JP2007129455A - 画像符号化装置、画像符号化方法、画像符号化プログラムおよび画像符号化プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

画像符号化装置、画像符号化方法、画像符号化プログラムおよび画像符号化プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】透明とする領域を特定可能な状態で、上層画像を非可逆符号化方式で符号化することを可能とし、透明色データを不要とした画像符号化方法を提供すること。
【解決手段】符号化し復号されたときの領域の画素値がすべて同じになる平坦領域の符号化前の画素値パターンである平坦化変換パターンを非可逆符号化方式で符号化し、復号後の前記平坦値をデコーダ側で透明に指定するとともに、復号後透明にしたい領域を符号化前に、前記平坦化変換パターンで埋める。
【選択図】図7

Description

本発明は、静止画像および動画像の符号化および復号処理に関し、画像符号化装置、画像符号化方法、画像符号化プログラムおよび画像符号化プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
近年、IT技術の発展により、テレビ、パソコン(Personal Computer)、デジタルカラー複写機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等、様々な機器で、デジタル画像データ取り扱いが可能となり、利用頻度が増してきている。また、機器間の画像データの受け渡しの効率化、内部処理の高速化、蓄積の効率化のために、デジタル画像データの容量削減技術である画像符号化技術が重要になってきている。画像符号化技術には、画質劣化を伴う非可逆画像符号化方式と画質劣化を伴わない可逆画像符号化方式に分けられる。
近年、画像データ全体を一定の条件で符号化するのではなく、領域によって、異なる条件で符号化することにより、画質を向上させる技術が用いられている。これは、主に非可逆符号化方式で不得意とする領域を可逆符号化方式を用いて符号化し画質劣化を防ぐことに用いられている。画像データを領域によって、異なる条件で符号化する技術として、特許文献1がある。
特開平11―339002号公報 特許文献1は、画像データを複数層に分離し、各層を異なる条件で符号化する技術であり、領域毎に用いる層を切り替えている。特に、上層に透明色を用いることにより、用いる層を切り替えており、上層を非可逆符号化方式で符号化したデータに加え、透明色領域を指定するために透明色データを合わせ持っている。
一般に、可逆画像符号化方式は、非可逆画像符号化方式より、圧縮率が低く、また、画質劣化を伴わないため、符号化後の容量をそれ程大きく低減することが出来ない。特定画素値を透明色に指定した上層画像を可逆符号化方式で符号化を行なう場合は、上層画像の符号化データの容量が肥大化してしまう問題があった。この問題を回避する技術として、特許文献1のように上層画像を非可逆画像符号化方式を用いて符号化する技術がある。しかし、上層画像の符号化が画質劣化を伴うため、単に上層の特定色を透明色とすることは出来ない。透明色の画素値は、たとえ非常に近い値であっても異なる値になってしまうと透明色としての機能を失ってしまうからである。そのため、特許文献1では、上層の透明色の領域を規定する透明色データを別途保持する必要がある。
結局、この透明色データが層の画像データに加えて必要となるとともに、この透明色データは、透明色領域を正確に復号側に伝えるため、符号化は可逆に行なう必要がある、可逆な符号化は圧縮率が小さいため、容量を圧迫してしまう。また、復号時には、透明色データを保持しない方式と比較すると、透明色データの復号処理分、復号時間を要してしまう。これは、特に携帯電話や携帯情報端末(Personal Digital Assistance)といった処理速度の遅い携帯端末での快適利用の妨げとなる。
本発明は、透明色領域を特定可能な状態で、上層画像を非可逆符号化方式で符号化することを可能とし、透明色データを不要とした画像符号化方法を提供するとともに、この画像符号化方法を用いた画像符号化装置、画像符号化プログラムおよび画像符号化プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することを目的とする。
また、非可逆符号化方式は、符号化時のパラメータの設定によって、画質劣化の度合いをコントロール可能なものがほとんどである。劣化を少なくなるように設定すると、当然圧縮率は低くなるが、それでも、可逆画像符号化方式と比較すると、高い圧縮率が確保できる。この符号化時のパラメータの設定により、必要な画質を保った状態で高い圧縮率を確保することが可能である。これにより、高圧縮率を実現すると共に、高速復号処理を可能とする。
この発明の1つの局面に従うと、入力画像データにそれぞれ対応するN個(Nは2以上の自然数)の層の層画像データに入力画像データを分離し、そのうち少なくとも1個の層画像データは小領域単位で関数変換処理する非可逆符号化方式の画像符号化方式にて符号化を行なう画像符号化装置であって、個々の層画像データである第n層画像データ(nは1以上で、N以下の自然数。nが小さい程合成処理される場合に上層に配置される。)で表現すべき有効領域が少なくとも特定可能な領域情報データを入力する領域情報データ入力処理手段と、領域情報データに基づいて、画像符号化方式にて符号化を行なう層画像データについて、小領域単位で、入力画像データの画素値を用いる領域と、画像符号化方式により符号化され復号処理されたときに当該小領域内の画素値が同一の平坦値になる平坦領域の符号化前の画素値パターンを平坦化変換パターンとするとき、該平坦化変換パターンを用いて符号化する領域とを領域判定し、第n層画像データを生成する層分離処理手段と、層分離処理手段により作成された第n層画像データを画像符号化方式で符号化し、第n層画像符号化データを作成する画像符号化データ作成処理手段と、画像符号化データ作成処理手段により作成された第n層画像符号化データを少なくとも含む出力データを作成する出力データ作成処理手段とを備える。
好ましくは、画像符号化装置は、画像データの縦方向の解像度、横方向の解像度を変換する解像度変換処理手段をさらに備え、小領域は、縦方向に平行な2直線と横方向に平行な2直線とで囲まれた四角形からなるブロックであり、層分離処理手段は、第n層画像データの領域判定を、ブロックの縦方向の大きさを1/Xn(Xnは実数であり、第n層画像データの縦方向の解像度)倍、横方向の大きさを1/Yn(Ynは実数であり、第n層画像データの横方向の解像度)倍、それぞれ乗算した領域単位で判定し、画像符号化データ作成処理手段は、入力画像データを用いる領域については、解像度変換処理手段により入力画像データの対応する領域の縦方向の解像度をXn倍に、横方向の解像度をYn倍に、それぞれ変換した画像データを用いて、第n層画像データを生成する。
好ましくは、小領域は、縦方向に平行な2直線と横方向に平行な2直線とで囲まれた四角形からなるブロックであり、層分離処理手段は、第n層画像データの領域判定に用いる領域を、第n層画像データの各ブロックにそれぞれ対応する、画像符号化方式にて符号化を行なう各層画像データのブロックの縦の大きさの公倍数および横の大きさの公倍数をそれぞれ縦と横の大きさとするブロック単位で判定する。
好ましくは、小領域は、縦方向に平行な2直線と横方向に平行な2直線とで囲まれた四角形からなるブロックであり、層分離処理手段は、第n層画像データの領域判定に用いる領域を、第n層画像データの各ブロックにそれぞれ対応する、画像符号化方式にて符号化を行なう各層画像データのブロックの縦の大きさの最小公倍数および横の大きさの最小公倍数をそれぞれ縦と横の大きさとするブロック単位で判定する。
好ましくは、画像符号化装置は、画像データの縦方向の解像度、横方向の解像度を変換する解像度変換処理手段をさらに備え、小領域は、縦方向に平行な2直線と横方向に平行な2直線とで囲まれた四角形からなるブロックであり、層分離処理手段は、第n層画像データの領域判定に用いる領域を、第n層画像データの各ブロックにそれぞれ対応する、画像符号化方式にて符号化を行なう第i層画像データのブロックの縦の大きさに1/Xi(Xiは実数であり、第i層画像データの縦方向の解像度。1≦i≦Nでiはnを含まない自然数。)倍乗算した大きさの公倍数、および当該ブロックの横の大きさに1/Yi(Yiは実数であり、第i層画像データの横方向の解像度)倍乗算した大きさの公倍数、をそれぞれ縦と横の大きさとするブロック単位で判定し、画像符号化データ作成処理手段は、入力画像データを用いる領域については、解像度変換処理手段により入力画像データの対応する領域の縦方向の解像度をXn(Xnは実数であり、第n層画像データの縦方向の解像度)倍に、横方向の解像度をYn(Ynは実数であり、第n層画像データの横方向の解像度)倍に、それぞれ変換した画像データを用いて、第n層画像データを生成する。
好ましくは、画像符号化装置は、画像データの縦方向の解像度、横方向の解像度を変換する解像度変換処理手段をさらに備え、小領域は、縦方向に平行な2直線と横方向に平行な2直線とで囲まれた四角形からなるブロックであり、層分離処理手段は、第n層画像データの領域判定に用いる領域を、第n層画像データの各ブロックにそれぞれ対応する、画像符号化方式にて符号化を行なう第i層画像データのブロックの縦の大きさに1/Xi(Xiは実数であり、第i層画像データの縦方向の解像度。1≦i≦Nでiはnを含まない自然数。)倍乗算した大きさの最小公倍数、および当該ブロックの横の大きさに1/Yi(Yiは実数であり、第i層画像データの横方向の解像度)倍乗算した大きさの最小公倍数、をそれぞれ縦と横の大きさとするブロック単位で判定し、画像符号化データ作成処理手段は、入力画像データを用いる領域については、解像度変換処理手段により入力画像データの対応する領域の縦方向の解像度をXn(Xnは実数であり、第n層画像データの縦方向の解像度)倍に、横方向の解像度をYn(Ynは実数であり、第n層画像データの横方向の解像度)倍に、それぞれ変換した画像データを用いて、第n層画像データを生成する。
好ましくは、第n層画像データにおいて入力画像データの画素値を用いた領域に対応し、画像符号化方式にて符号化を行なう第(n+1)層画像データの領域には、復号処理されたときに平坦値になる平坦化変換パターンを用いる。
好ましくは、層画像データを小領域単位で関数変換処理する非可逆符号化方式であって画像符号化方式とは異なる、第2の画像符号化方式により符号化され復号処理されたときに当該小領域内の画素値が同一の平坦値になる平坦領域の符号化前の画素値パターンを第2の平坦化変換パターンとするとき、第n層画像データにおいて入力画像データの画素値を用いた領域に対応し、第2の画像符号化方式にて符号化を行なう第(n+1)層画像データの領域には、第2の平坦化変換パターンを用いる。
好ましくは、平坦値は、第n層画像データの復号化において透明色として用いられる値である。
好ましくは、出力データ作成処理手段は、さらに透明色の値を出力データに含める。
この発明の他の局面に従うと、演算処理装置を有するコンピュータが、入力画像データにそれぞれ対応するN個(Nは2以上の自然数)の層の層画像データに前記入力画像データを分離し、そのうち少なくとも1個の層画像データは小領域単位で関数変換処理する非可逆符号化方式の画像符号化方式にて符号化を行なう画像符号化方法であって、領域情報データ入力処理手段が、個々の層画像データである第n層画像データ(nは1以上で、N以下の自然数。nが小さい程合成処理される場合に上層に配置される。)で表現すべき有効領域が少なくとも特定可能な領域情報データを入力するステップと、層分離処理手段が、領域情報データに基づいて、画像符号化方式にて符号化を行なう層画像データについて、小領域単位で、入力画像データの画素値を用いる領域と、画像符号化方式により符号化され復号処理されたときに当該小領域内の画素値が同一の平坦値になる平坦領域の符号化前の画素値パターンを平坦化変換パターンとするとき、該平坦化変換パターンを用いて符号化する領域とを領域判定し、第n層画像データを生成するステップと、画像符号化データ作成処理手段が、層分離処理手段により作成された第n層画像データを画像符号化方式で符号化し、第n層画像符号化データを作成するステップと、出力データ作成処理手段が、画像符号化データ作成処理手段により作成された第n層画像符号化データを少なくとも含む出力データを作成するステップとを備える。
この発明のさらに他の局面に従うと、入力画像データにそれぞれ対応するN個(Nは2以上の自然数)の層の層画像データに入力画像データを分離し、そのうち少なくとも1個の層画像データは小領域単位で関数変換処理する非可逆符号化方式の画像符号化方式にて符号化を行なう画像符号化方法を、演算処理装置を有するコンピュータに実行させる画像符号化プログラムであって、演算処理装置が、個々の層画像データである第n層画像データ(nは1以上で、N以下の自然数。nが小さい程合成処理される場合に上層に配置される。)で表現すべき有効領域が少なくとも特定可能な領域情報データを入力するステップと、演算処理装置が、領域情報データに基づいて、画像符号化方式にて符号化を行なう層画像データについて、小領域単位で、入力画像データの画素値を用いる領域と、画像符号化方式により符号化され復号処理されたときに当該小領域内の画素値が同一の平坦値になる平坦領域の符号化前の画素値パターンを平坦化変換パターンとするとき、該平坦化変換パターンを用いて符号化する領域とを領域判定し、第n層画像データを生成するステップと、演算処理装置が、作成された第n層画像データを画像符号化方式で符号化し、第n層画像符号化データを作成するステップと、演算処理装置が、作成された第n層画像符号化データを少なくとも含む出力データを作成するステップとをコンピュータに実行させる。
この発明のさらに他の局面に従うと、画像符号化プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、画像符号化プログラムは、入力画像データにそれぞれ対応するN個(Nは2以上の自然数)の層の層画像データに入力画像データを分離し、そのうち少なくとも1個の層画像データは小領域単位で関数変換処理する非可逆符号化方式の画像符号化方式にて符号化を行なう画像符号化方法を、演算処理装置を有するコンピュータに実行させる画像符号化プログラムであって、演算処理装置が、個々の層画像データである第n層画像データ(nは1以上で、N以下の自然数。nが小さい程合成処理される場合に上層に配置される。)で表現すべき有効領域が少なくとも特定可能な領域情報データを入力するステップと、演算処理装置が、領域情報データに基づいて、画像符号化方式にて符号化を行なう層画像データについて、小領域単位で、入力画像データの画素値を用いる領域と、画像符号化方式により符号化され復号処理されたときに当該小領域内の画素値が同一の平坦値になる平坦領域の符号化前の画素値パターンを平坦化変換パターンとするとき、該平坦化変換パターンを用いて符号化する領域とを領域判定し、第n層画像データを生成するステップと、演算処理装置が、作成された第n層画像データを画像符号化方式で符号化し、第n層画像符号化データを作成するステップと、演算処理装置が、作成された第n層画像符号化データを少なくとも含む出力データを作成するステップとをコンピュータに実行させる。
本発明によると、非可逆符号化方式であっても、符号化し復号されたときの領域の画素値がすべて同じ値である平坦値になる画素値パターンである、平坦化変換パターンを有する非可逆符号化方式であれば、平坦化変換パターンの領域に関して、符号化後の画像が、符号化時のパラメータにより決定される平坦値を持った平坦領域になることが保障されている。したがって、その平坦値である領域について、他の層の画像を用いることにすれば、符号化時の入力画像に相当する画像を再生できる。
また、その平坦値をデコーダ側で透明色に指定することにすれば、透明領域を平坦化変換パターンで埋めれば、復号時には確実に透明色になる。すなわち、平坦化変換パターンを有する非可逆領域方式の関数変換を行なう小領域単位での符号化時のパラメータにより決定される透明色の指定を確実に行なうことが可能である。
透明色を含む層の画像データに非可逆符号化方式を用いて、復号時に特定の領域が確実に透明色となるように符号化処理を行なえる。本発明の画像符号化方法、またはこの画像符号化方法を用いた画像符号化装置によると、透明色領域を特定可能な状態で、上層画像を非可逆符号化方式で符号化することを可能とし、透明色データを不要とする。これにより、高圧縮率を実現すると共に、高速復号処理を可能とする。
最初に、本発明の明細書および請求の範囲で用いる用語の定義付けを行なう。DCT(離散コサイン変換)、DFT(離散フーリエ変換)、直交ウェーブレット変換に代表される直交変換にとどまらず、非直交ウェーブレット等の非直交変換も含む関数による入力画像データの変換を「関数変換」と定義する。また、画素値がすべて同じ値である領域を「平坦領域」と定義し、平坦領域の画素値を「平坦値」と定義する。具体例で記載すると、領域内の画素値がすべて0の領域を「平坦値0の平坦領域」、領域内の画素値がすべて255の領域を「平坦値255の平坦領域」、領域内の画素値がすべてNの領域を「平坦値Nの平坦領域」という。
また、領域単位で関数変換処理する非可逆画像符号化方式において、上記1つの領域の画素値を、少なくとも1つの特定のパラメータ条件下で符号化し、符号化したデータを復号することによって得られる1つの復号領域が、平坦領域になる場合、符号化前の上記領域の画素値パターンを「平坦化変換パターン」と定義する。言い換えると、「平坦化変換パターン」とは、符号化前は平坦領域でなくてもよいが、特定のパラメータ条件下で符号化後、符号化したデータを復号すると平坦領域となる符号化前の入力領域である。さらに、平坦化変換パターンが存在する非可逆画像符号化方式を「平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」と定義する。
また、領域単位で関数変換処理する非可逆画像符号化方式において、上記1つの領域の画素値を、任意のパラメータ条件下で符号化し、符号化したデータを復号することによって得られる1つの復号領域が、平坦領域になる場合、符号化前の上記領域の画素値パターンを「恒常平坦化変換パターン」と定義する。言い換えると、「恒常平坦化変換パターン」とは、符号化前は平坦領域でなくてもよいが、符号化する時のパラメータ条件に関係なく、つまり、任意のパラメータ条件下で符号化後、符号化したデータを復号すると平坦領域となる符号化前の入力領域である。さらに、恒常平坦化変換パターンが存在する非可逆画像符号化方式を「恒常平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」と定義する。
また、平坦化変換パターン自体が、符号化前から平坦領域であり、特定のパラメータ条件下で符号化し、復号したときの平坦値がその符号化前の平坦値と一致するような平坦化変換パターンを「不動平坦化変換パターン」と定義する。言い換えると、「不動平坦化変換パターン」とは、符号化前から平坦領域であり、特定のパラメータ条件下で符号化後、符号化したデータを復号すると符号化前の平坦値と同じ平坦値の平坦領域となる符号化前の入力領域である。つまり、特定のパラメータ条件下で符号化したとき、符号化により領域は変化しないものである。さらに、不動平坦化変換パターンが存在する非可逆画像符号化方式を「不動平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」と定義する。
また、平坦化変換パターン自体が、符号化前から平坦領域であり、任意のパラメータ条件下で符号化し、復号したときの平坦値がその符号化前の平坦値と一致するような平坦化変換パターンを「恒常不動平坦化変換パターン」と定義する。言い換えると、「恒常不動平坦化変換パターン」とは、符号化前から平坦領域であり、符号化する時のパラメータ条件に関係なく、つまり、任意のパラメータ条件下で符号化後、符号化したデータを復号すると符号化前の平坦値と同じ平坦値の平坦領域となる符号化前の入力領域である。つまり、任意のパラメータ条件下で符号化したとき、符号化により領域は変化しないものである。さらに、恒常不動平坦化変換パターンが存在する非可逆画像符号化方式を「恒常不動平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」と定義する。
以上の定義に基づく各平坦化変換パターンの具体例を図1〜図4に示している。いずれもJPEGを用いたものであり、具体的には、IJG libjpeg付属のcjpegで符号化し、djpegで復号する実験を行なったものである。JPEGの処理単位である縦8画素×横8画素(以下、8×8画素と称する。)のブロックを領域単位としている。図1は平坦化変換パターンを説明するもので、符号化前の領域を示す(a)は0と1の画素値から構成された領域であり、平坦領域ではない。量子化パラメータQを特定の75でJPEG符号化し復号すると、画素値0から構成された平坦領域(b)になる。しかし、特定された量子化パラメータQ=75を、たとえばQ=100の量子化パラメータでJPEG符号化し復号すると、0と1の画素値から構成された領域(c)となり、平坦領域にはならない。この場合の符号化前の領域(a)は特定された量子化パラメータQ=75で符号化し復号されたときに平坦領域になるから、平坦化変換パターンであることがわかる。
図2は恒常平坦化変換パターンを説明するもので、符号化前の領域を示す(a)は画素値0が大半を占めるが、画素値1も一部含まれた構成の領域であり、平坦領域ではない。任意の量子化パラメータ(Q=0〜100)でJPEG符号化し復号すると、画素値0から構成された平坦領域(b)になる。この場合の符号化前の領域は任意の量子化パラメータで符号化し復号されたときに平坦領域になるから、恒常平坦化変換パターンであることがわかる。
図3は不動平坦化変換パターンを説明するもので、符号化前の領域を示す(a)は画素値129の平坦値で構成された平坦領域である。量子化パラメータQを特定の75でJPEG符号化し復号すると、画素値129の平坦値で構成された平坦領域(b)になる。これは平坦値がその符号化前の平坦値と一致しており符号化により領域は変化していない。しかし、特定された量子化パラメータQ=75を、たとえばQ=0の量子化パラメータでJPEG符号化し復号すると、画素値128の平坦値で構成された平坦領域(c)になる。これは符号化前後ともに平坦領域ではあるが、符号化し復号後の平坦値128がその符号化前の平坦値129から変化している。この場合は、特定された量子化パラメータQ=75で符号化し復号されたときに復号したときの平坦値がその符号化前の平坦値と一致する、つまり、符号化により領域は変化しないものであるから、不動平坦化変換パターンであることがわかる。
図4は恒常不動平坦化変換パターンを説明するもので、符号化前の領域を示す(a)は画素値がすべて0(平坦値0)の平坦領域であり、任意の量子化パラメータ(Q=0〜100)でJPEG符号化し復号しても、画素値がすべて0(平坦値0)の平坦領域(b)のままで領域は変化しない。したがって、この場合は、恒常不動平坦化変換パターンであることがわかる。
以上の定義から明らかなように、領域データと各平坦化変換パターンとの間には図5に示す包含関係が、各非可逆符号化方式の間には図6に示す包含関係がある。たとえば、JPEG画像符号化方式とMPEG画像符号化方式は、8×8画素領域単位で関数変換である離散コサイン変換を用いて符号化を行なう非可逆画像符号化方式である。JPEG画像符号化方式とMPEG画像符号化方式の平坦化変換パターンは、8×8画素領域のすべてが同じ値であるもの(すなわち平坦領域)すべてである。これは、8×8画素領域で画素値変化がないことは、離散コサイン変換後の交流成分が0になり、符号化後も平坦領域となるからである。また、JPEG画像符号化方式とMPEG画像符号化方式の恒常平坦化変換パターンは、8×8画素領域のすべての画素値が0である(すなわち平坦値0の平坦領域)。これは、平坦化変換パターンの内、直流成分が0のときは量子化の影響を受けないためである。(他の平坦化変換パターンでは、量子化幅の設定(符号化時のパラメータ条件)が異なれば、符号化後の平坦値も変わることがあるため、恒常平坦化変換パターンとはいえない。)また、8×8画素領域のすべての画素値が0である恒常平坦化変換パターンは、符号化し復号後にも平坦値0の平坦領域に変換されるため、さらに「恒常不動平坦化変換パターン」であると言える。以上から、JPEG画像符号化方式とMPEG画像符号化方式は「恒常不動平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」である。
本発明の技術的ポイントを説明する。特定画素値を透明にする画素値である「透明色」として規定することにより、画像データを複数層に分離して表現することが可能である。復号時には、上の層の特定画素値を透明色とすることにより、下の層の画素値が表示に用いられる。このように透明色を用いることにより有効に表示される層が確定される。入力画像データを複数層の画像データに分離し、一部の層または、すべての層をそれぞれ符号化処理する場合、符号化処理する層画像データに透明色が含まれている場合、特定画素値には、他の画素値と基本的に意味の全く異なる「透明」という特殊な効果が割り当てられている。特定画素値の値が符号化によって、たとえ非常に近い値であっても値が変化してしまうと狙った効果が全く得られない。そのため、従来では、透明色を含む層の画像データを符号化する場合、可逆符号化方式を用いていた。
本発明は、非可逆符号化方式であっても、符号化し復号されたときの領域の画素値がすべて同じ値である平坦値になる平坦領域の符号化前の画素値パターンである、平坦化変換パターンを有する非可逆符号化方式であれば、平坦化変換パターンの領域に関して、符号化後の画像が、符号化時のパラメータにより決定される平坦値を持った平坦領域になることが保障されている。したがって、その平坦値をデコーダ側で透明色に指定すること(もちろん符号化データのヘッダや補助情報の中に透明色の画素値を入れてデコーダ側に渡してもよい)を限定とすれば、透明領域を平坦化変換パターンで埋めれば、復号時には確実に透明色になる。すなわち、平坦化変換パターンを有する非可逆領域方式の関数変換を行なう小領域単位での符号化時のパラメータにより決定される透明色の指定を確実に行なうことが可能である。
また、符号化時のパラメータ条件によらず符号化し復号されたとき平坦化変換パターンとなる、恒常平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式であれば、関数変換を行なう小領域単位での符号化時のパラメータを任意に設定しても、透明色の指定を確実に行なうことが可能である。
また、平坦化変換パターン自体が、符号化前から平坦領域であり、特定のパラメータ条件下で符号化し、復号したときの平坦値がその符号化前の平坦値と一致する、不動平坦化変換パターンを有する非可逆符号化方式であれば、不動平坦化変換パターン自体が符号化時のパラメータにより決定される透明色とすることが可能であるという利点がある。
また、平坦化変換パターン自体が、符号化前から平坦領域であり、任意のパラメータ条件下で符号化し、復号したときの平坦値がその符号化前の平坦値と一致する、恒常不動平坦化変換パターンを有する非可逆符号化方式であれば、恒常不動平坦化変換パターン自体を符号化時のパラメータを任意に設定しても、透明色とすることが可能であるという利点がある。
すべての実施の形態に共通する基本技術は、透明色を含む層の画像データに非可逆符号化方式を用いて、復号時に透明にしたい領域が、復号時に確実に透明色となるよう制御し符号化処理を行なう技術である。本発明の画像符号化装置は、透明色領域を特定可能な状態で、上層画像を非可逆符号化方式で符号化することを可能とし、透明色データを不要とする。これにより、高圧縮率を実現すると共に、高速復号処理を可能とする。
[実施の形態1]
本実施の形態の画像符号化装置は、入力画像データを上層である第1層画像データと下層である第2層画像データに分離し、それぞれを符号化する装置である。復号時には、第1層の特定画素値を透明色とすることにより、表示に有効となる層が確定されることを前提とする。すなわち、第1層画像で透明色とされる領域部分が投影する部分は第2層画像の表示が有効となる。第1層画像で透明色とされない領域部分は第1層画像の表示が有効となる。指定された特定画素値には、他の画素値と基本的に関連がない、「透明」という特殊な効果が割り当てられている。特定画素値の値が符号化によって、たとえ非常に近い値であっても値が変化してしまうと狙った効果が得られない。そのため、従来では、透明にしたい画素を透明色とした上で、透明色を含む第1層の画像データを符号化する場合、可逆符号化方式を用いていた。
本実施の形態は、非可逆符号化方式であっても、第1層の画像データの透明にしたい箇所が復号後に確実に透明色になるように、層分離を制御し符号化処理を行なう技術である。第1層画像データの符号化に用いる画像符号化方式を、第1層画像符号化方式と呼ぶ。第1層画像符号化方式は、「平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」であればよい。第2層画像データの符号化に用いる画像符号化方式を、第2層画像符号化方式と呼ぶ。第2層画像符号化方式は、任意の符号化方式を適用可能である。
本実施の形態では、第1層画像データ、第2層画像データの符号化を共にJPEG画像符号化方式で行なうこととする。また、第1層画像データの符号化による画質劣化は、第2層画像データの符号化による画質劣化より小さくなるよう符号化時のパラメータを設定するなど、各層で異なる条件での符号化とすることが望ましい。これは、複数層に分けて符号化を行なう利点が出しやすいためである。
まず、本発明の概念的な処理の流れを、図7〜図8を用いて説明する。図7は恒常不動平坦化変換パターンを透明にしたい箇所に用いて符号化を行なう例を示している。(a)は入力画像であり、この入力画像データから第1層画像符号化データ(g)、第2層画像符号化データ(h)を作成するまでを説明する。(b)に第1層画像で表示すべき領域を示している。ここでは、「ABCDEFGH」の黒色表示の文字を含む領域が第1層画像で表示すべき領域を示している。
領域情報データ(b)の第1層画像で表示すべき領域は、入力画像データに応じて、ユーザがマニュアルで指定して作成してもよいし、たとえば、「文字データ」の存在する領域を第1層画像で表示すべき領域とする場合は、「文字」を入力画像から画像パターンの判別プログラムにより自動判別することにより作成されてもよい。
次に(d)に示す層分離情報データを作成する。
層分離情報データ(d)は、(c)に示すように領域情報データを第1層画像符号化方式の関数変換の処理単位に分け、前記関数変換の処理単位領域内に第1層で表示すべき領域があれば、前記関数変換の処理単位領域を、第1層領域とする。(層分離情報データ(d)の黒で塗りつぶした領域が第1層領域である。)また、その他の領域を第2層領域((e)において黒で塗りつぶした領域が相当する。)とする。
入力画像データ(a)のうちから層分離情報データ(d)の第1層領域を有効に表示し、その他の第2層領域を透明にするために、たとえば「恒常不動平坦化変換パターン」とした第1層画像データ(e)と、入力画像データ(a)のうちから層分離情報データ(d)の第2層領域を有効に表示し、第1層領域((f)において斜線で示されている部分f1の領域)は単色で塗りつぶし圧縮率を高めることを可能とした第2層画像データ(f)を作成する。
第1層画像データ(e)の第2層領域を埋める恒常不動平坦化変換パターンは、具体的には、図4の(a)に示すように、すべての画素値が0(平坦値が0)の平坦領域である。第2層画像データ(f)において斜線で示されている部分f1を単色で塗りつぶしても構わないのは、この部分は第1層画像で表示すべき第1層領域であるため、この領域は、第2層画像データは表示に用いられないためである。このf1部分についての画素値のより有効な決め方は後述する。第1層画像データ(e)、第2層画像データ(f)を符号化処理して第1層画像符号化データ(g)、第2層画像符号化データ(h)を作成する。
なお、第1層画像符号化データ(g)、第2層画像符号化データ(h)は、画像符号化データ接合処理により、出力画像符号化データに接合されて出力される。また、出力画像符号化データは、ヘッダ部とデータ部からなり、ヘッダ部に第1層画像符号化データと第2層画像符号化データのファイル先頭からのオフセット値が格納されており、第1層画像符号化データと第2層画像符号化データを分離するのに必要な情報が揃っている。なお、この「画像符号化データ接合処理」については、図9、図10を用いて、さらに、「出力画像符号化データ」の構成については、図11を用いて、後に説明する。
したがって、厳密に言えば、次の図8では復号処理の前に、出力画像符号化データから第1層画像符号化データ(g)、第2層画像符号化データ(h)に分離するのであるが、この図7、図8の説明においては、わかり易くするため、この説明を省略している。
図8は、図7で符号化された第1層画像符号化データ(g)、第2層画像符号化データ(h)を復号処理した第1層画像復号データ(j)、第2層画像復号データ(k)を合成処理した復号画像(m)を作成するまでを示している。正しく合成処理された復号画像(m)においては、第1層画像復号データ(j)の黒く塗りつぶして示されている領域部分(第2層領域)の画素は透明色であるから、この部分が投影される第2層画像復号データ(k)の領域部分は第2層画像復号データ(k)の画素が適用され、入力画像が有効に表示されることがわかる。この透明にする画素の画素値(透明色)を、エンコーダで出力画像符号化データのヘッダに埋め込んでおき、復号側で復号処理の際に読み取ってもよい。
また、出力画像符号化データのヘッダ部に復号時に第1層画像データにおいて透明とする領域には透明色とする画素値を格納しておけば、復号側でデータに応じて動的に透明色とする画素値を変えることも可能となる。ここで「動的に」とは、「固定的ではなく」の意である。なお、図7の第1層画像データ(e)において、透明にしたい領域に恒常不動平坦化変換パターンを用いたが、代わりに符号化後に復号したとき平坦領域になる平坦化変換パターンを用いてもよく、復号の際に変換後の平坦値を透明色に指定すればよい。
次に、図9を用いて、本実施の形態の画像符号化装置のシステム構成を説明する。画像符号化装置0104は、領域情報入力装置0101から領域情報データを、画像入力装置0102から入力画像データをそれぞれ受け取り、画像符号化データ出力装置0103に画像符号化データを出力する。
画像符号化装置0104は、領域情報入力装置0101からの領域情報データを格納する領域情報データバッファ0105と、領域情報データに基づいて、入力画像を分離して生成する複数の層の画像、たとえば、第1層と第2層の画像を特定するための層分離情報データを作成する層分離情報作成処理部0106と、作成された層分離情報データを格納する層分離情報データバッファ0108と、画像入力装置0102からの入力画像データを格納するための入力画像データバッファ0107と、層分離情報データに基づいて、入力画像データから第1層と第2層の画像を分離して、少なくとも第1層画像データにおける第2層領域は、上述した平坦化変換パターンで埋める処理を行なう層分離処理部0109とを含む。
画像符号化装置0104は、さらに、層分離処理部0109から出力された第1層画像データおよび第2層画像データをそれぞれ格納するための第1層画像データバッファ0110および第2層画像データバッファ0111と、第1層画像データバッファ0110の第1層画像データに対して、復号時に上記平坦化変換パターンで埋められた領域が平坦領域となるような第1画像画像符号化方式で符号化する第1画像符号化処理部0112と、第2層画像データバッファ0113の第2層画像データに対して、第2画像画像符号化方式で符号化する第2画像符号化処理部0113と、第1および第2画像符号化処理部0112,0113で符号化されたデータをそれぞれ格納する第1および第2画像符号化データバッファ0114,0115と、第1および第2画像符号化データバッファ0114,0115内の符号化データを接合して出力画像符号化データを生成する画像符号化データ接合処理部0116と、生成された出力画像符号化データを格納する出力画像符号化データバッファ0117とを含む。
なお、以下の説明では、画像符号化の一例として、第1層画像データおよび第2層画像データとも、JPEG方式で画像符号化されるものとする。
図10は、画像符号化装置0104の処理の流れを示すフローチャートである。
ここで、図9および図10を用いて、画像符号化装置0104の各部の機能および画像符号化装置0104が行なう処理について説明する。領域情報データバッファ0105は、領域情報入力装置0101から入力された領域情報データを格納する(S0502)。領域情報データは、マスクや、座標指定等で、画像の領域の第1層画像データで表現すべき領域が特定できるようなデータ形式であれば、その形式は限定されない。以下では、特に限定はされないが、図7(b)に示すように、黒色という色(図7(b)では文字の色)の情報により、第1層で表示すべき領域が特定されているものとして説明する。層分離情報作成処理部0106にて、領域情報データバッファ0105から領域情報データを読み取り、層分離情報データを出力する(S0503)。
この層分離情報作成処理部0106は、第1層画像データを符号化する時の関数変換により処理される領域単位(JPEG画像符号化方式ではDCT変換の処理単位である8×8画素単位)で、入力画像の領域単位毎に第1層領域か否かを判定する。たとえば、第1層画像データを符号化する時の関数変換により処理される領域単位(JPEG画像符号化方式ではDCT変換の処理単位である8×8画素単位)で、第1層で表示すべき領域が含まれている場合、その領域を第1層領域とする。また、第1層画像データを符号化時の関数変換により処理される領域単位(JPEG画像符号化方式ではDCT変換の処理単位である8×8画素単位)で、入力画像を指定する画素の割合が一定値以上である場合、その領域を第1層領域とするなど、してもよい。
層分離情報データバッファ0108は、層分離情報作成処理部0106で出力された層分離情報データを格納する(S0504)。一方、入力画像データバッファ0107は、画像入力装置0102から入力画像データを受け取り格納する(S0505)。層分離処理部0109は、層分離情報データバッファ0108から、層分離情報データを、入力画像データバッファ0107から入力画像データを、それぞれ読み取り、第1層画像データと第2層画像データを出力する(S0506)。ここで、層分離処理部0109は、層分離情報データにより第1層画像データのうちの第1層領域は入力画像の画素値で、その他の領域は、平坦化変換パターンで埋める。平坦化変換パターンで埋めた領域は、後の符号化処理で、平坦領域になり、その平坦値を透明色に指定すれば、この平坦化変換パターンで埋めた領域は第2層の画像情報が適用されることになる。
ここでは、たとえば、平坦化変換パターンとして、JPEG画像符号化方式の恒常不動平坦化変換パターンを用いることとする。すなわち、層分離情報データで第1層領域でない第1層画像データの領域内の画素値をすべて0とする。層分離情報データにより第2層画像データの領域のうち、第2層領域は、入力画像データの画素値で埋め、第1層領域は、任意の画素値で埋めればよい。本実施の形態では、層分離情報データによらず、第2層画像データには、入力画像データの値を埋めることとする。層分離処理部0109で出力された第1層画像データは第1層画像データバッファ0110に、第2層画像データは、第2層画像データバッファ0111にそれぞれ格納される(S0507)。
第1層画像符号化処理部0112は、第1層画像データバッファ0110から第1層画像データを読み取り、JPEG符号化した第1層画像符号化データを出力し、第2層画像符号化処理部0113は、第2層画像データバッファ0111から第2層画像データを読み取り、JPEG符号化した第2層画像符号化データを出力する(S0508)。第1層画像符号化処理部0112で出力された第1層画像符号化データは第1層画像符号化データバッファ0114に、第2層画像符号化処理部0113で出力された第2層画像符号化データは第2層画像符号化データバッファ0115にそれぞれ格納される(S0509)。画像符号化データ接合処理部0116は、第1層画像符号化データバッファ0114から第1層画像符号化データを、第2層画像符号化データバッファ0115から、第2層画像符号化データをそれぞれ読み取り、出力画像符号化データを出力する(S0510)。
図11は、出力画像符号化データの構造を示す概念図である。この構造は、ヘッダ部とデータ部からなり、ヘッダ部に第1層画像符号化データと第2層画像符号化データのファイル先頭からのオフセット値が格納されており、第1層画像符号化データと第2層画像符号化データを分離するのに必要な情報が揃っている。このように、第1層画像符号化データと第2層画像符号化データを分離可能であれば、いかなる構造でもよい。また、ヘッダ部に復号時に第1層画像データで透明色とする画素値を格納しておけば、復号側でデータに応じて動的に透明色とする画素値を変えることが可能となる。なお、ここで「動的に」とは、「固定的ではなく」の意である。
再び図10を参照して、画像符号化データ接合処理部0116から出力された出力画像符号化データを出力画像符号化データバッファ0117に格納する(S0511)。
領域情報データバッファ0105、入力画像データバッファ0107、層分離情報データバッファ0108、第1層画像データバッファ0110、第2層画像データバッファ0111、第1層画像符号化データバッファ0114、第2層画像符号化データバッファ0115、出力画像符号化データバッファ0117は、フラッシュメモリ、ハードディスク等のRAM(ランダムアクセスメモリ)によって実現される。
層分離情報作成処理部0106、層分離処理部0109、第1層画像符号化処理部0112、第2層画像符号化処理部0113、画像符号化データ接合処理部0116は、たとえば、それぞれ専用回路等のハードウェアによって実現される。あるいは、たとえば、ソフトウェアに基づいてコンピュータ等の演算処理回路によってその機能が実現されてもよい。
上記説明の変形例などを以下に補足しておく。第1層画像符号化方式は、「平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」であればよい。層分離処理部0109により第1層画像データの作成で、第2層領域は、第1層画像符号化方式の平坦化変換パターンで埋めればよい。上記第1層画像符号化方式の平坦化変換パターンは第1層画像符号化方式による符号化により、平坦領域となる。その平坦領域の平坦値を第1層の復号時の透明色指定画素値とすることにより透明色指定とすることができ、透明色の領域は下層である第2層の復号結果が表示に用いられる。
層分離処理部0109による第2層画像データの作成で、第1層領域は、第2層画像データが復号時の表示には用いられないため、基本的に任意の画素値で埋めればよく、たとえば、第2層画像符号化方式での符号化に有利な画素値で埋めればよい。これにより、第2層画像符号化データの容量を削減することができ、出力画像符号化データの容量も削減できる。
しかし、第1層画像データの符号化には非可逆符号化方式を用いているため、符号化し復号後に透明色に指定したい領域以外の画素でも、符号化し復号後たまたま透明色に指定した画素値になる場合もありうる。この場合は、上記たまたま透明色に指定した画素値になった画素については、第2層画像符号化データの画素値が表示に用いられる。このことを考慮すると、層分離処理部0109での第2層画像データの作成で、第2層画像データの第1層領域は第1層で透明色に指定する画素値で埋めることが望ましい。
透明色は、飽くまで第1層での取り決めであり、第2層では透明色という概念はない。
したがって、第2層画像データでは第1層で透明色に指定する画素値は透明という機能を有しない単なる画素値である。第1層画像において透明色に指定したい画素以外で、符号化し復号後たまたま透明色に指定した画素値になった場合に透明となり、第2層画像が表示されることになるが、層分離処理部0109での第2層画像データの作成で、第2層画像データの第1層領域は第1層で透明色に指定する画素値で埋めることにより、表示される画素は第1層で透明色に指定する画素値を符号化したものであるから、適切な画素値が表示に用いられる。
さらに、よりよい第2層画像データの第1層領域の画素値の埋め方は、平坦値が第1層で透明色としている画素値である第2層画像符号化方式の平坦化変換パターンを用いることである。そうすれば、第1層画像において透明色に指定したい画素以外で、符号化し復号後たまたま透明色に指定した画素値になった場合に、第2層の復号データは、第1層で透明色としている画素値そのものになる。
すなわち、第2層画像符号化方式に「平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」を用いる場合、その平坦化変換パターンの内、符号化し復号後の平坦値が、第1層画像符号化方式の平坦化変換パターンの内、第1層画像符号化方式で符号化し復号後の平坦値と一致する平坦値を第1層の透明色とすれば、第2層画像データの第1層領域の画素値を、符号化の関数変換を施す処理単位毎で、完全に第1層の透明色に指定した画素値で表すことができる。
すなわち、第1層画像符号化方式と第2層画像符号化方式とで符号化し復号後の平坦値が同じである平坦化変換パターンをそれぞれ平坦化変換パターン1と平坦化変換パターン2とすると、層分離処理部0109での第1層画像データの作成で、第2層領域には、平坦化変換パターン1で埋め、第2層画像データの作成で、第2層画像データの符号化時の関数変換処理が行なわれる単位領域が、第1層領域である場合、この単位領域を平坦化変換パターン2で埋め、その他の単位領域は入力画像データの画素値で埋める。
さらに、第1層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位と第2層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位が共にブロックである場合、両関数変換処理単位のブロックの縦の大きさの公倍数、横の大きさの公倍数をそれぞれ縦の大きさ横の大きさとするブロック単位で、層分離情報作成処理部0106で行なう第1層領域か第2層領域かの判定を行なえば、層分離処理部0109における第2層画像データの作成で、第1層領域は、すべて平坦化変換パターン2で埋めることが可能となる。
またさらに望ましくは、第1層画像符号化方式の関数変換処理単位と第2層画像符号化方式の関数変換処理単位が共にブロックである場合、層分離情報作成処理部0106で行なう第1層領域か否かの判定は、両関数変換処理単位のブロックの縦の大きさの公倍数、横の大きさの公倍数をそれぞれ縦の大きさ横の大きさとするブロック単位で行なうことができる。層の切り分けを非可逆符号化される各層の各非可逆符号化方式の関数変換のブロックの大きさを各辺の公倍数とすることで各領域が効率的に領域設定が可能となる。
さらに、両関数変換処理単位のブロックの縦の大きさの最小公倍数、横の大きさの最小公倍数をそれぞれ縦の大きさ横の大きさとするブロック単位で、層分離情報作成処理部0106で行なう第1層領域の有無の判定を行なえば、層分離処理部0109における第2層画像データの作成で、第1層領域は、すべて平坦化変換パターン2で埋めることが可能となるとともに、両関数変換処理単位の最小公倍数のブロック単位で第1層領域の有無の判定を行なえば、透明指定領域をもっとも細かく指定できる。
[実施の形態2]
本実施の形態の画像符号化装置は、実施の形態1の画像符号化装置と同様に、入力画像データを上層である第1層画像データと下層である第2層画像データに分離し、それぞれを符号化する装置である。実施の形態1との違いは、各層画像データの解像度を変える解像度変換を施す処理が加わったことで、層毎に解像度を変えることによって、層によっては解像度を下げることができるため圧縮率が高まる。また、圧縮に際しビット数がより必要な層に他の解像度を下げた層で削減された容量を割り当てることが可能なため、画質も高めることができる。本実施の形態の画像符号化装置のシステム構成は、図9に示した実施の形態1の画像符号化装置のシステム構成における層分離処理部0109が図12の層分離処理部0205のような構成になっている点以外は同様である。また、処理の流れも図10の層分離処理S0506以外の処理の流れは実施の形態1と同様である。したがって、本実施の形態の画像符号化装置について、同一部分には同一符号を付して、上記に挙げた実施の形態1と同じ構成および処理についての説明は省略する。
ただし、層分離情報作成処理(図10のS0503)から層分離処理(図10のS0506)については以下に補足説明する。
すなわち、実施の形態2では、図12に示す層分離処理部0205の処理の流れを、図10の層分離処理(S0506)に相当する他の処理に置き換える。図13は、このようなS0506と置き換える処理S0602を示す。
以下、図12および図13を参照して、第1層解像度変換処理部0206にて、入力画像データバッファ0107から、入力画像データを読み取り、T1倍(たとえば、0.5倍)に解像度変換した第1層解像度変換画像データを出力し、第2層解像度変換処理部0207にて、入力画像データバッファ0107から、入力画像データを読み取り、T2倍(たとえば、0.25倍)に解像度変換した第2層解像度変換画像データを出力する(S0604)。T1、T2は、正の実数であればよい。このような解像度変換方法は、たとえば、バイリニアを用いることができる。しかし、バイリニアに限定する必要はなく、バイキュービックや単純間引きなど、解像度変換方法であれば如何なる方法を用いてもよい。
また、本実施の形態においては、説明を簡単にするため、縦方向の解像度と横方向の解像度とを同一とし、単に第1層、第2層の解像度をT1倍、T2倍と記載している。しかし、各層の縦方向の解像度と横方向の解像度とをそれぞれ異なった値に設定することができることはいうまでもない。
第1層解像度変換画像データバッファ0208は、第1層解像度変換処理部0206で出力された第1層解像度変換画像データを格納し、第2層解像度変換画像データバッファ0209は、第2層解像度変換処理部0207で出力された第2層解像度変換画像データを格納する(S0605)。画素値変更処理部0210は、層分離情報データバッファ0108から層分離情報データを、第1層解像度変換画像データバッファ0208から第1層解像度変換画像データを、第2層解像度変換画像データバッファ0209から第2層解像度変換画像データをそれぞれ読み取り、第1層画像データおよび、第2層画像データを出力する(S0606)。画素値変更処理部0210で出力された第1層画像データは第1層画像データバッファ0110に、第2層画像データは第2層画像データバッファ0111にそれぞれ格納される(S0507)。
第1層画像データは、層分離情報データにより第1層領域に指定されている領域は入力画像の画素値で埋め、その他の領域は、平坦化変換パターンで埋める。平坦化変換パターンで埋めた領域は、後の符号化処理で、復号すれば画素値が一定値になり、この値を透明色に指定すれば、この平坦化変換パターンで埋めた領域は透明になり、第2層の画像情報が適用されることになる。ここでは、平坦化変換パターンとして、JPEG画像符号化方式の恒常不動平坦化変換パターンを用いるものとする。すなわち、層分離情報データにより第1層領域に指定されていない第1層画像データの領域内の画素値をすべて0とした。第2層画像データにおいては、第1層領域以外の領域は、入力画像データの画素値で埋め、第1層領域は、任意の画素値で埋めればよい。本実施の形態では、入力画像データの画素値を埋めておく。つまり、入力画像データそのもの、またはコピーしたものを用いる。
ここで、層分離情報作成処理(図10のS0503)について補足説明する。層分離情報作成処理(S0503)では、実施の形態1の説明にあるとおり、第1層画像データを符号化する時の関数変換の処理される領域単位で、第1層領域とするか否かを判定する処理である。たとえば第1層画像符号化方式がJPEG画像符号化方式である場合、実施の形態1では、第1層領域とするか否かを判定する領域は、入力画像の解像度で8×8画素単位となるが、本実施の形態では、符号化される第1層画像データの解像度がT1倍されていることから、第1層画像データを符号化する時の関数変換により処理される領域単位とは、入力画像の解像度で言うと、(8/T1)×(8/T1)画素単位となることに留意しなければならない。たとえば、第1層画像データを符号化する時の関数変換により処理される領域単位で、領域情報データに第1層で表示すべき領域が含まれている場合、その領域を第1層領域とする。また、第1層画像データを符号化時の関数変換により処理される領域単位で、入力画像を指定する画素の割合が一定値以上である場合、その領域を第1層領域とするなど、してもよい。
なお、前述したように、第1層の縦方向の解像度をT1縦倍、第1層の横方向の解像度をT1横倍、と異なった値に設定している場合は、第1層画像データを符号化する時の関数変換により処理される領域単位は(8/T1縦)×(8/T1横)画素単位となる。第2層画像データについても、第1層画像データと同様の留意の下に処理を行なう必要がある。
第1層解像度変換画像データバッファ0208、第2層解像度変換画像データバッファ0209は、フラッシュメモリ、ハードディスク等のRAM(ランダムアクセスメモリ)によって実現される。
第1層解像度変換処理部0206、第2層解像度変換処理部0207、画素値変更処理部0210は、たとえばそれぞれ専用回路等のハードウェアによって実現される。また、たとえばソフトウェアに基づいてコンピュータ等の演算処理回路によってその機能が実現されてもよい。
上記説明の変形例などを以下に補足しておく。第1層画像符号化方式は、「平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」であればよい。画素値変更処理部0210による第1層画像データの作成で、第2層領域は、第1層画像符号化方式の平坦化変換パターンで埋めればよい。上記第1層画像符号化方式の平坦化変換パターンは第1層画像符号化方式による符号化により、平坦領域となるが、その平坦値を復号時の透明色指定画素値とすることにより、透明色指定ができる。
画素値変更処理部0210による第2層画像データの作成で、第1層領域の第2層画像データは復号時の表示には用いられないため、基本的に任意の画素値で埋めればよく、第2層画像符号化方式での符号化に有利な画素値で埋めればよい。これにより、第2層画像符号化データの容量を削減することができ、出力画像符号化データの容量も削減できる。しかし、第1層画像データの符号化には非可逆符号化方式を用いているため、符号化後に透明色に指定したい画素以外でも、符号化後たまたま透明色に指定した画素値になる場合もありうる。この場合は、上記たまたま透明色に指定した画素値になった画素については、第2層画像符号化データの画素値が表示に用いられる。このことを考慮すると、画素値変更処理部0210での第2層画像データの作成で、第1層領域の第2層画像データは第1層で透明色に指定する画素値で埋めることが望ましい。
透明色を規定しているのは、第1層画像データの画素値のみであり、復号後、透明になることはない。したがって、第2層画像データの画素はその画素が本来持っている画素値に復号される。第2層画像データにおいては、透明色にする箇所はないからであり、第1層画像データと第2層画像データとは、符号化パラメータなど、符号化(圧縮)条件を異ならせるからである。第1層画像において透明色に指定したい画素以外で、符号化し復号後たまたま透明色に指定した画素値になった場合に透明となり、第2層画像が表示されることになる。
また、第2層画像符号化方式に「平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」を用いる場合、その平坦化変換パターンの内、符号化し復号後の平坦値が、第1層画像符号化方式の平坦化変換パターンの内、第1層画像符号化方式で符号化し復号後の平坦値と一致する平坦値を第1層の透明色とすれば、第2層画像データの第1層領域の画素値を、符号化の関数変換を施す処理単位毎で、完全に第1層の透明色に指定した画素値で表すことができる。
すなわち、第1層画像符号化方式と第2層画像符号化方式とで符号化し復号後の平坦値が同じである平坦化変換パターンをそれぞれ平坦化変換パターン1と平坦化変換パターン2とすると、画素値変更処理部0210による第1層画像データの作成で、第2層領域には、平坦化変換パターン1で埋め、第2層画像データの作成で、第2層画像データの符号化時の関数変換処理が行なわれる単位領域が、第1層領域である場合、この単位領域を平坦化変換パターン2で埋め、その他の単位領域は入力画像データの画素値で埋める。
さらに、第1層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位と第2層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位が共に、第1層解像度変換処理部0206での解像度変換倍率を入力画像の解像度に乗算したブロックと、第2層解像度変換処理部0207での解像度変換倍率を入力画像の解像度に乗算したブロックである場合、これらのブロックを第1層解像度変換処理部0206での解像度変換倍率で除算したブロックの大きさと、第2層解像度変換処理部0207での解像度変換倍率で除算したブロックの大きさの、それぞれの縦の大きさの公倍数、それぞれの横の大きさの公倍数をそれぞれ縦の大きさ横の大きさとするブロック単位で、層分離情報作成処理部0106で行なう第1層領域か第2層領域かの判定を行なえば、画素値変更処理部0210における第2層画像データの作成で、第1層領域は、すべて平坦化変換パターン2で埋めることが可能となる。層の切り分けを非可逆符号化される各層の各非可逆符号化方式の関数変換のブロックの大きさを各辺の公倍数とすることで各領域が効率的に領域設定が可能となる。
なお、前述したように、第1層、第2層の各解像度を縦方向、横方向とそれぞれ異なった値に設定し、第1層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位と第2層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位が共に、第1層解像度変換処理部0206での縦方向の解像度変換倍率(T1縦)と第1層解像度変換処理部0206での横方向の解像度変換倍率(T1横)とをそれぞれ、縦方向、横方向の入力画像の解像度に乗算し解像度が変換されたブロックと、第2層解像度変換処理部0207での縦方向の解像度変換倍率(T2縦)と第2層解像度変換処理部0207での横方向の解像度変換倍率(T2横)とそれぞれ、縦方向、横方向の入力画像の解像度に乗算し解像度が変換されたブロックと、である場合について説明する。
この場合は解像度が変換された第1層のブロックをT1縦とT1横とで除算した第1層のブロックの大きさと、解像度が変換された第2層のブロックをT2縦とT2横とで除算した第2層のブロックの大きさとの、それぞれの縦の大きさの公倍数、それぞれの横の大きさの公倍数をそれぞれ縦の大きさ横の大きさとするブロック単位で、層分離情報作成処理部0106で行なう第1層領域か第2層領域かの判定を行なう。そうすれば、画素値変更処理部0210における第2層画像データの作成で、第1層領域は、すべて平坦化変換パターン2で埋めることが可能となる。
また、さらに望ましくは、第1層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位と第2層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位が共に、第1層解像度変換処理部0206での解像度変換倍率を乗算したブロックと、第2層解像度変換処理部0207での解像度変換倍率を乗算したブロックである場合、第1層解像度変換処理部0206での解像度変換倍率で除算したブロックの大きさと、第2層解像度変換処理部0207での解像度変換倍率で除算したブロックの大きさの縦の大きさの最小公倍数、横の大きさの最小公倍数をそれぞれ縦の大きさ横の大きさとするブロック単位で、層分離情報作成処理部0106で行なわれる第1層領域か第2層領域かの判定を行なえば、画素値変更処理部0210における第2層画像データの作成で、第1層領域は、すべて平坦化変換パターン2で埋めることが可能となる。このため、両関数変換処理単位の最小公倍数のブロック単位で第1層領域か第2層領域かの判定を行なえば、透明指定領域をもっとも細かく指定できる。
なお、前述したように、第1層、第2層の各解像度を縦方向、横方向とそれぞれ異なった値に設定し、第1層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位と第2層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位が共に、第1層解像度変換処理部0206での縦方向の解像度変換倍率(T1縦)と第1層解像度変換処理部0206での横方向の解像度変換倍率(T1横)とをそれぞれ、縦方向、横方向の入力画像の解像度に乗算し解像度が変換されたブロックと、第2層解像度変換処理部0207での縦方向の解像度変換倍率(T2縦)と第2層解像度変換処理部0207での横方向の解像度変換倍率(T2横)とそれぞれ、縦方向、横方向の入力画像の解像度に乗算し解像度が変換されたブロックと、である場合について説明する。
この場合は解像度が変換された第1層のブロックをT1縦とT1横とで除算した第1層のブロックの大きさと、解像度が変換された第2層のブロックをT2縦とT2横とで除算した第2層のブロックの大きさとの、それぞれの縦の大きさの最小公倍数、それぞれの横の大きさの最小公倍数をそれぞれ縦の大きさ横の大きさとするブロック単位で、層分離情報作成処理部0106で行なう第1層領域か第2層領域かの判定を行なう。こうすることで、透明指定領域をもっとも細かく指定できる。
上記においては、第1層解像度変換処理部0206での解像度変換倍率を入力画像の解像度に乗算したブロックと、第2層解像度変換処理部0207での解像度変換倍率を入力画像の解像度に乗算したブロックについて第1層領域か第2層領域かの判定を行なう場合を説明した。しかし変形例として、最初に入力画像データのブロック単位で、層分離情報作成処理部0106で行なう第1層領域か第2層領域かの判定を行なう。その後、入力画像データを用いる第1層画像データの第1層領域、第2層画像データの第2層領域については、第1層解像度変換処理部0206、第2層解像度変換処理部0207での解像度変換倍率を入力画像データに乗算したそれぞれの画像データを用いて、第1層画像データ、第2層画像データを生成することにしてもよい。
このことは、各ブロックの縦の大きさの公倍数、横の大きさの公倍数、あるいは、それぞれの最小公倍数とするブロック単位で、層分離情報作成処理部0106で行なう第1層領域か第2層領域かの判定を行なう場合でも同様である。また、第1層の縦方向の解像度をT1縦倍、第1層の横方向の解像度をT1横倍、第2層の縦方向の解像度をT2縦倍、第2層の横方向の解像度をT2横倍、とそれぞれ異なった値に設定する場合でも同様である。
[実施の形態3]
本実施の形態の画像符号化装置は、入力画像データを複数の層に分離し、それぞれを符号化する装置である。分割する層が3つ以上でも、第1の実施の形態と同様に透明色指定により、復号側で一つの画像に合成できる。本実施の形態の画像符号化装置は、N層に分離して符号化を行なう。N層は、図14に示すように第1層から第N層まであり、層の番号が大きくなるに従って下層であるとする。また、第N層以外の層の各層は復号時に透明とする画素値である透明色が規定されている。
入力画像データを複数の層に分離し、それぞれを符号化し、符号化された各層の層画像符号化データを接合した出力画像符号化データを出力する。また、前記出力画像符号化データの復号は、第N層、第N−1層、第N−2層、…、第1層の順で復号し、透明色以外の画素値を上書きしていく。これにより、画像全域の画素が復号される。なお、第n層画像データを画像符号化処理する場合の画像符号化方式を第n層画像符号化方式と呼ぶことにする。
ここで、N層の画像データのうち、少なくとも1つの層については、上述した「平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」とする。「平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」を用いた場合は、復号化後に平坦値となる平坦領域については、当該層より下層の復号画像を用いることで、画像が再生できるが、特に、当該層において平坦値を透明色に指定することで、第1〜第N層の復号画像を重ね合わせるだけで、画像の再生を行なうことができる。また、たとえば、透明領域を有するいくつかの層については、可逆画像符号化方式を用いることとしてもよい。このとき、可逆画像符号化方式については、必ずしも、領域単位での符号化が行なわれなくてもよい。また、第1〜第N層のいくつかの層について非圧縮画像を用いてもよい。また、第N層については、透明色の規定がないため、領域単位で処理しない任意の符号化方式を用いてもよい。
なお、以下の説明では、説明の簡単のために、画像符号化の一例として、第1層〜第N層画像データは、JPEG方式で画像符号化されるものとする。
図15は、本実施の形態の画像符号化装置のシステム構成を示した図である。画像符号化装置0304は、領域情報入力装置0301から領域情報データを、画像入力装置0302から入力画像データを受け取り、画像符号化データ出力装置0303に画像符号化データを出力する。
本実施の形態の画像符号化装置0304の動作も基本的には、図10で説明した実施の形態1と同様である。ただし、入力画像がN層に分離されることに対応して、画像符号化装置0304の各部の構成および機能が、以下の説明のように変更される必要がある。
ここで、図15および図10を用いて、画像符号化装置0304の各部の機能および画像符号化装置0304の処理について説明する。
領域情報データバッファ0305は、領域情報入力装置0301から入力された領域情報データを格納する(S0502)。ここでも、領域情報データは、マスクや、座標指定で、画像の領域の第n層画像データで表示すべき領域が特定できればよい。層分離情報作成処理部0306にて、領域情報データバッファ0305から領域情報データを読み取り、層分離情報データを出力する(S0503)。
ここでは、層分離情報作成処理S0503について補足説明する。層分離情報作成処理S0503は、第n層画像データを符号化する時の関数変換の処理される領域単位(JPEG画像符号化方式ではDCT変換の処理単位である8×8画素単位)で、第n層で表示すべき、第n層領域であるか否かを判定する処理である。また、実施の形態1と同様に、たとえば、第n層画像データを符号化する時の関数変換の処理される領域単位で、第n層で表示すべき領域が含まれている領域を第n層領域とする。また、第n層画像データを符号化時の関数変換の処理される領域単位で、入力画像を指定する画素の割合が一定値以上である場合、その領域を第n層領域とするなど、してもよい。
層分離情報作成処理部0306で出力された層分離情報データは、層分離情報データバッファ0308に格納する(S0504)。画像入力装置0302から、入力画像データを受け取り、入力画像データバッファ0307に格納する(S0505)。層分離処理部0309にて、層分離情報データバッファ0308から、層分離情報データを、入力画像データバッファ0307から入力画像データを、それぞれ読み取り、各層画像データを出力する(S0506)。第n層画像データの層分離情報データにより第n層領域は入力画像の画素値で、第1層画像データ〜第(n−1)層画像データにおける第1層領域〜第(n−1)層領域は任意の画素値で埋めればよく、各層画像符号化方式での符号化に有利な画素値で埋めればよい。
第n層画像データにおける第1層領域〜第n層領域以外の領域、つまり、透明にしたい領域は、平坦化変換パターンで埋める。平坦化変換パターンで埋めた領域は、後の符号化処理で、平坦領域になり、その平坦値を透明色に指定すれば、この平坦化変換パターンで埋めた領域は第(n+1)層の画像情報が適用されることになる。ここでは、平坦化変換パターンとして、JPEG画像符号化方式の恒常不動平坦化変換パターンを用いるものとする。すなわち、層分離情報データにより第1層領域〜第n層領域以外の第n層画像データの領域内の画素値をすべて0とした。
層分離処理部0309で出力された各層画像データを層画像データバッファ群0310に、それぞれ格納する(S0507)。層画像符号化処理部群0311にて、層画像データバッファ群0310から各層画像データを読み取り、各層画像データを符号化処理した各層符号化データを出力する(S0508)。層画像符号化処理部群0311で出力された各層画像符号化データを層画像符号化データバッファ群0312にそれぞれ格納する(S0509)。画像符号化データ接合処理部0313にて、層画像符号化データバッファ群0312から、各層画像符号化データをそれぞれ読み取り、出力画像符号化データを出力する(S0510)。画像符号化データ接合処理部0313から出力された出力画像符号化データを出力画像符号化データバッファ0314に格納する(S0511)。
図16は、本実施の形態の出力画像符号化データの構造を示す概念図である。この構造においても、ヘッダ部とデータ部からなり、ヘッダ部に各層画像符号化データのファイル先頭からの各オフセット値が格納されており、各層画像符号化データを分離するのに必要な情報が揃っている。このように、各層画像符号化データが分離可能であれば、いかなる構造でもよい。また、ヘッダ部に復号時に各層画像符号化データで透明色とする画素値を格納しておけば、復号側でデータに応じて動的に透明色とする画素値を変えることが可能となる。なお、ここで「動的に」とは、「固定的ではなく」の意である。
領域情報データバッファ0305、入力画像データバッファ0307、層分離情報データバッファ0308、層画像データバッファ群0310、層画像符号化データバッファ群0312、出力画像符号化データバッファ0314は、フラッシュメモリ、ハードディスク等のRAM(ランダムアクセスメモリ)によって実現される。
層分離情報作成処理部0306、層分離処理部0309、層画像符号化処理部群0311、画像符号化データ接合処理部0313は、たとえばそれぞれ専用回路等のハードウェアによって実現される。たとえばソフトウェアに基づいてコンピュータ等の演算処理回路によってその機能が実現されてもよい。
上記説明の変形例などを以下に補足しておく。透明色を有する符号化を行なう層の画像符号化方式は、「平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」であればよい。層分離処理部0309による第n層画像データの作成で、第n層画像における第1層領域〜第n層領域以外の領域は、第n層画像符号化方式の平坦化変換パターンで埋めればよい。透明色指定は、上記第n層画像符号化方式の平坦化変換パターンが第n層画像符号化方式による符号化により、復号後は平坦領域となるが、その平坦値を復号時の第n層の透明色指定画素値とすればよい。
層分離処理部0309による第n層画像データの作成で、第1層領域〜第(n−1)層領域は、復号時の表示には用いられないため、基本的に任意の画素値で埋めればよく、各層画像符号化方式での符号化に有利な画素値で埋めればよい。これにより、各層画像符号化データの容量を削減することができ、出力画像符号化データの容量も削減できる。
しかし、第n層画像データの符号化には非可逆符号化方式を用いているため、符号化後に透明色に指定したい画素以外でも、符号化後たまたま透明色に指定した画素値になる場合もありうる。この場合は、上記たまたま透明色に指定した画素値になった画素については、当該層より下層の層画像符号化データの画素値が表示に用いられる。このことを考慮すると、層分離処理部0309での第n層画像データの作成で、第1層領域〜第(n−1)層領域の画像データは第1層〜第(n−1)層のいずれかの層で透明色に指定した画素値で埋めることが望ましい。
さらに、第n層画像データにおける第1層領域〜第(n−1)層領域の画素値のよりよい埋め方は、第n層画像符号化方式が「平坦値変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」である場合、その平坦値が第(n−1)層で透明色としている画素値である第(n−1)層画像符号化方式の平坦化変換パターンを用いることである。そうすれば、第(n−1)層画像において透明色に指定したい画素以外で、符号化し復号後たまたま透明色に指定した画素値になった場合に、第n層の復号データは、第(n−1)層で透明色としている画素値そのものになる。
また、画像符号化方式が、「平坦値変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」で、画像符号化方式の関数変換処理単位がブロックである場合、各ブロックの縦の大きさの公倍数、横の大きさの公倍数をそれぞれ縦の大きさ横の大きさとするブロック単位で、層分離情報作成処理部0306で第1層領域〜第n層領域の有無の判定を行なえば、層分離処理部0309での、第n層画像データの作成で、第1層領域〜第(n−1)層領域は、すべて平坦化変換パターン(n−1)で埋めることが可能となる。ここで、第(n−1)層画像符号化方式の上記平坦値を持つ平坦領域を得るための平坦化変換パターンを、平坦化変換パターン(n−1)とする。層の切り分けを非可逆符号化される各層の各非可逆符号化方式の関数変換のブロックの大きさを各辺の公倍数とすることで各領域が効率的に領域設定が可能となる。
また、さらに望ましくは、各層画像符号化方式の関数変換処理単位がいずれもブロックである場合、各ブロックの縦の大きさの最小公倍数、横の大きさの最小公倍数をそれぞれ縦の大きさ横の大きさとするブロック単位で、層分離情報作成処理部0306で第1層領域〜第(n−1)層領域の有無の判定を行なえば、層分離処理部0309による第n層画像データの作成で、第1層領域〜第(n−1)層領域は、すべて平坦化変換パターン(n−1)で埋めることが可能となる。このため、各層画像符号化方式の関数変換処理単位の最小公倍数のブロック単位で第1層領域〜第(n−1)層領域の有無の判定を行なえば、透明指定領域をもっとも細かく指定できる。
[実施の形態4]
本実施の形態の画像符号化装置は、実施の形態3の画像符号化装置と同様に、入力画像データをN個の層画像データに分離し、それぞれを符号化する装置である。
実施の形態4の画像符号化装置が実施の形態3と異なる点は、各層画像データの解像度を変える解像度変換を施す処理が加わったことで、層毎に解像度を変えることによって、圧縮率や画質を高めることができることである。
本実施の形態の画像符号化装置のシステム構成は、図15に示した実施の形態3の画像符号化装置のシステム構成における層分離処理部0309が、図17の層分離処理部0404のような構成になっている点以外は、実施の形態3の画像符号化装置と同様である。また、処理の流れも図10の層分離処理S0506以外の処理の流れは実施の形態3と同様である。したがって、本実施の形態の画像符号化装置について、上記に挙げた第3の実施の形態と同様の構成および処理についての説明は省略する。
ただし、層分離情報作成処理(図10のS0503)については以下に補足する。
図17に示すような層分離処理部0404を有する本実施の形態の画像符号化装置の処理の流れは、基本的には、図10に示したフローチャートに従い、図10の層分離処理S0506に相当する処理については、図13のS0602に置き換えたものに相当する。
すなわち、層解像度変換処理部群0405にて、入力画像データバッファ0307から、入力画像データを読み取り、各層所定の解像度に変換した各層解像度変換画像データを出力する(S0604)。第n層解像度変換画像データ(nは1≦n≦Nの任意の自然数)は、入力画像データをTn倍(Tnは0より大きい実数、たとえば0.5倍)に解像度変換したものである。このような解像度変換方法は、バイリニアを用いることができる。しかし、バイリニアに限定する必要はなく、バイキュービックや単純間引きなど、解像度変換方法であれば如何なる方法を用いてもよい。
また、本実施の形態においては、説明を簡単にするため、縦方向の解像度と横方向の解像度とを同一とし、単に第n層の解像度をTn倍と記載している。しかし、各層の縦方向の解像度と横方向の解像度とをそれぞれ異なった値に設定することができることはいうまでもない。
層解像度変換画像データバッファ群0406は、層解像度変換処理部群0405で出力された各層解像度変換画像データを格納する(S0605)。画素値変更処理部0407にて、層分離情報データバッファ0308から層分離情報データを、層解像度変換画像データバッファ群0406から各層解像度変換画像データをそれぞれ読み取り、各層画像データを出力する(S0606)。画素値変更処理部0407で出力された各層画像データを層画像データバッファ群0310に、それぞれ格納する(S0507)。
第n層画像データは、層分離情報データにより第n層領域に指定されている領域は入力画像の画素値で埋め、第1層領域〜第(n−1)層領域は任意の画素で埋めればよく、各層画像符号化方式での符号化に有利な画素値で埋めればよい。
第1層領域〜第n層領域以外の領域は、平坦化変換パターンで埋める。平坦化変換パターンで埋めた領域は、後の符号化処理で、復号すれば一定値になり、この値を透明色に指定すれば、この平坦化変換パターンで埋めた領域は第n層より下層の画像情報が適用されることになる。ここでは、平坦化変換パターンとして、JPEG画像符号化方式の恒常不動平坦化変換パターンを用いるものとする。すなわち、層分離情報データにより第n層画像データにおいて、第1層領域〜第n層領域以外の領域内の画素値をすべて0とする。
第N層画像データにおいては、第N層に表示すべき領域である、第N層領域は、入力画像データの画素値で埋め、その他の領域は、すべて第1層領域〜第(N−1)層領域であるから、任意の画素値で埋めればよく、各層画像符号化方式での符号化に有利な画素値で埋めればよい。
ここで、層分離情報作成処理S0503(図10)について補足説明する。
層分離情報作成処理S0503は、実施の形態3の説明にあるとおり、第n層画像データを符号化する時の関数変換の処理される領域単位で、第n層で表示すべき、第n層領域であるか否かを判定する処理である。たとえば第n層画像符号化方式がJPEG画像符号化方式である場合、実施の形態3では、第n層画像データにおいて第n層領域である否かを判定する領域は、入力画像の解像度でDCT変換の処理単位である8×8画素単位となるが、本実施の形態では、符号化される第n層画像データの解像度がTn倍されていることから、第n層画像データを符号化する時の関数変換により処理される領域単位とは、入力画像の解像度で言うと、(8/Tn)×(8/Tn)画素単位となることに留意しなければならない。たとえば、第n層画像データを符号化する時の関数変換の処理される領域単位(JPEG画像符号化方式ではDCT変換の処理単位である8×8画素単位)で、第n層で表示すべき領域を第n層領域とする。また、第n層画像データを符号化時の関数変換の処理される領域単位(JPEG画像符号化方式ではDCT変換の処理単位である8×8画素単位)で、入力画像を指定する画素の割合が一定値以上である場合、その領域を第n層領域とするなど、してもよい。
なお、前述したように、第n層の縦方向の解像度をTn縦倍、第n層の横方向の解像度をTn横倍、と異なった値に設定している場合は、第n層画像データを符号化する時の関数変換により処理される領域単位は(8/Tn縦)×(8/Tn横)画素単位となる。
また、この場合、図16において、ヘッダ部に格納される符号化パラメータとして、各層の解像度を特定する情報が格納され、復号化において当該パラメータを各層毎に参照可能な構成としてもよい。
層解像度変換画像データバッファ群0406は、フラッシュメモリ、ハードディスク等のRAM(ランダムアクセスメモリ)によって実現される。
層解像度変換処理部群0405、画素値変更処理部0407は、たとえばそれぞれ専用回路等のハードウェアによって実現される。また、たとえばソフトウェアに基づいてコンピュータ等の演算処理回路によってその機能が実現されてもよい。
上記説明の変形例などを以下に補足しておく。透明色を有する符号化を行なう層の画像符号化方式は、「平坦化変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」であればよい。画素値変更処理部0407での第n層画像データの作成で、第1層領域〜第n層領域以外の領域は、第n層画像符号化方式の平坦化変換パターンで埋めればよい。透明色指定は、上記第n層画像符号化方式の平坦化変換パターンが第n層画像符号化方式による符号化により、復号後は平坦領域となるが、その平坦値を復号時の第n層の透明色指定画素値とすればよい。
画素値変更処理部0407での第n層画像データの作成で、第1層領域〜第(n−1)層領域は、復号時の表示には用いられないため、基本的に任意の画素値で埋めればよく、各層画像符号化方式での符号化に有利な画素値で埋めればよい。これにより、各層画像符号化データの容量を削減することができ、出力画像符号化データの容量も削減できる。
しかし、第n層画像データの符号化には非可逆符号化方式を用いているため、符号化後に透明色に指定したい画素以外でも、符号化後たまたま透明色に指定した画素値になる場合もありうる。この場合は、上記たまたま透明色に指定した画素値になった画素については、当該層より下層の層画像符号化データの画素値が表示に用いられる。このことを考慮すると、画素値変更処理部0407での第n層画像データの作成で、第1層領域〜第(n−1)層領域の画像データは第1層〜第(n−1)層のいずれかの層で透明色に指定した画素値で埋めることが望ましい。
さらに、第n層画像データにおける第1層領域〜第(n−1)層領域の画素値のよりよい埋め方は、第n層画像符号化方式が「平坦値変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」である場合、その平坦値が第(n−1)層で透明色としている画素値である第(n−1)層画像符号化方式の平坦化変換パターンを用いることである。そうすれば、第(n−1)層画像において透明色に指定したい画素以外で、符号化し復号後たまたま透明色に指定した画素値になった場合に、第n層の復号データは、第(n−1)層で透明色としている画素値そのものになる。
また、画像符号化方式が、「平坦値変換パターンを有する非可逆画像符号化方式」で、画像符号化方式の関数変換処理単位が各層の層解像度変換処理部群0405での各層の解像度変換倍率を乗算したブロックである場合、各層のブロックの大きさを層解像度変換処理部0405での各層の変換倍率で除算したブロックの大きさの縦の大きさの公倍数、横の大きさの公倍数をそれぞれ縦の大きさ、横の大きさとするブロック単位で、層分離情報作成処理部0306で第1層領域〜第n層領域の有無の判定を行なえば、画素値更新処理部0407での、第n層画像データの作成で、第1層領域〜第(n−1)層領域は、すべて平坦化変換パターン(n−1)で埋めることが可能となる。ここで、第(n−1)層画像符号化方式の上記平坦値を持つ平坦領域を得るための平坦化変換パターンを、平坦化変換パターン(n−1)とする。層の切り分けを非可逆符号化される各層の各非可逆符号化方式の関数変換のブロックの大きさを各辺の公倍数とすることで各領域が効率的に領域設定が可能となる。
なお、前述したように、第n層の縦方向の解像度をTn縦倍、第n層の横方向の解像度をTn横倍、とそれぞれ異なった値に設定し、第n層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位と第i層画像データ(1≦i≦Nでiはnを含まない自然数。)を符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位が共に、層解像度変換処理部群0405での第n層の縦方向の解像度変換倍率(Tn縦)と層解像度変換処理部群0405での第n層の横方向の解像度変換倍率(Tn横)とをそれぞれ、縦方向、横方向の入力画像の解像度に乗算し解像度が変換されたブロックと、層解像度変換処理部群0405での第i層の縦方向の解像度変換倍率(Ti縦)と層解像度変換処理部群0405での第i層の横縦方向の解像度変換倍率(Ti横)とそれぞれ、縦方向、横方向の入力画像の解像度に乗算し解像度が変換された第i層のブロックと、である場合について説明する。
この場合は、解像度が変換された第n層のブロックをTn縦とTn横とで除算した第n層のブロックの大きさと、解像度が変換された第i層のブロックをTi縦とTi横とで除算した第i層のブロックの大きさとの、それぞれの縦の大きさの公倍数、それぞれの横の大きさの公倍数をそれぞれ縦の大きさ横の大きさとするブロック単位で、層分離情報作成処理部0306で行なう第n層領域か第i層領域かの判定を行なう。そうすれば、画素値変更処理部0407における第n層画像データの作成で、第1層領域〜第(n−1)層領域は、すべて平坦化変換パターン(n−1)で埋めることが可能となる。ここで、第(n−1)層画像符号化方式の上記平坦値を持つ平坦領域を得るための平坦化変換パターンを、平坦化変換パターン(n−1)とする。
また、さらに望ましくは、各層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位がいずれも、各層の層解像度変換処理部群0405での各層の解像度変換倍率を乗算したブロックである場合、各層のブロックの大きさを層解像度変換処理部0405での各層の変換倍率で除算したブロックの大きさの縦の大きさの最小公倍数、横の大きさの最小公倍数をそれぞれ縦の大きさ、横の大きさとするブロック単位で、層分離情報作成処理部0306で第1層領域〜第(n−1)層領域の有無の判定を行なえば、画素値変更処理部0407での、第n層画像データの作成で、第1層領域〜第(n−1)層領域は、すべて平坦化変換パターン(n−1)で埋めることが可能となる。このため、各層画像符号化方式の関数変換処理単位の最小公倍数のブロック単位で第1層領域〜第(n−1)層領域の有無の判定を行なえば、透明指定領域をもっとも細かく指定できる。
なお、前述したように、第n層の縦方向の解像度をTn縦倍、第n層の横方向の解像度をTn横倍、とそれぞれ異なった値に設定し、第n層画像データを符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位と第i層画像データ(1≦i≦Nでiはnを含まない自然数。)を符号化する画像符号化方式の関数変換処理単位が共に、層解像度変換処理部群0405での第n層の縦方向の解像度変換倍率(Tn縦)と層解像度変換処理部群0405での第n層の横方向の解像度変換倍率(Tn横)とをそれぞれ、縦方向、横方向の入力画像の解像度に乗算し解像度が変換されたブロックと、層解像度変換処理部群0405での第i層の縦方向の解像度変換倍率(Ti縦)と層解像度変換処理部群0405での第i層の横縦方向の解像度変換倍率(Ti横)とそれぞれ、縦方向、横方向の入力画像の解像度に乗算し解像度が変換された第i層のブロックと、である場合について説明する。
この場合は、解像度が変換された第n層のブロックをTn縦とTn横とで除算した第n層のブロックの大きさと、解像度が変換された第i層のブロックをTi縦とTi横とで除算した第i層のブロックの大きさとの、それぞれの縦の大きさの最小公倍数、それぞれの横の大きさの最小公倍数をそれぞれ縦の大きさ横の大きさとするブロック単位で、層分離情報作成処理部0306で行なう第n層領域か第i層領域かの判定を行なう。こうすることで、透明指定領域をもっとも細かく指定できる。
上記においては、層解像度変換処理部群0405での第n層の解像度変換倍率を入力画像の解像度に乗算し解像度が変換されたブロックと、層解像度変換処理部群0405での第i層の縦方向の解像度変換倍率を入力画像の解像度に乗算し解像度が変換された第i層のブロックと、である場合を説明した。しかし変形例として、最初に入力画像データのブロック単位で、層分離情報作成処理部0306で行なう第n層領域か第i層領域かの判定を行なう。その後、入力画像データを用いる第n層画像データの第n層領域については、層解像度変換処理部群0405での第n層の解像度変換倍率を入力画像データに乗算した画像データを用いて、第n層画像データを生成してもよい。
このことは、各ブロックの縦の大きさの公倍数、横の大きさの公倍数、あるいは、それぞれの最小公倍数とするブロック単位で、層分離情報作成処理部0306で行なう第n層領域か第i層領域かの判定を行なう場合でも同様である。また、第n層の縦方向の解像度をTn縦倍、第n層の横方向の解像度をTn横倍、第i層の縦方向の解像度をTi縦倍、第i層の横方向の解像度をTi横倍、とそれぞれ異なった値に設定する場合でも同様である。
本実施の形態で説明した画像符号化方法は、画像符号化装置として実用化されるのみならず、この画像符号化方法をプログラムとした画像符号化プログラムおよび画像符号化プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体としても適用できるものである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
平坦化変換パターンの説明図である。 恒常平坦化変換パターンの説明図である。 不動平坦化変換パターンの説明図である。 恒常不動平坦化変換パターンの説明図である。 領域データに関する包含説明図である。 非可逆画像符号化方式に関する包含説明図である。 恒常不動平坦化変換パターンを透明にしたい箇所に用いて符号化を行なう例の説明図である。 図7で符号化された第1層、第2層画像符号化データを復号し合成するまでの説明図である。 第1実施の形態の画像符号化装置の構成図である。 第1の実施の形態の画像符号化装置の処理のフローチャートである。 第1、第2実施の形態の出力画像符号化データの構造例示図である。 第2実施の形態の画像符号化装置における層分離処理部の構成図である。 第2、第4実施の形態の層分離処理のフローチャートである。 入力画像データを複数層に分離したときの構造説明図である。 第3実施の形態の画像符号化装置の構成図である。 第3、第4実施の形態の出力画像符号化データの構造例示図である。 第4実施の形態の画像復号装置における層分離処理部の構成図である。
符号の説明
0101 領域情報入力装置、0102 画像入力装置、0103 画像符号化データ出力装置、0104 画像符号化装置、0105 領域情報データバッファ、0106 層分離情報作成処理部、0107 入力画像データバッファ、0108 層分離情報データバッファ、0109 層分離処理部、0110 第1層画像データバッファ、0111 第2層画像データバッファ、0112 第1層画像符号化処理部、0113 第2層画像符号化処理部、0114 第1層画像符号化データバッファ、0115 第2層画像符号化データバッファ、0116 画像符号化データ接合処理部、0117 出力画像符号化データバッファ、0201 層分離情報データバッファ、0202 入力画像データバッファ、0203 第1層画像データバッファ、0204 第2層画像データバッファ、0205 層分離処理部、0206 第1層解像度変換処理部、0207 第2層解像度変換処理部、0208 第1層解像度変換画像データバッファ、0209 第2層解像度変換画像データバッファ、0210 画素値変更処理部、0301 領域情報入力装置、0302 画像入力装置、0303 画像符号化データ出力装置、0304 画像符号化装置、0305 領域情報データバッファ、0306 層分離情報作成処理部、0307 入力画像データバッファ、0308 層分離情報データバッファ、0309 層分離処理部、0310 層画像データバッファ群、0311 層画像符号化処理部群、0312 層画像符号化データバッファ群、0313 画像符号化データ接合処理部、0314 出力画像符号化データバッファ、0401 層分離情報データバッファ、0402 入力画像データバッファ、0403 層画像データバッファ群、0404 層分離処理部、0405 層解像度変換処理部群、0406 層解像度変換画像データバッファ群、0407 画素値変更処理部。

Claims (13)

  1. 入力画像データにそれぞれ対応するN個(Nは2以上の自然数)の層の層画像データに前記入力画像データを分離し、そのうち少なくとも1個の層画像データは小領域単位で関数変換処理する非可逆符号化方式の画像符号化方式にて符号化を行なう画像符号化装置であって、
    個々の前記層画像データである第n層画像データ(nは1以上で、前記N以下の自然数。nが小さい程合成処理される場合に上層に配置される。)で表現すべき有効領域が少なくとも特定可能な領域情報データを入力する領域情報データ入力処理手段と、
    前記領域情報データに基づいて、前記画像符号化方式にて符号化を行なう層画像データについて、前記小領域単位で、前記入力画像データの画素値を用いる領域と、前記画像符号化方式により符号化され復号処理されたときに当該小領域内の画素値が同一の平坦値になる平坦領域の符号化前の画素値パターンを平坦化変換パターンとするとき、該平坦化変換パターンを用いて符号化する領域とを領域判定し、前記第n層画像データを生成する層分離処理手段と、
    前記層分離処理手段により作成された第n層画像データを前記画像符号化方式で符号化し、第n層画像符号化データを作成する画像符号化データ作成処理手段と、
    前記画像符号化データ作成処理手段により作成された第n層画像符号化データを少なくとも含む出力データを作成する出力データ作成処理手段とを備える、画像符号化装置。
  2. 前記画像符号化装置は、画像データの縦方向の解像度、横方向の解像度を変換する解像度変換処理手段をさらに備え、
    前記小領域は、縦方向に平行な2直線と横方向に平行な2直線とで囲まれた四角形からなるブロックであり、
    前記層分離処理手段は、前記第n層画像データの前記領域判定を、前記ブロックの縦方向の大きさを1/Xn(Xnは実数であり、第n層画像データの縦方向の解像度)倍、横方向の大きさを1/Yn(Ynは実数であり、第n層画像データの横方向の解像度)倍、それぞれ乗算した領域単位で判定し、
    前記画像符号化データ作成処理手段は、前記入力画像データを用いる領域については、前記解像度変換処理手段により前記入力画像データの対応する領域の縦方向の解像度をXn倍に、横方向の解像度をYn倍に、それぞれ変換した画像データを用いて、前記第n層画像データを生成することを特徴とする、請求項1に記載の画像符号化装置。
  3. 前記小領域は、縦方向に平行な2直線と横方向に平行な2直線とで囲まれた四角形からなるブロックであり、
    前記層分離処理手段は、前記第n層画像データの前記領域判定に用いる領域を、前記第n層画像データの前記各ブロックにそれぞれ対応する、前記画像符号化方式にて符号化を行なう各層画像データの前記ブロックの縦の大きさの公倍数および横の大きさの公倍数をそれぞれ縦と横の大きさとするブロック単位で判定することを特徴とする、請求項1に記載の画像符号化装置。
  4. 前記小領域は、縦方向に平行な2直線と横方向に平行な2直線とで囲まれた四角形からなるブロックであり、
    前記層分離処理手段は、前記第n層画像データの前記領域判定に用いる領域を、前記第n層画像データの前記各ブロックにそれぞれ対応する、前記画像符号化方式にて符号化を行なう各層画像データの前記ブロックの縦の大きさの最小公倍数および横の大きさの最小公倍数をそれぞれ縦と横の大きさとするブロック単位で判定することを特徴とする、請求項1に記載の画像符号化装置。
  5. 前記画像符号化装置は、画像データの縦方向の解像度、横方向の解像度を変換する解像度変換処理手段をさらに備え、
    前記小領域は、縦方向に平行な2直線と横方向に平行な2直線とで囲まれた四角形からなるブロックであり、
    前記層分離処理手段は、前記第n層画像データの前記領域判定に用いる領域を、前記第n層画像データの前記各ブロックにそれぞれ対応する、前記画像符号化方式にて符号化を行なう第i層画像データの前記ブロックの縦の大きさに1/Xi(Xiは実数であり、第i層画像データの縦方向の解像度。1≦i≦Nでiはnを含まない自然数。)倍乗算した大きさの公倍数、および当該ブロックの横の大きさに1/Yi(Yiは実数であり、第i層画像データの横方向の解像度)倍乗算した大きさの公倍数、をそれぞれ縦と横の大きさとするブロック単位で判定し、
    前記画像符号化データ作成処理手段は、前記入力画像データを用いる領域については、前記解像度変換処理手段により前記入力画像データの対応する領域の縦方向の解像度をXn(Xnは実数であり、第n層画像データの縦方向の解像度)倍に、横方向の解像度をYn(Ynは実数であり、第n層画像データの横方向の解像度)倍に、それぞれ変換した画像データを用いて、前記第n層画像データを生成することを特徴とする、請求項1に記載の画像符号化装置。
  6. 前記画像符号化装置は、画像データの縦方向の解像度、横方向の解像度を変換する解像度変換処理手段をさらに備え、
    前記小領域は、縦方向に平行な2直線と横方向に平行な2直線とで囲まれた四角形からなるブロックであり、
    前記層分離処理手段は、前記第n層画像データの前記領域判定に用いる領域を、前記第n層画像データの前記各ブロックにそれぞれ対応する、前記画像符号化方式にて符号化を行なう第i層画像データの前記ブロックの縦の大きさに1/Xi(Xiは実数であり、第i層画像データの縦方向の解像度。1≦i≦Nでiはnを含まない自然数。)倍乗算した大きさの最小公倍数、および当該ブロックの横の大きさに1/Yi(Yiは実数であり、第i層画像データの横方向の解像度)倍乗算した大きさの最小公倍数、をそれぞれ縦と横の大きさとするブロック単位で判定し、
    前記画像符号化データ作成処理手段は、前記入力画像データを用いる領域については、前記解像度変換処理手段により前記入力画像データの対応する領域の縦方向の解像度をXn(Xnは実数であり、第n層画像データの縦方向の解像度)倍に、横方向の解像度をYn(Ynは実数であり、第n層画像データの横方向の解像度)倍に、それぞれ変換した画像データを用いて、前記第n層画像データを生成することを特徴とする、請求項1に記載の画像符号化装置。
  7. 前記第n層画像データにおいて入力画像データの画素値を用いた領域に対応し、前記画像符号化方式にて符号化を行なう第(n+1)層画像データの領域には、復号処理されたときに前記平坦値になる前記平坦化変換パターンを用いることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の画像符号化装置。
  8. 前記層画像データを前記小領域単位で関数変換処理する非可逆符号化方式であって前記画像符号化方式とは異なる、第2の画像符号化方式により符号化され復号処理されたときに当該小領域内の画素値が同一の平坦値になる平坦領域の符号化前の画素値パターンを第2の平坦化変換パターンとするとき、前記第n層画像データにおいて入力画像データの画素値を用いた領域に対応し、前記第2の画像符号化方式にて符号化を行なう第(n+1)層画像データの領域には、前記第2の平坦化変換パターンを用いることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の画像符号化装置。
  9. 前記平坦値は、前記第n層画像データの復号化において透明色として用いられる値である、請求項1〜8のいずれかに記載の画像符号化装置。
  10. 前記出力データ作成処理手段は、さらに前記透明色の値を出力データに含めることを特徴とする、請求項9に記載の画像符号化装置。
  11. 演算処理装置を有するコンピュータが、入力画像データにそれぞれ対応するN個(Nは2以上の自然数)の層の層画像データに前記入力画像データを分離し、そのうち少なくとも1個の層画像データは小領域単位で関数変換処理する非可逆符号化方式の画像符号化方式にて符号化を行なう画像符号化方法であって、
    領域情報データ入力処理手段が、個々の前記層画像データである第n層画像データ(nは1以上で、前記N以下の自然数。nが小さい程合成処理される場合に上層に配置される。)で表現すべき有効領域が少なくとも特定可能な領域情報データを入力するステップと、
    層分離処理手段が、前記領域情報データに基づいて、前記画像符号化方式にて符号化を行なう層画像データについて、前記小領域単位で、前記入力画像データの画素値を用いる領域と、前記画像符号化方式により符号化され復号処理されたときに当該小領域内の画素値が同一の平坦値になる平坦領域の符号化前の画素値パターンを平坦化変換パターンとするとき、該平坦化変換パターンを用いて符号化する領域とを領域判定し、前記第n層画像データを生成するステップと、
    画像符号化データ作成処理手段が、前記層分離処理手段により作成された第n層画像データを前記画像符号化方式で符号化し、第n層画像符号化データを作成するステップと、
    出力データ作成処理手段が、前記画像符号化データ作成処理手段により作成された第n層画像符号化データを少なくとも含む出力データを作成するステップとを備える、画像符号化方法。
  12. 入力画像データにそれぞれ対応するN個(Nは2以上の自然数)の層の層画像データに前記入力画像データを分離し、そのうち少なくとも1個の層画像データは小領域単位で関数変換処理する非可逆符号化方式の画像符号化方式にて符号化を行なう画像符号化方法を、演算処理装置を有するコンピュータに実行させる画像符号化プログラムであって、
    前記演算処理装置が、個々の前記層画像データである第n層画像データ(nは1以上で、前記N以下の自然数。nが小さい程合成処理される場合に上層に配置される。)で表現すべき有効領域が少なくとも特定可能な領域情報データを入力するステップと、
    前記演算処理装置が、前記領域情報データに基づいて、前記画像符号化方式にて符号化を行なう層画像データについて、前記小領域単位で、前記入力画像データの画素値を用いる領域と、前記画像符号化方式により符号化され復号処理されたときに当該小領域内の画素値が同一の平坦値になる平坦領域の符号化前の画素値パターンを平坦化変換パターンとするとき、該平坦化変換パターンを用いて符号化する領域とを領域判定し、前記第n層画像データを生成するステップと、
    前記演算処理装置が、前記作成された第n層画像データを前記画像符号化方式で符号化し、第n層画像符号化データを作成するステップと、
    前記演算処理装置が、前記作成された第n層画像符号化データを少なくとも含む出力データを作成するステップとをコンピュータに実行させる、画像符号化プログラム。
  13. 請求項12に記載の画像符号化プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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