JP2007138411A - バキューム式汚水排出装置および汚水排出方法 - Google Patents

バキューム式汚水排出装置および汚水排出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汚水配管が地震等により破損された場合に、汚水源の枡からの汚水を該破損箇所を迂回して汚水配管に排出する。
【解決手段】タンク11の上部にモータ駆動されるバキュームポンプ12を設け、タンクの下部にモータ駆動される水中汚水排出ポンプ14を設け、タンクの内部に連通する吸込ホース18、および前記汚水排出ポンプに連通する排出ホース19を、それぞれタンクに付設し、前記バキュームポンプによりタンク内を真空として吸込ホースを介して汚水を吸入し、タンク内に貯留した汚水を前記汚水排出ポンプにより排出ホースを介してタンク外に排出するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、汚水配水管が地震等により破損した場合、各家庭からの汚水の排出を可能としながら、汚水配管の交換や補修作業を行えるようにしたバキューム式汚水排出装置および汚水排出方法に関する。
公道の地下等に設置された汚水配管は、地震や地上の自動車の振動等により往々破損されることがあり、その場合、該汚水配管を新しいものと交換しなければならない。その交換作業を行う際、一時的に各家庭から排出される汚水を、下流側マンホールに切り回す必要がある。その切り回し時には、各家の宅内汚水枡(図1の枡4参照)が基点になるが、その枡が約200Φと小さく、市販の最小の汚水用ポンプが該枡内に入らない。
本発明は、上記の問題を克服するためになされたもので、そのために4つの工法について比較検討した。吸引機能、排出機能、費用、工期、音、におい、これらの総合評価を、×、△、○、◎の4段階で行った。
Figure 2007138411
その結果は、表に示されるようになり、バキューム式吸引タンク内汚水排水ポンプが最良であることを知見した。なお第3のチューブポンプによる連続吸引で、吸引機能が×であるのは、吸引、排出ともに力はあるが、処理量が不足であり、第4のバキューム車による排出で排出機能が×であるのは、定期的に処理場に排出に行く必要があるからである。
一方、バキュームを利用した下水収集システムが特許文献1に開示されている。この仮排水用真空式下水収集システムは、排水設備枡及びマンホールからの下水の流出を防止する止水手段と、前記排水設備枡及びマンホール内の下水の水位に応じて開閉する真空弁を介在させた下水吸引管と、真空発生手段と、収集した下水を一時的に貯留する集水タンクと、集水タンクに貯留した下水を真空ステーション外に排出する手段とを具えた移動可能な真空ステーションと、前記下水吸引管と前記真空ステーションとを連結する吸引主管とを有している。
特開平5−179690号公報
上記のような構成を有する下水収集システムは、比較的大径の吸引主管や、大型の真空タンクを配設、連結するのに大掛かりな工事、時間、熟練を要し、また構造が複雑な真空弁を介在した複数の下水吸引管を多数必要とする。
本発明は、上記のような問題点を解決し、汚水配管が破損した場合に技能者でなくても、比較的手軽にかつ迅速に汚水を汚水配管の下流側マンホールに排出できるようにしたバキューム式汚水排出装置および汚水排出方法を提供することを目的とする。
本発明のバキューム式汚水排出装置は、タンクの上部にモータ駆動されるバキュームポンプを設け、タンクの下部にモータ駆動される水中汚水排出ポンプを設け、タンクの内部に連通する吸込ホース、および前記汚水排出ポンプに連通する排出ホースを、それぞれタンクに付設し、前記バキュームポンプによりタンク内を真空として吸込ホースを介して汚水を吸入し、タンク内に貯留した汚水を前記汚水排出ポンプにより排出ホースを介してタンク外に排出するようにしている。
また、前記タンクに制御盤を付設し、該制御盤から水中電極を垂下し、該水中電極は下位水位および上位水位を検知してバキュームポンプの始動、停止を行わせるための1対の検知センサと該検知センサを間隔調整自在に支持する帯状体とで構成し、タンク内の下位水位および上位水位を検知して汚水排出ポンプの始動、停止を行わせるための1対のフロートを汚水排出ポンプに付設することが好ましい。
本発明のバキューム式汚水排出方法は、上記バキューム式汚水排出装置を、破損した汚水配管に連通する排水枝管と同数準備設置し、各バキューム式汚水排出装置の吸込ホースおよび水中電極を各排水枝管の枡に挿入し、各排水枝管を枡より下流側で止水し、バキューム式汚水排出装置の排出ホースを前記破損箇所より下流側マンホールにて汚水配管に開放するようにしている。このようにしてバキューム式汚水排出装置による汚水排出を行っている間に、破損した汚水配管の交換や修理作業等を行う。
本発明のバキューム式汚水排出装置は、次のような効果を奏することができる。
(1) 構造が簡単であり、その製造費が低廉である。
(2) 特に熟練者でなくても、設置作業を容易に行うことができる。
(3 汚水の切り回しの工事現場への設置が迅速に行えて、汚水配管の故障に素早く対応することができる。
(4) ポンプは必要時のみ運転可能であるので、ポンプやモータの消耗が少なく、また消費電力も浪費されない。
本発明のバキューム式汚水排出は、上記のような効果を有するバキューム式汚水排出装置を用いることにより、汚水排出作業を簡便、能率的に行うことができる。
本発明の1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。図1に示されるように、例えば各家庭からの汚水源1からの汚水は、汚水枝管2を介して汚水配管3に排出される。汚水枝管2の中間部には枡4が介装され、また汚水配管3には所定間隔をおいて上流側マンホール5、下流側マンホール6が設けられ、該間隔内において所定数(図示例では3本)の汚水枝管2が汚水配管3に連結されている。
本発明のバキューム式汚水排出装置10は、汚水配管3のA点が破損した場合に適用される。該バキューム式汚水排出装置10は、汚水を一時貯留するためのタンク11を有する。
タンク11の上部にタンク内を真空にするバキュームポンプ12、その駆動モータ13が付設されている。タンク11内の下部には、水中汚水排出ポンプl4、およびその駆動モータ15が配設され、その近傍に、高水位検知フロート16および下位水位検知フロート17が設けられており、該フロート16、17の検知により、モータ15の起動、停止が行われる。フロート16、17の検知作動をモータ15のスイッチに直接伝達するか、その検知作動に基づきモータの駆動制御回路によりモータ15の起動、停止を行うようにしてもよい。
汚水の吸込ホース18および排出ホース19がタンク11に付設されており、吸込ホース18はタンク11内に連通し、排出ホース19は水中汚水排出ポンプl4の吐出管20に連通している。吸込ホース18の吸込端部には、図4に示されるような切り欠き31を有する吸込金具30が設けられ、低水位での吸引力をアップさせるためエアーを強制的に混入させる、いわゆるエアーリフト併用とされる。
タンク11は、複数の車輪21を有する台車22に載置され機動性を高めることが好ましい。
前記駆動モータ13、15を制御するための制御盤23がタンク11に付設されている。制御盤23にはモータの起動停止用のボタン24、25が設けられている。また制御盤23には電力ケーブル26および可撓性条体の水中電極27が接続されている。
電力ケーブル26は、駆動モータ13、15への電力供給用であり、その一端は発電機等の適宜電源28に接続され、そこから電力の供給を受ける。
水中電極27は、枡4内の汚水水位を検知する低水位LWLの検知センサおよび高水位HWLの検知センサを有し、これらのセンサは制御盤23から垂下するステンレス線を樹脂被覆した電極帯等の可撓性条体28に間隔調整自在に固定支持されるとともに、耐水性に製造されている。該水中電極27により整流子モータを多用する駆動モータ13の運転を必要時のみ行って運転時間を極力減らし、ブラシのメンテナンス等を軽減することができる。
次に上記のように構成されたバキューム式汚水排出装置10による汚水排出について説明する。汚水配管3がA点で破損した場合、上流側マンホール5において汚水配管3を閉止し、上流側マンホール5よりも下流で汚水配管3に連結された汚水枝管2は、枡4の下流において止水プラグ32で止水する。
次いでバキューム式汚水排出装置10を各枡4の近傍に搬送設置し、その吸込ホース18および水中電極27の端部を各枡4内に挿入し、排出ホース19の端部を下流側マンホール6に導き、該マンホールにて汚水配管3に開放する。電力線26を電源28に接続する。
そこで制御盤23のスタートボタン24を押すことにより、バキューム式汚水排出装置10は作動可能状態となる。水中電極27の高水位検知センサが枡4内の高水位を検知すると、その検知信号に基づき、モータ13が始動し、該モータで駆動されるバキュームポンプ12が作動を開始し、タンク11内が真空とされ、枡4内の汚水は吸込ホース18を介してタンク11内に吸引される。吸引が進み枡4内が低水位となり、該水位を水中電極27の低水位検知センサが検知すると、その検知信号に基づき、モータ13が停止しバキュームポンプ12が停止する。
タンク11内に吸い込まれた汚水の水位が上昇して、高水位検知フロート16が上昇すると、モータ15が始動し、該モータで駆動される汚水排出ポンプ14が作動し、タンク11内の汚水は排出ホース19を介して下流側マンホール6において汚水配管3に排出される。タンク11内の水位が低下し、これを低水位検知フロート17が下降すると、モータ15が停止し、該モータで駆動される汚水排出ポンプ14が停止する。
本発明のバキューム式汚水排出装置の一実施形態を説明する平面図。 本発明のバキューム式汚水排出装置の一実施形態を示す一部破断側面図。 本発明のバキューム式汚水排出装置の使用形態を示す側面図。 本発明のバキューム式汚水排出装置に利用される吸込金具の拡大図。
符号の説明
2・・・排水枝管
3・・・汚水配管
4・・・枡
5、6・・・マンホール
11・・・タンク
12・・・バキュームポンプ
13、15・・・モータ
14・・・汚水排出ポンプ
16、17・・・フロート
18・・・吸込ホース
19・・・排出ホース
23・・・制御盤
27・・・水中電極

Claims (3)

  1. タンクの上部にモータ駆動されるバキュームポンプを設け、タンクの下部にモータ駆動される水中汚水排出ポンプを設け、タンクの内部に連通する吸込ホース、および前記汚水排出ポンプに連通する排出ホースを、それぞれタンクに付設し、前記バキュームポンプによりタンク内を真空として吸込ホースを介して汚水を吸入し、タンク内に貯留した汚水を前記汚水排出ポンプにより排出ホースを介してタンク外に排出するようにしたことを特徴とするバキューム式汚水排出装置。
  2. 前記タンクに制御盤を付設し、該制御盤から水中電極を垂下し、該水中電極は下位水位および上位水位を検知してバキュームポンプの始動、停止を行わせるための1対の検知センサと該検知センサを間隔調整自在に支持する帯状体とで構成し、タンク内の下位水位および上位水位を検知して汚水排出ポンプの始動、停止を行わせるための1対のフロートを汚水排出ポンプに付設していることを特徴とする請求項1のバキューム式汚水排出装置。
  3. 請求項1記載のバキューム式汚水排出装置を、破損した汚水配管に連通する排水枝管と同数準備設置し、各バキューム式汚水排出装置の吸込ホースおよび水中電極を各排水枝管の枡に挿入し、各排水枝管を枡より下流側で止水し、バキューム式汚水排出装置の排出ホースを前記破損箇所より下流側マンホールにて汚水配管に開放することを特徴とするバキューム式汚水排出方法。
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