JP2007129020A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ処理装置等の処理において、処理室内の内壁への付着物質の表面状態の粗さ等から付着状況を簡単に評価できるようにする。
【解決手段】成膜処理あるいはエッチング処理等に使用する処理用ガスを処理室11内に導入する。導入した処理用ガスで半導体ウエハW等の基板を処理するとともに、処理室11の内壁に堆積した付着物の表面粗度をレーザ変位計20aで計測する。計測した結果を、パーティクル不良発生の閾値、あるいは異常放電発生の閾値と比較して、異常発生前に対処する。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体装置の製造に関する技術であり、特に処理用ガスを用いてドライエッチングあるいは成膜等を行う場合に、パーティクル汚染や異常放電等を未然に防止するのに適用して有効な技術である。
以下に説明する技術は、本発明を研究、完成するに際し、本発明者によって検討されたものであり、その概要は次のとおりである。
半導体装置の製造では、チャンバと呼ばれる処理室内へ処理用ガスを導入することで、処理室内の半導体ウエハへの成膜、あるいはドライエッチング等の処理を行う技術が知られている。かかる処理を行う装置としては、例えば、CVD、PVD等の成膜装置、スパッタ装置、ドライエッチング装置、ドライアッシング装置等がある。
かかる装置では、導入される処理用ガスが、処理室内の内壁部分に付着し堆積し、堆積物の剥がれ等によるパーティクル汚染が発生する。あるいは、処理に際してプラズマ放電を用いている場合には、例えば、処理用ガスの処理室内内壁への不均一な堆積状況等によっては、プラズマの異常放電現象も発生する。
かかるパーティクル汚染や異常放電が発生すると、当該処理中の半導体ウエハ等の不良発生に繋がることは勿論のこと、装置の緊急停止、装置の緊急クリーニング等が発生し、生産効率が著しく悪くなる。
かかる処理室内の堆積物による汚染状況を知る技術が、種々提案されている。例えば、処理室内の内壁の汚染状況を、レーザ光を処理室内に照射して内壁の汚染状況をモニタする技術がある。特許文献1では、観察用窓を通してレーザビームを処理室内へ照射して処理室内壁の凹凸状態の変化に伴って生ずる散乱光を反射光像として結像させ、結像させた受光信号に基づき内壁の汚染状況を知る構成が開示されている。前記受光信号の中から強度変調周波数成分を抽出することで、内壁の凹凸状態の変化、プラズマ中等に浮遊している異物の状況を同時に知る技術である。また内壁の凹凸状態の変化は散乱光の信号強度の波形がピークを持つ場合は内壁の凹凸が少なく、ピークの山が小さい場合は内壁の凹凸が大きく内壁の汚染が進んでいるとの判断を行なうことが記載されている。
特許文献2には、処理室内を一方の内壁側から照射して他方の内壁側に透過するレーザ光の光強度の経時的変動を知ることにより、プロセスチャンバ壁に付着した膜の膜厚を知り、適切なクリーニング時期を判断する技術が開示されている。特許文献3には、白色光等の参照光の採光窓を透過させた後のスペクトルを調べることで採光窓の付着物の膜厚等を確認し、併せてプラズマ発光の採光窓を通した光量から採光窓の表面の荒れ状態等を知る技術が開示されている。
一方、特許文献4、5には、チャンバ内の堆積物に赤外線を入射させ、入射させた赤外線の入射スペクトルと堆積物を通過した後の赤外線の吸収スペクトルとを比較して、堆積物に吸収された赤外吸収スペクトルから付着した堆積物の結合状態、及びその総量(膜厚)の時間変化に関する情報を得る技術が開示されている。特許文献6には、処理室内内壁の導電性物質による汚染状況を、真空室内壁に埋め込んだ端子と端子間を導線により接続した導電性付着物モニタとで、抵抗値をモニタして調べる技術が開示されている。
特許文献7にはMBE(分子ビームエピタキシャル)成長装置において原料ガスのシャッター隙間からの漏れこみによるガラス覗き窓のくもりを防止するために、シャター収納部の内径より大きい内径のシャターを取り付けて、覗き窓のシャッターを開閉する構造の技術が開示されている。特許文献8には蒸着装置において覗き窓への蒸着物質の付着を防止するために、覗き窓の前に回転シャッターを設けて蒸着物質を回転シャッターでトラップする技術が開示されている。
特開2003−243375号公報(段落〔0040〕〜〔0042〕、〔0046〕〜〔0048〕、図4、図9〜図10) 特開平11−140655号公報(段落〔0012〕〜〔0015〕、図2) 特開平5−259250号公報(段落〔0018〕〜〔0020〕、図1) 特開平9−36102号公報(段落〔0085〕〜〔0089〕、図1〜図3) 特開平10−233391号公報(段落〔0061〕〜〔0066〕、図1〜図3) 特開2002−141338号公報(段落〔0027〕〜〔0029〕、図1、図2) 特開平5−44032号公報(段落〔0011〕〜〔0012〕、図1) 特開平8−3742号公報(段落〔0007〕〜〔0008〕、図1)
ところが、上記堆積物あるいは付着物をモニタして処理室内の汚染状況を知る技術では、以下の課題があることを本発明者は見出した。
これまでの付着状況の確認技術は、前掲の特許文献に記載の如く、入射させたレーザ光の反射光像として結像させた受光信号に基づき、特に受光信号の中から強度変調周波数成分を抽出して、その内壁の凹凸状態の変化、プラズマ中等に浮遊した異物の状況を知るものであった。あるいは、処理室内を透過するレーザ光の光強度の経時的変動を知ることによって、その膜厚等を知るものであった。あるいは、電磁波の吸収に基づくもの、あるいは抵抗値の測定による導電性物質の付着量の確認技術であった。
本発明者は、半導体製造装置であるCVD等の処理装置において、チャンバと呼ばれる処理室内でのパーティクル発生、あるいは異常放電発生による不良対策等に長く関わってきた。このような中、下記のように付着物質の堆積に伴う異常放電等の予測の指標を明確化できた。
すなわち、パーティクルの発生、異常放電の発生は、処理室内内壁面への付着物質の堆積量、堆積状態により発生することは分かっていたが、今回、その堆積物の表面状態の粗さ等が大いに関係していることを見いだした。すなわち、表面粗度を指標として、パーティクルの発生、あるいは異常放電の発生を予測し得ることを見いだしたのである。
しかし、前掲のこれまでの技術においては、パーティクルの発生、異常放電の発生を、表面状態の粗さとの関係で指摘したものは一切なかった。
本発明の目的は、プラズマ処理装置等の処理において、処理室内内壁への付着堆積物の表面状態の粗さ等から付着状況を簡単に評価できるようにすることにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、プラズマ処理装置等の処理用ガスを用いる技術で、処理室内内壁の堆積物の表面状況を、設定した閾値と計測量とを比較することで評価が行えるようにした。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明では、プラズマ処理装置等の処理用ガスを用いる技術において、処理室内内壁の堆積物の表面状況を、その表面粗度との関係で、設定した閾値と計測量とを比較するようにして、OKかNGかの択一的な判断が行えるようにした。その簡明な結果から、対応が速やかに行えるようになった。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本発明の半導体装置の製造で使用する半導体製造装置の構成の一例を模式的に示す断面説明図である。図2は、これまでの半導体製造装置の例を模式的に示す断面説明図である。図3は、表面粗度と反応生成物堆積量との関係の一例を示す説明図である。図4は、表面粗度と反応生成物堆積量との関係の一例を示す説明図である。図5(a)、(b)は、表面粗度とウエハの処理数との関係の一例を示す説明図である。
本実施の形態における半導体装置の製造方法で使用する半導体製造装置10について、先ず説明する。かかる半導体製造装置10は、例えば、プラズマCVD(chemical vapor deposition )装置10aに構成されている。
図1に示す半導体製造装置10は、処理室11(反応室、あるいはチャンバとも呼ばれる)を有している。かかる処理室11には、下電極12と上電極13とが上下に相対して平行に設けられ、平行平板型に構成されている。処理室11の外には、図示はしないが、真空ポンプが接続され、処理室11に接続された排気管14により処理室11内の排気が行えるように構成されている。
処理室11内には、処理用ガス供給管15が接続され、処理室11内に所望組成の反応性のガスが供給されるようになっている。処理用ガス供給管15の先は、シャワーヘッドのように構成され、上電極13を兼ねている。上電極13には、高周波電源16が接続され、上電極13と下電極12との間に高周波を印加することができるようになっている。
かかる構成の半導体製造装置10には、処理室11内に堆積した付着物質の表面状況を監視する表面状況監視手段20が設けられている。例えば、図1に示す場合には、表面状況監視手段20は、光学的手段に構成された表面粗度検出手段に構成されている。かかる表面粗度検出手段は、例えば、レーザ変位計20aに構成されている。
レーザ変位計20aは走査型に構成され、照射したレーザ光を所定範囲で走査することにより、複数地点での反応物質の表面状態を調べることができるようになっている。すなわち、レーザ変位計20aでは、上記走査により、レーザ光照射範囲の複数地点での表面粗度が測定できるようになっている。
レーザ変位計20aからは、処理室11の壁に設けたレーザ透過窓30を通して、所定波長のレーザ光が入射光λ1として発射される。入射光λ1は、図示はしないが、処理室の相対する内壁面に当たり、反射光λ2となってレーザ透過窓30を通して受光部に入る。受光部では、入射光λ1に対する反射光λ2の位置で変位量を観測し、演算部で変位量を表面粗度として換算する。
これまではレーザ光による上記変位量の測定は、数センチ単位での離間距離でしか行えず実際的な適用はできなかったが、50センチ程度の離間距離でもその変位量の測定が可能となり、本発明に至ったものである。
レーザ透過窓30は、処理室11に設けられていた採光窓を利用しても構わないし、あるいは別途設けても構わない。さらには、レーザ透過窓30には、内壁面側にシャッターを設けておき、レーザ光を入射するときに、そのシャッターを開けるように構成しても構わない。かかる構成を採用することで、レーザ透過窓30表面に付着する反応生成物の付着、堆積による計測精度の低下を防ぐことができる。
処理室11内で、半導体ウエハの成膜処理を行っているときには、シャッターを閉じて、処理用ガスによるレーザ透過窓30への付着、堆積を防止する。処理終了後に、レーザ変位計20aの入射光λ1の発射タイミングに合わせて、シャッターが開くようにすればよい。かかる構成を採用することで、処理用ガスの堆積物による影響を受けずに、高精度で再現性のよい計測が可能となる。
かかるレーザ変位計20aに構成された表面粗度検出手段は、内壁監視制御装置21に接続されている。かかる内壁監視制御装置21では、レーザ変位計20aにより測定された走査範囲内の複数地点での表面粗度の結果に基づいて、異常判定を行うようになっている。
例えば、かかる内壁監視制御装置21はコンピュータ21aに構成され、コンピュータ21aの演算処理装置内で、あらかじめ設定された表面粗度の閾値と、レーザ変位計20aで計測された表面粗度とを比較して、異常と判定を下せるように構成されている。例えば、閾値以上であれば、異常と、あるいは要注意等と判断できるようになっている。
かかる内壁監視制御装置21には、表面粗度の過去のデータを蓄積させて、随時表示あるいは随時出力できるように構成しておいても構わない。かかる構成を有していれば、半導体ウエハの種類と、その成膜あるいはエッチング処理に使用した処理用ガス等の過去の実績から、当該処理では、どの当たりに閾値を設定して行えばよいかが過去のデータから容易に分かり、素早く閾値の設定変更を行うことができる。
また、内壁監視制御装置21では、レーザ変位計20aによる表面粗度の計測タイミングの設定が自在に行えるように構成されている。例えば、半導体ウエハ等の基板の処理中には、表面粗度の値が安定しないことが予想されるため、表面粗度の計測タイミングを基板処理終了毎に行うように設定すればよい。
計測タイミングは、オーバーホールで処理室11内のクリーニングが終了したばかりの場合には付着した堆積物の表面粗度が閾値に到達するまではまだ十分に余裕があるが、処理枚数が増えるに従って次第に表面粗度は閾値に近づくため、処理枚数が増えるに従って表面粗度の計測タイミングの間隔を短くするように設定することも考えられる。このように計測タイミングを自在に設定することで、効率よい計測が可能となる。
内壁監視制御装置21は、さらに警告発報装置22に接続されている。内壁監視制御装置21で、例えば異常と判断された場合には、その判定結果に基づき、警告発報装置22から異常判定がでた旨、半導体製造装置10のオペレータに警告を発することができるようになっている。警告を発するに際しては、ブザー等のアラーム音、あるいは音声案内、あるいは画面表示等の種々の適切な手段が用いられる。
また、内壁監視制御装置21は、半導体製造装置10を制御する制御装置23にも接続されている。内壁監視制御装置21で、例えば異常との判定が下された場合には、警告発報装置22で異常をオペレータ等に伝えるとともに、制御装置23を通して半導体製造装置10の稼働を一時停止することができるようになっている。一時停止に際しては、例えば、半導体ウエハの当面の処理が終了した時点で、装置稼働が停止されるように構成しておけばよい。
因みに、これまでの半導体製造装置100をプラズマCVD装置100aに構成した場合の概略構成を図2に示した。図2に示す構成は、図1に示す構成で、表面状況監視手段20が設けられていな点で異なっているだけである。その他の構成は図1に示す構成と同様で、説明は省略する。
尚、レーザ変位計20aに構成した表面粗度計測手段である表面状況監視手段20は、処理室11を監視するために複数個設けてもよい。処理室11の内壁への処理用ガスによる付着、堆積状況は一様ではないため、このように複数個設けることで、処理室11の全体の堆積状況が把握できる。複数の表面粗度計測結果に基づき、異常検出を行えば、一つの表面状況監視手段20に基づく判断に比べてより高精度な判断が期待できる。
上記レーザ変位計20aによる表面粗度の計測に関しては、以下のようにして閾値の設定を行えばよい。
処理室11内の浮遊パーティクルは、図3に示すように、一般的傾向として、反応生成物の処理室11内内壁への堆積量が増加するにしたがい増える傾向にある。パーティクル量がある量を超えると、半導体ウエハの処理がパーティクル汚染により不良となる。パーティクル量は、経時変化するのである。
一方、反応生成物の処理室11内内壁への堆積状況は、その表面状態を観察すると、堆積物の量が増えるに従って、表面粗度が大きくなるか、あるいは表面粗度が小さくなるかのいずれかの傾向を示すことが、本発明者により確認された。表面粗度は、当該堆積物が剥がれ落ちない限りにおいては、堆積物の量に従って、初期の値に比べて大きいかあるいは小さいかの一定の値に収束する状況があることが確認された。すなわち、いずれにせよ、表面粗度は堆積物の量とともに経時変化するのである。
そこで、パーティクルの異常は、経時変化が容易に把握しやすい表面粗度を指標とすることで、事前に察知することができる筈と考えた。表面粗度の閾値Hを、パーティクル汚染の不良が発生する反応生成物の堆積量の値H1より少し小さめに設定しておけば、パーティクル汚染の不良に達する直前にクリーニングを施すことができる筈である。
かかる様子を、図3に示した。図3は、パーティクル汚染を、反応生成物堆積量と表面粗度との経時変化の関係を示すグラフで示した説明図である。かかる図3においては、説明の都合上、表面粗度と反応生成物堆積量とは、直線的な比例関係が生ずるものとの想定で示した。
このようにして閾値Hをパーティクル汚染の不良が発生する直前の値に設定しておけば、その閾値Hを超えるまでは、安心して処理を継続することができるのである。かかる閾値Hの設定に関しては、厳密には、使用する処理用ガスの種類、成膜処理かエッチング処理か等の処理内容の違い等により異なるので、原則はそれぞれ個別に設定を行えばよい。この閾値Hに達した時点で、オーバーホールによるクリーニングを行えばよい。
パーティクル量の計測には、かなり複雑な手法で大がかりな構成が必要となり、半導体製造装置毎にかかる装置を装備するのには無理がある。一方、表面粗度の検出は、レーザ変位計20a等を用いれば比較的安価で、その手段を半導体製造装置毎に備えるについてはそれほど大がかりにせずに対処することができる。
一方、かかるパーティクル汚染の不良について表面粗度をその指標として把握することの簡便さに関しては、異常放電についても同様に言えることである。すなわち、閾値Hを、異常放電が発生する反応生成物堆積量の値H2より少し小さく設定しておけば、異常放電が発生する前に、オーバーホール等の処理を行うことができる。
図4には、異常放電を、反応生成物堆積量と表面粗度との経時変化の関係を示すグラフで示した。かかる図4においても、説明の都合上、表面粗度と反応生成物堆積量とは、直線的な比例関係が生ずるものとの想定で説明してある。
かかる構成の半導体製造装置10を使用して、本発明に係る半導体装置の製造方法について、以下説明する。
所要の工程を経た半導体ウエハは、例えば、層間絶縁膜あるいはパシベーション膜の形成に際して、プラズマCVD装置10aが使用される。プラズマCVD装置10aでは、前の工程処理が終了した半導体ウエハ(基板とも言う)Wが、処理室11内の下電極12上に搭載される。
図1に示すように、下電極12上に半導体ウエハWを搭載した状態で、処理用ガス供給管15から処理用ガスが供給される。例えば、層間絶縁膜としてSiO膜を形成する場合には、処理用ガスとしてSiH、NOが、あるいはTEOS、O等が供給される。また、SiN、SiON等のパッシベーション膜形成の場合には、SiHNH、NO等が供給される。
このようにして所定層厚の層間絶縁膜、あるいはパッシベーション膜が半導体ウエハ上に形成される。半導体ウエハに対するかかる成膜処理を所定枚数継続した段階で、レーザ変位計20aによりプラズマCVD装置10aの処理室11内の内壁に付着した反応堆積物の表面粗度が計測され、その状況が内壁監視制御装置21により評価、判断される。
計測した表面粗度が異常と判断される閾値H未満の場合には、正常との判断で、再度処理が続行される。
しかし、計測した表面粗度が異常と判断される閾値Hに達していた場合には、内壁監視制御装置21では異常と判断され、その旨が警告発報装置22に電気信号として連絡される。警告発報装置22では、当該装置オペレータ等にパーティクル汚染の不良、あるいは異常放電の発生が起きる可能性が高まった旨の異常警告を発する。併せて、制御装置23に対して、内壁監視制御装置21から当該装置の停止指令が送られ、当面の処理が終了した時点で、装置の自動停止が行われる。
装置の自動停止が行われた時点で、オーバーホールを行い、処理室11内のクリーニングを行えばよい。このようにして、本発明では、事前に、パーティクルの汚染の不良、あるいは異常放電の発生等の状況を察知して、事前にオーバーホールを行うことができるので、パーティクル汚染や異常放電に基づく不良発生を未然に防止することができる。
レーザ変位計20aによる表面粗度の計測は、実際の計測値が閾値Hに近づいてきた場合には、計測間隔を短くするように自動設定されている。閾値Hの近傍では、場合によっては、枚葉毎に計測を行うようにすればよい。閾値Hは、予めパーティクル汚染の発生あるいは異常放電の発生する値より少し小さめに設定されているので、閾値Hに達した時点で不良が即座に発生する訳ではない。
そこで、閾値Hに達した旨の異常警告、装置停止が上記の如く発生しても、実際に不良が発生するまでは多少の半導体ウエハWの処理は行える。そこで、場合によっては、上記異常警告、装置停止を手動で解除して、例えばロット単位の処理を数枚処理して完成させること等ができるようにしても構わない。
このようにして不良の発生を起こさずに層間絶縁膜、あるいはパッシベーション膜の形成処理が施された半導体ウエハは、次工程に送られ、所要の工程処理がなされて半導体装置が完成される。
上記説明では成膜処理を行う場合について説明したが、本発明が適用される場合は、半導体装置の種類に関係なく、その製造工程中で、処理室11内で処理用ガスを用いて、エッチング処理を行う工程を経るものでも適用できるものである。
例えば、図示はしないが、平行平板型の上下電極の下部電極上にエッチング対象の半導体ウエハを置き、処理室内にエッチング処理用の処理用ガスを導入した状態で、高周波電圧を印加する。印加された処理用ガスはプラズマ化され、半導体ウエハをドライエッチングする。かかる処理に際して、処理室内壁に付着した堆積物の表面粗度を計測して、パーティクル不良発生、あるいは異常放電の発生前に、オーバーホールする等の対処をすることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、前記実施の形態1で述べた表面粗度との関係で、オーバーホール時のクリーニング処理が適切か否かを評価することができる。
図5(a)は、プラズマCVD装置10a等に構成した半導体製造装置10において、前記実施の形態1と同様に、表面粗度の閾値Hを設定して、閾値Hに達した時点でオーバーホールを繰り返している状態を示した説明図である。縦軸に表面粗度、横軸に処理数を示している。
図5(a)に示すように、一定の処理数a毎に、オーバーホールが行われている。すなわち、半導体ウエハ等の基板処理数と内壁付着物の表面粗度との関係は、表面粗度が閾値Hを超えると基板へのパーティクル付着や、あるいは異常放電が発生しやすくなるため、処理室11の内壁面のオーバーホールが行われる。かかるオーバーホールでは、処理室11の内壁面に付着した反応生成物は剥がされ、かつ内壁面の表面は研磨されて初期状態に戻される。
かかる運用を、図5(a)に示すように継続することで、半導体ウエハ等の基板へのパーティクル付着や、異常放電の発生を未然に抑制している。しかし、定期的に実施するオーバーホール時の頻度が高い場合に、装置の稼働効率が低下する。
そこで、オーバーホール後のクリーニング条件を、表面粗度の処理数に対する増加率が小さくなるように変更すればよい。このように表面粗度の処理数に対するクリーニング条件を変更することで、クリーニング条件を最適なものとすることができる。
例えば、図5(b)に示すように、表面粗度の処理数に対する増加率を、処理数3a毎にオーバーホールが行えるようにクリーニング条件を最適なものにして増加率を小さくすれば、それだけオーバーホールまでの時間を3倍に延ばすことができる。オーバーホールの回数が低減して装置稼働率を向上させることができるのである。
かかる条件設定の変更は、例えば、内壁監視制御装置21に設けておいて、自動で行うようにすればよい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
上記実施の形態の説明では、半導体製造装置の例としてプラズマCVD装置を例に挙げて説明したが、本発明は、処理室に処理用ガスを入れて半導体ウエハを処理する場合に広く適用できるものである。例えば、プラズマCVD装置以外に、PVD装置、スパッタ装置、エッチング装置、アッシング装置等に適用することができる。
また、かかる半導体製造装置では、パーティクル異常の発生を未然に防止する表面粗度の閾値設定に関しては、プラズマを用いない構成でも、例えば熱CVD装置等にも適用できる。
前記実施の形態では、表面状況監視手段として、光学的手段に構成したレーザ変位計を例に挙げて表面粗度を測定する場合について説明したが、表面粗度の代わりに、処理室の内壁面までの距離を計測するようにしても構わない。可視光、紫外光、赤外光等を用いた表面状況の監視手段に構成して、距離、あるいは粗度を計測しても構わない。
前記説明では、レーザ光透過窓にはシャッターを設ける場合について説明したが、かかるシャッターに代わり、Nカーテン等の気体カーテンを設けるようにして、反応生成物の窓表面への堆積を防止するようにしても構わない。
内壁状態の傾向を自動的に検知する手段として、処理数に対する表面粗度の増加率に基づき処理条件を制御する場合を示したが、表面粗度以外の他の傾向を自動的に検知し処理条件を制御する構成でも同様の効果を奏することができる。
内壁状態の傾向検知結果に基づく処理条件の制御方法として、処理後のクリーニング条件を変更する場合を例示したが、勿論、成膜条件、あるいははエッチング条件等の他の処理条件を変更しても構わない。
本発明は半導体装置の製造方法として把握したが、CVD装置等の半導体製造装置として、あるいは内壁状態の監視システムとして、あるいは異常放電防止システム、あるいはパーティクル汚染防止方法等としても把握することができる。
本発明は、半導体装置の処理用ガスを用いる各種処理でのパーティクル汚染、あるいは異常放電等における対策として有効に利用することができる。
本発明の半導体装置の製造で使用する半導体製造装置の構成の一例を模式的に示す断面説明図である。 これまでの半導体製造装置の例を模式的に示す断面説明図である。 表面粗度と反応生成物堆積量との関係の一例を示す説明図である。 表面粗度と反応生成物堆積量との関係の一例を示す説明図である。 (a)、(b)は、表面粗度とウエハの処理数との関係の一例を示す説明図である。
符号の説明
10 半導体製造装置
10a プラズマCVD装置
11 処理室
12 下電極
13 上電極
14 排気管
15 処理用ガス供給管
16 高周波電源
20 表面状況監視手段
20a レーザ変位計
21 内壁監視制御装置
22 警告発報装置
23 制御装置
30 レーザ透過窓
H 閾値
H1 値
H2 値
W 半導体ウエハ
λ1 入射光
λ2 反射光

Claims (5)

  1. 処理用ガスを用いて処理する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
    前記処理用ガスによる処理室内への付着物の表面状況を、光学的手段で計測した計測値と、設定した閾値とを比べて評価することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 処理用ガスを用いて処理する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
    前記処理用ガスによる処理室内内壁への付着物の表面状況を、レーザ光を用いた測定手段で計測し、計測値を設定した閾値と比べて対応処理を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 処理用ガスを用いて処理する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
    前記処理用ガスによる処理室内内壁への付着物の表面粗度を、レーザ光を用いた変位測定手段で計測し、計測値と設定した閾値とを比較して異常対応処理を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 処理用ガスを用いて処理する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
    前記処理用ガスは、成膜処理用あるいはエッチング処理用のガスであり、
    前記処理用ガスに基づく処理室内内壁への付着の表面状況を、レーザ光を用いた測定手段で計測することで、異常放電に基づく不良あるいはパーティクル汚染に基づく不良の発生を防止することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 処理用ガスを用いて処理する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
    異常放電あるいはパーティクルの発生に繋がる処理室内内壁への前記処理用ガスに基づく付着物の表面状況を、光学的手段で事前に察知することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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