JP2007129012A - 光半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造プロセスを複雑化せずに面発光型半導体レーザの静電破壊耐圧を向上させることができる光半導体素子を提供する。
【解決手段】光半導体素子1は、基板上に形成された面発光型半導体レーザ11と、面発光型半導体レーザ11の多層構造と同一の層構造を有し、面発光型半導体レーザ11を静電破壊から保護するための保護用面発光型半導体レーザ12を備える。。ここで、「層構造が同一」であるとは、対象となる2つの層の厚み及び組成が同一であることを意味し、対象となる2つの層の層構造が多層構造である場合には、多層構造をなす各層の厚み及び組成が対象となる2つの層でそれぞれ同一であることを意味する。尚、製造誤差によって層の厚みや組成にバラツキが生ずることがあるが、このバラツキがあるものも同一の範囲内に含まれる。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーザ光を射出する光半導体素子に関する。
レーザ光を射出する光半導体素子の一種に面発光型半導体レーザがある。この面発光型半導体レーザは、基板の表面に対して直交する方向に共振器が形成されており、基板表面からレーザ光を射出するレーザである。基板の平行な劈開面を共振器として用いる従来の端面発光型半導体レーザに比べて、面発光型半導体レーザは、量産性に適している、直接変調が可能である、低閾値動作が可能である、単一縦モード発振が可能である、二次元レーザアレイ構造を容易に形成することができる等の特徴を有している。
ところで、面発光型半導体レーザは、従来の端面発光型半導体レーザに比べて素子の体積が小さいため、素子自体の静電破壊耐圧が低い。静電破壊耐圧が低いと、素子を基板や台座等へ実装している最中に機械又は作業者から加えられる静電気によって素子が破壊される虞がある。このため、素子の実装を行う際には、静電気を除去する様々な対策が施されている。例えば、作業者の静電気を除去するために、作業者が帯電防止素材を用いた作業着を着用して作業を行ったり、作業環境の湿度を制御するとともにイオナイザー等を用いて作業環境を常に電気的に中和した状態にしている。
しかしながら、これらの対策には限界があり、静電破壊耐圧がおよそ200V以下の素子は実装中に破壊される可能性が高くなる。尚、以下の特許文献1には、静電破壊耐圧を向上させた半導体レーザの一例が開示されている。
特開2004−6548号公報
ところで、上記の特許文献1に開示されている光半導体素子のように、面発光型半導体レーザの静電耐圧素子を形成するには、面発光型半導体レーザを形成する工程と、静電耐圧素子を形成する工程とが必要になって光半導体素子の製造プロセスが複雑になり、コスト上昇を招いてしまう虞がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、製造プロセスを複雑化せずに面発光型半導体レーザの静電破壊耐圧を向上させることができる光半導体素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の光半導体素子は、基板表面に直交する方向にレーザ光を射出する多層構造の面発光型半導体レーザを前記基板上に備える光半導体素子において、前記面発光型半導体レーザの前記多層構造と同一の層構造を有し、前記面発光型半導体レーザを静電破壊から保護するための保護用面発光型半導体レーザを備えることを特徴としている。
この発明によると、基板上に面発光型半導体レーザが形成されており、更に面発光型半導体レーザの多層構造と同一の層構造を有し、面発光型半導体レーザを静電破壊から保護する保護用面発光型半導体レーザが基板上に形成されている。かかる構成の光半導体素子においては、面発光型半導体レーザが保護用面発光型半導体レーザによって静電破壊から保護されているため、面発光型半導体レーザの静電破壊耐圧を向上させることができる。また、面発光型半導体レーザと保護用面発光型半導体レーザとは同一の層構造であるため、製造プロセスを複雑化せずに静電破壊耐性の高い光半導体素子を得ることができる。
尚、「層構造が同一」であるとは、対象となる2つの層の厚み及び組成が同一であることを意味し、対象となる2つの層の層構造が多層構造である場合には、多層構造をなす各層の厚み及び組成が対象となる2つの層でそれぞれ同一であることを意味する。尚、上記構成の光半導体素子を製造する場合に、製造誤差によって層の厚みや組成にバラツキが生ずることがあるが、このバラツキがあるものも同一の範囲内に含まれる。
ここで、本発明の光半導体素子は、前記保護用面発光型半導体レーザが、前記基板上における前記面発光型半導体レーザの形成位置とは異なる位置に形成されていることを特徴としている。
また、本発明の光半導体素子は、前記面発光型半導体レーザを駆動する第1電極及び第2電極を備えており、前記保護用面発光型半導体レーザは、前記面発光型半導体レーザとは逆方向の整流作用を有するよう前記第1電極と前記第2電極との間に電気的に接続されていることを特徴としている。
この発明によると、面発光型半導体レーザを駆動する第1電極と第2電極との間に、面発光型半導体レーザとは逆方向の整流作用を有する保護用面発光型半導体レーザが電気的に並列に接続されている。このため、面発光型半導体レーザに逆バイアスの電圧が印加されても保護用面発光型半導体レーザに電流が流れるため、逆バイアスに対する静電破壊耐圧を著しく向上させることができる。
また、本発明の光半導体素子は、前記面発光型半導体レーザ及び前記保護用面発光型半導体レーザが形成された半導体多層膜には、前記面発光型半導体レーザ及び前記保護用面発光型半導体レーザの各々に流れる電流を狭窄する電流狭窄部を形成するための孔が形成されていることを特徴としている。
ここで、本発明の光半導体素子は、前記半導体多層膜が、前記基板表面に沿う平面内で前記面発光型半導体レーザが占める面積よりも大な面積を有し、前記面発光型半導体レーザが形成された柱状形状の第1柱部と、前記平面内で前記保護用面発光型半導体レーザが占める面積よりも大な面積を有し、前記保護用面発光型半導体レーザが形成された柱状形状の第2柱部とを有することを特徴としている。
これらの発明によると、半導体多層膜には面発光型半導体レーザ及び保護用面発光型半導体レーザの各々に流れる電流を狭窄する電流狭窄部を形成するための孔が形成されており、電流狭窄のために面発光型半導体レーザをメサ構造にする必要がない。また、半導体多層膜は、面発光型半導体レーザが占める面積よりも大な面積を有し、面発光型半導体レーザが形成された柱状形状の第1柱部と、保護用面発光型半導体レーザが占める面積よりも大な面積を有し、保護用面発光型半導体レーザが形成された柱状形状の第2柱部とを有している。このため、半導体多層膜内に面発光型半導体レーザが形成されている構造(第1半導体多層膜内の面発光型半導体レーザが形成されている部分の周囲に発光に寄与しない部分が形成されている構造)とすることができ放熱を良好に行うことができる。これは、保護用面発光型半導体レーザについても同様である。
また、本発明の光半導体素子は、前記基板上には、前記面発光型半導体レーザの少なくとも一部が含まれる第1柱状部と、前記保護用面発光型半導体レーザの少なくとも一部が含まれる第2柱状部とが形成されていることを特徴としている。
ここで、本発明の光半導体素子は、前記第1柱状部及び前記第2柱状部には、前記面発光型半導体レーザに流れる電流及び前記保護用面発光型半導体レーザに流れる電流をそれぞれ狭窄する電流狭窄部が前記第1柱状部の外周及び前記第2柱状部の外周に沿って形成されていることを特徴としている。
これらの発明によると、面発光型半導体レーザを少なくとも一部が第1柱状部に含まれた構造にすることができ、保護用面発光型半導体レーザを少なくとも一部が第2柱状部に含まれた構造にすることができる。このため、本発明においては、面発光型半導体レーザと保護用面発光型半導体レーザとを共にメサ構造とすることもでき、設計の自由度が高まる等の利点がある。
更に、本発明の光半導体素子は、前記第1柱状部及び前記第2柱状部の周囲を覆う絶縁層を備えることを特徴としている。
この発明によると、第1柱状部及び第2柱状部の周囲が絶縁層によって覆われているため、信頼性を高めることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による光半導体素子について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の説明で参照する各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態による光半導体素子を模式的に示す平面図であり、図2は図1中のA−A線に沿う断面図である。図2に示す通り、本実施形態の光半導体素子1は、半導体基板SB上に、例えばn型Al0.9Ga0.1As層からなる分離層SPと半導体多層膜L11とが順に積層されており、半導体多層膜L11に形成された面発光型半導体レーザ11と保護用面発光型半導体レーザ12とを含んで構成される。
図1,図2に示す通り、半導体多層膜L11は、平面形状が略円形である第1柱部P11と、半導体基板SP上において第1柱部P11とは異なる位置に形成された第2柱部P12とを有しており、第1柱部P11に面発光型半導体レーザ11が形成され、第2柱部P12に保護用面発光型半導体レーザ12が形成される。第1柱部P11及び第2柱部P12は、その周囲において半導体多層膜L11がリング状にエッチングされて平面形状が略円形とされており、半導体多層膜L11がエッチングされた箇所においては分離層SPが露出している。以下、面発光型半導体レーザ11及び保護用面発光型半導体レーザ12の構成及び全体構成について順に説明する。
〈面発光型半導体レーザ〉
面発光型半導体レーザ11は、分離層SP上に積層された半導体多層膜L11の第1柱部P11に形成されている。この面発光型半導体レーザ11は垂直共振器を有し、半導体基板SBの表面に直交する方向にレーザ光を射出する。面発光型半導体レーザ11は、例えば、n型GaAsからなるコンタクト層21と、n型Al0.9Ga0.1As層とn型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した40ペアの分布反射型多層膜ミラー(以下、第1ミラーという)22と、GaAsウェル層とAl0.3Ga0.7Asバリア層からなり、ウェル層が3層で構成される量子井戸構造を含む活性層23と、p型Al0.9Ga0.1As層とp型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した25ペアの分布反射型多層膜ミラー(以下、第2ミラーという)24とが順次積層された多層構造である。
尚、本実施形態において、AlGaAs層のAl組成とは、ガリウム(Ga)に対するアルミニウム(Al)の組成をいう。AlGaAs層のAl組成は、「0」から「1」までである。即ち、AlGaAs層は、GaAs層(Al組成が「0」の場合)及びAlAs層(Al組成が「1」の場合)を含む。また、以上説明したコンタクト層21、第1ミラー22、活性層23、及び第2ミラー24を構成する各層の組成及び層数は特に限定される訳ではない。
面発光型半導体レーザ11をなす第1ミラー22は、例えばケイ素(Si)がドーピングされることによりn型にされており、第2ミラー24は、例えば炭素(C)がドーピングされることによりp型にされている。従って、p型の第2ミラー24、不純物がドーピングされていない活性層23、及びn型の第1ミラー22によりpinダイオードが形成される。
第2ミラー24を構成する層のうち活性層23に近い領域に、AlGaAs層を側面から酸化することにより得られる電流狭窄部25が形成されている。この電流狭窄部25は、面発光型半導体レーザ11を流れる電流(活性層23を流れる電流)を狭窄するためのものである。また、図1に示す通り、面発光型半導体レーザ11の周囲には、面発光型半導体レーザ11に電流狭窄部25を形成するための複数の孔h1が形成されている。
この孔h1は、図2に示す通り、第2ミラー24の表面から活性層23を貫通して第1ミラー22の途中までの深さに形成されている。尚、電流狭窄部25を形成するには、第2ミラー24の表面から活性層23に至る深さであれば良い。また、図1に示す通り、面発光型半導体レーザ11の周囲に3つの孔h1が形成されている場合を例に挙げて説明するが、その数は任意である。
半導体多層膜L11の内の孔h1に囲まれた領域が、実質的に面発光型半導体レーザ11ということができる。よって、本実施形態においては、半導体基板SBの表面に沿う平面内で第1柱部P11が占める面積は、面発光型半導体レーザ11が占める面積よりも大に設定されている。
半導体多層膜L11に形成された第2ミラー24の上面であって、孔h1に囲まれた領域内には凹部26が形成されており、この凹部26の底面が面発光型半導体レーザ11からのレーザ光の射出面27とされている。第2ミラー24上には、凹部26の外周に沿うようにリング状の平面形状を有する電極E11の接続部e11が形成されている。図1に示す通り、電極E11は、リング状の平面形状を有する接続部e11と、第1柱部P11上から第1柱部P11の側面にかけて形成された引き出し部e12と、分離層SP上に形成された引き回し部e13と、第2柱部P12側に設けられた平面が矩形形状の接続部e14とを有する。
この電極E11は、接続部e11において第1柱部P11の第2ミラー24と電気的に接続され、接続部e14において第2柱部P12のコンタクト層21と電気的に接続される。電極E11の引き出し部e12及び引き回し部e13は、接続部e11と接続部e14とを接続している。尚、第1柱部P11の側面の一部には絶縁膜Z1が形成されており、第1柱部P11の側面にかけて形成された引き出し部e12と第1柱部P11の側面(活性層23、第1ミラー22、及びコンタクト層21)とが絶縁されている。
また、図1,図2に示す通り、コンタクト層21は一部が平面的に見て第1柱部P11からはみ出すように形成されており、このコンタクト層21上に電極E12が形成されている。この電極E12は、コンタクト層21に接続される平面形状が矩形形状の接続部e21と、第2柱部P12の第2ミラー24に接続されてリング状の平面形状を有する接続部e23と、接続部e21と接続部e23とを接続する引き出し部e22とを有する。
電極E11,E12は、電源に接続される不図示のパッド部に、例えば例えばワイヤボンディングで接続される。或いは、例えば分離層SP上に配線を形成して上記の不図示のパッド部に接続しても良い。かかる配線を形成した方が、電極E11,E12とパッド部とをワイヤボンディングで接続するよりも信頼性を高めることができるため、好ましい。
尚、ここでは、簡単のために第1柱部P11の第2ミラー24と、第2柱部P12のコンタクト層21とを電極E11で接続するとともに、第1柱部P11のコンタクト層21と、第2柱部P12の第2ミラー24とを電極E12で接続する例を挙げて説明している。しかしながら、コンタクト層21はn型であり、第2ミラー24はp型である。このため、電極E11,E12の材質によってはオーミックコンタクトが取れないことが考えられる。
かかる不具合を防止するために、第1柱部P11及び第2柱部P12の各々のコンタクト層21上、及び第2ミラー24上に電極を形成し、これらの電極を電極配線で接続するのが望ましい。コンタクト層21上に形成される電極は、例えば、クロム(Cr)、金(Au)とゲルマニウム(Ge)との合金、ニッケル(Ni)、及び金(Au)の積層膜で形成することができる。また、第2ミラー24上に形成される電極は、例えば、クロム(Cr)、金(Au)と亜鉛(Zn)との合金、及び金(Au)の積層膜で形成することができる。更に、半導体多層膜L11の第1コンタクト層11上の電極と半導体多層膜L11の第2ミラー24上の電極を接続する電極配線は、例えば金(Au)を用いて形成することができる。
〈保護用面発光型半導体レーザ〉
保護用面発光型半導体レーザ12は、分離層SP上に積層された半導体多層膜L11の第2柱部P12に形成されている。面発光型半導体レーザ11と同様に、保護用面発光型半導体レーザ12も垂直共振器を有しており、例えば、n型GaAsからなるコンタクト層21と、n型Al0.9Ga0.1As層とn型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した40ペアの分布反射型多層膜ミラー(以下、第1ミラーという)22と、GaAsウェル層とAl0.3Ga0.7Asバリア層からなり、ウェル層が3層で構成される量子井戸構造を含む活性層23と、p型Al0.9Ga0.1As層とp型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した25ペアの分布反射型多層膜ミラー(以下、第2ミラーという)24とが順次積層された多層構造である。
保護用面発光型半導体レーザ12をなす第1ミラー22は、面発光型半導体レーザ11をなす第1ミラー22と同様に、例えばケイ素(Si)がドーピングされることによりn型にされている。また、保護用面発光型半導体レーザ12をなす第2ミラー24は、面発光型半導体レーザ11をなす第2ミラー24と同様に、例えば炭素(C)がドーピングされることによりp型にされている。従って、p型の第2ミラー24、不純物がドーピングされていない活性層23、及びn型の第1ミラー22によりpinダイオードが形成される。
つまり、保護用面発光型半導体レーザ12は、面発光型半導体レーザ11の層構造と同一の層構造を有している。ここで、「層構造が同一」であるとは、対象となる2つの層の厚み及び組成が同一であることを意味し、対象となる2つの層の層構造が多層構造である場合には、多層構造をなす各層の厚み及び組成が対象となる2つの層でそれぞれ同一であることを意味する。但し、面発光型半導体レーザ11及び保護用面発光型半導体レーザ12は構造が全く同一である必要はない。例えば、半導体基板SBの表面に沿う平面内で面発光型半導体レーザ11が占める面積と保護用面発光型半導体レーザ12が占める面積とが異なっていても良い。特に、保護用面発光型半導体レーザ12については、必要な耐圧特性が得られるように、半導体基板SBの表面に沿う平面内で占める面積等を設計するのが望ましい。また、第1柱部P11及び第2柱部P12の径を互いに異ならせてもよい。
第2ミラー24を構成する層のうち活性層23に近い領域に、AlGaAs層を側面から酸化することにより得られる電流狭窄部25が形成されている。この電流狭窄部25は、保護用面発光型半導体レーザ12を流れる電流(活性層23を流れる電流)を狭窄するためのものである。また、図1に示す通り、保護用面発光型半導体レーザ12の周囲には、面発光型半導体レーザ11と同様に、保護用面発光型半導体レーザ12に電流狭窄部25を形成するための複数の孔h2が形成されている。
この孔h2は、面発光型半導体レーザ11の周囲に形成される孔h1と同様に、第2ミラー24の表面から活性層23を貫通して第1ミラー22の途中までの深さに形成されている。尚、電流狭窄部25を形成するには、第2ミラー24の表面から活性層23に至る深さであれば良い。また、図1に示す通り、保護用面発光型半導体レーザ12の周囲に3つの孔h2が形成されている場合を例に挙げて説明するが、その数は任意である。
半導体多層膜L11の内の孔h2に囲まれた領域が、実質的に保護用面発光型半導体レーザ12ということができる。よって、本実施形態においては、半導体基板SBの表面に沿う平面内で第2柱部P12が占める面積は、保護用面発光型半導体レーザ12が占める面積よりも大に設定されている。
半導体多層膜L11に形成された第2ミラー24の上面であって、孔h2に囲まれた領域内には凹部36が形成されており、この凹部36の底面が保護用面発光型半導体レーザ12からのレーザ光の射出面37とされている。尚、本実施形態では、第2ミラー24の上面に形成された凹部36の底面が保護用面発光型半導体レーザ12からのレーザ光の射出面37とされている場合を例に挙げて説明するが、保護用面発光型半導体レーザ12からのレーザ光を積極的に使用しない場合には凹部36を省略しても良い。保護用面発光型半導体レーザ12からのレーザ光を積極的に使用する場合としては、例えば保護用面発光型半導体レーザ12から射出されるレーザ光を用いて光半導体素子1に対する逆バイアスの印加を検出する場合が考えられる。
第2ミラー24上には、前述した電極E12の接続部e23及び引き出し部e22の一部が形成されている。尚、第2柱部P12の側面(第1柱部P11側の側面)には絶縁膜Z2が形成されており、第2柱部P12の側面にかけて形成された引き出し部e22と第2柱部P12の側面(活性層23、第1ミラー22、及びコンタクト層21)とが絶縁されている。また、図1,図2に示す通り、コンタクト層21は一部が平面的に見て第2柱部P12からはみ出すように形成されており、このコンタクト層21上に前述した電極E11の接続部e14が形成されている。
〈全体の構成〉
本実施形態の光半導体素子1は、面発光型半導体レーザ11のp型の第2ミラー24と保護用面発光型半導体レーザ12のn型のコンタクト層21とが電極E11によって電気的に接続されており、面発光型半導体レーザ11のn型のコンタクト層21と保護用面発光型半導体レーザ12のp型の第2ミラー24とが電極E12によって電気的に接続されている。従って、保護用面発光型半導体レーザ12は、電極E11,E12によって、面発光型半導体レーザ11に対して逆極性となるよう(逆方向の整流作用を有するよう)並列に接続されている。
図3は、本発明の第1実施形態による光半導体素子1の電気的な等価回路図である。図3に示す通り、面発光型半導体レーザ11は、アノード電極(正電極)が電極E11に、カソード電極(負電極)が電極E12にそれぞれ接続されている。また、保護用面発光型半導体レーザ12は、アノード電極(正電極)が電極E12に、カソード電極(負電極)が電極E11にそれぞれ接続されている。
〔光半導体素子の動作〕
次に、実施形態の光半導体素子1の一般的な動作について説明する。尚、下記の光半導体素子1の駆動方法は一例であり、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。まず、電極E11,E12を不図示の電源に接続して面発光型半導体レーザ11に対して順方向の電圧を印加すると、面発光型半導体レーザ11の活性層23において、電子と正孔との再結合が生じ、再結合による発光が生じる。そこで生じた光が第2ミラー24と第1ミラー22との間を往復する間に誘導放出が起こって光の強度が増幅される。光利得が光損失を上まわると、レーザ発振が起こり、第2ミラー24の上面(射出面27)からレーザ光が射出される。
ここで、静電気等の外的要因によって面発光型半導体レーザ11に対して逆方向の電圧が印加されたとする。この逆方向の電圧は、面発光型半導体レーザ11にとっては逆方向の電圧であるが、保護用面発光型半導体レーザ12にとっては順方向の電圧である。このため、面発光型半導体レーザ11にとって逆方向の電圧が印加されても保護用面発光型半導体レーザ12に電流が流れるため、面発光型半導体レーザ11を静電破壊から保護することができる。また、本実施形態では、面発光型半導体レーザ11と保護用面発光型半導体レーザ12とは同一の層構造であるため、製造プロセスを複雑化せずに静電破壊耐性の高い光半導体素子を得ることができる。
また、本実施形態の光半導体素子1は、半導体基板SBの表面に沿う平面内で占める第1柱部P11の面積が、面発光型半導体レーザ11が占める面積よりも大に設定されている。同様に、半導体基板SBの表面に沿う平面内で占める第2柱部P12の面積が、保護用面発光型半導体レーザ12が占める面積よりも大に設定されている。また、第1柱部P11及び第2柱部P12の各々には、面発光型半導体レーザ11と保護用面発光型半導体レーザ12に流れる電流を狭窄する電流狭窄部25を形成するための孔h1,h2がそれぞれ形成されており、電流狭窄のためにメサ構造にする必要がない。よって、第2半導体多層膜L11内の面発光型半導体レーザ11が形成されている部分の周囲に、発光に寄与しない部分が形成されている構造とすることができるため、放熱を良好に行うことができる。
〔光半導体素子の製造方法〕
次に、以上説明した光半導体素子1の製造方法について説明する。図4,図5は、本発明の第1実施形態による光半導体素子の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。尚、これらの図は図2に示す断面図に対応している。本実施形態の光半導体素子1を製造するには、図4(a)に示す通り、まずn型GaAs層からなる半導体基板SBの表面に組成を変調させながらエピタキシャル成長させて分離層SP及び半導体多層膜L11を形成する。
ここで、分離層SPは、例えばn型Al0.9Ga0.1As層からなる。また、半導体多層膜L11は、例えばn型GaAsからなるコンタクト層21、n型Al0.9Ga0.1As層とn型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した40ペアの第1ミラー22、GaAsウェル層とAl0.3Ga0.7Asバリア層とからなり、ウェル層が3層で構成される量子井戸構造を含む活性層23、p型Al0.9Ga0.1As層とp型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した25ペアの第2ミラー24からなる。
エピタキシャル成長を行う際の温度は、成長方法や原料、半導体基板SBの種類、或いは形成する半導体多層膜の種類、厚さ、及びキャリア密度によって適宜決定されるが、一般に、450℃〜800℃に設定するのが好ましい。また、エピタキシャル成長を行う際の所要時間も、温度と同様に適宜決定される。また、エピタキシャル成長させる方法としては、有機金属気相成長(MOVPE:Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、或いはLPE(Liquid Phase Epitaxy)法を用いることができる。
次に、図4(b)に示す通り、第1柱部P11、第2柱部P12、及び孔h1,h2を形成する。これらを形成するには、まず、半導体多層膜上にレジスト(図示省略)を塗布した後、リソグラフィ法によりレジストをパターニングする。これにより、第1柱部P11及び第2柱部P12が形成されるべき位置の周囲、第1柱部P11及び第2柱部P12が形成されるべき位置の間、電極E11が形成されるべき位置、及び孔h1,h2が形成されるべき位置に開口を有するレジスト層が形成される。次いで、このレジスト層をマスクとして、例えばドライエッチング法により、第2ミラー24及び活性層23をエッチングし、更に第1ミラー22の途中までエッチングする。これにより、孔h1,h2が形成される。
次に、上記のエッチングに用いたレジスト層を除去して、半導体多層膜上にレジスト(図示省略)を新たに塗布した後、リソグラフィ法によりレジストをパターニングする。これにより、第1柱部P11及び第2柱部P12が形成されるべき位置の周囲、第1柱部P11及び第2柱部P12が形成されるべき位置の間、及び電極E11が形成されるべき位置に開口を有するレジスト層が形成される。尚、孔h1,h2上又はその内部にはレジストが充填されている。そして、このレジスト層をマスクとして、例えばドライエッチング法により第1ミラー22をエッチングする。これにより、第1柱部P11及び第2柱部P12が形成される。
次に、上記のレジスト層を除去して、半導体多層膜上にレジスト(図示省略)を新たに塗布した後、リソグラフィ法によりレジストをパターニングする。これにより第1柱部P11及び第2柱部P12の周囲及びその間、並びに、電極E11が形成されるべき位置に開口を有するレジスト層が形成される。尚、第1柱部P11及び第2柱部P12の周囲であって、平面的に見て第1柱部P11及び第2柱部P12からはみ出すように形成されるコンタクト層21上はレジスト層により覆われている。
そして、このレジスト層をマスクとして、例えばドライエッチング法によりコンタクト層21をエッチングする。これにより、第1柱部P11及び第2柱部P12の周囲及びその間、並びに電極E11が形成されるべき位置には分離層SPが露出した状態になる。また、第1柱部P11及び第2柱部P12からはみ出すようにコンタクト層21の一部が露出した状態に形成される。以上の工程が終了すると、レジスト層は除去される。尚、以上の工程はあくまでも一例であって、第1柱部P11及び第2柱部P12を形成してから孔h1,h2を形成しても良い。
続いて、図4(c)に示す通り、電流狭窄部25を形成する。この電流狭窄部25を形成するには、上記工程によって孔h1,h2が形成された半導体基板SBを、例えば400℃程度の水蒸気雰囲気中に投入する。これにより、前述した第2ミラー24中のAl組成が高い層が孔h1,h2を中心として酸化されて電流狭窄部25が形成される。尚、第2ミラー24中のAl組成が高い層のうちの第1柱部P11及び第2柱部P12の側面に露出している部分も酸化される。
酸化レートは、炉の温度、水蒸気の供給量、酸化すべき層のAl組成、及び膜厚に依存する。酸化により形成される電流狭窄部25を備えた面発光型半導体レーザでは、駆動する際に、電流狭窄部25が形成されていない部分(酸化されていない部分)のみに電流が流れる。従って、電流狭窄部25を形成する工程において、形成する電流狭窄部25の範囲を制御することにより、電流密度の制御が可能となる。
次に、図5(a)に示す通り、半導体多層膜L11に形成された第2ミラー24の上面であって、孔h1,h2に囲まれた領域内に凹部26,36を形成する。具体的には、第2ミラー24上にレジスト(図示省略)を塗布した後、リソグラフィ法によりレジストをパターニングする。これにより、凹部26,36が形成されるべき位置に開口を有するレジスト層が形成される。このレジスト層をマスクとして、例えばウェットエッチング法により第2ミラー24をエッチングする。これにより、凹部26,36が形成される。この凹部26,36を形成することにより、第2ミラー24の光学的膜厚を微調整することが可能であり、また上記の電流狭窄部25を形成するときに、仮に第2ミラー24の上面が酸化されてしまった場合には、この部分を除去することもできる。尚、この凹部26,36を形成する必要がない場合には、この工程を省略することも可能である。
次いで、図5(b)に示す通り、第1柱部P11及び第2柱部P12の側面の一部に絶縁膜Z1,Z2をそれぞれ形成する。これらの絶縁膜Z1,Z2として、熱又は光等のエネルギーによって硬化可能な液体材料(例えば紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂の前駆体)を硬化させることにより得られるものを用いることができる。紫外線硬化型樹脂としては、例えば紫外線硬化型のアクリル系樹脂及びエポキシ系樹脂が挙げられる。また、熱硬化型樹脂としては、熱硬化型のポリイミド系樹脂等が例示できる。また、例えば、絶縁膜Z1,Z2は、上記材料を複数用いて積層膜とすることもできる。
以上の工程が終了すると、図5(b)に示す通り、電極E11,E12が形成される。ここで、電極E11は、リング状の平面形状を有する接続部e11、直線状の平面形状を有する引き出し部e12、コ字形状の平面形状を有する引き回し部e13、及び直線状の平面形状を有する接続部e14を有している。接続部e11は第1柱部P11の第2ミラー24上に形成され、引き出し部e12は第1柱部P11の第2ミラー24上から絶縁膜Z1上及びその側面に亘って形成され、引き回し部e13は分離層SP上に形成され、接続部e14は、分離層SP及び第2柱部P12からはみ出すように形成されたコンタクト層21上に形成される。
また、電極E12は、平面形状が矩形形状の接続部e21、直線状の平面形状を有する引き出し部e22、及びリング状の平面形状を有する接続部e23を有している。接続部e21は第1柱部P11からはみ出すように形成されたコンタクト層21上に形成され、引き出し部e22は分離層SPから絶縁膜Z2の側面及びその上部を介して第2柱部P12上まで形成され、接続部e23は、第2柱部P11の第2ミラー24上に形成される。
電極E1,E2を形成する具体的な方法は以下の通りである。まず、電極E1,E2を形成する前に、必要に応じてプラズマ処理法等を用いて、第2ミラー24の上面、露出している分離層SP及びコンタクト層21の上面を洗浄する。これにより、より安定した特性の素子を形成することができる。次に、例えば真空蒸着法により金属膜を形成し、その後にリフトオフ法により、所定の位置以外の金属膜を除去することにより電極E11,E12が形成される。
尚、上記の電極E11,E12を形成する工程において、リフトオフ法の代わりにドライエッチング法又はウェットエッチング法を用いることもできる。また、上記工程において、真空蒸着法の代わりにスパッタ法を用いることもできる。最後に、アニール処理を行う。アニール処理の温度は電極材料に依存するが、通常400℃前後で行う。これによって工程によって図1,図2に示す本実施形態の光半導体素子1が製造される。
〔第2実施形態〕
図6は本発明の第2実施形態による光半導体素子を模式的に示す平面図であり、図7は図6中のB−B線に沿う断面図である。尚、図6,図7においては、図1,図2に示した光半導体素子1が備える部材と同一の部材には同一の符号を付してある。図7に示す通り、本実施形態の光半導体素子2は、図1,図2に示す光半導体素子1と同様に、半導体基板SB上に、例えばn型Al0.9Ga0.1As層からなる分離層SPと半導体多層膜L21とが順に積層されており、半導体多層膜L21に形成された面発光型半導体レーザ13と保護用面発光型半導体レーザ14とを含んで構成される。
図6,図7に示す通り、半導体多層膜L21は、平面形状が略円形である第1柱状部P21と、半導体基板SP上において第1柱状部P21とは異なる位置に形成された第2柱状部P22とを有している。面発光型半導体レーザ13は、その一部が第1柱状部P21に含まれるよう形成され、保護用面発光型半導体レーザ14は、その一部が第2柱状部P22に含まれるよう形成される。これら第1柱状部P21及び第2柱状部P22は、その周囲が絶縁層Z3によって覆われている。以下、面発光型半導体レーザ13及び保護用面発光型半導体レーザ14の構成及び全体構成について順に説明する。
〈面発光型半導体レーザ〉
面発光型半導体レーザ13は、分離層SP上に積層された半導体多層膜L21に形成されている。この面発光型半導体レーザ13は垂直共振器を有し、半導体基板SBの表面に直交する方向にレーザ光を射出する。面発光型半導体レーザ13は、例えば、n型GaAsからなるコンタクト層41と、n型Al0.9Ga0.1As層とn型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した40ペアの分布反射型多層膜ミラー(以下、第1ミラーという)42と、GaAsウェル層とAl0.3Ga0.7Asバリア層からなり、ウェル層が3層で構成される量子井戸構造を含む活性層43と、p型Al0.9Ga0.1As層とp型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した25ペアの分布反射型多層膜ミラー(以下、第2ミラーという)44とが順次積層された多層構造である。
面発光型半導体レーザ13をなす第1ミラー42は、例えばケイ素(Si)がドーピングされることによりn型にされており、第2ミラー44は、例えば炭素(C)がドーピングされることによりp型にされている。従って、p型の第2ミラー44、不純物がドーピングされていない活性層43、及びn型の第1ミラー42によりpinダイオードが形成される。面発光型半導体レーザ13は、第2ミラー44、活性層43、及び第1ミラー42の一部が第1柱状部P21に形成されている。
第2ミラー44を構成する層のうち活性層43に近い領域に、AlGaAs層を側面から酸化することにより得られる電流狭窄部45が形成されている。この電流狭窄部45は、面発光型半導体レーザ13を流れる電流(活性層43を流れる電流)を狭窄するためのものである。本実施形態では、第1柱状部P21の側面からAlGaAs層を側面から酸化することで電流狭窄部45が形成される。つまり、この電流狭窄部45は、第1柱状部P21の外周に沿って形成され、その平面形状はリング状である。本実施形態では、半導体基板SBの表面に沿う平面内で面発光型半導体レーザ13が占める面積は、第1柱状部P21が占める面積と同程度ということができる。
第1柱状部P21の上面(第2ミラー44の上面)には凹部46が形成されており、この凹部46の底面が面発光型半導体レーザ13からのレーザ光の射出面47とされている。第2ミラー44上には、凹部46の外周に沿うようにリング状の平面形状を有する電極E21の接続部e31が形成されている。図6に示す通り、電極E21は、リング状の平面形状を有する接続部e31と、絶縁層Z3上に形成されたコ字形状の平面形状を有する引き回し部e32と、第2柱状部P22側に設けられた平面が矩形形状の接続部e33とを有する。この電極E21は、接続部e31において第1柱状部P21の第2ミラー44と電気的に接続され、接続部e33において第2柱状部P22のコンタクト層41と電気的に接続される。電極E21の引き回し部e32は、接続部e31と接続部e33とを接続している。
また、図6,図7に示す通り、コンタクト層41は一部が平面的に見て面発光型半導体レーザ13の第1ミラー42、及び保護用面発光型半導体レーザ14の第1ミラー42からはみ出すように形成されており、保護用面発光型半導体レーザ14の第1ミラー42からはみ出すように形成されたコンタクト層41上に電極E21の接続部e33が形成されている。更に、面発光型半導体レーザ13の第1ミラー42からはみ出すように形成されたコンタクト層41上には電極E22が形成されている。この電極E22は、面発光型半導体レーザ13の第1ミラー42からはみ出すように形成されたコンタクト層41に接続される平面形状が矩形形状の接続部e41と、第2柱状部P22の第2ミラー44に接続されてリング状の平面形状を有する接続部e43と、接続部e41と接続部e43とを接続する引き出し部e42とを有する。
電極E21,E22は、電源に接続される不図示のパッド部に、例えば例えばワイヤボンディングで接続される。或いは、例えば絶縁層Z3上に配線を形成して上記の不図示のパッド部に接続しても良い。かかる配線を形成した方が、電極E21,E22とパッド部とをワイヤボンディングで接続するよりも信頼性を高めることができるため、好ましい。
尚、ここでは、簡単のために第1柱状部P21の第2ミラー44と、第2柱状部P22のコンタクト層41とを電極E21で接続するとともに、第1柱状部P21のコンタクト層41と、第2柱状部P22の第2ミラー44とを電極E22で接続する例を挙げて説明している。しかしながら、コンタクト層41はn型であり、第2ミラー44はp型である。このため、電極E21,E22の材質によってはオーミックコンタクトが取れないことが考えられる。
かかる不具合を防止するために、第1柱状部P21及び第2柱状部P22の各々のコンタクト層41上、及び第2ミラー44上に電極を形成し、これらの電極を電極配線で接続するのが望ましい。コンタクト層41上に形成される電極は、例えば、クロム(Cr)、金(Au)とゲルマニウム(Ge)との合金、ニッケル(Ni)、及び金(Au)の積層膜で形成することができる。また、第2ミラー44上に形成される電極は、例えば、クロム(Cr)、金(Au)と亜鉛(Zn)との合金、及び金(Au)の積層膜で形成することができる。更に、半導体多層膜L21の第1コンタクト層11上の電極と半導体多層膜L21の第2ミラー44上の電極を接続する電極配線は、例えば金(Au)を用いて形成することができる。
〈保護用面発光型半導体レーザ〉
保護用面発光型半導体レーザ14は、分離層SP上に積層された半導体多層膜L21に形成されている。面発光型半導体レーザ13と同様に、保護用面発光型半導体レーザ14も垂直共振器を有しており、例えば、n型GaAsからなるコンタクト層41と、n型Al0.9Ga0.1As層とn型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した40ペアの分布反射型多層膜ミラー(以下、第1ミラーという)42と、GaAsウェル層とAl0.3Ga0.7Asバリア層からなり、ウェル層が3層で構成される量子井戸構造を含む活性層43と、p型Al0.9Ga0.1As層とp型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した25ペアの分布反射型多層膜ミラー(以下、第2ミラーという)44とが順次積層された多層構造である。
保護用面発光型半導体レーザ14をなす第1ミラー42は、面発光型半導体レーザ13をなす第1ミラー42と同様に、例えばケイ素(Si)がドーピングされることによりn型にされている。また、保護用面発光型半導体レーザ14をなす第2ミラー44は、面発光型半導体レーザ13をなす第2ミラー44と同様に、例えば炭素(C)がドーピングされることによりp型にされている。従って、p型の第2ミラー44、不純物がドーピングされていない活性層43、及びn型の第1ミラー42によりpinダイオードが形成される。
つまり、保護用面発光型半導体レーザ14は、面発光型半導体レーザ13の層構造と同一の層構造を有している。但し、面発光型半導体レーザ13及び保護用面発光型半導体レーザ14は構造が全く同一である必要はない。例えば、半導体基板SBの表面に沿う平面内で面発光型半導体レーザ13が占める面積と保護用面発光型半導体レーザ14が占める面積とが異なっていても良い。特に、保護用面発光型半導体レーザ14については、必要な耐圧特性が得られるように、半導体基板SBの表面に沿う平面内で占める面積等を設計するのが望ましい。また、第1柱状部P21及び第2柱状部P22の径を互いに異ならせてもよい。
第2ミラー44を構成する層のうち活性層43に近い領域に、AlGaAs層を側面から酸化することにより得られる電流狭窄部45が形成されている。この電流狭窄部45は、保護用面発光型半導体レーザ14を流れる電流(活性層43を流れる電流)を狭窄するためのものである。本実施形態では、第2柱状部P22の側面からAlGaAs層を側面から酸化することで電流狭窄部45が形成される。つまり、この電流狭窄部45は、第2柱状部P22の外周に沿って形成され、その平面形状はリング状である。本実施形態では、半導体基板SBの表面に沿う平面内で保護用面発光型半導体レーザ14が占める面積は、第2柱状部P22が占める面積と同程度ということができる。
第2柱状部P22の上面(第2ミラー44の上面)には凹部56が形成されており、この凹部56の底面が面発光型半導体レーザ13からのレーザ光の射出面57とされている。尚、本実施形態では、第2ミラー44の上面に形成された凹部56の底面が保護用面発光型半導体レーザ14からのレーザ光の射出面57とされている場合を例に挙げて説明するが、保護用面発光型半導体レーザ14からのレーザ光を積極的に使用しない場合には凹部56を省略しても良い。保護用面発光型半導体レーザ14からのレーザ光を積極的に使用する場合としては、例えば保護用面発光型半導体レーザ14から射出されるレーザ光を用いて光半導体素子2に対する逆バイアスの印加を検出する場合が考えられる。第2ミラー44上には、前述した電極E22の接続部e43及び引き出し部e42の一部が形成されている。
〈全体の構成〉
本実施形態の光半導体素子2は、面発光型半導体レーザ13のp型の第2ミラー44と保護用面発光型半導体レーザ14のn型のコンタクト層41とが電極E21によって電気的に接続されており、面発光型半導体レーザ13のn型のコンタクト層41と保護用面発光型半導体レーザ14のp型の第2ミラー44とが電極E22によって電気的に接続されている。従って、保護用面発光型半導体レーザ14は、電極E21,E22によって、面発光型半導体レーザ13に対して逆極性となるよう(逆方向の整流作用を有するよう)並列に接続されている。このため、本実施形態においても、静電気等の外的要因により面発光型半導体レーザ13にとって逆方向の電圧が印加されても保護用面発光型半導体レーザ14に電流が流れるため、面発光型半導体レーザ13を静電破壊から保護することができる。
また、本実施形態においても、面発光型半導体レーザ13と保護用面発光型半導体レーザ14とは同一の層構造であるため、製造プロセスを複雑化せずに静電破壊耐性の高い光半導体素子を得ることができる。更に、本実施形態の光半導体素子2は、面発光型半導体レーザ13の一部が第1柱状部P21に含まれるよう形成されており、保護用面発光型半導体レーザ14の一部が第2柱状部P22に含まれるよう形成されている。即ち、面発光型半導体レーザ13及び保護用面発光型半導体レーザ14は、メサ構造とすることもでき、設計の自由度が高まる等の利点がある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態において、各半導体層におけるp型とn型とを入れ替えても本発明の範囲外となるものではない。
本発明の第1実施形態による光半導体素子を模式的に示す平面図である。 図1中のA−A線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態による光半導体素子1の電気的な等価回路図である。 本発明の第1実施形態による光半導体素子の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態による光半導体素子の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の第2実施形態による光半導体素子を模式的に示す平面図である。 図6中のB−B線に沿う断面図である。
符号の説明
1,2……光半導体素子
11,13……面発光型半導体レーザ
12,14……保護用面発光型半導体レーザ
25……電流狭窄部
45……電流狭窄部
E11,E12……電極
E21,E22……電極
h1,h2……孔
P11……第1柱部
P12……第2柱部
P21……第1柱状部
P22……第2柱状部
SB……半導体基板
Z2……絶縁層

Claims (8)

  1. 基板表面に直交する方向にレーザ光を射出する多層構造の面発光型半導体レーザを前記基板上に備える光半導体素子において、
    前記面発光型半導体レーザの前記多層構造と同一の層構造を有し、前記面発光型半導体レーザを静電破壊から保護するための保護用面発光型半導体レーザを備えることを特徴とする光半導体素子。
  2. 前記保護用面発光型半導体レーザは、前記基板上における前記面発光型半導体レーザの形成位置とは異なる位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光半導体素子。
  3. 前記面発光型半導体レーザを駆動する第1電極及び第2電極を備えており、
    前記保護用面発光型半導体レーザは、前記面発光型半導体レーザとは逆方向の整流作用を有するよう前記第1電極と前記第2電極との間に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光半導体素子。
  4. 前記面発光型半導体レーザ及び前記保護用面発光型半導体レーザが形成された半導体多層膜には、前記面発光型半導体レーザ及び前記保護用面発光型半導体レーザの各々に流れる電流を狭窄する電流狭窄部を形成するための孔が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の光半導体素子。
  5. 前記半導体多層膜は、前記基板表面に沿う平面内で前記面発光型半導体レーザが占める面積よりも大な面積を有し、前記面発光型半導体レーザが形成された柱状形状の第1柱部と、
    前記平面内で前記保護用面発光型半導体レーザが占める面積よりも大な面積を有し、前記保護用面発光型半導体レーザが形成された柱状形状の第2柱部と
    を有することを特徴とする請求項4記載の光半導体素子。
  6. 前記基板上には、前記面発光型半導体レーザの少なくとも一部が含まれる第1柱状部と、
    前記保護用面発光型半導体レーザの少なくとも一部が含まれる第2柱状部と
    が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の光半導体素子。
  7. 前記第1柱状部及び前記第2柱状部には、前記面発光型半導体レーザに流れる電流及び前記保護用面発光型半導体レーザに流れる電流をそれぞれ狭窄する電流狭窄部が前記第1柱状部の外周及び前記第2柱状部の外周に沿って形成されていることを特徴とする請求項6記載の光半導体素子。
  8. 前記第1柱状部及び前記第2柱状部の周囲を覆う絶縁層を備えることを特徴とする請求項7記載の光半導体素子。
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