JP2007130830A - スキン層を有する発泡成形体の製造方法および成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】
スキン層を有する発泡性形態の製造方法であるセルカ法は、溶融樹脂が発泡ガスの圧力で滑りサイジングダイの表面に強く押しつけられるため、滑りサイジングダイ内でのすべり抵抗が大きく、引き取りに樹脂溶融体が追従できず変形や破断が発生してしまい、エラストマーなど固体状態での剛性の低い樹脂や、フィラーの高充填された樹脂などはセルカ法により発泡成形体を成形できないという問題があった。本発明では、従来のセルカ法では成形できなかった軟質樹脂、フィラー高充填樹脂、高発泡率を有する樹脂などについて、スキン層を有する発泡成形体を押出し法による連続成形により製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
熱可塑性樹脂溶融体を滑りサイジングダイを通過させる際にシート状基材を熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイの間に通過させることを特徴とする。
【選択図】図2
スキン層を有する発泡性形態の製造方法であるセルカ法は、溶融樹脂が発泡ガスの圧力で滑りサイジングダイの表面に強く押しつけられるため、滑りサイジングダイ内でのすべり抵抗が大きく、引き取りに樹脂溶融体が追従できず変形や破断が発生してしまい、エラストマーなど固体状態での剛性の低い樹脂や、フィラーの高充填された樹脂などはセルカ法により発泡成形体を成形できないという問題があった。本発明では、従来のセルカ法では成形できなかった軟質樹脂、フィラー高充填樹脂、高発泡率を有する樹脂などについて、スキン層を有する発泡成形体を押出し法による連続成形により製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
熱可塑性樹脂溶融体を滑りサイジングダイを通過させる際にシート状基材を熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイの間に通過させることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は連続成形可能な押出法によるスキン層を有する発泡成形体の製造方法および成形体に関するものである。
従来、建材、産業資材等の分野に用いられる発泡成形体は表面まで発泡していることが原因で表面硬度や平滑性などがでないという問題や、伸長粘度のひずみ速度硬化性による高溶融張力を有するなど発泡に適した樹脂や条件でしか成形できない問題があった。そこで成形体表面が発泡せずに平滑であるスキン層と呼ばれる層を表面に有する発泡シートが提案されている。
スキン層を有する発泡成形体の製造方法のうち連続成形可能な押出法による製造方法として、セルカ法が知られている(例えば、特許文献1)。図3に従来のスキン層を有する発泡成形体の製造方法であるセルカ法の概略図について示した。セルカ法では、発泡剤を適宜分散させた熱可塑性樹脂溶融体1が金型2から押し出された後、直ちに下流の滑りサイジングダイ3に入る。滑りサイジングダイ3に通された熱可塑性樹脂溶融体は、滑りサイジングダイと接触しているために表面から冷却され、発泡する前に固化される。したがって、熱可塑性樹脂溶融体の内部のみが発泡することになり、平滑なスキン層11を表面に有し、内部が発泡層である発泡成形体を得ることができる。
特開2001−301007
セルカ法はスキン層を有する発泡成形体の製造方法として非常に有用であるが、溶融樹脂が発泡ガスの圧力で滑りサイジングダイの表面に強く押しつけられるため、滑りサイジングダイ内でのすべり抵抗が大きく、滑りサイジングダイ内の特に入り口付近におけるスキン層の剛性や溶融樹脂の溶融張力が低い場合には引き取りに樹脂溶融体が追従できず変形や破断が発生してしまう。したがって、エラストマーなど固体状態での剛性の低い樹脂や、フィラーの高充填された樹脂などはセルか法により発泡成形体を成形できないという問題があった。また、高い発泡倍率の発泡成形体を得ようとした場合においても、滑りサイジングダイ内で樹脂が引張抵抗に負けて破断が発生してしまい、成形できないという問題があった。
本発明では、従来のセルカ法では成形できなかった軟質樹脂、フィラー高充填樹脂、高発泡率を有する樹脂などについて、スキン層を有する発泡成形体を押出し法による連続成形により製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に係る発明としては、金型より押し出された発泡剤が分散された熱可塑性樹脂溶融体を滑りサイジングダイを通過させることにより成形する、スキン層を有する発泡成形体の製造方法であって、熱可塑性樹脂溶融体を滑りサイジングダイを通過させる際にシート状基材を熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイの間に通過させることを特徴とする発泡成形体の製造方法とした。
請求項2に係る発明としては、該シート状基材が金属箔であることを特徴とする発泡成形体の製造方法とした。
請求項3に係る発明としては、請求項1または請求項2記載の発泡成形体の製造方法を用いて、熱可塑性樹脂溶融体を発泡、成形したことを特徴とする発泡成形体とした。
本発明において、熱可塑性樹脂溶融体を滑りサイジングダイを通過させる際にシート状の基材を熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイの間に通過させることにより、熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイの滑り抵抗を軽減するとともに、引き取り時に樹脂全体に強度を持たせることで様々な成形に対応できるようになった。金型から押し出された発泡剤を適宜分散させた熱可塑性樹脂溶融体の表面を速やかに冷却することでスキン層を形成でき、かつ、シート状基材によって樹脂の破断や変形といったこれまで成形できなかった要因も排除できるため、これまで連続成形可能な押出手法によって成形できなかった軟質材料やフィラー高充填材料についても容易に発泡成形体を製造することが可能となった。また、高発泡倍率の発泡成形品についても、熱可塑性樹脂溶融体の破断や変形の発生が無く、製造することが可能となった。
また、シート状基材を金属箔とすることにより、滑りサイジングダイ中での熱可塑性樹脂溶融体の冷却を急速に行うことが可能となり、良好なスキン層を有する発泡成形体を得ることができた。
本発明による発泡成形方法は連続成形可能な押出手法による成形方法で、滑りサイジングダイの使用が可能であればどのような方法でもかまわない。たとえば、Tダイを用いた発泡シート成形や異形成形への応用が想定される。
本発明の発泡成形体の製造方法の概略図について図1に示した。なお、本発明の図面において、熱可塑性樹脂溶融体、発泡成形体はともに符号1で表すものとする。熱可塑性樹脂溶融体1は金型2より押し出された後、滑りサイジングダイにシート状基材とともに通過される。
金型2としては、熱可塑性樹脂溶融体を連続して押出す機構を有していればよく、Tダイや異形成形用ダイなどが挙げられる。金型2は滑りサイジングダイ3と距離が近く、且つ位置決めも重要であるため接触面を設けることが多く、断熱が重要になると同時に、必要に応じてヒータの他にオイル循環など既存の手法を用いて金型の温度を保つことが望ましい。
一方滑りサイジングダイ3についても既存の設計方法が用いられる。一般的には、真鍮やアルミニウムなど熱伝導率の高い材質を用い、かつ水などの冷媒を循環させるための流路が設けられる。この流路は樹脂の流面から近い位置に、冷却効果を高めるために乱流になるようレイノルズ数等によって適宜寸法を調整して設けられる。また、滑りサイジングダイ3を水中に配置することも可能で、この際は滑りサイジングダイ3内に入ってくる水を吸い出すためのバキュームスリットなどを設けることもできる。
滑りサイジングダイ3の長さについては、目的のスキン層の形成については比較的短い長さで目的を達成できる。これに加えて、続く冷却方法がチルロールを用いた場合など、発泡圧力で形状が変化してしまう冷却方法である場合は発泡圧力によって形状が変化することがないよう十分な長さが必要となる。
金型2から押し出された熱可塑性樹脂溶融体1は発泡ガスによる発泡が収まるまで充分な圧力をかけながら目的の形状に冷却していくことが望ましい。冷却方法はダイ出口の最初の冷却を除けば、滑りサイジングダイ、チルロール、金属ベルトを用いた冷却などのいずれも選択が可能であるが、金型より押出して最初の冷却は滑りサイジングダイ3を用いる必要がある。これはチルロール方式や金属ベルト方式の場合、発泡圧力に打ち勝つためにはどうしてもロール径が大きくなり、エアギャップが大きくなることで、表面の発泡が進み、良好なスキン層が得られなくなってしまうからである。
また、金型の樹脂出口形状も押出樹脂の溶融物性にあわせて任意に設計できる。セルカ法で多く用いられる中空形状や、ストランド状で押し出す方法などが良好なスキン層を持つ発泡成形体ができる傾向がある。Tダイを用いたシート成形ではダイ出口までトーピードを設けて2層で押し出し、サイジングの中で合流させる方法で2mmから10mm程度のシートまで成形できる。図2では、金型出口にトーピード5を設けている。また3mm以下のシート成形ではトーピードを用いずに1層で押し出しした際にも、両面にスキン層を形成することが可能である。
滑りサイジングダイの入り口の開口部は最終製品形状もしくはこれより若干大きく取り、さらにダイの樹脂出口の外周よりも若干大きいことが望ましい。ダイの樹脂出口の外周より小さいとスムーズに樹脂が滑りサイジングダイに入らず引き取りの抵抗が大きくなったり、安定して樹脂が滑りサイジングダイに入っていかなかったりするといった問題が発生する。また、滑りサイジングダイの入り口が大きすぎると良好なスキン層が形成されないといった問題が発生する。また、金型と滑りサイジングダイの開口部の大きさや配置を適宜調節して所謂パーシャルセルカ法の手法を用いて、発泡成形体の一部のみにスキン層を設けることも可能である。
金型2と滑りサイジングダイ3の間隔については成形条件によって適正範囲が異なる。重要なのは表面層が発泡する前にスキン層を形成することであり、これは成形速度によってダイと滑りサイジングダイの隙間の許容範囲が変わることを意味している。金型を出てから樹脂が滑りサイジングダイに入るまでの時間は0.5秒以内、より好ましくは0.1秒以内に設計することが重要である。これ以上の時間が経過すると表面層が発泡してしまい、良好なスキン層が形成されなくなってしまう。
また、滑りサイジングダイには抵抗がかかるため、滑りサイジング自体が下流方向に移動する可能性がある。このようなことを防ぐために、滑りサイジングダイは圧力に充分耐える強度で機械的に保持される必要がある。
滑りサイジングダイ内では発泡ガスによる圧力で比較的大きな引き取り抵抗がかかるため、滑りサイジングダイの後に引き取り機構が必要であり、ニップロール4が設けられる。Tダイによるシート成形であれば、駆動式のニップロールでもかまわないが、引き取り抵抗が大きい場合は複数の駆動式ニップロールを並べたり、キャタピラ式の引取機などを使用する必要がある。
一方、滑りサイジングダイによりスキン層が形成された後はチルロールや金属ベルトを用いた冷却法も適宜選択できる。滑りサイジングダイによる冷却は目的の形状に圧力をかけながら冷却でき、様々な形状に冷却できるメリットがあるが、摩擦抵抗がかかるため、引き取りに大きな力が必要になる欠点がある。また、金属ベルトによる冷却は圧力をかけながら抵抗がなく引き取り力も期待できる一方、精度は滑りサイジングダイに劣る。チルロールによる冷却は主にシート状成形体の冷却に適用することが可能であるが、常に圧力をかけ続けられない、接触面積が狭く冷却効率に劣るなどの問題点がある。したがって、目的の形状や運転状態によって適宜冷却方法を選定する必要がある。
本発明では、熱可塑性溶融体と同時に滑りサイジングダイにはシート状基材6が通される。用いられるシート状基材については材質、形状共に適宜選択が可能である。具体的には、アルミ箔などの金属箔、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、キャストホモポリプロピレンフィルムといった樹脂フィルム、紙をあげることができる。シート状基材は例えばロール状に巻き取られており、熱可塑性樹脂溶融体が滑りサイジングダイを通過する際に連続的に供給される。
樹脂フィルム、紙などを用いた場合はスキン層の厚みが薄くなったり、微発泡による強度低下などが起こりやすい。したがってスキン層の厚さや発泡倍率に重点を置く場合は、シート状基材に金属箔を用いて熱可塑性樹脂表面を急冷することが好ましい。シート状基材を金属箔とすることにより良好なスキン層が形成される。ただし、厚さが0.5mm以下程度の樹脂シートを用いた場合はスキン層の品質が大きく低下するようなことはなく、シート状基材の機能性を重視する場合は多少のスキン層の品質低下はあったとしても十分本発明の目的を達成できる。
滑りサイジングダイ内においてある程度樹脂の固化が進み、滑りサイジングダイ内の摩擦抵抗に耐える強度を発泡成形体がもっていれば、その後でシート状基材は任意のタイミングで剥がしてかまわない。たとえば、滑りサイジングダイが複数ある場合は滑りサイジングダイと滑りサイジングダイの中間部でもかまわないし、滑りサイジングダイの後において、オフラインで剥離工程を設けてもかまわない。また、シート状基材とを熱可塑性樹脂溶融体の接着性が良い場合には、離型コートなどの易剥離処理をしてもよい。
また、シート状基材に押出樹脂と同系統の材料を用いた場合、発泡ガスによる滑りサイジングダイへの圧力と溶融樹脂の熱で接着され、複合化されるシート状基材の機能をそのまま発泡成形体に付与することが可能である。機能としてはたとえば、ハードコート、接着性付与、帯電防止性の他、意匠性付与、耐候性付与など公知の様々な機能性を付与することが可能である。逆に熱融着しないフィルムを用いてそのまま保護フィルムとすることも可能である。
樹脂など熱伝導の悪い材料からなるシート状基材を用いる場合には、スキン層の形成が遅れることも懸念されるため、シート状基材の厚みは0.5mm以下であることが望ましい。ただし、シート状基材の投入が成形体表面全面でなく、発泡成形体のスキン層の厚みの低下もしくは物性的な低下が容認できる場合はその限りではない。
本発明の発泡成形体の説明断面図を図2に示した。本発明の熱可塑性樹脂からなる発泡成形体は表面に平滑なスキン層11を有しており、発泡体内部は発泡層12を有している。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレンといったポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド系樹脂等から適宜選択が可能である。これらは、単独で用いても良いし、ブレンド、共重合体として用いても良い。また、2軸延伸や1軸延伸などの配向処理をかけていてもかまわない。
また、発泡性を良くするには溶融張力が高いことが望ましいが、本発明の成形方法においては1.2倍から3倍程度までの発泡成形においては低溶融張力の樹脂でも良好な発泡が可能である。ただし、特に3倍を超える高発泡をさせる際には、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニルなどの発泡に適した樹脂を選定するか、電子線架橋による長鎖分岐を導入したグレードの樹脂の利用や、分子量分布のコントロール、また溶融張力を上昇させるフッ素系添加剤のブレンドなど公知の方法で必要に応じて溶融張力を調整することが望ましい。
特に本発明では、伸長粘度のひずみ速度軟化性のため従来困難とされた比較的高いメルトフローレートを持つホモポリプロピレン等といった熱可塑性樹脂についても発泡成形体を製造することが可能となる。
また、必要に応じて熱安定剤、酸中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料などの着色剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等を添加することもできる。
これらの添加剤のうち、熱安定剤としてはヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系等、酸中和剤としてはステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト等、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等、光安定剤としてはヒンダードアミン系等、難燃剤としてはハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、塩素系難燃剤等、充填剤としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、アルミナ、タルク、マイカ、珪酸マグネシウム、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化鉄、カーボンブラック、木粉、金属粉等、滑剤としては炭化水素系滑剤、脂肪酸、高級アルコール系、脂肪酸アマイド系、金属石鹸系、エステル系、フッ素系等、造核剤としてはカルボン酸金属塩系、ソルビトール系、リン酸エステル金属塩系等、顔料としては縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等があり、これらの添加剤を任意の組み合わせで用いるのが一般的である。
発泡の手法についても公知の手法がいずれも利用できる。一般的には熱分解や化学反応によってガスを発生する化学発泡と、低沸点の液体に熱をかけて気化させる物理発泡に分類できる。熱可塑性樹脂溶融体に分散させる化学発泡剤としては無機系の重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム、軽金属、アジド化合物等、また、有機系ンの発泡体としてはアゾ系、ニトロソ系、ヒドラジド系等が任意が使用できる。また、特に3倍を超える高発泡倍率での発泡剤には主に物理発泡が用いられ、発泡体としては炭酸ガスや脂肪族炭化水素が主に用いられる。また、これらの発泡剤は単独で用いても、併用して用いてもよい。また、物理発泡剤に発泡成形体のセル形状を整えるため化学発泡剤を併用して用いてもよい。
本発明により、樹脂材料にもよるが、熱可塑性樹脂溶融体を1.5倍から20倍まで発泡させることが可能となり、高発泡成形体を得ることができる。特に、従来困難とされていた連続成形可能な押出法によるスキン層を有する発泡成形体を5倍以上発泡させた発泡成形体を本発明により得ることができる。さらに本発明により、発泡倍率が20倍といった高発泡成形体も得ることができる。
実施例1について示す。樹脂材料として、高溶融張力ポリプロピレンであるサンアロマーHMS−PP PF814(MFR=2.8/初期曲げ弾性率1450MPa)を用い、Tダイ押出による厚さ8mmのシート成形をおこなった。発泡は炭酸ガスによる物理発泡によりおこない、Tダイから押し出された樹脂溶融体は滑りサイジングダイのみで冷却した。Tダイから押し出された樹脂溶融体をサイジングダイに通過させる際に、シート状基材としてアルミ箔に離型コートを塗布したものを用い、該シート状基材をサイジングダイと樹脂溶融体の間に通過させ、発泡成形をおこなった。サイジングダイを通過した後、アルミ箔を剥離することにより、発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の発泡倍率は15倍と非常に高い値を示し、また、発泡成形体のシート両面には均一なスキン層を有している様子が確認された。
実施例2について示す。樹脂材料として、ホモポリプロピレン プライムポリマーであるR110MP(MFR=2/初期曲げ弾性率30MPa)70重量部とタルク30重量部を混合したものを用いた。この樹脂材料に対し、異型金型を用い、T板状成形(巾木形状/厚み5mm)の異型成形をおこなった。発泡は発泡剤である重曹−クエン酸系発泡剤を用いた化学発泡によりおこない、金型から押し出された樹脂溶融体は滑りサイジングダイのみで冷却した。金型から押し出された樹脂溶融体をサイジングダイに通過させる際に、シート状基材として、オレフィン系化粧シート(厚み150μm)と易接着コートキャストポリプロピレンフィルムを用い、サイジングダイと樹脂溶融体の間にそれぞれのシート状基材を発泡樹脂成形体の表裏に通過させることにより発泡成形をおこなった。このようにして得られた発泡成形品の発泡倍率は1.8倍であった。また、得られた発泡成形品は、発泡樹脂成形体の表面にオレフィン系化粧シート、裏面にポリプロピレンフィルムを積層した積層体でありり、発泡成形と同時にシートを貼り合せることができ、発泡成形体に機能性を付与をすることができた。
1 熱可塑性樹脂溶融体/発泡成形体
11 スキン層
12 発泡層
2 金型
3 滑りサイジングダイ
4 ニップロール
5 トーピード
6 シート状基材
11 スキン層
12 発泡層
2 金型
3 滑りサイジングダイ
4 ニップロール
5 トーピード
6 シート状基材
Claims (3)
- 金型より押し出された発泡剤が分散された熱可塑性樹脂溶融体を滑りサイジングダイを通過させることにより成形する、スキン層を有する発泡成形体の製造方法であって、
熱可塑性樹脂溶融体を滑りサイジングダイを通過させる際にシート状基材を熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイの間に通過させることを特徴とする発泡成形体の製造方法。 - 該シート状基材が金属箔であることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
- 請求項1または請求項2記載の発泡成形体の製造方法を用いて、熱可塑性樹脂溶融体を発泡、成形したことを特徴とする発泡成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005324641A JP2007130830A (ja) | 2005-11-09 | 2005-11-09 | スキン層を有する発泡成形体の製造方法および成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005324641A JP2007130830A (ja) | 2005-11-09 | 2005-11-09 | スキン層を有する発泡成形体の製造方法および成形体 |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007130830A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009066863A (ja) * | 2007-09-12 | 2009-04-02 | Ube Nitto Kasei Co Ltd | 中空プラスチックシート用サイジング装置及びそれを用いた中空プラスチックシートの製造方法 |
JP2009078516A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-16 | Toppan Printing Co Ltd | 発泡シート製造用tダイ、発泡シート製造装置、発泡シート及び発泡シートの製造方法 |
JP2009113450A (ja) * | 2007-11-09 | 2009-05-28 | Toppan Printing Co Ltd | 木質系樹脂発泡成形体の製造方法、木質系樹脂発泡成形体、及びこれを用いた床材 |
-
2005
- 2005-11-09 JP JP2005324641A patent/JP2007130830A/ja active Pending
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