JP2007129960A - 全血を用いた自己免疫疾患の検査方法 - Google Patents

全血を用いた自己免疫疾患の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自己免疫疾患、特に若年性特発性関節炎の診断および病態予測のための新しい指標および検査方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、末梢血細胞で発現している遺伝子の発現量を測定することにより自己免疫疾患を検査する方法であって、被検者の全血から全RNAを抽出する工程、および該全RNAにおける該遺伝子の発現量を測定する工程を含む前記方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、被検者由来の試料、特に全血を用いて自己免疫疾患、特に若年性特発性関節炎を検査する方法、そのためのマーカー遺伝子およびキットに関する。
自己免疫疾患は、生体防御機構である免疫系が自己の細胞を攻撃してしまう現象である。自己抗原と反応する抗体やリンパ球が誘導され、その結果組織障害や病変が生じる。自己免疫疾患は、臓器特異性のない疾患と、特異性のある疾患の2つに大別される。自己免疫の関与が示唆されているものの原因が明らかでないものも多く、それらの発症機序を含め、診断方法等、解決すべき課題は多い。自己免疫疾患には、その原因が明らかにされていない疾患の一つとして、若年性特発性関節炎(JIA)がある。
若年性特発性関節炎(JIA)は、リウマチ性疾患の1種であり、小児のリウマチ性疾患の中で最も頻度の高い疾患である。若年性特発性関節炎はいくつかのサブタイプに分類され、重症度とその予後が大きく異なる。大別すると、熱や皮疹、心膜炎などの全身症状が間欠的に現れるもの(全身型)と、いくつかの関節に症状がでるもの(少関節型、多関節型)とに分類できる。特に全身型若年性特発性関節炎は全身の強い炎症反応を伴い生命予後も不良である。一方、多関節型若年性特発性関節炎は生命に直接は影響しないが、多関節の変形をきたし、QOLが低下する。両者はともに関節炎を有するが、予後が大きく異なるためその判別は非常に重要である。
しかし、従来JIA診断はすべて臨床的所見によって行われており(非特許文献1〜4)両者を判別するための有効な方法は、知られていない。従って、若年性特発性関節炎を検査する方法、およびそのサブタイプを判別する方法が望まれていた。
近年免疫疾患に対する分子生物学的な研究は活発に進められておりサイトカインやその受容体、さらにはシグナルを受け取ってからの細胞内シグナル伝達機構等の研究が進んでいる。しかし、ここに働く個々の遺伝子に注目するだけでは、免疫疾患の特性を表現するには不十分である。このためDNAマイクロアレイなどを用いることにより、一度に極めて多数の遺伝子の発現情報を得る試みがなされている。
DNAマイクロアレイの測定で得られる大量の遺伝子発現データを統計学的に処理することで、疾患の情報を導き出す方法がこれまでに検討されてきている。
Golubらは、急性リンパ性白血病(ALL)と急性骨髄性白血病(AML)とは、「predictor」遺伝子群の発現パターンによって判別が可能であることを示した(非特許文献5)。現在の病理学診断を用いればALLとAMLを形態学的に区別することは、それほど困難なことではないが、この論文は、発現プロファイルによる血液細胞の分類の可能性を示した最初の報告であり、これ以降の同様の論文に最も大きな影響を与え、その考え方の基本になっている。
Alizadehらは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者の末梢血から分取したBリンパ球をサンプルとしてDNAマイクロアレイによる測定を行い、得られた遺伝子発現データの階層的クラスタリングを行うことにより、同病患者の末梢血Bリンパ球は、リンパ組織の胚中心に存在するB細胞に類似した遺伝子発現パターンを示す場合と、in vitroで活性化したB細胞に類似した遺伝子発現パターンを示す場合の2つの場合があることを見出した(非特許文献6)。両者の生存率をKaplan-Meierプロットで調べた結果、後者の発現パターンを示すB細胞を持つ患者は、前者の発現パターンを示すB細胞をもつ患者と比べて予後が悪いことが明らかとなった。加えて、従来からの病理学的診断にも続く予後予測に従うよりも、著者らの行った遺伝子発現情報のクラスタリングで得られた結果の方が、予後との相関性が高いことも明らかとなった。
Alizadehらの研究結果は、遺伝子発現情報から臨床的に利用可能な法則性を導き出せたという点で、意義があるものといえる。しかし、当該結果は、限られたB細胞リンパ腫についてのみ検証されたに過ぎず、その法則がまったく新たな臨床例についても適用できるかどうかについての検証はなされていない。
J. Rheumatol., vol. 25, 1991-1994, 1998 Arthritis. Rheum., vol. 29, 274-281, 1986 Bull. Rheum. Dis., vol. 38, 1-7, 1989 EULAR Publishers, 47-50, 1978 Science, vol. 286, 531-537, 1999 Nature, vol. 403, 503-511, 2000
本発明は、自己免疫疾患の診断および病態予測のための新しい指標および検査方法を提供することを目的とする。
従来、自己免疫疾患の検査においては、全血から血液細胞像に関する所見や、特にリンパ球等の白血球を分離して調製した細胞抽出物や血清血中のサイトカイン等の免疫関連活性物質の測定が主に用いられてきた。しかし、本発明者らは、いずれの成分も分離していない全血から抽出した全RNAを用いて、末梢血細胞で発現している遺伝子の発現量を測定することにより、自己免疫疾患を検査できることを見出した。さらに、このために本発明者らは、自己免疫疾患に罹患した患者由来の試料と健常者由来の試料との間で発現量が著しく変動している遺伝子、および自己免疫疾患に罹患した患者においてその病態により発現量が著しく変動している遺伝子を見出した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)末梢血細胞で発現している遺伝子の発現を検出することにより自己免疫疾患を検査する方法であって、
被検者の全血から全RNAを抽出する工程、および
該全RNAにおける該遺伝子の発現量を測定する工程を含む、
前記方法。
(2)自己免疫疾患が若年性特発性関節炎である、(1)記載の方法。
(3)被検者由来の試料中において、下記(i)〜(v)の工程により決定された遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出することを含む、自己免疫疾患を検査する方法:
(i)自己免疫疾患特異的に発現した遺伝子群の発現データを標準化する;
(ii)高判別能遺伝子の順位付けを行い、高判別能遺伝子リストを作成する;
(iii)高判別能遺伝子リストから遺伝子セットを選択する;
(iv)工程(iii)の遺伝子セットの判別能力評価を行う;
(v)判別能力を有する遺伝子セットを決定する。
(4)被検者由来の試料中において、配列番号1〜100で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットであって、該遺伝子セットの自己免疫疾患の判別率が50%以上である遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出することを含む、自己免疫疾患を検査する方法。
(5)自己免疫疾患が若年性特発性関節炎である、(4)記載の方法。
(6)遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの少なくとも1番目から5番目までの遺伝子を含む、(4)または(5)記載の方法。
(7)遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの1番目から20番目までの遺伝子から選択される少なくとも5の遺伝子を含む、(4)または(5)記載の方法。
(8)被検者由来の試料中において、下記(i)〜(v)の工程により決定された遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出することを含む、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別する方法:
(i)全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の間で特異的に発現した遺伝子群の発現データを標準化する;
(ii)高判別能遺伝子の順位付けを行い、高判別能遺伝子リストを作成する;
(iii)高判別能遺伝子リストから遺伝子セットを選択する;
(iv)工程(iii)の遺伝子セットの判別能力評価を行う;
(v)判別能力を有する遺伝子セットを決定する。
(9)被検者由来の試料中において、配列番号101〜200で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットであって、該遺伝子セットの全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の判別率が50%以上である遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出することを含む、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別する方法。
(10)遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの少なくとも1番目から5番目までの遺伝子を含む、(9)記載の方法。
(11)遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの1番目から15番目までの遺伝子から選択される少なくとも5の遺伝子を含む、(9)記載の方法。
(12)遺伝子の発現を検出することが、
被検者由来の試料から全RNAを抽出する工程、および
該全RNAにおける該遺伝子の発現量を測定する工程を含む、
(3)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(13)配列番号1〜100で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットにおいて、各遺伝子を特異的に増幅するための15〜30塩基長の連続したプライマー、または各遺伝子を検出するための20〜1500塩基長の連続したプローブを含み、該遺伝子セットの自己免疫疾患の判別率が50%以上である、自己免疫疾患を判別するためのキット。
(14)自己免疫疾患が若年性特発性関節炎である、(13)記載のキット。
(15)遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの少なくとも1番目から5番目の遺伝子を含む、(13)または(14)記載のキット。
(16)遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの1番目から20番目までの遺伝子から選択される少なくとも5の遺伝子を含む、(13)または(14)記載のキット。
(17)配列番号101〜200で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットにおいて、各遺伝子を特異的に増幅するための15〜30塩基長の連続したプライマー、または各遺伝子を検出するための20〜1500塩基長の連続したプローブを含み、該遺伝子セットの全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の判別率が50%以上である、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別するためのキット。
(18)遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの少なくとも1番目から5番目の遺伝子を含む、(17)記載のキット。
(19)遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの1番目から15番目までの遺伝子から選択される少なくとも5の遺伝子を含む、(17)記載のキット。
(20)配列番号1〜100で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットであって、該遺伝子セットの自己免疫疾患の判別率が50%以上である、自己免疫疾患を検査するためのマーカー遺伝子セット。
(21)配列番号101〜200で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットであって、該遺伝子セットの全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の判別率が50%以上である、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別するためのマーカー遺伝子セット。
本発明により、自己免疫疾患、特に若年性特発性関節炎の診断および病態予測のための新しい指標および検査方法が提供される。
本発明者らは、被検者のリンパ球等を分離していないそのままの全血から全RNAを抽出して得られる全RNAにおいて、末梢血細胞で発現している遺伝子の発現量を測定することにより自己免疫疾患を検査できることを見出した。
すなわち、一実施形態において本発明は、末梢血細胞で発現している遺伝子の発現量を測定することにより自己免疫疾患を検査する方法であって、被検者の全血から全RNAを抽出する工程、および該全RNAにおける該遺伝子の発現量を測定する工程を含む、前記方法に関する。本明細書において、検査には、疾患の有無の検査、疾患の程度の検査および疾患の病態の検査、例えば疾患のサブタイプの検査、疾患の予後の判定が含まれる。
従来、自己免疫疾患の診断のために被検者由来の試料として用いる診断においては、全血をそのまま分子生物学的検査の対象に用いることは行われてこなかった。これは、全血は様々な細胞を含むので、そのまま用いても疾患の判断となるデータは得られないだろうと考えられていたからである。しかし本発明者らは、全血をそのまま用いて全RNA抽出を行い、該全RNAにおいて、末梢血細胞で発現している遺伝子の発現を検出することにより、自己免疫疾患を十分有効に、リンパ球を分離した試料を用いた場合と変わりなく検査できることを見出した。
全血とは、被検者から採取したままの血液をさす。全血は、通常、厳格な無菌的処置で採取される。抗凝固薬としてクエン酸イオンまたはヘパリンを含む場合もある。
全血からの全RNAの抽出は、当業者に公知の方法により実施でき、特に限定されない。例えば、チオシアン酸グアニジン・塩化セシウム超遠心法、チオシアン酸グアニジン・ホットフェノール法、グアニジン塩酸法、酸性チオシアン酸グアニジン・フェノール・クロロホルム法(Chomczynski, P. and Sacchi, N., Anal. Biochem., 162, 156-159 (1987))等を採用することができる。なかでも、酸性チオシアン酸グアニジン・フェノール・クロロホルム法が好適である。
全血から抽出された全RNAにおける遺伝子の発現量の測定は、該試料における対象遺伝子のmRNA量を測定することを包含する。このために対象遺伝子のmRNAから、それと塩基配列が対応するcRNA、cDNAまたはaRNA等を調製し、DNAマイクロアレイ(DNAチップ)などを用いて測定するのが通常である。また、mRNAの測定には後述のごとくPCRまたはその変法や、質量分析法、SAGE法、競合PCR法などを用いることもできる。
自己免疫疾患は、自己抗体または自己抗原感作リンパ球によって引き起こされる疾患であり、自己抗体と対応抗原との結合物によって起こる疾患である免疫複合体病も包含される。自己免疫疾患の具体例としては、膠原病、慢性関節リウマチ、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎(JIA)、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症(全身性硬化症)、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群(乾燥症候群)、乾癬性関節炎、ウエゲナー肉芽腫症、混合性結合組織病(MCTD)、リウマチ性多発筋痛症、痛風、偽痛風、多発性動脈炎、血管炎、成人発症スティル病、ベーチェット病、変形性関節症、抗リン脂質抗体症候群、ライター症候群、強直性脊椎炎、腸炎に伴う関節疾患、リウマチ熱、骨粗鬆症などが挙げられる。本発明の方法は、リウマチ性疾患、特に若年性特発性関節炎(JIA)の検査に好適である。
若年性特発性関節炎(JIA)は、持続する関節の炎症を特徴とする慢性疾患で、関節炎の定型的な症状として疼痛、腫脹、運動制限が挙げられ、若年者に発症するものをさす。通常、6週間以上関節炎が持続し、関節炎を起こす可能性のある他の全疾患を除外することができ、その原因が不明である場合、医師により若年性特発性関節炎であると診断される。
若年性特発性関節炎にはいくつかの異なるサブタイプがあり、大別すると、熱、皮疹、心膜炎などの全身症状が間欠的に現れるもの(全身型)と、いくつかの関節に症状がでるもの(少関節型、多関節型)とに分けられる。全身型若年性特発性関節炎は、関節炎とともに全身症状が現れることが特徴で、主徴は、高いスパイク熱と解熱の反復、熱に伴うサーモンピンク色様の皮疹である。他の症状として、筋肉痛、肝脾腫、リンパ節腫脹、心膜炎、胸膜炎などがある。多関節型若年性特発性関節炎は、発症して最初の6ヶ月間に全身症状はそれほどなく、5カ所以上の関節症状が認められる。リウマトイド因子と呼ばれる血中の自己抗体が存在するか否かでリウマトイド因子陽性型とリウマトイド因子陰性型に分けられる。
発現量を測定する際には、自己免疫疾患に罹患した患者由来の試料と健常者由来の試料との間で発現量が著しく変動している遺伝子もしくは遺伝子セット、または自己免疫疾患に罹患した患者においてその病態により発現量が著しく変動している遺伝子もしくは遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現量を測定するのが望ましい。このために高判別能遺伝子リストを作成し、そのリストから選ばれる複数の遺伝子を含む遺伝子セットを選び、該遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出する。高判別能遺伝子リストの作成、遺伝子セットの選択、および判別方法については、後記のとおりである。
遺伝子セットの決定方法
一実施形態において本発明は、下記(i)〜(v)の工程により決定された遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出することを含む、自己免疫疾患を検査する方法に関する:
(i)自己免疫疾患特異的に発現した遺伝子群の発現データを標準化する;
(ii)高判別能遺伝子の順位付けを行い、高判別能遺伝子リストを作成する;
(iii)高判別能遺伝子リストから遺伝子セットを選択する;
(iv)工程(iii)の遺伝子セットの判別能力評価を行う;
(v)判別能力を有する遺伝子セットを決定する。
ここで自己免疫疾患特異的に発現した遺伝子とは、被検者由来の試料において測定された各遺伝子の発現量を対照と比較し、その発現量が有意に上昇している遺伝子および有意に減少している遺伝子の双方を包含する。
以下、遺伝子判別分析手法により自己免疫疾患を判別するための遺伝子セットを決定する方法の一実施形態について説明する。
遺伝子の発現検出は、試料における対象遺伝子のmRNA量を測定することにより実施できる。このために対象遺伝子のmRNAから、それと塩基配列が対応するcDNAまたはaRNA等の被検ポリヌクレオチドを調製し、DNAマイクロアレイ(DNAチップ)などを用いて測定するのが通常である。
被検ポリヌクレオチドとマイクロアレイ上の特定の遺伝子に対するプローブとのハイブリダイゼーションを検出するために、これらを標識する。例えば、放射性同位元素、化学発光化合物、重金属原子、分光学的マーカー、磁気マーカー、関連酵素、蛍光標識などで標識できる。それぞれの標識対象分子に応じた好適な標識方法は、当業者であれば適宜選択できる。蛍光標識が最も好ましく、蛍光標識には、例えば、フルオレセイン、ジクロロ−フルオレセイン、BODITY(商標)、ROX、ローダミン、Cy2、Cy3、Cy5、IRD40など種々のものが公知であり、いずれを用いてもよいが、Cy3、Cy5が特に好ましい。Cy3またはCy5等による標識のためには、cDNAおよびaRNAのいずれの場合にも、合成の際にアミノアリルdUTPを取り込ませる。
このようにして得られたcDNAやaRNA試料を、上記被検ポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズするプローブが固定されたマイクロアレイの上にのせてハイブリダイズさせる(Brown, P. O. et al., Nature genet. 21, suppliment, 33-37 (1999))。
DNAチップは、市販のもの(例えば、日立ソフトウェアインジニアリング社製、AceGene(登録商標) Human Oligo Chip 30K)を用いてもよいし、公知の方法(Lipshutz, R. J. etal., Nature genet. 21, suppliment, 20-24 (1999))に基づき作製してもよい。固定化するDNAとしては、ヒトのESTデータベース等の配列情報をもとに作製されたプライマーで逆転写酵素反応やPCRを実施することによりクローン化されたものや遺伝子の配列情報により化学合成したオリゴヌクレオチド等を用いる。
ハイブリダイゼーションの条件および方法等は、当業者によく知られている。例えば、ハイブリダイゼーションバッファーは、5×SSC、0.5%SDS、4×Denhardt's solutionなどでよい。ハイブリダイゼーションは、35〜60℃、好ましくは42〜50℃、さらに好ましくは45℃で、2時間以上、好ましくは一晩以上行うとよい。ハイブリダイゼーション条件は、標識分子の量または検出感度等を含む種々の要因に応じて、当業者が適宜設定することができる。ハイブリダイゼーション後、アレイを洗浄して、標識分子を読み取り、シグナルを可視化し、定量化する。
シグナル強度の測定には当技術分野で公知のいずれの方法も使用できる。例えば、標識として放射性同位体を用いた場合には、放射活性を、例えば液体シンチレーションカウンター、γ-カウンターなどにより計測することができる。また標識として蛍光物質を用いた場合には、その蛍光を蛍光顕微鏡、蛍光プレートリーダー、蛍光スキャナーなどを用いて検出することができる。
定量化された全プローブについて、標識分子由来のシグナル強度をテキスト形式の数値データとして得る。シグナル強度の低い部分は、バックグラウンドの影響を大きく受けるので、例えばCy3とCy5の蛍光強度が1000を超えているなどのカットオフを設けることにより、蛍光強度がカットオフを超えるデータのみを残し、蛍光強度の低いデータを棄却する。例えば、Cy3およびCy5それぞれについて、蛍光強度の値がバックグラウンド値に2標準偏差分だけ足した値よりも大きなプローブについてのデータを利用する。各プローブのCy3とCy5の蛍光強度値の比を算出し、検出感度の補正を行った標準化数値データを得る。
データ中に存在する欠測値は、解析方法によっては何らかの方法で補間して、以降の解析に使用してもよい。補間の方法としてはさまざまなものが適用可能であるが、例えば補間する欠測値を含む症例についての全データの平均値に、その欠測値を含む遺伝子の全症例についてのデータの平均値を加えた値から、全症例についての全遺伝子のデータの平均値を引いた値をもって補間する方法がある。他には、Troyanskayaらの報告(Bioinformatics, vol. 17, 520-525, 2001)において3種類の補間方法、すなわちK-Nearest Neighbors(KNN)method、Singular Value Decomposition(SVD)based methodおよびrow average methodによる補間などが挙げられる。これらのうちのいずれかの方法を適用することにより、すべての欠測値を補間することが可能である。場合により、欠測値の補間は実施しなくともよい。
かくして選択される標準化数値データ(以下「標準化遺伝子発現データ」と称することもある)は、バックグラウンドの影響を受けておらず、かつ、健常者由来のサンプルとの比較における自己免疫疾患患者由来の試料における遺伝子発現の変動幅が個人差に起因する遺伝子発現変動幅を超えている遺伝子の発現情報を有しており、以降の統計解析の信頼性を確保することができるものである。
上記のようにして得られた標準化遺伝子発現データを多変量解析することによって、統計学的処理を行い、遺伝子セットを選択する。
以下、図1を参照することにより、遺伝子セットの決定手法の概略について説明する。
手順101:
上記標準化遺伝子発現データ中の数値のそれぞれに対応するDNAマイクロアレイ上のプローブ番号のリストと症例番号のリストからなる標準化データマトリックスを用意する。
手順102:
テスト用のデータとして、標準化データマトリックスから1サンプル除去する。
手順103:
後述の高判別能遺伝子の順位付け処理によって、高い判別能力を持つ順番に遺伝子を並べたリスト(高判別能遺伝子リスト)を生成する。
手順104:
手順103によって作成された高判別能遺伝子リストの上位から順番に遺伝子を抜き取ることにより遺伝子セットを選択し、手順102において除去しておいたテスト用サンプルが自己免疫疾患であるかどうか判別を行う。判別の方法は、後述の手順301〜手順306に従う。
手順105:
テスト用に除去していたサンプルを元に戻す。
手順106:
解析の途中、サンプルは1度だけ除去される。1度も除去されていないサンプルが存在した場合、手順102に戻り、そのサンプルをテスト用サンプルとして除去して解析を進める。
手順107:
解析したすべての結果を総合し、遺伝子セットの判別率が評価基準以上であるならば、得られたその遺伝子セットを採択し、判別率が評価基準以下である場合、その遺伝子セットは採用せず、処理を終了する。以上の手順を繰りかえすことによって、遺伝子セットを決定する。
図1における手順103の高判別能遺伝子の順位付け処理は、手順201〜205にしたがって実施される(図2)。本処理は、Golubらの方法(Science. vol. 286, 531-537, 1999)に従って実施できる。処理は、標準化データマトリックス中に含まれる遺伝子を1つ1つ順に処理する。
手順201:
ある遺伝子Nを処理対象とした際、サンプルは、自己免疫疾患の患者由来のサンプルか、健常者由来のサンプルであるか、ラベルがつけられている。それぞれのラベルを基に以下の式1を用いて、その遺伝子が自己免疫疾患の判別分析にどの程度有用であるかを示す指標としてSignal To Noise Ratio値を計算する。
Figure 2007129960
式1中のμIは自己免疫疾患サンプルの遺伝子発現比率の平均値、μIIは健常者サンプルの遺伝子発現比率の平均値、σは自己免疫疾患サンプルの遺伝子発現比率の標準偏差、σIIは健常者サンプルの遺伝子発現比率の標準偏差を表す。
手順202:
各サンプルにつけられているラベルをランダムに入れ替えて、式1を用いて再度Signal to Noise Ratioの値を計算する。
手順203:
手順202の処理を所定の回数繰り返す。なお、Golubらは400回で行っていたが、本発明の実施例では手順202を1000回繰り返した。
手順204:
手順201、202によって計算された数値を元に、手順201において計算されたSignal To Noise Ratio値のpValueを計算し、pValueが一定値以上(p>=0.01)の遺伝子を除去する。
手順205:
標準化データマトリックスを手順202で計算されたSignal to Noise Ratioの順に並び替える。
図1における手順104の遺伝子セットの判別能力評価は、手順103によって作成された、順位付け処理された高判別能遺伝子リストから選択した遺伝子セットについて実施される。本処理は、Golubらの方法(Science,前掲)に従って実施できる(図3)。手順103によって作成された、高判別能遺伝子リストを上位から一定個数ずつ抜き取って遺伝子セットを選択し、手順102で除去されたサンプルが自己免疫疾患であるかどうかを判別する。
手順301:
手順102において、順位付けされた遺伝子リストの上位1〜N番目の遺伝子を抜き出した遺伝子セットを選択する。
手順302:
手順301によって、抜き出された遺伝子セットを利用して、手順102によって除去されている1サンプルが、自己免疫疾患か、健常者かを判別するために、以下の式2を利用して、重み付投票値Vを計算する。
Figure 2007129960
遺伝子iに関して、式2中のμIは、自己免疫疾患サンプルの遺伝子発現比率の平均値、μIIは健常者のサンプルの遺伝子発現比率の平均値、xiは判別したいサンプル中に含まれる遺伝子iの発現率の値、p(g,c)がSignal To Noise Ratioの値を表す。
xiの値がμIに近いかμIIに近いかによって、投票の方向を決定し、投票値としてViを利用する。
手順303:
手順301によって抜き出された遺伝子セットに含まれる遺伝子すべてに対して、上記式2を利用して投票を行い、最終的に投票値の絶対値が大きいほうを、その遺伝子セットによって、決定された判別値とする。
手順304:
なお、手順302で得られた投票値を用いて、その予測がどの程度確からしいかをPrediction Scoreとして、以下の式3を用いて計算を行う。
Prediction Score:
Figure 2007129960
Vwinは、勝った方に投票した投票値の総数であり、Vlooseは負けた方に投票した投票値の総数である。
手順305:
手順102において除去されたサンプルは、事前に自己免疫疾患であるかどうかはわかっているので、今回予測された結果と比べて分析が当たっていたかどうかを調べる。
手順306:
Golubらの方法(Science,前掲)に従い、手順304で計算されたPrediction Scoreが、使用遺伝子数のルート1/2以下の場合、その判別結果は判定不能とする。
図1の手順107においては、手順106までの処理において順位付けされた高判別能遺伝子リストの上位から順番に抜き出した遺伝子セットの判別率(正解数/(正解数+誤答数))を計算することによって当該遺伝子セットの判別能力評価を行う。通常、50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上の判別率(判別能力)を有する遺伝子セットを、高判別能遺伝子セットとして決定する(図4)。
そして、未知のサンプルにおける、決定された遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出し、得られた発現情報を手順301〜306に準じて統計処理すること、自己免疫疾患を検査することができる(図3および図5)。
別の実施形態において本発明は、下記(i)〜(v)の工程により決定された遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出することを含む、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別する方法に関する:
(i)全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の間で特異的に発現した遺伝子群の発現データを標準化する;
(ii)高判別能遺伝子の順位付けを行い、高判別能遺伝子リストを作成する;
(iii)高判別能遺伝子リストから遺伝子セットを選択する;
(iv)工程(iii)の遺伝子セットの判別能力評価を行う;
(v)判別能力を有する遺伝子セットを決定する。
ここで全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の間で特異的に発現した遺伝子とは、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎とで測定された各遺伝子の発現量が有意に異なる遺伝子をさす。
遺伝子リストの決定方法については上記と同様であり、全身型若年性特発性関節炎の患者由来のサンプルか、全身型若年性特発性関節炎の患者由来のサンプルであるか、ラベルを付したサンプルを用いて、高判別能遺伝子リストを作成し、遺伝子セットを選択し、判別能力評価および判別を実施できる。
遺伝子リスト
一実施形態において、自己免疫疾患を検査するための高判別能遺伝子リストは、好ましくは、配列番号1〜100で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストである(表1)。
Figure 2007129960
Figure 2007129960
Figure 2007129960
表1において、DNAチップID番号とは、日立ソフトウエアエンジニアリング社製、AceGene(登録商標) Human Oligo Chip 30KにおけるID番号をさし、http://bio.hitachi-sk.co.jp/acegene/human30k/search_30k/search_human30k.htmlにおいて該ID番号を入力することにより、該DNAチップ上のプローブが対象とする遺伝子を検索することもできる。また、「+」は、自己免疫疾患、特に若年性特発性関節炎の患者においてその発現量が増加している遺伝子をさし、「−」は自己免疫疾患、特に若年性特発性関節炎の患者においてその発現量が減少している遺伝子をさす。
一実施形態において、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別するための高判別能遺伝子リストは、配列番号101〜200で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストである(表2)。
Figure 2007129960
Figure 2007129960
Figure 2007129960
表2において、また、「+」は、全身型若年性特発性関節炎の患者においてその発現量が増加している遺伝子をさし、「−」は全身型若年性特発性関節炎の患者においてその発現量が減少している遺伝子をさす。
上記表1および表2の遺伝子リストにおいて、ID番号は、GenBankに登録されているアクセッション番号をさす。
各遺伝子リストに含まれる各塩基配列で特定される遺伝子には、各塩基配列からなる遺伝子、ならびに該遺伝子と機能的に同等な遺伝子が包含される。ここで「機能的に同等」とは、対象となる遺伝子によってコードされるポリペプチドが、各塩基配列からなる遺伝子によってコードされるポリペプチドと同等の生物学的機能、生化学的機能を有することをさす。
あるポリペプチドと機能的に同等なポリペプチドをコードする遺伝子を調製する当業者によく知られた方法としては、ハイブリダイゼーション技術(Sambrook,J.et al.,Molecular Cloning 2nd ed.,9.47-9.58,Cold Spring Harbor Lab.press,1989)を利用する方法が挙げられる。なお、本明細書中において、「遺伝子」という用語には、DNAおよびRNAが包含され、ゲノムDNAのみならず、mRNA、cDNA、aRNAおよびcRNAも含むものとする。また、全長遺伝子のみならずESTも含むものとする。
各塩基配列で特定される遺伝子には、各塩基配列と相補的な塩基配列からなる遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする遺伝子が含まれる。ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいい、すなわち、各塩基配列に対し高い相同性(相同性または同一性が60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上)を有する遺伝子がハイブリダイズする条件をいう。より具体的には、このような条件は、当該分野において周知慣用な手法、例えば、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、マイクロアレイ法またはサザンブロットハイブリダイゼーション法などにおいて、具体的には、ポリヌクレオチドを固定化したメンブランを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC(Saline Sodium Citrate;150mM 塩化ナトリウム、15mM クエン酸ナトリウム)溶液を用い、65℃でメンブランを洗浄することにより達成できる。
また、塩基配列情報を基に合成したプライマーを用いる遺伝子増幅法、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法、LAMP法などを利用して、各遺伝子と機能的に同等な遺伝子を単離することも可能である。
また、機能的に同等の遺伝子は、通常、アミノ酸配列レベルにおいて高い相同性または同一性を有する。高い相同性または同一性とは、アミノ酸レベルにおいて、通常、少なくとも50%以上、好ましくは75%以上、さらに好ましくは85%以上、さらに好ましくは95%以上の相同性または同一性をさす。アミノ酸配列や塩基配列の相同性または同一性は、アルゴリズムBLAST(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5877 (1993))によって決定することができる。このアルゴリズムに基づいて、BLASTNやBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990))。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。
遺伝子セット
本発明における自己免疫疾患を判別するための好適な遺伝子セットは、配列番号1〜100で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットであって、その自己免疫疾患判別率が50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上の遺伝子セットである。ここで、自己免疫疾患判別率は上記の方法により決定されるものである。該遺伝子セットは、表1の遺伝子リストから選択される少なくとも5遺伝子、好ましくは5〜50遺伝子、より好ましくは10〜40遺伝子、さらに好ましくは10〜30遺伝子を含む。
より具体的には、本発明における自己免疫疾患を判別するための好適な遺伝子セットは、配列番号1〜100で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストの少なくとも1番目から5番目までの遺伝子、好ましくは少なくとも1番目から10番目までの遺伝子、より好ましくは少なくとも1番目から15番目までの遺伝子、さらに好ましくは少なくとも1番目から20番目までの遺伝子を含む。
ここで例えば、「遺伝子リストの少なくとも1番目から5番目までの遺伝子を含む遺伝子セット」とは、1番目から5番目までの遺伝子以外の遺伝子を含んでいてもよいことを意味し、好ましくは配列番号1〜100のいずれかで表される塩基配列で特定される遺伝子からなる上記遺伝子リストに含まれるその他の遺伝子を含む。
また、好適な遺伝子セットの別の具体例としては、遺伝子リストの1番目から20番目までの遺伝子から選択される少なくとも5の遺伝子、好ましくは少なくとも10の遺伝子を含む遺伝子セットが挙げられる。
ここで例えば、「上記遺伝子リストの1番目から20番目までの遺伝子から選択される少なくとも5の遺伝子を含む遺伝子セット」とは、上記と同様に、1番目から20番目までの遺伝子以外の遺伝子を含んでいてもよいことを意味し、好ましくは配列番号1〜100のいずれかで表される塩基配列で特定される遺伝子からなる上記遺伝子リストに含まれるその他の遺伝子を含む。
遺伝子セットに含まれる遺伝子のうちの、50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の遺伝子が、配列番号1〜100のいずれかで表される塩基配列で特定される遺伝子からなる遺伝子リストに含まれる遺伝子であることが好ましい。
未知サンプルにおいて、これらの遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出することにより、自己免疫疾患を高い判別率で、確実に判別することができる。
本発明における全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別するための好適な遺伝子セットは、配列番号101〜200で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットであって、その全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の判別率が50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上の遺伝子セットである。ここで、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の判別率は上記の方法により決定されるものである。該遺伝子セットは、表2の遺伝子リストから選択される少なくとも5遺伝子、好ましくは5〜50遺伝子、より好ましくは10〜40遺伝子、さらに好ましくは10〜30遺伝子を含む。
より具体的には、本発明における全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別するための好適な遺伝子セットは、配列番号101〜200で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストの少なくとも1番目から5番目までの遺伝子、好ましくは少なくとも1番目から10番目までの遺伝子、さらに好ましくは少なくとも1番目から15番目までの遺伝子を含む。
ここで例えば、「遺伝子リストの少なくとも1番目から5番目までの遺伝子を含む遺伝子セット」とは、1番目から5番目までの遺伝子以外の遺伝子を含んでいてもよいことを意味し、好ましくは配列番号101〜200のいずれかで表される塩基配列で特定される遺伝子からなる上記遺伝子リストに含まれるその他の遺伝子を含む。
また、好適な遺伝子セットの別の具体例としては、遺伝子リストの1番目から15番目までの遺伝子から選択される少なくとも5の遺伝子、好ましくは少なくとも10の遺伝子を含む遺伝子セットが挙げられる。
ここで例えば、「上記遺伝子リストの1番目から15番目までの遺伝子から選択される少なくとも5の遺伝子を含む遺伝子セット」とは、上記と同様に、1番目から15番目までの遺伝子以外の遺伝子を含んでいてもよいことを意味し、好ましくは配列番号101〜200のいずれかで表される塩基配列で特定される遺伝子からなる上記遺伝子リストに含まれるその他の遺伝子を含む。
遺伝子セットに含まれる遺伝子のうちの、50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の遺伝子が、配列番号101〜200のいずれかで表される塩基配列で特定される遺伝子からなる遺伝子リストに含まれる遺伝子であることが好ましい。
未知サンプルにおいて、これらの遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出することにより、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を高い判別率で、確実に判別することができる。
遺伝子発現量の測定
被検者由来の試料中の、各遺伝子の発現を検出する方法、より詳しくは各遺伝子の発現量を測定する方法としては、被検者由来の試料中の各塩基配列で特定される遺伝子のmRNAを測定する方法が挙げられる。
以下、被検者由来の試料中の各塩基配列で特定される遺伝子のmRNAを測定する方法について説明する。ここで、各遺伝子のmRNAの測定には、該mRNAから調製されたcRNA、cDNAまたはaRNAを測定することも包含される。
当該方法は、被検者由来の試料、特に全血から全RNAを抽出する工程、および該全RNAにおける対象遺伝子、すなわち各塩基配列で特定される遺伝子の発現量を測定する工程を含む。
被検体由来の試料から全RNAを抽出する方法は、特に限定されず、例えば、チオシアン酸グアニジン・塩化セシウム超遠心法、チオシアン酸グアニジン・ホットフェノール法、グアニジン塩酸法、酸性チオシアン酸グアニジン・フェノール・クロロホルム法(Chomczynski, P. and Sacchi, N., (1987) Anal. Biochem., 162, 156-159)等を採用することができる。なかでも、酸性チオシアン酸グアニジン・フェノール・クロロホルム法が好適である。
対照として用いられる自己免疫疾患に罹患していない健常者試料由来の全RNAは、上記と同様に抽出、精製して調製することも可能であるが、市販のものを用いてもよい。
続いて、上記で得られた全RNAよりcRNA、cDNAまたはaRNAなどの被検ポリヌクレオチドを調製し、これを放射性同位体、蛍光物質、発光物質などの適当な標識でラベルすることにより、そのシグナル強度を検出する。放射性同位体としては、32P、125I、35Sなどを用いることができる。また蛍光物質としては、例えば、CyDye、フルオレセン(FITC)、スルホローダミン(SR)、テトラメチルローダミン(TRITC)などを用いることができる。また発光物質としてはルシフェリンなどを用いることができる。
シグナル強度の検出は、標識を検出するための当技術分野で公知の方法であればいずれの方法の使用できる。例えば、標識として放射性同位体を用いた場合には、放射活性を、例えば液体シンチレーションカウンター、γ-カウンターなどにより計測することができる。また標識として蛍光物質を用いた場合には、その蛍光を蛍光顕微鏡、蛍光プレートリーダー、蛍光スキャナーなどを用いて検出することができる。
具体的には、上記被検ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするプローブが固定された担体に前記被検ポリヌクレオチドをハイブリダイズさせることにより測定できる(Brown, P. O. et al., Nature genet. 21, suppliment, 33-37 (1999))。例えば、抽出した全RNAから逆転写酵素反応でcDNAを作製し、該cDNAからT7酵素反応でaRNAを作製する際にアミノアリル-UTP等を加え、蛍光標識(例えば、Cy3、Cy5等)で間接標識し、固定化されたプローブとハイブリダイゼーションを行い、標識に由来する蛍光シグナルを検出、解析する。
プローブが固定化された担体としては、例えば、DNAマイクロアレイ(DNAチップ)を用いることができる。DNAチップは、データベース上のEST配列、または全RNA配列を基に合成したDNAを固定化したものが好ましい。該DNAチップは、市販のもの(例えば、日立ソフトウエアエンジニアリング社製、AceGene(登録商標) Human Oligo Chip 30K)を用いてもよいし、公知の方法(Lipshutz, R. J. etal., Nature genet. 21, suppliment, 20-24 (1999))に基づき作製してもよい。
また、プライマーを用いて被検ポリヌクレオチドを鋳型とした増幅反応を行い、その特異的増幅反応を検出することにより、被検者由来の試料中の遺伝子の発現量を測定することもできる。
増幅手法としては、特に限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法の原理を利用した公知の方法、例えば、PCR法、RT-PCR法、リアルタイムPCR法、ATAC-PCR法等が挙げられる。その他の増幅手法としては、LAMP法、ICAN法、RCA法、LCR法、SDA法などを挙げることができる。増幅は、増幅産物が検出可能なレベルになるまで行う。
上記増幅反応後に特異的な増幅反応が起こったか否かを検出するには、増幅反応により得られる増幅産物を特異的に認識することができる公知の手段を用いることができる。例えば、アガロースゲル電気泳動法等を利用して、特定のサイズの増幅断片が増幅されているか否かを確認することにより、特異的な増幅反応を検出することができる。
あるいは、増幅反応の過程で取り込まれるdNTPやdUTPに、放射性同位体、蛍光物質、発光物質などの標識を作用させ、この標識を検出することができる。これら標識の種類や標識の導入方法等に関しては、特に制限されることはなく、従来公知の各種手段を用いることができる。以上のようにして特異的な増幅反応の増減により、被検者由来の試料において各遺伝子の発現量を測定できる。
その他の遺伝子発現量の測定方法としては、例えば、サブトラクション法(Sive, H. L. and John, T. St., Nucleic Acids Research 16, 10937 (1988)、Wang, Z., and Brown, D. D., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88, 11505-11509 (1991))、ディファレンシャル・ディスプレイ法(Liang, P., and Pardee, A. B., Science 257, 967-971 (1992)、Liang, P., Averboukh, L.,Keyomarsi, K., Sager, R., and Pardee, A. B., Cancer Research 52, 6966-6968 (1992))、ディファレンシャル・ハイブリダイゼーション法(John, T. St., and Davis, R. W. Cell, 16, 443-452 (1979))、また、適当なプローブを用いたクロスハイブリダイゼーション法(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Maniatis, T., Fritsch, E.F., Sambrook, J., Cold Spring Harbor Laboratory Press (1982))等を挙げることができる。
上記方法において、被検者由来の試料は、被検者や臨床献体等から単離された、血液、体液、組織または排泄物等の試料を意味するが、血液に由来する試料、例えば、全血、血液細胞抽出物(例えば、リンパ球などの白血球の抽出物)、血清を用いるのが好ましく、特に全血を用いるのが好ましい。
キット
本発明はまた、配列番号1〜100で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットにおいて、(a)各遺伝子を特異的に増幅するための15〜30塩基長の連続したプライマー、または(b)各遺伝子を検出するための20〜1500塩基長の連続したプローブを含み、該遺伝子セットの自己免疫疾患の判別率が50%以上である、自己免疫疾患を判別するためのキットに関する。
本発明はまた、配列番号101〜200で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットにおいて、(a)各遺伝子を特異的に増幅するための15〜30塩基長の連続したプライマー、または(b)各遺伝子を検出するための20〜1500塩基長の連続したプローブを含み、該遺伝子セットの全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の判別率が50%以上である、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別するためのキットに関する。
前記(a)記載のプライマーは、各塩基配列に基づき、市販のプライマー設計ソフトを用いる等、常法により容易に設計し、増幅することができる。利用可能なソフトとしては、例えばOligoTM(National Bioscience Inc.)、GENETYX(ソフトウェア開発(株))などが挙げられる。プライマーとして実質的な機能を有する長さは、通常15〜30塩基であり、さらに好ましくは18〜20塩基である。
前記(b)記載のプローブは、各塩基配列で特定される遺伝子のmRNAから調製されるcDNA、cRNAまたはaRNA等の被検ポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、20〜1500塩基長程度のものが好ましい。具体的には、ノーザンハイブリダイゼーション法であれば、20塩基長程度の1本鎖オリゴヌクレオチドか2本鎖DNAが好適に用いられる。また、DNAチップであれば、100〜1500塩基長程度の2本鎖DNA、または20〜100塩基長程度の1本鎖オリゴヌクレオチドが好適に用いられる。
該プローブは、ガラス板、プラスチック基板、ナイロンメンブレン、マイクロビーズ、シリコンチップ等の担体に固定されていてもよく、このような固定化担体とその作製方法については、既に説明したが、例えば、DNAチップを挙げることができる。
これらのプライマーやプローブは、適当な標識によりラベル(例えば、酵素標識、放射性標識、蛍光標識等)されていてもよく、またビオチン、リン酸、アミン等により修飾されていてもよい。また、プライマーやプローブの設計の際には、融解温度(Tm)やGC含量などを考慮することが好ましい。
本発明のキットは上記した構成要素のほか、必要に応じて、ハイブリダイゼーション、プローブの標識、ラベル体の検出等、本発明にかかる自己免疫疾患の検査に必要な試薬等を適宜含んでいてもよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明の範囲は実施例の範囲に限定されない。
ヒト約30,000遺伝子からデザインしたオリゴDNAを搭載したDNAチップ(AceGene(登録商標) Human Oligo Chip Human 30K)を用い、末梢血細胞中に発現している遺伝子について、被検者の末梢血全血より抽出された全RNAを対照として、遺伝子の発現量を測定した。
具体的には、末梢血細胞中から抽出した全RNAを使用してアミノアリル増幅aRNAを調製し、そのaRNAを各々蛍光色素Cy3、Cy5で間接標識(ポストラベル)してDNAチップ (AceGene(登録商標) Human Oligo Chip Human 30K) にてハイブリダイゼーションを行い、蛍光スキャナーで末梢血細胞中に発現している遺伝子の発現量の変化を測定した。
測定試料として以下を用いた:
全身型若年性特発性関節炎(soJIA)患者の末梢血細胞より抽出された全RNA:51症例
多関節型若年性特発性関節炎(polyJIA)患者の末梢血細胞より抽出された全RNA:5症例
健常子供の末梢血細胞より抽出された全RNA:8症例
健常成人の末梢血細胞より抽出された全RNA(Reference作成のため):45症例
測定試料は室温で保存し、全RNAの抽出後から測定終了時までの期間は、超低温槽(SANYO社製)中、-60℃以下で保存した。
実施例1 全RNAの抽出
PAXgene真空採血管(PreAnalytiX)を用いて採られた末梢血より、PAXgene RNA Blood RNA Kit(PreAnalytiX)を用いて全RNAを抽出した。詳細は以下のとおりである。
4℃で保存(一日以上)してある採血管を、RNA抽出前に30分間室温で静置した。4000Gで10分間室温で遠心した。デカントで上澄みを除去し、ペレットにRNAse free H2Oを5ml加え、ボルテックスした。4000Gで10分間室温で遠心した。デカントで上澄みを除去し、Buffer BR1 360μlを添加し、ボルテックス後1.5mlチューブにピペッティングで移した。Buffer BR2 300μl、Proteinase K 40μlを添加し、ボルテックスした。55℃で10分間インキュベートし、途中に2〜3回 ボルテックスした。15000 Gで3分間室温で遠心後、上清を1.5mlチューブ にピペッティングで移した。99.5% EtOH 350μlを添加し、ボルテックスした。試料700μlをPAXgeneカラムに添加し、15000Gで1分間室温で遠心した。残りの試料をPAXgeneカラムに添加し、15000Gで1分間室温で遠心した。
カラムを新しいコレクションチューブに置き、Buffer BR3 350μlを添加し、15000 Gで1分間室温で遠心した。カラムを新しいコレクションチューブに置き、DNAse I(DNAse:10 RDD:70μl)80μlを添加し、15分間静置した。静置したカラムに、Buffer BR3 350μl μlを添加し、15000rpmで1分間室温で遠心した。カラムを新しいコレクションチューブに置き、Buffer BR4 500μlを添加し15000 Gで1分間室温で遠心した。カラムを新しいコレクションチューブに置き、Buffer BR4 500μlを添加し15000 Gで3分間室温で遠心した。 カラムを新しいコレクションチューブに置き、15000 Gで1分間室温で遠心しEtOHを除いた。カラムを溶出チューブにセットし、Buffer BR5 50μlをメンブレン全体を湿らすように添加し、5分間静置した後15000 Gで1分間室温で遠心した。溶出液を再度カラム上に添加し、5分静置した後、15000 Gで1分間室温で遠心した。得られた全RNAを‐60℃以下で保存した。
全RNA 1μlを使用してNanoDrop(登録商標)(NanoDrop(登録商標) Technologies Inc.)で濃度測定した。また、全RNA 1μlを使用してAgilent 2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies Inc.)で品質をチェックした(18S rRNA:28S rRNAの存在比が約1:2であることが望ましい)。
NanoDrop(登録商標)で算出された濃度を基に各全RNAを1μgずつ小分けしたものを3本調製し、残試料と共に-60℃以下の温度で保存した。
実施例2 aRNAの増幅
末梢血細胞由来全RNAをAmino Allyl Message AmpTM aRNA kit(#1752:Ambion)を用いて各々aRNA増幅し、アミノアリル標識aRNAを調製した。詳細は以下の1)〜6)のとおりである。
1)First Strand cDNA の調製
(1)以下の試薬を混合し、70℃のヒートブロックで10分間インキュベートした。
全RNA 2μg
T7 Oligo(dT)Primer 1μl
Nuclease free DW up to 12μl
(2)以下の組成(1サンプルあたり)でプレミックスを調製した。
10×First Strand Buffer 2μl
Ribonuclease Inhibitor 1μl
dNTP Mix 4μl
Reverse Transcriptase 1μl
(3)(1)の反応液に(2)のプレミックスを加え、数回ピペッティングして液を混合した後、42℃のヒートブロック中で2時間インキュベートした。サンプルを氷上に移し冷却した。
2)Second Strand cDNAの合成
上記のサンプルに以下の試薬を加え、数回ピペッティングして混合し、16℃で2時間インキュベートした。
Nuclease free DW 63μl
10×second Strand Buffer 10μl
dNTP Mix 4μl
DNA Polymerase 2μl
RNAse H 1μl
3)cDNAの精製
キットに添付のフィルターカートリッジをウォッシュチューブにセットし、cDNA binding buffer 50μlでフィルターを湿らせた。そのまま室温で5分間インキュベートした。合成したcDNAサンプル溶液に、cDNA binding buffer 250μlを加え、数回ピペッティングして混合した後、上記フィルターカートリッジに移した。溶液がフィルターを通過し終わるまで10000Gで1分間遠心した。ウォッシュチューブ内の液を捨て、フィルターカートリッジを戻した。cDNA wash buffer 650μlをフィルターに入れた。溶液がフィルターを通過し終わるまで10000Gで1分間遠心した。ウォッシュチューブ内の液を捨て、フィルターカートリッジを戻し、再度10000Gで1分間遠心してフィルターに残ったwash buffer を完全に振り落とした。フィルターカートリッジを新しいチューブにセットし、あらかじめ50℃に暖めておいたnuclease free DW 9μlをフィルターに入れた。この時、なるべくフィルターの中央部分にDWを入れるようにした。室温で2分間インキュベートした後、10,000Gで1分間遠心した。上記のnuclease free DW 9μlをフィルターに入れ、室温で2分間インキュベートし、10,000Gで1分間遠心する操作を繰り返し、14μlのcDNAサンプル溶液を回収した。
4)アミノアリル標識aRNA の合成
上記1)〜3)の操作で得られたcDNAサンプル溶液14μlを0.2ml遠心チューブに取り、以下の試薬を加えた。
aaUTP Solution (50 mM) 3μl
ATP, CTP, GTP mix (25 mM) 12μl
UTP Solution (50 mM) 3μl
T7 10×Reaction Buffer 4μl
T7 Enzyme Mix 4μl
数回ピペッティングして液を混合した後、37℃のサーマルサイクラーで14時間インキュベートした。インキュベート終了後、サーマルサイクラーは自動で4℃に設定された。DNAse 2μlを加えてピペッティングで混合し、37℃のサーマルサイクラーで30分間インキュベートした。
5)アミノアリル標識aRNAの精製
Amino Allyl Message AmpTM aRNA kit (Ambion)に添付されたaRNAコレクションチューブとフィルターカートリッジをセットした。4)で得られたサンプル溶液を1.5mlの遠心チューブに移し、58μlのnuclease free DW、aRNA binding buffer 350μl、100% EtOH 250μlを加え、数回ピペッティングして溶液を混合した後、aRNAコレクションチューブに入れ、10000Gで1分間遠心した。フィルターカートリッジをはずして遠心チューブ内の液を捨て、フィルターを戻した。aRNA wash buffer 650μlをフィルターに入れ、10000Gで1分間遠心した。チューブ内の液を捨て、フィルターカートリッジを戻し、再度1000Gで1分間程度遠心してフィルターに残ったwash bufferを完全に振り落とした。フィルターカートリッジを新しいチューブにセットし、あらかじめ50℃に暖めておいたnuclease free DW 50μlをフィルターに入れた。この時、なるべくフィルターの中央部分にDWを入れるようにした。室温で2分間インキュベートした後、10,000Gで2分間遠心した。上記のnuclease free DW 50μlをフィルターに入れ、室温で2分間インキュベートし、10,000Gで2分間遠心する操作を繰り返し、100μlのアミノアリル標識aRNAサンプルを回収した。
6)アミノアリル標識aRNAの濃度測定と保存
5)で得られたアミノアリル標識aRNAサンプル溶液から1μlを取り、RNA 6000 Nano LabChip(登録商標)kit(Agilent Technologies)を用いて、Bioanalyzer(登録商標)(Agilent Technologies)による電気泳動を行った。これにより正常にaRNA増幅が行われているかを確認した。同アミノアリル標識aRNAサンプル溶液から1μlを使用し、NanoDrop(登録商標)(NanoDrop(登録商標) Technologies Inc.)で濃度測定した。aRNA溶液は1回反応使用分(5μg)に分注し、下記の方法でEtOH沈殿を行い、-20℃以下にて保存した。
実施例3 カップリング反応およびフラグメンテーション
実施例2で得られたペレットをカップリングバッファーに溶解し、各々aRNAに蛍光色素Cy3またはCy5を結合させて標識化した。詳細は以下のとおりである。
DMSOに溶解したCyDye(Amersham Bioscience)をaRNA溶液に加え、40℃に設定されたヒートブロック中で1時間反応させた。未反応のCyDyeをゲルろ過カラム(Micro Bio-Spin(登録商標) P-30)で除去した。CyDye化されたaRNAは限外ろ過膜(Microcon(登録商標) YM-30)で精製・濃縮した。
得られた溶液に5×fragmentation bufferを混合した。94℃に設定されたヒートブロック中で15分加温後、クラッシュアイスで急冷した。3%アガロースゲル電気泳動法で、フラグメント化を確認した。得られた溶液を限外ろ過膜(Microcon(登録商標) YM-10)で精製・濃縮した。
実施例4 ハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション溶液、salmon sperm DNA等を加え、ターゲット溶液を作製した。ハイブリダイゼーション溶液は、塩化テトラメチルアンモニウム(Aldrich、T1、952-6、98+%)109.60gを約100mlの滅菌蒸留水に溶解し、更に滅菌蒸留水を加えて200mlにメスアップした後、0.2mm径のフィルターで濾過し、50mlのプラスチック製遠心チューブに分注して、室温(15℃〜27℃)にて保存することにより作製した。
ターゲット溶液を95℃に設定されたヒートブロック中にて2分熱変性後、クラッシュアイスで急冷した。ホルムアミドを加え、ハイブリダイゼーション液を作製した。自動ハイブリ装置(HS400 TECAN)を用いてハイブリダイゼーションを行った。
2×SSC-0.1%SDS溶液中で5分間(30℃)洗浄し、2×SSC-0.1%SDS溶液で5分間(30℃)洗浄し、2×SSC 溶液で5分間(30℃)洗浄し、1×SSC 溶液で5分間(30℃)洗浄した。
読取装置(ScanArray(登録商標)Lite)(Packard Biochip Technologies)を用いてDNAチップ上の各スポットのCy3およびCy5の蛍光強度を測定した。画像データーの数値化はDNASISArray(登録商標)を用いて行い、得られた数値データをExcel (Microsoft)上で標準化した。
上記実施例で用いた試薬の詳細は以下のとおりである。
Figure 2007129960
かくして選択された標準化数値データは、バックグラウンドの影響を受けておらず、Cy3とCy5の検出感度の違いによる誤差も含まず、解析した症例の大半においてデータが取得されており、かつ、健常者との比較における若年性特発性関節炎の遺伝子発現の変動幅、または全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎との比較における遺伝子発現の変動幅が、個人差に起因する遺伝子発現変動幅を超えている遺伝子の発現情報を有しており、以降の統計解析の信頼性を確保することができるものであった。
上記標準化遺伝子発現データに基づき、Golubらの方法(Science,前掲)に従い、上記手順101〜107、手順201〜205、および手順301〜306により、高判別能遺伝子リストの作成および遺伝子セットの決定を実施した。
本実施例で作成された若年性特発性関節炎を検査するための高判別能遺伝子リストは、上記表1に記載した配列番号1〜100のいずれかで特定される遺伝子からなる配列番号の順に順位付けされた遺伝子リストである。該遺伝子リストにおける1番目からN番目(Nは1〜100)までの遺伝子を含む遺伝子セットの若年性特発性関節炎の判別率を以下の表4に示す。
Figure 2007129960
表1に記載の遺伝子リストから選択される遺伝子を含む上記いずれの遺伝子セットを用いた場合も、0.9以上の判別率で若年性特発性関節炎を判別できることが示された。
本実施例で作成された全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別するための高判別能遺伝子リストは、上記表2に記載した配列番号101〜200のいずれかで特定される遺伝子からなる配列番号の順に順位付けされた遺伝子リストである。
該遺伝子リストにおける1番目からN番目(Nは1〜100)までの遺伝子を含む遺伝子セットの全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の判別率を表5に示す。
Figure 2007129960
表2に記載の遺伝子リストから選択される遺伝子を含む上記いずれの遺伝子セットを用いた場合も、0.9以上の判別率で全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別できることが示された。
遺伝子セットの決定手法の概略を示す。 高判別能遺伝子の順位付け処理の概要を示す。 遺伝子セットの判別能力評価の概要を示す。 遺伝子セット決定方法の概要を示す。 未知遺伝子サンプル判別法の概要を示す。

Claims (21)

  1. 末梢血細胞で発現している遺伝子の発現を検出することにより自己免疫疾患を検査する方法であって、
    被検者の全血から全RNAを抽出する工程、および
    該全RNAにおける該遺伝子の発現量を測定する工程を含む、
    前記方法。
  2. 自己免疫疾患が若年性特発性関節炎である、請求項1記載の方法。
  3. 被検者由来の試料中において、下記(i)〜(v)の工程により決定された遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出することを含む、自己免疫疾患を検査する方法:
    (i)自己免疫疾患特異的に発現した遺伝子群の発現データを標準化する;
    (ii)高判別能遺伝子の順位付けを行い、高判別能遺伝子リストを作成する;
    (iii)高判別能遺伝子リストから遺伝子セットを選択する;
    (iv)工程(iii)の遺伝子セットの判別能力評価を行う;
    (v)判別能力を有する遺伝子セットを決定する。
  4. 被検者由来の試料中において、配列番号1〜100で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットであって、該遺伝子セットの自己免疫疾患の判別率が50%以上である遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出することを含む、自己免疫疾患を検査する方法。
  5. 自己免疫疾患が若年性特発性関節炎である、請求項4記載の方法。
  6. 遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの少なくとも1番目から5番目までの遺伝子を含む、請求項4または5記載の方法。
  7. 遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの1番目から20番目までの遺伝子から選択される少なくとも5の遺伝子を含む、請求項4または5記載の方法。
  8. 被検者由来の試料中において、下記(i)〜(v)の工程により決定された遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出することを含む、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別する方法:
    (i)全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の間で特異的に発現した遺伝子群の発現データを標準化する;
    (ii)高判別能遺伝子の順位付けを行い、高判別能遺伝子リストを作成する;
    (iii)高判別能遺伝子リストから遺伝子セットを選択する;
    (iv)工程(iii)の遺伝子セットの判別能力評価を行う;
    (v)判別能力を有する遺伝子セットを決定する。
  9. 被検者由来の試料中において、配列番号101〜200で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットであって、該遺伝子セットの全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の判別率が50%以上である遺伝子セットに含まれる遺伝子の発現を検出することを含む、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別する方法。
  10. 遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの少なくとも1番目から5番目までの遺伝子を含む、請求項9記載の方法。
  11. 遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの1番目から15番目までの遺伝子から選択される少なくとも5の遺伝子を含む、請求項9記載の方法。
  12. 遺伝子の発現を検出することが、
    被検者由来の試料から全RNAを抽出する工程、および
    該全RNAにおける該遺伝子の発現量を測定する工程を含む、
    請求項3〜11のいずれか1項記載の方法。
  13. 配列番号1〜100で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットにおいて、各遺伝子を特異的に増幅するための15〜30塩基長の連続したプライマー、または各遺伝子を検出するための20〜1500塩基長の連続したプローブを含み、該遺伝子セットの自己免疫疾患の判別率が50%以上である、自己免疫疾患を判別するためのキット。
  14. 自己免疫疾患が若年性特発性関節炎である、請求項13記載のキット。
  15. 遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの少なくとも1番目から5番目の遺伝子を含む、請求項13または14記載のキット。
  16. 遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの1番目から20番目までの遺伝子から選択される少なくとも5の遺伝子を含む、請求項13または14記載のキット。
  17. 配列番号101〜200で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットにおいて、各遺伝子を特異的に増幅するための15〜30塩基長の連続したプライマー、または各遺伝子を検出するための20〜1500塩基長の連続したプローブを含み、該遺伝子セットの全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の判別率が50%以上である、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別するためのキット。
  18. 遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの少なくとも1番目から5番目の遺伝子を含む、請求項17記載のキット。
  19. 遺伝子セットが、高判別能遺伝子リストの1番目から15番目までの遺伝子から選択される少なくとも5の遺伝子を含む、請求項17記載のキット。
  20. 配列番号1〜100で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットであって、該遺伝子セットの自己免疫疾患の判別率が50%以上である、自己免疫疾患を検査するためのマーカー遺伝子セット。
  21. 配列番号101〜200で表される塩基配列で特定される遺伝子からなり配列番号の順に順位付けされた高判別能遺伝子リストから選択される遺伝子を含む遺伝子セットであって、該遺伝子セットの全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎の判別率が50%以上である、全身型若年性特発性関節炎と多関節型若年性特発性関節炎を判別するためのマーカー遺伝子セット。
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