JP2007129514A - 高周波スイッチモジュール、およびこれを用いた通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線通信機器に使用される高周波スイッチモジュールにおいて、スイッチのOFF経路へのアイソレーションを大きくする構造を提供する。
【解決手段】セラミック積層体の一方の主面に高周波半導体集積回路部品からなる高周波スイッチを搭載し、前記セラミック積層体の一方の主面に前記高周波スイッチと電気的に接続されるグランド用パッドを有し、他方の主面にグランド電極を有する高周波スイッチモジュールであって、前記グランド用パッドとグランド電極は前記セラミック積層体の表面および/または内部に形成されたらせん状又はミアンダ状の伝送線路パターンを含む導体パターンを介して電気的に接続されている高周波スイッチモジュール。
【選択図】図1
【解決手段】セラミック積層体の一方の主面に高周波半導体集積回路部品からなる高周波スイッチを搭載し、前記セラミック積層体の一方の主面に前記高周波スイッチと電気的に接続されるグランド用パッドを有し、他方の主面にグランド電極を有する高周波スイッチモジュールであって、前記グランド用パッドとグランド電極は前記セラミック積層体の表面および/または内部に形成されたらせん状又はミアンダ状の伝送線路パターンを含む導体パターンを介して電気的に接続されている高周波スイッチモジュール。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子電気機器間における無線伝送を行う無線通信装置に関し、特に高周波半導体集積回路部品からなる高周波スイッチを搭載した高周波スイッチモジュール、並びにそれを使用した通信装置に関する。
現在、IEEE802.11規格に代表される無線LAN(WLAN)によるデータ通信が広く一般化している。
WLANの規格として現在複数の規格が存在する。例えば、IEEE802.11aは、OFDM変調方式を用いて、最大54Mbpsの高速データ通信をサポートするものであり、その周波数帯域は5GHz帯が利用される。なおIEEE802.11aを欧州で使用可能にするための規格としてIEEE802.11hがある。
またIEEE802.11bは、DSSS方式で、5.5Mbps,11Mbpsの高速通信をサポートするものであり、無線免許なしに自由に利用可能な、2.4GHzのISM(Industrial, Scientific and Medical、産業、科学及び医療)帯域が利用される。
またIEEE802.11gは、OFDM変調方式を用いて、最大54Mbpsの高速データ通信をサポートするものであり、IEEE802.11bと同様に2.4GHz帯域が利用される。
WLANの規格として現在複数の規格が存在する。例えば、IEEE802.11aは、OFDM変調方式を用いて、最大54Mbpsの高速データ通信をサポートするものであり、その周波数帯域は5GHz帯が利用される。なおIEEE802.11aを欧州で使用可能にするための規格としてIEEE802.11hがある。
またIEEE802.11bは、DSSS方式で、5.5Mbps,11Mbpsの高速通信をサポートするものであり、無線免許なしに自由に利用可能な、2.4GHzのISM(Industrial, Scientific and Medical、産業、科学及び医療)帯域が利用される。
またIEEE802.11gは、OFDM変調方式を用いて、最大54Mbpsの高速データ通信をサポートするものであり、IEEE802.11bと同様に2.4GHz帯域が利用される。
2.4GHz帯域を使用する無線通信方式としては無線LAN以外にも、関連し合う電子機器との接続がケーブルを用いることなく実現でき極めて利便性の高い技術である近距離無線規格ブルートゥース(Bluetooth)が提案されている。
ブルートゥースは2.4GHzの前記ISM周波数帯を複数の無線チャンネルに分割して使用し、さらに各無線チャンネルを単位時間(1/1600秒)ごとに分割してタイムスロットとし、使用する無線チャンネルをタイムスロットごとに切り替える耐ノイズ性に優れた周波数ホッピング方式が採用されている。
ブルートゥースは2.4GHzの前記ISM周波数帯を複数の無線チャンネルに分割して使用し、さらに各無線チャンネルを単位時間(1/1600秒)ごとに分割してタイムスロットとし、使用する無線チャンネルをタイムスロットごとに切り替える耐ノイズ性に優れた周波数ホッピング方式が採用されている。
このようなWLANやブルートゥースを用いたマルチバンド通信装置の一例が特許文献1に記載されている。このマルチバンド通信装置は、通信周波数帯が異なる2つの通信システム(IEEE802.11a、IEEE802.11b)で送受信が可能な2つのデュアルバンドアンテナと、各通信システムでの送信データを変調し、受信データを復調する2つの送受信部と、前記アンテナを、前記送受信部にそれぞれ接続するための複数のスイッチ手段と、前記スイッチ手段の切り換え制御を行うスイッチ制御手段とを備えるものであり、ダイバーシティ受信可能なものである(図10参照)。
また他の例として、アンテナを一つにしてダイバーシティ通信を行わない場合は、通信装置は更に簡略な構成で実現できる。そのような例は特許文献2に記載されている。(図11)
これらの回路では、送受信信号の切り替えのため、SPDT(Single Pole Double Throw)スイッチが使用されている。SPDTスイッチは1つの共通入出力端子と2つの入出力端子の間における高周波信号の伝達経路切り替えによく使われており、PINダイオードを用いたスイッチやGaAs−FETを用いたGaAsスイッチがある。近年では携帯機器の低消費電力化の要望が高まっている為、消費電力の少ないGaAsスイッチが高周波部品に広く使用されている。
GaAsスイッチは半導体集積回路の形態で実現されており、SPDTスイッチの等価回路の一例を図12に、ベアチップの外観を図13に示す。このSPDTスイッチは高周波信号のON/OFFを行うFET(2a、2b)とOFF経路への漏洩信号を減衰させるノイズカット用のFET(2c、2d)と高周波信号の入出力端子(1a、1b、1c)とFETに動作電圧を印加する電源端子(Vc1、Vc2)から構成されている。例えば端子1aと1bの間で高周波信号を流す場合にはVc1に直流電圧を印加して、Vc2を0Vとする。こうすることでFET2aはON状態となり、端子1aと1bは高周波的に接続される。それと同時に2bはOFF状態となり端子1aと1cの経路は高周波的に遮断される。またグランドに接続された2dがON状態となるためOFF状態の2bを通過した漏洩信号の大部分は2dを介してアースへと流れ、端子1a、1cの間のアイソレーションは大きくなる。
GaAsスイッチにはSPDT以外にも2つの入出力端子と、別の2つの入出力端子との間で高周波信号の伝達経路切り替えを行うDPDT(Double Pole Double Throw)スイッチも広く使われている。DPDTスイッチの等価回路を図14に示す。このDPDTスイッチはVc1に直流電圧を印加した時には1dと1fの間の経路、ならびに1eと1gの間の経路が接続される。Vc2に直流電圧を印加した時には1dと1eの間の経路、ならびに1fと1gの間の経路が接続される。
これらの高周波回路にはスイッチ回路、分波器、バンドパスフィルタなどが多数使用される。これらの部品をモジュール化すると高周波回路の小型化が可能となり有益である。複数の通信規格を共用する高周波スイッチモジュールが特許文献3に記載されている。この高周波スイッチモジュールは、電極パターンが形成された複数の誘電体層を積層することで得られるセラミック積層体内部に分波器やフィルタ回路を形成し、セラミック積層体表面にスイッチの機能を持った高周波半導体集積回路素子を実装したものである。(図15)
このような高周波スイッチモジュールを実現する為には、図16に示すようにセラミック積層体の上面にGaAsスイッチを搭載する。一例として図13に示したSPDTスイッチを搭載する場合は、GaAsスイッチのベアチップ上の端子1a、1b、1c、Vc1、Vc2、はそれぞれセラミック積層体上に形成されたパッドe、a、c、d、fとワイヤボンディングにより接続される。パッドe、a、c、d、fはそれぞれセラミック積層体内部や表面に形成された所望の回路へと接続されている(図示せず)。また、GaAsスイッチのベアチップ上の端子G1、G2はパッドbへとワイヤボンディングにより接続される。パッドbはスルーホールによりセラミック積層体の裏面(実装面)に存在するグランド電極GNDへと電気的に接続されている。これによりGaAsスイッチ中のFET2c、2dはグランドへと接続されOFF経路のアイソレーションを大きくすることが可能となる。
また、パッドbとグランド電極GNDとの接続はスルーホールのみではなく、図17に示すようにセラミック積層体内に形成されたグランドパターンを介して行われることもある。
また、パッドbとグランド電極GNDとの接続はスルーホールのみではなく、図17に示すようにセラミック積層体内に形成されたグランドパターンを介して行われることもある。
無線通信装置では送信信号の一部が受信回路へと漏洩した場合、送信信号が歪み、変調精度が悪化することがあり問題となる。一般に高周波スイッチモジュールの送信端子から受信端子へのアイソレーションは最低25dB程度求められることが多い。
特許文献1に記載された回路構成では送信端子と受信端子の間は2つのスイッチを介している為アイソレーションを大きくすることが可能である。しかしながら特許文献1の構成ではスイッチが6個必要であり、高周波スイッチモジュールのサイズやコストの面で不利となる。
特許文献2に記載された回路構成では送信端子と受信端子の間にはスイッチが1つしかない為、高周波スイッチモジュールのサイズやコストの面で有利であるが、送信端子と受信端子間のアイソレーションは、特許文献1の構成に比べると小さくなる。図12にて示したように、GaAsスイッチにはOFF経路のアイソレーションを確保する為に、FET2c、2dが接続されている。これらのFETによりOFF経路のアイソレーションは大きくなっているものの、その大きさは2.4GHz近辺で25dB程度であり、高周波スイッチモジュールの送信端子から受信端子へのアイソレーションを最低25dBとする為にはまだ余裕が無い。また、セラミック積層体内に形成された電極パターン間では電磁気的干渉が発生する為にアイソレーションが悪化する傾向にある。そのためGaAsスイッチにはより一層大きなアイソレーションが必要とされていた。
本発明は上述の様な問題点を鑑み、OFF経路のアイソレーションが十分大きい高周波スイッチモジュール、およびこれを用いた通信装置を提供する事を目的とする。
第1の本発明は、導体パターンが形成された複数の誘電体層を積層してなるセラミック積層体と、当該セラミック積層体の一方の主面に高周波半導体集積回路部品からなる高周波スイッチを搭載した高周波スイッチモジュールであり、前記セラミック積層体の一方の主面に高周波スイッチと電気的に接続されるグランド用パッドを有し、他方の主面にグランド電極を有する高周波スイッチモジュールであって、前記グランド用パッドとグランド電極は前記セラミック積層体の表面および/または内部に形成されたらせん状の伝送線路パターンを含む導体パターンを介して電気的に接続されていることを特徴とする高周波スイッチモジュールである。
本発明では図1に示すように、GaAsスイッチのグランド用端子は、セラミック積層体の表面および/または内部に形成されたらせん状の伝送線路パターンによるインダクタンス成分を介してグランドへと接地されることとなる。その結果、例えばSPDTの場合は図2に示す等価回路のようにインダクタンスL1、L2が付加されることとなる。例えばVc1に直流電圧が印加された場合、コンデンサC2、インダクタンスL2がFET2dを介して接続されるためLC直列共振回路が形成され、OFF経路すなわち1aから1cのアイソレーションをより一層大きくすることが可能となる。
なお図1ではセラミック積層体上のパッドbとセラミック積層体の裏面の電極GNDとはらせん状の伝送線路のみを介して接続されているが、らせん状の伝送線路に加えてセラミック積層体内に形成されたグランドパターンを介しても良い。
なお図1ではセラミック積層体上のパッドbとセラミック積層体の裏面の電極GNDとはらせん状の伝送線路のみを介して接続されているが、らせん状の伝送線路に加えてセラミック積層体内に形成されたグランドパターンを介しても良い。
第2の本発明は、導体パターンが形成された複数の誘電体層を積層してなるセラミック積層体と、当該セラミック積層体の一方の主面に高周波半導体集積回路部品からなる高周波スイッチを搭載した高周波スイッチモジュールであり、前記セラミック積層体の一方の主面に高周波スイッチと電気的に接続されるグランド用パッドを有し、他方の主面にグランド電極を有する高周波スイッチモジュールであって、前記グランド用パッドとグランド電極は前記セラミック積層体の表面および/または内部に形成されたミアンダ状の伝送線路パターンを含む導体パターンを介して電気的に接続されていることを特徴とする高周波スイッチモジュールである。
本発明では、第1の発明によるらせん状の伝送線路のかわりにミアンダ状の伝送線路を用いるものである。
第3の本発明は、導体パターンが形成された複数の誘電体層を積層してなるセラミック積層体と、当該セラミック積層体の一方の主面に高周波半導体集積回路部品からなる高周波スイッチを搭載した高周波スイッチモジュールであり、前記セラミック積層体の一方の主面に高周波スイッチと電気的に接続されるグランド用パッドを有し、他方の主面にグランド電極を有する高周波スイッチモジュールであって、前記グランド用パッドとグランド電極は前記セラミック積層体の表面に搭載されたチップインダクタを介して電気的に接続されていることを特徴とする高周波スイッチモジュールである。
本発明ではセラミック積層体上面にチップインダクタを搭載し、L1,L2とすることで共振回路を形成している。これにより、セラミック積層体内部にらせん状の伝送線路又はミアンダ状の伝送線路を形成する必要が無くなり、セラミック積層体内部の電極パターンの省スペース化が可能となる。
第4の発明は、本発明を使用した携帯電話、PCMCIAカード等の無線通信装置である。
本発明によれば、電子電気機器間における無線伝送を行う無線通信装置に関し、送信端子と受信端子間などのOFF経路間のアイソレーションが大きな高周波スイッチモジュール、およびこれを用いた通信装置を提供可能となる。
本発明の一実施例に係る高周波スイッチモジュールを以下に述べる。まず、本発明を実施する高周波スイッチモジュールのブロック図を図3に、等価回路を図4に示す。ここでは、第1の通信システムとして無線LAN(IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11bとIEEE802.11gの共用システム)を、第2の通信システムとしてブルートゥースを例に取り説明する。
本実施例に係る無線LANとブルートゥースを共用可能な高周波回路は、無線LANとブルートゥースで送受信が可能なアンテナANTと、前記アンテナANTと第1の経路(無線LAN送信側回路11bg−T)との接続と、前記アンテナANTと第2の経路(無線LAN受信側回路11bg−R、ブルートゥース送受信回路BLT−TR)との接続を切り替える高周波スイッチ1と、前記アンテナANTと前記高周波スイッチ1との間に配置される第1の帯域通過フィルタ2とを備え、前記第2の経路において、無線LAN受信側回路11bg−Rとブルートゥース送受信回路BLT−TRを分配回路9にて分配している。また、前記無線LAN受信側回路11bg−Rと前記分配回路9との間に平衡−不平衡変換回路3が配置され、前記ブルートゥース送受信回路BLT−TRと前記分配回路9との間に平衡−不平衡変換回路4が配置されている。また、前記無線LAN送信側回路11bg−Tと前記高周波スイッチ1との間に高周波電力増幅回路6が配置された高周波回路である。
第1の帯域通過フィルタ2はアンテナポートANTと高周波スイッチ1の間に配置され、磁気結合したインダクタンス素子lrb1とlrb2、キャパシタンス素子crb1、crb2、crb4、crb5、crb6、crb7から構成されている。これにより、送信時には高周波電力増幅6あるいは高周波スイッチ1から発生される高調波を減衰させる。また受信時には、無線LANおよびブルートゥースの受信で使用される周波数以外の信号を減衰させることができる。
この帯域通過フィルタ2は、SPDTの高周波スイッチ1に接続している。この高周波スイッチ1で切り替える第1の経路に、高周波電力増幅回路6が接続されている。そして、高周波電力増幅回路6がキャパシタンス素子ctを介して無線LAN送信側回路11bg−T用の端子WLAN_Txに繋がっている。
また、高周波スイッチ1の第2の経路には、キャパシタンス素子csを介して、分配回路9が接続されている。この分配回路9は、インダクタンス素子lsp1、lsp2、抵抗素子rsp、キャパシタンス素子csp1から構成されている。そして、この分配回路9は、無線LAN受信側回路11bg−Rとブルートゥース送受信回路BLT−TRに分配しており、無線LAN受信側回路11bg−R側には、整合回路lb2を介して平衡−不平衡変換回路3が接続され、平衡端子WLAN_Rx+、WLAN_Rx−が設けられている。この平衡−不平衡変換回路3は、インダクタンス素子lb3、lb6、lb11、lb15、キャパシタンス素子cb1から構成されている。
また、分配回路9のブルートゥース送受信回路BLT−TR側には、整合回路lb21を介して平衡−不平衡変換回路4が接続され、平衡端子BLT+、BLT−が設けられている。この平衡−不平衡変換回路4は、インダクタンス素子lb22、lb26、lb31、lb36、キャパシタンス素子cb3から構成されている。
前記高周波スイッチはSPDTスイッチのベアチップであり、その等価回路は図2に示したとおりである。
ここで図3、図4の高周波スイッチ1は、コントロール端子Vc1、Vc2に与えられる電圧により、表1のように各ポート間が接続される。通常、表1、2に示すHighは2.5〜4Vの範囲の電圧値、Lowは0〜0.5Vの範囲の電圧を設定する。
図5は本発明の高周波回路部品10をセラミック積層体100を用いて構成した外観斜視図、図6、7、8はセラミック積層体100の各層の構成を示す展開図である。尚、図6は上から1層目から6層目、図7は7層目から12層目、図8は13層目から16層目及び裏面を示す。この高周波スイッチモジュールは、高周波スイッチ1、第1の帯域通過フィルタ2、平衡−不平衡変換回路3、4、高周波電力増幅回路6、分配回路9から構成されており、図4の等価回路に相当し、高周波スイッチ1は図13のものを用いている。この積層基板100の上面には積層基板に内蔵されないチップ部品を搭載するための複数のパッドが形成されており、これらのパッドの上に図5に示すように高周波スイッチ1のSPDT、高周波電力増幅回路6用のパワーアンプPA、チップコンデンサcb3、cs、c3、c9、c8、c30、ct、c1、c4、c5、c6、チップ抵抗rsp、r1がそれぞれ実装されている。高周波スイッチ1は導電性接着剤を用いてセラミック積層体上に搭載されており、高周波スイッチ上の各端子はセラミック積層体上の夫々対応するパッドとワイヤボンドにより接続されている。このうち高周波スイッチのグランド端子とワイヤボンドにより接続されるセラミック積層体上のパッドはらせん状の線路le1、le2、le3を介してセラミック積層体の底面にあるGND電極と接続されている。このようにすることで高周波スイッチのグランド端子とセラミック積層体のGND電極との間にインダクタンス成分を与えることができ、図2に示したLC共振回路が形成される。
le1、le2、le3の線路長を変化させた場合の高周波スイッチ1のOFF経路アイソレーションを図9に示す。線路長が1.27mmの時は2.4GHz近辺のアイソレーションは25dB程度であったが、線路長を長くすることでノッチが発生し、また発生したノッチの共振周波数は低くなり、線路長2.54mmにすることでアイソレーションは35dBまで改善することが分かる。
本実施例では高周波スイッチ1上に存在する2つのグランド端子はセラミック積層体上の同一のパッドとワイヤボンディングで接続され、同一のらせん状線路le1、le2、le3を介してGND電極と接続されているが、高周波スイッチ1上に存在する2つのグランド端子を夫々セラミック積層体上に別個に形成されたパッドに別々にワイヤボンディング接続し、別個のらせん状線路を介してGND電極へと接続しても良い。その際、それぞれのらせん状線路を異なった長さにしても良い。
また本実施例では高周波スイッチとしてSPDTを用いていたが、本発明はSPDTに限る物ではなく、DPDTに対しても有効である。
また本発明では高周波スイッチとして、ベアチップ状のスイッチを搭載し、ワイヤボンディングにてセラミック積層体と接続しているが、本発明はベアチップに限る物ではなく、樹脂等でパッケージされた高周波スイッチを半田でセラミック積層体と接続する際にも有効である。
また本実施例では高周波スイッチとしてSPDTを用いていたが、本発明はSPDTに限る物ではなく、DPDTに対しても有効である。
また本発明では高周波スイッチとして、ベアチップ状のスイッチを搭載し、ワイヤボンディングにてセラミック積層体と接続しているが、本発明はベアチップに限る物ではなく、樹脂等でパッケージされた高周波スイッチを半田でセラミック積層体と接続する際にも有効である。
本実施例ではセラミック積層体の表面および内部に形成されたらせん状の伝送線路を用いて高周波スイッチとグランド電極間のインダクタンスを構成しているが、このインダクタンスは、ミアンダ状の伝送線路を用いて、同様のインダクタンスを構成しても良いし、又セラミック積層体上面に搭載するチップインダクタを介しても良い。このチップインダクタを用いた場合は、セラミック積層体内部の電極パターンの省スペース化が可能となる。
本発明の実施例に用いた前記積層基板100は、例えば1000℃以下で低温焼結が可能なセラミック誘電体材料からなり、厚さが10μm〜200μmのグリーンシートに、低抵抗率のAgやCu等の導伝ペーストを印刷して所定の電極パターンを形成し、複数のグリーンシートを適宜一体的に積層し、焼結することにより製造することが出来る。
前記誘電体材料としては、例えばAl、Si、Srを主成分として、Ti、Bi、Cu、Mn、Na、Kを副成分とする材料や、Al、Si、Srを主成分としてCa、Pb、Na、Kを複成分とする材料や、Al、Mg、Si、Gdを含む材料や、Al、Si、Zr、Mgを含む材料が用いられ、誘電率は5〜15程度の材料を用いる。なお、セラミック誘電体材料の他に、樹脂積層基板や樹脂とセラミック誘電体粉末を混合してなる複合材料を用いてなる積層基板を用いることも可能である。また、前記セラミック基板をHTCC(高温同時焼成セラミック)技術を用いて、誘電体材料をAl2O3を主体とするものとし、伝送線路等をタングステンやモリブデン等の高温で焼結可能な金属導体として構成しても良い。
前記誘電体材料としては、例えばAl、Si、Srを主成分として、Ti、Bi、Cu、Mn、Na、Kを副成分とする材料や、Al、Si、Srを主成分としてCa、Pb、Na、Kを複成分とする材料や、Al、Mg、Si、Gdを含む材料や、Al、Si、Zr、Mgを含む材料が用いられ、誘電率は5〜15程度の材料を用いる。なお、セラミック誘電体材料の他に、樹脂積層基板や樹脂とセラミック誘電体粉末を混合してなる複合材料を用いてなる積層基板を用いることも可能である。また、前記セラミック基板をHTCC(高温同時焼成セラミック)技術を用いて、誘電体材料をAl2O3を主体とするものとし、伝送線路等をタングステンやモリブデン等の高温で焼結可能な金属導体として構成しても良い。
この積層基板100の内部構造について図6、7、8を用いて説明する。一番上(1層目)のグリーンシート1には、本発明に関わる伝送線路の一部le1、搭載部品用のパッドが形成され、更に、キャパシタンス素子用の電極csp1、インダクタンス素子用の電極lsp2e、lsp1eも形成されている。2層目は、グランド電極e3が形成されている。3層目には、本発明に関わる伝送線路の一部le2、キャパシタンス素子用の電極crb1a、crb5a、インダクタンス素子用の電極lb21、li4、グランド電極e4が形成されている。4層目には、本発明に関わる伝送線路の一部le3、キャパシタンス素子用の電極crb1b、crb6b、インダクタンス素子用の電極lb22、lb30、lb2が形成されている。5層目には、キャパシタンス素子用の電極crb1c、crb5c、インダクタンス素子用の電極lb10、lsp2d、lsp1d、lo1、lo2、li3が形成されている。6層目には、キャパシタンス素子用の電極crb1d、crb5d、インダクタンス素子用の電極lb23、lb29、lb36、lb9、lb3、lb15、lsp2c、lsp1c、lo3、lc12が形成されている。7層目には、インダクタンス素子用の電極lb35、lb37、lb8、lb28、lb16、lb8、lb14、lb4、lsp2b、lsp1b、lo4、lc10、lc11が形成されている。8層目には、インダクタンス素子用の電極lb25、lb34、lb38、lb27、lb7、lb17、lb13、lb5、lsp2a、lsp1a、lo5、lc9、lrb1、lrb2が形成されている。9層目には、インダクタンス素子用の電極lc5、lc8が形成されている。10層目には、インダクタンス素子用の電極lb26、lb33、lb39、lb6、lb18、lb12lc4、lc7、li1が形成されている。11層目には、インダクタンス素子用の電極lb32、lb40、lc3、lc6、li2が形成されている。12層目には、キャパシタンス素子用の電極crb7、crb6、インダクタンス素子用の電極lb19、lb11、lc2が形成されている。13層目には、キャパシタンス素子用の電極cb2、crb2b、crb4bが形成されている。14層目には、グランド電極e2が形成されている。15層目には、キャパシタンス素子用の電極cb2、crb2b、crb4b、インダクタンス素子用の電極ld4、ld1、lbb3が形成されている。そして、16層目には、グランド電極e1が形成されている。
このインダクタンス素子用のライン電極、キャパシタンス素子用のコンデンサ用電極、グランド電極は、それぞれがグリーンシートに形成されたビアホールで適宜接続されている。この図5、6、7、8の符号は、できるだけ図2、図4の等価回路の符号と合わせている。crb1はcrb1b、crb1c、crb1dから、crb5はcrb5b、crb5c、crb5dから、crb2はcrb1a、crb2a、crb2bから、lsp1はlsp1a、lsp1b、lsp1c、lsp1d、lsp1eから、lsp2はlsp2a、lsp2b、lsp2c、lsp2d、lsp2eから、lb3はlb3、lb4、lb5、lb6から、lb6はlb6、lb7、lb8、lb9、lb10から、lb11はlb11、lb12、lb13、lb14、lb15から、lb15はlb15、lb16、lb17、lb18、lb19から、lb22はlb22、lb23、lb24、lb25、lb26から、lb26はlb26、lb27、lb28、lb29、lb30から、lb31はlb31、lb32、lb33、lb34、lb35、lb36から、lb36はlb36、lb37、lb38、lb39、lb40から、lc2はlc2、lc3、lc4、lc5から、lc6はlc6、lc7、lc8、lc9、lc10から、lc11はlc11、lc12から、lo2は、lo2、lo3、lo4、lo6から、li3はli3、li4から、li1はli1、li2から構成される。そして、最下層のグリーンシートの裏面側には、回路基板に実装するための端子電極が形成されている。
この積層基板100の裏面では、中央部分にグランド電極GND、周辺にアンテナポート(ANT)と、無線LANの送信ポート(WLAN_Tx)、無線LANの受信ポート(WLAN_Rx+、WLAN_Rx-)、ブルートゥースの送受信ポート(BLT+、BLT−)、グランドポート(GND)、高周波スイッチ回路の制御用のコントロールポート(Vc1、Vc2)、高周波電力増幅回路用の電源ポート(Vcc、Vbb、Vdd)、検波回路の出力電圧ポート(det)の端子電極が図に示すように配置されている。また、本実施例では前記端子電極をLGA(Land Grid Array)としているが、BGA(Ball Grid Array)なども採用することが出来る。
1:高周波スイッチ
2:第1の帯域通過フィルタ
3、4:平衡−不平衡変換回路
6:高周波電力増幅回路
9:分配回路
10:高周波回路部品
100:積層基板
2:第1の帯域通過フィルタ
3、4:平衡−不平衡変換回路
6:高周波電力増幅回路
9:分配回路
10:高周波回路部品
100:積層基板
Claims (4)
- 導体パターンが形成された複数の誘電体層を積層してなるセラミック積層体と、当該セラミック積層体の一方の主面に高周波半導体集積回路部品からなる高周波スイッチを搭載した高周波スイッチモジュールであり、前記セラミック積層体の一方の主面に高周波スイッチと電気的に接続されるグランド用パッドを有し、他方の主面にグランド電極を有する高周波スイッチモジュールであって、前記グランド用パッドとグランド電極は前記セラミック積層体の表面および/または内部に形成されたらせん状の伝送線路パターンを含む導体パターンを介して電気的に接続されていることを特徴とする高周波スイッチモジュール。
- 導体パターンが形成された複数の誘電体層を積層してなるセラミック積層体と、当該セラミック積層体の一方の主面に高周波半導体集積回路部品からなる高周波スイッチを搭載した高周波スイッチモジュールであり、前記セラミック積層体の一方の主面に高周波スイッチと電気的に接続されるグランド用パッドを有し、他方の主面にグランド電極を有する高周波スイッチモジュールであって、前記グランド用パッドとグランド電極は前記セラミック積層体の表面および/または内部に形成されたミアンダ状の伝送線路パターンを含む導体パターンを介して電気的に接続されていることを特徴とする高周波スイッチモジュール。
- 導体パターンが形成された複数の誘電体層を積層してなるセラミック積層体と、当該セラミック積層体の一方の主面に高周波半導体集積回路部品からなる高周波スイッチを搭載した高周波スイッチモジュールであり、前記セラミック積層体の一方の主面に高周波スイッチと電気的に接続されるグランド用パッドを有し、他方の主面にグランド電極を有する高周波スイッチモジュールであって、前記グランド用パッドとグランド電極は前記セラミック積層体の表面に搭載されたチップインダクタを介して電気的に接続されていることを特徴とする高周波スイッチモジュール。
- 請求項1乃至2に記載された高周波スイッチモジュールを使用したことを特徴とする無線通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005320484A JP2007129514A (ja) | 2005-11-04 | 2005-11-04 | 高周波スイッチモジュール、およびこれを用いた通信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005320484A JP2007129514A (ja) | 2005-11-04 | 2005-11-04 | 高周波スイッチモジュール、およびこれを用いた通信装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007129514A true JP2007129514A (ja) | 2007-05-24 |
Family
ID=38151806
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005320484A Pending JP2007129514A (ja) | 2005-11-04 | 2005-11-04 | 高周波スイッチモジュール、およびこれを用いた通信装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007129514A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8253483B2 (en) | 2009-06-11 | 2012-08-28 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | High-frequency switch module |
JP2020088643A (ja) * | 2018-11-27 | 2020-06-04 | 住友電気工業株式会社 | 単極双投スイッチ |
CN113014241A (zh) * | 2019-12-19 | 2021-06-22 | 川土微电子(深圳)有限公司 | 一种宽带射频开关架构 |
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2005
- 2005-11-04 JP JP2005320484A patent/JP2007129514A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8253483B2 (en) | 2009-06-11 | 2012-08-28 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | High-frequency switch module |
JP2020088643A (ja) * | 2018-11-27 | 2020-06-04 | 住友電気工業株式会社 | 単極双投スイッチ |
CN113014241A (zh) * | 2019-12-19 | 2021-06-22 | 川土微电子(深圳)有限公司 | 一种宽带射频开关架构 |
CN113014241B (zh) * | 2019-12-19 | 2024-06-07 | 川土微电子(深圳)有限公司 | 一种宽带射频开关架构 |
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