JP2007137498A - 被浸漬部材用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】被浸漬部材を均一且つ確実に浸漬することができる被浸漬部材用容器を提供する。
【解決手段】神経再生誘導管2を生理食塩水中に浸漬するための被浸漬部材用容器1であって、生理食塩水を貯留するための液槽12と、液槽12の対向する壁15から外側へそれぞれ延出されて、神経再生誘導管2の中央部が液槽12内に浮遊するように神経再生誘導管2の両端部を支持する支持溝13と、液槽12及び各支持溝13のオーバーフローを、液槽12及び各支持溝13に相互流入可能に貯留するオーバーフロー貯留部14とを具備するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、被浸漬部材を浸漬させるための被浸漬部材用容器に関する。特に、該被浸漬部材用容器が被浸漬部材の梱包材を兼ねたものに関する。
疾患や事故等により、ヒトの神経、血管、腱、靱帯、又は器官等が損傷された場合の治療として、切断された部位を接続する外科縫合手術や移植等が用いられている。また、最近では、再生医療と称される治療が研究され、例えば、神経が損傷された箇所に人工器具を用いて神経細胞の足場を形成して、神経を再生させる治療法が提案されている。このような神経の再生治療における上記人工器具として、コラーゲンのような生体分解性材料又は生体吸収性材料からなる管状体や、該管状体の内部に生体分解性材料又は生体吸収性材料からなるスポンジ状のマトリックスを形成したものがある(特許文献1参照)。また、血管や腱等を再生するための足場として、同様の生体分解性材料又は生体吸収性材料からなる管状や短冊状の医療用部材が考えられている(特許文献2,3参照)。
特開2004−208808号公報 特開2004−188037号公報 国際公開第2005/070340号パンフレット
例えば、コラーゲン等の生体分解性材料又は生体吸収性材料からなる管状体は、その両端から損傷された神経端が管内部に挿入され、該管状体と神経とが生体用縫合糸で縫合されて、生体内における神経組織再生の足場とされる。上記管状体は、医療用部材として製造されて医療施設等に供給されるが、前述したように使用される前に、生理食塩水に所定時間浸漬されて膨潤状態にされる。
例えば、シャーレのような皿状の被浸漬部材用容器に上記管状体を載置し、生理食塩水を注入して、管状体を浸漬状態で所定時間放置することにより、該管状体を膨潤させることができるが、被浸漬部材用容器に生理食塩水を注入する際に、管状体が液表面に浮き上がったり、管状体の内空に気泡が残存することを防止するために、管状体をピンセット等で固定したり、振動させたりするなどの作業が必要であった。また、管状体を梱包材から被浸漬部材用容器に移し替える作業や、滅菌等された被浸漬部材用容器を準備する必要もある。さらに、管状体を梱包材から被浸漬部材用容器に移し替える際に床などに落下させたり、紛失するおそれもある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、被浸漬部材を均一且つ確実に浸漬することができる被浸漬部材用容器を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、被浸漬部材を梱包材から被浸漬部材用容器に移し替えることなく、所望の液中に浸漬させることができる手段を提供することにある。
(1)本発明は、長尺の被浸漬部材を液中に浸漬するための被浸漬部材用容器であって、液を貯留するための液槽と、上記液槽の対向する壁から外側へそれぞれ延出されて、上記被浸漬部材の中央部が該液槽内に浮遊するように該被浸漬部材の両端部を支持する支持溝と、上記液槽及び上記各支持溝からオーバーフローした液を、該液槽及び該各支持溝に相互流入可能に貯留するオーバーフロー貯留部と、を具備するものである。
本発明における「被浸漬部材」とは、使用前などの通常は乾燥した状態であるが、使用に際して液体に浸漬したときに、液体により膨潤し又は液体を吸収して、軟化、硬化、湿潤化又は重量増加などの物理的性質が変化する成形体をいう。浸漬部材として、例えば、ゲル乾燥物、架橋成形体、微細繊維を含む構造体、及びスポンジマトリックスなどを含む成形体が挙げられる。これら被浸漬部材は、長尺のものであれば特に限定されない。長尺の被浸漬部材は、例えば、神経再生誘導管、人工血管、人工靱帯、人工腱、ステント、医療用貼付材、薬物徐放マトリックス、及び吻合器具などの医療用器具又は医療用材料として用いることができる。
長尺の被浸漬部材は、その両端部が支持溝に嵌入されることにより、被浸漬部材用容器の所定位置に支持される。この状態で、被浸漬部材の中央部は、液槽内に浮遊した状態になる。換言すれば、被浸漬部材が液槽の対向する壁に架け渡された状態になる。液槽には、液が注入される。液槽に液が満たされると、支持溝と被浸漬部材との隙間から支持溝側へ液が進入する。さらに液が注入されて液槽からオーバーフローされると、オーバーフローされた液はオーバーフロー貯留部に貯留されるとともに、各支持溝へ流入する。これにより、液槽及び各支持溝が確実に液で満たされる。また、被浸漬部材に滲入した液量に応じて、オーバーフロー貯留部から液槽又は支持溝に液が流入する。
(2)上記各支持溝の延出端に、上記オーバーフロー貯留部から該支持溝の延出端側に流入する液を、該支持溝の液槽側へ誘導する案内面が形成されたものであってもよい。
液槽からオーバーフローされた液は、オーバーフロー貯留部を通じて各支持溝へ流入する。各支持溝の延出端側に流入した液は、案内面に誘導されて支持溝の液槽側へ流れる。これにより、各支持溝に支持された被浸漬部材の両端部の周囲には、液槽側及び延出端側からそれぞれ液が進入するので、該両端部を浸漬するに十分な液が迅速に供給される。
(3)上記各支持溝に、上記被浸漬部材を係止するための係止凸部が形成されたものであってもよい。
支持溝に嵌入された被浸漬部材は、係止凸部に係止されてオーバーフロー貯留部側へ移動することが規制される。これにより、液槽に液が注入される際に、表面張力や浮力等により、被浸漬部材が液の表面に浮遊することが防止される。
(4)上記被浸漬部材用容器が、上記被浸漬部材の梱包材を兼ねたものであってもよい。
被浸漬部材用容器の支持溝に被浸漬部材を嵌入させた状態で、該被浸漬部材用容器が被浸漬部材の梱包材となり、被浸漬部材が被浸漬部材用容器とともに箱等の外装包材に封入される。使用の際には、外装包材から被浸漬部材用容器を取り出して、該被浸漬部材用容器の液槽に液を注入することにより、被浸漬部材を液中に浸漬させることができる。これにより、梱包材から液を注入する被浸漬部材用容器に被浸漬部材を移し替える必要がなく、便利である。
(5)上記被浸漬部材用容器は、上記被浸漬部材を梱包して滅菌されるものが好適である。
(6)上記被浸漬部材が管状体である場合に、本発明は好適である。
(7)上記被浸漬部材が生体分解性材料又は生体吸収性材料からなる医療用部材である場合に、本発明は好適である。
(8)上記生体分解性材料又は生体吸収性材料は、コラーゲンにより好適に実現される。
本発明に係る被浸漬部材用容器によれば、長尺の被浸漬部材の両端部を支持溝により支持して、該被浸漬部材の中央部を液槽内に浮遊した状態とし、液槽からオーバーフローされた液を、オーバーフロー貯留部を通じて各支持溝へ流入させることとしたので、液槽及び各支持溝が確実に液で満たされるとともに、被浸漬部材に滲入した液量に応じて、オーバーフロー貯留部から液槽又は支持溝に液が流入される。これにより、被浸漬部材用容器内において、被浸漬部材を均一且つ確実に浸漬することができる。また、該被浸漬部材用容器が梱包材を兼ねるものとしたので、被浸漬部材を梱包材から被浸漬部材用容器に移し替えることなく、所望の液中に浸漬させることができる。これにより、被浸漬部材の使用の際の作業が簡易になり、また、被浸漬部材を落下させたり、紛失することが防止される。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。
図1は、本発明の実施形態に係る被浸漬部材用容器1の外観構成を示す斜視図である。図2は、被浸漬部材用容器1の平面図であり、図3は、被浸漬部材用容器1のIII−III断面図である。被浸漬部材用容器1は、被浸漬部材である神経再生誘導管2(図4,5参照)を生理食塩水に浸漬するための被浸漬部材用容器であるとともに、神経再生誘導管2の梱包材でもある。つまり、被浸漬部材用容器1は梱包材として兼用され、神経再生誘導管2とともに滅菌処理されるものである。滅菌処理は、γ線滅菌、EOG滅菌、蒸気圧滅菌、又は電子線滅菌等により行うことができるが、特に、γ線滅菌又は電子線滅菌が再生医療に用いられる神経再生誘導管2に好適である。
神経再生誘導管2は、損傷した神経端が挿入される管状体であり、挿入すべき神経の太さに応じて内径及び外径が設定される。これらは任意に設定しうるが、末梢神経や脊椎神経の再生に用いる場合は、通常、外径が約0.3〜20mm程度、内形が0.1〜10mm程度、肉厚が0.1〜5mm程度の範囲内で設定される。また、神経再生誘導管2の長さは任意に設定しうる。神経再生誘導管2は、生体分解性材料又は生体吸収性材料で形成されたものが好適である。生体分解性材料としては、例えば、コラーゲン、ゼラチンなどのタンパク質、ポリペプチド又はそれらの誘導体などが用いられる。生体吸収性材料としては、例えば、タンパク質、ポリペプチド又はそれらの誘導体、多糖類又はその誘導体、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、グリコール酸と乳酸の共重合体、乳酸とe−アミノカプロン酸の共重合体、ラクチド重合体などの脂肪酸ポリエステルなどが用いられる。これらのうち、コラーゲンが特に好適である。
コラーゲンを用いる場合の一態様として、コラーゲン繊維を円柱状の芯材に巻き取ることによりコイル状に集束させ、該芯材を抜き取ることによりコラーゲン繊維からなる管状体として神経再生誘導管2を得ることができる。また、必要であれば、管状体の内空にコラーゲンのスポンジ状マトリックスを形成してもよい。なお、神経再生誘導管2は、本発明に係る医療用の被浸漬部材の一例であり、本発明に係る被浸漬部材用容器が本実施形態に係る神経再生誘導管2のための使用に限定されないことは当然である。
被浸漬部材用容器1は、合成樹脂製の薄肉平板が所定の形状に成形されてなる成形体であり、ブリスター包装や、箱状の外装材に封入される内包材などの梱包材として用いられるが、本発明に係る被浸漬部材用容器の素材や梱包材としての用途は、これらに限定されない。被浸漬部材用容器1は、ベース板10から直方体形状の収容部11が膨出するように形成されている。収容部11内には、液槽12、支持溝13、オーバーフロー貯留部14が形成されている。液槽12、支持溝13及びオーバーフロー貯留部14は、収容部11の上面に凹設された一体の空間であり、該空間内に所望の液を貯留することが可能である。
図1から図3に示すように、液槽12は、収容部11の上面の略中央の所定領域が凹陥されることにより形成され、所定容量の液を貯留可能に略直方体形状の空間を有する。液槽12の幅(図2の左右方向)は、被浸漬部材用容器1に梱包される神経再生誘導管2の軸方向長さより短くなるように設定されている。液槽12の深さ(図2の紙面垂直方向)は、神経再生誘導管2の外径より十分に深い。液槽12の深さは、収容部11の高さ範囲内で、神経再生誘導管2の外径より十分に深くなるように任意に設定しうるが、図3に示すように、液槽12の底面とベース板10とを上下方向に所定の隙間を隔て、被浸漬部材用容器1の裏面側であって液槽12の下側に所定の空間を形成することにより、該空間を脱酸素剤や除湿剤を封入するためのスペースとして利用することができる。液槽12の奥行き(図2の上下方向)は、神経再生誘導管2の外径より十分に大きく、ピンセット等の把持具を液槽12内に挿入して、梱包状態の神経再生誘導管2を容易に把持できるようになっている。
液槽12の側壁のうち幅方向に隔てて対向する壁15の上端側の略中央から、幅方向外側へ向かって略水平に、支持溝13がそれぞれ延出されている。支持溝13は、溝幅(図2の上下方向)が神経再生誘導管2の外径より若干広く、溝深さ(図2の紙面垂直方向)が神経再生誘導管2の外径より若干深い凹溝である。また、支持溝13は、その延出方向(図2の左右方向)の全域が収容部11の上面に開口されている。各支持溝13は、液槽12を隔てて直線上に配置されており、一対の支持溝13と液槽12とにより収容部11の幅方向に形成される空間は、神経再生誘導管2の軸方向長さより十分に長い。この一対の支持溝13に、神経再生誘導管2の両端部が嵌入されることにより、図4及び図5に示すように、神経再生誘導管2が液槽12及び支持溝13により形成される空間内に収容される。この状態が、本明細書において梱包状態と称される。
各支持溝13の延出端には、液槽12側へ向かって深さが深くなるように傾斜した案内面16が形成されている。また、各支持溝13の溝幅は、傾斜面16の液槽12側から延出端へ向かって緩やかに拡幅されている。これにより、各支持溝13の延出端側へ液が流入しやすく、且つ、流入した液が案内面16に誘導されて液槽12側へ流れ込むようになっている。なお、一対の案内面16間の距離は、収容すべき神経再生誘導管2の軸方向長さより長く、液槽12及び支持溝13により形成される空間内に収容された神経再生誘導管2の両端が、案内面16に乗り上げることはない。
各支持溝13の液槽12側の上端部には、各支持溝13の溝幅を狭める方向に突出する一対の係止凸部17がそれぞれ形成されている。図5に示すように、係止凸部17と支持溝13の底面とは、神経再生誘導管2の外径以上に隔てられているので、係止凸部17と支持溝13の底面との間に、神経再生誘導管2を介在させることが可能である。また、図4に示すように、一対の係止凸部17により狭められた溝幅は、神経再生誘導管2の外径より狭いので、係止凸部17と支持溝13の底面との間に介在された神経再生誘導管2は、係止凸部17に係止されて上側(オーバーフロー貯留部14側)へ移動することが規制される。
液槽12及び各支持溝13の上側には、オーバーフロー貯留部14が形成されている。オーバーフロー貯留部14は、平面視において液槽12及び各支持溝13を含む矩形領域として形成された直方体形状の空間である。つまり、液槽12の上端及び各支持溝13の上端と収容部11の上面とは上下方向の段差があり、該段差分の深さのオーバーフロー貯留部14が、液槽12及び各支持溝13の上側、並びに液槽12と各支持溝13との間を覆う一つの空間として形成されている。このオーバーフロー貯留部14を通じて、液槽12が液を貯留する空間と、各支持溝13が神経再生誘導管2を収容する空間とが、液を相互流入可能に連通されている。
前述したように、被浸漬部材用容器1は、神経再生誘導管2の梱包材として使用される。図4及び図5に示すように、神経再生誘導管2が液槽12及び支持溝13により形成される空間内に収容されて梱包状態となる。神経再生誘導管2を収容した被浸漬部材用容器1は、外箱内や外袋内において神経再生誘導管2を保持する内包材として用いられ、γ線滅菌等の公知の滅菌処理が施される。
神経再生誘導管2を使用する際には、外箱又は外袋が開封され、神経再生誘導管2とともに被浸漬部材用容器1が取り出される。神経再生誘導管2は、生体内において損傷された神経と縫合される前に、生理食塩水に所定時間浸漬されて膨潤状態にされる。この生理食塩水は、本発明に係る液である。なお、本発明に係る液は、被浸漬部材の種類により適宜変更されるものであり、生理食塩水に限定されないことは当然である。
図4及び図5に示すように、梱包状態の神経再生誘導管2は、液槽12及び各支持溝13により形成された空間内に収容されている。神経再生誘導管2の両端部は、各支持溝13により液槽12の深さに対して所定位置に支持されている。これにより、神経再生誘導管2の中央部が液槽12に浮遊した状態になっている。
使用に際して、外箱又は外袋から神経再生誘導管2とともに取り出された被浸漬部材用容器1の液槽12に、生理食塩水が注入される。生理食塩水の注入は、例えばシリンジを用いて行われる。なお、生理食塩水の注入は、必ずしも液槽12に行う必要はなく、支持溝13やオーバーフロー貯留部14に対して行ってもよい。
液槽12に生理食塩水が徐々に満たされると、各支持溝13に支持された神経再生誘導管2が生理食塩水内に埋没される。神経再生誘導管2の中央部は、液槽12に浮遊した状態なので、該中央部は、十分な量の生理食塩水が周囲に存在する環境となり、迅速且つ確実に生理食塩水が滲入される。神経再生誘導管2を埋没するように生理食塩水が注入される際に、液槽12に貯留された生理食塩水の表面張力や浮力などにより、神経再生誘導管2が生理食塩水の表面に浮遊して支持溝13から上側へ離脱しようとすることがあるが、支持溝13に収容された神経再生誘導管2は、各係止凸部17により上側へ移動することが規制されているので、液槽12に注入される生理食塩水の表面の上昇に伴って、神経再生誘導管2が表面に浮き上がることが防止される。
液槽12の上端付近まで生理食塩水が満たされると、液槽12から支持溝13へ生理食塩水が進入する。この状態における液槽12から支持溝13への生理食塩水の進入経路は、支持溝13と神経再生誘導管2との隙間である。この隙間は、支持溝13の溝幅と神経再生誘導管2の外径との関係で定まるが、神経再生誘導管2に生理食塩水が滲入して膨潤すると該隙間が狭くなることもあり、必ずしも迅速且つ確実な生理食塩水の流路にはならない。
液槽12が生理食塩水で完全に満たされてから、さらに生理食塩水が液槽12に注入されると、液槽12から生理食塩水が溢れ出るようにオーバーフローする。液槽12からオーバーフローした生理食塩水は、オーバーフロー貯留部14に貯留されるとともに、図4に示すように、オーバーフロー貯留部14を通じて各支持溝13へ流入する。これにより、支持溝13と神経再生誘導管2との隙間が狭く、該隙間による液槽12から支持溝13への流路が十分に確保されない場合でも、液槽12及び各支持溝13を迅速且つ確実に生理食塩水で満たすことができる。これにより、神経再生誘導管2の両端部の周囲に生理食塩水を存在させて、該両端部に迅速且つ確実に生理食塩水が滲入される。
液槽12からオーバーフロー貯留部14を通じて各支持溝13の延出端側に流入する生理食塩水は、図5に示すように、支持溝13内に流れ込んで案内面16に当接する。そして、案内面16の傾斜に沿って誘導され、支持溝13内を延出端側から液槽12側へ流れ込む。神経再生誘導管2の両端は、支持溝13の延出端へ向いて開口されているので、支持溝13内を液槽12側へ流れる生理食塩水は、該開口から神経再生誘導管2の内空へ進入する。これにより、神経再生誘導管2の内空にも確実に生理食塩水を流入させることができ、神経再生誘導管2の内空側からも生理食塩水が滲入される。
液槽12、各支持溝13及びオーバーフロー貯留部14が生理食塩水で満たされると、神経再生誘導管2に生理食塩水を滲入させて膨潤させるために所定時間放置される。その間に、例えば、神経再生誘導管2の両端部に生理食塩水が滲入して、支持溝13の延出端側の生理食塩水量が減れば、図4に示すように、オーバーフロー貯留部14を通じて新たな生理食塩水が支持溝13へ流入する。このように、液槽12及び各支持溝13は、オーバーフロー貯留部14を通じて生理食塩水が相互に流入可能なので、常に液槽12及び各支持溝13が生理食塩水で満たされた状態に保持される。
このように、被浸漬部材用容器1によれば、神経再生誘導管2の両端部を各支持溝13により支持して、神経再生誘導管2の中央部を液槽12内に浮遊した状態とし、液槽12からオーバーフローされた生理食塩水を、オーバーフロー貯留部14を通じて各支持溝13へ流入させることとしたので、液槽12及び各支持溝13が迅速且つ確実に生理食塩水で満たされるとともに、神経再生誘導管2に滲入した液量に応じて、オーバーフロー貯留部14から液槽12又は支持溝13に生理食塩水が流入される。これにより、被浸漬部材用容器1内において、神経再生誘導管2を生理食塩水に均一且つ確実に浸漬することができる。また、被浸漬部材用容器1が神経再生誘導管2の梱包材を兼ねているので、開封後に神経再生誘導管2を梱包材から被浸漬部材用容器1に移し替えることなく、生理食塩水に浸漬させる作業を行うことができる。これにより、神経再生誘導管2を使用する際の作業が簡便になり、また、移し替えにより神経再生誘導管2を落下させたり、紛失することが防止される。
図1は、本発明の実施形態に係る被浸漬部材用容器1の外観構成を示す斜視図である。 図2は、被浸漬部材用容器1の平面図である。 図3は、被浸漬部材用容器1のIII−III断面図である。 図4は、神経再生誘導管2を収容した被浸漬部材用容器1に注入された生理食塩水の流れを示す平面図である。 図5は、神経再生誘導管2を収容した被浸漬部材用容器1に注入された生理食塩水の流れを示す断面図である。
符号の説明
1・・・被浸漬部材用容器(梱包材)
2・・・神経再生誘導管(被浸漬部材)
12・・・液槽
13・・・支持溝
14・・・オーバーフロー貯留部
15・・・壁
16・・・案内面
17・・・係止凸部

Claims (8)

  1. 長尺の被浸漬部材を液中に浸漬するための被浸漬部材用容器であって、
    液を貯留するための液槽と、
    上記液槽の対向する壁から外側へそれぞれ延出されて、上記被浸漬部材の中央部が該液槽内に浮遊するように該被浸漬部材の両端部を支持する支持溝と、
    上記液槽及び上記各支持溝からオーバーフローした液を、該液槽及び該各支持溝に相互流入可能に貯留するオーバーフロー貯留部と、を具備するものである被浸漬部材用容器。
  2. 上記各支持溝の延出端に、上記オーバーフロー貯留部から該支持溝の延出端側に流入する液を、該支持溝の液槽側へ誘導する案内面が形成されたものである請求項1に記載の被浸漬部材用容器。
  3. 上記各支持溝に、上記被浸漬部材を係止するための係止凸部が形成されたものである請求項1又は2に記載の被浸漬部材用容器。
  4. 上記被浸漬部材の梱包材を兼ねたものである請求項1から3のいずれかに記載の被浸漬部材用容器。
  5. 上記被浸漬部材を梱包して滅菌されるものである請求項4に記載の被浸漬部材用容器。
  6. 上記被浸漬部材が、管状体である請求項1から5のいずれかに記載の被浸漬部材用容器。
  7. 上記被浸漬部材が、生体分解性材料又は生体吸収性材料からなる医療用部材である請求項1から6のいずれかに記載の被浸漬部材用容器。
  8. 上記生体分解性材料又は生体吸収性材料がコラーゲンである請求項7に記載の被浸漬部材用容器。
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