JP2007135692A - X線診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の画像の貼り合わせにより生成される診断画像の画像品質を向上させることができるX線診断装置を提供すること。
【解決手段】天板10に対向配置され、天板に対する相対位置を維持したまま、所定の軸線Lを中心に回転することで、天板に載置された被検体Sにおける、互いに異なる第1の領域と第2の領域にX線を照射するX線管20と、天板を挟んでX線管の反対側に配置され、X線管の回転に応じて天板に対して相対移動することで、第1の領域に照射されたX線の強度分布を第1の強度分布として検出し、第2の領域に照射されたX線の強度分布を第2の強度分布として検出するX線検出器30と、第1の強度分布に基づいて第1の画像信号を生成し、第2の強度分布に基づいて第2の画像信号を生成する画像生成部51と、第1の画像信号と第2の画像信号に基づいて第3の画像信号を生成する画像処理部52とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検体から取得された複数の画像を貼り合わせて、当該被検体の広い範囲にわたる診断画像を生成するX線診断装置に関する。
X線診断装置は、被検体を透過したX線の強度分布に基づいて、被検体についての情報を画像として提供するものであり、疾病の診断、治療や手術計画等をはじめとする多くの医療行為において重要な役割を果たしている。
ところで、被検体の上肢や下肢などの診断では、他の部位に比べて長い範囲にわたる情報が必要になる。そのため、現在では、複数の画像を貼り合わせて長尺な画像を生成するX線診断装置が使用されている(例えば、非特許文献1を参照。)。
図5は従来に係るX線診断装置の概略図である。
図5に示すように、このX線診断装置は、被検体Sが載置される天板10と、天板10の上側に配置され、天板10上の被検体SにX線を照射するX線管20と、天板10の下側に配置され、天板10上の被検体Sを透過したX線の強度分布を検出するX線検出器30とを備えている。
X線管20とX線検出器30は、天板10を挟んで対向配置され、これらX線管20とX線検出器30が被検体Sの体軸に沿って移動しながら、所定間隔おきに被検体SのX線撮影を実施する。X線撮影により取得された複数の画像は、画像処理によって被検体Sの体軸に対して貼り合わされ、長尺な診断画像が生成される。
MEDICAMUND 48/3 2004年11月 p.12−18
ところで、複数の画像を貼り合わせて診断画像を生成する場合、各々の画像の端部に、被検体の同じ領域が表示されている領域、すなわち重複領域が作られる。この重複領域は、紙と紙を糊で貼り合せるときの糊代に相当する領域であり、画像と画像を貼り合わせる上で必要な領域である。
しかしながら、従来の方式のように、X線管が被検体の体軸に沿って移動すると、この重複部分に、被検体の体圧方向へのズレ(後述する)が生じ、貼り合わされた診断画像の画像品質が低下するという問題がある。
以下、図6を参照しながら、重複領域に生じる被検体の体圧方向へのズレについて説明する。
図6は従来に係る診断画像の生成工程の工程図であり、(a)はX線管とX線検出器が図5における実線で示す位置にあるときに撮影された第1の画像信号を示し、(b)はX線管とX線検出器が図5における点線で示す位置にあるときに撮影された第2の画像信号を示し、(c)は第1の画像信号と第2の画像信号を貼り合わせて生成された第3の画像を示している。また、点線Wは各々の画像信号における重複領域を示し、点Aと点Bは図5における部分Aと部分Bの像を示している。
図6(a)、(b)に示すように、重複領域Wに存在する部位Aと部位Bは、第1、第2の画像において、互いに異なる位置に表示されている。これは、X線管が被検体の体軸に沿って移動しながらX線を照射することで、被検体の同一部位を透過したX線がX線検出器における互いに異なる位置で検出されるからである。
従って、図6(c)に示すように、第1、第2の画像を貼り合せて生成された第3の画像では、重複領域Wに存在する部位Aと部位Bが互いに異なる2つの像となって出現して、結果として、診断画像の画像品質が低下するという問題がある。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、複数の画像の貼り合わせにより生成される診断画像の画像品質を向上させることができるX線診断装置を提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のX線診断装置は、次のように構成されている。
(1)X線診断装置において、被検体が載置される天板と、前記天板に対向配置され、前記天板に対する相対的な位置を維持したまま、所定の軸線を中心に回転することで、前記天板に載置された被検体における、互いに異なる第1の領域と第2の領域にX線を照射するX線管と、前記天板を挟んで前記X線管の反対側に配置され、前記X線管の回転に応じて前記天板に対して相対的に移動することで、前記第1の領域に照射されたX線の強度分布を第1の強度分布として検出し、前記第2の領域に照射されたX線の強度分布を第2の強度分布として検出するX線検出器と、前記第1の強度分布に基づいて第1の画像信号を生成し、前記第2の強度分布に基づいて第2の画像信号を生成する画像生成部と、前記第1の画像信号と第2の画像信号に基づいて第3の画像信号を生成する画像処理部とを備えている。
(2) (1)に記載されたX線診断装置において、前記第1の領域と第2の領域は、互いに重複する重複領域を備え、前記画像処理部は、当該重複領域を重ね合せるように、前記第1の画像信号と第2の画像信号を合成して、前記第3の画像信号を生成する。
(3) (1)に記載されたX線診断装置において、前記X線管と前記X線検出器を連結して、前記X線検出器を前記X線管の回転に連動させる連結部材をさらに具備している。
(4) (3)に記載されたX線診断装置において、前記X線管と前記X線検出器は、前記連結部材によって、前記X線管から照射されるX線の主線が前記X線検出器に対して略直角となるように連結されている。
(5) (3)に記載されたX線診断装置において、前記連結部材は、前記天板の側方を通って前記天板を迂回するCアームである。
本発明によれば、複数の画像の貼り合わせにより生成される診断画像の画像品質を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態と第2実施形態について説明する。
(第1実施形態)
先ず、図1〜図3を参照しながら、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は本発明の第1実施形態におけるX線診断装置の概略図である。
図1に示すように、このX線診断装置は、被検体Sが横臥する天板10と、天板10に横臥した被検体SにX線を照射するX線管20と、被検体Sを透過したX線の強度分布を検出するX線検出器30と、X線管20及びX線検出器30の動作を制御する動作制御装置40と、X線検出器30により検出されたX線の強度分布に基づいて、被検体Sに関する画像信号を生成する画像制御装置50と、画像制御装置50により生成された画像信号を診断画像として表示する表示モニタ60とを備えている。
天板10は、床面に固定された支持機構(図示しない)によって、床面と平行に支持されている。X線管20は、天板10の上側において、天板10と平行で、且つ天板10に横臥する被検体Sの体軸と直交する軸線Lを中心に回転可能に支持されている。また、X線検出器30は、天板10の下面において、天板10に横臥する被検体Sの体軸に沿って移動可能に支持されている。
動作制御装置40は、X線管20を回転させて、被検体Sに対するX線の照射領域を当該被検体Sの体軸に沿って移動させる。また、動作制御装置40は、X線管20の回転に応じて、X線検出器30を被検体Sの体軸に沿って移動させる。これにより、X線検出器30は、常にX線管20から照射されるX線を検出可能な位置に位置決めされるから、X線管20の角度によらない確実なX線撮影が可能となる。
図2は同実施形態に係る画像制御装置50のブロック図である。
図2に示すように、この画像制御装置50は、画像生成部51、画像処理部52、及び画像メモリ53を備えている。画像生成部51は、X線検出器30により検出されたX線の強度分布に基づいて、被検体Sに対するX線の照射領域ごとに画像信号を生成する。画像処理部34は、画像生成部51により生成された複数の画像信号に基づいて、被検体Sに関する長尺な診断画像を生成する。画像メモリ53は、画像生成部51により取得された画像信号を保存するとともに、必要に応じて、保存した画像信号を画像処理部52に送る。
次に、図3を参照しながら、長尺な診断画像の生成工程について説明する。
図3は同実施形態に係る診断画像の生成工程の工程図であり、(a)は第1の画像信号を示し、(b)は第2の画像信号を示し、(c)は第1の画像と第2の画像を貼り合わせて生成された第3の画像信号を示している。また、点線Wは各々の画像信号における重複領域を示し、点Aと点Bは図1における部分Aと部分Bの像を示している。
X線撮影が開始されると、動作制御部31は、X線管20の角度とX線検出器30の位置を制御して、被検体Sに対するX線の照射領域、すなわち撮影領域を被検体Sの第1の領域に設定する。なお、第1の領域とは、被検体Sにおける鎖線に囲まれた領域である(図1を参照。)。
撮影領域が被検体Sの第1の領域に定まったら、X線管20から当該第1の領域に向けてX線が照射される。X線検出器30は、被検体Sの第1の領域を透過したX線の強度分布を第1の強度分布として検出する。画像生成部51は、X線検出器30によって検出された第1の強度分布に基づいて、被検体Sの第1の領域に関する第1の画像信号を生成する。画像生成部51によって生成された第1の画像信号は、一時的に画像メモリ53に保存される。
第1の画像信号が取得されたら、動作制御部31は、再びX線管20の角度とX線検出器30の位置を制御して、被検体Sに対するX線の照射領域、すなわち撮影領域を被検体Sの第2の領域に設定する。なお、第2の領域とは、被検体Sにおける点線に囲まれた領域である(図1を参照。)
撮影領域が被検体Sの第2の領域に定まったら、X線管20から当該第2の領域にX線が照射される。X線検出器30は、被検体Sの第2の領域を透過したX線の強度分布を第2の強度分布として検出する。画像生成部51は、X線検出器30によって検出された第2の強度分布に基づいて、被検体Sの第2の領域に関する第2の画像信号を生成する。
なお、第1の領域と第2の領域は、図1に示すように、被検体Sの体軸の方向に対して僅かに重複している。これにより、画像生成部51により生成された第1、第2の画像信号には、被検体Sの同じ領域が示された重複領域Wが存在している。
第2の画像信号が取得されたら、この第2の画像信号と、画像メモリ53に保存されている第1の画像信号は、ともに画像処理部52に送られる。画像処理部52は、図3に示すように、第1、第2の画像信号における重複領域W、Wが互いに重なり合うように、第1の画像信号と第2の画像信号とを貼り合わせて、第3の画像信号を生成する。すなわち、第1の画像信号における重複領域Wと第2の画像信号における重複領域Wは、いわゆる貼り合せ代として機能する。
画像処理部52によって生成された第3の画像信号は、表示モニタ60に送られて、診断画像として表示される。医師等の診断者は、当該診断画像を見ながら、被検体Sの診断を実施する。
(本実施形態による作用)
本実施形態におけるX線管20は、天板10と平行で、且つ天板10に横臥している被検体Sの体軸と直交する軸線Lを中心に回転して、被検体Sにおける互いに異なる第1の領域と第2の領域にX線を照射している。そして、本実施形態におけるX線検出器30は、X線管20の回転に応じて、X線管20から照射されるX線を検出可能な位置に移動している。
そのため、X線管20から照射され、被検体Sの同一位置を透過したX線は、X線管20の角度によらず、X線検出器30における同一位置で検出される。その結果、第1の画像信号と第2の画像信号が貼り合されても、図3に示すように、被検体Sの同一部位(例えば、点Aや点B)が異なる像として画像信号に出現することがないから、表示モニタ60には、被検体Sの状態を正確に反映した診断画像が表示される。
なお、本実施形態における被検体Sは、患者の全身となっているが、これに限定されるものではなく、X線診断が必要なものであれば、患者の上肢あるいは下肢などであってもよいし、さらには工業配管などのような人体以外のものであってもよい。
また、本実施形態における天板10は、床面に平行に支持されている。そして、天板10の上側にX線管20が配置され、天板10の下側にX線検出器30が配置されている。しかしながら、本発明は、これに限定される必要はなく、X線管20とX線検出器30が被検体Hを挟んで対向配置されていれば、例えば天板10が床面に対して傾斜していても良いし、X線管20が天板10の下側に配置され、X線検出器30が天板10の上側に配置されてもよい。
さらに、本実施形態における軸線Lは、天板10と平行で、且つ天板10に横臥している被検体Sの体軸と直角となっているが、これに限定されるものではなく、X線管20が天板10に横臥している被検体Sにおける互いに異なる領域にX線を照射できるのであれば、天板10と平行でなくても、天板10に横臥している被検体Sの体軸に直角でなくてもよい。
また、前記実施形態では、診断画像(実際には第3の画像信号)を生成するために、第1の画像信号と第2の画像信号が使用されている。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、3つ以上の画像信号が使用されてもよい。当然、多くの画像信号が使用されれば、生成される診断画像(実際には第3の画像信号)は、より長い範囲にわたる情報を提示してくれる。
(第2実施形態)
次に、図4を参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。なお、ここでは、第1実施形態と同様の構成、作用については、その説明を省略することにする。
図4は本発明の第2実施形態におけるX線診断装置の概略図である。
図4に示すように、本実施形態におけるX線管20とX線検出器30は、Cアーム(連結部材)70によって、X線管20から照射されるX線の主線MがX線検出器30に略直角となるように連結されている。このCアーム70は、天板10の側方を通って、当該天板10を迂回しており、X線管20及びX線検出器30に対して、相対的に回転しないように固定されている。
(本実施形態による作用)
本実施形態におけるX線管20とX線検出器30は、Cアーム70によって、X線管20から照射されたX線の主線MがX線検出器30に対して略直角となるように連結されている。
そのため、X線管20が回転すれば、その動きに連動して、X線検出器30がX線管20に対応する位置に設定される。従って、X線管20の回転に合わせてX線検出器30を移動させる駆動手段が不要となるから、装置構成が簡単化する。
また、X線管20の角度が天板10に対して大きく傾斜した場合でも、X線管20から照射されたX線の主線MがX線検出器30に対して略直角となるから、X線管20の角度に影響を受けることなく、品質の良い診断画像が得られる。
本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
本発明の第1実施形態におけるX線診断装置の概略図。 同実施形態に係る画像制御部のブロック図。 同実施形態に係る診断画像の生成工程の工程図。 本発明の第2実施形態におけるX線診断装置の概略図。 従来に係るX線診断装置の概略図。 従来に係る診断画像の生成工程の工程図。
符号の説明
10…天板、20…X線管、30…X線検出器、51…画像生成部、52…画像処理部、70…Cアーム(連結部材)、L…軸線、M…主線、S…被検体。

Claims (5)

  1. 被検体が載置される天板と、
    前記天板に対向配置され、前記天板に対する相対的な位置を維持したまま、所定の軸線を中心に回転することで、前記天板に載置された被検体における、互いに異なる第1の領域と第2の領域にX線を照射するX線管と、
    前記天板を挟んで前記X線管の反対側に配置され、前記X線管の回転に応じて前記天板に対して相対的に移動することで、前記第1の領域に照射されたX線の強度分布を第1の強度分布として検出し、前記第2の領域に照射されたX線の強度分布を第2の強度分布として検出するX線検出器と、
    前記第1の強度分布に基づいて第1の画像信号を生成し、前記第2の強度分布に基づいて第2の画像信号を生成する画像生成部と、
    前記第1の画像信号と第2の画像信号に基づいて第3の画像信号を生成する画像処理部とを備えていることを特徴とするX線診断装置。
  2. 前記第1の領域と第2の領域は、互いに重複する重複領域を備え、
    前記画像処理部は、当該重複領域を重ね合せるように、前記第1の画像信号と第2の画像信号を合成して、前記第3の画像信号を生成することを特徴とする請求項1に記載されたX線診断装置。
  3. 前記X線管と前記X線検出器を連結して、前記X線検出器を前記X線管の回転に連動させる連結部材をさらに具備していることを特徴とする請求項1に記載されたX線診断装置。
  4. 前記X線管と前記X線検出器は、前記連結部材によって、前記X線管から照射されるX線の主線が前記X線検出器に対して略直角となるように連結されていることを特徴とする請求項3に記載されたX線診断装置。
  5. 前記連結部材は、前記天板の側方を通って前記天板を迂回するCアームであることを特徴とする請求項3に記載されたX線診断装置。
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