JP2007139346A - 冷凍装置及び冷凍装置の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】利用ユニット(5)と熱源ユニット(2)とを連絡配管(6,7)で接続して構成された冷媒回路(10)で超臨界の冷凍サイクルを行う冷凍装置(1)において、その施工の効率性を向上させる。
【解決手段】通常運転を行うまでの間に冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる試運転を実行可能に構成する。試運転では、冷媒回路(10)に存在する非凝縮性ガスが冷媒と共に気液分離器(25)に流入する。気液分離器(25)では、ガス冷媒及び非凝縮性ガスが、液冷媒から分離されて上側の空間に溜まる。そして、そのうち非凝縮性ガスが、分離膜(34b)を透過して大気放出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱源ユニットと利用ユニットとを連絡配管で接続して冷媒回路を構成する冷凍装置、及びその冷凍装置の施工方法に関するものである。
従来より、圧縮機及び熱源側熱交換器を有する熱源ユニットと、利用側熱交換器を有する利用ユニットとを有する、いわゆるセパレート型の冷凍装置が知られている。この種の冷凍装置は、熱源ユニットと利用ユニットとが連絡配管で接続されることによって冷媒回路が構成され、その冷媒回路で冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う。この種の冷凍装置には、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高くなる超臨界の冷凍サイクルを行うものと、臨界圧力以下の冷凍サイクルを行うものとがある。前者の冷凍装置では冷媒として例えば二酸化炭素を使用し、後者では例えばR410A等のフロン冷媒を使用する。
ところで、この種の冷凍装置を設置するための施工においては、主に機器据付工事、配管工事、配線工事が一連の作業として行われるが、従来は、配管工事の気密試験で用いた非凝縮性ガス(例えば窒素ガス)を冷媒回路から除去するために、真空ポンプを用いた真空引き作業を行っていた。しかし、この真空引き作業は、真空ポンプを液側連絡配管及びガス側連絡配管に接続する等の作業が必要であり、手間を要するという問題があった。
そこで、特許文献1には、この問題を解決すべく、臨界圧力以下の冷凍サイクルを行う冷凍装置でこの真空引き作業を省略できるものが開示されている。この冷凍装置は、冷媒と非凝縮性ガスとを分離可能な分離膜を有するガス分離装置が冷媒回路のうち高圧冷媒が流れる部分に設けられている。この冷凍装置では、配管工事後に圧縮機を起動させて冷凍サイクルを行うと、冷凍サイクルにおける高圧冷媒がガス分離装置に導入される。ガス分離装置では、分離膜によって高圧冷媒から非凝縮性ガスが分離され、分離された非凝縮性ガスが冷媒回路から排出される。
特開2005−30752号公報
しかしながら、特許文献1の冷凍装置を超臨界の冷凍サイクルを行う冷凍装置に適用しても、非凝縮性ガスを除去する位置では冷媒が超臨界状態になり、超臨界状態の冷媒は溶解性が高く非凝縮性ガスを溶かし込むので、冷媒から非凝縮性ガスを除去することができない。従って、超臨界の冷凍サイクルを行う冷凍装置では、冷媒回路内に存在する非凝縮性ガスを除去するために依然として施工の際に真空引き作業が必要となっていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用ユニットと熱源ユニットとを連絡配管で接続して構成された冷媒回路で超臨界の冷凍サイクルを行う冷凍装置において、その施工の効率性を向上させることにある。
第1の発明は、圧縮機(21)及び熱源側熱交換器(23)を有する熱源ユニット(2)と利用側熱交換器(51)を有する利用ユニット(5)とを連絡配管(6,7)で接続して構成された冷媒回路(10)を備え、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高くなるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる通常運転を行う冷凍装置(1)を前提としている。
そして、この冷凍装置(1)は、上記熱源ユニット(2)と利用ユニット(5)とを連絡配管(6,7)で接続してから通常運転を行うまでの間には、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる試運転を行う一方、上記冷媒回路(10)のうち上記試運転中に高圧冷媒が流れる部分に接続され、上記冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスを除去するガス除去手段(34)を備えている。
第1の発明では、通常運転を行うまでの間に冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる試運転が行われる。これにより、試運転では、ガス除去手段(34)が接続されている部分を流通する冷媒の圧力が臨界圧力以下にり、冷媒が非凝縮性ガスをほとんど溶解しない状態になるので、ガス除去手段(34)によって冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスの除去が可能となる。従って、この第1の発明では、通常運転を行うまでに試運転を行うことで冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスが概ね除去される。
第2の発明は、第1の発明において、ガス除去手段(34)が、冷媒から非凝縮性ガスを分離するための分離膜(34b)を有し、該分離膜(34b)により分離された非凝縮性ガスを冷媒回路(10)から排出する。
第2の発明では、上記試運転の際に、冷媒回路(10)のうち高圧冷媒が流れる部分において、非凝縮性ガスが分離膜(34b)によって臨界圧力以下の冷媒から分離される。そして、分離膜(34b)によって分離された非凝縮性ガスは、冷媒回路(10)から排出される。
第3の発明は、第2の発明において、上記ガス除去手段(34)が、上記冷媒回路(10)内を流れる高圧冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する気液分離器(25)を備え、該気液分離器(25)で分離されたガス冷媒から非凝縮性ガスを上記分離膜(34b)によって分離する。
第3の発明では、上記試運転の際に、冷媒回路(10)を流通する臨界圧力以下の高圧冷媒がガス除去手段(34)の気液分離器(25)に流入し、ガス冷媒及び非凝縮性ガスが液冷媒から分離される。さらに、ガス除去手段(34)では、非凝縮性ガスが分離膜(34b)によってガス冷媒から分離される。
第4の発明は、第2又は第3の発明において、上記ガス除去手段(34)が、分離された非凝縮性ガスを大気に放出するための排出弁(34c)を備えている。
第4の発明では、上記試運転の際に排出弁(34c)を開くと、分離膜(34b)によって分離された非凝縮性ガスが大気に放出される。従って、ガス除去手段(34)は、分離された非凝縮性ガスを溜める容器等が不要になる。
第5の発明は、圧縮機(21)及び熱源側熱交換器(23)を有する熱源ユニット(2)と利用側熱交換器(51)を有する利用ユニット(5)とを連絡配管(6,7)で接続して構成された冷媒回路(10)を備え、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高くなるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる通常運転を行う冷凍装置(1)を前提とする。
そして、この冷凍装置(1)は、上記熱源ユニット(2)と利用ユニット(5)とを連絡配管(6,7)で接続してから通常運転を行うまでの間には、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる試運転を行う。
第5の発明では、通常運転を行うまでの間に冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる試運転が行われる。この試運転では、冷媒回路(10)の何れの場所でも冷媒の圧力が臨界圧力以下になっており、通常運転ではできない非凝縮性ガスの除去等が可能となる。
第6の発明は、圧縮機(21)及び熱源側熱交換器(23)を有する熱源ユニット(2)と利用側熱交換器(51)を有する利用ユニット(5)とを連絡配管(6,7)で接続して構成された冷媒回路(10)を備え、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高くなるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる通常運転を行う冷凍装置(1)の施工方法を前提とする。
そして、この冷凍装置(1)の施工方法は、上記熱源ユニット(2)と利用ユニット(5)とを連絡配管(6,7)で接続して冷媒回路(10)を構成する冷媒回路構成ステップと、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させて、冷媒回路(10)のうち高圧冷媒が流れる部分において該冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスを除去するガス除去ステップとを備えている。
第6の発明では、冷媒回路構成ステップで構成された冷媒回路(10)で冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒を循環させるガス除去ステップを行う。ガス除去ステップでは、冷媒回路(10)のうち高圧冷媒が流れる部分が冷媒の臨界圧力以下になるので、この部分において冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスの除去が可能となる。
第7の発明は、第6の発明において、上記ガス除去ステップでは、上記冷媒回路(10)のうち高圧冷媒が流れる部分において、分離膜(34b)によって冷媒から非凝縮性ガスを分離し、該分離した非凝縮性ガスを冷媒回路(10)から排出する。
第7の発明では、ガス除去ステップの際に、冷媒回路(10)のうち高圧冷媒が流れる部分において、非凝縮性ガスが分離膜(34b)によって臨界圧力以下の冷媒から分離される。そして、分離された非凝縮性ガスは、冷媒回路(10)から排出される。
第8の発明は、第6又は第7の発明において、上記ガス除去ステップの前に上記連絡配管(6,7)内に気密試験用ガスを供給して該連絡配管(6,7)の気密試験を行う気密試験ステップを備え、上記ガス除去ステップでは、上記冷媒回路(10)内に残留する気密試験用ガスを非凝縮性ガスとして除去する。
第8の発明では、ガス除去ステップを行う前は、気密試験ステップで用いられた気密試験用ガスが冷媒回路(10)内に残留している。そして、ガス除去ステップにおいて、冷媒回路(10)内に残留する気密試験用ガスを非凝縮性ガスとして除去する。
上記第1、第2、第3、第4の各発明では、通常運転を行う前に、ガス除去手段(34)が接続されている部分を流通する冷媒の圧力がその臨界圧力以下になる試運転を行うことで、ガス除去手段(34)によって冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスが概ね除去されるようにしている。すなわち、通常運転ではガス除去手段(34)によって冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスを除去できない冷凍装置(1)において、非凝縮性ガスの除去が可能となる試運転を行うことで、真空引き作業を省略できるようにしている。従って、冷媒回路(10)に存在する非凝縮性ガスを除去するための作業が簡素化されるので、この冷凍装置(1)における施工の効率性を向上させることができる。
また、上記第2の発明では、分離膜(34b)によって非凝縮性ガスを冷媒から分離することによって非凝縮性ガスを冷媒回路(10)内から除去するようにしている。ここで、非凝縮性ガスの除去方法として非凝縮性ガスを吸着する吸着剤等を用いる場合は、冷媒回路(10)内の非凝縮性ガスが多くなると吸着剤が大きくなってガス除去手段(34)が大きくなる場合がある。これに対し、第2の発明では、分離膜(34b)を用いて非凝縮性ガスを冷媒から分離しているため、冷媒回路(10)内の非凝縮性ガスの量の多少に拘わらず、一定の大きさでガス除去手段(34)を構成することができる。
また、上記第3の発明では、上記試運転の際に、臨界圧力以下の高圧冷媒が流入する気液分離器(25)でガス冷媒及び非凝縮性ガスを液冷媒から分離し、分離膜(34b)によってガス冷媒から非凝縮性ガスを分離するようにしている。従って、分離膜(34b)では、冷媒回路(10)を流通する全ての冷媒からではなくガス冷媒だけから非凝縮性ガスを分離すればよいので、効率的に非凝縮性ガスを分離することができる。
また、上記第4の発明では、分離された非凝縮性ガスを溜める容器等が不要となるように、分離された非凝縮性ガスを大気に放出するための排出弁(34c)を設けている。従って、ガス除去手段(34)のコンパクト化を図ることができる。
また、上記第5の発明では、通常運転を行うまでの間に冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる試運転を行うことで、超臨界の冷凍サイクルを行う通常運転では行えない作業(例えば非凝縮性ガスの除去など)が実施可能となるようにしている。従って、真空引き作業等の冷凍装置(1)を構成する上で必要となる作業を省略することができる。
また、上記第6、第7、第8の各発明では、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒を循環させるガス除去ステップを行って、冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスが概ね除去されるようにしている。すなわち、超臨界の冷凍サイクルを通常運転で行う冷凍装置(1)の施工方法において、冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスの除去が可能となるようにガス除去ステップを行うことで、真空引き作業を省略できるようにしている。従って、冷媒回路(10)に存在する非凝縮性ガスを除去するための作業が簡素化されるので、この冷凍装置(1)における施工の効率性を向上させることができる。
また、上記第7の発明では、ガス除去ステップの際に、分離膜(34b)によって非凝縮性ガスを冷媒から分離することにより非凝縮性ガスを冷媒回路(10)内から除去するようにしている。従って、上記第2の発明と同様に、冷媒回路(10)内の非凝縮性ガスの量の多少に拘わらず、一定の大きさでガス除去手段(34)を構成することができる。
また、上記第8の発明では、ガス除去ステップの際に、気密試験ステップで用いられて冷媒回路(10)内に残留する気密試験用ガスを非凝縮性ガスとして除去する。従って、気密試験を行って冷凍装置(1)の信頼性を確保した上で、真空引き作業を行うことなく冷媒回路(10)内の気密試験用ガスを除去することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。なお、以下では、先ず本実施形態1に係る冷凍装置(1)の構成について説明し、次に本実施形態1に係る冷凍装置(1)の施工方法について説明する。
−冷凍装置の構成−
図1に本実施形態1に係る冷凍装置(1)の概略構成図を示す。この冷凍装置(1)は、冷房運転及び暖房運転を行う空気調和装置として構成され、施工終了後の通常運転(冷房運転又は暖房運転)において冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高くなるように後述する冷媒回路(10)で冷媒を循環させる超臨界の冷凍サイクルを行うように構成されている。この冷凍装置(1)では、冷媒として例えば二酸化炭素(CO2)が用いられる。
この冷凍装置(1)は、熱源ユニットである室外ユニット(2)と、利用ユニットである室内ユニット(5)とを備える、いわゆるセパレート型の冷凍装置である。この冷凍装置(1)では、室外ユニット(2)と室内ユニット(5)とがそれぞれ1台ずつ設けられている。
室外ユニット(2)には室外回路(11)が設けられ、室内ユニット(5)には室内回路(13)が設けられている。室外回路(11)の両端には、液側閉鎖弁(27)とガス側閉鎖弁(28)とが設けられている。また、室内回路(13)の両端には、液側接続具(32)とガス側接続具(33)とが設けられている。この冷凍装置(1)では、室外回路(11)の液側閉鎖弁(27)と室内回路(13)の液側接続具(32)とに液側連絡配管(6)が接続され、室外回路(11)のガス側閉鎖弁(28)と室内回路(13)のガス側接続具(33)とにガス側連絡配管(7)が接続されて冷媒回路(10)が構成されている。
液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)は、冷凍装置(1)を新規に施工する際に現地にて施工される連絡配管や、室外ユニット(2)及び室内ユニット(5)のみを更新する際に既設の冷凍装置から流用される連絡配管である。
上記室外回路(11)には、圧縮機(21)と四路切換弁(24)と室外熱交換器(23)とガス分離器(34)と室外膨張弁(26)とが冷媒配管によって接続されている。圧縮機(21)には、インバータを介して電力が供給される。室外熱交換器(23)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、熱源側熱交換器を構成している。室外膨張弁(26)は、電子膨張弁によって構成されている。また、室外ユニット(2)には、室外ファンが設けられている(図示は省略)。
上記室外回路(11)において、圧縮機(21)の吐出側は、四路切換弁(24)の第1ポートに接続されている。四路切換弁(24)の第2ポートは、室外熱交換器(23)の一端に接続されている。四路切換弁(24)の第3ポートは、圧縮機(21)の吸入側に接続されている。四路切換弁(24)の第4ポートは、ガス側閉鎖弁(28)に接続されている。また、上記室外熱交換器(23)の他端は、ガス分離器(34)及び室外膨張弁(26)を介して液側閉鎖弁(27)に接続されている。
上記ガス分離器(34)は、本発明に係るガス除去手段を構成している。このガス分離器(34)は、冷媒回路(10)において室外熱交換器(23)と室外膨張弁(26)との間に接続された気液分離器(25)と、気液分離器(25)内に設けられた分離膜(34b)と、気液分離器(25)の頂部に接続された排出管(34d)と、排出管(34d)に設けられた排出弁(34c)とを備えている。
気液分離器(25)は、図2に示すように、密閉容器状に形成され、上部の断面積がその下側の部分に比べて小さくなっている。気液分離器内(25)では、室外熱交換器(23)側の冷媒配管がガス相となる上寄りの位置に開口し、室外膨張弁(26)側の冷媒配管が液相となる下寄りの位置に開口している。これにより、気液分離器(25)に流入した冷媒は液冷媒とガス冷媒とに分離され、そのうち液冷媒は気液分離器(25)内に一時的に溜められた後に室外膨張弁(26)側の冷媒配管から徐々に流出してゆく一方で、ガス冷媒は気液分離器(25)内に溜まる。
気液分離器(25)の上部には、その上部を上側と下側とに区画する分離膜(34b)が設けられている。分離膜(34b)は、気液分離器(25)内のガス空間を空間S1と空間S2とに分割している。また、空間S2には、排出管(34d)の入口端が開口している。排出管(34d)の出口端は、大気開放されている。
分離膜(34b)は、ポリイミド膜、酢酸セルロース膜、ポリスルホン膜や炭素膜等の材料からなり、多孔質膜と呼ばれるものである。ここで、多孔質膜とは、多数の非常に微細な細孔を有する膜であり、これらの細孔中をガスが透過する際の速度差によって分離する膜、すなわち、分子径の小さな成分は透過しやすく分子径の大きな成分は透過しにくい膜である。
例えば、この冷凍装置(1)の冷媒として用いられる二酸化炭素の分子量(より具体的には、分子径)は、水蒸気、酸素ガスや窒素ガスの分子量(より具体的には、分子径)よりも大きいため、分離膜(34b)によって分離可能である。
上記室内回路(13)には、室内熱交換器(51)が設けられている。室内熱交換器(51)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、利用側熱交換器を構成している。また、室内ユニット(5)には、室外ファンが設けられている(図示は省略)。
上記構成により冷媒回路(10)は、四路切換弁(24)の切り換えによって冷房モードの動作と暖房モードの動作とに切り換わる。具体的に、四路切換弁(24)の第1ポートと第2ポートとが連通してその第3ポートと第4ポートとが連通する状態(図1の実線で示す状態)に切り換わると、冷媒回路(10)では室外熱交換器(23)が凝縮器となり室内熱交換器(51)が蒸発器となる冷房モードの動作で冷媒が循環する。また、四路切換弁(24)の第1ポートと第4ポートとが連通してその第2ポートと第3ポートとが連通する状態(図1の破線で示す状態)に切り換わると、冷媒回路(10)では室外熱交換器(23)が蒸発器となり室内熱交換器(51)が凝縮器となる暖房モードの動作で冷媒が循環する。施工終了後の通常運転(冷房運転又は暖房運転)では、超臨界の冷凍サイクルでこの冷房モードの動作又は暖房モードの動作が行われる。
また、この冷凍装置(1)は、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる試運転が実行可能に構成されている。この冷凍装置(1)は、試運転において冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下である所定値となるように、圧縮機(21)の運転周波数や室外膨張弁(26)の開度が制御されるように構成されている。この試運転を実行する際は、冷房モードの動作になるように四路切換弁(24)が設定される。そして、試運転を行うことで、試運転中に高圧冷媒が流れる部分に接続されたガス分離器(34)によって、冷媒回路(10)に存在する非凝縮性ガスをその冷媒回路(10)の外部に排出することが可能になっている。
ここで、非凝縮性ガスとは、冷凍装置(1)の運転中も冷媒回路(10)内で凝縮せずに気体となる物質を意味する。この非凝縮性ガスには、窒素ガスや酸素ガス等が該当する。このため、冷媒回路(10)で冷媒を循環させても、非凝縮性ガスは、室外熱交換器(23)において凝縮されずに気液分離器(25)に流入し、ガス冷媒と共に気液分離器(25)の上部に溜まる。気液分離器(25)の上部に溜まった非凝縮性ガスは、分離膜(34b)によってガス冷媒から分離されて空間S2に流入する。そして、排出弁(34c)を開くと、空間S2に流入した非凝縮性ガスは、空間S2から排出管(34d)を通って大気放出される。これにより、冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスが除去される。
−冷凍装置の施工方法−
次に、この冷凍装置(1)の施工方法について説明する。
<機器設置ステップ(冷媒回路構成ステップ)>
まず、新設の室内ユニット(5)及び室外ユニット(2)を据え付け、液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)を設置し、室内ユニット(5)及び室外ユニット(2)に接続して、冷媒回路(10)を構成する。ここで、新設の室外ユニット(2)の液側閉鎖弁(27)及びガス側閉鎖弁(28)は閉止されており、室外ユニット(2)の室外回路(11)内には所定量の冷媒が予め充填されている。また、ガス分離器(34)の排出弁(34c)は、閉止されている。
なお、既設の冷凍装置を構成する液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)を流用して、室内ユニット(5)及び室外ユニット(2)のいずれか一方又は両方を更新する場合には、上記において、更新するユニットのみを新規に据え付けることになる。
<気密試験ステップ>
冷凍装置(1)の冷媒回路(10)を構成した後、液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)の気密試験を行う。なお、室内ユニット(5)に液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)の仕切弁等が設けられていない場合には、液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)の気密試験は、室内ユニット(5)に接続された状態で行われる。
まず、液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)を含む気密試験部分に対して、液側連絡配管(6)やガス側連絡配管(7)等に設けられた供給口(図示せず)から気密試験用ガスとして窒素ガスを供給し、気密試験部分の圧力を気密試験圧力まで昇圧させる。そして、窒素ガスの供給を停止した後、気密試験部分について、所定の試験時間にわたって気密試験圧力が維持されることを確認する。
<気密ガス放出ステップ>
気密試験ステップが終了した後、気密試験部分を減圧するために、気密試験部分に密閉されている気密ガスを大気放出する。ここで、気密試験部分は、気密試験ステップの際に窒素ガスが供給されて酸素ガスの占める割合が減少するので、大気放出後は気密試験ステップ前に比べて酸素ガスの量が減少している。ここで、大気放出作業では、冷媒回路(10)の外部からの空気の侵入を防ぐために、気密ガスの圧力が大気圧よりもわずかに高くなるように液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)を含む気密試験部分を減圧する。
<冷媒調整ステップ>
気密ガスを放出した後、室外ユニット(2)の液側閉鎖弁(27)及びガス側閉鎖弁(28)を開けて、室内回路(13)と室外回路(11)とが接続された状態にする。これにより、室外回路(11)に予め充填されていた冷媒が冷媒回路(10)全体に供給される。そして、連絡配管(6,7)の配管長が長い場合等のように、室外回路(11)に予め充填されていた冷媒量だけで冷媒充填量が十分でない場合には、必要に応じて、外部から冷媒が追加充填される。なお、室外回路(11)に予め冷媒が充填されていない場合には、必要冷媒量の全てが外部から充填される。これにより、冷媒回路(10)内において、気密ガス放出ステップ後に連絡配管(6,7)に残留した非凝縮性ガスとしての気密ガス(室内ユニット(5)の気密試験も同時に行った場合には室内ユニット(5)に残留した非凝縮性ガスも含まれる)と冷媒とが混合されることになる。
<非凝縮性ガス排出ステップ(ガス除去ステップ)>
冷媒調整ステップ後の回路構成において、通常運転とは冷凍サイクルの高圧圧力が異なる試運転を実行する。試運転では、冷房モードの動作になるように四路切換弁(24)の切り換えて圧縮機(21)を運転させ、冷媒回路(10)で冷媒を循環させる。その際、冷凍サイクルの高圧(圧縮機(21)の吐出冷媒の圧力)が冷媒の臨界圧力以下となるように圧縮機(21)の運転周波数や室外膨張弁(26)の開度が制御される。室外膨張弁(26)の開度が制御されると、室外回路(11)において圧縮機(21)の吐出側から室外膨張弁(26)までの範囲が、冷凍サイクルの高圧(冷媒の凝縮圧力)まで昇圧されている。すなわち、気液分離器(25)は、冷媒の凝縮圧力まで昇圧されている。
気液分離器(25)には、凝縮器となる室外熱交換器(23)を通過後の冷媒と共に、気密ガス放出後に液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)に残留した非凝縮性ガスが流入する。気液分離器(25)に流入する冷媒は、臨界圧力以下であるため非凝縮性ガスがほとんど溶け込んでいない。気液分離器(25)では、ガス冷媒及び非凝縮性ガスが、液冷媒から分離されて上側の空間に溜まる。一方、分離された液冷媒は、気液分離器(25)内に一時的に溜められた後、気液分離器(25)の下部から流出して室外膨張弁(26)へ送られる。
この状態において、ガス分離器(34)の排出弁(34c)を開けて、気液分離器(25)の上部の空間S2を大気開放状態にする。すると、空間S1と空間S2との間には、気液分離器(25)内の非凝縮性ガスの分圧と大気中の同じガスの分圧との分圧差が生じる。空間S1に溜まった非凝縮性ガスは、この分圧差が推進力となって分離膜(34b)を透過し、空間S2側に流入して排出管(34d)から大気放出される。この実施形態1では、ガス分離器(34)が高圧冷媒が流通する部分に接続されているので、ガス分離器(34)の分離膜(34b)の1次側(すなわち、空間S1側)と2次側(すなわち、空間S2側)との分圧差が大きくなり、分離膜(34b)によって非凝縮性ガスを効率的に分離することができる。一方、ガス冷媒は、分離膜(34b)を透過せずに気液分離器(25)内に溜まった状態となる。この試運転を所定時間にわたって実施すると、液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)に残留した非凝縮性ガスは、冷媒回路(10)内から排出される。
上記のようにして、冷媒回路(10)内から非凝縮性ガスが排出された後、ガス分離器(34)の排出弁(34c)を閉止する。
−実施形態1の効果−
上記実施形態1では、通常運転を行うまでの間に、ガス分離器(34)が接続されている部分を流通する冷媒の圧力がその臨界圧力以下になる試運転を行うことで、ガス分離器(34)によって冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスが概ね除去されるようにしている。すなわち、通常運転ではガス分離器(34)によって冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスを除去できない冷凍装置(1)において、非凝縮性ガスの除去が可能となる試運転を行うことで、真空引き作業を省略できるようにしている。従って、冷媒回路(10)に存在する非凝縮性ガスを除去するための作業が簡素化されるので、この冷凍装置(1)における施工の効率性を向上させることができる。
また、上記実施形態1では、分離膜(34b)によって非凝縮性ガスを冷媒から分離することによって非凝縮性ガスを冷媒回路(10)内から除去するようにしている。ここで、非凝縮性ガスの除去方法として非凝縮性ガスを吸着する吸着剤等を用いる場合は、冷媒回路(10)内の非凝縮性ガスが多くなると吸着剤が大きくなってガス分離器(34)が大きくなる場合がある。これに対し、実施形態1では、分離膜(34b)を用いて非凝縮性ガスを冷媒から分離するため、冷媒回路(10)内の非凝縮性ガスの量の多少に拘わらず、一定の大きさでガス分離器(34)を構成することができる。
また、上記実施形態1では、上記試運転の際に、臨界圧力以下の高圧冷媒が流入する気液分離器(25)でガス冷媒及び非凝縮性ガスを液冷媒から分離し、分離膜(34b)によってガス冷媒から非凝縮性ガスを分離するようにしている。従って、分離膜(34b)では冷媒回路(10)を流通する全ての冷媒からではなくガス冷媒だけから非凝縮性ガスを分離すればよいので、効率的に非凝縮性ガスを分離することができる。
また、気液分離器(25)に流入した非凝縮性ガスは、室外膨張弁(26)側へは流出しないので、試運転が開始されると非凝縮性ガスは徐々に気液分離器(25)に集まってゆく。従って、この点においても非凝縮性ガスの分離を効率的に行うことができる。
また、上記実施形態1では、分離された非凝縮性ガスを溜める容器等が不要となるように、分離された非凝縮性ガスを大気に放出するための排出弁(34c)を設けている。従って、ガス分離器(34)のコンパクト化を図ることができる。
また、上記実施形態1における施工方法では、気密試験用ガスとして窒素ガスを用いて、液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)を含む気密試験部分の気密試験を行い、その後気密ガスを大気放出している。このため、これらのステップ後に液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)内に残留する酸素ガスの量を減少させることができる。これにより、冷媒とともに冷媒回路(10)内を循環する酸素ガスの量を減少させることができて、冷媒や冷凍機油の劣化等の不具合のおそれをなくすことができる。
−実施形態1の変形例1−
図3に示す実施形態1の変形例1について説明する。この変形例1の冷凍装置(1)では、ガス分離器(34)と室外熱交換器(23)との間に、冷媒回路(10)内の水分を吸着するためのドライヤ(44)が接続されている。なお、ドライヤ(44)は、室外熱交換器(23)の液側端と室内熱交換器(51)の液側端との間であれば何れの位置に接続してもよい。
これにより、上記実施形態1では、気液分離器(25)内のガス冷媒中に水蒸気として存在する水分については分離・除去することが可能であるが、液冷媒中に存在する水分については分離・除去することができなかったものが、この変形例1では、液冷媒中に存在する水分についても分離・除去することができるようになる。
−実施形態1の変形例2−
図4及び図5に示す実施形態1の変形例2について説明する。この変形例2の冷凍装置(1)では、上記実施形態1とは異なり分離膜(34b)が気液分離器(25)の外部に設けられている。
具体的に、分離膜(34b)は、気液分離器(25)とは別のケーシング(34a)内に設けられている。ケーシング(34a)内は、分離膜(34b)によって1次側(空間S1)と2次側(空間S2)とに区画されている。
ケーシング(34a)には、入口端が気液分離器(25)の頂部に接続された導入管(34e)が接続されている。導入管(34e)の出口端は、ケーシング(34a)の空間S1に開口している。導入管(34e)は、気液分離器(25)に溜まったガス冷媒及び非凝縮性ガスをケーシング(34a)に導入するための管路であり、気液分離器(25)からケーシング(34a)に導入されるガス冷媒及び非凝縮性ガスを流通/遮断させるためのガス冷媒導入弁(34f)を有している。
また、ケーシング(34a)には、出口端が大気開放されている排出管(34d)が接続されている。排出管(34d)の入口端は、ケーシング(34a)の空間S2に開口している。排出管(34d)には、排出弁(34c)が設けられている。
なお、この変形例2では、冷媒回路(10)内から非凝縮性ガスを排出する非凝縮性ガス排出ステップの際に、ガス冷媒導入弁(34f)を開けて気液分離器(25)とケーシング(34a)の空間S1とを連通させ、排出弁(34c)を開けてケーシング(34a)の空間S2を大気開放状態にする。これにより、空間S1と空間S2との間には、気液分離器(25)内の非凝縮性ガスの分圧と大気中の同じガスの分圧との分圧差が生じると共に、気液分離器(25)に溜まったガス冷媒及び非凝縮性ガスがケーシング(34a)に導入される。さらに、そのうち非凝縮性ガスは、この分圧差が推進力となって分離膜(34b)を透過して、空間S2側に流れて排出管(34d)から大気放出される。一方、空間S1に流入したガス冷媒は、分離膜(34b)を透過せずに空間S1内に溜まった状態となる。この運転を所定時間にわたって実施すると、液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)に残留した非凝縮性ガスが冷媒回路(10)内から排出される。そして、冷媒回路(10)内から非凝縮性ガスが排出された後、ガス冷媒導入弁(34f)及び排出弁(34c)を全て閉止する。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。
−冷凍装置の構成−
図6に本実施形態2に係る冷凍装置(1)の概略構成図を示す。この冷凍装置(1)は、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置として構成されている。なお、実施形態2の冷凍装置(1)の利用ユニット(5)及び連絡配管(6,7)の構成は、上記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
室外回路(11)には、圧縮機(21)と四路切換弁(24)と室外熱交換器(23)とガス分離器(34)とブリッジ回路(38)と室外膨張弁(26)とが冷媒配管によって接続されている。ガス分離器(34)は、実施形態1の変形例2と同様であるため、説明を省略する。なお、ガス分離器(34)は、上記実施形態1のガス分離器(34)と同様に、気液分離器(25)内に分離膜(34b)を設けるように構成してもよい。
上記室外回路(11)において、圧縮機(21)の吐出側は、四路切換弁(24)の第1ポートに接続されている。四路切換弁(24)の第2ポートは、室外熱交換器(23)の一端に接続されている。四路切換弁(24)の第3ポートは、圧縮機(21)の吸入側に接続されている。四路切換弁(24)の第4ポートは、ガス側閉鎖弁(28)に接続されている。上記室外熱交換器(23)の他端は、ブリッジ回路(38)に接続されている。
上記冷媒回路(10)は、四路切換弁(24)の切り換えによって冷房モードの動作と暖房モードの動作とに切り換わるように構成されている。具体的に、四路切換弁(24)の第1ポートと第2ポートとが連通してその第3ポートと第4ポートとが連通する状態(図6の実線で示す状態)に切り換わると、冷媒回路(10)では室外熱交換器(23)が凝縮器となり室内熱交換器(51)が蒸発器となる冷房モードの動作で冷媒が循環する。また、四路切換弁(24)の第1ポートと第4ポートとが連通してその第2ポートと第3ポートとが連通する状態(図6の破線で示す状態)に切り換わると、冷媒回路(10)では室外熱交換器(23)が蒸発器となり室内熱交換器(51)が凝縮器となる暖房モードの動作で冷媒が循環する。
ブリッジ回路(38)は、4つの逆止弁(38a)〜(38d)から構成されており、室外熱交換器(23)と液側閉鎖弁(27)との間に接続されている。ここで、逆止弁(38a)は、室外熱交換器(23)から気液分離器(25)への冷媒の流通のみを許容する弁である。逆止弁(38b)は、液側閉鎖弁(27)から気液分離器(25)への冷媒の流通のみを許容する弁である。逆止弁(38c)は、気液分離器(25)から液側閉鎖弁(27)への冷媒の流通のみを許容する弁である。逆止弁(38d)は、気液分離器(25)から室外熱交換器(23)への冷媒の流通のみを許容する弁である。
これにより、ブリッジ回路(38)は、冷房モード時のように冷媒が室外熱交換器(23)から液側閉鎖弁(27)側に向かって流れる際も、暖房モード時のように冷媒が液側閉鎖弁(27)から室外熱交換器(23)側に向かって流れる際も、冷媒を気液分離器(25)、室外膨張弁(26)の順で流すように機能する。気液分離器(25)には、冷房モード時も暖房モード時も室外膨張弁(26)で減圧される前の冷凍サイクルの高圧冷媒が流入する。
−冷凍装置の施工方法−
次に、この冷凍装置(1)の施工方法について説明する。なお、非凝縮性ガス排出ステップを除く手順については、上記実施形態1の冷凍装置(1)の施工方法と同様であるため、説明を省略する。
<非凝縮性ガス排出ステップ(ガス除去ステップ)>
冷媒調整ステップ後の回路構成において、圧縮機(21)を運転させて冷媒回路(10)で冷媒を循環させる試運転を行う。本実施形態2では、冷房モードの動作でも暖房モードの動作でも試運転が可能である。
(冷房モードの動作で非凝縮性ガスを排出する場合)
まず、冷房モードで冷媒回路(10)内の冷媒を循環させる場合について説明する。このとき、四路切換弁(24)は、図6の実線で示される状態になっている。また、室外膨張弁(26)は、開度調節された状態となっている。
この状態で、圧縮機(21)を起動すると、圧縮機(21)から吐出されたガス冷媒は、四路切換弁(24)を経由して室外熱交換器(23)へ流入し、そこで室外空気と熱交換を行い凝縮する。凝縮した液冷媒は、ブリッジ回路(38)の逆止弁(38a)を通じて気液分離器(25)内に流入する。ここで、気液分離器(25)の下流側に接続された室外膨張弁(26)は、開度調節された状態にあり、圧縮機(21)の吐出側から室外膨張弁(26)までの範囲の冷媒圧力が冷媒の凝縮圧力まで昇圧されている。すなわち、気液分離器(25)内の冷媒圧力は、冷媒の凝縮圧力まで昇圧されている。
気液分離器(25)には、気密ガス放出ステップ後に液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)に残留した非凝縮性ガス(具体的には、気密ガス)が冷媒と共に流入する。気液分離器(25)では、ガス冷媒及び非凝縮性ガスが、液冷媒から分離されて上側の空間に溜まる。一方、分離された液冷媒は、気液分離器(25)内に一時的に溜められた後、気液分離器(25)の下部から流出して室外膨張弁(26)へ送られる。
この状態において、ガス分離器(34)を構成するガス冷媒導入弁(34f)及び排出弁(34c)を開けると、冷媒回路(10)内から凝縮性ガスを排出することができる。詳細については、実施形態1の変形例2と同様であるため、説明を省略する。
室外膨張弁(26)へ送られた液冷媒は、膨張して気液二相状態となって、ブリッジ回路(38)の逆止弁(38c)、液側閉鎖弁(27)及び液側連絡配管(6)を経由して室内ユニット(5)に送られる。そして、室内ユニット(5)に送られた冷媒は、室内熱交換器(51)において室内空気と熱交換して蒸発する。蒸発したガス冷媒は、ガス側連絡配管(7)、ガス側閉鎖弁(28)、及び四路切換弁(24)を経由して圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮して吐出される。
(暖房モードの動作で非凝縮性ガスを排出する場合)
次に、暖房モードで冷媒回路(10)内の冷媒を循環させる場合について説明する。このとき、四路切換弁(24)は、図6の破線で示される状態になっている。また、室外膨張弁(26)は、開度調節された状態となっている。
この状態で、圧縮機(21)を起動すると、圧縮機(21)から吐出されたガス冷媒は、四路切換弁(24)を経由して、ガス側閉鎖弁(28)及びガス側連絡配管(7)を経由して、室内ユニット(5)に送られる。室内ユニット(5)に送られた冷媒は、室内熱交換器(51)で室内空気と熱交換して凝縮する。凝縮した液冷媒は、液側連絡配管(6)、液側閉鎖弁(27)及びブリッジ回路(38)の逆止弁(38b)を通じて気液分離器(25)内に流入する。ここで、気液分離器(25)の下流側に接続された室外膨張弁(26)は、冷房モードの運転時と同様に、開度調節された状態にあり、圧縮機(21)の吐出側から室外膨張弁(26)までの範囲の冷媒圧力が冷媒の凝縮圧力まで昇圧されている。すなわち、気液分離器(25)内の冷媒圧力は、冷媒の凝縮圧力まで昇圧されている。
気液分離器(25)には、冷房モードの運転時と同様に、気密ガス放出後に液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)に残留した非凝縮性ガス(具体的には、気密ガス)が冷媒と共にが流入する。気液分離器(25)では、ガス冷媒及び非凝縮性ガスが、液冷媒から分離されて上側の空間に溜まる。一方、分離された液冷媒は、気液分離器(25)内に一時的に溜められた後、気液分離器(25)の下部から流出して室外膨張弁(26)へ送られる。
この状態において、ガス分離器(34)を構成するガス冷媒導入弁(34f)及び排出弁(34c)を開けると、冷媒回路(10)内から凝縮性ガスを排出することができる。詳細については、実施形態1の変形例2と同様であるため、説明を省略する。
室外膨張弁(26)へ送られた液冷媒は、膨張して気液二相状態となって、ブリッジ回路(38)の逆止弁(38d)を経由して室外熱交換器(23)に送られる。そして、室外熱交換器(23)に送られた冷媒は、室外空気と熱交換して蒸発する。蒸発したガス冷媒は、四路切換弁(24)を経由して、再び、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮して吐出される。
このように、本実施形態2の冷凍装置(1)においても、上記実施形態1同様に試運転を行うことで、ガス分離器(34)を用いて液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)に残留した非凝縮性ガスを冷媒回路(10)内から排出することができる。
−実施形態2の変形例1−
上記実施形態2の冷凍装置(1)において、上記実施形態1の変形例1と同様に、冷媒回路(10)に残留する水分を除去するためのドライヤ(44)を設けてもよい。なお、ドライヤ(44)は、室外熱交換器(23)の液側端と室内熱交換器(51)の液側端との間であれば何れの位置に設けてもよい。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。
−冷凍装置の構成−
図7に本実施形態3に係る冷凍装置(1)の概略構成図を示す。この冷凍装置(1)は、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置として構成されている。なお、ガス分離器(34)を除く構成は、上記実施形態2の冷凍装置(1)と同様であるため、説明を省略する。
ガス分離器(34)は、上記実施形態1及び上記実施形態2と同様に、気液分離器(25)を備えている。ガス分離器(34)は、気液分離器(25)に流入した冷媒からガス冷媒及び非凝縮性ガスを液冷媒から分離し、さらにガス冷媒から非凝縮性ガスを分離して冷媒回路(10)の外部に排出することが可能である。
ガス分離器(34)は、上記実施形態1の変形例2と同様に、分離膜(34b)が気液分離器(25)とは別のケーシング(34a)内に設けられている。ケーシング(34a)内は、図8に示すように、分離膜(34b)によって1次側(空間S3)と2次側(空間S4)とに区画されている。ケーシング(34a)内の空間S3には、一端が気液分離器(25)の頂部に接続された導入管(34e)と、非凝縮性ガスを大気に放出するための排出管(34d)とが接続されている。導入管(34e)にはガス冷媒導入弁(34f)が設けられ、排出管(34d)には排出弁(34c)が設けられている。また、ケーシング(34a)内の空間S4には、一端が圧縮機(21)の吸入側と四路切換弁(24)との間に接続された冷媒戻し管(34g)が接続されている。冷媒戻し管(34g)には、冷媒戻し弁(34h)が設けられている。なお、この実施形態3では、ガス冷媒導入弁(34f)に電磁弁を用いているが、気液分離器(25)からケーシング(34a)への流れのみを許容する逆止弁を用いてもよい。
分離膜(34b)は、本実施形態3において、ガス冷媒と非凝縮性ガスのうちガス冷媒を選択的に透過させることが可能な膜を使用している。このような分離膜としては、ポリスルホン膜やシリコンゴム膜等からなる非多孔質膜が使用される。ここで、非多孔質膜とは、多孔質膜が有するような多数の非常に微細な細孔を有しない均質な膜であり、ガスが溶解−拡散−脱溶解の過程を経て膜内を透過する際の速度差によって分離する膜である。この非多孔質膜では、沸点が高く膜への溶解度が大きい成分は膜を透過する速度が速く、膜への溶解度が小さい成分は膜を透過する速度が遅い。ここで、超臨界の冷凍サイクルを行う冷凍装置の冷媒として用いられる二酸化炭素は、酸素ガスや窒素ガスよりも沸点が高いため、この非多孔質膜によって分離することが可能である。これにより、分離膜(34b)は、ガス冷媒と非凝縮性ガスのうちガス冷媒を選択的に透過させて、ガス冷媒を空間S3から空間S4に流入させることができる。
ここで、冷媒戻し管(34g)は、冷媒回路(10)内で最も冷媒圧力の低い圧縮機(21)の吸入側にガス冷媒が戻されるように設けられているため、空間S3と空間S4との間の差圧を大きくすることが可能である。排出弁(34c)は、分離膜(34b)にガス冷媒を透過させることによって空間S3内に残った非凝縮性ガスを大気放出して、冷媒回路(10)の外部に排出することが可能である。
−冷凍装置の施工方法−
次に、この冷凍装置(1)の施工方法について説明する。なお、非凝縮性ガス排出ステップを除く手順については、上記実施形態1の冷凍装置(1)の施工方法と同様であるため、説明を省略する。
<非凝縮性ガス排出ステップ(ガス除去ステップ)>
冷媒調整ステップ後の回路構成において、圧縮機(21)を運転させて冷媒回路(10)で冷媒を循環させる試運転を行う。本実施形態3では、上記実施形態2と同様に、冷房モードの動作でも暖房モードの動作でも試運転が可能である。
(冷房モードの動作で非凝縮性ガスを排出する場合)
まず、冷房モードで冷媒回路(10)内の冷媒を循環させる場合について説明する。このとき、四路切換弁(24)は、図7の実線で示される状態になっている。また、室外膨張弁(26)は、開度調節された状態となっている。
この状態で、圧縮機(21)を起動すると冷房モードの動作で冷媒が冷媒回路(10)を循環する。詳細については、実施形態2と同様であるため、説明を省略する。
次に、冷媒回路(10)内から非凝縮性ガスを排出する際の動作について説明する。この実施形態3では、ガス冷媒導入弁(34f)を開けて気液分離器(25)とケーシング(34a)の空間S3とを連通させ、ガス冷媒戻し弁(34h)を開けてケーシング(34a)の空間S4と圧縮機(21)の吸入側とを連通させ、さらに排出弁(34c)を開けてケーシング(34a)の空間S3を大気開放状態にする。これにより、空間S3と空間S4との間に、冷媒の凝縮圧力と圧縮機(21)の吸入側の圧力との圧力差に相当する差圧が生じる。そして、気液分離器(25)に溜まったガス冷媒及び非凝縮性ガスが、ケーシング(34a)の空間S3に導入され、ガス冷媒及び非凝縮性ガスのうちガス冷媒は、この差圧が推進力となって分離膜(34b)を透過して空間S4側に流れ、冷媒戻し管(34g)を通じて圧縮機(21)の吸入側に戻される。一方、ガス冷媒が分離膜(34b)を透過して空間S4側に流れることによって空間S3内に残った非凝縮性ガスは、排出管(34d)から大気放出される。この運転を所定時間にわたって実施すると、液側連絡配管(6)及びガス側連絡配管(7)に残留した非凝縮性ガスが冷媒回路(10)内から排出される。
(暖房モードの動作を行いながら非凝縮性ガスを排出する場合)
次に、暖房モードで冷媒回路(10)内の冷媒を循環させる場合について説明する。このとき、四路切換弁(24)は、図7の破線で示される状態になっている。また、室外膨張弁(26)は、開度調節された状態となっている。
この状態で、圧縮機(21)を起動すると暖房モードの動作で冷媒が冷媒回路(10)を循環する。詳細については、実施形態2と同様であるため、説明を省略する。
また、冷媒回路(10)内から非凝縮性ガスを排出する際の動作についても、冷房モードの動作における非凝縮性ガスを排出する動作と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態3では、ガス分離器(34)を構成する分離膜(34b)としてガス冷媒を選択的に透過させる膜としての非多孔質膜を採用している点で、上記実施形態1及び上記実施形態2と異なるが、同様の特徴を有している。
なお、本実施形態3においても、上記実施形態1の変形例1と同様に、冷媒回路(10)に残留する水分を除去するためのドライヤ(44)を設けてもよい。
−実施形態3の変形例1−
図9に示す実施形態3の変形例1について説明する。上記実施形態3のガス分離器(34)では、冷媒戻し管(34g)が圧縮機(21)の吸入側と四路切換弁(24)との間に接続されているが、この変形例3の冷凍装置(1)では、冷媒戻し管(34g)が室外膨張弁(26)の下流側(具体的には、室外膨張弁(26)とブリッジ回路(38)の間)に接続されている。
−実施形態3の変形例2−
図10に示す実施形態3の変形例2について説明する。この変形例2では、上記実施形態1のガス分離器(34)と同様に、気液分離器(25)内に分離膜(34b)が設けられている。
具体的に、気液分離器(25)のガス空間は、分離膜(34b)によって下側の1次側(空間S3)と上側の2次側(空間S4)とに区画されている。空間S3には、非凝縮性ガスを排出するための排出管(34d)の入口端が開口している。空間S4には、圧縮機(21)の吸入側へガス冷媒を戻すための冷媒戻し管(34g)の入口端が開口している。
なお、上記実施形態1の冷凍装置(1)においても、本実施形態3及びその変形例2のガス分離器(34)を採用してもよい。また、上記実施形態2の冷凍装置(1)においても、本実施形態3の変形例2のガス分離器(34)を採用してもよい。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態について、冷凍装置(1)は、図11に示すように、室内ユニット(5)を複数台(図11では2台)設けるマルチ式の空気調和装置として構成してもよい。この場合、各室内ユニット(5)の室内回路(13)には、液側端から順に室内膨張弁(52)と室内熱交換器(51)とが設けられる。
また、マルチ式の空気調和装置として構成する場合で上記実施形態2のようにブリッジ回路(38)を有する場合は、図11に示すように、上記実施形態のブリッジ回路(38)の逆止弁(38d)の位置に室外膨張弁(26)を設けるようにしてもよい。室外膨張弁(26)は、冷房モードの動作時には全閉にされて室外熱交換器(23)から冷媒を気液分離器(25)へ流入させるように機能し、暖房モードの動作時には開度調節されて室内熱交換器(51)(具体的には、気液分離器(25)の出口)からの冷媒を膨張させるように機能している。
このようなマルチ式の空気調和装置の場合、連絡配管(6,7)の配管長及び配管径がルームエアコン等のような比較的小型の空気調和装置の連絡配管に比べて大きく、冷媒回路(10)内から排出させなければならない非凝縮性ガスの量が多いため、この施工方法が有用である。
また、上記実施形態について、気液分離器(25)を設けずに、分離膜(34b)が設けられたケーシング(34a)と高圧冷媒が流れる部分の冷媒配管とを導入管(34e)によって直接接続するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、非凝縮性ガスを冷媒から分離するためにガス分離器(34)が分離膜(34b)を備えているが、その代わりに非凝縮性ガスを吸着する吸着剤を備えるようにしてもよい。
また、上記実施形態について、氷蓄熱式の空気調和装置や他のセパレート式の冷凍装置に適用してもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、熱源ユニットと利用ユニットとを連絡配管で接続して冷媒回路を構成する冷凍装置、及びその冷凍装置の施工方法について有用である。
実施形態1に係る冷凍装置の冷媒回路の概略図である。 実施形態1に係る冷凍装置のガス分離器の概略構造を示す図である。 実施形態1の変形例1に係る冷凍装置の冷媒回路の概略図である。 実施形態1の変形例2に係る冷凍装置の冷媒回路の概略図である。 実施形態1の変形例2に係る冷凍装置のガス分離器の概略構造を示す図である。 実施形態2に係る冷凍装置の冷媒回路の概略図である。 実施形態3に係る冷凍装置の冷媒回路の概略図である。 実施形態3に係る冷凍装置のガス分離器の概略構造を示す図である。 実施形態3の変形例1に係る冷凍装置の冷媒回路の概略図である。 実施形態3の変形例2に係る冷凍装置の冷媒回路の概略図である。 その他の実施形態に係る冷凍装置の冷媒回路の概略図である。
符号の説明
1 冷凍装置
2 室外ユニット(熱源ユニット)
5 室内ユニット(利用ユニット)
6 液側連絡配管(連絡配管)
7 ガス側連絡配管(連絡配管)
10 冷媒回路
21 圧縮機
23 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
25 気液分離器
34 ガス分離器(ガス除去手段)
34b 分離膜
34c 排出弁
51 室内熱交換器(利用側熱交換器)

Claims (8)

  1. 圧縮機(21)及び熱源側熱交換器(23)を有する熱源ユニット(2)と利用側熱交換器(51)を有する利用ユニット(5)とを連絡配管(6,7)で接続して構成された冷媒回路(10)を備え、
    冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高くなるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる通常運転を行う冷凍装置であって、
    上記熱源ユニット(2)と利用ユニット(5)とを連絡配管(6,7)で接続してから通常運転を行うまでの間には、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる試運転を行う一方、
    上記冷媒回路(10)のうち上記試運転中に高圧冷媒が流れる部分に接続され、上記冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスを除去するガス除去手段(34)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    ガス除去手段(34)は、冷媒から非凝縮性ガスを分離するための分離膜(34b)を有し、該分離膜(34b)により分離された非凝縮性ガスを冷媒回路(10)から排出することを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項2において、
    上記ガス除去手段(34)は、上記冷媒回路(10)内を流れる高圧冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する気液分離器(25)を備え、該気液分離器(25)で分離されたガス冷媒から非凝縮性ガスを上記分離膜(34b)によって分離することを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項2又は3において、
    上記ガス除去手段(34)は、分離された非凝縮性ガスを大気に放出するための排出弁(34c)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  5. 圧縮機(21)及び熱源側熱交換器(23)を有する熱源ユニット(2)と利用側熱交換器(51)を有する利用ユニット(5)とを連絡配管(6,7)で接続して構成された冷媒回路(10)を備え、
    冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高くなるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる通常運転を行う冷凍装置であって、
    上記熱源ユニット(2)と利用ユニット(5)とを連絡配管(6,7)で接続してから通常運転を行うまでの間には、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる試運転を行うことを特徴する冷凍装置。
  6. 圧縮機(21)及び熱源側熱交換器(23)を有する熱源ユニット(2)と利用側熱交換器(51)を有する利用ユニット(5)とを連絡配管(6,7)で接続して構成された冷媒回路(10)を備え、
    冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高くなるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させる通常運転を行う冷凍装置の施工方法であって、
    上記熱源ユニット(2)と利用ユニット(5)とを連絡配管(6,7)で接続して冷媒回路(10)を構成する冷媒回路構成ステップと、
    冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力以下となるように冷媒回路(10)で冷媒を循環させて、冷媒回路(10)のうち高圧冷媒が流れる部分において該冷媒回路(10)内に存在する非凝縮性ガスを除去するガス除去ステップとを備えていることを特徴とする冷凍装置の施工方法。
  7. 請求項6において、
    上記ガス除去ステップでは、上記冷媒回路(10)のうち高圧冷媒が流れる部分において、分離膜(34b)によって冷媒から非凝縮性ガスを分離し、該分離した非凝縮性ガスを冷媒回路(10)から排出することを特徴とする冷凍装置の施工方法。
  8. 請求項6又は7において、
    上記ガス除去ステップの前に上記連絡配管(6,7)内に気密試験用ガスを供給して該連絡配管(6,7)の気密試験を行う気密試験ステップを備え、
    上記ガス除去ステップでは、上記冷媒回路(10)内に残留する気密試験用ガスを非凝縮性ガスとして除去することを特徴とする冷凍装置の施工方法。
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