JP2007131115A - 車両の燃料電池用防振マウント - Google Patents
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Abstract
【課題】上下方向及び水平方向に大きな振動入力が作用する車両の燃料電池用防振マウントにおいて、かかる振動入力に耐えて防振機能を発揮することができる構造を提供する。
【解決手段】燃料電池スタック1に取り付けられる上側取付部材12と、車体側のスタック受け面3に取り付けられる下側取付部材14と、両取付部材間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体16とを備える防振マウント10であって、上側取付部材12に下方に突出する軸部18を設けるとともに、下側取付部材14に軸部18を上方から受け入れる開口部26を設けて、軸部の外周面18aと開口部の内周面26aとの間に防振基体の第1弾性部30を介設し、上側取付部材12に軸部の外周面から軸直角方向に突出するフランジ部20を設けて、該フランジ部とこれに対向する下側取付部材14の開口部周りの上面26bとの間に防振基体の第2弾性部32を介設する。
【選択図】 図3
【解決手段】燃料電池スタック1に取り付けられる上側取付部材12と、車体側のスタック受け面3に取り付けられる下側取付部材14と、両取付部材間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体16とを備える防振マウント10であって、上側取付部材12に下方に突出する軸部18を設けるとともに、下側取付部材14に軸部18を上方から受け入れる開口部26を設けて、軸部の外周面18aと開口部の内周面26aとの間に防振基体の第1弾性部30を介設し、上側取付部材12に軸部の外周面から軸直角方向に突出するフランジ部20を設けて、該フランジ部とこれに対向する下側取付部材14の開口部周りの上面26bとの間に防振基体の第2弾性部32を介設する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、車両用燃料電池を支持するために用いられる燃料電池用防振マウントに関するものである。
近年、燃料電池を搭載した自動車の開発が進められており、燃料電池を車体に支持するためのマウント構造についても種々提案がなされている(下記特許文献1,2参照)。
一般に、燃料電池は、アノード、カソード及び電解質膜からなる単位セルをセパレータを介して複数組積層することにより燃料電池スタックとして構成されている。かかる燃料電池を防振マウントを介して車体に取り付けた場合、防振マウントには、車両の上下方向とこれに直交する水平方向に大きな振動入力が作用する。
そのため、車両に用いる燃料電池用防振マウントにおいては、このような大きな振動入力に耐える構造が要求される。
特開2001−30771号公報
特開2004−247139号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、上下方向及び水平方向に大きな振動入力が作用する車両の燃料電池用防振マウントにおいて、かかる振動入力に耐えて防振機能を発揮することができるものを提供することを目的とする。
本発明に係る車両の燃料電池用防振マウントは、燃料電池側に取り付けられる上側取付部材と、車体側に取り付けられる下側取付部材と、前記上側取付部材と下側取付部材の間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体とを備えてなり、前記上側取付部材が下方に突出する軸部を有し、前記下側取付部材が前記軸部を上方から受け入れる開口部を有して、前記軸部の外周面と前記開口部の内周面との間に前記防振基体の第1弾性部が介設され、前記上側取付部材が前記軸部の外周面から軸直角方向に突出するフランジ部を有して、該フランジ部とこれに対向する前記下側取付部材の前記開口部周りの上面との間に前記防振基体の第2弾性部が介設されたものである。
本発明の防振マウントであると、上側取付部材の軸部と下側取付部材の開口部との間に介設された防振基体の第1弾性部により、車両の左右方向や前後方向等の水平方向における高いばね特性が発揮される。また、上側取付部材のフランジ部とこれに対向する下側取付部材の開口部周りの上面との間に介設された防振基体の第2弾性部により、車両の上下方向における高いばね特性が発揮される。そのため、車両の上下方向及び水平方向に作用する大きな振動入力に耐えることができ、車両の燃料電池用防振マウントとして優れた防振支持機能を発揮することができる。
以下に本発明の実施形態に係る防振マウントを図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る防振マウント10の平面図、図2はその側面図、図3及び図4はその縦断面図である。
この防振マウント10は、燃料電池自動車において燃料電池スタックを車体に対して取り付け、支持するための防振装置であり、図5,6に示すように、直方体状をなす燃料電池スタック1の下面の複数箇所に配設されて、燃料電池スタック1を防振的に支承するものである。詳細には、燃料電池スタック1の車両前端部において車両左右方向の中央部に1つと、燃料電池スタック1の車両後端部において車両左右方向の両端部に各1つの、合計3つの防振マウント10で燃料電池スタック1を支持するように構成されている。
燃料電池スタック1の構造については図示していないが、アノード、カソード及び電解質膜からなる単位セルをセパレータを介して複数組積層してなる固体高分子電解質型の燃料電池など公知の各種燃料電池を用いることができる。
図3に示すように、防振マウント10は、燃料電池スタック1の下面2に取り付けられる金属等の剛性材料からなる上側取付部材12と、車体側のスタック受け面3に取り付けられる金属等の剛性材料からなる下側取付部材14と、これら上側取付部材12と下側取付部材14の間に介設されて両者を弾性的に連結するゴム状弾性体からなる防振基体16とを備えてなる。
上側取付部材12は、軸方向を上下方向に向けて下方に突出する軸部18と、該軸部18の上端部外周面から軸直角方向(即ち、軸方向に垂直な方向)の外方に突出するフランジ部20と、該フランジ部20の上面から突出する取付部としてのボルト22とを備えて構成されている。
軸部18は、この実施形態では、中空部24を備える円筒状をなして形成されている。また、フランジ部20は、図1,2に示すように、前後方向よりも左右方向が長く設定された平板状をなしており、その下面から上記軸部18が下方に延設され、上面が燃料電池スタック1の下面に当接固定されるように構成されている(図3参照)。また、ボルト22は、燃料電池スタック1の下面に設けられたボルト穴4に螺合することで燃料電池スタック1に締結固定されるものであり、軸部18と同軸に上方に突設されている。
下側取付部材14は、上側取付部材12の軸部18を上方から受け入れる開口部26を備える比較的厚肉の板状部材であり、図1に示すように、車両左右方向に細長い長方形状をなしている。そして、左右方向の中央部に円形の上記開口部26が設けられるとともに、左右方向の両端部に下方に突出する取付部としてのボルト28がそれぞれ設けられ、このボルト28によりスタック受け面3に締結固定されるよう構成されている(図3参照)。
防振基体16は、図3,4に示すように、上側取付部材12の軸部18の外周を取り囲む筒状の第1弾性部30と、その上端部から外向きに延設されて上側取付部材12のフランジ部20の下面に配されたリング板状の第2弾性部32とで構成されている。
詳細には、第1弾性部30は、上側取付部材12の軸部18の外周面18aと、その外周を所定の間隙をおいて取り囲む下側取付部材14の開口部26の内周面26aとの間に介設されている。また、第2弾性部32は、上側取付部材12のフランジ部20の下面と、これに軸方向に対向配置された下側取付部材14の開口部26周りの上面26bとの間に介設されている。そして、第1弾性部30と第2弾性部32は一体に連続して形成されている。なお、第2弾性部32を形成するために、上側取付部材12のフランジ部20は、下側取付部材14の開口部26を越えてその外方に延設されている。また、防振基体16は、燃料電池スタック1と車体側のスタック受け面3との間を絶縁するために、電気絶縁性のゴム状弾性体により形成されることが好ましい。
この実施形態では、製造性を考慮して、上側取付部材12と下側取付部材14と防振基体16が次のようにして結合されている。
すなわち、図3,4に示すように、下側取付部材14の開口部26に圧入される筒状部材34が設けられ、この筒状部材34と上側取付部材12とが防振基体16の加硫成形により一体に結合されている。筒状部材34は、上側取付部材12の軸部18を取り囲む円筒状をなし、その上端部に外向きのフランジ36を備えている。そして、筒状部材34の内周面と軸部18の外周面とに防振基体16の第1弾性部30が加硫接着され、筒状部材34のフランジ36の上面と上側取付部材12のフランジ部20の下面とに防振基体16の第2弾性部32が加硫接着されている。
このようにして一体に成形された上側取付部材12と防振基体16と筒状部材34とからなる部材を、下側取付部材14の開口部26に上方から圧入して固定することで、防振マウント10が形成されている。なお、開口部26の上側の開口周縁部26cはテーパ面状に面取りされており、上記部材を圧入しやすくしている。
以上よりなる本実施形態の燃料電池用防振マウント10であると、上側取付部材12の軸部18と下側取付部材14の開口部26との間に介設された防振基体16の第1弾性部30により、左右方向や前後方向等の水平方向における高いばね特性が発揮される。すなわち、車両水平方向において高い静ばね定数が得られる。
また、上側取付部材12のフランジ部20と下側取付部材14の開口部周りの上面26bとの間に介設された防振基体16の第2弾性部32により、上下方向における高いばね特性が発揮される。すなわち、車両上下方向において高い静ばね定数が得られる。
そのため、一般の防振マウントと比較して上下方向及び左右方向に非常に高いばね特性が要求される燃料電池用防振マウントにおいて、これらのばね特性を満足することができ、上下方向及び左右方向に作用する大きな振動入力に耐えることができる。
なお、上下方向における静ばね定数(Z)と左右方向における静ばね定数(Y)の比は、Z:Y=1:1.2程度であることが好ましく、即ち、左右方向のばね定数の方が上下方向のばね定数よりも高いことが好ましい。そのため、上記のように軸部18を上下方向に配置してその周りの開口部26との間に第1弾性部30を介設させる構造を基本として、これにより左右方向での高いばね定数を得ている。その一方で、上下方向のばね定数も高めるためにフランジ状の第2弾性部32を設けている。
以上のように、本発明の防振マウントであると、上下方向及び水平方向に作用する大きな振動入力に対して耐えることができるので、燃料電池自動車などの車両において燃料電池を支持するための防振マウントとして利用することができる。
10…防振マウント、12…上側取付部材、14…下側取付部材、16…防振基体、18…軸部、18a…軸部の外周面、20…フランジ部、26…開口部、26a…開口部の内周面、26b…開口部周りの上面、30…第1弾性部、32…第2弾性部、1…燃料電池スタック、3…スタック受け面(車体側)
Claims (1)
- 燃料電池側に取り付けられる上側取付部材と、車体側に取り付けられる下側取付部材と、前記上側取付部材と下側取付部材の間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体とを備えてなり、
前記上側取付部材が下方に突出する軸部を有し、前記下側取付部材が前記軸部を上方から受け入れる開口部を有して、前記軸部の外周面と前記開口部の内周面との間に前記防振基体の第1弾性部が介設され、
前記上側取付部材が前記軸部の外周面から軸直角方向に突出するフランジ部を有して、該フランジ部とこれに対向する前記下側取付部材の前記開口部周りの上面との間に前記防振基体の第2弾性部が介設された
ことを特徴とする車両の燃料電池用防振マウント。
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JP2005325179A JP2007131115A (ja) | 2005-11-09 | 2005-11-09 | 車両の燃料電池用防振マウント |
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Publications (1)
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ID=38153130
Family Applications (1)
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---|---|---|---|---|
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2005
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