JP2007126378A - 光学活性な含窒素化合物の製造方法 - Google Patents

光学活性な含窒素化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不斉α−アミノ化反応により、高い光学純度の光学活性な含窒素化合物の効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】例えば、アゾジカルボン酸エステルとフェニル酢酸シアノ酢酸エステルに、光学活性ジアミン化合物と周期表第8族または第9族遷移金属錯体とからなる不斉金属錯体を反応させることを特徴とする、光学活性なヒドラジノ酢酸エステルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学活性ジアミン化合物を配位子とする不斉金属錯体を不斉α−アミノ化反応の触媒として用いた、不斉四級炭素を有する光学活性な含窒素化合物の製造方法に関する。
光学活性な含窒素化合物の効率的な製造方法の確立は、医薬品や農薬などの分野において重要な課題となっており、これまでに光学活性な含窒素化合物の様々な合成法が報告されている。それらの中で、不斉炭素−窒素結合形成反応を鍵反応とする合成法としては、プロリンなどの光学活性な2級アミンを有機分子触媒として用いた、アルデヒドまたはケトンとアゾジカルボン酸エステルとの反応や、ルイス酸触媒として機能する不斉銅錯体を用いた、α−ケトエステルまたはβ−ケトエステルとアゾジカルボン酸エステルとの反応が報告されている。
一方、α−アリールシアノ酢酸エステルとアゾジカルボン酸エステルとの不斉α−アミノ化反応による光学活性な含窒素化合物の合成方法も知られている。これらの光学活性な含窒素化合物の合成方法として様々な方法が開発されてきており、不斉有機分子触媒を用いた不斉α−アミノ化反応には以下の例が知られている。例えば、光学活性な3級アミンとしてシンコナアルカロイド誘導体を触媒に用いる例(たとえば非特許文献1)や、キニンやキニジンを触媒に用いる例(たとえば非特許文献2)が知られている。しかしながら、これらの例では5mol%程度の比較的多量の触媒を必要とし、比較的高いエナンチオ選択性を得るためには−20℃から−78℃の低い温度が必要であるなど、必ずしも実用性が高いとは言えなかった。
さらに、本発明と同じ不斉金属アミド錯体を用いた、不斉マイケル反応による不斉炭素−炭素結合形成反応が報告されている(たとえば特許文献1、2)。しかしながら、これらの例は不斉炭素−炭素結合形成反応であり、本発明のように不斉金属アミド錯体を不斉炭素−窒素結合形成反応に適用した報告はなされていなかった。
J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 8120 Org. Lett. 2005, 7, 167 特開2004−269481 特開2005−187446
本発明は、上記のごとき状況に鑑みてなされたものであり、不斉α−アミノ化反応により、高い光学純度の光学活性な含窒素化合物の効率的な製造方法を提供するものである。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、光学活性なジアミン配位子をもつ周期表第8族または9族遷移金属錯体が、α−置換−シアノ酢酸エステルとアゾジカルボン酸エステルとの不斉α−アミノ化反応に極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の要旨は、
一般式(A)
Figure 2007126378
(式中、R、Rは、それぞれ独立して置換基を有していても良い芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していても良い飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい複素単環または複素多環式基、あるいは水素原子であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。)で表される化合物と、一般式(B)
Figure 2007126378
(式中、Rは水素原子、置換基を有していても良い芳香族単環あるいは芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していても良い飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、置換基を有していても良い複素単環または複素多環式基であり、Rは水素原子、置換基を有していても良い芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していても良い飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基あるいは脂環式炭化水素基、置換基を有していても良い炭素数1から20のアルコキシ基であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはリン原子を表し、mは1または2である。)で表される化合物に、光学活性ジアミン化合物と周期表第8族または9族遷移金属錯体とからなる不斉金属錯体を反応させることを特徴とする一般式(C)
Figure 2007126378
(式中、R、R、R、R、Y、およびmは前記と同一の意義を有し、*は不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性な含窒素化合物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、不斉四級炭素をもつ高い光学純度の光学活性な含窒素化合物を容易な操作で収率良く得ることができる。したがって、医薬品や農薬の分野において大きく貢献するものである。
また、本発明は、実用的な反応温度(0℃から40℃付近)と少ない触媒量で簡便に目的物を得ることができることから、従来の方法よりも格段に実用的な方法である。
本発明により得られた含窒素化合物は、誘導化することにより医薬品等の合成中間体として有用な光学活性α、β−ジアミノ酸として利用される。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の原料として用いる化合物は前記一般式(A)で表される。
Figure 2007126378
一般式(A)において、R、Rは、それぞれ独立して置換基を有していても良い芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していても良い飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい複素単環または複素多環式基、あるいは水素原子であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。
芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基としては、炭素数1から20のものが挙げられ、具体的には、フェニル、2-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2-イソプロピルフェニル、2-tert-ブチルフェニル、2-メトキシフェニル、2-クロロフェニル、2-ビニルフェニル、3-メチルフェニル、3-エチルフェニル、3-イソプロピルフェニル、3-メトキシフェニル、3-クロロフェニル、3-ビニルフェニル、4-メチルフェニル、4-エチルフェニル、4-イソプロピルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-ビニルフェニル、クメニル、メシチル、キシリル、1-ナフチル、2-ナフチル、アントリル、フェナントリル、インデニル基等が挙げられる。
飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基は、直鎖もしくは分岐のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基である。アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル基等の炭素数1〜20のアルキル基が例示される。アルケニル基としては、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、1−イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタジニエル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基が例示される。アルキニル基としては、アセチレニル、メチルアセチレニル、フェニルアセチレニル基等の炭素数2〜20のアルキニル基が例示される。これらのうち、特に好ましい基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、およびベンジル基である。
脂環式炭化水素基は、シクロアルキル基を表し、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基が例示される。
複素単環または複素多環式基としては、炭素数3から10のものが挙げられ、具体的には、チエニル、フリル、ピラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラダジル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンツピラゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、アントラニル、インドリル、フェナントロニリル基等が挙げられる。
これらの芳香族単環または多環式炭化水素基、複素単環または多環式基、脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基に置換し得る置換基としては、具体的にはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、トリフルオロメチル基等のハロゲン原子含有炭化水素基、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、アルコキシカルボニル、カルボキシル基等の酸素原子含有置換基、アミノ、アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アジド基等の窒素原子含有置換基、トリメチルシリル、ヒドロシリル基等のケイ素含有置換基、メルカプト、アルキルチオ基等の硫黄原子含有置換基、ホスホリル、トリフェニルホスフィニル基等のリン原子含有置換基、前記例示した芳香族単環もしくは多環式炭化水素、前記例示した複素単環もしくは複素多環式基、前記例示した脂肪族炭化水素基等が例示される。また、遷移金属元素を含有する置換基として具体的にはフェロセニル基等の鉄含有置換基が例示される。
互いに結合して環を形成するとは、たとえば、RとRが互いに結合してテトラエチレン基となって、それぞれの酸素原子に結合して環を形成していることをいう。
一般式(A)で表される化合物の具体例としては化合物群−1に示した化合物が例示され、特に適用性が高いものとしてはアゾジカルボン酸ジメチル、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジベンジルである。なお、一般式(A)で表される化合物は、化合物群−1の化合物に限定されるものではない。
化合物群−1
Figure 2007126378
本発明の原料のα−置換−シアノ酢酸エステル類は一般式(B)で表される。
Figure 2007126378
一般式(B)において、Rは水素原子、置換基を有していても良い芳香族単環あるいは芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していても良い飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、置換基を有していても良い複素単環または複素多環式基であり、Rは水素原子、置換基を有していても良い芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していても良い飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基あるいは脂環式炭化水素基、置換基を有していても良い炭素数1から20のアルコキシ基であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはリン原子を表し、mは1または2である。
一般式(B)において、RおよびRは、それぞれ独立するものであるが、各基の定義規定において各用語は前記一般式(A)に記載の意味を有する。
炭素数1から20のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、tert−ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ基等が例示される。
なお、Yが単結合、酸素原子、または硫黄原子の場合にはmは1であり、Yが窒素原子またはリン原子である場合にはmは2である。
一般式(B)で表される化合物の具体例としては化合物群−2に示した化合物が例示され、特に適用性が高いものとしては、α−フェニルシアノ酢酸tert−ブチルである。なお、一般式(B)で表される化合物は、化合物群−2の化合物に限定されるものではない。
化合物群−2
Figure 2007126378
本発明で用いられる光学活性ジアミン化合物は、金属に2座配位可能な公知のジアミン化合物である。特にエチレンジアミン化合物(RSONHCHRCHRNH)が好ましく用いられる。
具体的な化合物としては、N‐(p‐トルエンスルホニル)‐1,2‐ジフェニルエチレンジアミン(TsDPEN)、N‐メタンスルホニル‐1,2‐ジフェニルエチレンジアミン(MsDPEN)、N‐メチル‐N′‐(p‐トルエンスルホニル)‐1,2‐ジフェニルエチレンジアミン、N‐(p‐メトキシフェニルスルホニル)‐1,2‐ジフェニルエチレンジアミン、N‐(p‐クロロフェニルスルホニル)‐1,2‐ジフェニルエチレンジアミン、N‐トリフルオロメタンスルホニル‐1,2‐ジフェニルエチレンジアミン、N‐(2,4,6‐トリメチルベンゼンスルホニル)‐1,2‐ジフェニルエチレンジアミン、N‐(2,4,6‐トリイソプロピルベンゼンスルホニル)‐1,2‐ジフェニルエチレンジアミン、N‐(4‐tert‐ブチルベンゼンスルホニル)‐1,2‐ジフェニルエチレンジアミン、N‐(2‐ナフチルスルホニル)‐1,2‐ジフェニルエチレンジアミン、N‐(3,5‐ジメチルベンゼンスルホニル)‐1,2‐ジフェニルエチレンジアミン、N‐ペンタメチルベンゼンスルホニル‐1,2‐ジフェニルエチレンジアミン(PsDPEN)、N‐(p‐トルエンスルホニル)‐1,2‐シクロヘキサンジアミン(TsCYDN)、N‐メタンスルホニル‐1,2‐シクロヘキサンジアミン(MsCYDN)などが例示される。このうち、MsDPEN及びPsDPENが好ましい。また、これら光学活性ジアミン配位子の2箇所の不斉炭素の絶対配置はいずれもS体のもの、またはいずれもR体であるものが好ましい。
本発明で用いられる周期表第8族または第9族遷移金属錯体は、公知のいずれの錯体であってもよい。具体的には、[RuCl2(p-cymene)]2、[RuCl2(benzene)]2、[RuCl2(mesitylene)]2、[RuCl2(1,2,3,4,5-pentamethylbenzene)]2、[RuCl2(1,2,3,4,5,6-hexamethylbenzene)]2等のルテニウムアレーン錯体、[Cp*RhCl2]2等のロジウム錯体、または[Cp*IrCl2]2等のイリジウム錯体が挙げられる。これらのうち、特に[Cp*IrCl2]2がこのましい。なお、上記化合物のCpはペンタメチルシクロペンタジエニル基を表す。
光学活性ジアミン化合物と周期表第8族または第9族遷移金属錯体からなる不斉金属錯体は、光学活性ジアミン化合物と周期表第8族または第9族遷移金属錯体を塩基の存在下反応させたもので、不斉金属アミド錯体、不斉金属アミン錯体、および不斉金属ヒドリド錯体がある。
具体的には、一般式(D)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007126378
一般式(D)中のR及びRは、同一であっても互いに異なっていてもよく、置換基を有していてもよい、アルキル基、フェニル基、ナフチル基、窒素、酸素、硫黄原子等異種原子を含む複素単環または複素多環式基、またはシクロアルキル基であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。
アルキル基は、例えばメチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、sec‐ブチル基、tert‐ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
窒素、酸素、硫黄原子等異種原子を含む複素単環または複素多環式基は、フリル基、ピリジル基、チエニル基などが挙げられる。
アルキル基、フェニル基、ナフチル基、複素単環または複素多環式基、またはシクロアルキル基に置換し得る置換基としては、一般式(A)で説明した置換基と同様のものが挙げられる。
置換基を有するフェニル基としては、4‐メチルフェニル基、3,5‐ジメチルフェニル基、3,5‐ジエチルフェニル基、2,4,6‐トリメチルフェニル基、2,4,6‐トリイソプロピルフェニル基、または2,3,4,5,6‐ペンタメチルフェニル基等の炭素数1〜10のアルキル基を有するフェニル基、4‐フルオロフェニル基、4‐クロロフェニル基等のハロゲン置換基を有するフェニル基、4‐メトキシフェニル基等の炭素数1から5のアルコキシ基を有するフェニル基などが挙げられる。
置換基を有するナフチル基は、5,6,7,8‐テトラヒドロ‐1‐ナフチル基、5,6,7,8‐テトラヒドロ‐2‐ナフチル基などのナフチル基が挙げられる。
置換基を有するシクロアルキル基は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基が挙げられる。
とRとが互いに結合して環を形成してもよいとは、RとRが互いに結合して、置換基を有していてもよいアルキレン基を形成したものである。例えばRとRとが結合してテトラメチレン基やプロピレン基となって不斉炭素に結合し、シクロペンタン環やシクロヘキサン環などの環を形成したものが挙げられる。
以上のもののうち、R及びRとしては、高い光学純度を得るためには、共にフェニル基であるか、RとRとが結合してテトラメチレン基であることが好ましい。
は、置換基を有していてもよいアルキル基、ナフチル基、フェニル基又はカンファーである。
置換基を有する、アルキル基、ナフチル基、フェニル基やこれらの置換基に置換し得る置換基は、RやRのものと同じである。
特に、フッ素原子を1つ以上含むアルキル基としては、フロオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが挙げられる。
nは、1または2の整数を示す。
は、空の配位座、ヒドリド、水酸基、ハロゲン基またはカルボアニオンであり、n=1の場合空の配位座を表し、n=2の場合ヒドリド、水酸基、ハロゲン基、およびカルボアニオンを表す。
カルボアニオンの具体例としては比較的酸性度の高い水素をもつ有機化合物が好ましく、一般式(B)で表される化合物、マロン酸ジメチルやマロン酸ジエチル等のマロン酸ジエステル類、またはアセト酢酸メチルやアセト酢酸エチル等のβ−ケトエステル類などのエノラートアニオン、ニトロメタンやニトロエタン等のニトロナートが挙げられる。このうち、一般式(B)で表される化合物のエノラートアニオンが好ましい。
Arは、置換基を有していてもよいベンゼンまたは置換基を有していてもよい、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、またはアズレニル基等の非局在化環状η−配位系配位子であるが、これらは、Mとπ結合を介して結合している。
例えば、置換基を有するベンゼンは、トルエン、o‐,m‐及びp‐キシレン、o‐,m‐及びp‐シメン、1,2,3‐、1,2,4‐及び1,3,5‐トリメチルベンゼン、1,2,3‐、1,2,4‐及び1,3,5‐トリエチルベンゼン、1,2,4,5‐テトラメチルベンゼン、1,2,3,4‐テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、ならびにヘキサメチルベンゼン等のアルキル基を有するベンゼンなどが挙げられる。このうち、特にペンタメチルベンゼン、ならびにヘキサメチルベンゼンが好ましい。
非局在化環状η−配位系配位子の例は、無置換のシクロペンタジエニル基、および置換基を有するシクロペンタジエニル基である。置換基を有するシクロペンタジエニル基としては、メチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,2、3−トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニ基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、t−ブチルシクロペンタジエニル基、ジエチルシクロペンタジエニル基、ジイソプロピルシクロペンタジエニル基、ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル基などが挙げられる。
置換基を有していてもよいインデニル基の例としては、無置換のインデニル基、および置換基を有するインデニル基として2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基などが挙げられる。
置換基を有していてもよいフルオレニル基の例として、無置換のフルオレニル基、および置換基を有するフルオレニル基としてベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基などが挙げられる。
このうち非局在化環状η−配位系配位子としては、高い光学純度を得るためには、特に1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル基が好ましい。
一般式(D)中のMは、周期表第8族または第9族遷移金属である。中でもより高い光学純度を実現する、ルテニウム、ロジウムまたはイリジウムが好ましい。このうち、特にルテニウムとイリジウムが好ましい。
一般式(D)で表される不斉金属錯体は、金属に2座配位子であるエチレンジアミン化合物(RSONHCHRCHRNH)が結合している構造とみなすことができる。
一般式(D)で表される不斉金属錯体の合成方法は、不活性ガスで置換した容器中、周期表第8族または第9族遷移金属錯体と光学活性ジアミン化合物を塩基の存在下、溶媒中で反応させることで得ることができる。
この不斉金属錯体の合成を水素供与性化合物存在下実施すれば不斉金属ヒドリド錯体が、また、水素供与性化合物が存在しない条件で実施すれば不斉金属アミド錯体あるいは不斉金属アミン錯体が得られる。不斉反応の触媒として、不斉金属アミド錯体、不斉金属アミン錯体、および不斉金属ヒドリド錯体のいずれも使用できる。
具体的には、[RuCl2(p-cymene)]2、[RuCl2(benzene)]2、[RuCl2(mesitylene)]2、[RuCl2(1,2,3,4,5-pentamethylbenzene)]2、[RuCl2(1,2,3,4,5,6-hexamethylbenzene)]2等のルテニウムアレーン錯体、[Cp*RhCl2]2等のロジウム錯体、または[Cp*IrCl2]2等のイリジウム錯体などの遷移金属錯体と光学活性スルホニルジアミン配位子との反応により合成可能である。なお、上記化合物のCpはペンタメチルシクロペンタジエニル基を表す。
周期表第8族または第9族金属化合物と光学活性ジアミン化合物の混合比は、1.0:0.1から1.0:10.0のモル比であり、好ましくは等モルである。
これらの不斉金属錯体の合成に使用される塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンなどの有機アミン類が例示される。
塩基は、金属中のハロゲン原子に対して過剰量、例えばモル比で1〜100モル倍を用いるのが好ましい。
これらの不斉金属錯体の合成に使用される溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、ジクロロメタンやクロロホルム等のハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メタノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−2−ブタノールなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、酢酸エチル等の有機化合物、水を単独で、あるいは併用して用いることができる。これらの溶媒のうち、2−プロパノール、アセトン、トルエン、THF、ジクロロメタン、またはジクロロメタン−水の混合系が好ましい。
次に、本発明の光学活性含窒素化合物の製造方法について説明する。
光学活性含窒素化合物は、光学活性ジアミン化合物、周期表第8族または第9族金属化合物と塩基、および一般式(A)および(B)で表される化合物を混合して合成することができる。より好ましくは、光学活性ジアミン化合物、周期表第8族または第9族金属化合物と塩基から前もって不斉金属錯体を調製し、この不斉金属錯体存在下、一般式(A)および(B)で表される化合物を混合して反応させる。
さらには、光学活性ジアミン化合物、周期表第8族または第9族金属化合物と塩基から調製された不斉金属ヒドリド錯体あるいは不斉金属アミド錯体と一般式(B)で表される化合物を反応して不斉金属アミン錯体を調製し、これを触媒として一般式(A)と(B)で表される化合物を混合して反応しても良い。
一般式(A)および一般式(B)で表される化合物の量は、通常、周期表第8族または第9族金属原子をもつ不斉金属錯体に対する反応基質のモル比(S/C)で表され、S/Cは10〜100,000の間であり、好ましくは50〜2,000である。
反応は種々の溶媒中で実施可能である。例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、ジクロロメタンやクロロホルム等のハロゲン化合物、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−2−ブタノールなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、酢酸エチル等の有機化合物を単独で、あるいは併用して用いることができる。これらの溶媒のうち、反応を効率的に進めるためにはトルエンが好ましい。
反応温度は、経済性を考慮して、−50℃〜100℃程度とすることができる。より実際的には−30℃〜40℃で、特に好ましくは0℃〜40℃で反応を実施することができる。
反応時間は反応基質濃度、温度、圧力等の反応条件によって異なるが、数分から100時間で反応は完結する。
生成物の精製は、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の公知の方法により行うことができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、以下の実施例に制約されるものではない。なお、実施例中の%eeはエナンチオマー過剰率を示し、S/Cは触媒に対する基質のモル比(触媒の中心金属に対する基質のモル比)を示し、Cpはペンタメチルシクロペンタジエニル基を表す。
〔参考例〕
不斉イリジウムアミド錯体 CpIr[(S,S)‐Msdpen]の調製
アルゴン置換した50mlシュレンク型反応管に[CpIrCl 500mg(0.628mmol)、(S,S)−MsDPEN 364mg(1.26mmol)、KOH(関東化学社製、86%含有) 409mg(6.28mmol)、塩化メチレン 12ml、水 12mlを加えて、室温で1時間攪拌した。静置後、水層を抜き取り、水 10mlを加えて撹拌した。この水洗操作を8回繰り返し、完全にKOHを除去した。最後に水を抜き取った後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液部を別のシュレンクに移し、溶媒を留去して減圧乾燥し、赤紫色結晶696mgを得た。得られたイリジウムアミド錯体のスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl) σ1.95(s,15H,C(C ),2.21(s,3H,NSO ),4.16(d,J=3.9Hz,1H,NHC),4.32(s,1H,CNSOCH),5.50(brs,1H,N),7.18〜7.64(m,10H,aromatic H).
13C−NMR(100MHz,CDCl) σ10.2, 41.0,74.8, 80.7, 85.7, 126.7, 126.8, 127.2, 127.4, 128.1, 128.3, 146.9, 147.4.
光学活性α−ヒドラジノシアノ酢酸エステル化合物−1の合成
Figure 2007126378
アルゴン雰囲気下、CpIr[(S,S)−Msdpen] 6.2mg (0.01mmol,S/C=50)、α−フェニルシアノ酢酸tert-ブチル 109mg(0.5mmol)、および脱水トルエン 5mlの入った20mlシュレンクを氷冷した後、アゾジカルボン酸ジメチルのトルエン溶液(40% in トルエン) 185ul(0.5mmol)をゆっくりと滴下し、0℃にて2時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル=80/20、次いで、ヘキサン/酢酸エチル=50/50)によって精製したところ、目的物の収率は100%であった。HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD;溶媒、ヘキサン:2−プロパノール=90:10;流量、1.0ml/min;UV波長、220nm;温度、35℃;目的物の両光学異性体のt、12.5分、36.8分)により光学純度を測定した結果、36.8分に検出される光学異性体が主成分であり、そのものの光学純度は95.3%ee であった。得られた化合物のスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl) σ1.46 and 1.49(9H,C(C ),3.56,3.70,3.84 and 3.67(6H,CO ),6.32 and 6.54(1H,N),7.40〜7.85(m,5H,aromatic H).
トルエンの使用量を1ml、反応温度を30℃に変えた以外は、実施例1と同様に反応したところ、90%eeの光学活性α−ヒドラジノシアノ酢酸エステル化合物−1が収率100%で得られた。
光学活性α−ヒドラジノシアノ酢酸エステル化合物−2の合成
Figure 2007126378
アルゴン雰囲気下、CpIr[(S,S)−Msdpen] 6.2mg (0.01mmol,S/C=50)、α−フェニルシアノ酢酸tert-ブチル 109mg(0.5mmol)、および脱水トルエン 1mlの入った20mlシュレンクにアゾジカルボン酸ジエチルのトルエン溶液(2.2mol/l) 227ul(0.5mmol)をゆっくりと滴下し、30℃にて16時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル=80/20、次いで、ヘキサン/酢酸エチル=50/50)によって精製したところ、目的物の収率は100%であった。HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD;溶媒、ヘキサン:2−プロパノール=90:10;流量、1.0ml/min;UV波長、220nm;温度、35℃;目的物の両光学異性体のt、12.8分、28.0分)により光学純度を測定した結果、28.0分に検出される光学異性体が主成分であり、83%ee であった。得られた化合物のスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl) σ1.02−1.38(m、6H,COCH )、1.48(s、9H,C(C )、4.01(m、1H,CO CH),4.14(m、1H,CO CH),4.32(q、J=7.1Hz、2H,CO CH),6.23 and 6.44(1H,N),7.37〜7.85(m,5H,aromatic H).
触媒をCpIr[(S,S)−Tsdpen]に変えた以外は、実施例3と同様に反応したところ、73%eeの光学活性α−ヒドラジノシアノ酢酸エステル化合物−2が収率100%で得られた。
触媒をCpIr[(S,S)−Tscydn]に変えた以外は、実施例3と同様に反応したところ、51%eeの光学活性α−ヒドラジノシアノ酢酸エステル化合物−2が収率100%で得られた。
光学活性α−ヒドラジノシアノ酢酸エステル化合物−3の合成
Figure 2007126378
アルゴン雰囲気下、CpIr[(S,S)−Msdpen] 6.2mg (0.01mmol,S/C=50)、α−フェニルシアノ酢酸tert-ブチル 109mg(0.5mmol)、および脱水トルエン 1mlの入った20mlシュレンクにアゾジカルボン酸ジイソプロピル 99ul(0.5mmol)をゆっくりと滴下し、30℃にて16時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル=80/20、次いで、ヘキサン/酢酸エチル=50/50)によって精製したところ、目的物の収率は100%であった。HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD;溶媒、ヘキサン:2−プロパノール=90:10;流量、1.0ml/min;UV波長、220nm;温度、35℃;目的物の両光学異性体のt、11.1分、16.8分)により光学純度を測定した結果、16.8分に検出される光学異性体が主成分であり、62%ee であった。得られた化合物のスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl) σ0.90−1.40(m、12H,CH(C )、1.42−1.53(m、9H,C(C )、4.72−5.17(m、2H、C(CH),6.02 and 6.24(1H,N),7.32〜7.85(m,5H,aromatic H).
光学活性α−ヒドラジノシアノ酢酸エステル化合物−4の合成
Figure 2007126378
アルゴン雰囲気下、Ru[(S,S)−Psdpen](hexamethylbenzene) 6.8mg (0.01mmol,S/C=50)、α−フェニルシアノ酢酸エチル 87ul(0.5mmol)、および脱水トルエン 2.5mlの入った20mlシュレンクにアゾジカルボン酸ジエチルのトルエン溶液 227ul(2.2mol/l、0.5mmol)をゆっくりと滴下し、30℃にて16時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル=80/20、次いで、ヘキサン/酢酸エチル=50/50)によって精製したところ、目的物の収率は100%であった。HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD;溶媒、ヘキサン:2−プロパノール=90:10;流量、1.0ml/min;UV波長、220nm;温度、35℃;目的物の両光学異性体のt、19.6分、26.0分)により光学純度を測定した結果、26.0分に検出される光学異性体が主成分であり、74%ee であった。得られた化合物のスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl) σ1.02−1.44(m、9H,COCH )、3.93-4.46(m、6H,CO CH),6.11 and 6.34(1H,N),7.35〜7.88(m,5H,aromatic H).
光学活性α−ヒドラジノシアノ酢酸エステル化合物−5の合成
Figure 2007126378
アルゴン雰囲気下、Ru[(S,S)−Psdpen](hexamethylbenzene) 6.8mg (0.01mmol,S/C=50)、α−フェニルシアノ酢酸メチル 88mg(0.5mmol)、および脱水トルエン 1mlの入った20mlシュレンクにアゾジカルボン酸ジエチルのトルエン溶液 227ul(2.2mol/l、0.5mmol)をゆっくりと滴下し、30℃にて16時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル=80/20、次いで、ヘキサン/酢酸エチル=50/50)によって精製したところ、目的物の収率は100%であった。HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD;溶媒、ヘキサン:2−プロパノール=90:10;流量、1.0ml/min;UV波長、220nm;温度、35℃;目的物の両光学異性体のt、19.7分、25.4分)により光学純度を測定した結果、25.4分に検出される光学異性体が主成分であり、67%ee であった。得られた化合物のスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl) σ1.00−1.45(6H,COCH ),3.85 and 3.87(3H,CO ),3.93−4.45(4H,CO CH),6.13 and 6.35(1H,N),7.35〜7.90(m,5H,aromatic H).
光学活性α−ヒドラジノシアノ酢酸エステル化合物−6の合成
Figure 2007126378
アルゴン雰囲気下、CpIr[(S,S)−Msdpen] 6.2mg (0.01mmol,S/C=50)、α−フェニルシアノ酢酸tert-ブチル 109mg(0.5mmol)、および脱水トルエン 5mlの入った20mlシュレンクに、アゾジカルボン酸ジベンジル 149mg(0.5mmol)と脱水トルエン 0.2mlから調製した溶液をゆっくりと滴下し、30℃にて16時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル=80/20、次いで、ヘキサン/酢酸エチル=50/50)によって精製したところ、目的物の収率は100%であった。HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD;溶媒、ヘキサン:2−プロパノール=90:10;流量、1.0ml/min;UV波長、220nm;温度、35℃;目的物の両光学異性体のt、24.1分、34.1分)により光学純度を測定した結果、34.1分に検出される光学異性体が主成分であり、そのものの光学純度は89%ee であった。得られた化合物のスペクトルデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl) σ1.39(s、9H,C(C )、4.85−5.40(m、4H,C ),6.13 and 6.45(1H,N),7.00〜7.85(m,15H,aromatic H).
本発明の方法により得られる光学活性な含窒素化合物は、医薬品などの合成中間体として利用される。

Claims (7)

  1. 一般式(A)
    Figure 2007126378
    (式中、R、Rは、それぞれ独立して置換基を有していても良い芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していても良い飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい複素単環または複素多環式基、あるいは水素原子であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。)で表される化合物と、一般式(B)
    Figure 2007126378
    (式中、Rは水素原子、置換基を有していても良い芳香族単環あるいは芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していても良い飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、置換基を有していても良い複素単環または複素多環式基であり、Rは水素原子、置換基を有していても良い芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していても良い飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基あるいは脂環式炭化水素基、置換基を有していても良い炭素数1から20のアルコキシ基であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはリン原子を表し、mは1または2である。)で表される化合物に、光学活性ジアミン化合物と周期表第8族または第9族遷移金属錯体とからなる不斉金属錯体を反応させることを特徴とする一般式(C)
    Figure 2007126378

    (式中、R、R、R、R、Y、およびmは前記と同一の意義を有し、*は不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性な含窒素化合物の製造方法。
  2. Yが酸素原子である、請求項1記載の光学活性な含窒素化合物の製造方法。
  3. 光学活性ジアミン化合物と周期表第8族または第9族金属錯体からなる不斉金属錯体が、一般式(D)
    Figure 2007126378
    (式中、Arは置換基を有していてもよいベンゼン、または置換基を有していてもよい非局在化環状η−配位系配位子を表し、Mは周期表第8族または第9族金属を表し、R及びRは、同一であっても互いに異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、フェニル基、ナフチル基、窒素、酸素、硫黄原子等異種原子を含む複素単環もしくは複素多環式基、またはシクロアルキル基を表し、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、ナフチル基、フェニル基又はカンファーであり、nは1または2の整数を表し、n=1の場合、Rは空の配位座を表し、n=2の場合、Rはヒドリド、水酸基、ハロゲン基、およびカルボアニオンを表し、*は不斉炭素原子を表す。)で表される不斉金属錯体である、請求項1または2に記載の光学活性な含窒素化合物の製造方法。
  4. 及びRが、同一であっても互いに異なっていてもよい、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基を有するフェニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基を有するフェニル基若しくはハロゲン置換基を有するフェニル基、又は互いに結合して5員環又は6員環を形成していてもよいアルキレン基である、請求項3に記載の光学活性な含窒素化合物の製造方法。
  5. 周期表第8族または第9族金属が、ルテニウム、イリジウムまたはロジウムである、請求項1から4の何れかに記載の光学活性な含窒素化合物の製造方法。
  6. n=1であり、Rが空の配位座である、請求項3から5の何れかに記載の光学活性な含窒素化合物の製造方法。
  7. 非局在化環状η−配位系配位子が、シクロペンタジエニル基である、請求項3から6の何れかに記載の光学活性な含窒素化合物の製造方法。
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