JP2007126833A - まくら木の釘穴補修方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 短時間に効率良く行うことができ、しかも、充分な強度が得られるまくら木の釘穴補修方法を提供する。
【解決手段】 既設のまくら木10からレールを固定する締結部材、または、レールを支持するタイプレート12を固定する締結部材を引き抜く工程と、締結部材の引き抜かれた既設の穴17を掘り下げて既設の穴17よりも深い下穴18を穿設する工程と、穿設した下穴18に接着剤20を塗布または含浸させた栓部材19,21を埋め込む工程と、下穴18に充填材20を注入して硬化させる工程とを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】 既設のまくら木10からレールを固定する締結部材、または、レールを支持するタイプレート12を固定する締結部材を引き抜く工程と、締結部材の引き抜かれた既設の穴17を掘り下げて既設の穴17よりも深い下穴18を穿設する工程と、穿設した下穴18に接着剤20を塗布または含浸させた栓部材19,21を埋め込む工程と、下穴18に充填材20を注入して硬化させる工程とを有する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、まくら木に取り付けられる犬釘やネジ釘の釘穴の補修方法に係り、更に詳しくは、既設の犬釘又はネジ釘の周囲に空間ができて緩みが生じた場合に、充分な強度を備えた補修を短時間に効率良く行うことができる補修方法に関する。
従来より、まくら木は木製やPC(Prestressed-Concrete)製のものが広く使用されている。しかし、木製のまくら木は耐用年数が短く、木材資源の枯渇などの問題により使用が控えられている。また、PC製のまくら木は重く敷設工事に手間が掛かる上に、コストが高く、振動に弱いためにレールの分岐部などには不適当である。そこで、これらのまくら木に代わるものとして、強度や耐久性に優れた繊維強化硬質樹脂発泡体などの合成木材を用いたまくら木が使用されるようになってきた。
まくら木は、路盤上に積まれた道床内に敷設される。道床は、路線の条件によりバラスト道床、コンクリート道床、スラブ道床などが選定されるが、バラスト道床は建設費が割安であり、軌道ずれの修正が容易なことから多用される。しかし、分岐部やレールの継ぎ目部に敷設されたまくら木は、列車の通過により軌道沈下や横ずれが生じて軌道が上下する所謂「あおり現象」が発生し易い。
あおり現象が生じると、まくら木にねじ込まれたネジ釘が緩み易く、緩みに伴ってネジ釘の頭部がタイプレートから横方向の押圧力を受けて釘穴が変形する。特に、釘穴の上部には横方向に大きな力が加わるために拡大変形し易く、このためにネジ釘が一層緩む要因となる。
そこで、夜間や列車の通過の合間を縫って補修が行われる。補修方法には種々のものがあるが、変形した釘穴を拡径して埋め栓を嵌め込み、元の釘穴から少しだけずらせた位置に新たな下穴を穿孔してネジ釘をねじ込む方法を採用する場合もある。しかし、この補修方法は、補修の都度、下穴の位置をずらせるために補修部位が長穴化したり大径化する。このため、拡径によって不良部位を除去するのが困難になり、補修後の強度確保が難しいという問題を有する。
一方、下穴の位置を移動せずに行う補修方法も採用されている。例えば、図15に示すような補修が行われている。この例では、タイプレート(不図示)を固定したネジ釘(不図示)をまくら木100から抜き取り、更に、タイプレートをまくら木100の上面からずらす。そして、図15(a),(b)の様に、ネジ釘を抜き取った後の変形した釘穴101をドリル110で拡径し、錆や汚れの付着した内壁面を削り落とした新生面の露出した下穴102を穿孔する。
この下穴102にエポキシ系樹脂などの樹脂接着剤103を注入し、埋め栓104を打ち込んで樹脂接着剤103を硬化させる。この後、図15(c)の様に、まくら木100の上面に溢れ出て硬化した樹脂接着剤103を切削工具111で削り取って整形する。次いで、図15(d)の様に、埋め栓104の中央部にドリル112を用いて新たな下穴105を穿孔し、この下穴105にネジ釘をねじ込んでタイプレートを固定する。以上の手順でまくら木100の補修およびレールの固定が行なわれる。
また、図16の様に、タイプレート106をまくら木100に当接したままの状態で行う補修も採用されている。この例では、図16(a)の様に、ネジ釘(不図示)を抜き取った後、タイプレート106の固定孔106aよりも僅かに径の小さいドリル113を該固定孔106aから挿入して、釘穴101の下部を拡径しつつ下穴107を穿孔する。そして、図16(b),(c)の様に、タイプレート106の固定孔106aから下穴107の内部にウレタン樹脂などの樹脂充填材103を注入して硬化させる。この後、図16(c),(d)の様に、硬化した樹脂充填材103の中央部にドリル114を用いて新たな下穴108を穿孔し、ネジ釘109を下穴108にねじ込んでタイプレート106を再度まくら木100に固定する。以上の手順で補修およびレールの固定が行われる。
ところが、図15に示した補修方法では、エポキシ系樹脂などの樹脂接着剤が硬化して充分な強度を発現するのに半日から1日を要するため、短時間に充分な強度を得ることができず、夜間や列車の通過の合間を縫って行われる補修には適さないものであった。
また、図16に示した補修方法では、穿孔した下穴107の内部に雨水が滞留したり湿気が多いため、下穴107に注入したウレタン樹脂充填材103が水分によって発泡して充分な強度が得られない問題があった。また、下穴107の下部は拡径されて新生面が露出するが、上部107aは錆や汚れが付着した疲弊した内壁面がそのまま残るため、充填材103が内壁面に充分固着せず、補修後の強度確保が困難であった。
本発明は、前記事情に鑑みて提案されるもので、短時間に効率良く行うことができ、しかも、充分な強度が得られるまくら木の釘穴補修方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明者らは次の技術的手段を講じた。
則ち、本発明のまくら木の釘穴補修方法は、既設のまくら木に打ち込まれている犬釘又はネジ釘を抜き取る工程と、犬釘又はネジ釘を抜き取った後の既設の釘穴を掘り下げて下穴を穿設する工程と、穿設した下穴に栓部材を埋め込む工程とを有する(請求項1)。
則ち、本発明のまくら木の釘穴補修方法は、既設のまくら木に打ち込まれている犬釘又はネジ釘を抜き取る工程と、犬釘又はネジ釘を抜き取った後の既設の釘穴を掘り下げて下穴を穿設する工程と、穿設した下穴に栓部材を埋め込む工程とを有する(請求項1)。
列車の通過に伴ってレールには上下方向および横方向へ繰り返して荷重が掛かり、これに伴って、レールを支持するタイプレートをまくら木に固定している犬釘又はネジ釘にもレールから直接またはタイプレートを介して上下方向および横方向への力が作用する。特に、犬釘又はネジ釘の頭部に作用する横方向の力はまくら木の釘穴を押し広げるように作用し、釘穴の上部側が次第に拡大して犬釘又はネジ釘の緩みが進行する要因となる。また、変形した既設の釘穴には雨水が侵入し易く、更に、緩みの発生に伴って犬釘又はネジ釘は既設の釘穴の内部で摩擦運動を生じ、内壁面は疲弊して水が浸み込んだり錆や汚れが付着する。
本発明によれば、犬釘又はネジ釘を引き抜いた後の疲弊し汚れた既設の釘穴をそのままの形状で補修するのではなく、既設の釘穴を掘り下げることにより、既設の釘穴の下方に新生面を露出させた部位を有する下穴を形成して補修するので、栓部材を強固に固着させることが可能である。例えば、接着剤を塗布または含浸させた栓部材を下穴に埋め込むと、栓部材の下部側は掘り下げによって形成された新生面に強固に固着する。さらに、栓部材を埋め込んだ後に速硬化性樹脂組成物を釘穴に注入すれば、栓部材の周囲は硬化樹脂によって充填される。即ち、栓部材の下部側は接着剤によって下穴に強固に固着されて上下方向に対する耐荷重力を発現し、栓部材の上部側の周囲には硬化樹脂が充填されて横方向に対する耐荷重力を発現する。これにより、下穴の上部側に疲弊した内周壁が残って硬化樹脂の固着力が小さい場合でも、栓部材は上下方向および横方向に充分な耐荷重力を維持して下穴に強固に固着され、補修後に新たに打ち込まれる犬釘又はネジ釘の引き抜き強度を向上させることが可能である。
上記本発明のまくら木の釘穴補修方法において、下穴は、既設の釘穴の最小内径よりも大きい内径を有し、既設の釘穴の一部または全部を拡径しつつ掘り下げて穿設することができる(請求項2)。これによれば、下穴の内径が、既設の釘穴の最小内径よりも大きく最大内径よりも小さい場合は、既設の釘穴の一部が拡径されつつ掘り下げられる。また、下穴の内径が既設の釘穴の最大内径以上の場合は、既設の釘穴の全部が拡径されつつ掘り下げられる。これにより、疲弊し汚れた内周壁が削り落とされて新生面が露出する部位が拡大する。従って、栓部材を一層強固に下穴に固着させることができ、栓部材の上下方向および横方向に対する耐荷重力を一層増大させることが可能となる。
また、下穴は、まくら木を上下方向へ貫通して穿設することができる(請求項3)。ここで、水分の多い環境下では、通常、接着剤や速硬化性樹脂組成物の固着力が低下する。特に、ウレタン樹脂系の接着剤を水分のある環境下で使用すると、ウレタン樹脂と水が反応して気泡が生じ、接着部位や充填部位に気泡を内包した状態で硬化して著しく強度が低下する。しかし、上記本発明によれば、まくら木を上下方向へ貫通するように下穴を穿設することにより、既設の釘穴の内部に滞留する雨水や錆、ゴミなどは下穴を通じてまくら木の下部に流出する。これにより、穿設された下穴に雨水やゴミが滞留することがなく、ウレタン樹脂系の接着剤や充填材を用いる場合でも充分な固着力が発現し、栓部材を下穴に強固に固着することができる。また、下穴が貫通しているので、圧縮空気などを噴射して下穴に付着した水分やゴミを飛散させるエアーブローによって清掃することが容易である。
また、栓部材は、下端部を下穴から下方へ向けて突出させて下穴に埋め込まれ、当該栓部材が下穴から突出する部位を、下穴の内径に比べて拡径する構成としてもよい(請求項4)。これによれば、下穴から突出する栓部材の下端部が下穴の内径よりも拡径されるので、当該栓部材の突出部位が下穴と係合してアンカー部として機能する。これにより、栓部材に作用する引き抜き力に対して大きな抗力を発現することができ、犬釘またはネジ釘の締結力を一層向上した栓部材として機能させることが可能となる。
また、栓部材は、下端部を下穴から下方へ向けて突出させて下穴に埋め込まれ、当該栓部材が下穴から突出する部位を、下穴の軸方向に対して傾斜する方向へ湾曲させる構成としてもよい(請求項5)。これによれば、下穴から突出する栓部材の下端部が湾曲しているので、湾曲した突出部位が下穴と係合してアンカー部として機能する。これにより、栓部材に作用する引き抜き力に対して大きな効力が発現され、犬釘またはネジ釘の締結力を一層向上した栓部材として機能させることが可能となる。
また、上記本発明のまくら木の釘穴補修方法において、各工程は、タイプレートをまくら木に当接させた状態で行なわれ、下穴の穿設は、タイプレートの犬釘又はネジ釘挿通用釘穴に挿通されたドリル等の穿孔具によって行うものであってよい(請求項6)。本発明の補修方法は、犬釘又はネジ釘を抜き取った既設の釘穴を掘り下げて下穴を穿設する工程を有する。この工程は、犬釘又はネジ釘を引き抜いた後に、タイプレートの固定用釘穴にドリルなどの穿孔具を挿入して行うことが可能である。即ち、タイプレートを移動せずにタイプレートの固定用釘穴を通じて既設の穴を掘り下げることが可能である。また、穿設した下穴に栓部材を埋め込む工程、および、栓部材の周囲の隙間に速硬化性樹脂組成物を注入する工程についても、同様に、タイプレートの固定孔を通じて行うことが可能である。即ち、タイプレートをまくら木に当接したままの状態で本発明の補修方法を実施することが可能である。
ここで、タイプレートの固定用釘穴の径は、犬釘又はネジ釘の外径よりも僅かに大きい。従って、前記した下穴を穿設する工程において、タイプレートの固定穴に挿入可能な最大径のドリル(例えば、犬釘の断面は正方形状であるから、その内接円よりも大径のドリル)を用いることにより、既設の釘穴の一部を拡径しつつ掘り下げることができ、下穴の新生面の露出部位を拡大することができる。これにより、栓部材を下穴に一層強固に固着することが可能となる。
また、上記本発明のまくら木の釘穴補修方法は、さらに、下穴に埋め込まれた栓部材の周囲の隙間に速硬化性樹脂組成物を注入充填して硬化させる工程を有することができる(請求項7)。これによれば、栓部材の上部側の周囲には硬化樹脂が充填されて横方向に対する耐荷重力を発現させることができ、下穴の上部側に疲弊した内周壁が残って硬化樹脂の固着力が小さい場合でも、栓部材は上下方向および横方向に充分な耐荷重力を維持して下穴に強固に固着され、補修後に新たに打ち込まれる犬釘又はネジ釘の引き抜き強度を向上させることが可能である。
また、上記本発明のまくら木の釘穴補修方法は、下穴に埋め込まれた栓部材の上端がまくら木の上端近傍に位置し、該栓部材の外周面と既設の釘穴の内周面との間の隙間に速硬化性樹脂組成物を注入充填して硬化させる工程をさらに備えることができる(請求項8)。これによれば、前記したように、栓部材の下部は拡径された下穴の新生面に強固に固着され、栓部材の上部には速硬化性樹脂組成物が充填される。従って、既設の釘穴の内面が疲弊して速硬化性樹脂組成物の固着強度が低い場合でも、栓部材の上部周囲に充填された樹脂組成物によって栓部材の上部側が釘穴の内部で横方向へ移動することが阻止される。これにより、栓部材の上部側の横揺れを防止して耐荷重強度を一層向上させることが可能となる。
また、栓部材は、樹脂材または繊維強化樹脂材からなる柱状の埋め栓であり、当該埋め栓に速硬化性樹脂組成物を塗布した後に該埋め栓を下穴に埋め込むこともできる(請求項9)。これによれば、埋め栓を下穴に埋め込むことにより、埋め栓は下穴の全部または下部に形成される新生面に強固に固着して下穴の内部で芯材として機能する。これにより、新たに打ち込まれる犬釘やネジ釘の引き抜き強度が向上すると共に、補修を短時間に行うことができる。
埋め栓は、まくら木と同一の素材を用いるのが良い。例えば、合成木材で製されたまくら木を補修する場合は、埋め栓にも合成木材を用いるのが良く、合成木材に含まれる繊維方向が埋め栓の長手方向となるようにするのが好適である。これにより、埋め栓の曲げ剛性(EI)が向上すると共に、埋め栓に穿孔された下穴に犬釘などの締結部材を打ち込んだ場合に、犬釘を強固に保持して上下方向の耐荷重力を増大させることができる。
一方、埋め栓をまくら木に打ち込んだときに、埋め栓と合成まくら木の繊維方向が同一方向となるようにしても良い。この場合には、犬釘の引き抜き抵抗が向上し、上下方向の耐荷重力が増大する。
一方、埋め栓をまくら木に打ち込んだときに、埋め栓と合成まくら木の繊維方向が同一方向となるようにしても良い。この場合には、犬釘の引き抜き抵抗が向上し、上下方向の耐荷重力が増大する。
前記樹脂材または繊維強化樹脂材からなる栓部材の下端部を下穴から突出させて埋め込む構成とする場合、栓部材は種々の構成を採ることができる。例えば、栓部材は、樹脂材または繊維強化樹脂材からなる円柱状または円筒状の本体部の下端に略円錐形の挿入部を備え、本体部の外径は下穴の内径と略等しく、挿入部の最大外径は下穴の内径よりも大きい埋め栓であり、当該埋め栓に速硬化性樹脂組成物を塗布した後に挿入部を下穴から突出させて下穴に埋め込む構成を採ることができる。この構成によれば、栓部材を下穴に打ち込む際に、略円錐形の挿入部が下穴を押し広げつつ打ち込まれて挿入部は下穴から突出する。これにより、下穴から突出した挿入部が下穴に係合してアンカー部として機能し、栓部材に作用する引き抜き力に対して大きな効力を発現することが可能となる。
また、別の構成としては、栓部材は、樹脂材または繊維強化樹脂材からなる柱状の埋め栓の外周面または下部近傍の外周面に不織布を装着し、当該不織布の装着部位の外径が下穴の内径よりも大きい構成とされ、当該埋め栓に速硬化性樹脂組成物を塗布した後に、埋め栓の下部近傍の一部を下穴から突出させて下穴に埋め込む構成を採ることができる。この構成によれば、不織布の柔軟性により、下穴内部に位置する不織布は埋め栓に密着して縮径された状態で硬化し、下穴から突出する部位の不織布は縮径されない状態で硬化する。これにより、下穴から突出した部位の不織布が下穴に係合してアンカー部として機能し、栓部材に作用する引き抜き力に対して大きな効力を発現することが可能となる。
また、栓部材は、柱状に成形された不織布であり、当該不織布に速硬化性樹脂組成物を含浸させた後に該栓部材を下穴に埋め込む構成とすることもできる(請求項10)。ここで、不織布は天然繊維または合成繊維を、粘着剤、加熱加圧あるいは製縫などによって不規則に配列させたり、あるいは、もつれさせて製した生地である。この不織布に速硬化性接着剤又は樹脂組成物を含浸させることにより、樹脂剤が硬化すると不織布は繊維で強化された繊維強化樹脂材となる。従って、不織布(栓部材)に速硬化性樹脂組成物を含浸させて下穴に埋め込むと、不織布は下穴の下部内壁面に沿って密着しつつ短時間に硬化して強固に固着すると共に、不織布は下穴の内部で高強度の芯材として機能する。これにより、犬釘又はネジ釘の締結力が向上し、しかも、補修を短時間に行うことが可能となる。
前記不織布からなる栓部材の下端部を下穴から突出させて埋め込む構成とする場合、栓部材は種々の構成を採ることができる。例えば、栓部材は、柱状に成形された不織布であり、当該栓部材の外径は下穴の内径よりも大きく、当該不織布に速硬化性樹脂組成物を含浸させた後に当該栓部材の下端を下穴から突出させて下穴に埋め込む構成を採ることができる。この構成によれば、不織布の柔軟性により、下穴内部に位置する不織布は下穴の内径まで縮径された状態で硬化し、下穴から突出する部位の不織布は縮径されない状態で硬化する。これにより、下穴から突出した部位の不織布が下穴に係合してアンカー部として機能し、栓部材に作用する引き抜き力に対して大きな効力を発現することが可能となる。
別の構成としては、栓部材は、不織布を加圧成形した螺旋状の芯材の周囲に更に不織布を織り込んで柱状に形成され、当該栓部材の外径は下穴の内径よりも大きく、当該不織布に速硬化性樹脂組成物を含浸させた後に当該栓部材の下端を下穴から突出させて下穴に埋め込む構成を採ることができる。この構成によれば、芯材の柔軟性により、下穴内部に位置する芯材は下穴の内径まで縮径された状態で硬化し、下穴から突出する部位の芯材は縮径されない状態で硬化する。これにより、下穴から突出した部位の芯材が下穴に係合してアンカー部として機能し、栓部材に作用する引き抜き力に対して大きな効力を発現することが可能となる。また、この構成において、螺旋状の芯材を一方に回転させることにより栓部材を縮径させ、他方に回転させることにより栓部材を拡径させる構成とすることができる。この構成によれば、芯材を一方に回転させて栓部材を縮径させた状態で下穴に挿入し、挿入後に芯材を他方に回転させて拡径させることができ、栓部材を下穴に極めて容易に埋め込むことが可能となる。
別の構成としては、栓部材は、不織布で形成される円筒状の本体部材と、円錐体の頂部に引き上げ部を設けた拡径部材を備え、引き上げ部を本体部材に挿通し、円錐体を本体部材の下端に当接させて構成され、本体部材に速硬化性樹脂組成物を含浸させた後に当該本体部材の下端を下穴から突出させて下穴に埋め込み、引き上げ部を本体部材に対して引き上げることにより円錐体によって本体部材の下端を拡径する構成を採ることができる。この構成によれば、下穴から突出した本体部材の下端が拡径した状態で硬化し、突出部位が下穴に係合してアンカー部として機能し、栓部材に作用する引き抜き力に対して大きな効力を発現することが可能となる。尚、円錐体を引き上げ部によって上方へ引き上げる代わりに、本体部材の下方に予め円錐体を配置し、当該円錐体へ向けて本体部材を打ち込んで下端を拡径させることも可能である。
また、別の構成としては、栓部材は、柱状に成形された不織布であり、速硬化性樹脂組成物を含浸させた栓部材を下穴から突出させて埋め込む構成を採ることができる。この構成によれば、不織布を下穴に圧入すると、不織布は柔軟性を有するので、下穴から突出した下端部はバラストなどに当接して先端部が湾曲する。この状態で速硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、下穴から突出する部位を湾曲させた栓部材を形成することが可能である。
また、栓部材は、弾性を有するチューブに速硬化性樹脂組成物を注入して形成され、前記チューブの外周面に速硬化性樹脂組成物を塗布した後にチューブを下穴に挿通し、当該チューブ内に前記速硬化性樹脂組成物を圧入し、これによりチューブ外周面を前記釘穴並びに下穴内周面に密着させることもできる(請求項11)。これによれば、弾性を有するチューブに注入される速硬化性樹脂組成物によってチューブが下穴に沿って押し広げられ、チューブに注入された速硬化性樹脂組成物は下穴を充填する状態で硬化する。これにより、等価的に下穴の形状に即した栓部材を下穴の内壁に密着させて嵌入した状態となり、犬釘またはネジ釘の締結力を向上した栓部材として機能させることが可能となる。
弾性を有する上記チューブの内部に、ガラス長繊維を含む繊維体または組紐状体の少なくともいずれかで形成される芯材を挿入する構成を採ることができる。この構成によれば、チューブに注入される速硬化性樹脂組成物が芯材に浸透して硬化することにより、栓部材は繊維で強化された繊維強化樹脂材となる。これにより、犬釘またはネジ釘の締結力を一層向上した栓部材として機能させることが可能となる。
上記チューブによる栓部材の下端部を下穴から突出させて埋め込む構成とする場合、栓部材は種々の構成を採ることができる。例えば、栓部材は、下穴に挿通した弾性を有するチューブに速硬化性樹脂組成物を注入して形成され、当該チューブは下穴から突出させて下穴に挿通させる構成を採ることができる。この構成によれば、下穴から突出したチューブは注入される速硬化性樹脂組成物によって膨張し、チューブが膨張した状態で内部の速硬化性樹脂組成物は硬化する。これにより、下穴から突出した部位が下穴に係合し、栓部材に作用する引き抜き力に対して大きな効力を発現することが可能となる。この構成において、栓部材全体を弾性を有するチューブで形成する代わりに、栓部材を、下穴に挿通される樹脂材または繊維強化樹脂材でなる円筒形の本体部の下端に、弾性を有するチューブでなる拡径部を備えた構成を採ることも可能である。
また、前記栓部材は、多数のガラス長繊維を長手方向に揃えて束ねた繊維体であり、該栓部材を捩りつつ下穴に挿通した後、該下穴内に速硬化性樹脂組成物を注入することもできる(請求項12)。これによれば、下穴に注入される速硬化性樹脂組成物が繊維体に浸透して硬化することにより、栓部材は繊維強化樹脂材となる。これにより、犬釘またはネジ釘の締結力を一層向上した栓部材として機能させることが可能となる。また、繊維体を捩りながら下穴に挿通するので、挿通作業性がよく、容易かつ迅速に繊維体の挿通を行える。なお、繊維体としては、例えばガラス長繊維を簾状に編んだマット状のものや、これを筒状に形成したものを用いることができる。また、繊維体は、下穴から釘穴に亘って挿通されることが好ましく、速硬化性樹脂組成物は、下穴並びに釘穴に充填されることが好ましい。なお、上記繊維体は、ガラス長繊維をスダレ状に編んだマット状のものや、これを筒状に形成したものなど、適宜の構成とすることができる。
また、前記栓部材は、多数のガラス長繊維を長手方向に揃えて束ねた繊維体と、該繊維体の内部に設けられたひも又は棒状の心材とを備えるとともに、該栓部材の下端部において前記繊維体と前記心材とを固着させたものであり、該栓部材の下端部が下穴の下端部よりも下方に突出する位置まで前記繊維体を捩りつつ栓部材を下穴に挿通し、前記心材を引き上げて前記突出部分において前記繊維体の下端部を膨径させた後、該下穴内に速硬化性樹脂組成物を注入することもできる(請求項13)。これによれば、膨径された繊維体の下端部に速硬化性樹脂組成物が含浸して硬化すると、該下端部が下穴径より大径の係止部乃至アンカー部として機能し、栓部材に作用する引き抜き力に対して大きな抗力を発現することができ、犬釘またはネジ釘の締結力を一層向上した栓部材として機能させることが可能となる。なお、上記繊維体は、ガラス長繊維をスダレ状に編んだマット状のものや、これを筒状に形成したものなど、適宜の構成とすることができる。
前記本発明において、速硬化性樹脂組成物や速硬化性接着剤としては、水と反応して発泡することがなく、10分程度の短時間で硬化する速硬化性を有するものを採用するのが好ましく、また、まくら木を構成する熱硬化性樹脂との接着性に優れたものを採用するのが好ましい。具体的には、速硬化性樹脂組成物や速硬化性接着剤としては、有機過酸化物触媒などのラジカル発生剤、硬化促進剤及びガラスチョップなどの短繊維を含有する不飽和ポリエステル樹脂を用いることができる。その他、ビニルエステル樹脂やウレタン樹脂により主構成されるものであっても良い。
不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和二塩基酸及び飽和二塩基酸と二価アルコールとを縮合反応させて合成され、分子内に不飽和結合とエステル結合を持つ。この樹脂は、分子量が数千程度であり、また単独重合性に乏しいため、通常、スチレンのようなビニルモノマーと共重合させ硬化樹脂とする。従って、不飽和ポリエステルは、一般に、不飽和ポリエステルをモノマーに溶解した比較的低粘度の液状樹脂として流通されている。硬化の際にはラジカル発生剤、例えば有機過酸化物を触媒として用いる。
不飽和ポリエステル樹脂に使用される不飽和二塩基酸としては、無水マレイン酸やフマル酸などを挙げることができ、飽和二塩基酸としては、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、3,6−エンドジクロロメチレン・テトラクロロフタル酸並びに3,6−エンドメチレン・テトラヒドロ無水フタル酸などを挙げることができる。
不飽和ポリエステル樹脂に使用される二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオピンチルグリコール並びにビスフェノールAプロピレンオキシド付加物などを挙げることができる。
不飽和ポリエステル樹脂に使用するビニルモノマーとしては、スチレン、オルト−クロルスチレン、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、メチルメタクリル酸並びにジアリルベンゼンホスフォネートなどを挙げることができる。
不飽和ポリエステル樹脂を配合組成から分類すると、一般用樹脂(オルソ系不飽和ポリエステル樹脂)、イソフタル酸系樹脂、ビスフェノールA系樹脂などに分類できる。一般用樹脂の中でも無水マレイン酸の量を特に増加させたものは高反応性樹脂と呼ばれており、この高反応性樹脂は硬度や耐熱温度が高く、また、硬化速度や硬化時の発熱も比較的大きい。
不飽和ポリエステル樹脂の具体例としては、例えば、日本触媒化学工業(株)製「エポラック」、日本化薬(株)製「カヤレジンWMC」、日本合成化学工業(株)製「ゴーセラック」、日本有機化学工業(株)製「ユーキラック」、(株)白山製作所製「ハクサンプレミックス」、日立化成工業(株)製「ポリセット」、不動化学工業(株)製「フドウプリミックス」、松下電工(株)製「ナショナルプリミックス」、三井東圧化学(株)「エスター」、日本合成化工(株)製「エステライト」、並びに、住友バイエルウレタン製「ロスキダール」などを挙げることができる。
不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤としては、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)、シクロヘキサノンパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルパーベンゾエート、クメンハイドロパーオキシド並びにジクミルパーオキシドなどの有機過酸化物触媒を好適に用いることができる。
さらに、常温で10分程度で硬化する速硬化性を得るために、硬化促進剤を混合するのが好適である。かかる硬化促進剤としては、ナフテン酸コバルトやジメチルアニリンなどを用いることができる。触媒としてMEKPOを用いる場合には、促進剤としてナフテン酸コバルトを単独で、若しくはジメチルアニリンと共に用いることができる。MEKPOは、通常、ジメチルフタレートの60%溶液として入手することができ、ナフテン酸コバルトは金属コバルト含有量6%のものを入手できる。促進剤としてナフテン酸コバルトとジメチルアニリンの両方を用いる場合、ナフテン酸コバルトの量を、ジメチルアニリンの量の2倍〜3倍程度(重量部)とするのが好ましい。
触媒(硬化促進剤)は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し1〜3重量部用いることが好ましく、より好ましくは、1.8〜2.2重量部とするのが良い。硬化促進剤の量は、樹脂の組成や気温などによって硬化時間が著しく異なってくるため、予め試験を行うことにより適正な促進剤量を決定しておくことが好ましい。
上記短繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維並びにアラミド繊維などを挙げることができるが、ガラスチョップを用いることが、機械的強度、耐候性並びにコストの観点から望ましい。
なお、速硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、適宜の添加剤や充填材などが配合されていても良い。また、速硬化性樹脂材は、少なくとも硬化剤を未硬化樹脂とは別に梱包しておき、現場での下穴への注入直前に硬化剤を混合するのが好ましい。例えば、上記不飽和ポリエステル樹脂を採用する場合は、ラジカル開始剤のみを別に梱包し、他の不飽和ポリエステル樹脂、硬化促進剤並びに短繊維は予め工場で配合して梱包しておくことができる。これにより、気温に応じた最適な硬化促進剤の配合量を保証して、硬化速度を最適なものとすることができる。
まくら木を構成する繊維強化熱硬化性樹脂発泡体における発泡樹脂の種類としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化樹脂であって硬質のものが好適に使用される。なお、発泡樹脂中に、圧縮強度の向上や低コスト化を図るために、炭酸カルシウム、石膏、タルク、水酸化アルミニウム、クレーなどの無機充填材や、シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン等の軽量骨材が添加されていても良い。
また、発泡体を補強する繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の無機質繊維、天然繊維、合成繊維等の有機質繊維のいずれであっても良いが、強度や経済性の面からガラス繊維が適している。ガラス繊維としては、ガラスロービング、ガラスロービングクロス、ガラスマット、コンティニュアスストランドマット等の形態のものが挙げられる。この繊維は単独で使用しても良いし、2層以上積層して使用しても良く、また、長繊維と短繊維を混ぜて使用しても良い。なお、ガラス長繊維を長手方向に引き揃えて補強繊維とした、ガラス長繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体(例えば、積水化学工業株式会社製、商品名「エスロンネオランバーFFU」など)を採用するのが、軽量化、耐久性および加工性の確保のために最も好ましい。
まくら木や栓部材を合成木材で成する場合、合成木材に含まれる繊維方向が各部材の長手方向となるようにするのが良い。即ち、まくら木にかかる応力は、主としてレールを支点とする曲げモーメントに起因するものであり、まくら木の長手方向への高い曲げ剛性(EI)が要求される。合成木材の繊維方向をまくら木の長手方向へ合わせたものや、或いは、繊維方向の異なる合成木材を積層したまくら木とすることにより、高い曲げ剛性を得ることができる。また、まくら木に埋め込む栓部材についても、繊維方向が部材の長手方向となるように原板から切り出したものを用いるのが良い。
本発明によれば、変形した既設の釘穴を掘り下げるだけで充分な強度を備えた補修を行うことができ作業効率が向上するとともに、短時間に充分な強度を備えた補修を行うことができ、夜間や列車の通過の合間を縫って効率良く作業を行うことが可能となる。
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態を説明する。
図1はレールの固定構造の一例を示す断面図、図2は本発明の実施形態に係る補修方法の工程を示す説明図、図3は図2に示す補修方法によって補修されたまくら木にネジ釘を固定する手順を示す説明図である。
尚、本実施形態の説明に際しては、合成木材で製されたまくら木を用いるものとし、レールの固定構造については、図1の様に、タイプレートを介してまくら木に固定されるものとして述べる。
尚、本実施形態の説明に際しては、合成木材で製されたまくら木を用いるものとし、レールの固定構造については、図1の様に、タイプレートを介してまくら木に固定されるものとして述べる。
図1に示すレールの固定構造では、タイプレート12から上方へ突出したボルト13がレール11の左右に位置し、このボルト13に押さえ部材14を通してナット15を締め付けることにより、タイプレート12がレール11を挟持固定する。一方、ネジ釘16をタイプレート12を通してまくら木10にねじ込むことにより、タイプレート12はまくら木10に固定される。即ち、レール11はタイプレート12を介してまくら木10に固定される構造である。
ここで、列車の通過に伴ってレール11には上下方向および横方向へ繰り返して荷重が印加される。このため、図1に示すように、ネジ釘16にもレール11からタイプレート12を介して上下方向および横方向への力が作用する。特に、ネジ釘16の頭部に作用する横方向の力はまくら木の釘穴(既設の穴)17を押し広げるように作用し、釘穴17の上部17aが次第に広がるように変形する。また、変形した釘穴17には雨水が侵入し、緩みの発生に伴ってネジ釘16は釘穴17の内部で摩擦運動を生じる。このため、内壁面は疲弊して水が浸み込んだり錆や汚れが付着している。
以下に、このような変形した釘穴17の補修方法を、図1,図2を参照して説明する。
まず、まくら木10にねじ込まれたネジ釘16を抜き取り、図2(a)の様に、タイプレート12のネジ釘挿通用釘穴(固定穴)12aを通して、まくら木の変形した釘穴17の内部にドリル(穿孔具)35を挿入する。そして、ドリル35によって釘穴17を掘り下げ、まくら木10の底面へ貫通する下穴18を穿孔する(図2(b)参照)。
まず、まくら木10にねじ込まれたネジ釘16を抜き取り、図2(a)の様に、タイプレート12のネジ釘挿通用釘穴(固定穴)12aを通して、まくら木の変形した釘穴17の内部にドリル(穿孔具)35を挿入する。そして、ドリル35によって釘穴17を掘り下げ、まくら木10の底面へ貫通する下穴18を穿孔する(図2(b)参照)。
本実施形態では、タイプレート12の固定穴12aの内径は25mmφであり、ネジ釘16のネジ部外径は略20mmφである。そして、23mm〜24mmφのドリル35を用いて下穴18を穿孔している。
下穴18を穿孔すると、図2(b)の様に、変形した釘穴17の下部の一部を拡径しつつ掘り下げられて貫通し、穿孔された下穴18の内周壁18aは新生面が露出する。また、まくら木10の底面には開口18bが形成され、釘穴17に滞留していた雨水やゴミは開口18bを通じてまくら木10の下方へ流出する。一方、釘穴17の上部17aはドリル35よりも大径であるため、変形した周壁がそのまま残る。
下穴18を穿孔すると、図2(b)の様に、変形した釘穴17の下部の一部を拡径しつつ掘り下げられて貫通し、穿孔された下穴18の内周壁18aは新生面が露出する。また、まくら木10の底面には開口18bが形成され、釘穴17に滞留していた雨水やゴミは開口18bを通じてまくら木10の下方へ流出する。一方、釘穴17の上部17aはドリル35よりも大径であるため、変形した周壁がそのまま残る。
尚、図には示していないが、下穴18を穿孔後に、タイプレート12の固定穴12aから圧縮空気を噴射して、下穴18の内周壁に付着した水分やゴミを強制的に開口18b側から吹き飛ばすエアーブローを行うのが良い。
次いで、図2(b)の様に、円柱状に成形した不織布19を不飽和ポリエステル樹脂組成物でなる速硬化性接着剤20に浸して繊維中に接着剤20を含浸させる。そして、接着剤20を含浸させた不織布19をタイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ嵌め込む。
本実施形態に採用する不織布19は、天然または合成繊維を加熱加圧して円柱状に成形したもので、下穴18の掘り下げた部位の内径と略等しい外径を有し、まくら木10の高さよりも僅かに短い長さを有する。
本実施形態に採用する不織布19は、天然または合成繊維を加熱加圧して円柱状に成形したもので、下穴18の掘り下げた部位の内径と略等しい外径を有し、まくら木10の高さよりも僅かに短い長さを有する。
また、本実施形態で採用する速硬化性接着剤20は、短時間で硬化するように配合調整された樹脂剤であり、主剤と硬化剤とを現場において注入直前に混合して用いる。
続いて、図2(c)の様に、上記接着剤20と同一の速硬化性樹脂組成物20(充填材)を、タイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ注入する。この場合、充填材20の上面がまくら木10の上面と略同一になるまで注入する。
これにより、樹脂剤20は不織布19と下穴18との隙間、特に、釘穴17の上部17aに生じる隙間に充填され、直ちに硬化を開始する。そして、数分〜10分程度経過すると、図2(d)の様に、充填材20が硬化してまくら木10の穴補修が完了する。
これにより、樹脂剤20は不織布19と下穴18との隙間、特に、釘穴17の上部17aに生じる隙間に充填され、直ちに硬化を開始する。そして、数分〜10分程度経過すると、図2(d)の様に、充填材20が硬化してまくら木10の穴補修が完了する。
このように、本実施形態の補修方法は、接着剤および充填材として速硬化性樹脂組成物20を用いることにより、極めて短時間に効率良く補修作業を行うことができる。また、樹脂組成物20を含浸させた不織布19は繊維強化硬質樹脂材と同様の強度を発現し、硬化した不織布19が下穴18の内部で芯材として機能する。更に、不織布19の下部は新生面が露出した下穴18の内周壁18aに強固に固着され、不織布19の上部には樹脂組成物20が充填される。これにより、栓部材(不織布)19はまくら木10に対して、上下方向および横方向に対して極めて高い耐荷重力を発現する。
次に、このようにして補修されたまくら木10にタイプレート12を固定する手順を説明する。まず、図3(a)の様に、タイプレート12の固定穴12aからドリル36を挿入して栓部材(不織布)19の中心部に軸方向下方へ向けて下穴22を穿孔する。本実施形態では、ネジ釘16の径に合わせて19mmφのドリル36を用い、ネジ釘16がまくら木10にねじ込まれる深さだけ下穴22を穿孔している。そして、ネジ釘16をタイプレート12の固定穴12aを通して下穴22にねじ込むことにより、タイプレート12の固定が完了する。
このように、本実施形態の補修方法によれば、速硬化性樹脂組成物20を用い、タイプレート12を移動することなく、変形した釘穴17を掘り下げて補修し、変形した元の釘穴17と略同一の位置に下穴22を再穿孔して固定している。これにより、一連の補修作業および再固定作業を極めて短時間に効率良く行うことができ、しかも、充分な固定強度を得ることが可能となる。
尚、本実施形態では、栓部材として不織布19を用いたが、図2(b)に併記した埋め栓21を栓部材21として用いることも可能である。
この例では、栓部材21は、まくら木10と同一の合成木材を素材とした埋め栓であり、下穴18の掘り下げられた部位の内径と略等しい外径を有し、まくら木10の高さよりも僅かに短い形状を有する。そして、図2(b)に示す工程では、埋め栓21の外周面に速硬化性接着剤20を塗布して下穴18に嵌め込む。
この例では、栓部材21は、まくら木10と同一の合成木材を素材とした埋め栓であり、下穴18の掘り下げられた部位の内径と略等しい外径を有し、まくら木10の高さよりも僅かに短い形状を有する。そして、図2(b)に示す工程では、埋め栓21の外周面に速硬化性接着剤20を塗布して下穴18に嵌め込む。
このように補修すると、図2(d)の様に、合成木材で製された栓部材21が下穴18の内部で剛性を有する芯材として機能し、埋め栓21の下部側は新生面が露出した下穴18の内周壁18aに強固に固着され、埋め栓21の上部には充填材20が充填される。
これにより、埋め栓21はまくら木10に強固に固着され、上下方向および横方向に対して極めて高い耐荷重力を発現する。
これにより、埋め栓21はまくら木10に強固に固着され、上下方向および横方向に対して極めて高い耐荷重力を発現する。
次に、前記実施形態で示した栓部材19,21と構成の異なる栓部材を用いた補修方法の実施形態を順次説明する。尚、前記実施形態で示した補修方法と同一構成部分については同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、以下に示す補修方法において、下穴18を穿孔するまでの手順(図2a,図2b参照)、および、補修されたまくら木10にタイプレート12を固定する手順(図3参照)については、前記実施形態と同一であるため省略する。
図4は、別の実施形態のまくら木の釘穴補修方法を示す説明図である。本実施形態の補修方法に採用する栓部材23は、図4(a)の様に、ネット状に織られた不織布を円柱状に成形したものである。栓部材23は、下穴18の内径よりも僅かに大きい外径を有し、まくら木10の高さよりも長い。また、栓部材23に用いる不織布は、前記実施形態で用いた不織布19と同一素材である(図2b参照)。
補修に際しては、栓部材23を速硬化性樹脂組成物でなる接着剤20に浸して繊維中に接着剤20を含浸させる。そして、図4(a),(b)の様に、接着剤20を含浸させた栓部材23を、タイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ嵌め込む。栓部材23を嵌め込む際は、栓部材23の下端23aを下穴18の開口18bから突出させる。栓部材23を下穴18へ嵌め込むと、図4(b)の様に、栓部材23の上端は釘穴17の上端部に位置する。また、不織布23は柔軟性を有するので、栓部材23が下穴18の内部に位置する部位は下穴18の内径まで縮径される。則ち、栓部材23を下穴18に嵌め込むと、栓部材23が下穴18から突出する上下の部位は下穴18の内径に比べて拡径した状態となる。
続いて、図4(b)の様に、上記接着剤20と同一の速硬化性樹脂組成物20(充填材)を、タイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ注入する。注入は、充填材20の上面がまくら木10の上面と略同一になるまで行う。
これにより、樹脂剤20は不織布23と下穴18との隙間、特に、下穴18の上部に位置する釘穴17の上部17aの隙間に充填されて直ちに硬化を開始する。そして、数分〜10分程度経過すると、図2(d)の様に、栓部材23に含浸させた接着剤20および充填材20が硬化してまくら木10の釘穴補修が完了する。
これにより、樹脂剤20は不織布23と下穴18との隙間、特に、下穴18の上部に位置する釘穴17の上部17aの隙間に充填されて直ちに硬化を開始する。そして、数分〜10分程度経過すると、図2(d)の様に、栓部材23に含浸させた接着剤20および充填材20が硬化してまくら木10の釘穴補修が完了する。
補修が完了すると、樹脂組成物20を含浸させた不織布23は繊維強化硬質樹脂材と同様の強度を発現し、硬化した不織布23が下穴18の内部で芯材として機能する。更に、不織布23の下部は新生面が露出した下穴18の内周壁18aに強固に固着され、不織布23の上部には樹脂組成物20が充填される。更に、不織布23の下端23aの拡径部位が下穴18の開口18bに係合してアンカー部として機能する。これにより、栓部材(不織布)23に上方へ向けて加わる引き抜き力や横方向へ加わる力に対して大きな抗力を発現することができ、充分な耐荷重強度を備えた補修を行うことが可能となる。
図5は、別の実施形態のまくら木の釘穴補修方法を示す説明図である。本実施形態の補修方法は、前記図4に示した補修方法と基本的な構成は同一である。但し、本実施形態の補修方法に採用する栓部材(不織布)24は、前記図4に示した栓部材23に比べて僅かに長い。
図5に示す補修方法では、図5(a),(b)の様に、速硬化性樹脂組成物でなる接着剤20に浸した不織布24を下穴18に嵌め込む際に、下穴18の開口18bから突出する下端24aをバラスト(不図示)などに当接させて湾曲させる。則ち、栓部材24が開口18bから突出する下端24aを湾曲させた状態で硬化させる。これにより、下部24が開口18bに係合してアンカー部として機能し、前記図4の構成に比べて、栓部材24に加わる引き抜き力に対して一層強大な抗力を発現することが可能となる。
尚、本実施形態では、栓部材24の外径を下穴18の内径よりも僅かに大きい構成とした。しかし、栓部材24の下端24aを湾曲させてアンカー部を形成させて耐荷重強度を向上させることができるので、栓部材24の外径を下穴18の内径と略同一としても良い。
図6は、別の実施形態のまくら木の釘穴補修方法を示す説明図である。本実施形態の補修方法は、図6(a)の様に、円筒形に成形された不織布でなる本体部材25aと、略円錐形を有する円錐体25cの頂部に直線状の引き上げ部25dを備えた拡径部材25bで構成される栓部材25を用いるものである。
栓部材25の本体部材25aは、下穴18の内径と略同一の外径を有し、その長さはまくら木10の高さよりも長い。
栓部材25の本体部材25aは、下穴18の内径と略同一の外径を有し、その長さはまくら木10の高さよりも長い。
補修に際しては、栓部材25の本体部材25aを速硬化性樹脂組成物でなる接着剤20に浸して繊維中に接着剤20を含浸させる。そして、図6(b),(c)の様に、拡径部材25bの引き上げ部25dを本体部材25aに挿通し、円錐体25cを本体部材25aの下端25eに宛った状態で、本体部材25aをタイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ嵌め込む。栓部材25を嵌め込む際は、栓部材25の下端を下穴18の開口18bから突出させる。栓部材25を下穴18に嵌め込むと、本体部材25aの下端25eは開口18bから突出すると共に、本体部材25aの上端は釘穴17の上部17aに位置し、拡径部材25bの引き上げ部25dがタイプレート12の固定穴12aから上方へ突出する。
次いで、図6(c),(d)の様に、下穴18の内部に本体部材25aを位置させたまま、拡径部材25bの引き上げ部25dを上方へ向けて引き上げる。すると、円錐体25cが不織布でなる本体部材25aの内部に嵌入し、本体部材25aの下端25eが押し広げられて拡径する。
続いて、図6(e),(f)の様に、上記接着剤20と同一の速硬化性樹脂組成物20(充填材)を、タイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ注入する。この場合、充填材20の上面がまくら木10の上面と略同一になるまで注入する。
これにより、充填材20は本体部材25aの内部および本体部材25aと下穴18との隙間に充填される。そして、充填材20が硬化するとまくら木10の釘穴補修が完了する。
これにより、充填材20は本体部材25aの内部および本体部材25aと下穴18との隙間に充填される。そして、充填材20が硬化するとまくら木10の釘穴補修が完了する。
補修が完了すると、樹脂組成物20を含浸させた栓部材25の本体部材25aは繊維強化硬質樹脂材と同様の強度を発現し、硬化した不織布23が下穴18の内部で芯材として機能する。また、本体部材25aの下部は新生面が露出した下穴18の内周壁18aに強固に固着され、本体部材25aの上部には樹脂組成物20が充填される。更に、本体部材25aの下端25eは拡径されて下穴18の開口18bに係合してアンカー部として機能する。これにより、栓部材(不織布)25に上方へ向けて加わる引き抜き力や横方向へ加わる力に対して大きな抗力を発現することができ、充分な耐荷重強度を備えた補修を行うことが可能となる。
尚、本実施形態では、引き上げ部25dによって円錐体25cを上方へ引き上げる構成としたが、本体部材25aの下方に予め円錐体25cを配置し、当該円錐体25cへ向けて本体部材25aを打ち込んで下端25eを拡径させることも可能である。
図7は、別の実施形態のまくら木の釘穴補修方法を示す説明図である。本実施形態の補修方法に採用する栓部材26は、図7(a)の様に、不織布を加圧成形した螺旋状の芯材26aの周囲に、更にネット状の不織布26bを織り込んで円筒状に形成された部材である。栓部材26の上端26cは開放され、底部26dは閉塞されている。栓部材26の外径は下穴18の内径よりも大きい。また、栓部材26は、底部26d側に対して上端26c側を反時計方向(図7aの矢印方向)へ回動させると拡径し、逆に、上端26c側を時計方向へ回動させると縮径する構造とされている。
補修に際しては、まず、栓部材26を前記手順によって時計方向へ回動させて縮径し、、縮径した栓部材26を速硬化性樹脂組成物でなる接着剤20に浸して繊維中に接着剤20を含浸させる。次いで、図7(b),(c)の様に、栓部材26を底部26d側からタイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ嵌め込む。栓部材26を嵌め込む際は、栓部材26の底部26dを下穴18の開口18bから突出させる。そして、栓部材26の上端26c側を専用の治具(不図示)を用いて反時計方向へ回動させて拡径する。このようにして栓部材26を下穴18に嵌め込むと、底部26dは開口18bから突出すると共に、上部26cは釘穴17の上部17aに位置する。また、栓部材26は、下穴18に位置する部位は下穴18の内径と略同一の外径となり、下穴18から突出する底部26dおよび上端26cは下穴18の内径よりも拡径した状態となる。
続いて、図7(d),(e)の様に、上記接着剤20と同一の速硬化性樹脂組成物20(充填材)を、タイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ注入する。この場合、充填材20の上面がまくら木10の上面と略同一になるまで注入する。
これにより、充填材20は栓部材26の内部および栓部材26と下穴18との隙間に充填される。そして、充填材20が硬化するとまくら木10の釘穴補修が完了する。
これにより、充填材20は栓部材26の内部および栓部材26と下穴18との隙間に充填される。そして、充填材20が硬化するとまくら木10の釘穴補修が完了する。
補修が完了すると、樹脂組成物20を含浸させた栓部材26は繊維強化硬質樹脂材と同様の強度を発現し、硬化した不織布の芯材26aおよび不織布26bが下穴18の内部で芯材として機能する。また、栓部材26の外周面は新生面が露出した下穴18の内周壁18aに強固に固着され、上端26cの周囲には樹脂組成物20が充填される。更に、栓部材26の底部26dは拡径されて下穴18の開口18bに係合してアンカー部として機能する。これにより、栓部材(不織布)25に上方へ向けて加わる引き抜き力や横方向へ加わる力に対して大きな抗力を発現することができ、充分な耐荷重強度を備えた補修を行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、栓部材26を縮径させて下穴18へ容易に嵌め込むことができ、再度拡径させた状態で接着剤20を硬化させて容易に装着することができ、補修作業を短時間に効率良く行うことが可能である。
尚、本実施形態では、栓部材26を回動させて拡径、縮径を行う構成とした。しかし、栓部材26自体が径方向外方へ向かうバネ性を有することから、栓部材26の外径を下穴18の内径よりも大きい構成として、栓部材26を下穴18に圧入する構成を採ることも可能である。
尚、本実施形態では、栓部材26を回動させて拡径、縮径を行う構成とした。しかし、栓部材26自体が径方向外方へ向かうバネ性を有することから、栓部材26の外径を下穴18の内径よりも大きい構成として、栓部材26を下穴18に圧入する構成を採ることも可能である。
図8は、別の実施形態のまくら木の釘穴補修方法を示す説明図である。本実施形態の補修方法に採用する栓部材27は、図8(a)の様に、樹脂材または繊維強化樹脂材からなる円柱状の本体部27bの下端に略円錐形の挿入部27cを備えた埋め栓である。挿入部27cの傾斜面には、後述する下穴18への嵌入を容易にするための断面がV字状の溝27dが軸方向に向けて放射状に4本設けられている。本体部27bの外径は下穴18の内径と略等しく、挿入部27cの最大外径は下穴18の内径よりも僅かに大きい。また、本体部27bの上端は所定長だけ拡径されて拡径部27aが形成されている。尚、本実施形態では、栓部材27を円柱状に形成しているが、円筒状に形成することも可能である。
補修に際しては、まず、栓部材27の本体部27bおよび挿入部27cを速硬化性樹脂組成物でなる接着剤20に浸して表面に接着剤20を付着させる。次いで、図8(b),(c)の様に、栓部材27を挿入部27c側からタイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ嵌め込む。栓部材27を下穴18に嵌め込む際は、拡径部27aをハンマー(不図示)などで叩くことにより、略円錐形の挿入部27cによって下穴を押し広げつつ打ち込み、挿入部27cを下穴18から下方へ突出させる。
栓部材27を下穴18に嵌入させると、図8(c)の様に、本体部27bが下穴18の内部に位置し、挿入部27cは下穴18から下方へ突出すると共に、拡径部27aは釘穴17の上部17aに位置する。
栓部材27を下穴18に嵌入させると、図8(c)の様に、本体部27bが下穴18の内部に位置し、挿入部27cは下穴18から下方へ突出すると共に、拡径部27aは釘穴17の上部17aに位置する。
続いて、図8(c),(d)の様に、上記接着剤20と同一の速硬化性樹脂組成物20(充填材)を、タイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ注入する。この場合、充填材20の上面がまくら木10の上面と略同一になるまで注入する。
これにより、充填材20は栓部材26の内部および栓部材27と下穴18との隙間に充填される。そして、充填材20が硬化するとまくら木10の釘穴補修が完了する。
これにより、充填材20は栓部材26の内部および栓部材27と下穴18との隙間に充填される。そして、充填材20が硬化するとまくら木10の釘穴補修が完了する。
補修が完了すると、栓部材27の本体部27bの外周面は新生面が露出した下穴18の内周壁18aに強固に固着され、拡径部27aの周囲には樹脂組成物20が充填される。更に、栓部材27の挿入部27cは下穴18の開口18bに係合してアンカー部として機能する。これにより、栓部材27に上方へ向けて加わる引き抜き力や横方向へ加わる力に対して大きな抗力を発現することができ、充分な耐荷重強度を備えた補修を行うことが可能となる。
図9は、別の実施形態のまくら木の釘穴補修方法を示す説明図である。本実施形態の補修方法に採用する栓部材28は、図9(a)の様に、樹脂材または繊維強化樹脂材からなる円柱状の本体部28aの略中央部から下端に渡る外周面に、所定の厚さを有するネット状の不織布28bを接合した部材である。本体部28aの外径は、下穴18の内径よりも僅かに小さく、不織布28bの設けられた部位の外径は下穴18の内径よりも僅かに大きい。尚、本実施形態では、栓部材28の本体部28aを円柱状に形成しているが、円筒状に形成することも可能である。また、不織布28bは、本体部28aの外周面全面に渡って設けても良い。
補修に際しては、まず、栓部材28の不織布28bの設けられた部位を速硬化性樹脂組成物でなる接着剤20に浸して不織布28bに接着剤20を含浸させる。次いで、図9(b),(c)の様に、栓部材28を不織布28b側からタイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ嵌め込む。栓部材28を下穴18に嵌め込む際は、本体部28aの上端をハンマー(不図示)などで軽く叩くことにより、不織布28bを本体部28aに密着させつつ嵌入させ、不織布28bの設けられた本体部28aの下端を下穴18から下方へ突出させる。
栓部材28を下穴18に嵌入させると、図9(c)の様に、本体部28aの下端に設けられた不織布28bは下穴18から突出して拡径し、下穴18の内部に位置する不織布28bは、下穴18の内径に規制されて本体部28aに密着する。
続いて、図9(c),(d)の様に、上記接着剤20と同一の速硬化性樹脂組成物20(充填材)を、タイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ注入する。この場合、充填材20の上面がまくら木10の上面と略同一になるまで注入する。
これにより、充填材20は栓部材26の内部および栓部材27と下穴18との隙間に充填される。そして、不織布28bに含浸した接着剤20と充填材20が硬化するとまくら木10の釘穴補修が完了する。
これにより、充填材20は栓部材26の内部および栓部材27と下穴18との隙間に充填される。そして、不織布28bに含浸した接着剤20と充填材20が硬化するとまくら木10の釘穴補修が完了する。
補修が完了すると、栓部材28の本体部28aの外周面、および、不織布28bが設けられた部位の一部は新生面が露出した下穴18の内周壁18aに強固に固着され、本体部28aの上部側の周囲には樹脂組成物20が充填される。更に、本体部28aの下端に設けられた不織布28bは拡径した状態で硬化され、硬化した不織布28bは下穴18の開口18bに係合してアンカー部として機能する。これにより、栓部材28に上方へ向けて加わる引き抜き力や横方向へ加わる力に対して大きな抗力を発現することができ、充分な耐荷重強度を備えた補修を行うことが可能となる。
図10は、別の実施形態のまくら木の釘穴補修方法を示す説明図である。本実施形態の補修方法に採用する栓部材29は、図10(a)の様に、弾性を有するゴムチューブ29aの内部に速硬化性樹脂組成物でなる充填材20を注入し硬化させて形成される。ゴムチューブ29aの底部29bは閉塞され、外径は下穴18の内径と概ね等しい。
補修に際しては、まず、ゴムチューブ29aを速硬化性樹脂組成物でなる接着剤20に浸して表面に接着剤20を付着させる。次いで、図10(b),(c)の様に、ゴムチューブ29aを底部29b側からタイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ挿入する。挿入に際しては、ゴムチューブ29aの内部に長尺の棒(不図示)などを挿入し、当該棒と共にゴムチューブ29aを下穴18へ挿入し、ゴムチューブ29aの底部29bを下穴18から下方へ突出させる。
続いて、図10(c),(d)の様に、上記接着剤20と同一の速硬化性樹脂組成物(充填材)20を、注入器37を用いてゴムチューブ29aの内部に注入する。注入に際しては、注入器37の注入口37aをゴムチューブ29aの上端内部に密着させ、レバー37bを操作してゴムチューブ29aに充填材20を注入する。
ゴムチューブ29aの内部に充填材20が充分注入されると、図10(d)の様に、ゴムチューブ29aは膨張して下穴18の内周壁18aおよび釘穴17の上部17aの内壁に密着する。また、ゴムチューブ29aが下穴18から下方へ突出する部位は、充填材20の注入に伴って膨張する。充填材20は、釘穴17の上部17aに至るまでゴムチューブ29aの内部に注入し、注入が完了すると、図10(e)の様に、ゴムチューブ29aの上端部を釘穴17の上部17aに押し込む。そして、ゴムチューブ29aの表面に付着した接着剤20と充填材20が硬化するとまくら木10の釘穴補修が完了する。
補修が完了すると、ゴムチューブ29aの外周面の一部は新生面が露出した下穴18の内周壁18aに固着され、外周面の残りの部位は釘穴17の上部17aの内壁に密着して固着する。更に、ゴムチューブ29aの底部29bは下穴18から突出して拡径(膨張)した状態で硬化され、拡径部位は下穴18の開口18bに係合してアンカー部として機能する。これにより、栓部材29に上方へ向けて加わる引き抜き力や横方向へ加わる力に対して大きな抗力を発現することができ、充分な耐荷重強度を備えた補修を行うことが可能となる。
図11は、別の実施形態のまくら木の釘穴補修方法を示す説明図である。本実施形態の補修方法は、前記図10に示した補修方法に用いた栓部材29の一部を変更した栓部材30を採用したものであり、同一部分については同一の符号を付して重複した説明を省略する。
本実施形態の補修方法に採用する栓部材30は、図11(a)の様に、弾性を有するゴムチューブ30aの内部にガラス長繊維を含む繊維体30cが挿入され、更に、速硬化性樹脂組成物でなる充填材20を注入し硬化させて形成される。ゴムチューブ30aは、前記実施形態で採用した栓部材29のゴムチューブ29aと同一である。繊維体30cは、ガラス長繊維を束ねて円柱状に成形したものであるが、下部30d側の所定長は、ガラス長繊維の繊維素を束ねない状態とされている。
補修は、繊維体30cをゴムチューブ30aの内部に挿入する点を除いて、前記実施形態と同様の手順で行われる。則ち、ゴムチューブ30aの表面に接着剤20を付着させると共に、図11(b)の様に、ゴムチューブ30aの内部に繊維体30cを下部30d側から挿入する。次いで、図11(b),(c)の様に、ゴムチューブ30aを底部30b側からタイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ挿入し、底部30bを下穴18から下方へ突出させる。
続いて、図11(c),(d)の様に、上記接着剤20と同一の速硬化性樹脂組成物(充填材)20を、注入器37を用いてゴムチューブ30aの内部に注入する。ゴムチューブ30aの内部に充填材20が充分注入されると、図11(d)の様に、ゴムチューブ30aは膨張して下穴18の内周壁18aおよび釘穴17の上部17aの内壁に密着する。また、ゴムチューブ30aが下穴18から下方へ突出する部位は、充填材20の注入に伴って膨張し、内部に挿入された繊維体30cの下部30dは、膨張に伴って繊維素が広がる。そして、ゴムチューブ30aの表面に付着した接着剤20と充填材20が硬化するとまくら木10の釘穴補修が完了する。
補修が完了すると、ゴムチューブ30aの外周面の一部は新生面が露出した下穴18の内周壁18aに固着され、外周面の残りの部位は釘穴17の上部17aの内壁に密着して固着する。更に、ゴムチューブ30aの底部30bは下穴18から突出して拡径(膨張)した状態で硬化され、拡径部位は下穴18の開口18bに係合してアンカー部として機能する。本実施形態の栓部材30は、ゴムチューブ30aの内部に繊維体30cを挿入して硬化させるので、繊維体30cに充填材20が含浸されて硬化することにより、繊維強化樹脂材として機能する。これにより、栓部材30に上方へ向けて加わる引き抜き力や横方向へ加わる力に対して一層大きな抗力を発現することができ、充分な耐荷重強度を備えた補修を行うことが可能となる。
図12は、別の実施形態のまくら木の釘穴補修方法を示す説明図である。本実施形態の補修方法に採用する栓部材31は、図12(a)の様に、樹脂材または繊維強化樹脂材からなる円筒状の本体部31aの下端に弾性を有するゴムでなる袋体31bを接合した構成を有する。本体部31aの外径は下穴18の内径と略同一である。また、栓部材31はまくら木10の高さよりも僅かに長い。
補修に際しては、まず、栓部材31をを速硬化性樹脂組成物でなる接着剤20に浸して表面に接着剤20を付着させる。次いで、図12(b),(c)の様に、栓部材31を袋体31bからタイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ挿入する。挿入に際しては、栓部材31の袋体31bを下穴18から下方へ突出させる。
続いて、図12(d)の様に、上記接着剤20と同一の速硬化性樹脂組成物(充填材)20を、注入器37を用いて本体部31aの内部に注入する。注入に際しては、注入器37の注入口37aを本体部31aの開口31cに密着させ、レバー37bを操作して充填材20を注入する。栓部材31の内部に充填材20が充分注入されると、図12(e)の様に、袋体31bは膨張する。
次いで、図12(e),(f)の様に、上記接着剤20と同一の速硬化性樹脂組成物20(充填材)を、タイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ注入する。注入は、充填材20の上面がまくら木10の上面と略同一になるまで行う。これにより、充填材20は栓部材31と下穴18との隙間に充填される。そして、栓部材31の表面に付着した接着剤20と充填材20が硬化するとまくら木10の釘穴補修が完了する。
補修が完了すると、栓部材31の本体部31aの外周面の一部は新生面が露出した下穴18の内周壁18aに固着され、外周面の残りの部位は釘穴17の上部17a内部に充填された充填材20によって固着される。更に、栓部材31の袋体31bが膨張(拡径)した状態で硬化され、拡径部位は下穴18の開口18bに係合してアンカー部として機能する。これにより、栓部材29に上方へ向けて加わる引き抜き力や横方向へ加わる力に対して大きな抗力を発現することができ、充分な耐荷重強度を備えた補修を行うことが可能となる。
尚、本実施形態では、栓部材31の内部に充填材20のみを充填する構成としたが、栓部材31の内部にガラスロービング等の長繊維を挿入したうえで充填材20を充填することにより、硬化後に繊維強化樹脂材として機能させることができ、耐荷重強度を一層向上させることが可能である。
図13は、別の実施形態のまくら木の釘穴補修方法を示す説明図である。本実施形態の補修方法に採用する栓部材32は、図13(a)の様に、多数のガラス長繊維を長手方向に揃えて束ねてスダレ状に編み、これを筒状に形成した繊維体であり、図示実施例においては繊維体の下端部を結ぶことにより多数のガラス長繊維を一纏めにしている。
補修に際しては、図13(b),(c)の様に、栓部材32を捩りながらタイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ挿入していき、栓部材32の下端部が下穴18から下方へ突出するようにする。この際、栓部材32を捩ることによって栓部材32が縮径するため、栓部材32が柔軟であっても容易かつ迅速に下穴18に挿通できる。
続いて、図13(c),(d)の様に、上記接着剤20と同一の速硬化性樹脂組成物20(充填材)を、タイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ注入する。この場合、充填材20の上面がまくら木10の上面と略同一になるまで注入する。これにより、充填材20は栓部材32と下穴18との隙間に充填されるとともに、繊維体からなる栓部材32に充填材20が含浸する。そして、充填材20が硬化するとまくら木10の釘穴補修が完了する。
補修が完了すると、栓部材32は、含浸した速硬化性樹脂組成物とともにガラス長繊維強化樹脂材となるとともに、栓部材32周囲の充填材20と一体化して、該充填材20が新生面の露出した下穴18の内周壁18aに強固に固着するため、犬釘またはネジ釘の締結力を一層向上した栓部材として機能させることができる。
図14は、更に別の実施形態のまくら木の釘穴補修方法を示す説明図である。本実施形態の補修方法に採用する栓部材33は、図14(a)の様に、多数のガラス長繊維を長手方向に揃えて束ねてスダレ状に編み、これを筒状に形成した繊維体35と、該繊維体35の内部に設けられた硬質の棒状の心材34とからなる。心材34としては、木製、硬質樹脂製若しくは繊維強化樹脂製の棒材を用いることができ、また、棒状の心材34に代えて、柔軟な紐状の心材を用いても良い。また、栓部材33の下端部において多数のガラス長繊維をまとめて心材34とともに結ぶことにより、該下端部において繊維体35と心材34とが固着されている。
補修に際しては、図14(b),(c)の様に、繊維体35を捩りながらタイプレート12の固定穴12aを介して栓部材33を下穴18へ挿入していき、栓部材33の下端部が下穴18から下方へ突出するようにする。この際、繊維体35を捩ることによって繊維体35が縮径するため、繊維体35が柔軟であっても容易かつ迅速に下穴18に挿通できる。
次に、図14(d)に示すように、心材34の上端部を掴んで心材34を少し引き上げると、下穴18の底部開口18bから下方に突出した部分において繊維体35の下端部35aを膨径させ、該下端部35aの外径が下穴18径よりも大きくなるようにする。
続いて、上記接着剤20と同一の速硬化性樹脂組成物20(充填材)を、タイプレート12の固定穴12aを介して下穴18へ注入する。この場合、充填材20の上面がまくら木10の上面と略同一になるまで注入する。これにより、充填材20は栓部材33と下穴18との隙間に充填されるとともに、栓部材33の繊維体35に充填材20が含浸する。そして、充填材20が硬化した後に、まくら木10上面から突出する心材34を切除することで、まくら木10の釘穴補修が完了する。
補修が完了すると、栓部材33は、繊維体35に含浸した速硬化性樹脂組成物とともにガラス長繊維強化樹脂材となるとともに、栓部材33周囲の充填材20と一体化して、該充填材20が新生面の露出した下穴18の内周壁18aに強固に固着するため、犬釘またはネジ釘の締結力を一層向上した栓部材として機能させることができる。さらに、繊維体35の下端部35aが下穴18の内径よりも大きく膨径した状態で、速硬化性樹脂組成物が含浸硬化しているため、この繊維体下端部35aが下穴径より大径の係止部乃至アンカー部として機能し、栓部材33に作用する引き抜き力に対して大きな抗力を発現することができ、犬釘またはネジ釘の締結力を一層向上した栓部材として機能させることが可能となる。
以上、本発明のまくら木の釘穴補修方法の実施形態を説明したが、前記各実施形態では、ネジ釘16によってタイプレート12を固定する構成として述べているが、ネジ釘16に代えて、犬釘を打ち込んでタイプレート12を固定することも可能である。
また、前記各実施形態では、レール11がタイプレート12を介してまくら木10に固定される構造として述べたが、例えば、レール11を犬釘を用いて直接まくら木10に固定する構造についても本発明の補修方法を適用可能である。
また、前記各実施形態では、レール11がタイプレート12を介してまくら木10に固定される構造として述べたが、例えば、レール11を犬釘を用いて直接まくら木10に固定する構造についても本発明の補修方法を適用可能である。
また、前記各実施形態では、まくら木10にタイプレート12を当接させた状態で補修を行う手順を述べた。しかし、タイプレート12をまくら木10の上面から移動させた状態、あるいは、まくら木10をレール11の下部から引き抜いた状態で同様に補修可能なことは言うまでもない。
10 まくら木
11 レール
12 タイプレート
16 締結部材(ネジ釘)
17 既設の穴(釘穴)
18 下穴
19 栓部材
20 接着剤(速硬化性樹脂組成物)
20 充填材(速硬化性樹脂組成物)
21,23,24,25,26 栓部材
27,28,29,30,31 栓部材
32,33 栓部材
11 レール
12 タイプレート
16 締結部材(ネジ釘)
17 既設の穴(釘穴)
18 下穴
19 栓部材
20 接着剤(速硬化性樹脂組成物)
20 充填材(速硬化性樹脂組成物)
21,23,24,25,26 栓部材
27,28,29,30,31 栓部材
32,33 栓部材
Claims (13)
- 既設のまくら木に打ち込まれている犬釘又はネジ釘を抜き取る工程と、犬釘又はネジ釘を抜き取った後の既設の釘穴を掘り下げて下穴を穿設する工程と、穿設した下穴に栓部材を埋め込む工程とを有することを特徴とするまくら木の釘穴補修方法。
- 前記下穴は、既設の釘穴の最小内径よりも大きい内径を有し、既設の釘穴の一部または全部を拡径しつつ掘り下げて穿設することを特徴とする請求項1に記載のまくら木の釘穴補修方法。
- 前記下穴は、まくら木を上下方向へ貫通して穿設することを特徴とする請求項1又は2に記載のまくら木の釘穴補修方法。
- 前記栓部材は、下端部を下穴から下方へ向けて突出させて下穴に埋め込まれ、当該栓部材が下穴から突出する部位を、下穴の内径に比べて拡径させることを特徴とする請求項3に記載のまくら木の釘穴補修方法。
- 前記栓部材は、下端部を下穴から下方へ向けて突出させて下穴に埋め込まれ、当該栓部材が下穴から突出する部位を、下穴の軸方向に対して傾斜する方向へ湾曲させることを特徴とする請求項3に記載のまくら木の釘穴補修方法。
- 前記各工程は、タイプレートをまくら木に当接させた状態で行なわれ、下穴の穿設は、タイプレートの犬釘又はネジ釘挿通用釘穴に挿通されたドリル等の穿孔具によって行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のまくら木の釘穴補修方法。
- 下穴に埋め込まれた栓部材の周囲の隙間に速硬化性樹脂組成物を注入充填して硬化させる工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のまくら木の釘穴補修方法。
- 下穴に埋め込まれた栓部材の上端がまくら木の上端近傍に位置し、該栓部材の外周面と既設の釘穴の内周面との間の隙間に速硬化性樹脂組成物を注入充填して硬化させる工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のまくら木の釘穴補修方法。
- 前記栓部材は、樹脂材または繊維強化樹脂材からなる柱状の埋め栓であり、当該埋め栓に速硬化性樹脂組成物を塗布した後に該埋め栓を下穴に埋め込むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のまくら木の釘穴補修方法。
- 前記栓部材は、柱状に成形された不織布であり、当該栓部材に前記速硬化性樹脂組成物を含浸させた後に当該栓部材を下穴に埋め込むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のまくら木の釘穴補修方法。
- 前記栓部材は、弾性を有するチューブに速硬化性樹脂組成物を注入して形成され、前記チューブの外周面に接着剤を塗布した後に当該チューブを下穴に挿通し、当該チューブ内に前記速硬化性樹脂組成物を圧入し、これによりチューブ外周面を前記釘穴並びに下穴内周面に密着させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のまくら木の釘穴補修方法。
- 前記栓部材は、多数のガラス長繊維を長手方向に揃えて束ねた繊維体であり、該栓部材を捩りつつ下穴に挿通した後、該下穴内に速硬化性樹脂組成物を注入することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のまくら木の釘穴補修方法。
- 前記栓部材は、多数のガラス長繊維を長手方向に揃えて束ねた繊維体と、該繊維体の内部に設けられたひも又は棒状の心材とを備えるとともに、該栓部材の下端部において前記繊維体と前記心材とを固着させたものであり、該栓部材の下端部が下穴の下端部よりも下方に突出する位置まで前記繊維体を捩りつつ栓部材を下穴に挿通し、前記心材を引き上げて前記突出部分において前記繊維体の下端部を膨径させた後、該下穴内に速硬化性樹脂組成物を注入することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のまくら木の釘穴補修方法。
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2005
- 2005-11-01 JP JP2005318536A patent/JP2007126833A/ja not_active Withdrawn
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