JP2007127694A - ズームレンズ及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高いズーム比であり、レンズ径の小型化と軽量化に優れ、3イメージャ撮像方式に適したズームレンズの提供。
【解決手段】物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、正の屈折力を有する第4レンズ群G4の4つのレンズ群を有し、広角端から望遠端までレンズ位置が変化する際に、上記第2レンズ群が像側へ移動すると共に、上記第4レンズ群が第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するように移動し、上記第1レンズ群及び上記第3レンズ群が光軸方向に固定され、開口絞りSが上記第3レンズ群の物体側に配置され、上記第3レンズ群が負の屈折力を有する負部分群L31と、上記負部分群の像側に空気間隔を隔てて配置され、正の屈折力を有する正部分群L32とにより構成され、上記正部分群を光軸に垂直な方向にシフトさせるとにより、像をシフトさせる。
【選択図】図2
【解決手段】物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、正の屈折力を有する第4レンズ群G4の4つのレンズ群を有し、広角端から望遠端までレンズ位置が変化する際に、上記第2レンズ群が像側へ移動すると共に、上記第4レンズ群が第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するように移動し、上記第1レンズ群及び上記第3レンズ群が光軸方向に固定され、開口絞りSが上記第3レンズ群の物体側に配置され、上記第3レンズ群が負の屈折力を有する負部分群L31と、上記負部分群の像側に空気間隔を隔てて配置され、正の屈折力を有する正部分群L32とにより構成され、上記正部分群を光軸に垂直な方向にシフトさせるとにより、像をシフトさせる。
【選択図】図2
Description
本発明は新規なズームレンズ及び撮像装置に関する。詳しくは、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等に用いられる3CCD撮像方式のカメラに適切なバックフォーカスが長いズームレンズ及び該ズームレンズを使用した撮像装置に関する。
従来より、カメラにおける記録手段として、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の光電変換素子を用いた撮像素子によって、撮像素子面上に形成された被写体像を、各光電変換素子によって被写体像の光量を電気的出力に変換して、記録する方法が知られている。
近年の微細加工技術の技術進歩に伴い、中央演算処理装置(CPU)の高速化や記憶媒体の高集積化が図られ、それまでは取り扱えなかったような大容量の画像データが高速処理できるようになってきた。また、受光素子においても高集積化や小型化が図られ、高集積化により、より高い空間周波数の記録が可能となり、小型化により、カメラ全体の小型化が図れるようになってきた。
但し、上述の高集積化や小型化により、個々の光電変換素子の受光面積が狭まり、電気出力の低下に伴ってノイズの影響が大きくなるという問題があった。これを防ぐために、光学系の大口径比化により受光素子上に到達する光量を増大させたり、また、各素子の直前に微小なレンズ素子(所謂、マイクロレンズアレイ)を配置をしたりしていた。上記マイクロレンズアレイは、隣り合う素子同士の間に至る光束を素子上へ導く代わりに、レンズ系の射出瞳位置に制約を与えていた。レンズ系の射出瞳位置が受光素子に近づく、すなわち、受光素子に到達する主光線が光軸となす角度が大きくなると、画面周辺部へ向かう軸外光束が光軸に対して大きな角度をなし、その結果、受光素子上に到達せず、光量不足を招いてしまうからである。
これら光電変換素子によって被写体像を記録するビデオカメラやデジタルスチルカメラ等に好適なズームレンズとしては、例えば、正負正正4群ズームレンズが知られている。
正負正正4群ズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群により構成され、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群及び第3レンズ群が光軸方向に固定され、第2レンズ群が像側へ移動することにより変倍作用がなされ、第4レンズ群が第2レンズ群の移動により発生する像面位置の変動を補償する作用をなす。具体的には、特許文献1に記載されたものが知られている。
ところで、ズーム比が大きな光学系では望遠端状態における画角が狭くなるため、微小な手振れによっても、像の振れが大きく発生してしまうという問題があった。
この手振れ等による像の振れを補正する、手振れ補正方式として、光学式手振れ補正システムが知られている。
光学式手振れ補正システムは、レンズ系の一部を光軸に垂直な方向にシフトさせるレンズシフト方式、あるいは、レンズ系直前に配置されたプリズムの頂角を変化させる可変頂角プリズム、等の方法が知られている。ところが、可変頂角プリズムはレンズ系で一番大きな第1レンズ群の物体側に配置するため、駆動系まで含めると小型化という点に課題があった。
レンズシフト方式の光学系は例えば、シャッターレリーズに起因するような手振れに伴う、カメラの振れを検出する検出系、検出系から出力される信号に基づき、レンズ位置に補正量を与える制御系、制御系からの出力に基づき、シフトレンズを駆動するシフト駆動系とを組み合わせることにより、カメラの振れに伴う像の振れを駆動系によるレンズのシフトによって補正する、光学式手振れ補正システムとして機能させることが可能である。
これらレンズシフト方式の光学系としては、例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、あるいは、特許文献5に記載されたものが知られている。
これら特許文献に記載された光学系は、開口絞りの近傍に配置される第3レンズ群全体、あるいは、その一部のレンズを光軸にほぼ垂直な方向にシフトすることによって、画像をシフトさせることが可能である。
第3レンズ群は光軸方向に固定されたレンズ群であるため、レンズ径よりも径方向に大きなシフト駆動系を光軸方向に固定でき、システム全体の小型化に適している。
特許文献5に記載されたズームレンズでは、第3レンズ群全体をシフトすることにより、像をシフトさせていた。
特許文献3や、特許文献4に記載されたズームレンズでは、第3レンズ群が正部分群と負部分群とで構成され、上記正部分群をシフトさせることによって、像をシフトさせていた。
特許文献2に記載されたズームレンズでは、第3レンズ群が負部分群と正部分群とで構成され、上記正部分群をシフトさせることによって、像をシフトさせていた。
しかしながら、従来のズームレンズにおいては、高い変倍比と高性能化を図る上で、以下のような問題点があった。
第3レンズ群全体をシフトさせる場合、第3レンズ群がレンズ位置状態が変化する際に発生する軸外収差の変動を補正すると同時に、手振れ補正時に発生する諸収差の変動を補正する必要があるため、広角端状態で発生する負の歪曲収差を良好に補正することができず、その結果、第2レンズ群の屈折力が弱まり、第1レンズ群のレンズ径が大型化してしまい、小型化を充分に図ることができなかった。
また、第3レンズ群の物体側に配置される正部分群をシフトさせる場合、開口絞り前後の間隔を充分に広げることができず、正部分群をシフトさせる駆動機構とアイリス機構部との干渉が起こってしまう。
さらに、第3レンズ群の像側に配置される正部分群をシフトさせる場合、正部分群を構成するレンズ枚数が多いため、駆動機構の大型化を引き起こしてしまった。
本発明は、上記した問題点を解決し、高いズーム比でありながら、レンズ径の小型化と軽量化に優れ、3イメージャ撮像方式に適したズームレンズを提供することを課題とする。
本発明ズームレンズは、上記した課題を解決するために、物体側より順に配列された、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群の4つのレンズ群を有し、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、上記第2レンズ群が像側へ移動すると共に、上記第4レンズ群が第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するように移動し、上記第1レンズ群及び上記第3レンズ群が光軸方向に固定され、開口絞りが上記第3レンズ群の物体側に配置され、上記第3レンズ群が負の屈折力を有する負部分群と、上記負部分群の像側に空気間隔を隔てて配置され、正の屈折力を有する正部分群とにより構成され、上記正部分群を光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせるとにより、像をシフトさせることが可能であり、f3nを第3レンズ群中に配置される負部分群の焦点距離、f4を第4レンズ群の焦点距離として、条件式(1)1.2<|f3n|/f4を満足するものである。
また、本発明撮像装置は、上記した本発明ズームレンズと、上記ズームレンズにより形成した光学像を電気信号に変換する撮像素子と、上記撮像素子の振れを検出する手振れ検出手段と、上記手振れ検出手段によって検出した撮像素子の振れによる画像振れを補正するための振れ補正角を算出し、上記ズームレンズの振れ補正レンズ群を上記振れ補正角に対応した量だけ光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせるための補正信号を送出する手振れ制御手段と、上記補正信号に基づいてズームレンズの振れ補正レンズ群である第3レンズ群中の正部分群を光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせる手振れ駆動部とを備えるものである。
従って、本発明にあっては、第3レンズ群の正部分群を光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせることにより像がシフトする。
本発明ズームレンズは、物体側より順に配列された、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群の4つのレンズ群を有し、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、上記第2レンズ群が像側へ移動すると共に、上記第4レンズ群が第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するように移動し、上記第1レンズ群及び上記第3レンズ群が光軸方向に固定され、開口絞りが上記第3レンズ群の物体側に配置され、上記第3レンズ群が負の屈折力を有する負部分群と、上記負部分群の像側に空気間隔を隔てて配置され、正の屈折力を有する正部分群とにより構成され、上記正部分群を光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせるとにより、像をシフトさせることが可能であり、
以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
(1)1.2<|f3n|/f4
但し、
f3n:第3レンズ群中に配置される負部分群の焦点距離
f4:第4レンズ群の焦点距離
とする。
以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
(1)1.2<|f3n|/f4
但し、
f3n:第3レンズ群中に配置される負部分群の焦点距離
f4:第4レンズ群の焦点距離
とする。
従って、本発明ズームレンズにあっては、第3レンズ群の正部分群を光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせることにより像をシフトさせることができるため、いわゆる手振れ補正が可能であり、しかも、小型に構成できると共に、高変倍比としながら、像シフト時に発生する性能劣化を抑えることができる。
また、本発明撮像装置は、本発明ズームレンズを備えることにより、手振れ補正が可能であり、且つ、小型に構成でき、さらに、高変倍比で高い品質の画像を取得することができる。
請求項2に記載した発明にあっては、f3pを第3レンズ群中に配置される正部分群の焦点距離として、条件式(2)0.9<f3p/f4を満足するので、さらに良好な結像性能を得ることができる。
請求項3に記載した発明にあっては、上記負部分群は負レンズとその像側に配置される正レンズとにより構成され、上記負レンズは物体側レンズ面が物体側に強い凹面を向け、上記正レンズは像側レンズ面が像側に強い凸面を向け、Raを第3レンズ群中に配置される負部分群中の負レンズの物体側レンズ面の曲率半径、Rbを第3レンズ群中に配置される負部分群中の正レンズの像側レンズ面の曲率半径として、条件式(3)0.2<|1/Ra+1/Rb|・fw<0.4を満足するので、像シフト時にあってもさらに良好な結像性能を得ることができる。
請求項4に記載した発明にあっては、上記正部分群は少なくとも1枚の正レンズ及び少なくとも1枚の負レンズにより構成されるので、像シフト時に発生する諸収差の変動を良好に補正することが可能になる。
請求項5に記載した発明にあっては、上記正部分群は両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合正レンズにより構成されるので、鏡筒構造の簡略化を図ることができる。
請求項6に記載した発明にあっては、上記正部分群は最も物体側のレンズ面が非球面で構成されるので、さらなる高性能化を図ることができる。
以下に、本発明ズームレンズ及び撮像装置を実施するための最良の形態を添付図面を参照して説明する。
本発明ズームレンズは、物体側より順に配列された、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群の4つのレンズ群を有し、レンズ系全体での焦点距離がもっとも短い広角端状態から焦点距離がもっとも長い望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群及び第3レンズ群が光軸方向に固定であって、第2レンズ群が像側に移動して変倍作用をなし、第4レンズ群が移動して第2レンズ群の移動に伴う像面位置の補償作用と近距離合焦作用を為す。
第3レンズ群は負の屈折力を有する負部分群と、その像側に配置され正の屈折力を有する正部分群とにより構成され、正部分群を光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせることにより像をシフトさせることが可能である。
本発明ズームレンズにおいては、以上の構成の基で、以下のように構成することにより、高変倍比でありながら、像シフト時に発生する性能劣化を抑えることができた。
(A)第3レンズ群の物体側に開口絞りを配置する
(B)負部分群と正部分群の屈折力を弱める
(C)第4レンズ群の屈折力を強める
開口絞りの位置は高性能化と小型化とのバランスを図る上で極めて重要である。
(A)第3レンズ群の物体側に開口絞りを配置する
(B)負部分群と正部分群の屈折力を弱める
(C)第4レンズ群の屈折力を強める
開口絞りの位置は高性能化と小型化とのバランスを図る上で極めて重要である。
開口絞りから離れたレンズ群を通過する軸外光束は光軸から離れて通過するため、開口絞りをレンズ系の中央付近に配置した際に各レンズ群のレンズ径を一番小型化しやすい。特に、第1レンズ群は像面位置からもっとも離れるため、レンズ径が大きくなりやすいので、中央付近よりもやや物体側に開口絞りを配置することが望ましい。
また、レンズ位置状態が変化する際に、可動レンズ群を通過する軸外光束は高さが大きく変化するので、この高さの変化を利用して、レンズ位置状態が変化する際に発生する軸外収差の変動を良好に補正することができる。特に、開口絞りの物体側と像側に可動レンズ群をそれぞれ1つ以上配置すると、より良好に収差補正を行うことができる。
以上のことから、本発明ズームレンズにおいては、第3レンズ群の物体側に開口絞りを配置することで、レンズ径が大きくなりやすい第1レンズ群のレンズ径を小さく抑え、且つ、高性能化を図ることができた。
なお、本発明ズームレンズにおいては、開口絞りの位置を光軸方向に固定することによって、絞り機構を光軸方向に固定することができ、鏡筒構造の簡略化を図ることができる。
本発明ズームレンズにおいては、第3レンズ群を構成する負部分群と正部分群の屈折力を弱める点に着目した。
負部分群と正部分群の屈折力が強まると、相互の倒れ(チルト)による性能劣化が大きくなってしまう。これは、軸上光束が強く発散された状態で正部分群に入射するからである。
しかしながら、負部分群と正部分群の屈折力が弱まると、第4レンズ群に入射する軸外光束が光軸から離れてしまう。そこで、本発明ズームレンズにあっては、第4レンズ群の屈折力を強めて、第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するのに必要な第4レンズ群の移動量を減らすことにより、第3レンズ群と第4レンズ群との間の間隔を小さくして、第4レンズ群に入射する軸外光束を光軸近づけ、画面周辺部において発生するコマ収差を良好に補正している。
本発明ズームレンズにおいては、以上の条件(A)乃至(C)を満足するように構成することにより、正部分群をシフトした際に発生する諸収差の変動を抑え、且つ、簡易構成化を可能とした。
本発明ズームレンズは、以下の条件式(1)を満足することを要する。
(1)1.2<|f3n|/f4
但し、
f3n:第3レンズ群中に配置される負部分群の焦点距離
f4:第4レンズ群の焦点距離
とする。
(1)1.2<|f3n|/f4
但し、
f3n:第3レンズ群中に配置される負部分群の焦点距離
f4:第4レンズ群の焦点距離
とする。
条件式(1)は負部分群と第4レンズ群の焦点距離の比を規定するものであり、上記条件(B)、(C)を数値規定するものである。
条件式(1)の下限値を下回った場合、負部分群の屈折力が強まり、製造時に発生する負部分群と正部分群との相互軸倒れにより光学性能が著しく劣化してしまうので、所定の光学性能を得ることが難しくなってしまう。
なお、本発明ズームレンズにおいては、より好ましくは条件式(1)の上限値を2.8とすることが望ましい。この上限値を上回った場合、広角端状態で発生する負の歪曲収差をより良好に補正することができなくなってしまう。
本発明ズームレンズにおいては、より良好なる結像性能を得るために、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)0.9<f3p/f4
但し、
f3p:第3レンズ群中に配置される正部分群の焦点距離
とする。
(2)0.9<f3p/f4
但し、
f3p:第3レンズ群中に配置される正部分群の焦点距離
とする。
条件式(2)は正部分群と第4レンズ群の焦点距離の比を数値規定するものである。
条件式(2)の下限値を下回った場合、正部分群単独で発生する負の球面収差をより良好に補正することが難しくなり、高性能化が充分に図れなくなってしまう。
本発明ズームレンズにおいては、正部分群の屈折力をより弱め、シフト時にもより良好な結像性能を得るために、負部分群が負レンズと、その像側に配置される正レンズとで構成され、負レンズの物体側レンズ面が物体側に凹面を向け、正レンズの像側レンズ面が像側に凸面を向けるとともに、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)0.2<|1/Ra+1/Rb|・fw<0.4
但し、
Ra:第3レンズ群中に配置される負部分群中の負レンズの物体側レンズ面の曲率半径
Rb:第3レンズ群中に配置される負部分群中の正レンズの像側レンズ面の曲率半径
とする。
(3)0.2<|1/Ra+1/Rb|・fw<0.4
但し、
Ra:第3レンズ群中に配置される負部分群中の負レンズの物体側レンズ面の曲率半径
Rb:第3レンズ群中に配置される負部分群中の正レンズの像側レンズ面の曲率半径
とする。
正部分群の屈折力をより弱める上で、負部分群との間の主点間隔を広げることが重要である。
しかしながら、負部分群と正部分群との間の間隔を広げた場合、正部分群を通過する軸外光束が光軸から離れてしまう。その結果、正部分群をシフトした際に画面周辺部で発生するコマ収差の変動を良好に補正することができなくなってしまう。
そこで、本発明ズームレンズにおいては、負部分群のレンズ構成とレンズ形状を工夫することにより、正部分群の屈折力を弱めている。
負部分群を負レンズとその像側に配置される正レンズとで構成することにより、負部分群の主点位置をレンズよりも物体側に位置させている。特に、負レンズの物体側レンズ面が物体側に凹面を向けることにより、負レンズの主点位置をより物体側に位置させ、正レンズの像側レンズ面が像側に凸面を向けるように構成することで、正レンズの主点位置をより像側に位置させ、負部分群の厚みを減らしている。その結果、正部分群をシフトした際に画面周辺部で発生するコマ収差の変動を良好に補正することができる。
以上の観点から、本発明ズームレンズにおいては、上記条件式(3)を満足することが望ましい。
条件式(3)は、負部分群の形状を規定する条件式である。
条件式(3)の下限値を下回った場合、負部分群の主点位置が像側へ移動し、正部分群の屈折力が強まる。その結果、正部分群をシフトした際に画面周辺部で発生するコマ収差の変動が大きくなり、より高性能化を図ることが難しくなってしまう。
条件式(3)の上限値を上回った場合、負レンズの物体側レンズ面により、軸上光束が強く発散され、正の球面収差の発生が多大になる。同時に、正レンズの像側レンズ面により、負の球面収差を強く発生させて、正の球面収差を打ち消しあうようになる。その結果、製造時に微小なる偏心が発生した際にも、著しく光学性能が劣化してしまい、安定した光学品質が確保できなくなってしまう。
本発明ズームレンズにおいては、負部分群を構成する負レンズと正レンズを接合することにより、鏡筒構造の簡略化を図ることができる。
本発明ズームレンズにおいては、正部分群を少なくとも1枚の正レンズ及び少なくとも1枚の負レンズにより構成することが望ましい。
正レンズと負レンズにより構成することにより、正部分群を光軸にほぼ垂直な方向にシフトした際に発生する諸収差の変動を良好に補正することが可能となる。具体的には、正部分群単独で発生する球面収差及び色収差を良好に補正することができる。
なお、より好ましくは、正部分群を1枚の正レンズ及び1枚の負レンズにより構成し、少なくとも1枚のレンズを非球面レンズとすることが望ましい。
できるだけ少ないレンズ枚数で構成した方が、シフト駆動機構の簡易構成化が図れるため、鏡筒全体の小型化を図ることができる。また、非球面レンズを配置することにより、球面収差と正弦条件とを同時に補正することができるようになるからである。球面収差と正弦条件とを同時に補正することにより、正部分群をシフトした際に画面中心部において発生する偏心コマ収差をより良好に補正することが可能となり、より高い光学性能を実現することができる。
本発明ズームレンズにおいては、正部分群を両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合正レンズで構成することが望ましい。
1つの接合正レンズで構成することにより、製造時に発生する正レンズと負レンズとの相互偏心を減らすことができ、より安定した光学品質が得られる。また、鏡筒構造の簡略化ができる。
本発明ズームレンズにおいては、さらなる高性能化を図るために、第1レンズ群が物体側より順に負レンズと正レンズとの接合レンズ及び2枚の正レンズの4枚のレンズで構成されることが望ましい。
第1レンズ群は特に望遠端状態で軸上光束が広い光束径で入射するため、負の球面収差が発生しやすい。また、軸外光束が光軸から離れて入射するため、軸外収差の発生が起こりやすい。
本発明ズームレンズにおいては、第1レンズ群のもっとも物体側に負レンズと正レンズとの接合レンズを配置することで、負の球面収差及び軸上色収差を良好に補正している。また、従来の正負正正4群ズームレンズでは第1レンズ群が接合レンズとその像側に配置された1枚の正レンズとで構成されているが、接合レンズの像側に正レンズを2枚配置することにより、高い変倍比でありながらも、望遠端状態における負の球面収差の発生を抑え、且つ、画角の変化に伴うコマ収差の変動を良好に補正することができ、より高い光学性能を実現することができる。
本発明ズームレンズにおいては、第2レンズ群において発生する諸収差をより良好に補正し、より高い光学性能を得るために、第2レンズ群を、物体側より順に、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズ、負レンズ、正レンズ、負レンズの4枚のレンズで構成することが望ましい。
第2レンズ群は変倍作用を担うレンズ群であるため、第2レンズ群で発生する諸収差を良好に補正することが、さらなる高性能化を図る上で重要である。本発明においては、第2レンズ群のもっとも物体側に配置され像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズが、広角端状態で画角の変化に伴って発生するコマ収差の変動を補正する役割をなし、その像側に配置されるトリプレットレンズが軸上収差を良好に補正する役割をなすことで、収差補正上の役割分担を明確化して、良好なる結像性能が得られるようにしている。
なお、本発明ズームレンズにおいては、製造時に正レンズとその像側に配置される負レンズとの偏心による性能劣化が大きいため、この2枚のレンズを接合化することにより、製造時にも安定した光学品質を得ることができる。
本発明ズームレンズにおいては、被写体位置の変化に伴う諸収差の変動を良好に補正するために、第4レンズ群が物体側より順に、物体側に凸面を向けた正レンズ、像側に凹面を向けた負レンズ、物体側に凸面を向けた正レンズにより構成されることが望ましい。トリプレット構成とすることにより、軸外収差と軸上収差とを同時に補正することが可能となり、被写体位置が変化した際に発生する諸収差の変動を良好に補正できる。
なお、本発明ズームレンズにおいては、色収差の発生をより良好に抑えるために、第1レンズ群に異常分散性の高い硝材を用いることが望ましい。
特に、第1レンズ群を構成するレンズのうち、接合レンズ中の正レンズを異常分散性の高い硝材とすることにより、望遠端状態で画面中心部において発生する2次分散を良好に補正することができる。
また、第1レンズ群の像側に配置される2枚の正レンズのうち、いずれか1枚をアッベ数が65を超える低分散の硝材とすることにより、望遠端状態で画面周辺部において発生する倍率色収差を良好に補正することが可能である。2枚の正レンズの両方を低分散の硝材で形成することにより、倍率色収差をより良好に補正することができる。
本発明ズームレンズにおいては、非球面レンズを用いることにより、より高い光学性能を実現することができる。特に、最終レンズ群に非球面を導入することによって、中心性能のさらなる高性能化が可能となる。また、第2レンズ群に非球面レンズを用いることにより、広角端状態において発生する画角によるコマ収差の変動を良好に補正することも可能である。
さらに、複数の非球面を用いることでより高い光学性能が得られるのは言うまでもない。
また、レンズ系の像側にモアレ縞の発生を防ぐためにローパスフィルタを配置したり、受光素子の分光感度特性に応じて赤外カットフィルタを配置することも勿論、可能である。
次ぎに、本発明ズームレンズの実施の形態及び各実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例について図1乃至図22及び表1乃至表12を参照して説明する。
なお、各数値実施例において採用されている非球面形状は以下の数1式によって表される。
但し、yは光軸からの高さ、xはサグ量、cは曲率、κは円錐定数、A、B、…は非球面係数である。
図1は本発明の各実施の形態にかかるズームレンズの屈折力配分を示しており、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、正の屈折力を有する第4レンズ群G4が配列されて構成され、広角端状態より望遠端状態への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の空気間隔は増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間の空気間隔は減少するように、第2レンズ群G2が像側へ移動する。この時、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3は固定であって、第4レンズ群G4が第2レンズ群G2の移動に伴う像面位置の変動を補正するように移動するとともに近距離合焦時に物体側へ移動する。
図2は第1の実施の形態にかかるズームレンズ1のレンズ構成を示す図である。第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL11、物体側に凸面を向けた正レンズL12及び物体側に凸面を向けた正レンズL13により構成され、第2レンズ群G2は、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL21、両凹形状の負レンズL22及び両凸レンズと両凹レンズとの接合レンズL23により構成され、第3レンズ群G3は、両凹レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合負レンズL31及び両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合レンズL32により構成され、第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正レンズL41及び像側に凹面を向けた負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL42により構成される。
そして、第3レンズ群G3中に配置される接合負レンズL31が負部分群、接合レンズL32が正部分群をなす。
第1の実施の形態にかかるズームレンズ1では第4レンズ群G4の像側に光軸方向に固定の色分解プリズムPPが配置される。
表1に第1の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例1の諸元の値を示す。なお、以下の諸元表中の面番号は物体側からi番目の面を示し、曲率半径は当該面の軸上曲率半径を示し、屈折率は当該面のd線(λ=587.6nm)に対する値を示し、アッベ数は当該面のd線に対する値を示し、fは焦点距離を示し、FNOはFナンバーを示し、2ωは画角を示す。また、曲率半径0とは平面を示す。
第19面は非球面で構成されている。そこで、数値実施例1の第19面の4次、6次、8次及び10次の非球面係数A、B、C及びDを円錐定数κと共に表2に示す。なお、表2及び以下の非球面係数を示す表において「E−i」は10を底とする指数表現、すなわち、「10−i」を表しており、例えば、「0.26029E-05」は「0.26029×10−5」を表している。
広角端状態から望遠端状態へとレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の面間隔D7、第2レンズ群G2と開口絞りSとの間の面間隔D14、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の面間隔D21及び第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間の面間隔D26が変化する。そこで、表3に広角端状態(f=1.000)、中間焦点距離状態(7.738)及び望遠端状態(f=19.863)における数値実施例1における上記各面間隔及びバックフォーカスBfを示す。
表4に数値実施例1の上記各条件式(1)〜(3)対応値を示す。
図3乃至図5は数値実施例1の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、図3は広角端状態(f=1.000)、図4は中間焦点距離状態(f=7.738)、図5は望遠端状態(f=19.863)における諸収差図を示す。
図3乃至図5の各収差図において、球面収差図中の実線は球面収差を示し、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。コマ収差図においてAは半画角、yは像高を示す。
図6乃至図8は数値実施例1の無限遠合焦状態における0.5度相当のレンズシフト状態での横収差図をそれぞれ示し、図6は広角端状態(f=1.000)、図7は中間焦点距離状態(f=7.738)、図8は望遠端状態(f=19.863)における横収差図を示す。
各収差図から、数値実施例1は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
図9は第2の実施の形態にかかるズームレンズ2のレンズ構成を示す図である。第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL11、物体側に凸面を向けた正レンズL12及び物体側に凸面を向けた正レンズL13により構成され、第2レンズ群G2は、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL21、両凹形状の負レンズL22及び両凸レンズと両凹レンズとの接合レンズL23により構成され、第3レンズ群G3は、両凹レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合負レンズL31及び両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合レンズL32により構成され、第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正レンズL41及び像側に凹面を向けた負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL42により構成される。
そして、第3レンズ群G3中に配置される接合負レンズL31が負部分群、接合レンズL32が正部分群をなす。
表5に第2の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例2の諸元の値を示す。
第19面は非球面で構成されている。そこで、数値実施例2の第19面の4次、6次、8次及び10次の非球面係数A、B、C及びDを円錐定数κと共に表6に示す。
広角端状態から望遠端状態へとレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の面間隔D7、第2レンズ群G2と開口絞りSとの間の面間隔D14、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の面間隔D21及び第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間の面間隔D26が変化する。そこで、表7に広角端状態(f=1.000)、中間焦点距離状態(6.466)及び望遠端状態(f=19.945)における数値実施例2における上記各面間隔及びバックフォーカスBfを示す。
表8に数値実施例2の上記各条件式(1)〜(3)対応値を示す。
図10乃至図12は数値実施例2の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、図10は広角端状態(f=1.000)、図11は中間焦点距離状態(f=6.466)、図12は望遠端状態(f=19.945)における諸収差図を示す。
図10乃至図12の各収差図において、球面収差図中の実線は球面収差を示し、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。コマ収差図においてAは半画角、yは像高を示す。
図13乃至図15は数値実施例2の無限遠合焦状態における0.5度相当のレンズシフト状態での横収差図をそれぞれ示し、図13は広角端状態(f=1.000)、図14は中間焦点距離状態(f=6.466)、図15は望遠端状態(f=19.945)における横収差図を示す。
各収差図から、数値実施例2は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
図16は第3の実施の形態にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL11、物体側に凸面を向けた正レンズL12及び物体側に凸面を向けた正レンズL13により構成され、第2レンズ群G2は、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL21、両凹形状の負レンズL22及び両凸レンズと両凹レンズとの接合レンズL23により構成され、第3レンズ群G3は、両凹レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合負レンズL31及び両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合レンズL32により構成され、第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正レンズL41及び像側に凹面を向けた負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL42により構成される。
そして、第3レンズ群G3中に配置される接合負レンズL31が負部分群、接合レンズL32が正部分群をなす。
表9に第3の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例3の諸元の値を示す。
第19面は非球面で構成されている。そこで、数値実施例3の第19面の4次、6次、8次及び10次の非球面係数A、B、C及びDを円錐定数κと共に表10に示す。
広角端状態から望遠端状態へとレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の面間隔D7、第2レンズ群G2と開口絞りSとの間の面間隔D14、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の面間隔D21及び第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間の面間隔D26が変化する。そこで、表11に広角端状態(f=1.000)、中間焦点距離状態(6.533)及び望遠端状態(f=19.938)における数値実施例3における上記各面間隔及びバックフォーカスBfを示す。
表12に数値実施例3の上記各条件式(1)〜(3)対応値を示す。
図17乃至図19は数値実施例3の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、図17は広角端状態(f=1.000)、図18は中間焦点距離状態(f=6.533)、図19は望遠端状態(f=19.938)における諸収差図を示す。
図17乃至図19の各収差図において、球面収差図中の実線は球面収差を示し、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。コマ収差図においてAは半画角、yは像高を示す。
図20乃至図22は数値実施例3の無限遠合焦状態における0.5度相当のレンズシフト状態での横収差図をそれぞれ示し、図20は広角端状態(f=1.000)、図21は中間焦点距離状態(f=6.533)、図22は望遠端状態(f=19.938)における横収差図を示す。
各収差図から、数値実施例3は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
図23に本発明撮像装置の実施の形態を示す。
撮像装置10はズームレンズ20を備え、ズームレンズ20によって形成した光学像を電気信号に変換する撮像素子30を有する。なお、撮像素子30としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の光電変換素子を使用したものが適用可能である。上記ズームレンズ20には本発明にかかるズームレンズを適用することができ、図30では、図1に示した第1の実施の形態にかかるズームレンズ1のレンズ群を単レンズに簡略化して示してある。勿論、第1の実施の形態にかかるズームレンズ1だけでなく、第2の実施の形態及び第3の実施の形態にかかるズームレンズ2、3や本明細書で示した実施の形態以外の形態で構成された本発明ズームレンズを使用することができる。
上記撮像素子30によって形成された電気信号は映像分離回路40によってフォーカス制御用の信号が制御回路50に送られ、映像用の信号は映像処理回路へと送られる。映像処理回路へ送られた信号は、その後の処理に適した形態に加工されて、表示装置による表示、記録媒体への記録、通信手段による転送等々種々の処理に供される。
制御回路50には、例えば、ズームボタンの操作等、外部からの操作信号が入力され、該操作信号に応じて種々の処理が為される。例えば、ズームボタンによるズーミング指令が入力されると、指令に基づく焦点距離状態とすべく、ドライバ回路60、70を介して駆動部61、71を動作させて、各レンズ群G2、G4を所定の位置へと移動させる。各センサ62、72によって得られた各レンズ群G2、G4の位置情報は制御回路50に入力されて、ドライバ回路60、70へ指令信号を出力する際に参照される。また、制御回路50は上記映像分離回路40から送られた信号に基づいてフォーカス状態をチェックし、最適なフォーカス状態が得られるように、ドライバ回路70を介して駆動部71を動作させて、第4レンズ群G4を位置制御する。
撮像装置10は手振れ補正機能を備えている。例えば、シャッターレリーズボタンの押下による撮像素子30の振れを手振れ検出手段80、たとえば、ジャイロセンサーが検出すると、該手振れ検出手段80からの信号が制御回路50に入力され、該制御回路50にて上記振れによる画像の振れを補償するための振れ補正角が算出される。第3レンズ群G3の正部分群L32を、上記算出された振れ補正角に基づく位置とするべく、ドライバ回路90を介して駆動部91を動作させて、上記正部分群L32を光軸に垂直な方向に移動させる。上記正部分群L32の位置はセンサ92によって検出されており、該センサ92によって得られた上記正部分群L32の位置情報は制御回路50に入力されて、ドライバ回路90へ指令信号を送出する際に参照される。
上記した撮像装置10は、具体的製品としては、各種の形態を採りうる。例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラが組み込まれた携帯電話、カメラが組み込まれたPDA(Personal Digital Assistant)等々のデジタル入出力機器のカメラ部等として、広く適用することができる。
なお、上記した各実施の形態及び数値実施例において示された各部の具体的形状及び数値は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
1…ズームレンズ、2…ズームレンズ、3…ズームレンズ、G1…第1レンズ群、G2…第2レンズ群、G3…第3レンズ群、G4…第4レンズ群、S…開口絞り、L31…負部分群、L32…正部分群、10…撮像装置、20…ズームレンズ、30…撮像素子、50…手振れ制御手段、80…手振れ検出手段、91…手振れ駆動部
Claims (7)
- 物体側より順に配列された、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群の4つのレンズ群を有し、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、上記第2レンズ群が像側へ移動すると共に、上記第4レンズ群が第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するように移動し、上記第1レンズ群及び上記第3レンズ群が光軸方向に固定され、
開口絞りが上記第3レンズ群の物体側に配置され、
上記第3レンズ群が負の屈折力を有する負部分群と、上記負部分群の像側に空気間隔を隔てて配置され、正の屈折力を有する正部分群とにより構成され、
上記正部分群を光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせるとにより、像をシフトさせることが可能であり、
以下の条件式(1)を満足することを特徴とするズームレンズ。
(1)1.2<|f3n|/f4
但し、
f3n:第3レンズ群中に配置される負部分群の焦点距離
f4:第4レンズ群の焦点距離
とする。 - 請求項1に記載のズームレンズにおいて、
以下の条件式(2)を満足することを特徴とするズームレンズ。
(2)0.9<f3p/f4
但し、
f3p:第3レンズ群中に配置される正部分群の焦点距離
とする。 - 請求項2に記載のズームレンズにおいて、
上記負部分群は負レンズとその像側に配置される正レンズとにより構成され、
上記負レンズは物体側レンズ面が物体側に強い凹面を向け、上記正レンズは像側レンズ面が像側に強い凸面を向け、
以下の条件式(3)を満足することを特徴とするズームレンズ。
(3)0.2<|1/Ra+1/Rb|・fw<0.4
但し、
Ra:第3レンズ群中に配置される負部分群中の負レンズの物体側レンズ面の曲率半径
Rb:第3レンズ群中に配置される負部分群中の正レンズの像側レンズ面の曲率半径
とする。 - 請求項3に記載のズームレンズにおいて、
上記正部分群は少なくとも1枚の正レンズ及び少なくとも1枚の負レンズにより構成される
ことを特徴とするズームレンズ。 - 請求項4に記載のズームレンズにおいて、
上記正部分群は両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合正レンズにより構成される
ことを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1乃至5の何れかに記載のズームレンズにおいて、
上記正部分群は最も物体側のレンズ面が非球面で構成される
ことを特徴とするズームレンズ。 - ズームレンズと、上記ズームレンズにより形成した光学像を電気信号に変換する撮像素子と、上記撮像素子の振れを検出する手振れ検出手段と、上記手振れ検出手段によって検出した撮像素子の振れによる画像振れを補正するための振れ補正角を算出し、上記ズームレンズの振れ補正レンズ群を上記振れ補正角に対応した量だけ光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせるための補正信号を送出する手振れ制御手段と、上記補正信号に基づいてズームレンズの振れ補正レンズ群を光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせる手振れ駆動部とを備えた撮像装置であって、
上記ズームレンズは、物体側より順に配列された、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群の4つのレンズ群を有し、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、上記第2レンズ群が像側へ移動すると共に、上記第4レンズ群が第2レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するように移動し、上記第1レンズ群及び上記第3レンズ群が光軸方向に固定され、
開口絞りが上記第3レンズ群の物体側に配置され、
上記第3レンズ群が負の屈折力を有する負部分群と、上記負部分群の像側に空気間隔を隔てて配置され、正の屈折力を有する正部分群とにより構成され、
上記正部分群を振れ補正レンズ群として光軸にほぼ垂直な方向にシフトさせるとにより、像をシフトさせることが可能であり、
以下の条件式(1)を満足することを特徴とする撮像装置。
(1)1.2<|f3n|/f4
但し、
f3n:負部分群の焦点距離
f4:第4レンズ群の焦点距離
とする。
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