JP2007135384A - 充電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池によって電気二重層キャパシタ(以下、「キャパシタ」という)を充電する充電装置において、太陽電池によるキャパシタの充電効率を向上させるために、キャパシタへの太陽電池の出力を制御する。
【解決手段】充電装置10を、少なくともスイッチ40を有し、そのスイッチの可変のデューティ比に応じて、太陽電池12からキャパシタ14に供給される電力を変換する降圧型のスイッチングレギュレータ32と、太陽電池の出力電流を検出する回路57と、スイッチのデューティ比を制御するデューティ比制御部84と、キャパシタの電流を検出する回路50と、キャパシタの電圧を参照することなく、太陽電池の出力電流の指令値を離散的に変更してデューティ比制御部に供給する指令値供給部60とを含むものとする。その指令値供給部は、各回の離散的変更に伴うキャパシタ電流の時間的変化の特性に基づき、そのキャパシタ電流が実質的に極大化するように指令値を離散的に変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池によって電気二重層キャパシタを充電する技術に関し、特に、太陽電池による電気二重層キャパシタの充電効率を向上させるために、電気二重層キャパシタへの太陽電池の出力を制御する技術に関する。
自然エネルギーを利用して電気エネルギーを発生させる発電素子の一例として太陽電池が存在する。また、そのような発電素子によって発生させられた電気エネルギーを蓄積する蓄電素子の一例として電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」という。)も存在する。
一般に、太陽電池には、発電電力が発電電圧および発電電流に関して極大点を有するという特性がある。そのため、太陽電池を使用する場合には、太陽電池の発電電圧または発電電流が変化すると、それに伴って発電電力すなわち太陽電池の出力が変化する。
そのため、太陽電池によってキャパシタを充電するために、それら太陽電池とキャパシタとに接続されて使用される充電装置の一例においては、太陽電池によって発電された直流電圧を変換してキャパシタに供給するスイッチング制御回路が使用される。このスイッチング制御回路は、太陽電池によるキャパシタの充電効率を増加させるために、電気二重層キャパシタへの太陽電池の出力を制御する機能を有する。
以上説明した特性や特徴を有する太陽電池とキャパシタとに接続されて使用される充電装置の一従来例が存在する(例えば、特許文献1参照。)。この従来例は、スイッチ、コイルおよびダイオードを有するスイッチング型コンバータと、太陽電池の発電電流を検出する電流検出回路と、太陽電池の発電電圧を検出する電圧検出回路と、それらスイッチング型コンバータと電流検出回路と電圧検出回路とに接続されたコントローラとを含むように構成されている。
この従来例においては、そのコントローラが、電流検出回路によって検出された発電電流と、電圧検出回路によって検出された発電電圧とに基づき、太陽電池の発電電力が極大化するようにスイッチのデューティ比の最適値を決定する。このコントローラは、その決定されたデューティ比の最適値が実現されるように、スイッチのオンオフ状態を制御する。
特開2002−199614号公報
ところで、キャパシタには、そのキャパシタに蓄積されている電荷の量すなわち蓄積エネルギーの量に応じて電圧が大きく変化するという特徴がある。この特徴は、キャパシタに固有のものであり、鉛蓄電池を含む二次電池等、他の種類の蓄電素子には存在しない。
ここに、キャパシタは、太陽電池と同様に、物理的変化から電気エネルギーを取り出す物理電池に分類されるのに対し、二次電池は、一次電池および燃料電池と同様に、化学反応から電気エネルギーを取り出す化学電池に分類される。
しかしながら、前述の従来例においては、キャパシタの充電状態を参照することなく、太陽電池の出力が、その太陽電池の発電状態から一方的に決定される。そのため、この従来例では、太陽電池による電気二重層キャパシタの充電効率を向上させるのにも限界があった。
以上説明した事情を背景として、本発明は、太陽電池によって電気二重層キャパシタを充電する技術において、太陽電池による電気二重層キャパシタの充電効率を向上させるために、電気二重層キャパシタへの太陽電池の出力をより正確に決定することを課題としてなされたものである。
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
(1) 発電電力が発電電圧および発電電流に関して極大点を有する太陽電池により、その太陽電池によって生成された電気エネルギーを蓄積するとともにその蓄積エネルギーの量に応じて電圧が変化する特性を有する電気二重層キャパシタを充電するために、それら太陽電池と電気二重層キャパシタとに接続されて使用される充電装置であって、
少なくともスイッチを有し、そのスイッチの可変のデューティ比に応じて、前記太陽電池から前記電気二重層キャパシタに供給される電力を変換する降圧型のスイッチングレギュレータと、
前記太陽電池から前記スイッチングレギュレータを経て前記電気二重層キャパシタに出力される電流の実際値を実出力電流として検出する出力電流検出回路と、
それらスイッチングレギュレータと出力電流検出回路とに接続され、その出力電流検出回路による実出力電流の検出値が目標出力電流の指令値に一致するように、前記デューティ比を制御するデューティ比制御部と、
前記電気二重層キャパシタの電流をキャパシタ電流として検出するキャパシタ電流検出回路と、
それらデューティ比制御部とキャパシタ電流検出回路とに接続され、前記電気二重層キャパシタの電圧を参照することなく、前記目標出力電流の指令値を離散的に変更して前記デューティ比制御部に供給する指令値供給部と
を含み、
その指令値供給部は、各回の離散的変更に伴う前記キャパシタ電流の時間的変化の特性に基づき、そのキャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電流の指令値を離散的に変更する充電装置。
一般に、この種の充電装置においては、太陽電池から電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」という。)に取り込まれる電力が極大化すること、すなわち、キャパシタの充電電力が極大化することが究極的な目的である。
これに対し、前述の従来例においては、太陽電池からキャパシタへの電気エネルギーの流れを制御するスイッチを太陽電池の発電電力が極大化するように制御すれば、キャパシタの充電電力も極大化するという線形的依存関係を前提とし、その前提のもと、太陽電池の発電電力が極大化するようにスイッチが制御される。
しかしながら、その依存関係がすべての充電装置において成立するとは限らない。例えば、充電装置のうち、太陽電池からキャパシタに電気エネルギーを供給する電気回路が線形回路として構成される環境においては、その線形的依存関係が成立する。
これに対し、その電気回路が非線形素子(例えば、ダイオードを始めとする多くの半導体素子)を含む環境においては、その線形的依存関係が成立しない。そのため、前述の従来例を実施すると、太陽電池の発電電力は極大化するが、キャパシタの充電電力は極大化しないという事態が発生してしまう。
本項に係る充電装置においては、キャパシタの充電電流が実質的に極大化してそのキャパシタの充電電力が実質的に極大化するように太陽電池の目標出力電流の指令値が決定される。
したがって、この充電装置によれば、太陽電池とキャパシタとの間の電気回路の特性にかかわらず、太陽電池からキャパシタに取り込まれる電力が極大化するという究極的な目的を確実に達成することが容易となる。
一般に、当業者であれば、キャパシタの充電電力を監視するために、そのキャパシタの充電電流と充電電圧とをそれぞれ検出回路によって検出することを思い付く。なぜなら、太陽電池からスイッチを経てキャパシタに流れ込む電力は、充電電圧と充電電流との積で表され、しかも、前述のように、キャパシタにおいては、化学電池とは異なり、充電が進むにつれて電圧が変化するという性質を有するからである。
しかしながら、本発明者は、研究の結果、短い時間的範囲内で観察すれば、キャパシタの充電が進んでも、そのキャパシタの充電電圧はほぼ一定であることに気が付いた。以下、このことを具体的に説明する。
化学電池においては、充電期間内のほぼ全体において、充電電流が一定であれば充電電圧が一定であるのに対し、充電電流が変化すると充電電圧が変化する。ただし、化学電池が満充電状態に近づくと、充電電流が一定であっても、充電電圧が上昇する。
これは、満充電状態への移行前においては、その化学電池本来の化学反応すなわち化学電池を構成する物質のエネルギーギャップに相当する電圧が発生するのに対し、満充電状態に移行すると、化学電池本来の化学反応に代わる化学反応(例えば、水の電気分解)が発生するためである。
したがって、化学電池においては、満充電状態への移行前である限り、充電電圧がほぼ一定である期間が存在する。しかしながら、化学電池においては、充電電圧がほぼ一定である期間が、充電電流が一定であることを条件に存在する。
これに対し、本発明者の知見によれば、キャパシタにおいては、充電中の全体を通じて、充電電流が一定であるか否かを問わず、短い時間的範囲内で観察すれば、充電電圧が一定であるとみなすことができる。
キャパシタは、電気エネルギーを蓄積するために、そのキャパシタにおける電気二重層への電荷の蓄積という物理現象を利用する。したがって、充電が進めば充電電圧が上昇するものの、短い時間的範囲内であれば、充電電圧の変化が充電電力の制御誤差に対して無視できるほどに小さいという性質を、化学電池とは顕著に異なる性質として有する。また、キャパシタにおいては、化学電池とは異なり、満充電状態において充電電圧が上昇するという現象は起こらない。
よって、本発明者は、短い時間的範囲内においては、キャパシタの充電電流さえ考慮すれば、そのキャパシタの充電電圧は考慮しなくても、キャパシタの充電電力が多いか少ないかという判定を十分に正確に行い得るということに気が付いた。
以上説明した知見に基づき、本項に係る充電装置においては、キャパシタの充電電流は参照するが、そのキャパシタの充電電圧は参照することなく、キャパシタの充電電流が実質的に極大化するように、太陽電池の目標出力電流の指令値が決定される。
その結果、この充電装置においては、結果的に、キャパシタの充電電力が実質的に極大化するように、太陽電池の目標出力電流の指令値が決定され、その決定された指令値に太陽電池の実出力電流が一致するように、スイッチのデューティ比が決定される。
したがって、この充電装置によれば、キャパシタの充電電力を監視するために、そのキャパシタの充電電流のみならず充電電圧をも検出する場合より、その検出のための電気回路を単純化することが容易となる。
特許第3267054号公報は、太陽電池によって蓄電池を充電する蓄電装置を開示する。その蓄電装置は、具体的には、太陽電池の発電電圧を変化させる変圧手段と、太陽電池による蓄電池の充電電流を検出する検出手段と、その検出される充電電流が最大となるように変圧手段を制御する制御手段とを含むように構成される。
同公報においては、「一般に蓄電池12においては充電電圧Vbが充電操作中ほぼ一定になっているので、太陽電池10の発電電力Pが最大になる点は、(蓄電池12の)充電電流Ibが最大になる点とほぼ等しくなる。」と記載されている。
この記載から判断するに、同公報における「蓄電池12」は、鉛蓄電池で代表される二次電池(化学電池)に分類される電池であり、本項に係る充電装置における「キャパシタ」とは異なる。
たしかに、化学電池と物理電池であるキャパシタとは、電気エネルギーを蓄積する機能を有する点で互いに共通し、さらに、充電電圧がほぼ一定である期間が存在する点でも互いに共通する。
そのため、当業者であれば、同公報に開示された技術を、太陽電池によってキャパシタを充電する技術においても実施しようと発想することが容易であるように見えるかもしれない。
しかし、当業者はこれまで、キャパシタといえば、充電が進むにつれて充電電圧が上昇する電池であると認識してきており、化学電池に慣れ親しんだ当業者ほど、化学電池を充電するための技術はキャパシタにおいては実施し得ないと考えるのが自然である。
それにもかかわらず、本発明者は、「キャパシタにおいては、短い時間的範囲内である限り、充電電圧がほぼ一定である」との知見を得、それを充電装置に適用することによってはじめて、キャパシタの充電電流は参照するが充電電圧は参照しないで太陽電池の出力を制御するという技術に想到したのである。
前述のように、化学電池といえども充電電圧が変化する期間が存在するのであるから、充電電圧が一定である期間に限って充電電流に着目して太陽電池の出力を高精度に制御するためには、充電電流が一定であることをいちいち確認しなければならない。
これに対し、キャパシタについては、注目する制御周期の長ささえ管理すれば、充電電流が一定であるか否かを問わず、その充電電流に着目して太陽電池の出力を高精度に制御することができる。
また、化学電池は、内部抵抗を有する。そのため、電力を消費する負荷(特に、消費電力が時間的に変動する負荷)が並列に接続された状態で化学電池が充電される場合には、その化学電池の充電電流が大きく変化する。その結果、その化学電池の充電電圧も変化する。
これに対し、このキャパシタにおいては、化学電池における内部抵抗に相当する現象が存在しないため、負荷が並列に接続された状態でキャパシタが充電される場合であっても、短い時間的範囲内で観察すれば、充電電圧が一定であるとみなすことができる。
このように、化学電池を充電する環境と、キャパシタを充電する環境とを、充電電圧の安定性に関して互いに比較すると、発電用電池の出力の制御精度が高いほど後者の環境の方が安定しており、また、蓄電用電池の充電電流の変動が大きいほど後者の環境の方が安定している。
以上の説明から明らかなように、本項に係る充電装置によれば、化学電池より電圧的に不安定であると認識されてきたキャパシタが、短い制御周期という視点で制御されることにより、化学電池より電圧的に安定した電池に転換されるのであり、そのような視点はこれまでに存在しない。
本項における「スイッチングレギュレータ」の一例は、スイッチと、コイルと、ダイオードとを含むように構成され、また、別の例は、スイッチと、コイルと、転流回路のトランジスタまたはFETとを含む同期整流方式として構成される。
(2) 前記指令値供給部は、各回の探索サイクルごとに、前記指令値を刻み幅だけ離散的に変更するサブサイクルを反復することにより、前記キャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電流の最適値を探索的に決定し、
前記サブサイクルの周期は、前記電気二重層キャパシタの蓄積エネルギーをE(Wh)、前記太陽電池の発電電力をP(W)、前記電気二重層キャパシタの充電電圧Vcをその充電電圧Vcの制御誤差ΔVcで割り算して取得される制御誤差率をγでそれぞれ表記する場合に、
(E/P)・γ
を用いて表される値を超えないように設定される(1)項に記載の充電装置。
前記(1)項に係る充電装置においては、太陽電池の出力電流が離散的に変更される。そのため、キャパシタの充電電流には、太陽電池の出力電流の刻み幅に応答する制御誤差が存在する。
一方、前述のように、前記(1)項に係る充電装置は、「キャパシタの充電電圧は、短い時間内では、変化しないため、キャパシタの充電電力は、そのキャパシタの充電電流に比例する」という本発明者の知見、すなわち、本発明者が提案する原理を利用している。
しかし、厳密に言えば、短い時間内であるといえども、キャパシタの充電によってそのキャパシタの電圧が変化する。「キャパシタの充電電圧が一定である」とは、そのキャパシタの電圧変化量が、そのキャパシタの充電電圧の、太陽電池の出力電流の離散的変更に応答する変化量より小さいという意味である。
以上の知見に基づき、本項に係る充電装置においては、各回の探索サイクルごとに、前記指令値を刻み幅だけ離散的に変更するサブサイクルが反復され、それにより、キャパシタ電流が実質的に極大化するように太陽電池の目標出力電流の最適値が探索的に決定される。
さらに、この充電装置においては、サブサイクルの周期が、電気二重層キャパシタの蓄積エネルギーをE(Wh)、太陽電池の発電電力をP(W)、電気二重層キャパシタの充電電圧Vcをその充電電圧Vcの制御誤差ΔVcで割り算して取得される制御誤差率をγでそれぞれ表記する場合に、
(E/P)・γ
を用いて表される値を超えないように設定される。
太陽電池の発電電力すなわち出力Pが10(W)であり、キャパシタの蓄積エネルギーすなわち蓄電容量Eが10(Wh)である一例においては、当該充電装置の電気的ロスを無視すると、その特定の出力を有する太陽電池でその特定の蓄電容量を有するキャパシタを満充電するには、1(h)必要であり、また、その特定の蓄電容量の1%分を充電するには、1/100(h)すなわち36(s)必要である。
キャパシタの蓄積エネルギーQは、そのキャパシタの電圧Vcの2乗と静電容量Cとの積の半値(=CVc/2)に等しいため、キャパシタの満充電付近においては、そのキャパシタの電圧Vcが1%変化すると、蓄積エネルギーQは約2%(=1.01−1.00)変化する。また、充電電圧が全充電電圧の1/2である充電(50%充電)付近においては、そのキャパシタの電圧Vcが1%変化すると、蓄積エネルギーQは約1%(=0.51−0.50)変化する。
したがって、この例においては、充電電圧が1%変化する時間は、満充電付近においては、72(s)、50%充電付近においては、36(s)となる。
したがって、本項に係る充電装置においては、制御誤差率γが0.01であるとすると、サブサイクルの周期、すなわち、指令値の最新値が保持される時間の長さが、72(s)と36(s)とのうち短い方を超えないように設定される。
この例においては、サブサイクルの周期が36(s)に設定されるが、この例はあくまでも説明のための例であり、サブサイクルの周期は、実際には、例えば、10msのオーダ、100msのオーダまたは1sのオーダで設定される。
(3) 前記デューティ比制御部は、前記スイッチのスイッチング動作をスイッチング周期で行うことを反復するアナログ回路を用いて構成され、
前記指令値供給部は、各回の探索サイクルごとに複数回のサブサイクルを実行し、各回のサブサイクルごとに前記指令値を刻み幅だけ離散的に変更するために、コンピュータを用いて構成され、
前記デューティ比制御部は、前記各回のサブサイクルごとに、前記デューティ比を共通にする複数回のスイッチング動作を前記スイッチに行わせる(1)または(2)項に記載の充電装置。
この充電装置においては、デューティ比制御部が、スイッチのスイッチング動作をスイッチング周期で行うことを反復する。また、指令値供給部が、各回の探索サイクルごとに複数回のサブサイクルを実行し、各回のサブサイクルごとに前記指令値を刻み幅だけ離散的に変更する。
さらに、この充電装置においては、デューティ比制御部が、各回のサブサイクルごとに、デューティ比を共通にする複数回のスイッチング動作をスイッチに行わせる。
したがって、この充電装置においては、デューティ比制御部の動作周期の方が、指令値決定部の動作周期より短くなり、よって、デューティ比制御部の方が、指令値決定部より高速で動作することが要求される。そのため、デューティ比制御部も指令値供給部も、コンピュータを用いて構成する場合には、デューティ比制御部はアナログ回路を用いて構成する一方、指令値供給部はコンピュータを用いて構成する場合より、コンピュータの演算負荷が増加する。
よって、本項に係る充電装置においては、デューティ比制御部が、高速処理を優先し、アナログ回路を用いて構成される一方、指令値供給部が、動作自由度を優先し、コンピュータを用いて構成されている。
(4) 当該充電装置は、電力を消費する負荷が前記電気二重層キャパシタに並列に接続されている状態で作動させられる(1)ないし(3)項のいずれかに記載の充電装置。
前述のように、キャパシタは、化学電池とは異なり、内部抵抗を有しない。したがって、キャパシタを、電力を消費する負荷が並列に接続された状態で充電しても、負荷による電力消費に起因してキャパシタの充電電圧が低下せずに済む。また、その負荷の消費電力が時間的に変動しても、それに起因した充電電圧の変動が回避される。
このような知見に基づき、本項に係る充電装置においては、電力を消費する負荷がキャパシタに並列に接続されている状態で、そのキャパシタが太陽電池によって充電される。
ただし、この充電装置は、キャパシタに負荷が常時、並列接続される態様で使用されることは不可欠ではなく、キャパシタの非充電中に限り、そのキャパシタに負荷が並列接続される態様(すなわち、充電中には、キャパシタに負荷が並列接続されない態様)で使用することが可能である。
(5) 前記指令値供給部は、各回の探索サイクルごとに、前記指令値を刻み幅だけ離散的に変更するサブサイクルを反復することにより、前記キャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電流の最適値を探索的に決定し、
その指令値供給部は、
前記各回のサブサイクルにおいて、前回のサブサイクルにおける前記指令値の変更の特性と、前回のサブサイクルにおける前記キャパシタ電流の時間的変化の特性とに基づき、今回のサブサイクルにおいて前記キャパシタ電流の時間的変化の量が減少するように、今回のサブサイクルにおいて前記指令値を前回のサブサイクルから変更する変更方向と、今回のサブサイクルにおいて前記指令値を決定するために使用する前記刻み幅の大きさとを決定する第1決定部と、
前記各回のサブサイクルにおいて、それら決定された変更方向と刻み幅の大きさとに基づき、前回のサブサイクルにおいて使用された前記指令値を離散的に変更し、それにより、今回のサブサイクルにおいて使用される前記指令値を決定する第2決定部と
を含む(1)ないし(4)項のいずれかに記載の充電装置。
この充電装置においては、前回のサブサイクルにおける指令値の変更の特性と、前回のサブサイクルにおけるキャパシタ電流の時間的変化の特性とに基づき、今回のサブサイクルにおいて指令値を前回のサブサイクルから変更する変更方向と、今回のサブサイクルにおいて指令値を決定するために使用する刻み幅の大きさとが決定される。
さらに、それら決定された変更方向と刻み幅の大きさとに基づき、前回のサブサイクルにおいて使用された指令値が離散的に変更され、それにより、今回のサブサイクルにおいて使用される指令値が決定される。
(6) 前記指令値の変更の特性は、前記指令値の変更の方向を含み、
前記キャパシタ電流の時間的変化の特性は、前記キャパシタ電流の時間的変化の方向を含む(5)項に記載の充電装置。
(7) 前記第1決定部は、前記各回のサブサイクルにおいて、前回のサブサイクルにおける前記キャパシタ電流の時間的変化の量が小さいほど減少するように前記刻み幅の大きさを決定する第1の刻み幅決定部を含む(5)または(6)項に記載の充電装置。
後に詳述するように、キャパシタ電流は太陽電池の出力電流の一方向変化に対して極大値を有するように(図8に示すように、上に凸のグラフで表されるように)変化する。その極大値に対応する太陽電池の出力電流が、その出力電流の最適値である。
したがって、キャパシタ電流がそれの極大値に近づくにつれて、太陽電池の出力電流に対するキャパシタ電流の変化勾配が減少する。このことは、隣接したサブサイクル間におけるキャパシタ電流の時間的変化の量が減少することを意味する。
一方、キャパシタ電流がそれの極大値に近づくにつれて太陽電池の出力電流の刻み幅を小さくすることは、キャパシタ電流の極大値をより高精度で探索するために有効である。
また、キャパシタ電流がそれの極大値から離れている領域において、その極大値に近い領域におけるより、太陽電池の出力電流の刻み幅を大きくすることは、キャパシタ電流の極大値をより短時間で探索するために有効である。
このような知見に基づき、本項に係る充電装置においては、各回のサブサイクルにおいて、前回のサブサイクルにおけるキャパシタ電流の時間的変化の量が小さいほど減少するように、太陽電池の出力電流の1回当たりの離散的変更量、すなわち、刻み幅の大きさが決定される。
(8) 前記第1決定部は、前記各回のサブサイクルにおいて、前回のサブサイクルにおける前記太陽電池の出力電流と前記キャパシタ電流との差である電流差が小さいほど減少するように前記刻み幅の大きさを決定する第2の刻み幅決定部を含む(5)ないし(7)項のいずれかに記載の充電装置。
一般に、スイッチングレギュレータにおいては、スイッチのデューティ比が100%すなわち1回のスイッチング周期においてスイッチがオンし続ける場合には、スイッチングレギュレータの電力変換作用(例えば、自己インダクタンスのもと、回路に流れる電流変化に起因してその回路に起電力が誘起される現象)が行われなくなる。
スイッチングレギュレータの電力変換作用が行われなくなると、太陽電池とキャパシタとの間で電流も電圧も互い等しくなり、その結果、キャパシタ電流が実質的に極大化するための最適値に太陽電池の出力電流も出力電圧も制御することができない。
一方、スイッチングレギュレータの電力変換作用は、太陽電池の出力電流とキャパシタ電流との差である電流差が小さいほど、小さい。
以上説明した知見に基づき、本項に係る充電装置においては、各回のサブサイクルにおいて、前回のサブサイクルにおける太陽電池の出力電流とキャパシタ電流との差である電流差が小さいほど減少するように刻み幅の大きさが決定される。
したがって、この充電装置によれば、スイッチがオンし続けることに起因してスイッチングレギュレータの電力変換作用が行われなくなり、その結果、太陽電池の出力電流もキャパシタ電流も最適化されないという事態の発生を回避し得る。
この充電装置においては、太陽電池の出力電流とキャパシタ電流とをそれぞれ検出し、それら検出値の差として電流差を直接的に監視してもよいが、その電流差を反映する物理量を検出し、その検出値を用いて電流差を間接的に監視してもよい。
例えば、目標出力電流の指令値と太陽電池の実出力電流との差に応じて比例動作する差動アンプを当該充電装置が使用する場合には、スイッチがオンし続けるとその差動アンプの出力電圧が設定電圧を超えることになる。したがって、その差動アンプの出力電圧と設定電圧との差を検出し、その検出値を用いて電流差を間接的に監視してもよい。
(9) 前記スイッチは、入力されたオンオフ指令信号に応じてスイッチング動作を行い、
前記出力電流検出回路は、前記実出力電流の大きさを表すアナログ信号を出力し、
前記キャパシタ電流検出回路は、前記キャパシタ電流の大きさを表すアナログ信号を出力し、
前記指令値供給部は、
前記キャパシタ電流検出回路から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA−Dコンバータと、
そのA−Dコンバータから出力されたデジタル信号に基づき、前記指令値をデジタル信号として決定するコンピュータと、
そのコンピュータから出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD−Aコンバータと
を含み、
前記デューティ比制御部は、
前記出力電流検出回路と前記D−Aコンバータとからそれぞれ入力された2つのアナログ信号に基づいて差動増幅を行う差動アンプと、
三角波を表すアナログ信号を発生させる三角波源と
その三角波源と前記差動アンプとからそれぞれ入力された2つのアナログ信号のレベルを互いに比較し、その比較結果を表すオンオフ指令信号を前記スイッチに出力する比較器と
を含む(1)ないし(8)項のいずれかに記載の充電装置。
(10) 発電電力が発電電圧および発電電流に関して極大点を有する太陽電池により、その太陽電池によって生成された電気エネルギーを蓄積するとともにその蓄積エネルギーの量に応じて電圧が変化する特性を有する電気二重層キャパシタを充電するために、それら太陽電池と電気二重層キャパシタとに接続されて使用される充電装置であって、
少なくともスイッチを有し、そのスイッチの可変のデューティ比に応じて、前記太陽電池から前記電気二重層キャパシタに供給される電力を変換する降圧型のスイッチングレギュレータと、
前記太陽電池から前記スイッチングレギュレータを経て前記電気二重層キャパシタに出力される電圧の実際値を実出力電圧として検出する出力電圧検出回路と、
それらスイッチングレギュレータと出力電圧検出回路とに接続され、その出力電圧検出回路による実出力電圧の検出値が目標出力電圧の指令値に一致するように、前記デューティ比を制御するデューティ比制御部と、
前記電気二重層キャパシタの電流をキャパシタ電流として検出するキャパシタ電流検出回路と、
それらデューティ比制御部とキャパシタ電流検出回路とに接続され、前記電気二重層キャパシタの電圧を参照することなく、前記目標出力電圧の指令値を離散的に変更して前記デューティ比制御部に供給する指令値供給部と
を含み、
その指令値供給部は、各回の離散的変更に伴う前記キャパシタ電流の時間的変化の特性に基づき、そのキャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電圧の指令値を離散的に変更する充電装置。
この充電装置によれば、前記(1)項に係る充電装置と基本的に共通する原理に従い、基本的に共通する作用効果が実現される。
この充電装置は、前記(3)、(4)および(6)ないし(9)項のいずれかに記載の技術的特徴を、この充電装置に適用するために必要な変更を施して採用することが可能である。
(11) 前記指令値供給部は、各回の探索サイクルごとに、前記指令値を刻み幅だけ離散的に変更するサブサイクルを反復することにより、前記キャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電圧の最適値を探索的に決定し、
前記サブサイクルの周期は、前記電気二重層キャパシタの蓄積エネルギーをE(Wh)、前記太陽電池の発電電力をP(W)、前記電気二重層キャパシタの充電電圧Vcをその充電電圧Vcの制御誤差ΔVcで割り算して取得される制御誤差率をγでそれぞれ表記する場合に、
(E/P)・γ
を用いて表される値を超えないように設定される(10)項に記載の充電装置。
この充電装置によれば、前記(2)項に係る充電装置と基本的に共通する原理に従い、基本的に共通する作用効果が実現される。
(12) 前記指令値供給部は、各回の探索サイクルごとに、前記指令値を刻み幅だけ離散的に変更するサブサイクルを反復することにより、前記キャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電圧の最適値を探索的に決定し、
その指令値供給部は、
前記各回のサブサイクルにおいて、前回のサブサイクルにおける前記指令値の変更の特性と、前回のサブサイクルにおける前記キャパシタ電流の時間的変化の特性とに基づき、今回のサブサイクルにおいて前記キャパシタ電流の時間的変化の量が減少するように、今回のサブサイクルにおいて前記指令値を前回のサブサイクルから変更する変更方向と、今回のサブサイクルにおいて前記指令値を決定するために使用する前記刻み幅の大きさとを決定する第1決定部と、
前記各回のサブサイクルにおいて、それら決定された変更方向と刻み幅の大きさとに基づき、前回のサブサイクルにおいて使用された前記指令値を離散的に変更し、それにより、今回のサブサイクルにおいて使用される前記指令値を決定する第2決定部と
を含む(10)または(11)項に記載の充電装置。
この充電装置によれば、前記(5)項に係る充電装置と基本的に共通する原理に従い、基本的に共通する作用効果が実現される。
(13) 発電電力が発電電圧および発電電流に関して極大点を有する太陽電池により、その太陽電池によって生成された電気エネルギーを蓄積するとともにその蓄積エネルギーの量に応じて電圧が変化する特性を有する電気二重層キャパシタを充電するために、それら太陽電池と電気二重層キャパシタとに接続されて使用される充電装置であって、
少なくともスイッチを有し、そのスイッチの可変のデューティ比に応じて、前記太陽電池から前記電気二重層キャパシタに供給される電力を変換する降圧型のスイッチングレギュレータと、
前記太陽電池から前記スイッチングレギュレータを経て前記電気二重層キャパシタに出力される電流の実際値を実出力電流として検出する出力電流検出回路と、
前記太陽電池から前記スイッチングレギュレータを経て前記電気二重層キャパシタに出力される電圧の実際値を実出力電圧として検出する出力電圧検出回路と、
それらスイッチングレギュレータと出力電流検出回路と出力電圧検出回路とに接続され、前記出力電流検出回路による実出力電流の検出値が目標出力電流の指令値に一致するように、前記デューティ比を制御する電流変更型制御と、前記出力電圧検出回路による実出力電圧の検出値が目標出力電圧の指令値に一致するように、前記デューティ比を制御する電圧変更型制御とを選択的に行うデューティ比制御部と、
前記電気二重層キャパシタの電流をキャパシタ電流として検出するキャパシタ電流検出回路と、
それらデューティ比制御部とキャパシタ電流検出回路とに接続され、(a)前記目標出力電流の指令値を離散的に変更することを反復し、各回の離散的変更に伴う前記キャパシタ電流の時間的変化の特性に基づき、そのキャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電流の指令値を決定し、その決定された指令値を前記デューティ比制御部に供給する電流変更型制御と、(b)前記目標出力電圧の指令値を離散的に変更することを反復し、各回の離散的変更に伴う前記キャパシタ電流の時間的変化の特性に基づき、そのキャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電圧の指令値を決定し、その決定された指令値を前記デューティ比制御部に供給する電圧変更型制御とを選択的に行う指令値供給部と
を含み、
その指令値供給部は、前記実出力電圧が基準値より高い場合には、前記電流変更型制御を行う一方、前記実出力電圧が前記基準値より高くはない場合には、前記電圧変更型制御を行う充電装置。
図8に示す太陽電池の特性に着目すると、太陽電池の実出力電圧の変域全体のうち高い領域においては、低い領域におけるより、電流に対する電圧の勾配が緩やかであるため、目標出力電流を変化させる方が目標出力電圧を変化させるより、目標出力電流の最適値を精度よく検出することができる。
これに対し、太陽電池の実出力電圧の変域全体のうち低い領域においては、高い領域におけるより、電圧に対する電流の勾配が緩やかであるため、目標出力電圧を変化させる方が目標出力電流を変化させるより、目標出力電流の最適値を精度よく検出することができる。
以上説明した知見に基づき、本項に係る充電装置においては、太陽電池の実出力電圧が基準値より高い場合には、目標出力電流の指令値を離散的に変更することを反復する電流変更型制御が行われる一方、実出力電圧が前記基準値より高くはない場合には、目標出力電圧の指令値を離散的に変更することを反復する電圧変更型制御が行われる。
この充電装置は、前記(2)ないし(9)、(11)および(12)項のいずれかに記載の技術的特徴を、この充電装置に適用するために必要な変更を施して採用することが可能である。
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に従う充電装置10が太陽電池12および電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」という。)14と共に電気回路図で示されている。図1には、さらに、太陽電池12によって生成された電気エネルギーを消費する負荷(例えば、照明器具、モータ等、電気機器)16も示されている。
図1に示すように、充電装置10は、正極ライン20と負極ライン22とを有している。正極ライン20は、両端にそれぞれ外部端子24,26を有し、負極ライン22は、両端にそれぞれ外部端子28,30を有している。充電装置10は、正極ライン20の外部端子24と負極ライン22の外部端子28とにおいてそれぞれ、太陽電池12の正極端子と負極端子とに電気的に接続されている。さらに、この充電装置10は、正極ライン20の外部端子26と負極ライン22の外部端子30とにおいてそれぞれ、キャパシタ14の正極端子と負極端子とに電気的に接続されている。
図1においては、太陽電池12の発電電圧は「Vs」、発電電流は「Is」でそれぞれ表記される一方、キャパシタ14の充電電圧は「Vc」、充電電流は「Ic」でそれぞれ表記されている。
太陽電池12は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する。この太陽電池12には、太陽光の照度に応じて発電電力が変化するという特性がある。この太陽電池12には、さらに、図2にグラフで表すように、発電電力が発電電圧Vsおよび発電電流Isに関して極大点を有するという特性もある。そのため、この太陽電池12を使用する場合には、太陽電池12の発電電圧Vsまたは発電電流Isが変化すると、それに伴って発電電力すなわち太陽電池の出力エネルギーが変化する。
図2には、太陽光の照度(=日照度)が一定である条件で、発電電圧Vsおよび発電電流Isが変化する特性がグラフで表されている。図2においてグラフと直線Aとの交点は、充電装置10が太陽電池12にとっての負荷(抵抗値(=Vs/Is)を有する抵抗器)であると考えた場合におけるその負荷の抵抗値が最適であるために、発電電流Isと発電電圧Vsとの積すなわち発電電力が極大値であることを示している。
また、図2においてグラフと直線Bとの交点は、太陽電池12にとっての負荷としての充電装置10の抵抗値が大き過ぎるために、発電電力が極大値ではないことを示している。また、図2においてグラフと直線Cとの交点は、太陽電池12にとっての負荷としての充電装置10の抵抗値が小さ過ぎるために、発電電力が極大値ではないことを示している。
キャパシタ14は、太陽電池12によって生成された電気エネルギーを蓄積する。このキャパシタ14には、それの充電状態すなわちキャパシタ14に蓄積されている電荷の量に応じて電圧が大きく変化するという特徴がある。この特徴は、キャパシタ14に固有のものであり、他の種類の蓄電素子には存在しない。
このキャパシタ14は、蓄積可能なエネルギーを増加させるため、複数個の個別キャパシタの直列接続によって構成されている。蓄積可能なエネルギーをさらに増加させることが必要である場合には、このキャパシタ14は、複数個の個別キャパシタの並列回路が複数個、互いに直列に接続されることによって構成することが可能である。
図1に示すように、充電装置10は、降圧型のスイッチングレギュレータ32を備えている。
スイッチングレギュレータ32は、チョッパ式のスイッチ(例えば、半導体スイッチ)40と、コイル(インダクタ)42と、ダイオード(フライホール・ダイオード)44とを含んでいる。スイッチ40とコイル42とは、それらの順に正極ライン20において互いに直列に接続されている。ダイオード44は、正極ライン20のうちスイッチ40とコイル42との間の部分から延びて負極ライン22に至る中間ライン46の途中に接続されている。
このスイッチングレギュレータ32は、太陽電池12の発電電圧Vsより低い電圧がキャパシタ14に印加される一方、太陽電池12の発電電流Isより大きい電流がキャパシタ14に供給されるように、太陽電池12からキャパシタ14に供給される電力を変換する機能を有する。
このスイッチングレギュレータ32は、よく知られているように、スイッチ40のオンオフによって発生した方形波(断続波形)を平滑化する方式である。この方式は、入力電圧、すなわち、太陽電池12の発電電圧Vsより出力電圧、すなわち、キャパシタ14の充電電圧Vcが低い場合に採用される。
このスイッチングレギュレータ32においては、スイッチ40がオン(導通)状態にある期間に、太陽電池12の電気エネルギーがスイッチ40を経てコイル42に磁気エネルギーとして蓄積される。その後、スイッチ40がオフ(遮断)状態に切り換えられると、コイル42、キャパシタ14およびダイオード44から成る閉回路により、コイル42に蓄積された磁気エネルギーが電気エネルギーに変換されてキャパシタ14に供給される。
スイッチ40のオンオフを繰り返すことにより、太陽電池12の電気エネルギーがキャパシタ14に供給され、それにより、太陽電池12によってキャパシタ14が充電される。
この際、キャパシタ14の充電電圧Vcは、スイッチ40のデューティ比、すなわち、スイッチ40がオンしているオン時間Tonを、そのオン時間Tonとオフ時間Toffとの和で割り算した値に基づいて太陽電池12の発電電圧Vsが降圧された高さを有する。発電電圧Vsが降圧された電圧が充電電圧Vcとなれば、それと引き換えに、太陽電池12の発電電流Isが増加させられた電流がキャパシタ14の充電電流Icとなる。
すなわち、スイッチングレギュレータ32は、太陽電池12とキャパシタ14との間において、電圧/電流の変換(電力変換)を行い、具体的には、太陽電池12とキャパシタ14との間において電力が保存されるという条件のもと、太陽電池12における高電圧かつ小電流の電気を、キャパシタ14における低電圧かつ大電流の電気に変換する。それにより、太陽電池12によるキャパシタ14の充電効率が向上する。
図1に示すように、充電装置10は、さらに、スイッチングレギュレータ32より上流側においてコンデンサ48を備えている。このコンデンサ48は、正極ライン20と負極ライン22とにそれぞれ接続される状態で、太陽電池12に並列に接続されている。
このコンデンサ48は、スイッチ40のオフ状態において、太陽電池12からの電気エネルギーの放出を許可するとともに、その放出された電気エネルギーを一時的に蓄積する。これに対し、このコンデンサ48は、スイッチ40のオン状態においては、このコンデンサ48に蓄積された電気エネルギーを、太陽電池12によって生成された電気エネルギーと共に、スイッチ40を経由してキャパシタ14に送り出す。
仮に充電装置10がコンデンサ48を備えていないとすると、スイッチ40のオフ状態においては、太陽電池12から電気エネルギーの放出が阻止される。そのため、太陽電池12の発電電圧Vsは、スイッチ40のオフ状態においては、図2に示す太陽電池12の特性曲線のうち無負荷状態に対応する部分によって表される電圧となり、一方、スイッチ40のオン状態においては、太陽電池12の特性曲線のうちスイッチ40に流れる電流の量に対応する部分によって表される電圧となる。
そのため、スイッチ40のオフ状態においてもオン状態においても、太陽電池12は、その太陽電池12から取り出される電気エネルギーが極大化する最適負荷状態にならない。
これに対し、本実施形態においては、図1に示すように、充電装置10がコンデンサ48を備えているため、スイッチ40のオフ状態においては、太陽電池12からコンデンサ48への電気エネルギーの放出が許可される。
したがって、本実施形態によれば、スイッチ40のオンオフ制御にもかかわらず、太陽電池12から電気エネルギーの放出が許可される結果、太陽電池12の発電電圧Vsすなわちコンデンサ48の端子電圧が安定化する。よって、太陽電池12を、その太陽電池12から取り出される電気エネルギーが極大化する最適負荷状態に維持することが可能となる。
以上要するに、このコンデンサ48は、スイッチ40のオンオフ動作にもかかわらず、太陽電池12の発電電圧Vsを安定化させる機能を有するのである。この機能を果たすためには、スイッチ40のスイッチング周期(例えば、10μs)の間にコンデンサ48の電圧が敏感に変化しないことが必要である。
したがって、このコンデンサ48は、キャパシタ14より小さい静電容量を有している。このコンデンサ48の静電容量は、スイッチ40のスイッチング周期(例えば、10μs)の長さ、スイッチ40のオン状態において太陽電池12からスイッチ40を経て流出する電流の量等に応じて設定される。
図1に示すように、充電装置10は、さらに、キャパシタ14の充電電流Icを検出する充電電流検出回路50を備えている。
充電電流検出回路50は、キャパシタ14を流れる電流すなわち充電電流Icの量を検出するために、負極ライン22のうちキャパシタ14の負極端子との接続点と接地点との間の部分に接続された電流検出抵抗52を備えている。その電流検出抵抗52は、キャパシタ14を流れる電流を電圧に変換する機能を有する。
充電電流検出回路50は、さらに、その電流検出抵抗52の電圧を一定倍率で増幅するアンプ(直流増幅器)54を備えている。そのアンプ54は、キャパシタ14の充電電流Icを表すアナログ信号を出力する。このアンプ54は、例えば、直流リニア増幅器として構成される。
充電電流検出回路50は、スイッチ40のオンオフ動作に起因してキャパシタ14の充電電流に発生するリップル成分を除去し、それにより、充電電流Icの検出値を用いた後段の処理を確実化するため、フィルタ55を備えている。
そのフィルタ55は、例えば、平均電流によるローパスフィルタとして構成したり、ピーク電流によるピーク検出回路として構成したり、特定位相の電流による方式(スイッチ40がオフするタイミングにおけるサンプリングホールドないしは同期検波等)とすることが可能である。図3の(a)には、ローパスフィルタの一例が示され、同図の(b)には、ピーク検出回路の一例が示されている。
なお付言するに、充電電流Icのリップル成分が少ない領域においてのみ、充電装置10が動作させられる場合(スイッチング周期に比べてコイル42のインダクタンスが十分に大きい場合)には、フィルタ55を省略することが可能である。
充電装置10は、アンプ54から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するために、A−Dコンバータ56を備えている。
図1に示すように、充電装置10は、さらに、太陽電池12の出力電流Isを検出する出力電流検出回路57を備えている。
出力電流検出回路57は、太陽電池12から出力される電流すなわち出力電流Isの量を検出するために、負極ライン22のうち太陽電池12の負極端子との接続点と接地点との間の部分に接続された電流検出抵抗58を備えている。その電流検出抵抗58は、太陽電池12を流れる電流を電圧に変換する機能を有する。
出力電流検出回路57は、さらに、その電流検出抵抗58の電圧を一定倍率で増幅するアンプ(直流増幅器)59を備えている。そのアンプ59は、太陽電池12の出力電流Isを表すアナログ信号を出力する。このアンプ59は、例えば、直流リニア増幅器として構成される。
図1に示すように、充電装置10は、さらに、コントローラ60を備えている。このコントローラ60は、図4にブロック図で概念的に表すように、コンピュータ70を主体として構成されている。そのコンピュータ70は、CPU72とROM74とRAM76とがバス78によって互いに接続されて構成されている。コントローラ60は、さらに、I/Oインタフェース80を備えており、そのI/Oインタフェース80を介してコンピュータ70はA−Dコンバータ56に電気的に接続されている。
充電装置10は、コントローラ60から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するために、D−Aコンバータ82を備えている。コントローラ60は、I/Oインタフェース80を介して、そのD−Aコンバータ82にも電気的に接続されている。
図1に示すように、充電装置10は、スイッチ40のスイッチング動作を制御するために、スイッチ制御回路84を備えている。そのスイッチ制御回路84は、三角波源86と、差動アンプ87と、比較器88とを備えている。それら三角波源86、差動アンプ87および比較器88はいずれも、アナログ信号を用いて高速で演算を行うアナログ回路として構成されている。
三角波源86は、周波数が一定である三角波信号を発生させる発振器として構成されている。その発振器の一例は、発振周波数が100kHzに設定されたものである。
差動アンプ87は、アンプ59の出力電圧(太陽電池12の出力電流が変換された電圧)と、D−Aコンバータ82の出力電圧(コントローラ60から出力される、太陽電池12の目標出力電流の指令値を表す電圧)との差に比例した電圧を出力する。この差動アンプ87の出力電圧は、誤差信号として、比較器88に入力される。
この差動アンプ87は、コントローラ60の指令値が変化してD−Aコンバータ82の出力電圧が変化すると、過渡状態に移行する。その過渡状態においては、D−Aコンバータ82の出力電圧とアンプ59の出力電圧とが互いに一致しない。やがてそれら出力電圧が互いに一致すると、この差動アンプ87は定常状態に移行する。その定常状態においては、コントローラ60の指令値と太陽電池12の出力電流とが互いに一致する。
比較器88は、2つの入力電圧の対象を判定する電圧比較器として構成されている。この比較器88の出力電圧は、それら2つの入力電圧の大小関係に応じ、ハイレベルとローレベルとの2値のいずれかに変化する。
具体的には、この比較器88には、差動アンプ87の出力電圧と、三角波源86の出力電圧とが入力され、その結果、この比較器88は、差動アンプ87の出力電圧に比例するパルス幅を有する、PWM化された矩形波信号を出力する。その矩形波信号は、スイッチ40をオンオフするために、そのスイッチ40に出力される。その矩形波信号のパルス幅に応じて、スイッチ40のデューティ比が決まる。
この充電装置10の動作中、コントローラ60の指令値が変化すると、差動アンプ87の出力電圧が変化して、比較器88の矩形波信号のパルス幅が変化する。そのパルス幅が変化すると、スイッチ40のデューティ比が変化して、太陽電池12からスイッチングレギュレータ32を介してキャパシタ14に出力される電流、すなわち、キャパシタ14の充電電流Icが変化する。
図5には、スイッチングレギュレータ32の定常状態において、三角波源86の三角波信号と、スイッチ40に供給されるスイッチ指令信号と、コイル42、キャパシタ14および負荷16に流れる電流(表記の便宜上、充電電流Icで代表する)の時間的推移とがそれぞれ示す波形が、互いに時期的に関連付けて、グラフで表されている。
具体的には、図5の(a)には、一定の周期を有する三角波信号が、スレッショールド電圧Vthを表すスレッショールド電圧信号と共にグラフで表されている。そのスレッショールド電圧Vthは、差動アンプ87の出力電圧によって与えられる。
図5の(b)には、スイッチ指令信号が、スイッチ40のオン状態とオフ状態とに関連付けてグラフで表されている。このスイッチ指令信号は、比較器88から出力される矩形波信号に等しく、その矩形波信号は、三角波信号をしきい電圧信号で2値化することによって取得される。スレッショールド電圧Vthが上昇するにつれて、スイッチ指令信号のオンパルス幅が増加し、その結果、スイッチ40のオン時間が長くなる。
図5の(c)には、キャパシタ14の充電電流Icがスイッチ40のスイッチング動作に伴って増減する様子がグラフで表されている。充電電流Icは、スイッチ40のオン期間に増加し、オフ期間に減少する。充電電流Icの平均電流が小さいときを除く通常状態においては、コイル42の電流が、ゼロにはならず、流れ続けている。
図1に示す差動アンプ87は、アンプ59の出力電圧がD−Aコンバータ82の出力電圧に一致するように動作する。その結果、コントローラ60の指令値が変化すると、アンプ59の出力電圧がD−Aコンバータ82の出力電圧に一致するように、スイッチ40のデューティ比が変化させられる。やがてアンプ59の出力電圧がD−Aコンバータ82の出力電圧に一致すると、スイッチ40のデューティ比がそのときの値に固定される。
具体的には、太陽電池12の出力電流Isがコントローラ60の電流指令値に対して相対的に増加すると、差動アンプ87の出力電圧が低下して、比較器88のスレッショールド電圧Vthも低下する。すると、比較器88からスイッチ40に供給される矩形波信号としてのスイッチ指令信号のデューティ比τが減少し、太陽電池12の出力電流Isを減少させるようにスイッチングレギュレータ32が動作する。
逆に、太陽電池12の出力電流Isがコントローラ60の電流指令値に対して相対的に減少すると、差動アンプ87の出力電圧が上昇して、比較器88のスレッショールド電圧Vthも上昇する。すると、比較器88からスイッチ40に供給される矩形波信号としてのスイッチ指令信号のデューティ比τが増加し、太陽電池12の出力電流Isを増加させるようにスイッチングレギュレータ32が動作する。
それら2種類の動作により、充電装置10が過渡状態にある期間を除く期間において、太陽電池12の出力電流Isと、コントローラ60の電流指令値とが互いに一致する。
図1に示すうように、この充電装置10においては、正極ライン20のうち、コンデンサ48の正極端子との接続点と、外部端子24との間の部分にダイオード89が接続されている。このダイオード89は、キャパシタ14から太陽電池12に電流が逆方向に流れることを防止するために設けられている。スイッチ40がバイポーラトランジスタである場合のように、スイッチ40自体が逆流防止機能を有する場合には、そのダイオード89は省略可能である。
図4に示すように、ROM74には、指令値決定プログラムを始めとする各種プログラムが予め記憶されている。その指令値決定プログラムは、充電電流検出回路50を介してキャパシタ14の充電電流Icを時間離散的に検出し、その検出値に基づき、太陽電池12の目標出力電流の指令値を決定するために、CPU72によって実行される。
具体的には、その指令値決定プログラムは、キャパシタ14の充電電流Icが実質的に極大化するために太陽電池12の出力電流Isが取るべき値(コントローラ60が差動アンプ87に出力すべき電流指令値)を、その出力電流Isの離散的変更により、探索的に決定するために、CPU72によって実行される。
さらに具体的には、この指令値決定プログラムは、図6にタイムチャートで表すように、各回の探索サイクルごとに複数回のサブサイクルを実行し、各回のサブサイクルごとに電流指令値を刻み幅だけ離散的に変更するために、CPU72によって実行される。
これに対し、スイッチ制御回路84は、図6にタイムチャートで示すように、各回のサブサイクルごとに、デューティ比τを共通にする複数回のスイッチング動作をスイッチ40に行わせる。
一例においては、サブサイクルの周期が10msであり、1回のスイッチング動作の長さすなわちスイッチング周期が10μsである。この例においては、1回のサブサイクル中にスイッチング動作が1,000回行われる。
この例においては、キャパシタ14の蓄積エネルギーEが10(Wh)であり、太陽電池12の発電電力Pが10(W)である。さらに、キャパシタ14の満充電電圧が10(V)である。
この例においては、サブサイクルの周期が0.01秒に設定されているため、キャパシタ14に蓄積されるエネルギーは、充電回路のロスを無視すると、1回のサブサイクル(0.01秒)の間に0.00028%(=0.01秒÷3600秒)変化する。
一方、キャパシタ14の蓄積エネルギーは、そのキャパシタ14の充電電圧Vcの2乗に比例する。したがって、キャパシタ14の満充電付近においては、充電電圧Vcが満充電電圧に対して1%変化すると、キャパシタ14の蓄積エネルギーは2%変化する。これに対し、充電電圧Vcが5(V)付近であると、その充電電圧Vcが満充電電圧に対して1%変化すると、キャパシタ14の蓄積エネルギーは1%変化する。
よって、キャパシタ14の蓄積エネルギーが1回のサブサイクル(0.01秒)の間に0.00028%変化すると、満充電付近においては、充電電圧Vcに0.00014%の制御誤差率が発生する。これに対し、充電電圧が5(V)付近においては、充電電圧Vcに0.00028%の制御誤差率が発生する。
したがって、本実施形態においては、キャパシタ14の充電電圧Vcをその充電電圧Vcの制御誤差ΔVcで割り算して取得される制御誤差率γが0.00028%(0.00014%の制御誤差率と0.00028%の制御誤差率とのうち大きい方)である。
したがって、この例においては、サブサイクルの周期が、(E/P)・γすなわち0.00028%を超えないように設定されていることになる。
図4に示すように、RAM76は、各種デジタルデータを記憶するために割り当てられた複数のメモリを備えている。それらメモリは、(a)上記決定された電流指令値を一時的に記憶する指令値メモリ90と、(b)充電電流検出回路50による充電電流Icの今回検出値を一時的に記憶する今回電流メモリ92と、(c)充電電流検出回路50による充電電流Icの前回検出値を一時的に記憶する前回電流メモリ94とを含んでいる。
図7には、前述の指令値決定プログラムが概念的にフローチャートで表されている。以下、図7を参照することにより、コントローラ60における電流指令値の決定処理を説明するが、それに先立ち、その基本原理を説明する。
充電装置10、太陽電池12およびキャパシタ14を含む系全体が作動的に定常状態にある場合には、太陽電池12とキャパシタ14との間に、次式(1)で表される関係が成立する。
Vs×Is=Vc×Ic
太陽電池12においては、コンデンサ48が存在するおかげで、サブサイクルの周期と同程度に短い時間的範囲内で観察すれば、発電電圧Vsの時間的変動は少ない。発電電圧Vsの時間的変動が少ないため、太陽電池12の発電電力の時間的変動も少なく、その結果、太陽電池12の発電電流Isの時間的変動も少ない。
一方、キャパシタ14においては、通常、コイル42の電流変化分より直流分が大きくなる程度に大きな値にコイル42のインダクタンスが設計される。もっとも、コイル42において多少の電流変動があるため、コイル42を流れる電流はリップル電流となる。一方、キャパシタ14の容量は、キャパシタ14の充電電圧Vcが短時間には変化しない程度に大きい値を有する。
キャパシタ14に流れ込む電気エネルギーの瞬間値は、充電電圧Vcと充電電流Icとの積で表される。上述のように、短い時間的範囲内で観察すれば、キャパシタ14の充電電圧Vcはほぼ一定である。したがって、キャパシタ14に流れ込む電気エネルギーの量は、そのキャパシタ14に流れ込む電流すなわち充電電流Icに比例する。
よって、短い時間的範囲内においては、キャパシタ14に流れ込む電気エネルギーが多いか少ないかという判定は、キャパシタ14の充電電圧Vcを考慮することなく、充電電流Icが多いか少ないかという判定により、十分に正確に行い得る。
ところで、スイッチ40のスイッチング周期をT、オン時間をTon、オフ時間をToffでそれぞれ表記すれば、それら3者間に次式(2)で表される関係が成立する。
T=Ton+Toff
また、スイッチ40のデューティ比τは、次式(3)で表される。
τ=Ton/T
スイッチ40のデューティ比τが決まると、太陽電池12の発電電圧Vsとキャパシタ14の充電電圧Vcとの間に次式(4)で表される関係が近似的に成立する。
(Vs−Vc)÷L×Ton≒Vc÷L×Toff=Vc÷L×(T−Ton)
この式において「L」は、コイル42のインダクタンス値を表す。この式において、左辺は、スイッチ40のオン状態におけるコイル42の電流増加分を意味し、一方、右辺は、スイッチ40のオフ状態におけるコイル42の電流減少分を意味する。この式から、次式(5)ないし(7)が誘導される。
Vs×Ton=Vc×T
Ton/T=Vc/Vs
Ton/T=Is/Ic
前述のキャパシタ14の特性のため、キャパシタ14の充電電圧Vcは敏感に変化しない。一方、太陽電池12の発電電圧Vsは、図2に示す特性曲線により表される電圧の範囲内においては、変化し得る。このように、キャパシタ14の充電電圧Vcは、短い時間的範囲内においては変化しないため、スイッチ40のデューティ比τを変化させると、太陽電池12の発電電圧Vsが変化する。デューティ比τの変化直後においては、スイッチングレギュレータ32が過渡状態にあるが、やがて、太陽電池12の発電電圧Vsは、次式(8)で表される値に収束する。
Vs=Vc×T÷Ton
このようにして太陽電池12の発電電圧Vsが変化すれば、太陽電池12の発電電流Isも変化する。変化後の発電電流Isは、太陽電池12の特性曲線と、そのときにおける太陽光の照度とに応じて決まる。
このようにして太陽電池12の発電電圧Vsと発電電流Isとが変化すれば、太陽電池12の発電電力も変化する。太陽電池12の発電電力が変化すれば、キャパシタ14の充電電力も変化し、その変化は、キャパシタ14の充電電圧Vcにではなく、充電電流Icのみに反映される。
図8には、太陽光の照度が一定である条件で、太陽電池12の出力電流Isの指令値(スイッチ40のデューティ比τ)を変化させた場合に、キャパシタ14の充電電流Icが示す変化の一例がグラフで表されている。
前述のように、太陽電池12の発電電力が発電電圧Vsおよび発電電流Isに関して極大値を有する関係上、キャパシタ14の充電電力も極大値を有する。一方、キャパシタ14においては、前述のように、短い時間的範囲内においては、充電電圧Vcは時間的に不変であるのに対し、充電電流Icは可変である。よって、太陽電池12の発電電力が極大値を有するという現象は、キャパシタ14の充電電流Icが極大値を有する現象として観察されることになる。
したがって、出力電流Isの指令値を、図8においてA点に対応する値から増加させ続けると、充電電流Icが減少し続けるのに対し、A点に対応する値から減少させ続けると、充電電流Icが増加して極大値に到達した後に減少に転ずる。
一方、出力電流Isの指令値を、図8においてB点に対応する値から減少させ続けると、充電電流Icが減少し続けるのに対し、B点に対応する値から増加させ続けると、充電電流Icが増加して極大値に到達した後に減少に転ずる。
よって、出力電流Isの指令値の最適値、すなわち、充電電流Icの極大値に対応する値は、出力電流Isの指令値を変更することにより、探索的に決定することが可能である。
以上説明した知見に基づき、図7に示す指令値決定プログラムにおいては、概略的には、太陽電池12の出力電流Isの最適値を探索的に決定するために、出力電流Isの指令値(電流指令値)Idを予め定められた条件で離散的にすなわちステップ的に変更するサブサイクルが時間離散的に反復される。
各回のサブサイクルにおいては、電流指令値Idの離散的変更に対するキャパシタ14の充電電流Icの応答に応じ、次回のサブサイクルにおける電流指令値Idの変更条件(増加させるのか減少させるのか)が決定される。それら複数回のサブサイクルは、キャパシタ14の充電電流Icが実質的に極大化するまで反復される。
さらに、各回のサブサイクルにおいて、今回の離散的変更が行われる前に充電電流検出回路50によって検出された充電電流Icである前回検出値と、今回の離散的変更が行われた後に充電電流検出回路50によって検出された充電電流Icである今回検出値とが互いに比較される。
その比較結果を用いて、キャパシタ14の充電電流Icの、電流指令値Idの今回の離散的変更に対する応答が監視される。後述のように、一回のサブサイクルは、充電電流Icの計測、電流指令値の決定、およびスイッチ40の一連のデューティ比制御(すなわち、設定複数回のスイッチング動作であり、後述の待ち時間Tfと等しい時間継続される。)を含むように構成される。ただし、その一連のデューティ比制御は、スイッチ制御回路84によって実行される。
ここで、この指令値決定プログラムを図7を参照して具体的に説明するに、この指令値決定プログラムがCPU72によって実行されると、まず、S100において、電流指令値Idの今回値Id1が初期値I0として設定され、それが指令値メモリ90に格納される。その初期値I0は、例えば、0(A)に設定することができる。
次に、S110において、一定の待ち時間Tfが経過するのが待たれる。その待ち時間Tfの長さ(例えば、10ms)は、電流指令値Idがステップ的に変化させられたためにスイッチングレギュレータ32が過渡状態に移行した後に整定するまでに必要な時間より短くならないように設定される。この待ち時間Tfの長さは、キャパシタ14とコイル42の時定数(例えば、前述のLCフィルタの時定数)を考慮して設定される。
この待ち時間Tfを10msに設定し、かつ、スイッチ40のスイッチング周期Tを10μsに設定すれば、サブサイクルの周期はほぼ10msとなり、その間、スイッチ40のスイッチング動作(オンオフ制御の最小単位)が1,000回行われることになる。この程度の長さのスイッチング動作が行われれば、電流指令値Idのステップ的変更に伴う回路全体の過渡現象は良好に収束すると予想される。
その待ち時間Tfと等しい時間、スイッチ制御回路40によってスイッチ40のデューティ比制御が継続される。
続いて、S120において、充電電流検出回路50を介して、キャパシタ14の充電電流Icの現在値が前回電流iaとして計測される。その計測された前回電流iaは、前回電流メモリ94に格納される。その後、S130において、電流指令値Idの刻み幅ΔIの今回値が初期値ΔI0(今回は、デフォールト値に等しい)と等しくなるように設定される。
続いて、電流指令値Idを刻み幅ΔIだけ増加させてキャパシタ14の充電電流Icに現れる応答を監視することにより、充電電流Icの極大値が探索される。
具体的には、S200において、電流指令値Idの今回値Id1が刻み幅ΔIの今回値(今回は、初期値ΔI0に等しい)だけ増加するように更新される。その更新値Id2は、指令値メモリ90に格納されるとともに、コンピュータ70からD−Aコンバータ82を介してスイッチ制御回路84に供給される。そのスイッチ制御回路84は、更新値Id2が供給されると、その更新値Id2に太陽電池12の出力電流Isが等しくなるようにスイッチ40のデューティ比τを制御する。
続いて、S210において、前記待ち時間Tfが経過するのが待たれる。その待ち時間Tfと等しい時間、スイッチ制御回路40によってスイッチ40のデューティ比制御が継続される。
その後、S220において、充電電流検出回路50を介して、キャパシタ14の充電電流Icの現在値が今回電流ibとして計測される。その計測された今回電流ibは、今回電流メモリ92に格納される。
続いて、S230において、今回電流ibが前回電流iaより少ないか否かが判定される。すなわち、電流指令値Idのステップ的増加に対して充電電流Icが減少したか否かが判定されるのである。
今回は、今回電流ibが前回電流iaより少ないと仮定すれば、S230の判定がYESとなり、S240において、刻み幅ΔIが、電流指令値Idの時間的変化に対する充電電流Icの応答の内容に応じてフレキシブルに決定される。
具体的には、刻み幅ΔIの今回値に対し、それの絶対値を2倍にしてそれの符号を反転させることにより、刻み幅ΔIの次回値が決定される。さらに具体的には、電流指令値Idの今回値Id2から前回値Id1を引き算した値に「−2」を掛け算することにより、刻み幅ΔIの次回値が計算される。
図9の(a)および(b)には、電流指令値Idに対する充電電流Icの変化の2つの例がそれぞれグラフで表されている。
図9の(a)には、電流指令値Idの離散的増加に対して充電電流Icが減少する例が示されている。この例においては、上述のS240の実行により、充電電流icの前回値iaのプロット点Aと今回値ibのプロット点Bとの線分を1:1にかつプロット点Bからプロット点Aに向かって外分する点に、充電電流icの次回値icのプロット点Cが位置するように電流指令値Idの次回値を決定するために必要な刻み幅ΔIの次回値ΔInxtが決定される。
図9の(a)に示す例においては、刻み幅ΔIの次回値ΔInxtが、−2(Id2−Id1)として計算される。したがって、電流指令値Idの次回値が、Id2+ΔInxt=Id2−2(Id2−Id1)=2×Id1−Id2なる式を用いて計算されることになる。
その後、図7のS250において、S200の次回の実行に備えて、電流指令値Idの前回値Id1が今回値Id2と等しくなるように更新される。その後、S260において、S230の次回の実行に備えて、前回電流iaが今回電流ibと等しくなるように更新される。続いて、S200に戻り、電流指令値Idの今回値Id2が、最新の刻み幅ΔIとの加算によって計算される。
これに対し、今回は、今回電流ibが前回電流iaより多いと仮定すると、S230の判定がNOとなり、S270において、今回電流ibが前回電流iaより多いか否かが判定される。このS270の判定は、上記の仮定により、YESとなり、S280に移行する。
このS280においては、刻み幅ΔIが、電流指令値Idの時間的変化に対する充電電流Icの応答の内容に応じてフレキシブルに決定される。
具体的には、刻み幅ΔIの今回値と等しくなるように、刻み幅ΔIの次回値が決定される。さらに具体的には、電流指令値Idの今回値Id2から前回値Id1を引き算した値と等しくなるように、刻み幅ΔIの次回値が計算される。
図9の(b)には、電流指令値Idの離散的増加に対して充電電流Icが増加する例が示されている。この例においては、上述のS280の実行により、充電電流icの前回値iaのプロット点Aと今回値ibのプロット点Bとの線分を1:1にかつプロット点Aからプロット点Bに向かって外分する点に、充電電流icの次回値icのプロット点Cが位置するように電流指令値Idの次回値を決定するために必要な刻み幅ΔIの次回値ΔInxtが決定される。
図9の(b)に示す例においては、刻み幅ΔIの次回値ΔInxtが、+(Id2−Id1)として計算される。したがって、電流指令値Idの次回値が、Id2+ΔInxt=Id2+(Id2−Id1)=2×Id2−Id1なる式を用いて計算されることになる。
その後、図7のS250に移行する。S200の次回の実行に備えて、電流指令値Idの前回値Id1が今回値Id2と等しくなるように更新される。その後、S260において、S230の次回の実行に備えて、前回電流iaが今回電流ibと等しくなるように更新される。続いて、S200に戻り、電流指令値Idの今回値Id2が、最新の刻み幅ΔIとの加算によって計算される。
今回は、今回電流ibが前回電流iaと実質的に等しい(両者の差が許容値以下である)と仮定すると、S230の判定もS270の判定もNOとなり、今回の探索サイクルが終了する。その後、S290において、S100の次回の実行に備えて、初期値I0が電流指令値Idの今回値Id2と等しくなるように設定される。
その後、S300において、探索サイクルを再開するための条件が成立したか否かが判定される。
例えば、前回の探索サイクルの終了時から設定時間が経過するまでは次回の探索サイクルを開始しない場合には、このS300においては、前回の探索サイクルの終了時から設定時間が経過したか否かが判定される。また、充電電流Icの現在値が、前回の探索サイクルの終了時における値より許容値以上変化したときに、次回の探索サイクルが開始される場合には、このS300においては、充電電流Icの現在値が、前回の探索サイクルの終了時における値より許容値以上変化したか否かが判定される。
いずれにしても、探索サイクルを再開するための条件が成立した場合には、S300の判定がYESとなり、S100に戻り、新たな探索サイクルが開始される。
本実施形態においては、指令値決定プログラムの実行が、初期値I0が0(A)である状態で開始されると、その実行の進行につれて、太陽電池12の動作点、すなわち、図2に示すグラフ上におけるプロット点が点Eから点Bに移動し、さらに点Bから点Aに移動して最適化されることになる。
本実施形態においては、太陽電池12の出力電流Isの最適化制御が、電流指令値Idが0である状態から開始されるが、これは、その最適化制御が太陽電池12の出力電圧Vsが高い領域において行われる傾向が強くなることを意味する。一方、充電装置10の動作に必要な電力は、太陽電池12から供給される。
したがって、本実施形態によれば、太陽電池12の高電圧を利用して充電装置10を効果的に動作させることが可能となる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、スイッチ制御回路84が前記(1)項における「デューティ比制御部」の一例を構成し、A−Dコンバータ56、コントローラ60およびD−Aコンバータ82が互いに共同して同項における「指令値供給部」の一例を構成しているのである。
さらに、本実施形態においては、コントローラ60のうち、図7におけるS230、S240、S270およびS280を実行する部分が前記(5)項における「第1決定部」の一例を構成し、コントローラ60のうち、同図におけるS200を実行する部分が同項における「第2決定部」の一例を構成しているのである。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態に対し、指令値決定に関するソフトウエア構成が異なるのみで、他のソフトウエア構成およびハードウエア構成は共通するため、異なる部分のみを詳細に説明し、共通する部分は同一の符号または名称を使用して引用することにより、重複した説明を省略する。
第1実施形態においては、キャパシタ14の充電電流Icが実質的に極大化するように太陽電池12の出力電流Isの指令値Idが離散的に変更されることにより、その出力電流Isの最適値が探索的に決定される。
これに対し、本実施形態においては、キャパシタ14の充電電流Icが実質的に極大化するように太陽電池12の出力電圧Vsの指令値Vdが離散的に変更されることにより、その出力電圧Vsの最適値が探索的に決定される。
図10には、本実施形態に従う充電装置200が図1と同様にして示されている。図10に示す充電装置200は、ハードウエア構成に関しては、図1に示す充電装置10と共通する要素が多く、異なるのは、太陽電池12の発電状態を監視するための要素のみである。
具体的には、充電装置200においては、太陽電池12の出力電圧Vsを検出する出力電圧検出回路202が、図1に示す出力電流検出回路57に代えて設けられている。その出力電圧検出回路202は、太陽電池12の出力電圧Vsと等電位にある正極ライン20と、差動アンプ87の一方の入力端子とに接続されている。本実施形態においては、その出力電圧検出回路202が単なる導線として構成されているが、必要な変更を施すことが可能である。
図10に示すコントローラ60は、図1に示すコントローラ60とは異なり、太陽電池12の出力電圧Vsの指令値を決定し、その決定された指令値(電圧指令値)Vdを表すデジタル信号をD−Aコンバータ82に出力する。そのD−Aコンバータ82は、その電圧指令値Vdを表すアナログ信号を差動アンプ87の他の入力端子に出力する。
その差動アンプ87は、太陽電池12の出力電圧VsとD−Aコンバータ82の出力電圧(コントローラ60から出力される、太陽電池12の出力電圧Vsの指令値Vdを表す電圧)との差に比例した電圧を出力する。この差動アンプ87は、電圧指令値Vdと太陽電池12の出力電圧Vsとが互いに一致するように動作する。
図11には、図10に示すコントローラ60のコンピュータ70によって実行される指令値決定プログラムがフローチャートで概念的に表されている。その指令値決定プログラムはROM74に記憶されている。
以下、図11を参照しつつ、この指令値決定プログラムを説明する。ただし、この指令値決定プログラムは、図7に示す指令値決定プログラムに対し、出力電流Isが出力電圧Vsに置換されている点と、電流指令値Idが電圧指令値Vdに置換されている点とにおいて異なるのみであるため、共通するステップについては、簡単に説明する。
この指令値決定プログラムがCPU72によって実行されると、まず、S500において、S100に準じて、電圧指令値Vdの今回値Vd1が初期値V0として設定される。
充電装置200も、充電装置10と同様に、太陽電池12から電力が供給されて動作するようになっている。そのため、初期値V0が0に近すぎると、太陽電池12によって充電装置200を効果的に動作させることが困難となる。したがって、初期値V0は、0(V)ではなく、太陽電池12の最大出力電圧と、1/2程度から1/4程度までの範囲内の値との積と等しくなるように設定することが望ましい。
次に、S510において、S110と同様に、前記待ち時間Tfが経過するのが待たれる。続いて、S520において、S120と同様に、充電電流検出回路50を介して、キャパシタ14の充電電流Icの現在値が前回電流iaとして計測される。その後、S530において、S130に準じて、電圧指令値Vdの刻み幅ΔVの今回値が初期値ΔV0(今回は、デフォールト値に等しい)と等しくなるように設定される。
その後、S600において、S200に準じて、電圧指令値Vdの今回値Vd1が刻み幅ΔVの今回値(今回は、初期値ΔV0に等しい)だけ増加するように更新される。続いて、S610において、S210と同様に、前記待ち時間Tfが経過するのが待たれる。その後、S620において、S220と同様に、充電電流検出回路50を介して、キャパシタ14の充電電流Icの現在値が今回電流ibとして計測される。
続いて、S630において、S230と同様に、今回電流ibが前回電流iaより少ないか否かが判定される。今回は、今回電流ibが前回電流iaより少ないと仮定すれば、S630の判定がYESとなり、S640において、S240に準じて、電圧指令値Vdの今回値Vd2から前回値Vd1を引き算した値に「−2」を掛け算することにより、刻み幅ΔVの次回値が計算される。
その後、S650において、S250に準じて、S600の次回の実行に備えて、電圧指令値Vdの前回値Vd1が今回値Vd2と等しくなるように更新される。その後、S660において、S260と同様に、S630の次回の実行に備えて、前回電流iaが今回電流ibと等しくなるように更新される。続いて、S600に戻り、電圧指令値Vdの今回値Vd2が、最新の刻み幅ΔVとの加算によって計算される。
これに対し、今回は、今回電流ibが前回電流iaより多いと仮定すると、S630の判定がNOとなり、S670において、S270と同様に、今回電流ibが前回電流iaより多いか否かが判定される。このS670の判定は、上記の仮定により、YESとなり、S680に移行する。
このS680においては、S280に準じて、電圧指令値Vdの今回値Vd2から前回値Vd1を引き算した値と等しくなるように、刻み幅ΔVの次回値が計算される。その後、S650に移行する。
今回は、今回電流ibが前回電流iaと実質的に等しい(両者の差が許容値以下である)と仮定すると、S630の判定もS670の判定もNOとなり、今回の探索サイクルが終了する。その後、S690において、S290に準じて、S500の次回の実行に備えて、初期値V0が電圧指令値Vdの今回値Vd2と等しくなるように設定される。
その後、S700において、S300と同様に、探索サイクルを再開するための条件が成立したか否かが判定される。探索サイクルを再開するための条件が成立した場合には、S700の判定がYESとなり、S500に戻り、新たな探索サイクルが開始される。
本実施形態においては、指令値決定プログラムの実行が、初期値V0が0(V)である状態で開始されると、その実行の進行につれて、太陽電池12の動作点、すなわち、図2に示すグラフ上におけるプロット点が点Dから点Cに移動し、さらに点Cから点Aに移動して最適化されることになる。
本実施形態においては、そのような最適化制御が、電圧指令値Vdが0に近い値である状態から開始されるが、これは、その最適化制御が、太陽電池12の出力電流Isが大きい領域において行われる傾向が強くなることを意味する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、スイッチ制御回路84が前記(10)項における「デューティ比制御部」の一例を構成し、A−Dコンバータ56、コントローラ60およびD−Aコンバータ82が互いに共同して同項における「指令値供給部」の一例を構成しているのである。
さらに、本実施形態においては、コントローラ60のうち、図11におけるS630、S640、S670およびS680を実行する部分が前記(12)項における「第1決定部」の一例を構成し、コントローラ60のうち、同図におけるS600を実行する部分が同項における「第2決定部」の一例を構成しているのである。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態に対し、指令値決定に関するソフトウエア構成が異なるのみで、他のソフトウエア構成およびハードウエア構成は共通するため、異なる部分のみを詳細に説明し、共通する部分は同一の符号または名称を使用して引用することにより、重複した説明を省略する。
一般に、スイッチングレギュレータ32においては、スイッチ40のデューティ比が100%、すなわち、一回のスイッチング周期においてスイッチ40がオンし続ける場合には、スイッチングレギュレータ32の電力変換作用(コイル42のインダクタンスのもと、充電装置10の回路に流れる電流変化に起因してその回路に起電力が誘起される現象)が行われなくなる。
第1実施形態においては、日射量に応じた太陽電池12の発電能力を超えてその太陽電池12から出力エネルギーを取り出すようにスイッチ40を制御すること、すなわち、太陽電池12の出力電流Isをその太陽電池12の実際の発電能力以上に大きくするようにスイッチ40を制御することが行われると、そのスイッチ40のデューティ比が100%になる。
スイッチングレギュレータ32の電力変換作用が行われなくなると、太陽電池12とキャパシタ16との間で電流も電圧も互い等しくなり、その結果、キャパシタ14の充電電流Icが実質的に極大化するための最適値に太陽電池12の出力電流Isも出力電圧Vsも制御することができない。
換言するに、太陽電池12の出力電流Isとキャパシタ14の充電電流Icとが互いに等しくなったことを検出すれば、スイッチ40のデューティ比が100%になり、制御不能である状態を検出することができる。
第1実施形態においては、太陽電池12の出力電流Isを表す信号がコントローラ60に入力されていない。そのため、出力電流Isと充電電流Icとを直接的に互いに比較することはできない。
しかしながら、キャパシタ14の充電電流Icが太陽電池12への電流指令値Idより小さくなったことを検出することにより、スイッチ40のデューティ比が100%になったことを検出することができる。以下、その理由を具体的に説明する。
電流指令値Idが0から徐々に増加すると、出力電流Isも増加する。その間、それら電流指令値Idと出力電流Isとは互いに一致する。出力電流Isの増加につれて、キャパシタ14の充電電流Icも増加する。その間、スイッチ40のデューティ比も増加する。
電流指令値Idがさらに増加すると、やがて、スイッチ40のデューティ比が100%に達する。そのとき、出力電流Isと充電電流Icとが互いに一致し、スイッチ40のデューティ比が100%であるときにおける出力電流Isおよび充電電流Icをいずれも最大電流Imaxとして表す。
出力電流Isも充電電流Icも最大電流Imaxを超えることができないため、電流指令値Idが最大電流Imaxより大きい値として決定された場合には、電流指令値Idが最大電流Imaxすなわち出力電流Isの実際値および充電電流Icの実際値より大きい状態が実現される。
したがって、キャパシタ14の充電電流Icが電流指令値Idより小さいことを検出することにより、スイッチ40のデューティ比が100%に達したことを検出することができる。
一方、スイッチングレギュレータ32の電力変換作用は、太陽電池12の出力電流Isとキャパシタ14の充電電流Icとの差である電流差が小さいほど、小さい。すなわち、その電流差が小さいほど、スイッチングレギュレータ32の電力変換作用がそれの限界に近づいているからである。
以上説明した知見に基づき、本実施形態に従う充電装置10においては、各回のサブサイクルにおいて、前回のサブサイクルにおける太陽電池12の出力電流Isとキャパシタ14の充電電流Icとの差である電流差が小さいほど減少するように、電流指令値Idの刻み幅ΔIの大きさが決定される。
したがって、この充電装置10によれば、スイッチ40がオンし続けることに起因してスイッチングレギュレータ32の電力変換作用が行われなくなり、その結果、太陽電池12の出力電流Isもキャパシタ14の充電電流Icも最適化されないという事態の発生を回避し得る。
図12には、図1に示すコントローラ60のコンピュータ70によって実行される指令値決定プログラムがフローチャートで概念的に表されている。その指令値決定プログラムはROM74に記憶されている。
以下、図12を参照しつつ、この指令値決定プログラムを説明する。ただし、この指令値決定プログラムは、図7に示す指令値決定プログラムと共通するステップについては、同一のステップ番号を使用して引用することにより、簡単に説明する。
この指令値決定プログラムがCPU72によって実行されると、まず、S100において、電流指令値Idの今回値Id1が初期値I0として設定される。次に、S110において、前記待ち時間Tfが経過するのが待たれる。
続いて、S120において、充電電流検出回路50を介して、キャパシタ14の充電電流Icの現在値が前回電流iaとして計測される。その後、S130において、電流指令値Idの刻み幅ΔIの今回値が初期値ΔI0(今回は、デフォールト値に等しい)と等しくなるように設定される。
その後、S200において、電流指令値Idの今回値Id1が刻み幅ΔIの今回値(今回は、初期値ΔI0に等しい)だけ増加するように更新され、それが今回値Id2とされる。続いて、S210において、前記待ち時間Tfが経過するのが待たれる。その後、S220において、充電電流検出回路50を介して、キャパシタ14の充電電流Icの現在値が今回電流ibとして計測される。
続いて、S221において、前回電流iaと前回値Id1との差である前回電流差の絶対値が基準値Aより大きいか否かが判定される。今回は、その前回電流差の絶対値が基準値Aより大きくはないと仮定すると、このS221の判定がNOとなり、S222に移行する。
このS222においては、今回電流ibと今回値Id2との差である今回電流差の絶対値が基準値Aより大きいか否かが判定される。今回は、その今回電流差の絶対値が基準値Aより大きくはないと仮定すると、このS222の判定がNOとなり、S223に移行する。
このS223においては、後に詳述する係数Kが係数K1として設定される。これに対し、前回電流差と今回電流差とのいずれかでも基準値Aより大きいために、S221の判定がYESであるかまたはS221の判定はNOであるがS222の判定がYESである場合には、S224において、係数Kが、係数K1より大きい係数K0として設定される。係数K0は「1」、係数K1は「1」より小さい数値(例えば、係数K0の10分の1)に設定することが可能である。
続いて、S230において、今回電流ibが前回電流iaより少ないか否かが判定される。今回は、今回電流ibが前回電流iaより少ないと仮定すれば、S230の判定がYESとなり、S241において、電流指令値Idの今回値Id2から前回値Id1を引き算した値に(−2)と係数Kとの積を掛け算することにより、刻み幅ΔIの次回値が計算される。
したがって、本実施形態によれば、前回電流差および今回電流差が小さいほど、刻み幅ΔIの絶対値が減少するように、刻み幅ΔIが計算される。
その後、S250において、S200の次回の実行に備えて、電流指令値Idの前回値Id1が今回値Id2と等しくなるように更新される。その後、S260において、S230の次回の実行に備えて、前回電流iaが今回電流ibと等しくなるように更新される。続いて、S200に戻り、電流指令値Idの今回値Id2が、最新の刻み幅ΔIとの加算によって計算される。
これに対し、今回は、今回電流ibが前回電流iaより多いと仮定すると、S230の判定がNOとなり、S270において、今回電流ibが前回電流iaより多いか否かが判定される。このS270の判定は、上記の仮定により、YESとなり、S281に移行する。
このS281においては、電流指令値Idの今回値Id2から前回値Id1を引き算した値と係数Kとの積と等しくなるように、刻み幅ΔIの次回値が計算される。その後、S250に移行する。
したがって、本実施形態によれば、前回電流差および今回電流差が小さいほど、刻み幅ΔIの絶対値が減少するように、刻み幅ΔIが計算される。
今回は、今回電流ibが前回電流iaと実質的に等しい(両者の差が許容値以下である)と仮定すると、S230の判定も2670の判定もNOとなり、今回の探索サイクルが終了する。その後、S290において、S100の次回の実行に備えて、初期値I0が電流指令値Idの今回値Id2と等しくなるように設定される。
その後、S300において、探索サイクルを再開するための条件が成立したか否かが判定される。探索サイクルを再開するための条件が成立した場合には、S700の判定がYESとなり、S100に戻り、新たな探索サイクルが開始される。
図13には、一回の探索サイクル中に、係数Kが時間と共に変化する様子の一例がグラフで表されている。この例においては、一回の探索サイクルが開始されると、係数Kが、まず、粗い刻み幅ΔIを設定するための係数K0(例えば、「1」)に設定される。この例においては、この係数K0を用いて複数回のサブサイクルが反復された後、前記電流差が基準値Aより小さくなったため、係数Kが、細かい刻み幅ΔIを設定するための係数K1(例えば、「0.1」)に変更される。
なお付言するに、本実施形態においては、刻み幅ΔIの次回値が、電流指令値Idの今回値Id2と前回値Id1とから推定された値に前記電流差に応じた係数を掛け算することによって計算されるが、電流差のみに応じて変化するように決定することが可能である。
例えば、候補刻み幅ΔILとそれより細かい候補刻み幅ΔISとを予め設定し、前記電流差が基準値Aより大きい場合には、粗い候補刻み幅ΔILを刻み幅ΔIとして決定する一方、電流差が基準値Aより大きくない場合には、細かい候補刻み幅ΔISを刻み幅ΔIとして決定する態様で本発明を実施することが可能である。
この態様は、候補刻み幅ΔILおよびΔISをそれぞれ、例えば、太陽電池12の最大出力電流の10%および1%に設定して実施することが可能である。この場合には、粗い候補刻み幅ΔILによるサブサイクルが10回程度反復された後に、細かい刻み幅ΔISによるサブサイクルが10回程度反復され、その結果、キャパシタ14の充電電流Icの実際値が、真の極大値に対する1%の誤差範囲で、最適値に到達する可能性がある。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、コントローラ60のうち、図12におけるS221ないしS224、S230、S241、S270およびS281を実行する部分が前記(8)項における「第2の刻み幅決定部」の一例を構成しているのである。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態に対し、指令値決定に関するソフトウエア構成が異なるのみで、他のソフトウエア構成およびハードウエア構成は共通するため、異なる部分のみを詳細に説明し、共通する部分は同一の符号または名称を使用して引用することにより、重複した説明を省略する。
第1実施形態においては、一回の探索サイクル中に刻み幅ΔIの絶対値が変化しない。すなわち、キャパシタ14の充電電流Icの実際値が、最適値である極大値に接近し始めたばかりであるのか(太陽電池12の出力電流Isの最適化制御の開始当初であるのか)極大値にもうすぐ到達するのか(最適化制御の終了間際であるのか)にかかわらず、同じ絶対値を有する刻み幅ΔIを用いて電流指令値Idが決定されるのである。
ところで、一回の探索サイクル中に刻み幅ΔIの絶対値が変化しない環境において、その刻み幅ΔIの絶対値を大きな値に設定すると、充電電流Icの実際値が最適値に接近するのに必要な時間が短縮され、それにより、最適化制御の高速化が容易となるという利点が得られる。しかしながら、その反面、刻み幅ΔIが粗いため、充電電流Icの実際値を真の最適値に十分に精度よく一致させることが困難となる可能性が増加するという欠点が生じる可能性がある。
これに対し、刻み幅ΔIの絶対値を小さな値に設定すると、刻み幅ΔIが細かいため、充電電流Icの実際値を真の最適値に十分に精度よく一致させることが容易となるという利点が得られる。しかしながら、その反面、刻み幅ΔIが細かいため、充電電流Icの実際値が最適値に接近するのに必要な時間が長くなり、それにより、最適化制御の高速化が困難となるという欠点が生じる可能性がある。
一方、一回の探索サイクル中には、図2に示すように、太陽電池12の出力電力がそれの極大値に接近するにつれて、太陽電池12の出力電流Isに対する出力電圧Vsの変化率が増加する。
このことは、キャパシタ14の充電電力がそれの極大値に接近するにつれて、太陽電池12の出力電流Isに対する充電電流Icの変化率である電流変化率が増加することを意味する。このことは、一回のサブサイクル中にはキャパシタ14の充電電圧Vcがほぼ一定であることに着目すれば、キャパシタ14の充電電流Icがそれの極大値に接近するにつれて、上記電流変化率が増加することを意味する。
一方、キャパシタ14の充電電流Icがそれの極大値から離れている期間中には、太陽電池12の出力電流Isを粗い刻み幅ΔIで離散的に変化させることを反復させる一方、キャパシタ14の充電電流Icがそれの極大値に十分に近い期間中には、太陽電池12の出力電流Isを細かい刻み幅ΔIで離散的に変化させることを反復させることが、出力電流Isの最適化制御の高速化と高精度化とを両立させるために望ましい。
以上説明した知見に鑑み、本実施形態においては、上記電流変化率が小さい期間中には、太陽電池12の出力電流Isを粗い刻み幅ΔIで離散的に変化させることを反復させられる一方、上記電流変化率が大きい期間期間中には、太陽電池12の出力電流Isを細かい刻み幅ΔIで離散的に変化させることを反復させられる。
図14には、図1に示すコントローラ60のコンピュータ70によって実行される指令値決定プログラムがフローチャートで概念的に表されている。その指令値決定プログラムはROM74に記憶されている。
以下、図14を参照しつつ、この指令値決定プログラムを説明する。ただし、この指令値決定プログラムは、図7に示す指令値決定プログラムと共通するステップについては、同一のステップ番号を使用して引用することにより、簡単に説明する。
この指令値決定プログラムがCPU72によって実行されると、まず、S100において、電流指令値Idの今回値Id1が初期値I0として設定される。次に、S110において、待ち時間Tfが経過するのが待たれる。続いて、S120において、充電電流検出回路50を介して、キャパシタ14の充電電流Icの現在値が前回電流iaとして計測される。その後、S130において、電流指令値Idの刻み幅ΔIの今回値が初期値ΔI0(今回は、デフォールト値に等しい)と等しくなるように設定される。
その後、S200において、電流指令値Idの今回値Id1が刻み幅ΔIの今回値(今回は、初期値ΔI0に等しい)だけ増加するように更新され、それが今回値Id2とされる。続いて、S210において、前記待ち時間Tfが経過するのが待たれる。その後、S220において、充電電流検出回路50を介して、キャパシタ14の充電電流Icの現在値が今回電流ibとして計測される。
続いて、S225において、出力電流Isに対する充電電流Icの変化率が電流変化率γとして計算される。その電流変化率γは、例えば、充電電流Icの変化量(=今回電流ib−前回電流ia)を、電流指令値Idの変化量(=今回値Id2−前回値Id1)で割り算することによって計算される。
その後、S227において、その計算された電流変化率γに応じて刻み幅ΔIの今回値が決定される。具体的には、電流変化率γに応じて刻み幅ΔIが減少するように両者の関係を定義するためのデータ(例えば、関数式、テーブル等)がROM74に予め記憶されており、データを参照することにより、電流変化率γの今回値に応じた刻み幅ΔIの今回値が決定される。
図15には、それら電流変化率γと刻み幅ΔIとの関係の一例がグラフで表されている。この例においては、電流変化率γが0および基準値γ0の範囲内においては、刻み幅ΔIが前記初期値ΔI0と等しくなるように決定される。電流変化率γが基準値γ0から増加するにつれて、刻み幅ΔIは、初期値ΔI0から減少するように決定される。その刻み幅ΔIは、最小値ΔIminに到達した後には、電流変化率γの増加にかかわらず、最小値ΔIminに維持される。その結果、刻み幅ΔIは、初期値ΔI0と、0より大きい最小値ΔIminとの間において変化させられることになる。
続いて、S230において、今回電流ibが前回電流iaより少ないか否かが判定される。今回は、今回電流ibが前回電流iaより少ないと仮定すれば、S230の判定がYESとなり、S242において、刻み幅ΔIの次回値が、S227において決定された刻み幅ΔIと絶対値は等しいは符号は逆であるように決定される。すなわち、このS242においては、S227において決定された刻み幅ΔIの符号が反転されることにより、刻み幅ΔIの次回値が決定されるのである。
その後、S250において、S200の次回の実行に備えて、電流指令値Idの前回値Id1が今回値Id2と等しくなるように更新される。その後、S260において、S230の次回の実行に備えて、前回電流iaが今回電流ibと等しくなるように更新される。続いて、S200に戻り、電流指令値Idの今回値Id2が、最新の刻み幅ΔIとの加算によって計算される。
これに対し、今回は、今回電流ibが前回電流iaより多いと仮定すると、S230の判定がNOとなり、S270において、今回電流ibが前回電流iaより多いか否かが判定される。このS270の判定は、上記の仮定により、YESとなり、S282に移行する。
このS282においては、刻み幅ΔIの次回値が、S227において決定された刻み幅ΔIと絶対値も符号も等しくなるように決定される。すなわち、このS282においては、S227において決定された刻み幅ΔIがそのまま、刻み幅ΔIの次回値として決定されるのである。その後、S250に移行する。
今回は、今回電流ibが前回電流iaと実質的に等しい(両者の差が許容値以下である)と仮定すると、S230の判定もS270の判定もNOとなり、今回の探索サイクルが終了する。その後、S290において、S100の次回の実行に備えて、初期値I0が電流指令値Idの今回値Id2と等しくなるように設定される。
その後、S300において、探索サイクルを再開するための条件が成立したか否かが判定される。探索サイクルを再開するための条件が成立した場合には、S700の判定がYESとなり、S100に戻り、新たな探索サイクルが開始される。
図16の(a)および(b)には、太陽電池12が受ける日照量が多い場合と少ない場合とについてそれぞれ、太陽電池12の特性がグラフで表されている。いずれの場合にも、太陽電池12の出力電力がそれの極大値に接近するにつれて、太陽電池12の出力電流Isに対する出力電圧Vsの変化率が増加する。図16の(a)および (b)から明らかなように、太陽電池12が受ける日照量に応じて、太陽電池12の出力電流Isの最適値が異なり、一般に、日照量が少ないほど、最適値が減少する。
そのため、出力電流Isの制御到達度に応じて刻み幅ΔIを変化させるにしても、刻み幅ΔIの変化パターンを日照量に依存させない場合には、図16の(a)および(b)から明らかなように、例えば、日照量が多い場合には、出力電流Isの制御が真の最適値の近傍において細かい刻み幅ΔIで行われるが、日照量が少ない場合には、出力電流Isの制御が真の最適値の近傍において細かい刻み幅ΔIでは行われない可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、前記電流変化率に応じて刻み幅ΔIを変化させるため、その刻み幅ΔIの変化パターンが日照量を反映するように行われることとなる。その結果、日照量の如何を問わず、細かい刻み幅ΔIでの出力電流Isの制御が真の最適値の近傍において行われることが保証される。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、コントローラ60のうち、図14におけるS225、S227、S230、S242、S270およびS282を実行する部分が前記(7)項における「第1の刻み幅決定部」の一例を構成しているのである。
次に、本発明の第5実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態に対し、指令値決定に関するソフトウエア構成が異なるのみで、他のソフトウエア構成およびハードウエア構成は共通するため、異なる部分のみを詳細に説明し、共通する部分は同一の符号または名称を使用して引用することにより、重複した説明を省略する。
第1実施形態においては、太陽電池12の出力電圧Vsの如何を問わず、太陽電池12の出力電流Isの離散的変更によってキャパシタ14の充電電流Icの極大化が行われる。
これに対し、本実施形態においては、太陽電池12の出力電圧Vsが基準値V0より高い場合には、出力電流Isの指令値Idを離散的に変更することを反復する電流変更型制御が行われる一方、出力電圧Vsが基準値V0より高くはない場合には、出力電圧Isの指令値Idを離散的に変更することを反復する電圧変更型制御が行われる。
図17には、本実施形態に従う充電装置300が図1と同様にして示されている。この充電装置300は、図1に示す充電装置10と基本的な構成が共通している。充電装置10と異なるのは、充電装置300が、図10に示す充電装置200と同様に、出力電圧検出回路202を有する点である。
図17に示すように、充電装置300においては、出力電流検出回路57の出力端子と、出力電圧検出回路202の出力端子とが、セレクタスイッチ310を介して、差動アンプ87の2個の入力端子の一方に電気的に接続されている。
セレクタスイッチ310には、コントローラ60からの指令信号がD−Aコンバータ82を介して供給される。セレクタスイッチ310は、その指令信号に従い、出力電流検出回路57を差動アンプ87に接続する一方、出力電圧検出回路202を差動アンプ87から遮断する電流検出状態と、出力電圧検出回路202を差動アンプ87に接続する一方、出力電流検出回路57を差動アンプ87から遮断する電圧検出状態とに択一的に切り換わる。
図17に示すように、充電装置300においては、出力電圧検出回路202の出力端子が、A−Dコンバータ56を介してコントローラ60に電気的に接続されている。
図18には、図1に示すコントローラ60のコンピュータ70によって実行される指令値決定プログラムがフローチャートで概念的に表されている。その指令値決定プログラムはROM74に記憶されている。
図18に示す指令値決定プログラムが実行されると、まず、S1000において、出力電圧検出回路202の出力信号に基づき、出力電圧Vsが検出される。次に、S1010において、その検出された出力電圧Vsが前記基準値V0より高いか否かが判定される。今回は、出力電圧Vsが基準値V0より高いと仮定すれば、このS1010の判定がYESとなり、S1020に移行する。
このS1020においては、セレクタスイッチ310に対し、前記電流検出状態を実現するための指令信号が出力される。その後、S1030において、図7に示す指令値決定プログラムと共通するプログラムが一回の探索サイクルを実行するために実行される。それにより、電流変更型探索が実行される。続いて、この電流変更型探索による一回の探索サイクルが終了すると、S1000に戻る。
これに対し、今回は、出力電圧Vsが基準値V0より高くはないと仮定すれば、S1010の判定がNOとなり、S1040に移行する。
このS1040においては、セレクタスイッチ310に対し、前記電圧検出状態を実現するための指令信号が出力される。その後、S1050において、図11に示す指令値決定プログラムと共通するプログラムが一回の探索サイクルを実行するために実行される。それにより、電圧変更型探索が実行される。続いて、この電圧変更型探索による一回の探索サイクルが終了すると、S1000に戻る。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、スイッチ制御回路84およびセレクタスイッチ302が互いに共同して前記(13)項における「デューティ比制御部」の一例を構成し、A−Dコンバータ56、コントローラ60およびD−Aコンバータ82が互いに共同して同項における「指令値供給部」の一例を構成しているのである。
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
本発明の第1実施形態に従う充電装置を示す電気回路図である。 図1における太陽電池の特性を表すグラフである。 図1におけるフィルタの2つの具体例を概念的に表す電気回路図である。 図1におけるコントローラを概念的に表すブロック図である。 図1における三角波源とスイッチと電気二重層キャパシタとのそれぞれの動作を説明するためのタイムチャートである。 図1に示す充電装置におけるスイッチング周期とサブサイクルと探索サイクルとをそれぞれ説明するためのタイムチャートである。 図4に示す指令値決定プログラムを概念的に表すフローチャートである。 図1に示す充電装置における太陽電池の出力電流と電気二重層キャパシタの充電電流との関係を説明するためのグラフである。 図7におけるS240とS280とをそれぞれ説明するためのグラフである。 本発明の第2実施形態に従う充電装置を示す電気回路図である。 図10におけるコントローラのコンピュータによって実行される指令値決定プログラムを概念的に表すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に従う充電装置のコントローラのコンピュータによって実行される指令値決定プログラムを概念的に表すフローチャートである。 図12におけるS221ないしS224を説明するためのグラフである。 本発明の第3実施形態に従う充電装置のコントローラのコンピュータによって実行される指令値決定プログラムを概念的に表すフローチャートである。 図14におけるS227を説明するためのグラフである。 図14に示す指令値決定プログラムの実行によって決定される刻み幅ΔIの時間的推移を日照量が多い場合と少ない場合とについてそれぞれ示すグラフである。 本発明の第5実施形態に従う充電装置を示す電気回路図である。 図17におけるコントローラのコンピュータによって実行される指令値決定プログラムを概念的に表すフローチャートである。

Claims (13)

  1. 発電電力が発電電圧および発電電流に関して極大点を有する太陽電池により、その太陽電池によって生成された電気エネルギーを蓄積するとともにその蓄積エネルギーの量に応じて電圧が変化する特性を有する電気二重層キャパシタを充電するために、それら太陽電池と電気二重層キャパシタとに接続されて使用される充電装置であって、
    少なくともスイッチを有し、そのスイッチの可変のデューティ比に応じて、前記太陽電池から前記電気二重層キャパシタに供給される電力を変換する降圧型のスイッチングレギュレータと、
    前記太陽電池から前記スイッチングレギュレータを経て前記電気二重層キャパシタに出力される電流の実際値を実出力電流として検出する出力電流検出回路と、
    それらスイッチングレギュレータと出力電流検出回路とに接続され、その出力電流検出回路による実出力電流の検出値が目標出力電流の指令値に一致するように、前記デューティ比を制御するデューティ比制御部と、
    前記電気二重層キャパシタの電流をキャパシタ電流として検出するキャパシタ電流検出回路と、
    それらデューティ比制御部とキャパシタ電流検出回路とに接続され、前記電気二重層キャパシタの電圧を参照することなく、前記目標出力電流の指令値を離散的に変更して前記デューティ比制御部に供給する指令値供給部と
    を含み、
    その指令値供給部は、各回の離散的変更に伴う前記キャパシタ電流の時間的変化の特性に基づき、そのキャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電流の指令値を離散的に変更する充電装置。
  2. 前記指令値供給部は、各回の探索サイクルごとに、前記指令値を刻み幅だけ離散的に変更するサブサイクルを反復することにより、前記キャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電流の最適値を探索的に決定し、
    前記サブサイクルの周期は、前記電気二重層キャパシタの蓄積エネルギーをE(Wh)、前記太陽電池の発電電力をP(W)、前記電気二重層キャパシタの充電電圧Vcをその充電電圧Vcの制御誤差ΔVcで割り算して取得される制御誤差率をγでそれぞれ表記する場合に、
    (E/P)・γ
    を用いて表される値を超えないように設定される請求項1に記載の充電装置。
  3. 前記デューティ比制御部は、前記スイッチのスイッチング動作をスイッチング周期で行うことを反復するアナログ回路を用いて構成され、
    前記指令値供給部は、各回の探索サイクルごとに複数回のサブサイクルを実行し、各回のサブサイクルごとに前記指令値を刻み幅だけ離散的に変更するために、コンピュータを用いて構成され、
    前記デューティ比制御部は、前記各回のサブサイクルごとに、前記デューティ比を共通にする複数回のスイッチング動作を前記スイッチに行わせる請求項1または2に記載の充電装置。
  4. 当該充電装置は、電力を消費する負荷が前記電気二重層キャパシタに並列に接続されている状態で作動させられる請求項1ないし3のいずれかに記載の充電装置。
  5. 前記指令値供給部は、各回の探索サイクルごとに、前記指令値を刻み幅だけ離散的に変更するサブサイクルを反復することにより、前記キャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電流の最適値を探索的に決定し、
    その指令値供給部は、
    前記各回のサブサイクルにおいて、前回のサブサイクルにおける前記指令値の変更の特性と、前回のサブサイクルにおける前記キャパシタ電流の時間的変化の特性とに基づき、今回のサブサイクルにおいて前記キャパシタ電流の時間的変化の量が減少するように、今回のサブサイクルにおいて前記指令値を前回のサブサイクルから変更する変更方向と、今回のサブサイクルにおいて前記指令値を決定するために使用する前記刻み幅の大きさとを決定する第1決定部と、
    前記各回のサブサイクルにおいて、それら決定された変更方向と刻み幅の大きさとに基づき、前回のサブサイクルにおいて使用された前記指令値を離散的に変更し、それにより、今回のサブサイクルにおいて使用される前記指令値を決定する第2決定部と
    を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の充電装置。
  6. 前記指令値の変更の特性は、前記指令値の変更の方向を含み、
    前記キャパシタ電流の時間的変化の特性は、前記キャパシタ電流の時間的変化の方向を含む請求項5に記載の充電装置。
  7. 前記第1決定部は、前記各回のサブサイクルにおいて、前回のサブサイクルにおける前記キャパシタ電流の時間的変化の量が小さいほど減少するように前記刻み幅の大きさを決定する第1の刻み幅決定部を含む請求項5または6に記載の充電装置。
  8. 前記第1決定部は、前記各回のサブサイクルにおいて、前回のサブサイクルにおける前記太陽電池の出力電流と前記キャパシタ電流との差である電流差が小さいほど減少するように前記刻み幅の大きさを決定する第2の刻み幅決定部を含む請求項5ないし7のいずれかに記載の充電装置。
  9. 前記スイッチは、入力されたオンオフ指令信号に応じてスイッチング動作を行い、
    前記出力電流検出回路は、前記実出力電流の大きさを表すアナログ信号を出力し、
    前記キャパシタ電流検出回路は、前記キャパシタ電流の大きさを表すアナログ信号を出力し、
    前記指令値供給部は、
    前記キャパシタ電流検出回路から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA−Dコンバータと、
    そのA−Dコンバータから出力されたデジタル信号に基づき、前記指令値をデジタル信号として決定するコンピュータと、
    そのコンピュータから出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD−Aコンバータと
    を含み、
    前記デューティ比制御部は、
    前記出力電流検出回路と前記D−Aコンバータとからそれぞれ入力された2つのアナログ信号に基づいて差動増幅を行う差動アンプと、
    三角波を表すアナログ信号を発生させる三角波源と
    その三角波源と前記差動アンプとからそれぞれ入力された2つのアナログ信号のレベルを互いに比較し、その比較結果を表すオンオフ指令信号を前記スイッチに出力する比較器と
    を含む請求項1ないし8のいずれかに記載の充電装置。
  10. 発電電力が発電電圧および発電電流に関して極大点を有する太陽電池により、その太陽電池によって生成された電気エネルギーを蓄積するとともにその蓄積エネルギーの量に応じて電圧が変化する特性を有する電気二重層キャパシタを充電するために、それら太陽電池と電気二重層キャパシタとに接続されて使用される充電装置であって、
    少なくともスイッチを有し、そのスイッチの可変のデューティ比に応じて、前記太陽電池から前記電気二重層キャパシタに供給される電力を変換する降圧型のスイッチングレギュレータと、
    前記太陽電池から前記スイッチングレギュレータを経て前記電気二重層キャパシタに出力される電圧の実際値を実出力電圧として検出する出力電圧検出回路と、
    それらスイッチングレギュレータと出力電圧検出回路とに接続され、その出力電圧検出回路による実出力電圧の検出値が目標出力電圧の指令値に一致するように、前記デューティ比を制御するデューティ比制御部と、
    前記電気二重層キャパシタの電流をキャパシタ電流として検出するキャパシタ電流検出回路と、
    それらデューティ比制御部とキャパシタ電流検出回路とに接続され、前記電気二重層キャパシタの電圧を参照することなく、前記目標出力電圧の指令値を離散的に変更して前記デューティ比制御部に供給する指令値供給部と
    を含み、
    その指令値供給部は、各回の離散的変更に伴う前記キャパシタ電流の時間的変化の特性に基づき、そのキャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電圧の指令値を離散的に変更する充電装置。
  11. 前記指令値供給部は、各回の探索サイクルごとに、前記指令値を刻み幅だけ離散的に変更するサブサイクルを反復することにより、前記キャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電圧の最適値を探索的に決定し、
    前記サブサイクルの周期は、前記電気二重層キャパシタの蓄積エネルギーをE(Wh)、前記太陽電池の発電電力をP(W)、前記電気二重層キャパシタの充電電圧Vcをその充電電圧Vcの制御誤差ΔVcで割り算して取得される制御誤差率をγでそれぞれ表記する場合に、
    (E/P)・γ
    を用いて表される値を超えないように設定される請求項10に記載の充電装置。
  12. 前記指令値供給部は、各回の探索サイクルごとに、前記指令値を刻み幅だけ離散的に変更するサブサイクルを反復することにより、前記キャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電圧の最適値を探索的に決定し、
    その指令値供給部は、
    前記各回のサブサイクルにおいて、前回のサブサイクルにおける前記指令値の変更の特性と、前回のサブサイクルにおける前記キャパシタ電流の時間的変化の特性とに基づき、今回のサブサイクルにおいて前記キャパシタ電流の時間的変化の量が減少するように、今回のサブサイクルにおいて前記指令値を前回のサブサイクルから変更する変更方向と、今回のサブサイクルにおいて前記指令値を決定するために使用する前記刻み幅の大きさとを決定する第1決定部と、
    前記各回のサブサイクルにおいて、それら決定された変更方向と刻み幅の大きさとに基づき、前回のサブサイクルにおいて使用された前記指令値を離散的に変更し、それにより、今回のサブサイクルにおいて使用される前記指令値を決定する第2決定部と
    を含む請求項10または11に記載の充電装置。
  13. 発電電力が発電電圧および発電電流に関して極大点を有する太陽電池により、その太陽電池によって生成された電気エネルギーを蓄積するとともにその蓄積エネルギーの量に応じて電圧が変化する特性を有する電気二重層キャパシタを充電するために、それら太陽電池と電気二重層キャパシタとに接続されて使用される充電装置であって、
    少なくともスイッチを有し、そのスイッチの可変のデューティ比に応じて、前記太陽電池から前記電気二重層キャパシタに供給される電力を変換する降圧型のスイッチングレギュレータと、
    前記太陽電池から前記スイッチングレギュレータを経て前記電気二重層キャパシタに出力される電流の実際値を実出力電流として検出する出力電流検出回路と、
    前記太陽電池から前記スイッチングレギュレータを経て前記電気二重層キャパシタに出力される電圧の実際値を実出力電圧として検出する出力電圧検出回路と、
    それらスイッチングレギュレータと出力電流検出回路と出力電圧検出回路とに接続され、前記出力電流検出回路による実出力電流の検出値が目標出力電流の指令値に一致するように、前記デューティ比を制御する電流変更型制御と、前記出力電圧検出回路による実出力電圧の検出値が目標出力電圧の指令値に一致するように、前記デューティ比を制御する電圧変更型制御とを選択的に行うデューティ比制御部と、
    前記電気二重層キャパシタの電流をキャパシタ電流として検出するキャパシタ電流検出回路と、
    それらデューティ比制御部とキャパシタ電流検出回路とに接続され、(a)前記目標出力電流の指令値を離散的に変更することを反復し、各回の離散的変更に伴う前記キャパシタ電流の時間的変化の特性に基づき、そのキャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電流の指令値を決定し、その決定された指令値を前記デューティ比制御部に供給する電流変更型制御と、(b)前記目標出力電圧の指令値を離散的に変更することを反復し、各回の離散的変更に伴う前記キャパシタ電流の時間的変化の特性に基づき、そのキャパシタ電流が実質的に極大化するように前記目標出力電圧の指令値を決定し、その決定された指令値を前記デューティ比制御部に供給する電圧変更型制御とを選択的に行う指令値供給部と
    を含み、
    その指令値供給部は、前記実出力電圧が基準値より高い場合には、前記電流変更型制御を行う一方、前記実出力電圧が前記基準値より高くはない場合には、前記電圧変更型制御を行う充電装置。
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