辺を有し、該平行な辺は、加圧領域を辺方向に順次移動させながら貼り付けることを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。
- 前記加圧領域は、前記フィルム材の2つの辺上の2つの点を結ぶ線を中心とした微小な幅を持つ領域であり、
前記加圧領域の各点は、前記フィルム材の貼り付けを開始する辺の延長上の一点を中心とする円の円周上を移動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置の製造方法。 - 前記加圧領域を移動させながら貼り終える前記フィルム材の辺は、該辺と前記加圧領域の中心線とのなす角を5度以上の鋭角に保って貼り付けることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
- 表示パネルの表面にフィルム材を貼り付ける貼り付け装置であって、
前記表示パネルの表面に重ねた前記フィルム材を加圧するローラーを有し、
前記ローラーは、回転軸上の各点から前記フィルム材との接触面までの距離が異なり、かつ、一方向に単調に増加していることを特徴とする貼り付け装置。 - 前記ローラーは、円錐または円錐台形状であり、その側面をフィルム材に接触させて加圧することを特徴とする請求項5に記載の貼り付け装置。
- 表示パネルの表面にフィルム材を貼り付ける貼り付け装置であって、
円錐または円錐台形状であり、その側面を、前記表示パネルの表面に重ねた前記フィルム材に接触させて加圧する加圧ローラーと、
円錐または円錐台形状であり、その側面を、前記加圧ローラーの側面と接触させて前記加圧ローラーを支持する3個以上の複数個のバックアップローラーとを有し、
前記奇数個のバックアップローラーは、前記加圧ローラーの回転軸方向に沿って、貼り付け方向の前方および後方に交互に、かつ、前記加圧ローラーの側面のうち前記フィルム材と接触する領域の各点が1つ以上のバックアップローラーと接触するように配置されていることを特徴とする貼り付け装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013149129A (ja) * | 2012-01-20 | 2013-08-01 | Fujifilm Corp | 光硬化性樹脂層が形成された基板とその形成方法、静電容量型入力装置及び画像表示装置 |
JP2019529965A (ja) * | 2016-08-25 | 2019-10-17 | エルジー・ケム・リミテッド | ディスプレイユニット製造システム |
CN113903255A (zh) * | 2021-09-13 | 2022-01-07 | 安徽中显智能机器人有限公司 | 一种自动滚贴显示屏侧边胶条方法 |
-
2005
- 2005-11-22 JP JP2005336821A patent/JP2007140340A/ja active Pending
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