JP2005127561A - 冷凍装置の施工方法及び冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 空気調和装置1は、熱源ユニット2と利用ユニット5とが冷媒連絡配管6、7を介して接続されて冷媒回路10を構成しており、分離膜装置34を備えている。分離膜装置34は、圧縮機21を運転して冷媒回路10内の冷媒を循環させて、液側冷媒回路11を流れる非凝縮性ガスと冷媒との混合ガス中から冷媒を選択的に透過させて非透過ガス中に含まれる非凝縮性ガスを濃縮する第1分離膜63bと、非透過ガス中から非凝縮性ガスを分離する第2分離膜64bとを有し、第2分離膜64bによって分離された非凝縮性ガスを冷媒回路10の外部に排出する。
【選択図】 図1
Description
このような空気調和装置において、機器据付、配管、配線工事から運転開始に至るまでの一連の施工は、主に、以下の4つの工程から構成されている。
(2)冷媒連絡配管の真空引き
(3)追加冷媒充填(必要に応じて行う)
(4)運転開始
上記のような空気調和装置の施工において、冷媒連絡配管の真空引き作業については、冷媒の大気放出、酸素ガスの残留による冷媒や冷凍機油の劣化や、酸素ガス及び窒素ガス等の空気成分を主成分とする非凝縮性ガスによる運転圧力の上昇等を防ぐために、重要な作業であるが、真空ポンプを液冷媒連絡配管及びガス冷媒連絡配管に接続する等の作業が必要となり、手間がかかるという問題がある。
この冷凍装置の施工方法では、冷媒回路構成ステップにおいて、熱源ユニットと利用ユニットとを冷媒連絡配管を介して接続した後に、非凝縮性ガス排出ステップにおいて、冷媒連絡配管内に残留した酸素ガスや窒素ガス等の空気成分を主成分とする非凝縮性ガスを冷媒回路内の冷媒とともに圧縮機を運転して循環させることによって、熱源側熱交換器と利用側熱交換器との間を流れる冷媒及び非凝縮性ガスの圧力を高めて、この高圧にされた非凝縮性ガスを含む冷媒中から冷媒を選択的に透過させる分離膜及び1以上の他の分離膜を有する多段に構成された分離膜を用いて非凝縮性ガスを分離して冷媒回路の外部に排出している。このように、圧縮機を運転して冷媒を循環させることによって、多段に構成された分離膜の1次側(すなわち、冷媒回路内)と2次側(すなわち、冷媒回路外)との圧力差を大きくすることができるため、多段に構成された分離膜における非凝縮性ガスの分離効率を向上させることができる。
この冷凍装置の施工方法では、非凝縮性ガス排出ステップにおいて、熱源側熱交換器と利用側熱交換器との間を流れる冷媒を分離膜に供給する前に、非凝縮性ガスを含むガス冷媒と液冷媒とに気液分離することによって、分離膜に供給される冷媒中に含まれる非凝縮性ガスを濃縮することができるため、多段に構成された分離膜における非凝縮性ガスの分離効率をさらに向上させることができる。
この冷凍装置の施工方法では、窒素ガス等の気密ガスを用いて、冷媒連絡配管の気密試験を行い、気密ガスを大気放出しているため、これらのステップ後に、冷媒連絡配管内に残留する酸素ガスの量が減少している。これにより、冷媒とともに冷媒回路内を循環する酸素ガスの量を減少させることができるようになり、冷媒や冷凍機油の劣化等の不具合のおそれをなくすことができる。
この冷凍装置では、非凝縮性ガスを含む冷媒中から冷媒を選択的に透過させる第1分離膜によって、非凝縮性ガスを含む冷媒中の非凝縮性ガスの濃度を増加させているため、第1分離膜の後段に設けられた第2分離膜には、圧力が低下されることなく非凝縮性ガスの濃度が増加された冷媒、すなわち、非透過ガスが供給されるようになっている。このため、第2分離膜を非凝縮性ガスが濃縮された冷媒中から非凝縮性ガスを選択的に透過させる分離膜にすることによって、第2分離膜の1次側(すなわち、冷媒回路内)の圧力を有効に利用して非凝縮性ガスを分離することができるようになり、多段に構成された分離膜における非凝縮性ガスの分離効率をさらに向上させることができる。
この冷凍装置では、非多孔質膜からなる第1分離膜によって、非凝縮性ガスを含む冷媒中の非凝縮性ガスの濃度を増加させているため、第1分離膜の後段に設けられた第2分離膜には、圧力が低下されることなく非凝縮性ガスの濃度が増加した冷媒、すなわち、非透過ガスが供給されるようになっている。このため、第2分離膜を多孔質膜にすることによって、第2分離膜の1次側の圧力を有効に利用して非凝縮性ガスを分離することができるようになり、多段に構成された分離膜における非凝縮性ガスの分離効率をさらに向上させることができる。
この冷凍装置では、液側冷媒回路に設けられたレシーバに分離膜装置が接続されているため、液側冷媒回路を流れる冷媒を分離膜装置に供給する前に、レシーバにおいて、非凝縮性ガスを含むガス冷媒と液冷媒とに気液分離することによって、分離膜に供給される冷媒中に含まれる非凝縮性ガスを濃縮することができるため、多段に構成された分離膜装置における非凝縮性ガスの分離効率をさらに向上させることができる。
この冷凍装置では、第1分離膜が、第1分離膜を透過した冷媒が冷媒回路内の最も運転中の圧力が低い圧縮機の吸入側に戻されるように接続されているため、第1分離膜の1次側と2次側との差圧を大きくすることができる。これにより、第1分離膜における冷媒の分離効率が向上し、1以上の他の分離膜に供給される非透過ガス中に含まれる非凝縮性ガスをさらに濃縮することができる。
この冷凍装置では、分離膜装置を構成する第1分離膜と他の分離膜とが一体に構成されているため、機器点数が減り、装置構成が簡単になる。
請求項1にかかる発明では、熱源ユニットと利用ユニットとを冷媒連絡配管を介して接続した後に、冷媒連絡配管内に残留した非凝縮性ガスを冷媒回路内の冷媒とともに圧縮機を運転して循環させているため、多段に構成された分離膜における非凝縮性ガスの分離効率を向上させることができる。しかも、混合ガス中から冷媒を選択的に透過させる分離膜を用いて冷媒を分離し、非透過ガス中から1以上の他の分離膜を用いて非凝縮性ガスを分離するようにしているため、多段に構成された分離膜における非凝縮性ガスの分離効率をさらに向上させることができる。
請求項7にかかる発明では、冷媒連絡配管内に残留した非凝縮性ガスを冷媒回路内の冷媒とともに圧縮機を運転して循環させているため、多段に構成された分離膜における非凝縮性ガスの分離効率を向上させることができる。しかも、混合ガス中から非多孔質膜からなる第1分離膜を用いて冷媒を分離し、非透過ガス中から1以上の他の分離膜を用いて非凝縮性ガスを分離するようにしているため、多段に構成された分離膜における非凝縮性ガスの分離効率をさらに向上させることができる。
請求項9にかかる発明では、液側冷媒回路を流れる冷媒を分離膜装置に供給する前に、レシーバにおいて、非凝縮性ガスを含むガス冷媒と液冷媒とに気液分離することによって、分離膜に供給される冷媒中に含まれる非凝縮性ガスを濃縮することができるため、多段に構成された分離膜装置における非凝縮性ガスの分離効率をさらに向上させることができる。
請求項11にかかる発明では、分離膜装置を構成する第1分離膜と他の分離膜とが一体に構成されているため、機器点数が減り、装置構成が簡単になる。
[第1実施形態]
(1)空気調和装置の構成
図1は、本発明の第1実施形態にかかる冷凍装置の一例としての空気調和装置1の冷媒回路の概略図である。空気調和装置1は、本実施形態において、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置であり、熱源ユニット2と、利用ユニット5と、熱源ユニット2と利用ユニット5とを接続するための液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7とを備えている。
利用側熱交換器51は、内部を流れる冷媒を蒸発又は凝縮させることによって室内の空気を冷却又は加熱することが可能な熱交換器である。
熱源ユニット2は、主に、圧縮機21と、四路切換弁22と、熱源側熱交換器23と、ブリッジ回路24と、レシーバ25と、熱源側膨張弁26と、液側仕切弁27と、ガス側仕切弁28とを有している。
四路切換弁22は、冷房運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁であり、冷房運転時には圧縮機21の吐出側と熱源側熱交換器23のガス側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側とガス側仕切弁28とを接続し、暖房運転時には圧縮機21の吐出側とガス側仕切弁28とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と熱源側熱交換器23のガス側とを接続することが可能である。
ブリッジ回路24は、4つの逆止弁24a〜24dから構成されており、熱源側熱交換器23と液側仕切弁27との間に接続されている。ここで、逆止弁24aは、熱源側熱交換器23からレシーバ25への冷媒の流通のみを許容する弁である。逆止弁24bは、液側仕切弁27からレシーバ25への冷媒の流通のみを許容する弁である。逆止弁24cは、レシーバ25から液側仕切弁27への冷媒の流通のみを許容する弁である。逆止弁24dは、レシーバ25から熱源側熱交換器23への冷媒の流通のみを許容する弁である。これにより、ブリッジ回路24は、冷房運転時のように冷媒が熱源側熱交換器23側から利用側熱交換器51側に向かって流れる際には、レシーバ25の入口を通じてレシーバ25内に冷媒を流入させるとともにレシーバ25の出口から流出した冷媒を熱源側膨張弁26において膨張された後に利用側熱交換器51側に向かって流すように機能し、暖房運転時のように冷媒が利用側熱交換器51側から熱源側熱交換器23側に向かって流れる際には、レシーバ25の入口を通じてレシーバ25内に冷媒を流入させるとともにレシーバ25の出口から流出した冷媒を熱源側膨張弁26において膨張された後に熱源側熱交換器23側に向かって流すように機能している。
液側仕切弁27及びガス側仕切弁28は、それぞれ、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7に接続されている。
分離膜装置34は、レシーバ25の上部に溜まった非凝縮性ガスを含むガス冷媒中から非凝縮性ガスを分離して、分離された非凝縮性ガスを冷媒回路10の外部に排出するための装置である。分離膜装置34は、ガス冷媒導入回路38を介してレシーバ25に接続されている。ガス冷媒導入回路38は、レシーバ25の上部に溜まった非凝縮性ガスを含むガス冷媒(具体的には、を分離膜装置34に導入するための管路であり、レシーバ25の上部から分離膜装置34に導入される非凝縮性ガスを含むガス冷媒を流通/遮断させるためのガス冷媒導入弁38aを有している。分離膜装置34は、図2に示されるように、多段(本実施形態では、2段)に設けられた分離膜を有している。分離膜装置34は、主に、第1分離膜モジュール63と、第1分離膜モジュール63の下流側に接続された第2分離膜モジュール64とを有している。
次に、空気調和装置1の施工方法について説明する。
<機器設置ステップ(冷媒回路構成ステップ)>
まず、新設の利用ユニット5及び熱源ユニット2を据え付け、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を設置し、利用ユニット5及び熱源ユニット2に接続して、空気調和装置1の冷媒回路10を構成する。ここで、新設の熱源ユニット2の液側仕切弁27及びガス側仕切弁28は閉止されており、熱源ユニット2の冷媒回路内には所定量の冷媒が予め充填されている。そして、ガス分離装置31を構成する分離膜装置34の排出弁34cは、閉止されている。
<気密試験ステップ>
空気調和装置1の冷媒回路10を構成した後、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7の気密試験を行う。尚、利用ユニット5に液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7と仕切弁等が設けられていない場合には、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7の気密試験は、利用ユニット5に接続された状態で行われる。
気密試験が終了した後、気密試験部分の圧力を減圧するために、気密試験部分の雰囲気ガス(気密ガス)を大気放出する。ここで、気密試験部分の雰囲気ガスには気密試験に使用された大量の窒素ガスが含まれているため、大気放出後の気密試験部分の雰囲気ガスの大部分は、窒素ガスに置換されて、酸素ガスの量が減少している。ここで、大気放出作業においては、冷媒回路10の外部からの空気の侵入を防ぐために、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を含む気密試験部分の圧力が大気圧よりもわずかに高い圧力になるまで減圧している。
<非凝縮性ガス排出ステップ>
気密ガスを放出した後、熱源ユニット2の液側仕切弁27及びガス側仕切弁28を開けて、利用ユニット5の冷媒回路と熱源ユニット2の冷媒回路とが接続された状態にする。これにより、熱源ユニット2に予め充填されていた冷媒が冷媒回路10全体に供給される。そして、冷媒連絡配管6、7の配管長が長い場合等のように、予め熱源ユニット2に充填されていた冷媒量だけで必要な冷媒充填量に満たない場合には、必要に応じて、外部から冷媒が追加充填される。尚、熱源ユニット2に予め冷媒が充填されていない場合には、必要冷媒量の全てが外部から充填される。これにより、冷媒回路10内において、気密ガス放出ステップ後に冷媒連絡配管6、7に残留した非凝縮性ガスとしての気密ガス(利用ユニット5の気密試験も同時に行った場合には利用ユニット5に残留した非凝縮性ガスも含まれる)と冷媒とが混合されることになる。
(冷房運転を行いながら非凝縮性ガスを排出する場合)
まず、冷媒回路10内の冷媒を循環させる運転を冷房運転によって行う場合について説明する。このとき、四路切換弁22は、図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が熱源側熱交換器23のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側がガス側仕切弁28に接続された状態となっている。また、熱源側膨張弁26は、開度調節された状態となっている。さらに、ガス分離装置31を構成するガス冷媒導入弁38a、ガス冷媒戻し弁41a及び排出弁34cは、いずれも閉止されており、ガス分離装置31を使用しない状態となっている。
次に、冷媒回路10内の冷媒を循環させる運転を暖房運転によって行う場合について説明する。このとき、四路切換弁22は、図1の破線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側がガス側仕切弁28に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が熱源側熱交換器23のガス側に接続された状態となっている。また、熱源側膨張弁26は、開度調節された状態となっている。さらに、ガス分離装置31を構成するガス分離装置31を構成するガス冷媒導入弁38a、ガス冷媒戻し弁41a及び排出弁34cは、いずれも閉止されており、ガス分離装置31を使用しない状態となっている。
(3)空気調和装置及びその施工方法の特徴
本実施形態の空気調和装置1及びその施工方法には、以下のような特徴がある。
空気調和装置1では、液側冷媒回路11に分離膜装置34を有するガス分離装置31が接続されており、機器設置ステップ(冷媒回路構成ステップ)後に、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7に残留した非凝縮性ガス(具体的には、気密ガス)を冷媒回路10の外部に排出することが可能になっているため、従来のような多量の吸着剤を使用するガス分離装置を使用する場合に比べて、ガス分離装置31のサイズを小さくすることができる。これにより、熱源ユニット2のサイズを大きくすることなく、現地施工時の真空引き作業を省略することができる。
空気調和装置1では、機器設置ステップ(冷媒回路構成ステップ)において、熱源ユニット2と利用ユニット5とを冷媒連絡配管6、7を介して接続した後に、非凝縮性ガス排出ステップにおいて、冷媒連絡配管6、7内に残留した非凝縮性ガスを冷媒回路10内の冷媒とともに圧縮機21を運転(具体的には、冷房運転又は暖房運転)して循環させることによって、熱源側熱交換器23と利用側熱交換器51との間を流れる冷媒及び非凝縮性ガスの圧力を高めて、この高圧にされた非凝縮性ガスを含む冷媒中から冷媒を選択的に透過させる第1分離膜63b及び1以上の他の分離膜としての第2分離膜64bを有する多段に構成された分離膜装置34を有するガス分離装置31を用いて非凝縮性ガスを分離して冷媒回路10の外部に排出している。このように、多段に構成された分離膜装置34の1次側(すなわち、第1分離膜63bの空間S1側)と2次側(すなわち、第2分離膜64bの空間S4側)との圧力差を大きくすることができるため、多段に構成された分離膜装置34における非凝縮性ガスの分離効率を向上させることができる。
空気調和装置1では、非凝縮性ガスを含む冷媒、すなわち、非凝縮性ガスと冷媒との混合ガス中から冷媒を選択的に透過させる分離膜(非多孔質膜)からなる第1分離膜63bによって、混合ガス中の非凝縮性ガスの濃度を増加させているため、第1分離膜63bの後段に設けられた第2分離膜63bには、圧力が低下させることなく非凝縮性ガスの濃度が増加された冷媒、すなわち、非透過ガスが供給されるようになっている。このため、第2分離膜64bを非透過ガス中から非凝縮性ガスを選択的に透過させる分離膜(多孔質膜)にすることによって、第2分離膜64bの1次側(すなわち、第1分離膜63bの空間S1内)の圧力を有効に利用して非凝縮性ガスを分離することができるようになり、多段に構成された分離膜装置34における非凝縮性ガスの分離効率をさらに向上させることができる。
空気調和装置1では、液側冷媒回路11に設けられたレシーバ25に分離膜装置34が接続されているため、液側冷媒回路11を流れる冷媒を分離膜装置34に供給する前に、レシーバ25において、非凝縮性ガスを含むガス冷媒と液冷媒とに気液分離することによって、分離膜装置34に供給される冷媒中に含まれる非凝縮性ガスを濃縮することができるため、多段に構成された分離膜装置34における非凝縮性ガスの分離効率をさらに向上させることができる。
(E)
空気調和装置1では、第1分離膜63bが、第1分離膜63bを透過した冷媒が冷媒回路10内の最も運転中の圧力が低い圧縮機の吸入側に戻されるように接続されているため、第1分離膜63bの1次側(すなわち、空間S1側)と2次側(すなわち、空間S2側)との差圧を大きくすることができる。これにより、第1分離膜63bにおける冷媒の分離効率が向上し、1以上の他の分離膜としての第2分離膜64bに供給される非透過ガス中に含まれる非凝縮性ガスをさらに濃縮することができる。
空気調和装置1の施工方法では、窒素ガス等の気密ガスを用いて、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7の気密試験を行い、気密ガスを大気放出しているため、これらのステップ後に、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7内に残留する酸素ガスの量を減少させることができる。これにより、冷媒とともに冷媒回路10内を循環する酸素ガスの量を減少させることができて、冷媒や冷凍機油の劣化等の不具合のおそれをなくすことができる。
(4)変形例1
上記のガス分離装置31では、分離膜装置34の第1分離膜モジュール63において分離されたガス冷媒が、ガス冷媒流出回路41を介して、圧縮機21の吸入側に戻されるようになっているが、図3に示される本変形例の空気調和装置101の熱源ユニット102に組み込まれたガス分離装置131のように、ガス冷媒流出回路141が第1分離膜モジュール63と熱源側膨張弁26の下流側(具体的には、熱源側膨張弁26の下流側とブリッジ回路24の逆止弁24c、24dとの間)との間を接続するように設けられていてもよい。
上記のガス分離装置31、131では、分離膜装置34を構成する第1分離膜モジュール63と第2分離膜モジュール64とが第2分離膜導入回路42を介して接続されているが、図4及び図5に示される本変形例の空気調和装置201の熱源ユニット202に組み込まれたガス分離装置231のように、分離膜モジュール本体234a内において、第1分離膜63bを有する第1分離膜モジュール63と第2分離膜64bを有する第2分離膜モジュール64とを一体に構成するとともに、第1分離膜モジュール63の空間S1と第2分離膜モジュール64の空間S3とを連通するための流路234dを設けることで、第2分離膜導入回路42を省略してもよい。これにより、ガス分離装置231を構成する機器点数が減り、装置構成が簡単になる。
上記のガス分離装置31、131、231において、第2分離膜64bの下流側(具体的には、第2分離膜64bと排出弁34cとの間)に、さらに別の分離膜を設けて、3段以上の多段の分離膜装置にしてもよい。
[第2実施形態]
(1)空気調和装置の構成及び特徴
図6は、本発明の第2実施形態にかかる冷凍装置の一例としての空気調和装置501の冷媒回路の概略図である。空気調和装置501は、本実施形態において、第1実施形態の空気調和装置1と同様、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置であり、熱源ユニット502と、利用ユニット5と、熱源ユニット502と利用ユニット5とを接続するための液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7とを備えている。尚、本実施形態の空気調和装置501のガス分離装置531を除く構成は、第1実施形態の空気調和装置1と同様であるため、説明を省略する。
油飛散防止装置561は、分離膜装置34に供給されるガス冷媒中に冷凍機油が飛散しないようにするための機器である。本実施形態において、油飛散防止装置561は、図7に示されるように、液側冷媒回路11(具体的には、ブリッジ回路24の逆止弁24a、24b)からレシーバ25に流入する非凝縮性ガスを含む冷媒をレシーバ25内に溜まった液冷媒中に流入させるように設けられた流入管である。
上記のガス分離装置531では、油飛散防止装置561として、液側冷媒回路11からレシーバ25内に流入する非凝縮性ガスを含む冷媒をレシーバ25内に溜まった液冷媒中に流入させるように設けられた流入管を採用しているが、図8に示される本変形例の空気調和装置601の熱源ユニット602に組み込まれたガス分離装置631のように、油飛散防止装置661として、レシーバ25によって気液分離されて分離膜装置34に供給される非凝縮性ガスを含むガス冷媒中に同伴する冷凍機油を除去するフィルタをガス冷媒導入回路38に設けるようにして、分離膜装置34に供給されるガス冷媒中に冷凍機油が飛散しないようにしてもよい。
上記のガス分離装置531及びガス分離装置631では、油飛散防止装置として、流入管からなる油飛散防止装置561及びフィルタからなる油飛散防止装置661をそれぞれ有しているが、図9に示される本変形例の空気調和装置701の熱源ユニット702に組み込まれたガス分離装置731のように、液側冷媒回路11からレシーバ25内に流入する非凝縮性ガスを含む冷媒をレシーバ25内に溜まった液冷媒中に流入させるように設けられた流入管からなる第1油飛散防止装置561と、レシーバ25によって気液分離されて分離膜装置34に供給される非凝縮性ガスを含むガス冷媒中に同伴する冷凍機油を除去するためにガス冷媒導入回路38に設けられたフィルタからなる第2油飛散防止装置661とを有するようにしてもよい。これにより、分離膜装置34に供給される非凝縮性ガスを含むガス冷媒中に冷凍機油が飛散しないようにする効果をさらに向上させることができる。
上記のガス分離装置531、631、731を構成する油飛散防止装置561、661を第1実施形態の変形例にかかるガス分離装置131、231に適用してもよい。
[第3実施形態]
(1)空気調和装置の構成
図10は、本発明の第3実施形態にかかる冷凍装置の一例としての空気調和装置1001の冷媒回路の概略図である。空気調和装置1001は、本実施形態において、第1実施形態の空気調和装置1と同様、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置であり、熱源ユニット1002と、利用ユニット5と、熱源ユニット1002と利用ユニット5とを接続するための液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7とを備えている。尚、本実施形態の空気調和装置1001のガス分離装置1031を除く構成は、第1実施形態の空気調和装置1と同様であるため、説明を省略する。
冷却器1032は、図11に示されるように、熱源側熱交換器23と利用側熱交換器51との間を流れる冷媒の少なくとも一部を冷却するための熱交換器である。冷却器1032は、本実施形態において、副レシーバ1033内に配置されたコイル状の伝熱管であり、レシーバ25の上部に溜まった非凝縮性ガスを含むガス冷媒を副レシーバ1033内において冷却している。冷却器1032の冷却源としては、本実施形態において、冷媒回路10内を流れる冷媒が使用されている。より具体的には、冷却器1032の冷却源として、レシーバ25の出口から流出した冷媒の一部を膨張させたものが使用されている。この冷媒は、冷却用冷媒回路1035によって冷却器1032に供給されるようになっている。冷却用冷媒回路1035は、レシーバ25の出口から流出した冷媒の一部を膨張させて冷却器1032に流入させる冷却用冷媒流入回路1036と、冷却器1032から流出した冷媒を圧縮機21の吸入側に戻す冷却用冷媒流出回路1037とから構成されている。冷却用冷媒流入回路1036は、レシーバ25の出口から流出した冷媒の一部を膨張させる冷却用膨張弁1036aを有している。冷却用冷媒流出回路1037は、冷却器1032内を通過して圧縮機21の吸入側に戻される冷媒を流通/遮断するための冷却用冷媒戻し弁1037aを有している。ここで、冷却用冷媒流入回路1036を通じて冷却器1032に流入する冷媒は、レシーバ25の上部に溜まった非凝縮性ガスを含むガス冷媒の温度とほぼ同じ温度であるが、冷却用膨張弁1036aによって膨張されることでその一部が蒸発して温度が低下するため、この冷媒が冷却器1032内を通過する際に、副レシーバ1033内の非凝縮性ガスを含むガス冷媒を冷却して非凝縮性ガスを含むガス冷媒の一部を凝縮させることができる。このとき、非凝縮性ガスは、ガス冷媒に比べて凝縮温度(すなわち、沸点)が低いため、ほとんど凝縮せず、結果として、副レシーバ1033の上部(ガス相)に溜まることになり、副レシーバ1033の上部に溜まったガス冷媒中の非凝縮性ガスの濃度が増加することになる。
次に、空気調和装置1001の施工方法について説明する。尚、非凝縮性ガス排出ステップを除く手順については、第1実施形態の空気調和装置1の施工方法と同様であるため、説明を省略する。
<非凝縮性ガス排出ステップ>
気密ガスを放出した後、熱源ユニット1002の液側仕切弁27及びガス側仕切弁28を開けて、利用ユニット5の冷媒回路と熱源ユニット1002の冷媒回路とが接続された状態にする。これにより、熱源ユニット1002に予め充填されていた冷媒が冷媒回路10全体に供給される。そして、冷媒連絡配管6、7の配管長が長い場合等のように、予め熱源ユニット2に充填されていた冷媒量だけで必要な冷媒充填量に満たない場合には、必要に応じて、外部から冷媒が追加充填される。尚、熱源ユニット1002に予め冷媒が充填されていない場合には、必要冷媒量の全てが外部から充填される。これにより、冷媒回路10内において、気密ガス放出ステップ後に冷媒連絡配管6、7に残留した非凝縮性ガスとしての気密ガス(利用ユニット5の気密試験も同時に行った場合には利用ユニット5に残留した非凝縮性ガスも含まれる)と冷媒とが混合されることになる。
(冷房運転を行いながら非凝縮性ガスを排出する場合)
まず、冷媒回路10内の冷媒を循環させる運転を冷房運転によって行う場合について説明する。このとき、四路切換弁22は、図10の実線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が熱源側熱交換器23のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側がガス側仕切弁28に接続された状態となっている。また、熱源側膨張弁26は、開度調節された状態となっている。さらに、ガス分離装置1031を構成する冷却用膨張弁1036a、冷却用冷媒戻し弁1037a、ガス冷媒導入弁1038a、液冷媒流出弁1039a、ガス冷媒戻し弁41a及び排出弁34cは、いずれも閉止されており、ガス分離装置1031を使用しない状態となっている。
この冷房運転状態において、次のような手順によって、ガス分離装置1031を使用して冷媒回路10内から非凝縮性ガスとしての気密ガスを排出する運転を行う。まず、ガス冷媒導入弁1038aを開けて、レシーバ25の上部に溜まった非凝縮性ガスを含むガス冷媒を副レシーバ1033内に導入する。そして、副レシーバ1033内に導入された非凝縮性ガスを含むガス冷媒を冷却するために、冷却用冷媒戻し弁1037a及び冷却用膨張弁1036aを開けて、冷却器1032内に冷却源としての冷媒を流通させる。すると、副レシーバ1033内に導入された非凝縮性ガスを含むガス冷媒は、冷却器1032内を流れる冷媒によって冷却されてその一部が凝縮されるとともに、冷却器1032内を流れる冷媒を蒸発させる。このとき、非凝縮性ガスは、ガス冷媒に比べて凝縮温度(すなわち、沸点)が低いため、ほとんど凝縮せず、結果として、副レシーバ1033の上部に溜まることになり、副レシーバ1033の上部に溜まったガス冷媒中の非凝縮性ガスの濃度が増加する。一方、副レシーバ1033内で凝縮された冷媒は、副レシーバ1033の下部に溜まるが、液冷媒流出弁1039aを開けることによって、再び、レシーバ25に戻される。ここで、副レシーバ1033からレシーバ25に戻される液冷媒の温度は、冷却器1032によって冷却されることでレシーバ25内の冷媒温度よりも低くなっているため、レシーバ25内の冷媒を冷却してレシーバ25の上部における非凝縮性ガスの濃度を増加させるのに寄与している。また、非凝縮性ガスを含むガス冷媒と熱交換して蒸発された冷却源としての冷媒は、圧縮機21の吸入側に戻される。
(暖房運転を行いながら非凝縮性ガスを排出する場合)
次に、冷媒回路10内の冷媒を循環させる運転を暖房運転によって行う場合について説明する。このとき、四路切換弁22は、図10の破線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側がガス側仕切弁28に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が熱源側熱交換器23のガス側に接続された状態となっている。また、熱源側膨張弁26は、開度調節された状態となっている。さらに、ガス分離装置1031を構成する冷却用膨張弁1036a、冷却用冷媒戻し弁1037a、ガス冷媒導入弁1038a、液冷媒流出弁1039a、ガス冷媒戻し弁41a及び排出弁34cは、いずれも閉止されており、ガス分離装置1031を使用しない状態となっている。
(3)空気調和装置及びその施工方法の特徴
本実施形態の空気調和装置1001では、非凝縮性ガスを含む冷媒中から冷媒を選択的に透過させる第1分離膜モジュール63と非凝縮性ガスを含む冷媒中から非凝縮性ガスを選択的に透過させる第2分離膜モジュール64とを有する多段の分離膜装置34の上流側に、液側冷媒回路11(具体的には、レシーバ25の上部)から分離膜装置34に供給されるガス冷媒中に含まれる非凝縮性ガスの濃度を増加させるための冷却器1032及び副レシーバ1033をさらに備えている。
(4)変形例
上記のガス分離装置1031において、冷却源として冷却用冷媒回路1035の冷却用冷媒流入回路1036に設けられた冷却用膨張弁1036aの代わりに、キャピラリチューブを設けてレシーバ25の出口から流出した冷媒の一部を膨張させるようにしてもよい。
さらに、上記のガス分離装置1031において、第2実施形態及びその変形例にかかるガス分離装置531、631、731に適用された油飛散防止装置561、661を採用してもよい。
(1)空気調和装置の構成及び特徴
図12は、本発明の第4実施形態にかかる冷凍装置の一例としての空気調和装置1501の冷媒回路の概略図である。空気調和装置1501は、本実施形態において、第1実施形態の空気調和装置1と同様、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置であり、熱源ユニット1502と、利用ユニット5と、熱源ユニット1502と利用ユニット5とを接続するための液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7とを備えている。尚、本実施形態の空気調和装置1501のガス分離装置1531を除く構成は、第1実施形態の空気調和装置1と同様であるため、説明を省略する。
冷媒回収機構1565は、例えば、分離膜装置34を構成する第1分離膜63b及び第2分離膜64bの分離性能が低く、分離膜装置34において分離された非凝縮性ガス中に冷媒が含まれてしまう場合において、分離膜装置34において分離された非凝縮性ガスに含まれる冷媒を回収するための機器である。本実施形態において、冷媒回収機構1565は、図13に示されるように、分離膜装置34において分離された後に排出弁34cを通じて流入する非凝縮性ガス中に含まれる冷媒を非凝縮性ガスとともに捕集する捕集容器である。このような冷媒回収機構1565を設けることで、冷媒が大気放出されないようにすることができる。
上記のガス分離装置1531では、冷媒回収機構1565として、分離膜装置34において分離された後に排出弁34cを通じて流入する非凝縮性ガス中に含まれる冷媒を非凝縮性ガスとともに捕集する捕集容器を採用しているが、図12及び図14に示される本変形例の空気調和装置1601の熱源ユニット1602に組み込まれたガス分離装置1631のように、冷媒回収機構1665として、非凝縮性ガス中に含まれる冷媒を吸収する吸収剤を有する吸収装置を採用してもよい。具体的には、冷媒回収機構1665は、ガス冷媒を吸収するための冷凍機油等の吸収剤1665aと、吸収剤1665aを溜めるための吸収装置本体1665bと、吸収装置本体1665b内から非凝縮性ガスを排出するための排出弁1665cとを有しており、分離膜装置34において分離された後の冷媒を含む非凝縮性ガスを吸収剤1665a中に流入させることができるように構成されている。そして、このような冷媒回収機構1665を設けることで、冷媒を大気放出することなく、非凝縮性ガスを大気放出することができる。
上記のガス分離装置1631では、冷媒回収機構1665として、非凝縮性ガス中に含まれる冷媒を吸収する吸収剤を有する吸収装置を採用しているが、図12及び図15に示される本変形例の空気調和装置1701の熱源ユニット1702に組み込まれたガス分離装置1731のように、冷媒回収機構1765として、非凝縮性ガス中に含まれる冷媒を吸着する吸着剤を有する吸着装置を採用してもよい。具体的には、冷媒回収機構1765は、ガス冷媒を吸着するためのゼオライト等の吸着剤1765aと、吸着剤1765aを収容するための吸着装置本体1765bと、吸着装置本体1765b内から非凝縮性ガスを排出するための排出弁1765cとを有しており、分離膜装置34において分離された後の冷媒を含む非凝縮性ガスが吸着剤1765a層内を通過させることができるように構成されている。そして、このような冷媒回収機構1765を設けることで、冷媒を大気放出することなく、非凝縮性ガスを大気放出することができる。
上記のガス分離装置1531、1631、1731を構成する冷媒回収機構1565、1665、1765を第1実施形態の変形例にかかるガス分離装置131、231、第2実施形態及びその変形例にかかるガス分離装置531、631、731や第3実施形態及びその変形例にかかるガス分離装置1031に適用してもよい。
[第5実施形態]
(1)空気調和装置の構成、施工方法及び特徴
本発明の第1実施形態にかかる冷凍装置の一例としての空気調和装置1において(図1参照)、冷媒回路構成ステップにおいて、熱源ユニット2と利用ユニット5とを冷媒連絡配管6、7を介して接続した後に、ガス置換ステップにおいて、冷媒連絡配管6、7内に残留した酸素ガスや窒素ガス等の空気成分を主成分とする非凝縮性ガスをヘリウムガスに置換した後に、非凝縮性ガス排出ステップにおいて、ヘリウムガスを冷媒回路10の外部に排出するようにしてもよい。
<ガス置換ステップ>
気密ガスを放出した後、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を含む気密試験部分に対して、液冷媒連絡配管6やガス冷媒連絡配管7等に設けられた供給口(図示せず)からヘリウムガスを供給し、その後、気密試験部分の雰囲気ガス(気密ガス)を大気放出する作業とを繰り返して行い、気密試験部分の雰囲気ガス(気密ガス)をヘリウムガスに置換する。
気密試験部分の雰囲気ガス(気密ガス)をヘリウムガスに置換した後、熱源ユニット2の液側仕切弁27及びガス側仕切弁28を開けて、利用ユニット5の冷媒回路と熱源ユニット2の冷媒回路とが接続された状態にする。これにより、熱源ユニット2に予め充填されていた冷媒が冷媒回路10全体に供給される。そして、冷媒連絡配管6、7の配管長が長い場合等のように、予め熱源ユニット2に充填されていた冷媒量だけで必要な冷媒充填量に満たない場合には、必要に応じて、外部から冷媒が追加充填される。尚、熱源ユニット2に予め冷媒が充填されていない場合には、必要冷媒量の全てが外部から充填される。これにより、冷媒回路10内において、冷媒連絡配管6、7内に残留した非凝縮性ガスとしてのヘリウムガス(利用ユニット5の気密試験も同時に行った場合には利用ユニット5に封入された非凝縮性ガスも含まれる)と冷媒とが混合されることになる。
第1実施形態の各種変形例、第2〜第4実施形態及びその変形例にかかる空気調和装置において、上記のように、冷媒連絡配管6、7内に残留した非凝縮性ガスをヘリウムガスに置換した後に、冷媒回路10内の冷媒を循環させる運転を行うようにしてもよい。
[第6実施形態]
(1)空気調和装置の構成及び特徴
図16は、本発明の第6実施形態にかかる冷凍装置の一例としての空気調和装置2001の冷媒回路の概略図である。空気調和装置2001は、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置であり、熱源ユニット2002と、複数(本実施形態では、2台)の利用ユニット2005と、熱源ユニット2002と複数の利用ユニット2005とを接続するための液冷媒連絡配管2006及びガス冷媒連絡配管2007とを備えており、いわゆるマルチ式の空気調和装置を構成している。
利用側膨張弁2052は、冷媒圧力や冷媒流量の調節を行うために、利用側熱交換器51の液側に接続された弁である。利用側膨張弁2052は、本実施形態において、特に、冷房運転時において、冷媒を膨張させる機能を有している。
特に、本実施形態の空気調和装置2001のようなマルチ式の空気調和装置の場合、冷媒連絡配管2006、2007の配管長及び配管径がルームエアコン等のような比較的小型の空気調和装置の冷媒連絡配管に比べて大きく、冷媒回路2010内から排出させなければならない非凝縮性ガスの量が多いため、この施工方法が有用である。
空気調和装置2001のガス分離装置として、第1実施形態の変形例にかかるガス分離装置231や、第2実施形態及びその変形例にかかるガス分離装置531、631、731や、第3実施形態及びその変形例にかかるガス分離装置1031や、第4実施形態及びその変形例にかかるガス分離装置1531、1631、1731を採用してもよい。
[第7実施形態]
(1)空気調和装置の構成及び特徴
図17は、本発明の第7実施形態にかかる冷凍装置の一例としての空気調和装置2101の冷媒回路の概略図である。空気調和装置2101は、冷房運転専用の空気調和装置であり、熱源ユニット2102と、利用ユニット5と、熱源ユニット2102と利用ユニット5とを接続するための液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7とを備えている。ここで、利用ユニット5、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7は、第1実施形態の空気調和装置1の利用ユニット5、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7と同様であるため、説明を省略する。
(2)変形例
空気調和装置2101のガス分離装置として、第1実施形態の変形例にかかるガス分離装置131、231や、第2実施形態及びその変形例にかかるガス分離装置531、631、731や、第3実施形態及びその変形例にかかるガス分離装置1031や、第4実施形態及びその変形例にかかるガス分離装置1531、1631、1731を採用してもよい。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
2〜202、502〜702、1002、1502〜1702、2002、2102 熱源ユニット
5、2005 利用ユニット
6、2006 液冷媒連絡配管
7、2007 ガス冷媒連絡配管
10、2010、2110 冷媒回路
11、2011、2111 液側冷媒回路
21 圧縮機
23 熱源側熱交換器
25 レシーバ
34、234 分離膜装置
51 利用側熱交換器
63b 第1分離膜
64b 第2分離膜
Claims (11)
- 圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)とを有する熱源ユニット(2〜202、502〜702、1002、1502〜1702、2002、2102)と、利用側熱交換器(51)を有する利用ユニット(5、2005)と、前記熱源ユニットと前記利用ユニットとを接続する冷媒連絡配管(6、2006、7、2007)とを備えた冷凍装置の施工方法であって、
前記熱源ユニットと前記利用ユニットとを前記冷媒連絡配管を介して接続することによって冷媒回路(10、2010、2110)を構成する冷媒回路構成ステップと、
前記圧縮機を運転して前記冷媒回路内の冷媒を循環させて、非凝縮性ガスを含む冷媒中から冷媒を選択的に透過させる分離膜(63b)を用いて前記冷媒連絡配管内に残留した非凝縮性ガスを含む前記熱源側熱交換器と前記利用側熱交換器との間を流れる冷媒中から冷媒を分離して前記冷媒中に含まれる前記非凝縮性ガスを濃縮した後に、1以上の他の分離膜(64b)を用いて前記非凝縮性ガスが濃縮された冷媒中から前記非凝縮性ガスを分離して前記冷媒回路の外部に排出する非凝縮性ガス排出ステップと、
を備えた冷凍装置の施工方法。 - 圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)とを有する熱源ユニット(2〜202、502〜702、1002、1502〜1702、2002、2102)と、利用側熱交換器(51)を有する利用ユニット(5、2005)と、前記熱源ユニットと前記利用ユニットとを接続する冷媒連絡配管(6、2006、7、2007)とを備えた冷凍装置の施工方法であって、
前記熱源ユニットと前記利用ユニットとを前記冷媒連絡配管を介して接続することによって冷媒回路(10、2010、2110)を構成する冷媒回路構成ステップと、
前記圧縮機を運転して前記冷媒回路内の冷媒を循環させて、非多孔質膜(63b)を用いて前記冷媒連絡配管内に残留した非凝縮性ガスを含む前記熱源側熱交換器と前記利用側熱交換器との間を流れる冷媒中から冷媒を分離して前記冷媒中に含まれる前記非凝縮性ガスを濃縮した後に、1以上の他の分離膜(64b)を用いて前記非凝縮性ガスが濃縮された冷媒中から前記非凝縮性ガスを分離して前記冷媒回路の外部に排出する非凝縮性ガス排出ステップと、
を備えた冷凍装置の施工方法。 - 前記非凝縮性ガス排出ステップでは、前記熱源側熱交換器(23)と前記利用側熱交換器(51)との間を流れる冷媒を非凝縮性ガスを含むガス冷媒と液冷媒とに気液分離した後、前記気液分離されたガス冷媒を分離膜(63b)に供給している、請求項1又は2に記載の冷凍装置の施工方法。
- 前記非凝縮性ガス排出ステップ前に、前記冷媒連絡配管(6、2006、7、2007)の気密試験を行う気密試験ステップと、
前記気密試験ステップ後に、前記冷媒連絡配管内の気密ガスを大気放出して減圧する気密ガス放出ステップと、
をさらに備えた請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍装置の施工方法。 - 圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)とを有する熱源ユニット(2〜202、502〜702、1002、1502〜1702、2002、2102)と、利用側熱交換器(51)を有する利用ユニット(5、2005)とが冷媒連絡配管(6、2006、7、2007)を介して接続されて、冷媒回路(10、2010、2110)を構成する冷凍装置であって、
前記熱源側熱交換器と前記利用側熱交換器とを接続する液側冷媒回路(11、2011、2111)に接続され、前記圧縮機を運転して前記冷媒回路内の冷媒を循環させて、前記冷媒連絡配管内に残留した非凝縮性ガスを含む前記熱源側熱交換器と前記利用側熱交換器との間を流れる冷媒中から冷媒を選択的に透過させて前記冷媒中に含まれる前記非凝縮性ガスを濃縮する第1分離膜(63b)と、前記第1分離膜によって前記非凝縮性ガスが濃縮された冷媒中から前記非凝縮性ガスを分離する1以上の他の分離膜(64b)とを有し、前記1以上の他の分離膜によって分離された前記非凝縮性ガスを前記冷媒回路の外部に排出する分離膜装置(34、234)を備えた冷凍装置(1〜201、501〜701、1001、1501〜1701、2001、2101)。 - 前記他の分離膜(64b)は、前記第1分離膜(63b)によって前記非凝縮性ガスが濃縮されたガス冷媒中から前記非凝縮性ガスを選択的に透過させる第2分離膜(64b)を含んでいる、請求項5に記載の冷凍装置(1〜201、501〜701、1001、1501〜1701、2001、2101)。
- 圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)とを有する熱源ユニット(2〜202、502〜702、1002、1502〜1702、2002、2102)と、利用側熱交換器(51)を有する利用ユニット(5、2005)とが冷媒連絡配管(6、2006、7、2007)を介して接続されて、冷媒回路(10、2010、2110)を構成する冷凍装置であって、
前記熱源側熱交換器と前記利用側熱交換器とを接続する液側冷媒回路(11、2011、2111)に接続され、前記圧縮機を運転して前記冷媒回路内の冷媒を循環させて、前記熱源側熱交換器と前記利用側熱交換器との間を流れる冷媒中に含まれる前記冷媒連絡配管内に残留した非凝縮性ガスを濃縮する非多孔質膜からなる第1分離膜(63b)と、前記第1分離膜によって前記非凝縮性ガスが濃縮された冷媒中から前記非凝縮性ガスを分離する1以上の他の分離膜(64b)とを有し、前記1以上の他の分離膜によって分離された前記非凝縮性ガスを前記冷媒回路の外部に排出する分離膜装置(34、234)を備えた冷凍装置(1〜201、501〜701、1001、1501〜1701、2001、2101)。 - 前記他の分離膜(64b)は、多孔質膜からなる第2分離膜(64b)を含んでいる、請求項7に記載の冷凍装置(1〜201、501〜701、1001、1501〜1701、2001、2101)。
- 前記液側冷媒回路(11、2011、2111)は、前記熱源側熱交換器(23)と前記利用側熱交換器(51)との間を流れる冷媒を溜めることが可能なレシーバ(25)をさらに有しており、
前記分離膜装置(34、234)の第1分離膜(63b)には、前記レシーバ内において気液分離された非凝縮性ガスを含むガス冷媒が供給されている、
請求項5〜8のいずれかに記載の冷凍装置(1〜201、501〜701、1001、1501〜1701、2001、2101)。 - 前記第1分離膜(63b)は、前記第1分離膜を透過した冷媒が前記圧縮機(21)の吸入側に戻されるように前記冷媒回路(10、2010、2110)に接続されている、請求項5〜9のいずれかに記載の冷凍装置(1、201、501〜701、1001、1501〜1701、2001、2101)。
- 前記分離膜装置(234)は、前記第1分離膜(63b)と前記他の分離膜(64b)とが一体に構成されている、請求項5〜10のいずれかに記載の冷凍装置(201)。
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