JP2007130675A - レーザスクライブ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】改質領域の形成範囲を狭めることなく、エアーブレークダウンの発生を防止可能
なレーザスクライブ加工方法を提供する。
【解決手段】水晶基板10のレーザスクライブ加工方法は、レーザ光4が波長分散特性を
有しており、レーザ光4に軸上収差を生じさせると共に、レーザ光4の集光点32におけ
るレーザ強度Pを改質領域の形成閾値P1以上およびエアーブレークダウンの発生可能閾
値P2以下に調節するための石英ガラス板8をレーザ加工装置1へ挿入する挿入工程と、
レーザ光4の集光点32が水晶基板10の内部となるように集光点32の位置を調整する
調整工程と、レーザ光4を照射して改質領域を形成するために、水晶基板10とレーザ光
4とをX軸方向切断予定線43およびY軸方向切断予定線44に沿って相対移動させる走
査工程と、を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、レーザ光によって薄板基板等を分割(スクライブ)するためのレーザスクラ
イブ加工方法に関する。
従来、水晶、ガラスなどの光透過材の被加工物を分割するために、集光点の異なる2つ
のレーザ光(パルスレーザ光)を被加工物に照射し、それぞれのレーザ光による多光子吸
収の現象を利用して2つの改質領域を同時に形成している。これにより、被加工物へ形成
された改質領域に沿って、被加工物を容易に分割することが可能である。この場合、被加
工物の厚さ方向に対し異なった2つの位置へそれぞれ改質領域を形成することにより、1
回の加工で被加工物の厚さ方向に長く改質領域を形成でき、厚めの被加工物に対しては、
有効な加工方法である。
この従来の技術による改質領域の形成について詳細に説明する。図7(a)は、従来の
改質領域の形成を示す断面図であり、1つのレーザ光70による改質領域74の形成を示
している。図7(a)に示すように、レーザ光70を集光レンズ71によって集光し、被
加工物72の内部の集光点73へ照射することにより、多光子吸収による改質領域74が
形成される。改質領域74を形成するためには、レーザ光70が極短時間のパルス幅を有
することと、改質領域74を形成可能な閾値(改質領域形成可能閾値)P1以上のレーザ
強度Pが必要である。この場合、集光レンズ70からの距離がL1〜L2の範囲である被
加工物72内に、閾値P1以上のレーザ強度Pであるレーザ光70が照射されて改質領域
74が形成される。レーザ強度Pのピークは、閾値P1以上のPmで示されている。さら
に、集光点73が異なるもう1つのレーザ光70を同時に照射すれば、より広範囲に改質
領域74を同時に形成することが可能である(たとえば特許文献1)。
特開2004−337902号公報
しかし、従来の技術では、図7(b)エアーブレークダウンの発生を示す断面図のよう
に、被加工物72の表面近傍に改質領域74を形成しようとする時、被加工物72の表面
において、集光されたレーザ光により大気中の気体分子が電界破壊され、高温の大気プラ
ズマや衝撃波等が生じる場合がある。この現象をエアーブレークダウン(ブレークダウン
)と称し、エアーブレークダウンが発生すると、被加工物72の表面にクラック75等が
生じるという課題があった。エアーブレークダウンは、レーザ光70のレーザ強度Pのピ
ークPmがエアーブレークダウンを発生させる閾値(ブレークダウン発生可能閾値)P2
以上の場合に発生する。従って、レーザ光70のレーザ強度Pをエアーブレークダウンが
発生可能な閾値P2以下、且つ、改質領域74を形成可能な閾値P1以上に設定する必要
がある。一方、図7(a)に示すように、パワーのピークPmを閾値P2以下のPm’ま
で下げると、形成される改質領域74がL1〜L2の範囲よりかなり狭くなってしまうと
いう課題もあった。
本発明は、上記課題を解決するために、改質領域の形成範囲を狭めることなく、エアー
ブレークダウンの発生を防止可能なレーザスクライブ加工方法を提供することを目的とす
る。
本発明のレーザスクライブ加工方法は、レーザ加工装置からレーザ光を被加工物へ照射
し、レーザ光の集光点において被加工物の切断予定位置の厚さ方向に多光子吸収による改
質領域を形成する。この加工方法によれば、レーザ光は波長分散特性を有しており、レー
ザ光に軸上収差を生じさせると共に、レーザ光の集光点におけるレーザ強度を改質領域の
形成可能閾値以上およびブレークダウンの発生可能閾値以下に調整するための収差制御部
をレーザ加工装置へ挿入する挿入工程と、レーザ光の集光点が切断予定位置の被加工物内
部となるように集光点の位置を調整する調整工程と、レーザ光を照射して切断予定位置に
沿うように改質領域を形成するために、被加工物とレーザ光とを切断予定位置に沿って相
対移動させる走査工程と、を有することを特徴とする。
このレーザスクライブ加工方法によれば、レーザ光を被加工物の内部に集光させ、集光
点において被加工物の改質領域を形成する。改質領域は、被加工物内部に透過したレーザ
光の集光点において、集光された多数の光子が被加工物の電子と相互作用して吸収される
、いわゆる多光子吸収の現象が生じた領域である。被加工物とレーザ光とを、切断予定位
置に沿うように相対移動させることにより、切断予定位置に改質領域を連続して形成する
ことが可能である。そして、被加工物は、被加工物内部に形成された改質領域に沿って容
易に切断可能である。このとき、収差制御部を挿入し、波長分散特性を有するレーザ光に
軸上収差を生じさせると、集光点が拡大され、それに伴い、集光点におけるレーザ光の強
度が分散され、収差制御部を挿入しない場合と比べてレーザ光のピーク強度が減少する。
収差制御部により、改質領域を形成する集光点を広げることと、レーザ光の強度の調整が
可能である。従って、ブレークダウンを発生させる閾値以上の強度のレーザ光であっても
、収差制御部の挿入により、ブレークダウンが発生しないレーザ強度に落とすことが可能
で、同時に、軸上収差による集光点の拡大がなされて改質領域を拡大させることが可能で
ある。なお、ブレークダウンとは、被加工物表面近傍へ集光されたレーザ光の強度が一定
の閾値以上の場合に、大気中の気体分子が電界破壊され、高温の大気プラズマや衝撃波等
が生じる現象であり、改質領域の形成にとって好ましくない現象である。また、改質領域
は、切断予定位置に沿って被加工物の厚さ方向と直交方向に微小幅で形成することが可能
であり、この微小幅部分に沿って切断可能であるため、被加工物を切断屑として無駄にす
ることがほとんどない。
この場合、挿入工程では、収差制御部がレーザ光を集光させる集光部と被加工物との間
に挿入されることが好ましい。
この方法によれば、収差制御部は、必要時にレーザ加工装置に挿入可能であり、レーザ
加工装置の光学系を変えることなくレーザ光の制御が可能である。収差制御部を各種のも
のに変更して挿入すれば、目的に応じて自在に、且つ、容易にレーザ光の制御が可能であ
る。なお、集光部に近接して挿入すれば、集光部を保護する機能も有することになる。
この場合、走査工程は、集光点を被加工物の厚さ方向に移動させた複数回の相対移動を
有し、それぞれの相対移動で形成された改質領域が厚さ方向に連続していることが好まし
い。
この方法によれば、切断予定位置に沿って改質領域を形成する走査工程は、複数回行う
相対移動毎にレーザ光の集光点を被加工物の厚さ方向にそれぞれ移動させることにより、
改質領域を被加工物の厚さ方向へ拡大させて形成することが可能である。これにより、被
加工物の厚さに関わらず、被加工物の厚さ方向全域に改質領域を形成可能である。
この場合、走査工程では、レーザ光がピコ秒からフェムト秒の範囲のパルス幅で照射さ
れるパルスレーザであることが好ましい。
この方法によれば、多光子吸収による改質領域の形成に、パルス幅がピコ秒からフェム
ト秒という極めて短いレーザ光を用いる。そのため、改質領域の形成は、被加工物内部に
集光されたレーザ光のエネルギが熱に変換される前の極短時間の間に行われる。従って、
改質領域の形成時に熱の発生をほとんど伴わず、さらに、多光子吸収は、レーザ光を集光
させた被加工物内部にのみ作用させることが可能である。また、ピコ秒よりパルス幅の長
いレーザ光を用いた場合、レーザ光が被加工物に吸収されて熱エネルギに変換され、被加
工物を溶融・飛散させることがあるが、極短時間のパルス幅のレーザ光を用いると、レー
ザ光が熱にほとんど変換されず、被加工物に対し熱影響を与えることなく改質領域が形成
可能である。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。実施形態では、被
加工物として複数のSAW(Surface Acoustic Wave、弾性表面波)パターンが形成さ
れた水晶基板を例にして、レーザ加工装置によるレーザスクライブ方法について説明する
。水晶基板は、レーザ光の照射によって、水晶基板内に多光子吸収による改質領域が各S
AWパターンを仕切るように形成され、この改質領域に沿って容易に切断可能である。
(実施形態)
最初に、水晶基板を切断するレーザ加工装置について説明する。図1は、レーザ加工装
置の構成を示すブロック図である。レーザ加工装置1は、レーザ光4を被加工物である水
晶基板10へ照射する照射機構部2と、照射機構部2を制御するホストコンピュータ3と
を備えている。照射機構部2は、レーザ光4を出射するレーザ光源5と、出射されたレー
ザ光4を反射するダイクロイックミラー6と、反射したレーザ光4を集光する集光レンズ
(集光部)7と、集光レンズ7の出射側に設けられている石英ガラス板(収差制御部)8
とを備えている。
また、照射機構部2は、水晶基板10を載置する載置台11と、載置台11をレーザ光
4の光軸と略直交する平面内でX軸方向へ相対的に移動させるX軸移動部12と、Y軸方
向へ相対的に移動させるY軸移動部13とを備えている。さらに、集光レンズ7に対して
、水晶基板10を載置した載置台11を相対的に移動させて、レーザ光4の集光点の位置
を水晶基板10の厚み方向であるZ軸方向へ調整可能なZ軸移動部14と、X軸移動部1
2、Y軸移動部13およびZ軸移動部14を移動させるための移動機構部15とを備えて
いる。そして、ダイクロイックミラー6を挟んで集光レンズ7と反対側に位置する撮像部
16を備えている。
このような構成の照射機構部2を制御するホストコンピュータ3について、次に説明す
る。ホストコンピュータ3の制御部20は、撮像部16が撮像した画像情報を処理する画
像処理部21と、レーザ光源5の出力やパルス幅、パルス周期を制御するレーザ制御部2
2と、移動機構部15を制御する移動制御部23とを有している。また、ホストコンピュ
ータ3は、レーザ光4による加工の際に用いられる各種加工条件のデータなどを入力する
入力部28と、レーザ光4による加工状態などの情報を表示する表示部27を有している
そして、制御部20は、入力部28から入力されたデータなどを一時的に保存するRA
M(Random Access Memory)26と、画像処理部21、レーザ制御部22、移動制御部
23の制御用プログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)25と、ROM2
5に記憶されているプログラムに従って各種の制御を実行するCPU(Central Process
ing Unit)24とを有している。これら画像処理部21、レーザ制御部22、移動制御
部23、CPU24、ROM25およびRAM26は、バス29を介して相互に接続され
ている。
以上のような構成のレーザ加工装置1において、X軸移動部12と、Y軸移動部13と
、Z軸移動部14とは、それぞれ図示していないサーボモータによって駆動される。水晶
基板10へのレーザ光4の集光点をZ軸方向に移動させるZ軸移動部14には、移動距離
を検出可能な位置センサが内蔵されており、移動制御部23は、この位置センサの出力を
検出してレーザ光4の集光点のZ軸方向位置を制御可能となっている。
撮像部16は、可視光を発する光源とCCD(Charge Coupled Device:固体撮像素
子)が組み込まれたものである。光源から出射した可視光は、集光レンズ7を透過して焦
点を結ぶ。水晶基板10のレーザ光4の入射面と入射面の反対側の面とに、それぞれ焦点
を合わせるようにZ軸移動部14を移動させて、移動距離を位置センサで検出すれば水晶
基板10の厚みを計測することが可能である。この計測は、石英ガラス板8を挿入しない
状態で行う。
また、レーザ加工装置1において、レーザ光源5は、チタンサファイアを固体光源とし
、チタンサファイアからのレーザ光4をフェムト秒(10-15秒)の極短パルス幅で出射
可能なフェムト秒レーザである。この場合、フェムト秒レーザは、波長分散特性を有して
おり、中心波長が800nmである。集光レンズ7は、倍率が100倍、開口数(NA:
Numerical Aperture)が0.8、WD(Working Distance)が3mmの対物レンズを使
用している。
ところで、一般に、水晶基板10として用いられる水晶は、可視領域のレーザ光を吸収
せずに透過させるため、通常、この種のレーザ光によって水晶を切断加工することは、困
難であった。これに対して、レーザ加工装置1のようにパルス幅が極めて小さいフェムト
秒のレーザ光4を水晶内に集光させ、且つ、レーザ光4のレーザ強度を多光子吸収が生じ
る強度以上に設定すると、極短時間にレーザ光4のエネルギが水晶に集中し、集光された
レーザ光4の多数の光子が水晶の電子と相互作用して吸収される、いわゆる多光子吸収の
現象が生じる。多光子吸収は、レーザ光4のエネルギが熱に変換される前に、極短時間の
間に行われるため、熱の発生をほとんど伴わない。さらに、多光子吸収は、レーザ光4を
集光させた水晶内部にのみ作用させることが可能である。多光子吸収が生じて加工された
水晶内部の領域が改質領域であり、この改質領域は、いわゆる屈折率変化領域である。
多光子吸収による加工は、水晶などの被加工物の光学特性である固有の吸収波長に対応
した波長の極短パルス幅のレーザ光4を用いることが好ましい。従って、フェムト秒レー
ザのようにレーザ光4の発信する波長が限られているような場合、レーザ光4が被加工物
の吸収波長からずれていると、レーザ強度を強めに設定する必要がある。つまり、レーザ
光4をできるだけ小さな領域に集光させることなどで対応可能である。
また、パルス幅がピコ秒より長い例えばマイクロ秒(10-5秒)のレーザ光4であって
も、レーザ光4を水晶内に集光させ、且つ、レーザ光のレーザ強度を多光子吸収が生じる
強度以上に設定すれば、水晶内に多光子吸収の現象が生じる。しかし、パルス幅がフェム
ト秒レーザより長いため、その間に照射されたレーザ光4のエネルギの一部が熱に変換し
てしまい、水晶の溶解飛散、結晶の肥大化などのダメージを水晶基板10へ与えてしまう
。これに大して、レーザ加工装置1のフェムト秒レーザによる加工は、水晶基板10へダ
メージを与えることなく改質領域の形成ができる有効な方法である。
次に、レーザ加工装置1が有するフェムト秒のパルス幅のレーザ光4による水晶基板1
0への改質領域の形成について説明する。図2は、レーザ光の照射状態を示すグラフおよ
び断面図である。この場合、レーザ光4は、集光レンズ7によって水晶基板10の集光点
へ集光されるように出射されるが、波長分散特性を有しているため、石英ガラス板8を透
過する際の屈折によって、長波長側レーザ光30と短波長側レーザ光31との集光点がず
れる軸上収差が拡大した状態で水晶基板10へ入射する。水晶基板10へ入射したレーザ
光4は、さらに屈折し、長波長側レーザ光30は集光点32へ集光され、短波長側レーザ
光31は、集光点33へ集光される。各波長のレーザ光4は、集光点32および集光点3
3の間に集光され、ほぼこの間(L3からL4)に改質領域50が形成される。
ここで、具体的数値で説明すると、パルス幅を300フェムト秒のフェムト秒レーザに
よって多光子吸収を生じさせ改質領域の形成可能な閾値P1は、およそ1×108(W/
cm2)である。また、石英ガラス板8を挿入していない場合、レーザ強度のピークPm
を1×1013(W/cm2)、レーザ光4と水晶基板10の相対移動速度を5mm/秒と
すれば、水晶基板10の厚さ方向の改質領域50の長さ(L1からL2)を、適切と考え
られる約100μmとすることが可能である。そして、水晶基板10の厚さ方向に対し直
交方向の改質領域50は、約20μm程度の微小幅である。
一方、エアーブレークダウンが発生する閾値P2は、この場合、およそ1×1012(W
/cm2)である。そのため、長さ100μmの改質領域50を形成可能なレーザ強度P
のピークPmを1×1013(W/cm2)とした設定では、水晶基板10の表面において
閾値P2より大きなレーザ強度Pとなり、エアーブレークダウンが発生する可能性がある
そこで、照射機構部2の集光レンズ7に対し載置台11側に、図示していない挿入機構
によって石英ガラス板8を挿入する。石英ガラス板8の厚みは、2mm、屈折率は、1.
46である。石英ガラス板8の挿入により、レーザ光4は、既述したように軸上収差が生
じることにより、集光点32から集光点33の間に集光されている。そのため、集光点3
2から集光点33の間におけるレーザ強度Pは、エネルギが分散されピークPm’が1×
1010(W/cm2)である。レーザ強度Pが1×1013(W/cm2)に比べて低下した
ため、各波長の集光点個々における改質領域50の長さは、100μmよりかなり短くな
るが、トータルでは、L3からL4の範囲に改質領域50が形成されており、石英ガラス
板8の挿入前の改質領域長さL1からL2より長い150μmに形成することが可能であ
る。
多光子吸収では、熱の発生をほとんど伴わないため、石英ガラス板8を挿入しない場合
において、フェムト秒レーザの集光点近傍における水晶への熱影響の範囲は、ピーク強度
Pmを1×1013(W/cm2)のように高めに設定した場合でも、およそ0.005μ
m以下であり、水晶への熱影響はないといえる。参考に、パルス幅がマイクロ秒程度の場
合、水晶への熱影響の範囲は、5μm程度である。
次に、レーザ加工装置1による加工例として取り上げた水晶基板10について説明する
。図3(a)は、複数のSAWパターンが形成されている水晶基板を示す平面図である。
また、図3(b)は、SAW共振片を示す平面図である。図3(a)に示すように、水晶
基板10は、主面となる表面41に複数のSAWパターン42が形成されている。それぞ
れのSAWパターン42は、水晶基板10がX軸方向切断予定線(切断予定位置)43お
よびY軸方向切断予定線(切断予定位置)44に沿って切断されて、図3(b)に示すS
AW共振片45として個別に取り出される。図3(a)は、40個のSAWパターン42
が形成された場合が示されている。
SAW共振片45は、図3(b)に示すように、圧電体である水晶を矩形に切断した水
晶片40の表面41の中央に、1組の電極46aおよび46bによって交叉指電極(ID
T:Inter Digital Transducer)46が構成されている。また、このIDT46の長手
方向の両側に格子状の反射器47aおよび47bが形成されている。そして、水晶片40
の長手方向の縁に沿って、電極46aおよび46bとそれぞれ繋がった導通用のボンディ
ングランド48aおよび48bが、形成されている。このボンディングランド48a,4
8bに、外部からワイヤーボンディングすることによって電気的な接続が得られるように
なっている。
これら電極46a,46b、反射器47a,47bおよびボンディングランド48a,
48bは、導電性を確保するため、例えば、金、アルミニウム、銅やそれらの合金などが
通常用いられ、加工およびコストの点からアルミニウム系の素材が最も多く用いられてい
る。
次に、レーザ加工装置1による水晶基板10の切断方法について詳細に説明する。図4
は、水晶基板の切断方法を示すフローチャートである。図5(a)は、レーザ走査1によ
る改質領域の形成を示す断面図、(b)は、レーザ走査2による改質領域の形成を示す断
面図である。そして、図6(a)は、水晶基板の切断方法を示す断面図、(b)は、切断
された水晶基板の状態を示す断面図である。
図4のフローチャートに示すように、レーザ加工装置1を用いた水晶基板10の切断方
法は、まず、集光レンズ7と載置台11に載置された水晶基板10とを相対的に位置決め
する水晶基板位置決め工程と、水晶基板10の厚みを計測する水晶基板厚み計測工程と、
により水晶基板10をレーザ加工装置1へ正しくセットする。次に、レーザ光4に軸上収
差を生じさせるための石英ガラス板8を挿入する挿入工程と、Z軸移動部14によりレー
ザ光4の集光点32の位置を入射面である表面41と反対側の表面近傍へ調整する集光点
位置調整1工程(調整工程)と、X軸移動部12およびY軸移動部13により水晶基板1
0を相対移動させながら、X軸方向切断予定線43およびY軸方向切断予定線44に沿っ
てレーザ光4を照射するレーザ走査1工程(走査工程)と、によって図5(a)に示す改
質領域50aを形成する。
同様に、Z軸移動部14によって集光点32の位置を水晶基板10の入射面側に移動調
整する集光点位置調整2工程(調整工程)と、X軸移動部12およびY軸移動部13によ
り水晶基板10を相対移動させながら、X軸方向切断予定線43よびY軸方向切断予定線
44沿ってレーザ光4を照射するレーザ走査2工程(走査工程)と、によって図5(b)
に示す改質領域50b形成する。そして、図6に示すように、水晶基板10を切断する水
晶基板切断工程において、水晶基板10が切断される。
これら図4に示す各ステップについて詳細に説明する。ステップS1において、図3(
a)に示す水晶基板10を、SAWパターン42が形成されている表面41と反対側の表
面が図1に示す載置台11に接するように載置する。そして、X軸方向切断予定線43が
X軸に平行となるように水晶基板10を位置決めする。また、移動制御部23は、レーザ
光4の光軸が水晶基板10のX軸方向切断予定線43またはY軸方向切断予定線44の線
上に位置するように、サーボモータを駆動しX軸移動部12およびY軸移動部13を移動
させる。この場合、水晶基板10には、位置決め用のアライメントマークが形成されてお
り、撮像部16によってこのアライメントマークを認識し、画像処理部21に取り込んだ
画像データに基づいて座標を演算して、水晶基板10を位置決めする。位置決め後、ステ
ップS2へ進む。
ステップS2において、水晶基板10の厚みを測定するために、水晶基板10のレーザ
光4の入射面である表面41と、表面41と反対側の表面とに、撮像部16から出射され
る可視光の焦点を合わせ、撮像部16が捉えた映像を表示部27に表示させる。可視光の
焦点合わせは、Z軸移動部14を移動させて行う。これら一連の操作は、作業者がホスト
コンピュータ3を操作して行う。ホストコンピュータ3は、Z軸移動部14の位置センサ
の出力から水晶基板10の厚みを演算し、演算結果は、ホストコンピュータ3のRAM2
6にZ軸方向の座標として記憶される。この場合、水晶基板10の厚みは、300μmで
ある。厚み測定後、ステップS3に進む。
ステップS3において、集光レンズ7の載置台11側に収差制御部である石英ガラス板
8を挿入機構により挿入する。石英ガラス板8の挿入により、波長分散特性を有するレー
ザ光4の軸上収差を拡大させると共に、レーザ強度Pを調節することが可能である。挿入
後、ステップS4へ進む。
ステップS4において、撮像部16が捉えた可視光の焦点の位置とレーザ光4の集光点
32とのZ軸方向の位置関係、および、レーザ光4の軸上収差により形成される改質領域
50の水晶基板厚さ方向の長さを、予めレーザ光4の照射予備試験の結果から求めてあり
、その結果をデータとしてホストコンピュータ3へ入力してある。このデータとステップ
S2で求められた水晶基板10の厚みデータ(Z軸方向の座標)とに基づいて、図5(a
)に示すように、移動制御部23は、Z軸移動部14を駆動して、改質領域50の端部が
表面41に対して反対側の表面に掛かるように、集光点32をZ軸方向に移動させる。集
光点32の調整後、ステップS5へ進む。
ステップS5において、図5(a)に示すように、集光レンズ7および石英ガラス板8
に対して水晶基板10を相対移動させる。この図5(a)の場合、Y軸方向切断予定線4
4に沿ってレーザ光4を移動させつつ照射して、最初の改質領域50aを形成している。
水晶基板10には、図3(a)に示すように、複数(40個)のSAWパターン42が形
成されており、X軸方向の9本のX軸方向切断予定線43と、Y軸方向の8本のY軸方向
切断予定線44とにより区画されている。つまり、X軸方向に所定のピッチでずらしなが
らレーザ操作を9回行い、続いてY軸方向に所定のピッチでずらしながらレーザ操作を8
回行って、各SAWパターン42を改質領域50aで仕切る。X軸方向切断予定線43お
よびY軸方向切断予定線44は、あらかじめデータとして入力されているので、ホストコ
ンピュータ3は、このデータに基づいた制御信号を移動制御部23へ送り、移動制御部2
3は、制御信号に基づいてX軸移動部12とY軸移動部13を移動させることにより、水
晶基板10を集光レンズ7および石英ガラス板8に対して相対移動させることが可能であ
る。レーザ光4の照射に対応して水晶基板10を移動させる速度は、およそ5mm/秒で
あり、形成される改質領域50aの長さは、約150μmである。改質領域50aの形成
後、ステップS6へ進む。
ステップS6において、先のステップS4と同様にして、図5(b)に示すように、移
動制御部23は、Z軸移動部14を駆動してレーザ光4の集光点32の位置を表面41側
にずらす。このとき、ステップS6で形成される改質領域50bが、既に形成された改質
領域50aに対し、水晶基板10の厚み方向に連続するように集光点32を調整する。集
光点32の調整後、ステップS7に進む。
ステップS7において、先のステップS5と同様にして、集光レンズ7および石英ガラ
ス板8に対して水晶基板10を相対移動させる。図5(b)は、Y軸方向切断予定線44
に沿ってレーザ光4を移動させつつ照射して、水晶基板10に2番目の改質領域50bを
形成している場合を示している。このように、水晶基板10を、X軸方向の9本のX軸方
向切断予定線43と、Y軸方向の8本のY軸方向切断予定線44とに沿って、まず、X軸
方向に所定のピッチでずらしながらレーザ操作を9回行い、続いてY軸方向に所定のピッ
チでずらしながらレーザ操作を8回行う。これにより、各SAWパターン42を仕切るよ
うにして改質領域50bが形成される。これにより厚み300μmの水晶基板10の厚み
方向全面に、改質領域50a,50bが形成される。改質領域50bの形成後、ステップ
S8に進む。
ステップS8において、水晶基板10をX軸方向切断予定線43およびY軸方向切断予
定線44に沿って切断する。図6(a)に示すように、ステップS5およびステップS7
によって、水晶基板10の厚み方向に連続して形成された改質領域50a,50bに対し
て、曲げ応力Aまたは引っ張り応力Bのような外部応力を加える。これにより水晶基板1
0は、図6(b)に示すように、改質領域50の位置で容易に切断可能である。
改質領域50は、水晶基板10の厚み方向に連続して形成されているため、改質領域5
0以外が切断されて、いわゆるチッピングなどによるSAW共振片45の外形不良が発生
することをほぼ防止可能である。また、既述したように、水晶基板10の厚さ方向に対し
直交方向の改質領域50の幅は、約20μm程度の微小幅であり、この微小幅に沿って水
晶基板10を切断可能であるため、高い外形寸法精度のSAW共振片45が入手可能であ
る。
以上説明した実施形態の効果をまとめて記載する。
(1)レーザ加工装置1に石英ガラス板8を挿入し、波長分散特性を有するレーザ光4
に軸上収差を生じさせることにより、水晶基板10内部では拡大された集光点32,33
となり、それに伴い、集光点32,33におけるレーザ光4の強度が分散されるため、石
英ガラス板8を挿入しない場合と比べるとレーザ光4のピーク強度が減少する。従って、
エアーブレークダウンを発生させる閾値P2以上の強度のレーザ光4であっても、石英ガ
ラス板8の挿入により、エアーブレークダウンが発生しない強度に落とすことが可能であ
り、同時に、軸上収差により拡大された集光点32,33へ改質領域を広げて形成するこ
とが可能である。
(2)石英ガラス板8を挿入することにより、エアーブレークダウンを発生させる強度
のレーザ光4であっても、エアーブレークダウンが発生しないレベルに抑制可能であるた
め、水晶基板10の表面近傍にも改質領域50を容易に形成可能である。
(3)石英ガラス板8は、必要時にレーザ加工装置1へ挿入可能であり、レーザ加工装
置1の光学系を変えることなくレーザ光4の制御が可能である。石英ガラス板8を厚みや
屈折率の異なるものに変更して挿入すれば、目的に応じて自在に、且つ、容易にレーザ光
4の制御が可能である。また、集光レンズ7に近接して挿入すれば、集光レンズ7を保護
する機能も果たす。
(4)レーザ加工装置1は、水晶基板10の基板厚を求める撮像部16の焦点位置と、
レーザ光4の集光点32の位置との関係をデータとして記憶していて、水晶基板10内の
任意の位置へ集光点32を設定可能である。従って、レーザ光4の集光点32を水晶基板
10の厚さ方向に順に移動させて改質領域50を形成し、水晶基板10の厚さ方向全域に
改質領域50を形成可能である。これにより、厚い水晶基板10であっても、改質領域5
0に沿って容易に切断可能である。また、チッピングなどが無く、外形寸法精度の良好な
切断が可能である。
(5)フェムト秒パルスレーザのレーザ光4を用いて、水晶基板10内へ多光子吸収に
よって極めて短時間に改質領域50が形成されるため、水晶基板10内でレーザ光4が熱
に変換されることがほとんどない。従って、水晶基板10に対して熱によるダメージを与
えることが無く、水晶基板10の切断による熱の影響を受けていないSAW共振片45を
得ることが可能である。
(6)水晶基板10の厚みが150μm以下程度の薄基板であれば、1回の走査で厚み
方向全域に改質領域50を形成でき、外部応力のAまたはBを加えなくても、改質領域5
0に沿って切断可能であるため、切断予定位置を直線に限らず自由な形状に設定可能であ
る。
また、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、次のような変形例が挙げら
れる。
(変形例1)収差制御部は、石英ガラス板8に限定されず、回折レンズやアキシコンレ
ンズなどの光学レンズを用いても良い。収差を積極的に生じさせ、より確実に集光点調節
が可能である。
(変形例2)収差制御部である石英ガラス板8は、照射機構部2の挿入機構によって挿
入されるが、これに限定されず、カメラのレンズにフィルタをねじ込みまたはバヨネット
機構等で取り付けるように、集光レンズ7の保持部へ取り付けても良い。こうすれば、挿
入機構のような構成が不要で、容易に石英ガラス板8を取り付け可能である。
(変形例3)改質領域50a,50bの形成時に、それぞれの改質領域の端部が水晶基
板10の厚み方向に重なり合うように、レーザ光4の集光点32を調整しても良い。こう
すれば、改質領域50a,50bの各境界部において、改質領域50の未形成部分がわず
かであっても生じることが無く、水晶基板10の厚み方向全面に改質領域50を確実に形
成可能である。改質領域50を重ならせても、石英ガラス板8による軸上収差により、改
質領域50を水晶基板10の厚み方向に拡大して形成することで、走査回数を増やす必要
が無い。これにより、図6に示す水晶基板10の切断がより確実で容易になる。
(変形例4)被加工物は、水晶基板10に限らず、TFT(Thin Film Transistor)
ディスプレイ、液晶ディスプレイ、各種半導体、MEMS(Micro Electro Mechanical
System)デバイスなどが形成された光透過性のガラス、シリコンなどからなる基板であ
っても良い。照射機構部2からのレーザ光4による切断方法は、多様な機能デバイスの基
板切断に適用可能である。
(変形例5)照射機構部2における、レーザ光4の集光点32位置の調整は、集光レン
ズ7および石英ガラス板8を固定し、水晶基板10側をX,Y,Z軸方向に移動可能な構
成であるが、水晶基板10側を固定し、レーザ光源5、ダイクロイックミラー6、集光レ
ンズ7、および石英ガラス板8とを一体でX,Y,Z軸方向に移動可能な構成としても良
い。これにより、レーザ加工装置1の設計の自由度が広げられる。
(変形例6)照射機構部2のレーザ光源5は、固体光源としてチタンサファイアを用い
たフェムト秒レーザであるが、これに限定されず、例えば、YAGレーザ、エキシマレー
ザ等を用いることも可能である。
本発明は、エアーブレークダウンの発生を防止し、被加工物内部に多光子吸収による改
質領域を効率的に形成可能な方法である。脆性な水晶基板であっても、表面へのエアーブ
レークダウンの影響を排除して、改質領域の形成および切断が可能であり、水晶基板に限
らず、TFTディスプレイ、液晶ディスプレイ、各種半導体、MEMSデバイスなどが形
成された光透過性の材料基板の切断に対して、利用価値のある有効な切断方法である。
レーザ加工装置の構成を示すブロック図。 レーザ光の照射状態を示すグラフおよび断面図。 (a)複数のSAWパターンが形成されている水晶基板を示す平面図。(b)SAW共振片を示す平面図。 水晶基板の切断方法を示すフローチャート。 (a)レーザ走査1による改質領域の形成を示す断面図。(b)レーザ走査2による改質領域の形成を示す断面図。 (a)水晶基板の切断方法を示す断面図。(b)切断された水晶基板の状態を示す断面図。 (a)従来の改質領域の形成方法を示す断面図。(b)エアーブレークダウンの発生を示す断面図。
符号の説明
1…レーザ加工装置、2…照射機構部、3…ホストコンピュータ、4…レーザ光、5…
レーザ光源、7…集光後部としての集光レンズ、8…収差制御部としての石英ガラス板、
10…被加工物としての水晶基板、11…載置台、15…移動機構部、16…撮像部、2
0…制御部、21…画像処理部、22…レーザ制御部、23…移動制御部、30…長波長
側レーザ光、31…短波長側レーザ光、32,33…集光点、40…水晶片、42…SA
Wパターン、43…切断予定位置としてのX軸方向切断予定線、44…切断予定位置とし
てのY軸方向切断予定線、45…SAW共振片、50…改質領域、P1…改質領域形成可
能閾値としての閾値、P2…ブレークダウン発生可能閾値としての閾値。

Claims (4)

  1. レーザ加工装置からレーザ光を被加工物へ照射し、前記レーザ光の集光点において前記
    被加工物の切断予定位置の厚さ方向に多光子吸収による改質領域を形成するレーザスクラ
    イブ加工方法であって、
    前記レーザ光は波長分散特性を有しており、
    前記レーザ光に軸上収差を生じさせると共に、前記レーザ光の前記集光点におけるレー
    ザ強度を前記改質領域の形成可能閾値以上およびブレークダウンの発生可能閾値以下に調
    整するための収差制御部を前記レーザ加工装置へ挿入する挿入工程と、
    前記レーザ光の集光点が前記切断予定位置の前記被加工物内部となるように前記集光点
    の位置を調整する調整工程と、
    前記レーザ光を照射して前記切断予定位置に沿うように前記改質領域を形成するために
    、前記被加工物と前記レーザ光とを前記切断予定位置に沿って相対移動させる走査工程と
    、を有することを特徴とするレーザスクライブ加工方法。
  2. 請求項1に記載のレーザスクライブ加工方法において、
    前記挿入工程では、前記収差制御部が前記レーザ光を集光させる集光部と前記被加工物
    との間に挿入されることを特徴とするレーザスクライブ加工方法。
  3. 請求項1または2に記載のレーザスクライブ加工方法において、
    前記走査工程は、前記集光点を前記被加工物の前記厚さ方向に移動させた複数回の前記
    相対移動を有し、それぞれの前記相対移動で形成された前記改質領域が前記厚さ方向に連
    続していることを特徴とするレーザスクライブ加工方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザスクライブ加工方法において、
    前記走査工程では、前記レーザ光がピコ秒からフェムト秒の範囲のパルス幅で照射され
    るパルスレーザであることを特徴とするレーザスクライブ加工方法。

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