JP2007134253A - 電子機器 - Google Patents

Abstract

【課題】タクトスイッチを用いるとともに高電圧回路が実装された装置における小型化実装と操作性の改良に関するもの。
【解決手段】 機器内部に比較的高電圧を取り扱う回路が実装された電子機器において、
前面には外部から操作可能なようにタクトスイッチが実装された基板が設けられ、
前記基板の背面には基板支持部材が設けられていることを特徴とするもの。
【選択図】 図１

Description

本発明は、電子機器に関し、詳しくは、タクトスイッチを用いるとともに高電圧回路が実装された装置における小型化実装と操作性の改良に関するものである。

タクトスイッチを用いた電子機器の一種に、パネルシート、前面フレーム、複数の導光穴が設けられたパネルカバー、複数の発光素子やタクトスイッチが実装された操作表示プリント基板などが、電子機器の前面部に積層固着されたものがある(特許文献１参照)。

図４は従来のこのような電子機器の一例を示す電力監視計の構成図であって、(ａ)は正面図、(ｂ)は部分断面平面図、(ｃ)は部分断面側面図である。この従来の装置を構成する操作表示プリント基板１０を機器の前面に取り付けるのにあたっては、(ｂ)、(ｃ)の断面部分に示すように、操作表示プリント基板１０の外周のみをラッチ２０を介して前面フレーム３０に固定することが行われていた。また、このような電力監視計では、機器内部には比較的高電圧を取り扱う電源基板や高電圧測定機能を備えた電力測定基板を実装しなければならない。

特開平９−１８０５８４

しかし、従来の構造では、操作表示プリント基板１０は外周部しか固定されていないことから、基板中央部に実装されているタクトスイッチを押した場合には操作表示プリント基板１０が撓んでタクトスイッチのクリック感が得られなくなり、タクトスイッチがオン状態になったかどうか分からなくなってしまうことがあるという問題がある。

また、このような従来の構造において、比較的高電圧を取り扱う回路が実装された基板と他の回路が実装された基板を組み込むのにあたり、ＩＥＣやＵＬ規格などで定められた離間距離を確保するために空間距離を可能な限り広くしたり、個別の絶縁部材を取り付けて実質的な沿面距離を得る工夫が施されていて、小型化は困難であった。

本発明は、このような従来の問題点に着目したものであり、その目的は、タクトスイッチを押した場合に安定したクリック感が得られ、確実なスイッチ操作が実現できる電子機器を提供することにある。

他の目的は、比較的高電圧を取り扱う回路が実装された基板と他の回路が実装された基板との沿面距離が、ＩＥＣやＵＬ規格などで定められている値を満たすように構成することにある。

このような課題を達成するために、請求項１の発明は、
機器内部に比較的高電圧を取り扱う回路が実装された電子機器において、
前面には外部から操作可能なようにタクトスイッチが実装された基板が設けられ、
前記基板の背面には基板支持部材が設けられていることを特徴とする。

請求項２の発明は、請求項１記載の電子機器において、
前記基板支持部材の一方の面には、タクトスイッチが実装された基板の位置決めを行うとともにタクトスイッチの押し込み操作に伴う基板の撓み変位を規制するリブを設けられていることを特徴とする。

請求項３の発明は、請求項２記載の電子機器において、
これら基板支持部材とリブは樹脂により一体成形されていることを特徴とする。

請求項４の発明は、請求項１記載の電子機器において、
前記基板支持部材の他方の面には、比較的高電圧を取り扱う回路が実装された複数の基板を所定の間隔で取り付けるための取り付け部材が設けられていることを特徴とする。

請求項５の発明は、請求項４記載の電子機器において、
これら基板支持部材と取り付け部材は樹脂により一体成形されていることを特徴とする。

請求項６の発明は、請求項１記載の電子機器において、
前記基板支持部材の他方の面には、比較的高電圧を取り扱う回路が実装された基板間を離間させるための隔壁が形成されていることを特徴とする。

請求項７の発明は、請求項６記載の電子機器において、
これら基板支持部材と隔壁は樹脂により一体成形されていることを特徴とする。

このように構成することにより、タクトスイッチを押した場合に基板の撓みは基板支持部材の一方の面に設けられたリブによって規制されるので、安定したクリック感が得られ、確実なスイッチ操作が行える。

また、基板支持部材および基板支持部材に形成された隔壁により、比較的高電圧を取り扱う回路が実装された基板と他の回路が実装された基板との空間距離および沿面距離を、ＩＥＣやＵＬ規格などで定められている値を満たすように構成することができ、装置の小型化を図ることができる。

また、基板支持部材とリブや基板の取り付け部材や隔壁を樹脂で一体成形することにより、部品点数および組み立て工数を大幅に削減でき、作業性の向上を図ることができる。

以下、本発明について、図面を用いて説明する。図１は本発明の要部の一実施例を示す斜視図、図２は収納関係を示す斜視図、図３は内器の構成図であって、電力監視計の例を示している。

これら図面において、プリント基板保持部材４０の一方の面４１には、操作表示プリント基板５０を固定するための複数の保持部材４２や、操作表示プリント基板５０に実装されている図示しない複数のタクトスイッチの背面に位置するように配置された複数のリブ４３などが設けられている。

これらのリブ４３は、操作表示プリント基板５０に実装されているタクトスイッチを押した場合に発生する操作表示プリント基板５０の撓みを一定の範囲に規制する。

また、これらのリブ４３は、プリント基板保持部材４０に操作表示プリント基板５０を取り付けるときのプリント基板保持部材４０と操作表示プリント基板５０との間隔を一定に保つスペーサとしても機能する。

プリント基板保持部材４０の他方の面には、プリント基板アセンブリ６０を保持するための保持部材４４、プリント基板アセンブリ６０を構成するプリント基板相互間の空間距離および沿面距離をＩＥＣやＵＬ規格などで規定されている条件を満たすように物理的に離間させるための隔壁４５、ケース７０の側面に設けられている係合部７１と嵌め合わせるための複数のラッチ４６などが設けられている。

これら基板支持部材４０と保持部材４２やリブ４３や基板の取り付け部材４４や隔壁４５やラッチ４６は、樹脂で一体成形することができる。

プリント基板アセンブリ６０は、電源基板６１、メイン基板６２、電力測定基板６３などで構成され、これら基板間はフラットケーブルなどで接続されている。メイン基板６２からは、少なくとも一方が着脱可能なフラットケーブル６４を経由して、操作表示プリント基板５０へ電力ならびに表示に必要な信号を供給している。このフラットケーブル６４は、プリント基板保持部材４０に設けられた穴４７を通ってメイン基板６２と操作表示プリント基板５０を接続している。

これら操作表示プリント基板５０およびプリント基板アセンブリ６０が取り付けられたプリント基板保持部材４０により、図３に示すように内器８０として構成される。このように構成される内器８０は、引き出し可能にケース７０に収納される。

内器８０が収納されたケース７０の開口部には、内器８０を構成する操作表示プリント基板５０に重ねるようにして、前面フレーム９０の内側にパネルカバー１００を嵌め合わせて前面フレーム６０の前面から接着剤を塗布してパネルシート１１０を貼り合わせることによりパネルシート１１０とパネルカバー１００とが固定された前面フレーム９０が、図示しない係合部材を介して取り付けられる。

このような構成において、操作表示プリント基板５０に実装されているタクトスイッチが押されても、プリント基板保持部材４０には各タクトスイッチの背面に位置するようにそれぞれリブ４３が設けられているので、操作表示プリント基板５０の撓みは規制され、操作表示プリント基板５０に従来のような大きな撓みを生じることはなく、操作者は安定したクリック感が得られ、確実なスイッチ操作感覚を得ることができる。

また、プリント基板保持部材４０およびプリント基板保持部材４０に設けられている隔壁４５により、ＩＥＣやＵＬ規格などで定められた離間距離を確保できる。

すなわち、本実施例のように表示用部品が実装された操作表示プリント基板５０と比較的高電圧を取り扱う電源基板６１、高電圧測定機能を備えた電力測定基板６３などが隣接している場合、ＩＥＣやＵＬ規格などで定められた離間距離を確保するためにはこれらプリント基板相互の間隔を相当広くしなければならず、装置の小型化は困難であった。

ところが、本発明におけるプリント基板保持部材４０は絶縁隔壁の役目を果たすことになる。仮に高電圧で空間やプリント基板保持部材４０の部品表面を電気が伝播しても、プリント基板保持部材４０の外周や穴４７を経由する経路しかないため、その伝播の過程で電気エネルギーは減衰し、操作表示プリント基板５０上の電気部品に悪影響を及ぼすことはなく、ＩＥＣやＵＬ規格などで定められた離間距離を確保しながら、電子機器の小型化を図ることができる。

また、上記実施例では、メイン基板６２と操作表示プリント基板５０とをフラットケーブル６４を介して接続する例を示したが、コネクタ接続としてもよい。

以上説明したように、本発明によれば、タクトスイッチを押した場合に安定したクリック感が得られ確実なスイッチ操作が実現できるとともに、比較的高電圧を取り扱う回路が実装された基板と他の回路が実装された基板との沿面距離がＩＥＣやＵＬ規格などで定められている値を満たすように構成された、小型で操作性の優れた電子機器を実現できる。

本発明の要部の一実施例を示す斜視図である。 収納関係を示す斜視図である。 内器の構成図である。 従来のこのような電子機器の一例を示す電力監視計の構成図である。

符号の説明

４０ プリント基板保持部材
５０ 操作表示プリント基板
６０ プリント基板アセンブリ
７０ ケース
８０ 内器

Claims (7)

1. 機器内部に比較的高電圧を取り扱う回路が実装された電子機器において、
   前面には外部から操作可能なようにタクトスイッチが実装された基板が設けられ、
   前記基板の背面には基板支持部材が設けられていることを特徴とする電子機器。
2. 前記基板支持部材の一方の面には、タクトスイッチが実装された基板の位置決めを行うとともにタクトスイッチの押し込み操作に伴う基板の撓み変位を規制するリブを設けられていることを特徴とする請求項１記載の電子機器。
3. これら基板支持部材とリブは樹脂により一体成形されていることを特徴とする請求項２記載の電子機器。
4. 前記基板支持部材の他方の面には、比較的高電圧を取り扱う回路が実装された複数の基板を所定の間隔で取り付けるための取り付け部材が設けられていることを特徴とする請求項１記載の電子機器。
5. これら基板支持部材と取り付け部材は樹脂により一体成形されていることを特徴とする請求項４記載の電子機器。
6. 前記基板支持部材の他方の面には、比較的高電圧を取り扱う回路が実装された基板間を離間させるための隔壁が形成されていることを特徴とする請求項１記載の電子機器。
7. これら基板支持部材と隔壁は樹脂により一体成形されていることを特徴とする請求項６記載の電子機器。
   
   

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