JP2007136255A - ナノバブル発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便で、個人が手軽に利用できるナノバブル発生装置を提供する。
【解決手段】このナノバブル発生装置1は、第1の液体容器1と、加熱手段5と、羽根付き回転体6とを有するマイクロバブル生成手段Mと; マイクロバブル生成手段Mと配管4により接続された第2の液体容器2と、冷却手段7と、マイクロ波発生装置81、超音波発生装置82、羽根付き回転体83及び磁石84の少なくとも一つからなるバブル圧壊手段8を有するナノバブル生成手段Nと;を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細気泡、ナノバブルを発生させる装置に関する。
常圧下において発生時に直径が数十μm以下の微細気泡は、通常の気泡とは異なって水中で縮小して消滅(完全溶解)する性質を有し、消滅するときのエネルギーによって生体を活性化させる効果があることが知られている(例えば特許文献1)。
一方、直径が1μmに満たない超微細気泡は、ナノバブルと呼ばれている。ナノバブルは、マイクロサイズの微細気泡に物理的刺激を与えて圧壊させることにより発生し、周囲にマイナスイオンを有することで比較的長時間安定的に存在することが報告されている(例えば特許文献2)。酸素をナノバブルとして含んだ水は、生体活性効果があるといわれ、今後の利用が期待されている。
微細気泡を発生させる装置としては、種々の方式のものが提案されている。例えば特許文献1には、円筒型の容器に気液混合水を圧入して高速回転させて遠心分離させるものが提案されている。特許文献3には、泡風呂用を主目的として、渦巻きポンプを用いて気液混合させた後、その気液混合体を筒に送り、筒の中に設けた螺旋羽根を高速回転させて撹拌混合し、筒の内壁に設けた突起で気泡を分断し微細化させるものが提案されている。他にも、産業用に種々の装置が提案されている。
ナノバブルを発生させる装置としては、開示されているものはほとんどないが、例えば、特許文献2には、ナノバブルを発生させるために微細気泡に物理的刺激を与える装置として、放電装置、超音波装置、渦流発生装置(例えば回転体)が開示されている。
特開2002−143885号公報 特開2005−245817号公報 特開2002−85949号公報
上記のように、微細気泡発生装置としては種々のものが開発されているが、個人が手軽に使えることを目指したものではない。また、ナノバブル発生装置については、概略構成は開示されているものの、具体的には不明な点が多い。
そこで、本発明は、簡便で、個人が手軽に使えるナノバブル発生装置を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために、本発明のナノバブル発生装置は、第1の液体容器と、前記第1の液体容器に収容される液体を加熱する加熱手段と、前記第1の液体容器内の液体を撹拌してマイクロバブルを生成する羽根付き回転体とを有するマイクロバブル生成手段と、前記マイクロバブル生成手段と配管により接続された第2の液体容器と、前記第2の液体容器に収容される液体を冷却する冷却手段と、前記第2の液体容器内の液体中のマイクロバブルを圧壊させてナノバブルを生成する、マイクロ波発生装置、超音波発生装置、磁石及び羽根付き回転体の少なくとも一つからなるバブル圧壊手段とを有するナノバブル生成手段と、を備えたことを特徴とする。
ここで、ナノバブルとは、常圧下において直径が1μm未満の超微細気泡のことをいい、マイクロバブルとは、常圧下において発生時に直径が1μm〜数十μm程度の微細気泡のことをいう。
本発明のナノバブル発生装置は、大きく分けると、マイクロバブル生成手段とナノバブル生成手段の2つから構成される。このマイクロバブル生成手段では、第1の液体容器内に流入された液体を加熱手段で加熱するとともに、羽根付き回転体を回転させてマイクロバブルを生成する。ナノバブル生成手段では、生成したマイクロバブルをバブル圧壊手段で圧壊させて、ナノバブルを生成する。バブル圧壊手段としては、マイクロ波発生装置、超音波発生装置、磁石、及び、羽根付き回転体の少なくとも一つを用いることができる。
マイクロバブル生成手段は加熱手段を有している。この加熱手段は、第1の液体容器に収容される液体を加熱することができれば良く、第1の液体容器の外部にあっても内部にあっても良い。ナノバブル生成手段は冷却手段を有している。この冷却手段は、第2の液体容器に収容される液体を加熱することができれば良く、第2の液体容器の外部にあっても内部にあっても良い。
羽根付き回転体は、マイクロバブルを発生することも、マイクロバブルを圧壊させてナノバブルを生成させることもできるので、マイクロバブル生成手段として用いることができ、バブル圧壊手段、ナノバブル生成手段として用いることもできる。
羽根付き回転体は、回転軸と、該回転軸に着脱可能に固定されたハブと該ハブに放射状に取付けられた複数枚の羽根とからなる羽根部とを具備し、各羽根は、回転時に流体からのエネルギーを受けて振動するように構成されていることを特徴とする。
「回転時に流体からエネルギーを受けて振動する」とは、一般に「フラッタ現象」といわれる現象である。羽根付き回転体が一定の速度で回転することにより、各羽根がその周囲の流体からエネルギーを受けて各羽根自体が不規則にうねるように微細振動し、その振動は収束せずに発散する。このように振動する構成にするためには、羽根部は、流体中での回転に耐えられる程度の剛性と、うねるように微細な振動をする程度の柔軟性を兼ね備えていることが必要である。このように振動し続けるように羽根部を構成することで、気液混合流体に物理的刺激を与えることができ、より微細なバブルを効率よく生成することができる。
また、羽根付き回転体は、回転軸と、該回転軸に着脱可能に固定されたハブと該ハブに放射状に取付けられた複数枚の羽根とからなる羽根部とを具備し、各羽根は、羽根のハブへの取付け角が前記回転軸に対して所定の羽根から同一方向に順に大きくされていることを特徴とする。この羽根を高速回転させることにより、気液混合流体を効率良くせん断することができる。
さらに、羽根付き回転体には圧電振動子が固着されていてもよい。回転時にこの圧電振動子に電圧を印加し羽根を微細に振動させることで、気液混合流体に物理的刺激を与えることができ、より微細なバブルを効率よく形成することができる。
第1の液体容器に供給される液体に気体を混合する手段をさらに備えることが好ましい。そうすることで、より多くのバブルを発生させることができる。
第1の液体容器または第2の液体容器の上部には、さらに排気口を備えることが好ましい。そうすることで、大きなバブルを排出させることができ、ナノバブルを選択的に残すことができる。
本発明によれば、簡便で、個人が手軽に利用できるナノバブル発生装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明のナノバブル発生装置100の構成の一例を模式的に示す図である。
このナノバブル発生装置100は、図1に示すように、マイクロバブル生成手段Mとナノバブル生成手段Nとを具備している。マイクロバブル生成手段Mは、第1の液体容器1と、この容器1に収容される液体(または収容された液体)を加熱するための加熱手段5と、この容器1内に収容された液体を撹拌する羽根付き回転体6を有している。第1の液体容器1には、液体または気液混合体を供給させるための給液口11と気液混合体を排出させるための排液口12が設けられている。
ナノバブル生成手段Nは、第2の液体容器2と、この容器2に収容される液体(または収容された液体)を冷却するための冷却手段7と、マイクロバブル圧壊手段8を有している。第2の液体容器2には、給液口21と廃液口22が設けられている。バブル圧壊手段8は、この容器2内に収容された液体中のマイクロバブルを圧壊してナノバブルを生成する手段で、マイクロ波発生装置81などからなり、第2の液体容器2内に配設されている。
マイクロバブル生成手段Mの第1の液体容器1の廃液口12とナノバブル生成手段Nの第2の液体容器2の給液口21とは配管4を介して接続されている。
羽根付き回転体はマイクロバブル生成手段として機能するが、マイクロバブルを圧壊させてナノバブルを生成するバブル圧壊手段としても機能する。
すなわち、第1の液体容器1では、加熱手段5を用いて常温よりも液体の温度を上げた上で、羽根付き回転体6を例えば毎分1万回転〜3万回転程度(毎秒数十回転〜数百回転程度)の高速で回転させて液体を撹拌することにより、簡便かつ効率的にバブル(気泡)を発生させることができる。また、羽根の高速回転により生じた流体の圧力変化等により、または、回転する羽根が高速でバブルに衝突することにより、直径が数十μm程度のマイクロバブルなど微細なバブルを形成することができる。
そして、第2の液体容器2では、マイクロ波発生装置81、超音波発生装置82、羽根付き回転体83、磁石84の少なくとも1つからなるバブル圧壊手段8で、直接的に又は流体を介して間接的にバブルに物理的刺激を与えることで、マイクロバブルの圧壊を促すことができる。これにより、ナノバブルを発生させることができる。
以下、詳細に説明する。
液体としては、例えば水道水が用いられる。水道水は、個人が家庭等で手軽に入手することができ、かつ、飲用、洗顔用、浴用等として適している。以下、この液体のことを単に水ともいう。なお気体としては、例えば、空気、酸素である。
第1の液体容器1はマイクロバブルを含む液体を収容する容器である。第2の液体容器2はナノバブルを含む液体を収容する容器である。第1の液体容器1および第2の液体容器の容量は特に限定されないが、例えば、水等の液体を数十ミリリットル〜数十リットル程度収容することができる。第1の液体容器1および第2の液体容器2の形状は、特に限定されないが、例えば箱形や円筒形である。第1の液体容器1および第2の液体容器2は、給廃液口を除いて密閉されているが、さらに上部に排気口を設けることが好ましい。そうすることで、不要な気体を上方の排気口から追い出すことができる。なお、第1の液体容器2は、コップやジューサーミキサーの液体容器のように上方が開放された構造であってもよく、必要に応じて蓋をしたり取ったりすることができる構造のものであってもよい。上方が開放された容器の場合には、その開放部を給液口や排気口として用いることができる。
図1に示す給液管3の途中には、吸気口33(気体の流入口、給気口)が設けられ、吸気口33には、空気や酸素等の気体を強制的に供給するポンプ等の気液混合手段(図示せず)が設けられている。こうすることで、第1の液体容器1に設けられた給液口11からは、気液混合体が効率よく供給されるようになり、より大量に気泡(バブル)を発生させることができる。なお、吸気口33は、給水管の途中に設ける必要はなく、第1の液体容器2の側面または上面に別途設けてもよい。また、羽根付き回転体6が液体中で高速回転することで、自給式で気泡を発生させることができるので、ポンプ等を設けなくてもよい。
加熱手段5は、第1の液体容器1に収容された液体を加熱するための手段であり、例えば電熱線等の電気ヒーターである。この加熱手段5を用いて、第1の液体容器1に収容された液体の温度を上昇させることにより、液体中に溶解していた気体をバブル化することができ、また、液体中に存しているバブルを膨張させ大きくすることができる。加熱手段5は、図1においては、第1の液体容器1の外部に設けられているが、第1の液体容器1の内部に設けられていても良い。要は、加熱手段5は、第1の液体容器1に収容された液体を加熱することができればよい。
第1の液体容器1の内部には、羽根付き回転体6が、液体容器1に収容された液体を撹拌できるように配設され固定されている。羽根付き回転体6は、例えば市販の小型モーター等の駆動源に接続されることにより高速回転可能とされている。羽根付き回転体6は、例えば、図示しない回転軸と、この回転軸に着脱可能に固定されたハブとこのハブの外周に沿って放射状に配置された複数枚の羽根とからなる羽根部とを具備している。
気体を含む液体が第1の液体容器1の内部に供給され収容された状態で、羽根付き回転体6を高速回転させることにより、羽根の近傍の圧力が局所的に低下し、バブルが発生する。また、羽根が高速回転することにより生じる流体の圧力変化で、または、回転する羽根が高速でバブルに衝突することにより、バブルはさらに細分化される。すなわち、液体中で羽根付き回転体6を高速回転させることにより、第1の液体容器1の内部に収容された液体中に、微細なバブル、マイクロバブルを効率よく生成することができる。
第1の液体容器2に収容された液体の温度は加熱手段5により常温よりも高くなっているので、液体に混入しているバブルは膨張する。この膨張したバブルを、羽根付き回転体6の羽根がさらに細分化するので、効率よくマイクロバブルを生成することができる。
すなわち、本発明によれば、第1の液体容器2に収容された液体を加熱する加熱手段5と、第1の液体容器2に収容された液体を撹拌する羽根付き回転体6を備えているので、微細なバブルを効率よく生成することができる。
このようにして発生した微細なバブルが含まれた液体は、配管4を介して第2の液体容器3に移送される。マイクロバブルよりも大きな気泡はすぐに上昇するので、配管4は下部に設けることが好ましい。こうすることで、大きな気泡を混入させず微細なバブルを選択的に液体陽気3に移送することができる。また、液体容器2の上部に排気口を設けることが好ましい。こうすることで、上部に設けた排気口から大きな気泡を追い出すことができ、液体の流れと共にマイクロバブルを液体容器3に移送することができる。
第2の液体容器3内に移送された液体は、冷却手段7により冷却される。第1の液体容器2内に含まれているバブルが第2の液体容器3内で急速に冷却され収縮することでバブルの圧壊を促すことができる。冷却手段7は、第2の液体容器3内に収容された液体を、第1の液体容器2内での温度よりも相対的に温度が低くなるように冷却することができればよい。冷却手段7は、第2の液体容器3の外部に配設されていても良く、内部に配設されていても良い。
第2の液体容器3には、マイクロ波発生装置81、超音波発生装置82、液体を高速で回転させる羽根付き回転体83、磁石84が配設されている。これらは、いずれも液体中に含まれるバブルに物理的衝撃を与えてバブルの圧壊を促進させるバブル圧壊手段8である。これらのバブル圧壊手段8はすべて配設されている必要はなく、これらのうちいずれか1つ以上配設されていればよい。いずれか1つでも、バブルの圧壊を促すことができ、ナノバブルを発生させることができる。
マイクロ波発生装置81は、マイクロ波を発生させる装置である。マイクロ波発生装置81により、マイクロ波を発生させることで、収容されている液体に分子レベルで物理的刺激を与えることができるため、圧壊を促す効果が高い。したがって、マイクロ波発生装置81により、効果的にナノバブルを発生させることができる。
超音波発生装置82は、超音波を発生させる装置である。超音波発生装置82により、超音波を発生させることで、圧壊を促す効果が高いことは従来から知られている。したがって、超音波発生装置82により、効果的にナノバブルを発生させることができる。
第2の液体容器2に配設される羽根付き回転体83は、第1の液体容器1に配設された羽根付き回転体6と同じ構成のものでよいが、バブルの圧壊を促す効果がより高いものとなるように別の構成としてもよい。羽根付き回転体83を高速で回転させることにより、効果的にナノバブルを発生させることができる。
磁石84は、磁界を発生する磁界発生装置である。水分子をイオン化させ、水分子のクラスターを細分化させることができる。したがって、磁石84により、バブルの圧壊を促進でき、ナノバブルを発生させることができる。
つぎに、第1の液体容器2に配設される羽根付き回転体6または第2の液体容器に配設される羽根付き回転体83の羽根部60の実施形態について、図2〜図10を用いて、詳細に説明する。
図2〜図7は、羽根部60の第1の実施形態を示す図である。この実施形態では、羽根の回転に伴って羽根自体が流体のエネルギーを受けて振動するように、羽根部が構成されている。図2〜図4は、10枚羽根の例で、静止しているときの状態を示している。図2は斜視図、図3は平面図、図4は側面図である。図5〜図7は、6枚羽根の例で、振動しているときの状態を示している。図5、図6はいずれも羽根が振動している状態を示す斜視図、図7は側面図である。
図2〜図7において、略楕円形の太い矢印は、羽根部60の回転方向を表している。羽根部60は、回転軸に対して垂直に固定され、回転軸(図示せず)と一体に回転する構成とされている。したがって、回転軸と羽根部60の回転方向は同一である。また、図5〜図7において、太い矢印は、羽根の主な振動方向を模式的に示している。
図2〜図7に示すように、この羽根付き回転体の羽根部60は、中空円筒状のハブ61とこのハブ61の周囲に放射状に取付けられた複数枚の羽根62とを具備している。複数枚の羽根62は、同一形状とされ、円筒状のハブ61の外周に沿って放射状に均等配置されている。各羽根62の根元は、ハブに取り付けられ固定されている。各羽根62の側面形状は、図4に示すように、緩やかなカーブを描くようになっていてもよく、直線的であってもよい。羽根の枚数は、図2〜図4のように10枚でもよく、図5〜図7のように6枚でもよく、特に限定されない。なお、羽根部の全幅(ハブを中心に羽根全体を円と見たときの円の直径に相当する長さ)は、例えば数10mm〜100mm程度とされている。各羽根を小さくすることで、回転に伴う抵抗を少なくすることができる。
この実施形態では、各羽根62は、図5〜7に示すように、回転に伴って羽根自体が波打つようにうねりながらプルプルと振動するように構成されている。各羽根62は、図面矢印に示すように、波打つように揺れつつ、上下左右いろいろの方向に不規則に振動するように構成されている。なお、図5および図7では、羽根が3段に重ねられているように見えるかもしれないが、そうではなく、羽根は図6に示すように1段である。静止しているときは、図2〜図4に示すのと同様であり、羽根の側面は波打っていない。また、図5〜7では、振動している様子を極端に誇張して表しており、実際には、このように大きく振動するわけではなく、微細振動である。
羽根をこのようにプルプルと波打つように振動させるために、この各羽根62は、柔軟な材料で、薄く構成されている。羽根の厚さ(薄さ)は、材質にもよるが、例えば0.3〜0.7mm程度である。各羽根の材料としては、水中で振動する程度の柔軟性を有し、かつ、水中での高速回転に耐えうる程度に剛性が良く耐衝撃性に優れたものを用いることができる。例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、ポリカーボネート樹脂、チタンコーティングされたステンレスなどを用いることができる。
このように構成された羽根を備えた回転体を高速で回転させることで、流体からエネルギーを受け、羽根自体が発振振動するフラッタ現象が生じる。各羽根がこのように不規則に振動することで、各羽根62の周囲の流体の圧力が不均一に変化し、液体中のバブルが不均一に加圧される。それにより、圧壊が促され、より微細なバブルが形成される。すなわち、飛行機の翼や橋梁を倒壊させる原因として通常は好ましくないとされるフラッタ現象を、本実施形態では、積極的に利用することで、効率的に微細なバブルを形成している。
次に、羽根付き回転体6の羽根部の第2の実施形態について説明する。図8〜図10は、第1の液体容器2に配設された羽根付き回転体6の羽根部60の他の一例を示す図である。図8は斜視図、図9は平面図、図10は側面図である。図8〜図10において、図2〜図4と同一のものについては、原則として同一の符号を付し、説明を省略する。
図8〜図10に示すように、この羽根付き回転体6の羽根部は、中空円筒状のハブ61とこのハブ61の周囲に放射状に取付けられた複数枚の羽根62とを具備している。例えば、10枚の羽根62(62a,62b,62c,62d,・・・,62j)が円筒状のハブ61の外周に沿って放射状に均等配置されている。
図8〜図10に示すように、羽根部の各段63における各羽根62は同一形状とされている。各羽根62は、図9に示すように、先に液体またはバブルに当たる側が薄く尖った形状となるように構成されている。このような形状の羽根部が高速で回転することでバブルを簡便に発生させることができる。各羽根62の薄く尖った側が液体またはバブルに高速で衝突することで、発生したバブルを細かくすることができる。
図8〜図10に示すように、羽根部の各段63における各羽根62は、羽根のハブ61への取付け角が、回転軸に対して所定の羽根から同一方向に順に大きくされている。例えば、所定の羽根62aの取り付け角が1度だとすると、軸の回転方向と反対方向に沿って隣の羽根62bの取り付け角は2度、その隣の羽根62cの取り付け角は3度というように、軸の回転方向と反対方向に沿って1度ずつ大きくなるようにされ、ぐるりと一周した最後(10枚目)の羽根62jの取り付け角は10度とされている。このように、取り付け角を順次大きくした羽根が順次気泡に衝突するので気泡を細かくすることができる。取り付け角は、1度ずつ大きくする必要はなく、例えば2度ずつ大きくなるようにしてもよい。また、一定の度合いで大きくする必要はなく、大きくなる度合いが徐々に増えるようにしてもよい。もちろん、羽根の枚数は10枚でなくてもよい。
さらに、この羽根部は、図8、図10に示すように、2段構成とされている。すなわち、この羽根部は、放射状に配設された10枚の羽根62の集まりである羽根の段63が2段に重ねられた構成とされている。羽根を1段でなく2段またはそれ以上の段数にすることによって、より効率的に、バブルを発生させることができ、また、発生したバブルを切り刻むことができる。羽根の段63どうしの間隔は、適宜設定することができる。
なお、図8〜図10に示す実施形態の羽根部は、図2〜7に示す実施形態の羽根部と異なり、羽根のせん断力により微細なバブルを発生するように構成されている。この羽根は、例えば、チタン合金、チタンコーティングされたステンレスなど、剛性が高くかつ軽い材料で構成することが好ましい。
さらに、羽根付き回転体6には圧電振動子が固着されていることが好ましい。圧電振動子は、羽根付き回転体6の回転軸に固定しても良いし、羽根部のハブに固定しても良いし、各羽根に取り付けても良い。こうすることで、より効率的にバブルを細かくすることができる。
上記図2〜図10で説明したように構成された羽根付き回転体を、加熱手段を有する第1の液体容器2内部で高速で回転させることで、微細なバブルを簡便かつ効率的に発生させることができる。こうして発生させたバブルを含む液体を、上記説明したように、冷却手段を有する第2の液体容器3に移送し、収容された液体を相対的に冷却するとともに、マイクロ波発生装置81や、この羽根付き回転体等のバブル圧壊手段を用いてマイクロバブルを圧壊させることで、簡便かつ効率的にナノバブルを発生させることができる。
なお、図2〜図10に示すように、第1の液体容器または第2の液体容器に配設される羽根付き回転体の羽根部は着脱自在とされており、容易に交換可能とされている。すなわち、図2〜図10に示すように、羽根部60の各羽根62を支持するハブ61の中央部には、所定形状の孔610が設けられ、羽根部60は回転軸に着脱可能に固定できる構成とされている。したがって、必要に応じて利用者が自分で羽根部を交換することができる。
本発明によるナノバブル発生装置は、上記のような簡便な構成で、手軽に効率よくナノバブルを発生させることができる。こうして発生させたナノバブルを含む水は、洗顔、美顔・美肌形成のためなどに、個人でも気軽に利用することができる。
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変形することができる。
たとえば、上記実施形態では、液体を循環させていないが、循環用の配管を設けて、何度か循環させるようにしてもよい。そうすることで、ナノバブルの濃度を一層高めることができる。
本発明の一実施形態のナノバブル発生装置の概略構成を示す図。 羽根付き回転体の羽根部の一例を示す斜視図。 図2に示す羽根部の平面図。 図2に示す羽根部の側面図。 羽根付き回転体の羽根が振動している様子を模式的に示す斜視図。 図5に示す羽根部の羽根が振動している様子を模式的に示す斜視図。 図5に示す羽根部の羽根が振動している様子を模式的に示す側面図。 羽根付き回転体の羽根部の他の一例を示す斜視図。 図8に示す羽根部の平面図。 図8に示す羽根部の側面図。
符号の説明
1…第1の液体容器、2…第2の液体容器、4…配管、5…加熱手段、6…羽根付き回転体、7…冷却手段、81…マイクロ波発生装置、82…超音波発生装置、83…羽根付き回転体、84…磁石、100…ナノバブル発生装置、M…マイクロバブル生成手段、N・・・ナノバブル生成手段。

Claims (6)

  1. 第1の液体容器と、前記第1の液体容器に収容される液体を加熱する加熱手段と、前記第1の液体容器内の液体を撹拌してマイクロバブルを生成する羽根付き回転体とを有するマイクロバブル生成手段と、
    前記マイクロバブル生成手段と配管により接続された第2の液体容器と、前記第2の液体容器に収容される液体を冷却する冷却手段と、前記第2の液体容器内の液体中のマイクロバブルを圧壊させてナノバブルを生成する、マイクロ波発生装置、超音波発生装置、磁石及び羽根付き回転体の少なくとも一つからなるバブル圧壊手段とを有するナノバブル生成手段と、
    を備えたことを特徴とするナノバブル発生装置。
  2. 前記羽根付き回転体は、回転軸と、該回転軸に着脱可能に固定されたハブと該ハブに放射状に取付けられた複数枚の羽根とからなる羽根部とを具備し、各羽根は、回転時に流体からのエネルギーを受けて振動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のナノバブル発生装置。
  3. 前記羽根付き回転体は、回転軸と、該回転軸に着脱可能に固定されたハブと該ハブに放射状に取付けられた複数枚の羽根とからなる羽根部とを具備し、各羽根は、羽根のハブへの取付け角が前記回転軸に対して所定の羽根から同一方向に順に大きくされていることを特徴とする請求項1に記載のナノバブル発生装置。
  4. 前記羽根付き回転体には圧電振動子が固着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナノバブル発生装置。
  5. 前記第1の液体容器に供給される液体に気体を混合する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナノバブル発生装置。
  6. 前記第1の液体容器または前記第2の液体容器の上部には、さらに排気口を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のナノバブル発生装置。
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