JP2007137010A - 搬送装置の製作方法 - Google Patents

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博志 松本
Yasuharu Odachi
泰治 大立
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秀一 伊藤
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信行 松尾
Mikiya Takayama
幹也 高山
Manabu Honda
学 本田
Motoo Makino
基生 槙野
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Abstract

【課題】 実製作工程よりも前段の前工程の大部分を省略することによって手待ち時間を大幅に短縮し、製作効率をよくして、成形品生産立ち上げの遅延を回避することができる搬送装置の製作方法を提供する。
【解決手段】 三次元仕様データに基づいて成形品8の設計が完了すると(図8のステップS1)、疑似コアとしての機能を有する搬送装置(インサートヘッド)1を製作する(図8のステップS2)。これにより、従来は必要であった前工程の大部分を省略することによって手待ち時間を大幅に短縮し、製作効率をよくして、成形品生産立ち上げの遅延を回避することができる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、搬送装置の製作方法に係り、詳しくは、樹脂成形機によって成形された成形品に鋳包まれている鋳包み物を金型に搬送する搬送装置としての機能を有するインサートヘッド、あるいは、成形品を金型から機外に搬送する搬送装置としての機能を有する取出しヘッドの製作方法に関するものである。
従来、樹脂成形機によって成形された成形品に鋳包まれている鋳包み物を金型に搬送する搬送装置としての機能を有するインサートヘッドが提供され(たとえば、特許文献1)、成形品を金型から機外に搬送する搬送装置としての機能を有する取出しヘッドが提供されている(たとえば、特許文献2)。
前記特許文献1に記載の搬送装置(インサートヘッド)は、ラベルなどの鋳包み物(インサート物)が外周に巻き付けられるカップ状のもので、その体内中空部を大気に連通させる複数の吸気・排気通路が周壁に形成され、前記中空部が真空ポンプやブロアーなどの吸・排気手段に接続されている。したがって、ラベルなどのインサート物を外周に巻き付けたのち、吸気手段の吸気によりインサート物を吸着保持して型開している固定金型まで搬送し、ここで固定金型の成形凹部に挿入して排気手段の排気によりインサート物を固定金型の成形凹部内面に送り出すように作動する。
また、前記特許文献2に記載の搬送装置(取出しヘッド)は、筒状成形品の胴部が挿入される中空部を有した円筒状の保持部と、該保持部の底部にてチャック板に形成された孔を挿通して負圧発生源に接続される取付け部とから構成された筒状のものである。したがって、型開した可動金型に保持されている筒状成形品の胴部を保持部の中空部に挿入した状態で、負圧発生源により負圧を作用させて、成形品の胴部の先端が前記中空部内の底面に押し当たるまで吸引して型外に搬送する。
特許第2797043号公報 特開2004−122688号公報
ところで、前記特許文献1および2に記載の搬送装置は、図11に示す製作工程における前工程終了後に製作される。この前工程は、三次元仕様データに基づいて成形品の設計を行い(ステップS1)、設計された成形品の三次元設計データに基づいて金型の設計を行う(ステップS2)。つぎに、金型の三次元設計データに基づいて金型の製作を開始し(ステップS3)、長時間経過後に金型の製作を完了する(ステップS4)。そして、製作された金型を射出成形機に取付けて成形テストを行い、様々な実調整を行って(ステップS5)、成形品を成形する(ステップS6)6工程からなる。
特許文献1に記載の搬送装置では、前記ステップS1〜ステップS6で説明した前工程によって成形品が成形されると、この成形品の三次元実測データに基づいて、ラベルの鋳包み空間と、この鋳包み空間に空気圧をおよぼしてラベルを着脱させる空気吸排通路とを備えた搬送装置(インサートヘッド)としての機能を有する疑似コアを製作し(ステップS7)、この疑似コアを成形機に備わっている成形品取出機に装着することで(ステップS8)、成形品の成形生産ラインに装備させる(ステップS9)。
一方、特許文献2に記載の搬送装置では、前記図11のステップS1〜ステップS6で説明した前工程によって成形品が成形されると、この成形品の三次元実測データに基づいて、筒状成形品の胴部が挿入される中空部(吸込室)を有した円筒状の保持部と、該保持部の底部にてチャック板に形成された孔を挿通して負圧発生源に接続される取付け部とから構成された筒状の治具、つまり、搬送装置(取出しヘッド)としての機能を有する筒状の治具を製作し(ステップS7)、この治具を成形機に備わっている成形品取出機に装着することで(ステップS8)、成形品の成形生産ラインに装備させる(ステップS9)。
前述のように、従来の搬送装置の製作方法では、図11のステップS1〜ステップS6で説明した多くの工程からなる前工程によって成形品が成形されたのちに、この成形品の三次元実測データに基づいて搬送装置としての機能を有する疑似コアまたは筒状の治具が製作されるので、前工程の開始から終了までの長時間にわたる手待ちを必要とするため、製作効率が悪く成形品の生産立ち上げを遅延させる要因になっている。
本発明は、このような問題を解決するものであって、その目的とするところは、前工程の大部分を省略することによって手待ち時間を大幅に短縮し、製作効率をよくして、成形品生産立ち上げの遅延を回避することができる搬送装置の製作方法を提供するものである。
本発明は、成形品に鋳包まれる鋳包み物を搬送する搬送装置の製作方法であって、搬送装置は、前記成形品の三次元設計データに基づいて製作されることを特徴とするものである。
これによれば、成形品の三次元設計データに基づいて搬送装置を製作できるので、従来は必要であった前工程における金型の設計、金型の製作、成形テストおよび成形品の成形などを省略して、前工程を三次元仕様データに基づく成形品の設計の1工程のみに削減することができる。
また、本発明は、成形品に鋳包まれる鋳包み物を搬送する搬送装置の製作方法であって、搬送装置は、前記成形品を成形する金型の三次元設計データまたは金型の三次元実測データに基づいて製作されることを特徴とするものである。
これによれば、金型の三次元設計データまたは三次元実測データに基づいて搬送装置を製作できるので、成形品の三次元仕様データに基づいて金型の設計・製作を行うことで、従来は必要であった前工程における三次元仕様データに基づく成形品の設計、成形テストおよび成形品の成形などの工程を省略して、前工程を金型の設計の1工程または金型の設計と金型の製作の2工程のみに削減することができる。
さらに、本発明は、成形品を吸い込んで搬送する搬送装置の製作方法であって、搬送装置は、前記成形品の三次元設計データに基づいて製作されることを特徴とするものである。
これによれば、成形品の三次元設計データに基づいて搬送装置を製作できるので、従来は必要であった前工程における金型の設計、金型の製作、成形テストおよび成形品の成形などの工程を省略して、前工程を三次元仕様データに基づく成形品の設計の1工程のみに削減することができる。
また、本発明は、成形品を吸い込んで搬送する搬送装置の製作方法であって、搬送装置は、前記成形品を成形する金型の三次元設計データまたは金型の三次元実測データに基づいて製作されることを特徴とするものである。
これによれば、金型の三次元設計データまたは三次元実測データに基づいて搬送装置を製作できるので、成形品の三次元仕様データに基づいて金型の設計・製作を行うことで、従来は必要であった前工程における三次元仕様データに基づく成形品の設計、成形テストおよび成形品の成形などの工程を省略して、前工程を金型の設計の1工程または金型の設計と金型の製作の2工程のみに削減することができる。
さらに、本発明は、搬送装置を強化樹脂を素材とする光造型あるいは粉末造型などの造型法によって製作することが望ましい。これによると、相当に複雑な形状の搬送装置であっても、高剛性かつ軽量化を図って容易に製作することができる。
また、本発明の搬送装置は、鋳包み物を金型に供給するインサートヘッドまたは成形品を金型から取り出す取出しヘッドであることが望ましい。これによると、ラベルなどの鋳包み物を外周に巻き付けて金型に供給する疑似コアとしての機能を発揮できるとともに、型開した可動金型に保持されている筒状成形品を吸引保持して型外に搬送する治具吸着機能を発揮することができる。
本発明によれば、成形品の三次元設計データまたは金型の三次元設計データもしくは金型の三次元実測データに基づいて、成形品に鋳包まれる鋳包み物を搬送する搬送装置あるいは成形品を吸い込んで搬送する搬送装置を製作できるので、前工程の大部分を省略することによって手待ち時間を大幅に短縮し、製作効率をよくして、成形品生産立ち上げの遅延を回避することができる。
図1は本発明によって製作される搬送装置の一実施形態を示す縦断面図である。この図において、搬送装置1は、鋳包み物取付け用の筒状の胴部2と、この筒状胴部2の外側に空気圧をおよぼして後述する鋳包み物を胴部2に着脱させる複数の空気吸排通路3とを備えたカップ状のもので、その一端開口部は閉塞板4によって気密に塞がれており、該閉塞板4に設けられて中空部5に臨む透孔4aは、配管6を介して図示されていない吸排気手段に接続され、閉塞板4には作動アーム7の先端部が取付けられている。
搬送装置1は、図2に示す樹脂成形品(以下の説明では成形品という)8の外周部に鋳包まれるラベルなどの鋳包み物9を後述する金型(固定金型)に搬送して、該固定金型に渡す仕事を行う。すなわち、図1示すように、胴部2の外周に鋳包み物9を巻き付けて保持し、図3のように固定金型10の凹部10aに対向させる。胴部2の外周に鋳包み物9を巻き付けて保持する状態は、前記の吸排気手段の作動によって中空部5を負圧化することによって得られる。
つぎに、作動アーム7の作動によって、図4に示すように、搬送装置1の胴部2を固定金型10の凹部10aに挿入する。固定金型10には、凹部10aに臨む複数の空気吸排通路10bが設けられており、これら空気吸排通路10bはマニホールド11と配管12を介して図示されていない吸排気手段に接続されている。したがって、胴部2を固定金型10の凹部10aに挿入した直後に、中空部5を正圧化するとともに、複数の空気吸排通路10bを負圧化することによって鋳包み物9は固定金型10の凹部10aの内面で受け取られる。
鋳包み物9が固定金型10の凹部10aの内面で受け取られると、作動アーム7の作動によって搬送装置1の胴部2を固定金型10の凹部10aから引き抜く。これにより、図5に示すように、鋳包み物9が固定金型10の凹部10aの内面に吸着保持される。つぎに、図6に示すように、可動金型13のコア13aを固定金型10の凹部10aに挿入して型閉めすることで、キャビティ14を形成する。その後、図7に示すように、キャビティ14に溶融樹脂15を射出して、これを冷却固化した後、可動金型13のコア13aを固定金型10の凹部10aから退避させて型開し、かつ、図示されていない突き出しピンの動作によって冷却固化した樹脂15を押し出すことで、図2に示す成形品8が図7の可動金型13のコア13aに外嵌した状態で固定金型10から引き離され、コア13aに外嵌している成形品8は成形品取出機(図示省略)によって成形機外に取り出される。
図2に示す成形品8は、その軸線Cに直交する断面形状が正円形のテーパカップ状であり、鋳包み物9は、その表面が成形品8の表面に面一に鋳包まれている。そして、成形品8の大径側の外径がD1,小径側の外径がD2,中空部8aの大径側の内径がD3,中空部8aの小径側の内径がD4,成形品8の全長がL1,中空部8aの奥行きがL2,鋳包み物9の長さがL3である三次元データを備えている。当然、成形品8の三次元データは、成形品8の三次元仕様データに基づいてなされる設計完了段階(図11のステップS1に相当する)において成形品8の三次元設計データとして確定し把握できるとともに、成形品8の三次元設計データに基づいてなされる固定金型10の設計完了段階(図11のステップS2に相当する)においても確定し把握できる。
前述のように、成形品8の三次元データが成形品8の設計完了段階で確定し把握されていると、この三次元設計データに基づいて図1に示す搬送装置1における鋳包み物取付用の胴部2の三次元データを割り出して確定することができる。すなわち、図1の胴部2の大径側の外径D7を成形品8の大径側の外径D1(図2参照)よりも略鋳包み物9の肉厚t相当分小さく設定し、胴部2の小径側の外径D8(図1参照)を成形品8の小径側の外径D2(図2参照)よりも略鋳包み物9の肉厚t(図1参照)相当分小さく設定し、胴部2の全長L4(図1参照)を成形品8の全長L1(図2参照)と略等しく設定するとともに、中空部5の大径側の内径D9(図1参照)を成形品8における中空部8aの大径側の内径D3 (図2参照)よりも若干小さく設定し、中空部5の小径側の内径D10(図1参照)を成形品8における中空部8aの小径側の内径D4よりも若干小さく設定し、さらに、鋳包み物9が占める長さの領域L3(図2参照)に相当する胴部2の長さの領域L5内に複数の空気吸排通路3を設ければよいことが判る。
したがって、本発明は、三次元仕様データに基づいて成形品8の設計が完了すると(図8のステップS1)、成形品8の三次元設計データに基づいて疑似コアとしての機能を有する搬送装置(インサートヘッド)1を製作し(図8のステップS2)、この搬送装置1を成形機に備わっている成形品取出機に装着することで(図8のステップS3)、成形品の成形生産ラインに装備させることができる(図8のステップS4)。すなわち、搬送装置1は、成形品8の三次元設計データに基づいて製作することができるので、従来は必要であった前工程の大部分を省略することによって手待ち時間を大幅に短縮し、製作効率をよくして、成形品生産立ち上げの遅延を回避することができる。
また、前述のように、成形品8の三次元データが成形品8の三次元設計データに基づいてなされる固定金型10の設計完了段階(図11のステップS2に相当する)で確定し把握されていると、固定金型10の三次元設計データに基づいて図1に示す搬送装置1における鋳包み物取付用の胴部2の三次元データを割り出して確定することもできる。すなわち、胴部2の大径側の外径D7(図1参照)を固定金型10における凹部10aの大径側の内径D11(図3参照)よりも略鋳包み物9の肉厚t(図2参照)相当分小さく設定し、胴部2の小径側の外径D8(図1参照)を固定金型10における凹部10aの小径側の内径D12(図3参照)よりも略鋳包み物9の肉厚t(図2参照)相当分小さく設定し、胴部2の全長L4(図1参照)を固定金型10における凹部10aの奥行きL6(図3参照)よりも少し短く設定すればよいことが判る。
したがって、本発明は、固定金型10の設計が完了すると(図8のステップS5)、固定金型10の三次元設計データに基づいて疑似コアとしての機能を有する搬送装置(インサートヘッド)1を製作し(図8のステップS2)、この搬送装置1を成形機に備わっている成形品取出機に装着することで(図8のステップS3)、成形品の成形生産ラインに装備させることができる(図8のステップS4)。すなわち、搬送装置1は、固定金型10の三次元設計データに基づいて製作することができるので、従来は必要であった前工程の大部分を省略することによって手待ち時間を大幅に短縮し、製作効率をよくして、成形品生産立ち上げの遅延を回避することができる。
図9は本発明によって製作される搬送装置の他の実施形態を示す正面図、図10は図9のA−A線断面図である。これらの図において、搬送装置1は、中心部に吸込室16を貫通して設けた角盤状のもので、その背部にはネット状のスクリーン17を介して吸込室16に連通する中空部18aを備えたカップ状の胴部18が装着されており、中空部18aに臨む透孔18bは、配管19を介して図示されていない吸排気手段に接続されている。また、カップ状の胴部18には、成形品取出機(図示省略)の作動アーム20の先端部が取付けられている。
搬送装置1は、たとえば、注射器のシリンジや図10に示す円筒形の小物ギアなどの成形品8、つまり、長手方向の貫通部を備えて、吸盤状の取出しヘッドでは吸着および差圧による吸着の検知が困難な成形品8を、突き出しピンの突き出し動作と共同して吸引によって可動金型(図示省略)から取出して型外に搬送する吸着ならびに治具的機能を発揮するものである。すなわち、型開した可動金型に保持されている円筒形の小物ギアなどの成形品8に搬送装置1の吸込室16を対向させ、ついで、作動アーム20の作動によって搬送装置1を前進させて、吸込室16に成形品8を挿入し、この状態で図示されていない吸排気手段を作動させて吸込室16に空気を吸い込むと、この吸い込まれる空気流に同伴して成形品8を吸込室16に吸い込んでネット状のスクリーン17により捕捉して吸込室16内に保持することができる。成形品8を吸込室16内に吸い込んで保持した後に、成形品取出機によって搬送装置1を成形機外に移動させ、ここで図示されていない吸排気手段を作動させて吸込室16に空気を送り出すことで、送り出される空気流に同伴して成形品8を吸込室16から排出して回収することができる。
図10に示す円筒形の小物ギアなどの成形品8の三次元データは、該成形品8の三次元仕様データに基づいてなされる設計完了段階(図11のステップS1に相当する)において、成形品8の三次元設計データとして確定し把握できるとともに、この三次元設計データに基づいてなされる固定金型(図示せず)の設計完了段階(図11のステップS2に相当する)においても確定し把握できる。
前述のように、円筒形の小物ギアなどの成形品8の三次元データが設計完了段階で確定し把握されていると、この三次元設計データに基づいて図10に示す搬送装置1の吸込室16の三次元データを割り出して確定することができる。すなわち、吸込室16は、円筒形の小物ギアなどの成形品8を吸い込んで保持することが可能な大きさであればよいことが判る。
したがって、本発明は、三次元仕様データに基づいて円筒形の小物ギアなどの成形品8の設計が完了すると(図8のステップS1)、吸着ならびに治具的機能を有する搬送装置(取出しヘッド)1を製作し(図8のステップS2)、この搬送装置1を成形機に備わっている成形品取出機に装着することで(図8のステップS3)、成形品の成形生産ラインに装備させる(図8のステップS4)ことができる。すなわち、搬送装置1は、円筒形の小物ギアなどの成形品8の三次元設計データに基づいて製作することができるので、従来は必要であった前工程の大部分を省略することによって手待ち時間を大幅に短縮し、製作効率をよくして、成形品生産立ち上げの遅延を回避することができる。
また、前述のように、円筒形の小物ギアなどの成形品8の三次元データが該成形品8の三次元設計データに基づいてなされる固定金型(図示せず)の設計完了段階(図11のステップS2に相当する)で確定し把握されていると、図示されていない固定金型の三次元設計データに基づいて図10に示す搬送装置1の吸込室16の三次元データを割り出して確定することもできる。すなわち、固定金型の三次元設計データに基づいて確定し把握できる円筒形の小物ギアなどの成形品8を吸い込んで保持することが可能な大きさの吸込室16を形成すればよいことが判る。
したがって、本発明は、図示されていない固定金型の設計が完了すると(図8のステップS5)、吸着ならびに治具的機能を有する搬送装置(取出しヘッド)1を製作し(図8のステップS2)、この搬送装置1を成形機に備わっている成形品取出機に装着することで(図8のステップS3)、成形品の成形生産ラインに装備させる(図8のステップS4)ことができる。すなわち、搬送装置1は、図示されていない固定金型の三次元設計データに基づいて製作することができるので、従来は必要であった前工程の大部分を省略することによって手待ち時間を大幅に短縮し、製作効率をよくして、成形品生産立ち上げの遅延を回避することができる。
なお、前記実施形態で説明した固定金型10の三次元設計データに基づいて搬送装置1を製作する方法に代えて固定金型10の三次元実測データに基づいて搬送装置1を製作してもよい。また、前記実施形態で説明した図示されていない固定金型の三次元設計データに基づいて搬送装置1を製作する方法に代えて、図示されていない固定金型の三次元実測データに基づいて搬送装置1を製作してもよい。
また、本発明の搬送装置1は、強化樹脂を素材とする光造型あるいは粉末造型などの造型法によって製作すれば、相当に複雑な形状の搬送装置1であっても、高剛性かつ軽量化を図って容易に製作することができ、軽量化によって搬送装置1の搬送速度が高められるから、搬送能率の向上に寄与することができる。
本発明によって製作される搬送装置の一実施形態を示す縦断面図である。 本発明によって製作した搬送装置により搬送された鋳包み物を鋳包んだ成形品の一実施形態を示す縦断面図である。 本発明によって製作した搬送装置と固定金型との対向状態を示す縦断面図である。 本発明によって製作した搬送装置が固定金型に進入した状態を示す縦断面図である。 本発明によって製作した搬送装置が固定金型から退避した状態を示す縦断面図である。 固定金型と可動金型の型閉状態を示す縦断面図である。 キャビティに溶融樹脂が射出された状態を示す縦断面図である。 本発明に係る搬送装置の製作工程図である。 本発明によって製作される搬送装置の他の実施形態を示す縦断面図である。 図9のA−A線断面図である。 従来の搬送装置の製作工程図である。
符号の説明
1 搬送装置
8 成形品
9 鋳包み物
10 固定金型(金型)
13 可動金型(金型)

Claims (6)

  1. 成形品に鋳包まれる鋳包み物を搬送する搬送装置の製作方法であって、
    搬送装置は、前記成形品の三次元設計データに基づいて製作されることを特徴とする搬送装置の製作方法。
  2. 成形品に鋳包まれる鋳包み物を搬送する搬送装置の製作方法であって、
    搬送装置は、前記成形品を成形する金型の三次元設計データまたは金型の三次元実測データに基づいて製作されることを特徴とする搬送装置の製作方法。
  3. 成形品を吸い込んで搬送する搬送装置の製作方法であって、
    搬送装置は、前記成形品の三次元設計データに基づいて製作されることを特徴とする搬送装置の製作方法。
  4. 成形品を吸い込んで搬送する搬送装置の製作方法であって、
    搬送装置は、前記成形品を成形する金型の三次元設計データまたは金型の三次元実測データに基づいて製作されることを特徴とする搬送装置の製作方法。
  5. 請求項1,請求項2,請求項3または請求項4のいずれかに記載の搬送装置の製作方法において、
    搬送装置は、強化樹脂を素材とする光造型あるいは粉末造型などの造型法によって製作されることを特徴とする搬送装置の製作方法。
  6. 請求項1,請求項2,請求項3,請求項4または請求項5のいずれかに記載の搬送装置の製作方法において、
    搬送装置は、鋳包み物を金型に供給するインサートヘッドまたは成形品を金型から取り出す取出しヘッドであることを特徴とする搬送装置の製作方法。
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