JP2007136681A - コンクリート二次製品の面取り工法およびそれに用いる面木 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】面木2として、長手方向に撓むことが可能であり、かつ、型枠内に配置された状態では、充填されたコンクリートGの圧力Pにより変形することがない、面木2を用いることにより解決される。
【選択図】図4
Description
また、製品がコンクリートセグメントのように円弧状の形状である場合など、面取り部分が長手方向に長いうえに湾曲したコンクリート二次製品では、湾曲に沿って短い面木を継ぎ足して使用するか、あるいは、湾曲形状の非常に長い面木を使用することになる。しかし、小さな面木を使用した場合には、成型後に継ぎ目ができるため、成型後の見栄えが悪くなるという問題がある。一方、長い面木は、従来の木製や鉄製の場合、大きな断面を有する素材から削り出す必要があり製造時における資材の無駄が多いという欠点があった。
そこで、本発明の主たる課題は、割れたり角部が変形しづらくて取り扱いが容易で転用性に富む面木およびこれを用いたコンクリート二次製品の製造方法を提供することにある。
<請求項1記載の発明>
面取り部分に予め面木を配置した型枠内に、コンクリートを供給してコンクリート二次製品を製造する、コンクリート二次製品の面取り工法において、
前記面木として、長手方向に撓むことが可能であり、かつ、型枠内に配置された状態では、充填されたコンクリート圧により変形することがない、面木を用いることを特徴とするコンクリート二次製品の製造方法。
面木が、長手方向に撓むようにしたので、セグメントなどの長くかつ湾曲した面取り部位を有するコンクリート二次製品に用いる場合に、当該湾曲に沿って撓ませて配置することができるようになる。木製あるいは鋼製のように湾曲面に沿って小さな面木を継ぎ足して使用しなくてよくなるので、施工性に優れしかも完成後の見栄えのよいコンクリート二次製品を製造できる。
前記面木が、硬質ゴム製である請求項1記載のコンクリート二次製品の製造方法。
大きな資材からの削り出しだしによる製造ではなく、押し出し成型により容易に長さのあるものを製造することができる。そして、長さを長くした場合に可撓性を発揮しやすく、短い場合に可撓性を発揮しない構成に製造することが容易である。従って、長手方向に撓むことが可能であり、かつ、型枠内に配置された状態では、充填されたコンクリート圧により変形することがない、面木を用に製造できる。
前記コンクリート二次製品が、鋼殻に高流動性コンクリートを充填して製造されるコンクリート中詰セグメントである請求項1または2記載のコンクリート二次製品の製造方法。
本発明は、鋼殻に高流動性コンクリートを充填して製造されるコンクリート中詰セグメントの製造に特に好適である。
型枠内の面取り部分に配置される面木であって、
長手方向に撓むことが可能であり、かつ、型枠内に配置された状態では、充填されたコンクリート圧により変形することがない、ことを特徴とするコンクリート二次製品の製造方法。
請求項1記載の発明と同様の作用効果を奏する。
前記面木が、硬質ゴム製である請求項4記載の面木。
請求項2記載の発明と同様の作用効果を奏する。
(コンクリート中詰セグメントについて)
本発明の実施形態にかかるコンクリート中詰セグメントS(以下、単にセグメントともいう。)は、複数を接合して、例えば、シールドトンネルなどの筒状構造物を構築するためのものである。セグメントSは、コンクリート中詰セグメント用鋼殻1、鋼殻に中詰されたコンクリートGおよび補強材等からなる。セグメントにおけるコンクリートGは、面取り部Mが形成されている。
次いで、上記例の鋼殻1を用いたコンクリート中詰セグメントの製造方法を説明する。まず、鋼殻1の主桁30にこれに接する側型枠50を取り付ける。側型枠50は主桁40と同様に湾曲している。側型枠を取り付けたのちには面木2を鋼殻の主桁30上に沿って配置する。主桁30上は湾曲しているが、本発明にかかる面木2は、長手方向に可撓性を有するので、湾曲形状に沿って撓ませて変形されて配置することが可能である。面木2の位置固定は、側型枠50に対して接着あるいは釘打するなどして固定することができる。面木2の配置により面木配置部にコンクリートGが充填されないようになり、面取り部Mが形成されるようになる。なお、本形態では、縦リブ40上にも面木を配置して面取り部Mが形成されるように構成している。また、面木2は蓋型枠60に予め接着等して接合しておき、蓋型枠60の配置と同時に面取り部位Mに配置されるようにすることも可能である。さらには、側型枠50に予め接着等して接合しておき、側型枠50の取付けとともに取り付けるようにしてもよい。
蓋型枠60は、筒状構造物の内周面と同様の曲率に湾曲して形成されている。無孔鋼板を使用した一般的な蓋型枠を使用することもできるが、好適には、図3および4に示されるとおり、有孔鋼板62の裏面に透気性仕上げ材63を装架してなる蓋型枠60を使用する。かかる蓋型枠60を仕上げ材63装架面を鋼殻1の底板10に対向するようにして鋼殻1に取り付ける。通常、高流動性コンクリートGを打設すると、仕上がり面に深さ10mm程度の気泡あばたが発生するが、かかる有孔の蓋型枠60を用いると孔64から空気が抜けて気泡あばたの発生が抑制される。孔64としては、製品仕上がり面の気泡あばたの除去効果と孔から漏れるセメントペースト量から最適のものを選定することができる。好適な有孔板としては、孔径3mm、孔ピッチ5mmのパンチングプレートである。
面木は、図6にも示すように、その長手方向において湾曲するように、可撓性を有する。一方、型枠内に配置された状態においては、図5に示されるように型枠内に充填された高流動性コンクリートの圧力P,P…によっては変形しないものである。このような面木2は、可撓製素材等により製造でき、例えば、天然ゴム、合成ゴム等を主原料とする硬質ゴム等により製造することができる。硬質ゴム製とすれば、押し出し成型によって製造可能であり、木製あるいは鋼製の面木のように資材から削り出しにより製造する必要がなく、資材を無駄にすることもない。また、成型が容易であり、柔軟に複雑形状に対応して成型することも可能である。さらに可撓性を有するので湾曲している部位に好適に配置できる。
本実施形態にかかる高流動性コンクリートとしては、水セメント比が30〜40%、細骨材率45〜55%で少量の混和剤が配合され、スランプフロー値が65±5cm、Vロート流下時間が25±15秒、空気量が2±1%であるのが望ましく、特に、フレッシュ性状が保たれている時間が少なくとも30分程度であるのが望ましい。
ランク1:最小鋼材あきが35〜60mm程度で、複雑な断面形状、断面寸法の小さい部材または箇所で自己充填性を有する。
ランク2:最小鋼材あきが60〜200mm程度の鉄筋コンクリート構造物または部材において、自己充填性を有する。
ランク3:最小鋼材あきが200mm程度以上で断面寸法が大きく配筋量の少ない部材または箇所、無筋の構造物において、自己充填性を有する。
(a)JISマーク表示許可工場あるいはこれと同等の製造設備や管理体制が整備されたプラントにて製造する。
(b)骨材の表面水率の変動をできるだけ小さくすべく、屋根付きの骨材貯蔵設備を有するプラントを選定する。必要に応じて、施工日の数日前から骨材を貯蔵設備に保管しておき、全体にわたって細骨材で表面水率5%程度以下、粗骨材で1%程度以下となるように貯蔵、管理する。
(c)高流動コンクリートの練混ぜは、原則としてバッチ式の強制練りミキサを用いる。1バッチ当りの練混ぜ量をミキサ最大容量の80〜90%とし、90秒以上練混ぜるようにする。
(d)実際の工事開始前には実機ミキサで試し練りを行ない、必要に応じて適切な配合に修正する。また、高流動コンクリートに使用する各種の混和剤と、通常出荷の生コンに使用する混和剤との相性を確認しておく。
(e)製造、出荷、現場までの運搬、打込み完了までの作業時間を考慮して、所要の時間は所定の自己充填性が保持できるような高流動コンクリートの配合を選定する。
(f)原則として側圧は液圧と見做して、型枠や支保工を設計する。さらに、型枠の組立て精度、セパレータの締付け力が均等であることを、事前に確認する。
(g)高流動コンクリートは、通常のコンクリートと比べて、ポンプ圧送時の圧力損失が大きい傾向にあるため、圧送距離や吐出速度、輸送管径等を考慮して、十分に余裕のあるコンクリートポンプの機種や台数を選定する。また、ポンプ圧送にともないスランプフローなどの流動性が低下する場合もあることから、特に、長距離圧送や高所に圧送する場合には、事前に圧送試験を行なうようにする。
(h)シュートは原則として縦シュートとし、特別な対策を講じない限りベルトコンベアは用いない。
(i)自由落下の最大高さは5m以下とし、水平方向の流動距離は標準8m以下、最大15m以下とする。
(j)高流動コンクリートの打込みは、所定の自己充填性を確保している時間内に行なえるように適切な打込み速度を定めるとともに、打込みを中断しないように連続的に打ち込む。
(k)必要に応じて、型枠振動機や表面の叩き等の軽微な振動を加えて、脱型後のコンクリート面のあばたを低減させて美観性を向上させることができる。
(l)プラスチック収縮ひびわれが発生しやすい傾向にあるため、打込み後は速やかにシートや養生マットなどでコンクリート表面を養生し、風や日射によって表面が乾燥しないように留意する。
(m)脱型までの養生は、通常のコンクリートと同様に取り扱うことができるが。特に粉体系や併用系高流動コンクリートの場合には、長期強度に十分余裕がある場合が多いので、強度発現性状を確認すれば養生期間を短縮することもできる。
(n)水平打継目の処理は、原則として通常のコンクリートの場合と同様に取り扱うが、高流動コンクリートは、ブリーディングがほとんど無く、打継面に生じるレイタンス層も僅かである特性を生かして、打継目が所要の性能を有していることが確認できた場合には、水平打継目の処理を軽減さらには省略できる。
Claims (5)
- 面取り部分に予め面木を配置した型枠内に、コンクリートを供給してコンクリート二次製品を製造する、コンクリート二次製品の面取り工法において、
前記面木として、長手方向に撓むことが可能であり、かつ、型枠内に配置された状態では、充填されたコンクリート圧により変形することがない、面木を用いることを特徴とするコンクリート二次製品の製造方法。 - 前記面木が、硬質ゴム製である請求項1記載のコンクリート二次製品の製造方法。
- 前記コンクリート二次製品が、鋼殻に高流動性コンクリートを充填して製造されるコンクリート中詰セグメントである請求項1または2記載のコンクリート二次製品の製造方法。
- 型枠内の面取り部分に配置される面木であって、
長手方向に撓むことが可能であり、かつ、型枠内に配置された状態では、充填されたコンクリート圧により変形することがない、ことを特徴とするコンクリート二次製品の製造方法。 - 前記面木が、硬質ゴム製である請求項4記載の面木。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005329250A JP2007136681A (ja) | 2005-11-14 | 2005-11-14 | コンクリート二次製品の面取り工法およびそれに用いる面木 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63210362A (ja) * | 1987-02-27 | 1988-09-01 | 吉田 主税 | 土木・建築型枠用資材 |
JPH0362119U (ja) * | 1989-10-24 | 1991-06-18 | ||
JP2001198913A (ja) * | 2000-01-17 | 2001-07-24 | Kumagai Technos Kk | 合成セグメント用型枠装置及び合成セグメントの製造方法 |
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2005
- 2005-11-14 JP JP2005329250A patent/JP2007136681A/ja active Pending
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