JP2007132184A - 下水道施設の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 重曹を原料とするブラスト材を採用することで、回収および処理の手間やコストを削減でき、且つ下水道施設特有の硫酸の発生による酸性化を抑制できる極めて経済的で、利便性と実用性に秀れた下水道施設の洗浄方法を提供することが目的である。
【解決手段】 下水道施設におけるコンクリート部位の洗浄方法であって、重曹を主材とするブラスト材1を前記コンクリート部位の硫酸によって腐食が生じた腐食劣化部に高圧噴射して該腐食劣化部の除去,剥離若しくは洗浄を行う方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】 下水道施設におけるコンクリート部位の洗浄方法であって、重曹を主材とするブラスト材1を前記コンクリート部位の硫酸によって腐食が生じた腐食劣化部に高圧噴射して該腐食劣化部の除去,剥離若しくは洗浄を行う方法である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、下水道施設の洗浄方法に関わるものである。
下水道施設、例えば、コンクリート製の管きょは、下水中あるいは汚泥中の硫酸イオンから始まる硫酸塩還元細菌と硫黄酸化細菌の活動により硫黄循環が生じ、硫化水素から生成する硫酸による気相部でのコンクリートの腐食が発生する。このような硫酸によるコンクリートの腐食は管きょの破損の原因となっており、また、管きょの破損により、道路の陥没事故や下水の漏水による地下水や土壌汚染が生じる。従って、管きょの腐食防止は重要な課題である。
そこで、防食工事や管きょ更正工事等により管きょの補修や改築が行われるが、このような処置を施す前に、管きょの表面の洗浄や硫酸による腐食劣化部の除去作業が行われ、従来からこのような作業にサンドブラスト工法が用いられてきた。
このサンドブラスト工法はブラスト材を圧縮空気若しくは高圧水と混合して噴射し、腐食劣化部の除去,剥離若しくは洗浄を行うものである。
ところで、これまではブラスト材として、腐食劣化部の除去,剥離若しくは洗浄を物理的に行える点で秀れた硬度の高い珪砂が広く用いられてきた。
しかしながら、現在、珪砂は産業廃棄物として回収する義務が生じたため、回収および処理に多大なコストや手間が掛かるという問題とともに、珪砂は、下水道施設特有の硫酸等の発生による酸性化を抑制できないといった問題もあった。一方、ブラスト材として重曹を用いることが知られているが(特許文献1)、下水道施設の硫酸による腐食劣化部の除去に適用した例は知られていなかった。
本発明は、重曹を原料とするブラスト材を採用することで、回収および処理の手間やコストを削減でき、且つ下水道施設特有の硫酸の発生による酸性化を抑制できる極めて経済的で、利便性と実用性に秀れた下水道施設の洗浄方法を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
下水道施設におけるコンクリート部位の洗浄方法であって、重曹を主材とするブラスト材1を前記コンクリート部位の硫酸によって腐食が生じた腐食劣化部に高圧噴射して該腐食劣化部の除去,剥離若しくは洗浄を行うことを特徴とする下水道施設の洗浄方法に係るものである。
また、請求項1記載の下水道施設の洗浄方法において、腐食劣化部はコンクリート製の管きょ、コンクリート製の人孔、ポンプ場におけるコンクリート部位、下水処理場におけるコンクリート部位等における腐食劣化部であることを特徴とする下水道施設の洗浄方法に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載の下水道施設の洗浄方法において、ブラスト材1は、質量基準の平均粒子径が0.1〜5.0mmの範囲であることを特徴とする下水道施設の洗浄方法に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の下水道施設の洗浄方法において、ブラスト材1の吹き付けは、移動可能なノズル3により行われることを特徴とする下水道施設の洗浄方法に係るものである。
好適と考える本発明の実施の形態を、その作用効果を示して簡単に説明する。
本発明は、重曹を主材とするブラスト材1を下水道施設のコンクリート部位の腐食劣化部に高圧噴射して該腐食劣化部の除去,剥離若しくは洗浄を行うものである。
本発明は、下水道施設の腐食劣化部に高圧噴射するブラスト材1として、水溶性で且つ水に溶解した際に弱アルカリ性となる重曹を主材としたブラスト材1を採用しているため、珪砂を用いる従来の場合のような問題点は確実に解消されることとなる。
具体的には、従来のように珪砂をブラスト材1の主材とした場合、珪砂は水に溶解せず、洗浄の対象とした下水道施設内において、珪砂の滞留による堆積を引き起こし重大なトラブルをもたらす可能性が非常に高いため、使用済みの珪砂を産業廃棄物として回収・処理する必要があり、そのために多大なコストや手間が必要となる欠点がある。
また、珪砂と水の分散液は、弱酸性若しくは中性であるので、下水道施設特有の酸性化を中和により緩和することができない問題もある。
この点、本発明のブラスト材1の主材として使用する重曹は、従来より食品添加物や医薬品、飼料として用いられ、安全性が確認されたものであり、洗浄力が高く、且つ水溶性で、洗浄対象の下水道施設内において、滞留による堆積の要因とならない。さらに、本発明に係る重曹は、環境負荷が低いため、その水溶液を海、河川、湖水閉鎖領域に放流可能である。
従って、本発明に係る重曹を主材としたブラスト材1は、使用後に回収・処理を行う必要がないので、利便性と経済性に秀れたものとなる。
また、重曹と水との水溶液は、弱アルカリ性であるので、下水道施設特有の酸性化を中和により緩和することができることになる。
以上、本発明は、極めて実用性に秀れた下水道施設の洗浄方法となる。
図1,2は本発明の実施例1を図示したものであり、以下に説明する。
本実施例は、下水道施設のコンクリート部位、例えば、コンクリート製の管きょ2の硫酸による腐食劣化部の除去,剥離若しくは洗浄を行う場合であって、具体的には重曹を原料とするブラスト材1をノズル3を用いて、該腐食劣化部に高圧噴射吹き付けする場合である。
尚、下水道施設内では、下水中あるは汚泥中の硫酸イオンから始まる硫酸塩還元細菌と硫黄酸化細菌の活動が卓越した硫黄循環が生じ、硫化水素から生成する硫酸により気相部でのコンクリートの腐食が発生する。
ノズル3は移動可能な円筒状の移動体5に設けられ、ホース4を介してブラスト材1を高圧供給する供給源(図面省略)と連設されている。
前記移動体5の側部には支持部7が設けられ、該支持部7の先端には車輪6が設けられている。前記移動体5のノズル3とホース4は、前記支持部7と前記車輪6とにより、常に管きょ2の中心に配設され、且つこの移動体5は該支持部7及び車輪6により前後方向へ移動自在に構成されている。
また、前記支持部7は、様々な管径の管きょ2で使用できるように、脱着若しくは伸縮可能に構成されている。具体的には、管径150mm以上の管きょ2であれば、前記支持部7を適宜脱着若しくは伸縮させることで、前記移動体5の使用が可能である。また、前記移動体5の全長は、管径600mmの人孔から管きょ2に挿入しやすくするために、約500mm〜1000mmとしている。
前記移動体5は、該移動体5の先端部分にワイヤ8を連設し、該ワイヤ8をウインチで引っ張ることで移動させる。このため、自走式ロボット(オート装置)のように故障等により途中停止することがない。また、前記移動体5が管きょ2内で故障しても、前記ワイヤ8若しくはホース4を引くことにより、前方若しくは後方へ前記移動体5を移動させることができ、よって、どちらの方向からも前記移動体5の回収が可能である。
尚、前記移動体5を人孔に用いる場合には、地上部から吊り下げるようにして作業を行う。
ブラスト材1の噴射について説明する。
ブラスト材1は、ノズル3から放射方向にして管きょ2の内面全周に吹き付けられるように噴射され、該ノズル3が移動体5により管きょ2の長さ方向に移動することで、該管きょ2は腐食劣化部が除去,剥離若しくは洗浄される。
前記ブラスト材1の供給は、圧縮空気と混合して供給される場合、タンクに貯蔵されたブラスト材1をコンプレッサーで圧縮した空気と混合させ、0.8〜数MPa以下の圧力で供給される。
また、高圧水と混合して供給される場合、タンクに貯蔵されたブラスト材1を高圧洗浄装置から噴出する高圧水と混合させ、400MPa以下の圧力で供給される。
また、噴射したブラスト材1の飛散や粉塵が問題となる場合や、ブラスト材1の噴射によるはつりガラ等を下流側へ押し流す必要がある場合には、前記移動体5から水9が噴射されるような構成としても良い。この場合、この水9の圧力を利用して、前記移動体5を移動させることも可能となる(自走式の移動体5)。
前記ブラスト材1を貯蔵するタンク等の設備や供給機器等の供給源は、管きょ2の外部に設けられることが一般的であるので、前記移動体5を用いて管きょ2内の噴射作業を長距離にわたって行うと、前記移動体5が前記供給源から遠く離れることになり、ノズル3からブラスト材1が噴出する噴出圧が低下し、洗浄やはつりの効果が低下する。そこで、移動体5にブラスト材1の供給部を内蔵あるいは接続するように構成すると、前記ブラスト材1の搬送距離が縮まり、ノズル3からの噴出圧の低下を防止できる。
次に、本実施例のブラスト材1について説明する。
ブラスト材1は、安全性に秀れ、環境負荷が低く、水溶性で環境中に放流可能で、水に溶解して弱アルカリ性となり、静菌作用や消臭作用を有する重曹を主材としている。
前記重曹を主材とするブラスト材1は、実験の結果、質量基準の平均粒子径が0.1〜5.0mmの範囲のものが採用される。前記平均粒子径が0.1mm以下の場合、細かすぎて十分なブラスト効果が得られないので適当でなく、5.0mm以上の場合、ブラスト材1の搬送に多大な動力が必要となると共に、ノズル3を閉塞させるおそれがあることや、洗浄のための設備が大きくなりうることから適当ではない。
この平均粒子径は、JIS標準篩を使用した自動測定装置SEISHIN−ROBOTSIFTER−RPS−95(株式会社セイシン企業)により測定された値で、質量基準の粒子径分布測定における平均粒子径である。
次に、本実施例のコンクリート部位について説明する。
本実施例のコンクリート部位は、硫酸によってコンクリート腐食が生じる鉄筋コンクリート製の管きょ2若しくは人孔や、ポンプ場、処理場等のコンクリート部位である。
本実施例は上記の構成としたから以下の作用効果を得る。
移動可能な円筒状の移動体5を用いることにより、管きょ2等の内面にブラスト材1をムラなく噴射できることとなる。従って、前記管きょ2等の腐食劣化部の除去,剥離若しくは洗浄が良好に出来、健全なコンクリートを露出させることが可能となる。
また、重曹粒子を用いた物理的洗浄効果により、それほど高い圧力で噴出させなくても効果的に洗浄が行え、比較的安全な噴射圧力で作業を行うことが可能で、水溶性且つ環境負荷が低く使用後に回収・処理の必要がないため利便性と経済性に優れたものとなる。
更に、重曹により下水道施設特有の酸性化が中和でき、細菌や悪臭により作業環境の悪い下水道施設内の静菌や消臭効果も発揮でき、作業環境が向上する。
次に、実施例1の効果確認の実験例を示す。
下水道施設の腐食劣化したコンクリートの圧縮強度を想定し、7N、15Nの試験片(49×49cm)を製作した。この試験片に対し、ブラスト材1として平均粒子径250μmの重曹を、ブラスト材噴射機であるエコシャワーSB400(株式会社エコグローバル研究所)を使用し、ブラストメディアの搬送媒体として0.5MPa、0.7MPaの圧縮空気を使用し、2.5Kg/minの噴射量で噴射した結果を表1に示す。
この結果より、下水道施設のコンクリート腐食劣化部において、コンクリート表面を削剥させることが可能であることが確認できた。また、7N、15Nの試験片(49×49cm)に対し、夫々0.5MPa、0.7MPaの圧縮空気のみを噴射した場合、コンクリート表面を削剥することはできないことも確認した。
1 ブラスト材
2 管きょ
3 ノズル
2 管きょ
3 ノズル
Claims (4)
- 下水道施設におけるコンクリート部位の洗浄方法であって、重曹を主材とするブラスト材を前記コンクリート部位の硫酸によって腐食が生じた腐食劣化部に高圧噴射して該腐食劣化部の除去,剥離若しくは洗浄を行うことを特徴とする下水道施設の洗浄方法。
- 請求項1記載の下水道施設の洗浄方法において、腐食劣化部はコンクリート製の管きょ、コンクリート製の人孔、ポンプ場におけるコンクリート部位、下水処理場におけるコンクリート部位等における腐食劣化部であることを特徴とする下水道施設の洗浄方法。
- 請求項1,2いずれか1項に記載の下水道施設の洗浄方法において、ブラスト材は、質量基準の平均粒子径が0.1〜5.0mmの範囲であることを特徴とする下水道施設の洗浄方法。
- 請求項1〜3いずれか1項に記載の下水道施設の洗浄方法において、ブラスト材の吹き付けは、移動可能なノズルにより行われることを特徴とする下水道施設の洗浄方法。
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JP2006352079A JP2007132184A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | 下水道施設の洗浄方法 |
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JP2012021667A (ja) * | 2010-07-12 | 2012-02-02 | Fuji Seisakusho:Kk | 砲身クリーニング方法及び砲身クリーニング装置 |
JP2013027969A (ja) * | 2011-07-28 | 2013-02-07 | Showa Denko Gas Products Co Ltd | 粒子ブラスト装置 |
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2006
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