JP2007140164A - カラオケ装置およびカラオケ装置用プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】固定的な観点での採点を行うだけでなく、興趣性に富む多面的な採点を行うことができるカラオケ装置およびカラオケ装置用プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】カラオケに合わせて歌唱される音声の音声信号の周波数成分を解析し、前記カラオケ曲の旋律情報と比較することにより、歌唱を評価する音程評価手段と、入力された音声信号の音量成分を解析し、第1の基準値と比較することにより、歌唱を評価する第1の音量評価手段と、入力された音声信号の音量成分を解析し、第2の基準値と比較することにより、歌唱を評価する第2の音量評価手段と、前記音程評価手段と前記第1および第2の音量評価手段の評価に基づいて、歌唱の採点を行う手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

この発明は、採点機能を備えたカラオケ装置およびカラオケ装置用プログラムに関する。
従来より、マイクから入力される歌唱音声信号の周波数などを分析することにより、カラオケ歌唱を高い精度で採点する採点機能を備えたカラオケ装置が知られている。例えば、下記特許文献1には、3人の審査員を表示し、それぞれが異なる観点で歌唱を評価し、合計得点を表示するシステムが開示されている。当該システムでは、3人の審査員による採点は、それぞれ同じ採点アルゴリズムに従って楽曲を評価し、評価観点(音程、音量、リズム)への配点の重み付けを異ならせることで、模擬的に異なる評価を出力するように構成している。
特開平10−161673号公報
上記従来技術では、カラオケ歌唱の正確な評価を行うことができるが、評価観点としては音程、音量、及びリズムを固定的に用いているに過ぎないので、興趣性に乏しい面があった。
この発明は、固定的な観点での採点を行うだけでなく、興趣性に富む多面的な採点を行うことができるカラオケ装置およびカラオケ装置用プログラムを提供することを目的とする。
この目的を達成するため、この発明は、カラオケに合わせて歌唱される音声の音声信号の周波数成分を解析し、前記カラオケ曲の旋律情報と比較することにより、歌唱を評価する音程評価手段と、入力された音声信号の音量成分を解析し、第1の基準値と比較することにより、歌唱を評価する第1の音量評価手段と、入力された音声信号の音量成分を解析し、第2の基準値と比較することにより、歌唱を評価する第2の音量評価手段と、前記音程評価手段と前記第1および第2の音量評価手段の評価に基づいて、歌唱の採点を行う手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、従来のような固定的な観点での採点だけでなく、興趣性に富みエンターテイメント性を増した採点を行うことができる。特に、歌唱の音程や音量の評価の際に、「歌唱量」を加味することができ、「歌ったこと」すなわち「歌った努力」を評価する採点を行うことができ、エンターテイメント性が増す。
以下、図面を用いてこの発明を実施するための一形態例を説明する。
図1は、この発明の一実施形態のカラオケ装置のハードウェア概略構成図を示す。このカラオケ装置は、中央処理装置(CPU)101、リードオンリメモリ(ROM)102、ランダムアクセスメモリ(RAM)103、外部記憶装置104、ディスプレイ105、音源(DSPなどを含む)106、サウンドシステム107、音声入力部108、マイク109、通信インターフェース(I/F)110、及びバスライン111を備える。
CPU101は、このカラオケ装置全体の動作を制御する処理装置である。ROM102は、電源投入時のスタートアップルーチンや低レベルI/O処理を司るBIOS(Basic Input Output System)及びCPU101が実行する制御プログラムなどを格納する不揮発性メモリである。RAM103は、CPU101が実行するプログラムのロード領域や各種のワーク領域として使用する揮発性メモリである。外部記憶装置104は、例えばハードディスク(HDD)やフラッシュメモリなどであり、CPU101が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。特に、外部記憶装置104は、後述するカラオケデータを記憶している。本カラオケ装置は、例えば一般的なPCを用いて構成できる。本カラオケ装置は、ネットワーク経由でサーバ120と接続され、全体としてサーバ・クライアント・システムを構成している。
ディスプレイ105は、このカラオケ装置の外部パネル上に設けられた各種の情報を表示するための表示装置である。音源106は、CPU101の指示に基づいて、カラオケ伴奏用の楽音信号を生成し、サウンドシステム107に送出する。音源106は、DSPなどを含み、マイクから入力した歌唱音声と伴奏音とをミキシングする機能、各種の効果付与機能、及び出力レベル制御機能を備えている。サウンドシステム107は、音源106から出力された楽音信号に基づいて楽音を放音する。音声入力部108は、マイク109から入力されるアナログ信号の歌唱音声信号をディジタルデータにA/D変換して入力する。通信I/F110は、ネットワークインターフェースであり、これによりネットワーク経由で外部のサーバ120からカラオケデータの配信を受けることができる。配信されたカラオケデータは、外部記憶装置104に格納される。ストリーミングデータとしてカラオケデータを受信することもできる。なお、図1では図示しないが、ユーザがリモコン装置やキーボード、マウス、各種スイッチなどで本カラオケ装置に各種の指示を与えることができる操作部を備えているものとする。
図2は、サーバ120から配信され外部記憶装置104に格納されるカラオケデータの構成を示す。カラオケデータは、演奏データ201、歌詞データ202、及び付加データ203を備える。演奏データ201は、メロディパート211と伴奏パート212を含む。メロディパート211は、この曲で歌唱すべき旋律を示すMIDI形式のイベントシーケンスである。伴奏パート212は、この曲の伴奏音のMIDI形式のイベントシーケンスである。歌詞データ202は、この曲の歌詞(ディスプレイに表示するためのもの)である。付加データ203は、採点用パラメータ231と他のデータ232からなる。他のデータ232として、楽曲ID、楽曲ジャンル、ボーカルジェンダー(性別)、再生ランキング、及び著作権関連情報(アーテイスト名、作曲家名、作詞家名、発表年など)などが含まれる。採点用パラメータ231は、この楽曲固有の採点方式を指定する場合に付加されるデータである。採点用パラメータ231の詳細は後述する。
なお、カラオケデータが採点用パラメータ231を含まない場合もある。カラオケデータが採点用パラメータ231を含む場合は、その採点用パラメータ231に基づく採点方式で採点が行われ、カラオケデータが採点用パラメータ231を含まない場合は、デフォルトの採点パラメータに基づく採点方式で採点が行われる。採点用パラメータ231は、後述するように複数のパラメータを含むので、カラオケデータが採点用パラメータ231を部分的に含む場合は、その指定されているパラメータは利用し、指定されていないパラメータはデフォルト値を用いるものとする。また、採点用パラメータ231と他のデータ232は、必ずしも演奏データ201及び歌詞データ202と一体化している必要は無い。例えば、別途サーバ120より採点用パラメータと他のデータ232を配信するようにしてもよい。この場合、既に外部記憶装置104に格納されている演奏データ201及び歌詞データ202と、サーバ120からダウンロードされる付加データ203とは、楽曲IDにより関連付けすればよい。
図3は、本実施形態のカラオケ装置における採点機能の機能ブロック図を示す。記憶手段301は、図1の外部記憶装置104に対応し、予めサーバ120から配信されたカラオケデータ302(図2)が格納されている。記憶手段301から読み出す代りに、ストリーミングにより配信されるカラオケデータを用いてもよい。シーケンサ303は、カラオケデータ302を入力し、該カラオケデータ302中の各データを各部に送出するとともに、各部の動作を制御する。シーケンサ303は、図1のCPU101が所定のプログラムを実行することにより実現されるものである。
カラオケデータ302中の演奏データ201は、音源305に逐次送出される。音源305は、図1の音源106に対応する。音源305は、入力した演奏データ201に基づいて楽音を生成しミキサ309に出力する。また、描画エンジン部332は、シーケンサ303から出力される歌詞データ202を入力して、表示画面333(図1のディスプレイ105)に当該歌詞データ202を含むカラオケ画面を描画する。描画エンジン部332は、図1のCPU101が所定のプログラムを実行することにより実現されるものである。
マイク306から入力された歌唱音声信号は、A/D変換部307によりディジタルデータである音声信号308に変換される。マイク306とA/D変換部307は、図1のマイク109と音声入力部108に対応する。音声信号308はミキサ309に入力する。ミキサ309は、音源305からの楽音とマイクからの音声信号308とをミキシングするとともに、効果付与や出力レベル制御を行う。ミキシングの出力は、D/A変換部310によりアナログ音響信号に変換され、スピーカ311から放音される。ミキサ309、D/A変換部310、及びスピーカ311は、図1の音源(DSP)106とサウンドシステム107に対応する。
歌唱音声の音声信号308は、レベル解析部321及び周波数解析部322に入力し、サンプリング周期毎にレベル解析及び周波数解析が行われる。レベル解析部321は、歌唱音の音量レベル情報を出力し、周波数解析部322は周波数分布情報を出力する。歌唱分析部323は、音量レベル情報と周波数分布情報とを入力するとともに、シーケンサ303から出力されるメロディパート211を入力する。
歌唱分析部323中の歌唱量判定部324は、メロディパート211の各音符毎に、その音符のタイミングでマイク306から入力された歌唱音声の音量レベルが所定の第1の閾値を超えているか否かを判定し、当該閾値を超えているときは1、そうでないときは0をとる音量判定値Aを求める。歌唱量判定部324は、楽曲の再生が終了した時点で、当該楽曲のメロディーパートの全ての音符における音量判定値Aの総和であるΣ音量判定値Aを求め、
正規化歌唱量評価点=(Σ音量判定値A)/メロディーパートの全ての音符数
で正規化歌唱量評価点を算出する。正規化歌唱量評価点は、有効な歌唱が全体の何%行われたかを示す指標であり、メロディーパートの音符を全て第1の閾値を超える音量レベルで発声していれば1.0、第1の閾値以下の音量レベルで発声された音符が増える毎に1.0から減少していき、全ての音符について第1の閾値以下の音量レベルで発声されたとき0.0をとる。なお、ノート毎の音量レベルは、「サンプリング波形の振幅絶対値の積分/サンプル数」ではなく、「波形のピーク値/ピーク数」で求めるものとする。
歌唱分析部323中の音程判定部325は、メロディパート211の各音符毎に、その音符の基準周波数(ノート情報から特定される音高の周波数)とその音符のタイミングでマイク306から入力された歌唱音声のフォルマントピーク(基本周波数成分および/または倍音成分)の周波数との偏差を求め、この偏差に基づいて各音符毎の音程判定値を算出する。音程判定値は0.0〜1.0の範囲をとり、偏差が0のとき音程判定値=1.0となり、偏差が大きくなるに連れて減少する。音程判定部325は、楽曲の再生が終了した時点で、当該楽曲のメロディーパート211の全ての音符における音程判定値の総和であるΣ音程判定値を求め、
正規化音程評価点=(Σ音程判定値)/メロディーパートの全ての音符数
で正規化音程評価点を算出する。正規化音程評価点は、楽曲全体でどの程度正確な音程で発声しているかを示す指標であり、1.0〜0.0の範囲(各音符毎の歌唱音声のフォルマントピークが何れも各音符の基準周波数と完全に一致していたとき1.0)をとる。
歌唱分析部323中の音量判定部326の処理は、上記歌唱量判定部324と同様である。ただし、第1の閾値の代りに、第1の閾値<第2の閾値となる第2の閾値を用いる。第2の閾値を用いて判定した音量判定値を音量判定値Bと呼ぶ。音量判定部326は、楽曲の再生が終了した時点で、当該楽曲のメロディーパートの全ての音符における音量判定値Bの総和であるΣ音量判定値Bを求め、
正規化音量評価点=(Σ音量判定値B)/メロディーパートの全ての音符数
で正規化音量評価点を算出する。第1の閾値<第2の閾値なので、正規化歌唱量評価点≧正規化音量評価点となる。正規化音量評価点は、楽曲全体でどの程度元気良く発声しているかを示す指標である。
採点評価部327は、複数の採点エージェント328を有する。各エージェント328は、楽曲の再生が終了した時点で歌唱分析部323から出力される正規化歌唱量評価点、正規化音程評価点、及び正規化音量評価点を入力し、またシーケンサ303から付加データ203(採点用パラメータ231を含む。カラオケデータが採点用パラメータ231を含まない場合はデフォルトの採点用パラメータが用いられる。)を入力し、それぞれ後述する図5の処理手順で採点を行う。各エージェント328に渡される採点用パラメータがそれぞれ異なるため、各エージェント328毎にそれぞれ異なる採点方式で採点を行うことになる。各エージェント328が採点した点数は、描画エンジン332に入力されて表示され、さらにその合計が評価点として表示される。
なお、レベル解析部321、周波数解析部322、歌唱分析部323、及び採点エージェント328は、CPU101が所定のプログラムを実行することにより実現される。部分的に音源106のDSPの機能を利用しても良い。
ここで、各エージェント328がシーケンサ303から与えられるパラメータ項目(採点用パラメータ231)について説明する。
(1)歌唱量判定の有無:歌唱量判定を行うか否かを「有り」または「無し」で指定するパラメータである。「有り」のときは、その配点も指定する。「有り」が指定されているとき、エージェントは、上記歌唱量判定部324からの出力である正規化歌唱量評価点(0.0〜1.0の範囲)に上記指定されている配点を乗算して歌唱量評価点を算出し、得点に加点する。
(2)音程判定の有無:音程判定を行うか否かを「有り」または「無し」で指定するパラメータである。「有り」のときは、その配点も指定する。「有り」が指定されているとき、エージェントは、上記音程判定部325からの出力である正規化音程評価点(0.0〜1.0の範囲)に上記指定されている配点を乗算して音程評価点を算出し、得点に加点する。
(3)音量判定の有無:音量判定を行うか否かを「有り」または「無し」で指定するパラメータである。「有り」のときは、その配点も指定する。「有り」が指定されているとき、エージェントは、上記音量判定部326からの出力である正規化音量評価点(0.0〜1.0の範囲)に上記指定されている配点を乗算して音量評価点を算出し、得点に加点する。
(4)ジャンル採点の有無:ジャンルによる加点を行うか否かを「有り」または「無し」で指定するパラメータである。「有り」のときは、そのジャンル及び加点する点数も指定する。複数のジャンルとそのジャンル毎の加点点数を指定してもよい。「有り」が指定されているとき、エージェントは、選択された楽曲が上記指定されたジャンルであるか判定し、そうであるときは上記指定された点数を得点に加点し、そうでないときは加点しない。
(5)発表年採点の有無:選択された楽曲の発表年(発売年)による加点を行うか否かを「有り」または「無し」で指定するパラメータである。「有り」のときは、発表年を判定するための期間及び加点する点数も指定する。複数の期間とその期間毎の加点点数を指定してもよい。「有り」が指定されているとき、エージェントは、選択された楽曲の発表年が上記指定された期間に入っているか判定し、そうであるときは上記指定された点数を得点に加点し、そうでないときは加点しない。
(6)ランキング採点の有無:選択された楽曲のランキングによる加点を行うか否かを「有り」または「無し」で指定するパラメータである。「有り」のときは、ランキングを判定するためのランキング圏(例えば、第1位〜第10位など)及び加点する点数も指定する。複数のランキング圏とそのランキング圏毎の加点点数を指定してもよい。「有り」が指定されているとき、エージェントは、選択された楽曲の現在のランキングをサーバ120から取得し、そのランキングが上記指定されたランキング圏内に入っているか判定し、そうであるときは上記指定された点数を得点に加点し、そうでないときは加点しない。ランキングは、採点時にサーバ120から取得するものであってもよいし、事前にサーバ120から取得するようにしてもよい。
(7)歌唱回数採点の有無:カラオケ歌唱したユーザがその楽曲を再生した回数による加点を行うか否かを「有り」または「無し」で指定するパラメータである。「有り」のときは、再生回数範囲及び加点する点数も指定する。「有り」が指定されているとき、エージェントは、その楽曲の再生回数が上記指定された再生回数範囲内に入っているか判定し、そうであるときは上記指定された点数を得点に加点し、そうでないときは加点しない。なお、再生回数は、クライアントである各カラオケ装置上で(必要であればユーザ毎に)保持・管理される。楽曲データをストリーム配信する場合は、サーバ120側で管理してもよい。再生回数でなく採点回数を用いてもよい。
(8)その他に、そのエージェントで出力する得点値のリミット値(最大値)を指定する。上記(1)〜(7)のように得点を加点していくと、得点値が不適当に大きくなる場合があるので、所定のリミット値に制限するものである。
本実施形態では、図3に示すように5つのエージェント328を用いる。シーケンサ303から各エージェントに与えられるデフォルトの採点用パラメータの例を以下に示す。
[第1のエージェント]
歌唱量判定:有り(その配点は10点)、音程判定:有り(その配点は10点)、音量判定:無し、ジャンル採点:無し、発表年採点:無し、ランキング採点:無し、歌唱回数採点:無し、リミット値:20点
[第2のエージェント]
歌唱量判定:有り(その配点は15点)、音程判定:無し、音量判定:有り(その配点は5点)、ジャンル採点:無し、発表年採点:無し、ランキング採点:無し、歌唱回数採点:無し、リミット値:20点
[第3のエージェント]
歌唱量判定:無し、音程判定:無し、音量判定:無し、ジャンル採点:有り(ジャンルがJ-POPのとき加点は5点、ジャンルがROCKのとき加点は3点)、発表年採点:有り(加点対象の発表年は2004-2005年で、加点は5点)、ランキング採点:有り(ランキングが第1〜10位のとき加点は10点、ランキングが第10〜20位のとき加点は5点)、歌唱回数採点:無し、リミット値:20点
[第4のエージェント]
歌唱量判定:無し、音程判定:無し、音量判定:無し、ジャンル採点:有り(ジャンルがJ-POPのとき加点は8点)、発表年採点:有り(加点対象の発表年は1980-1995年で、加点は8点)、ランキング採点:有り(ランキングが第1〜30位のとき加点は4点)、歌唱回数採点:無し、リミット値:20点
[第5のエージェント]
歌唱量判定:無し、音程判定:無し、音量判定:無し、ジャンル採点:有り(ジャンルが演歌のとき加点は10点)、発表年採点:無し、ランキング採点:有り(ランキングが第1〜10位のとき加点は5点、ランキングが第11〜50位のとき加点は3点)、歌唱回数採点:有り(当該楽曲の再生回数が10回以上のとき加点は5点、5〜9回のとき加点は3点、1〜4回のとき加点は1点)、リミット値:20点
第1のエージェントは、例えば作曲家のように歌唱者の音程ずれに厳しい評価を行う審査員を具現化している。第2のエージェントは、例えば歌詞をはっきりと歌うことを評価する作詞家の審査員を具現化している。第1及び第2のエージェントは、歌の専門家であるので、基本的な評価として歌唱量も判定している。第3のエージェントは、例えば知らない曲には全く興味がなく、2004-2005年辺りの流行曲のみ評価する渋谷系ギャルの審査員を具現化している。第4のエージェントは、例えば30才前後のカップルで、自己が学生時代の楽曲が歌うメインであるが、最新曲にも理解があるような審査員を具現化している。第5のエージェントは、例えば赤坂の店に勤める女性で、客の相手で良く聞く落ち着いた曲が好みの審査員を具現化している。
図4は、採点処理のフローチャートを示す。ステップ401で初期設定を行う。初期設定では、この楽曲の採点に利用する5つのエージェントの採点用パラメータ、歌唱分析部323から出力される各評価点、及び、この楽曲のカラオケデータ中の他のデータ232(ジャンルや発表年など)を取得し、各エージェントに送る。上述したように、カラオケデータ中に採点用パラメータ231が指定されていれば、それを利用し、指定されていなければデフォルト値を送るものとする。ステップ402では、各エージェントにて評価を実行する。ステップ403で、各エージェントでの採点結果を集計し出力する。
図5は、各エージェントの処理を示すフローチャートである。ステップ501で、初期設定を行う。初期設定では、当該エージェントに与えられる採点用パラメータ(上記(1)〜(8)のパラメータ項目の値)を入力する。また、得点を格納するレジスタを0クリアする(以下、単に「得点」と呼ぶ)。ステップ502で歌唱量判定の有無を判別する。歌唱量判定:有りが指定されているときは、ステップ503で、上記(1)で説明したように歌唱量評価点を算出し、得点に加点する。ステップ504で音程判定の有無を判別する。音程判定:有りが指定されているときは、ステップ505で、上記(2)で説明したように音程評価点を算出し、得点に加点する。ステップ506で音量判定の有無を判別する。音量判定:有りが指定されているときは、ステップ507で、上記(3)で説明したように音量評価点を算出し、得点に加点する。ステップ508でジャンル採点の有無を判別する。ジャンル採点:有りが指定されているときは、ステップ509で、上記(4)で説明したように、当該楽曲のジャンルが指定されたジャンルか判別し、そうであるときは指定された点数を得点に加点する。ステップ510で発表年採点の有無を判別する。発表年採点:有りが指定されているときは、ステップ511で、上記(5)で説明したように、当該楽曲の発表年が指定された期間内か判別し、そうであるときは指定された点数を得点に加点する。ステップ512でランキング採点の有無を判別する。ランキング採点:有りが指定されているときは、ステップ513で、上記(6)で説明したように、当該楽曲のランキングが指定されたランキング圏内か判別し、そうであるときは指定された点数を得点に加点する。ステップ514で歌唱回数採点の有無を判別する。ランキング採点:有りが指定されているときは、ステップ515で、上記(7)で説明したように、当該楽曲の再生回数が指定された範囲内か判別し、そうであるときは指定された点数を得点に加点する。ステップ516では、持ち点である得点が、指定されたリミット値を超えていないかを判別し、超えている場合はそのリミット値を得点とする。
図6は、表示画面例を示す。601はカラオケ演奏中の画面を示す。611に示すように楽曲の進行に従って順次歌詞が表示される。曲が終わると画面602が表示される。採点中であることを示す表示621が為され、各エージェントに対応する審査員の人物の表示622や623が表示される。624や625は、各審査員の付ける得点の表示領域である。採点が終わると画面603が表示される。631は各審査員の合計の点数である。審査員632の付けた得点は領域634に「18」点のように、審査員633の付けた得点は領域635に「15」点のように、それぞれ表示される。各審査員の表示(632や633)は、その審査員に対応するキャラクタが分るような人物表示にするとよい。例えば、音程に厳しい作曲家を具現化したエージェントはそのような作曲家の人物の表示とし、渋谷系ギャルを具現化したエージェントはそのようなギャルの人物の表示とする、といった具合である。
なお、通常カラオケモードと評価カラオケモードとをユーザが切り替えることができるようにし、通常カラオケモードのときは採点無しで通常のカラオケの機能を果たし、評価カラオケモードのときは上述したようにカラオケ演奏後、採点エージェントによる採点を行いその結果の表示を行うようにしてもよい。その場合、評価カラオケモードにおいては、ガイド音声による誤採点を抑止する目的で、メロディーパート(=ガイド音声)の出力レベルを通常カラオケモード時よりも落とす、または完全にオフするようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、5つのエージェントとしたが、その数は任意である。ただし、2以上とし、歌唱量評価・音程評価・音量評価のうちのいずれか1つと他の評価のうちのいずれか1つを必ず含むようにする。さらに、採点方法として、[ジェンダー]や[乱数]の観点での採点を導入してもよい。[ジェンダー]での評価では、例えば楽曲が属性として持つボーカルタイプ(maleまたはfemale)と歌唱音声の音域とが合っていれば所定得点を加算する。[乱数]での評価では、他の採点による得点が基準点に満たない場合、1〜M点を加算(Mはそのエージェントが上記(1)〜(7)などの他の採点により取り得る最大の得点と、そのエージェントの持ち点との差)する。
複数のエージェントのパラメータセットを用意しておき(そのそれぞれが性質・性格の異なる審査員のキャラクタになる)、ユーザがその中から審査員を選択できるようにしても良い。
なお、各エージェントの持ち点の配分は、任意に変更することもできる。例えば、第1〜第5のエージェントの持ち点を、順に4:3:1:1:1にするなどである。その持ち点の配分は、採点用パラメータで楽曲毎に変えてもよい。また、例えば作曲家の審査員に対応するエージェントと渋谷系ギャルの審査員に対応するエージェントとでは、前者の持ち点の配分を後者より大きくするなど、エージェントの組合せに応じて持ち点の配分を変えてもよい。そのような持ち点の属性を、エージェントに与える採点用パラメータで規定しても良い。
この発明の一実施形態のカラオケ装置のハードウェア概略構成図 カラオケデータの構成図 採点機能の機能ブロック図 採点処理のフローチャート 各エージェントの処理を示すフローチャート 表示画面例を示す図
符号の説明
101…中央処理装置(CPU)、102…リードオンリメモリ(ROM)、103…ランダムアクセスメモリ(RAM)、104…外部記憶装置、105…ディスプレイ、106…音源(DSPなどを含む)、107…サウンドシステム、108…音声入力部、109…マイク、110…通信インターフェース(I/F)、111…バスライン。

Claims (2)

  1. カラオケ曲を演奏するカラオケ演奏手段と、
    前記カラオケ演奏手段で演奏されたカラオケに合わせて歌唱される音声の音声信号を入力する音声入力手段と、
    前記音声入力手段で入力された音声信号の周波数成分を解析し、前記カラオケ曲の旋律情報と比較することにより、歌唱を評価する音程評価手段と、
    前記音声入力手段で入力された音声信号の音量成分を解析し、第1の基準値と比較することにより、歌唱を評価する第1の音量評価手段と、
    前記音声入力手段で入力された音声信号の音量成分を解析し、第2の基準値と比較することにより、歌唱を評価する第2の音量評価手段と、
    前記音程評価手段と前記第1および第2の音量評価手段の評価に基づいて、歌唱の採点を行う手段と
    を備えることを特徴とするカラオケ装置。
  2. コンピュータで実行することによりカラオケ装置を実現するカラオケ装置用プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    カラオケ曲を演奏するカラオケ演奏手段と、
    前記カラオケ演奏手段で演奏されたカラオケに合わせて歌唱される音声の音声信号を入力する音声入力手段と、
    前記音声入力手段で入力された音声信号の周波数成分を解析し、前記カラオケ曲の旋律情報と比較することにより、歌唱を評価する音程評価手段と、
    前記音声入力手段で入力された音声信号の音量成分を解析し、第1の基準値と比較することにより、歌唱を評価する第1の音量評価手段と、
    前記音声入力手段で入力された音声信号の音量成分を解析し、第2の基準値と比較することにより、歌唱を評価する第2の音量評価手段と、
    前記音程評価手段と前記第1および第2の音量評価手段の評価に基づいて、歌唱の採点を行う手段と
    して機能させることを特徴とするカラオケ装置用プログラム。
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