JP2007125810A - インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる大きさのインク液滴を吐出するノズル部間における吐出特性を揃えることが可能であって、かつ高密度化が可能なインクジェット記録ヘッドおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のインクジェット記録ヘッドは、吐出されるインク液滴の大きさが他のノズル部20から吐出されるインク液滴より大きいノズル部20におけるインク吐出エネルギ発生素子7からインク吐出口1までの流路の抵抗である前方抵抗が、他のノズル部20の前方抵抗よりも大きい。
【選択図】図2
【解決手段】本発明のインクジェット記録ヘッドは、吐出されるインク液滴の大きさが他のノズル部20から吐出されるインク液滴より大きいノズル部20におけるインク吐出エネルギ発生素子7からインク吐出口1までの流路の抵抗である前方抵抗が、他のノズル部20の前方抵抗よりも大きい。
【選択図】図2
Description
本発明は、液体を噴射し飛翔液滴を形成して記録を行う液体吐出ヘッドに関するものであり、特にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドに関する。
インクジェット記録方式(液体噴射記録方式)に適用されるインクジェット記録ヘッドは、一般に微細な記録液吐出口、流路および該流路の一部に設けられる記録液吐出エネルギ発生素子を複数備えている。
例えば特許文献1に記載されているインクジェット記録法は、熱エネルギの作用を受けた記録液が加熱されて気泡を発生し、この気泡発生に基づく作用力によって、記録ヘッド部先端の記録液吐出口から記録液滴が形成される。そして、この記録液滴が被記録部材に付着して情報の記録が行われるということを特徴としている。
また、高密度、高精度に記録液吐出口や流路を形成する方法として、特許文献2や特許文献3に示されている方法が提案されている。
図4に、その詳細の一例を示す。
図4に、その詳細の一例を示す。
図4は、従来のインクジェット記録ヘッドの基本的な製造工程を示すための断面模式図である。
図4(a)に示されるSi基板104上には、インク吐出エネルギ発生素子7が複数個配置されている。
ここに型材(ODUR、東京応化工業(株)製)を厚さ14μmで塗布し、さらに
、露光・現像を行うことにより、型材109のパターンを形成した。この型材109がノズル部完成の状態で発泡室および流路となる。
、露光・現像を行うことにより、型材109のパターンを形成した。この型材109がノズル部完成の状態で発泡室および流路となる。
次に、図4(b)に示すように、基板104上にノズル形成部材103をスピンコートにより厚さ25μmで塗布した。ノズル形成部材103は、エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤を溶剤に溶解して作製した。続いて、ノズル形成部材103上にドライフィルムのラミネートにより撥水部材108を厚さ0.5μmで形成した。撥水部材108は、エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤を溶剤に溶解して作製した。さらに、ミラー・プロジェクション・マスクアライナ(MPA−600 Super、キヤノン(株)製)を使用して、ノズル形成部材103お
よび撥水部材108へ、マスクを介してUV(Ultraviolet)光を0.2J/cm2照射した。さらに、マスクに設けられたパターンによりUV光が遮断され照射されなかった領域を現像液で除去した後100℃で加熱して、インク吐出口101を形成した。
よび撥水部材108へ、マスクを介してUV(Ultraviolet)光を0.2J/cm2照射した。さらに、マスクに設けられたパターンによりUV光が遮断され照射されなかった領域を現像液で除去した後100℃で加熱して、インク吐出口101を形成した。
続いて、型材109、ノズル形成部材103および撥水部材108がパターニングされた基板を、約80℃に加熱温調したTMAH(Tetramethyl ammonium hydroxide) 22wt%水溶液に十数時間浸漬する。これによりSiをエッチングして、図4(c)に示すように、インク供給口105を形成した。
最後に、型材109を、インク吐出口101およびインク供給口105から溶出させることにより、図4(d)に示すように、インクジェット記録ヘッドのノズル部を形成した。
さらに、ノズル部が形成された基板を、ダイシングソーにより分離切断、チップ化し、インク吐出エネルギ発生素子7を駆動させるための電気的接合を行った後、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドが完成される。
このようなインクジェット記録ヘッドの製造方法は、
1.露光時に使用するマスクのパターンを変えることにより、流路部やインク吐出口の形状を容易に変更することが可能である
2.Si基板上に多数のノズル部を形成し、これを分離切断してチップ化するため、量産性に優れる
といった、以上のような利点が挙げられる。
1.露光時に使用するマスクのパターンを変えることにより、流路部やインク吐出口の形状を容易に変更することが可能である
2.Si基板上に多数のノズル部を形成し、これを分離切断してチップ化するため、量産性に優れる
といった、以上のような利点が挙げられる。
このようにして完成させたインクジェット記録ヘッドの上面透視図および断面図を図5に示す。
図5中、右側に設けられているのは、5plの液滴を吐出させるノズル部(以下、5plノズル部と記載)であり、インク吐出口101は穴径14μmで形成されている。図5中、左側に設けられているのは、1plの液滴を吐出させるノズル部(以下、1plノズル部と記載)であり、インク吐出口101は穴径10μmで形成されている。このインク吐出口101の穴径の違いにより、各ノズル部から吐出される液滴の大きさを変えることが可能となっている。また、5plノズル部および1plノズル部はともに発泡室および流路部が高さ14μmで形成され、その上にノズル形成部材103および撥水部材108が厚さ11μmで形成されている。この状態では、5plノズル部の方がインク吐出口101の大きさが大きいため、5plノズル部の方が前方抵抗が小さくなっている。
特開昭54−51837号公報
特開平5−330066号公報
特開平6−286149号公報
上述したインクジェット記録ヘッドを用い、高品位なカラー画像の印刷を行ったところ、画像が超細密な部分においては粒状感等も目立たず正常な印刷がなされていたが、画像が比較的粗い部分においては一部印刷がなされず白抜きになっている状態が見受けられた。
大きさの違う各液滴の吐出特性、具体的には、吐出速度やリフィル等を可能な限り合わせることが重要であり、吐出特性はノズル部における前方抵抗と後方抵抗のバランスによって成り立っている。なお、前方抵抗とは、インク吐出エネルギ発生素子からインク吐出口までの間の流路抵抗であり、後方抵抗とはインク供給口からインク吐出エネルギ発生素子までの間の流路抵抗を意味する。
5plの液滴を吐出させるノズル部(以下、5plノズル部と記載)と1plの液滴を吐出させるノズル部(以下、1plノズル部と記載)においては、インク吐出口の大きさは当然5plノズル部の方が大きい。その結果、5plノズル部の方が前方抵抗が小さくなってしまう。
そこで、5pl、1pl各ノズル部における吐出特性、具体的には、吐出速度とリフィルにかかる時間を調べてみたところ、5plノズル部では、1plノズル部に比べて、リフィルにかかる時間が明らかに長くなっていた。これは、5plノズル部においては、前方抵抗に比べて後方抵抗が大きすぎるために起こっていると考えられる。
そこで、後方抵抗をさらに小さくする手段として、発泡室の大きさを大きくすることを試みた。
しかし、発泡室の大きさを大きくするために発泡室の長さを延ばすと、インク吐出エネルギ発生素子を駆動させるための半導体素子の一部がインクに触れることとなり、信頼性の面から好ましくなかった。また、発泡室の幅を広げると、隣接した発泡室同士を隔てる壁の幅が極端に狭くなってしまった。この壁の幅がある値以上に狭くなると、何千枚と印刷を繰り返す過程で、壁部分が基板から剥れてしまい、信頼性の面から好ましくなかった。
また、後方抵抗の低下には、発泡室を含めた流路部の寸法調整が有効であるが、前述したように、近年の高密度化の流れに伴い、個々の発泡室および流路部が密に配置された構成においては、幅および長さ方向での調整には限界がある。
本出願にかかる発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、異なる大きさのインク液滴を吐出するノズル部間における吐出特性を揃えることが可能であって、かつ高密度化が可能なインクジェット記録ヘッドおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出するためのインク吐出エネルギ発生素子と、インクを吐出するインク吐出口とを有するノズル部を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、吐出されるインク液滴の大きさが他のノズル部から吐出されるインク液滴より大きいノズル部におけるインク吐出エネルギ発生素子からインク吐出口までの流路の抵抗である前方抵抗が、他のノズル部の前方抵抗よりも大きいことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録ヘッドは、大きいインク液滴を吐出するノズル部における前方抵抗を、小さいインク液滴を吐出するノズル部における前方抵抗よりも大きくしている。これにより、異なる大きさのインク液滴を吐出するノズル部間における吐出特性を揃えることが可能であって、かつ高密度化が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
本実施例では、発泡室および流路部の長さおよび幅を変えることなく、5plノズル部と1plノズル部とで抵抗バランスを合わせるためには、5plノズル部における前方抵抗をさらに大きくした。前方抵抗を大きくするため、本実施例では、5plノズル部におけるオリフィスプレートの高さを増す構成とした。
[実施例1]
本実施例では、発泡室および流路部の長さおよび幅を変えることなく、5plノズル部と1plノズル部とで抵抗バランスを合わせるためには、5plノズル部における前方抵抗をさらに大きくした。前方抵抗を大きくするため、本実施例では、5plノズル部におけるオリフィスプレートの高さを増す構成とした。
より具体的には、本実施例においては、5plノズル部にのみ高さ調節部材を設けた。本実施例のインクジェット記録ヘッドの製造工程を図1に示す。
まず、図1(a)に示すように、インク吐出エネルギ発生素子7が設けられたSi基板4上に型材(ODUR、東京応化工業(株)製)を厚さ14μmでスピンコ
ートにより塗布した。
ートにより塗布した。
さらに、図1(b)に示すように、露光・現像を行うことにより、型材9のパターンを形成した。この型材9がノズル部完成の状態で発泡室および流路となる。
続いて、図1(c)に示すように、型材9が設けられた基板上に高さ調節部材2をスピンコートにより厚さ2μmで塗布した。高さ調節部材2は、ポリエーテルアミド樹脂と光カチオン重合開始剤を溶剤に溶解して作製した。
続いて、図1(d)に示すように、ミラー・プロジェクション・マスクアライナー(MPA−600 Super、キヤノン(株)製)を使用して、高さ調節部材
2にマスク10を介してUV光12を1J/cm2照射した。
2にマスク10を介してUV光12を1J/cm2照射した。
続いて、図1(e)に示すように、マスク10に設けられたCrパターン13によりUV光12が遮断された部分を現像して除去することにより、高さ調節部材2のパターンを形成した。高さ調節部材2はインク吐出口となる部分が開口した状態である。
続いて、図1(f)に示すように、高さ調節部材2および型材9が設けられた基板上にノズル形成部材3をスピンコートにより厚さ11μmで塗布した。ここで使用したノズル形成部材は、エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤を溶剤に溶解して作製したものである。さらに、ノズル形成部材3上にドライフィルムのラミネートにより撥水部材8を厚さ0.5μmで形成した。撥水部材8は、エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤を溶剤に溶解して作製した。
続いて、図1(g)に示すように、ミラー・プロジェクション・マスクアライナー(MPA−600 Super、キヤノン(株)製)を使用して、ノズル形成部
材3および撥水部材8へマスクを介してUV光を0.2J/cm2照射した。そして、マスクに設けられたパターンによりUV光が遮断され照射されなかった領域を現像液で除去した後100℃で加熱して、インク吐出口1を形成した。
材3および撥水部材8へマスクを介してUV光を0.2J/cm2照射した。そして、マスクに設けられたパターンによりUV光が遮断され照射されなかった領域を現像液で除去した後100℃で加熱して、インク吐出口1を形成した。
続いて、高さ調節部材2、型材9、ノズル形成部材3および撥水部材8がパターニングされた基板を、約80℃に加熱温調したTMAH 22wt%水溶液に十数時間浸漬した。これによりSiをエッチングしてインク供給口を形成した後、型材9を、インク吐出口1およびインク供給口5(図2参照)から溶出させることによりノズル部を形成した。
さらに、ノズル部が形成された基板を、ダイシングソーにより分離切断、チップ化し、インク吐出エネルギ発生素子7を駆動させるための電気的接合を行った後、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドを完成させた。
このようにして完成させた、Si基板4上にオリフィスプレートを備えたインクジェット記録ヘッドの上面透視図および断面図を図2に示す。なお、図2(a)が上面透視図であり、図2(b)が断面図である。
図2中、右側に設けられているのは、5plノズル部であり、インク吐出口1は穴径14μmで形成されている。図2中、左側に設けられているのは、1plノズル部であり、インク吐出口1は穴径10μmで形成されている。
ノズル部20は、型材9を溶出して形成したインク流路11内の底面にインク吐出エネルギ発生素子7を有し、このインク吐出エネルギ発生素子7の真上にインク吐出口1を有する。インク流路11はインク供給口5およびインク吐出口1に連通している。インク供給口5からインク流路11内に供給されたインクは、インク吐出エネルギ発生素子7によって発生したエネルギによってインク吐出口1から吐出される。なお、インク吐出口1は図2中ではインク吐出エネルギ発生素子7の上方に配置され、上方に向けて開口するように示されているが、実際に記録を行う場合、インクジェット記録ヘッドは、インク吐出口1は下方に向けて開口するようにして用いられる。
ノズル部20のうち、図2中、右側に示された5plノズル部のインク流路11内の上面には高さ調整部材2が設けられている。1plノズル部の発泡室および流路部は高さ14μmで形成され、その上にノズル形成部材3および撥水部材8が厚さ11μmで形成されている。一方、5plノズル部の発泡室および流路部は高さ14μmで形成され、その上に高さ調節部材2、ノズル形成部材3および撥水部材8が厚さ13μmで形成されている。このように、これら1plノズル部および5plノズル部のインク流路11内の流路高さは同じであり、高さ調整部材2がインク流路11内に設けられることによってはインク流路11の高さが低くなり、流路断面が小さくなることはない。このため、高さ調整部材2がインク流路11の上壁面全体を構成するものであってもインク供給口5からインク吐出エネルギ発生素子7までの間の流路抵抗、すなわち、後方抵抗は1plノズル部と5plノズル部とでは同じとなる。なお、図2(b)に示すように、高さ調整部材2が設けられた分、オリフィスプレートの表面が盛り上がっている。
一方、高さ調整部材2によって、インク流路11からインク吐出口1の開口までの距離は長くなっている。つまり、高さ調整部材2によって、インク吐出エネルギ発生素子7からインク吐出口1出口までの長さが1plノズル部よりも2μm長くなる。これにより、5plノズル部側のインク吐出エネルギ発生素子7からインク吐出口1出口までの流路抵抗、すなわち前方抵抗が1plノズル部側よりも大きくなる。
このような吐出液滴の大きいノズル部側の前方抵抗が吐出液滴の小さいノズル部側の前方抵抗よりも大きいインクジェット記録ヘッドを用い、高品位なカラー画像の印刷を行ったところ、画像が超細密な部分においては粒状感等も目立たず正常な印刷がなされていた。
一方、画像が比較的粗い部分においても、印刷がなされず白抜きになっている状態は見受けられず正常な印刷がなされていた。
そこで、5pl、1pl各ノズル部における吐出特性、具体的には、吐出速度とリフィルにかかる時間を調べてみたところ、5pl、1plどちらのノズル部においても、ほぼ同等の値であった。これは、5plノズル部にのみ高さ調節部材を設けてオリフィスプレートの高さを増すことにより前方抵抗を大きくしたことにより、5plノズル部と1plノズル部とで抵抗バランスがほぼ合致したことに起因していると考えられる。
このように、本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、高さ調節部材を設けてオリフィスプレートの高さを自由に選択できるようにした。これにより、インク吐出口から吐出する液滴の大きさが、少なくとも2種類以上混在する構成であっても、各ノズル部における抵抗バランスを合わせ、吐出特性を揃えることができ、超細密画像を印刷する際にも、高画質、高速印刷が可能となる。
[実施例2]
本実施例のインクジェット記録ヘッドは、1plノズル部からなるインク吐出口列に対して5plノズル部からなるインク吐出口列が半ピッチずれて配列されることで各ノズル部が千鳥に配列されている。また、5plノズル部にのみ高さ調節部材を設けることにより、オリフィスプレートの高さを増し、前方抵抗を増した構造とした。なお、それ以外の構造および製造工程は実施例1と同様であるため、詳細の説明は省略する。
[実施例2]
本実施例のインクジェット記録ヘッドは、1plノズル部からなるインク吐出口列に対して5plノズル部からなるインク吐出口列が半ピッチずれて配列されることで各ノズル部が千鳥に配列されている。また、5plノズル部にのみ高さ調節部材を設けることにより、オリフィスプレートの高さを増し、前方抵抗を増した構造とした。なお、それ以外の構造および製造工程は実施例1と同様であるため、詳細の説明は省略する。
本実施例のインクジェット記録ヘッドの上面透視図および断面図を図3に示す。なお、図3(a)が上面透視図であり、図3(b)が断面図である。
5plノズル部におけるインク吐出口1は穴径14μmで形成されている。一方、1plノズル部におけるインク吐出口1は穴径10μmで形成されている。また、1plノズル部の発泡室および流路部は高さ14μmで形成され、その上にノズル形成部材3および撥水部材8が厚さ11μmで形成されている。一方、5plノズル部の発泡室および流路部は高さ14μmで形成され、その上に高さ調節部材2、ノズル形成部材3および撥水部材8が厚さ13μmで形成されている。
このインクジェット記録ヘッドを用い、高品位なカラーグラフィック画像の印刷を行ったところ、画像が超細密な部分においては粒状感等も目立たず正常な印刷がなされていた。
一方、画像が比較的粗い部分においても、印刷がなされず白抜きになっている状態は見受けられず正常な印刷がなされていた。
そこで、5pl、1pl各ノズル部における吐出特性、具体的には、吐出速度とリフィルにかかる時間を調べてみたところ、5pl、1plどちらのノズル部においても、ほぼ同等の値であった。これは、5plノズル部にのみ高さ調節部材を設けてオリフィスプレートの高さを増すことにより前方抵抗を大きくしたことにより、5plノズル部と1plノズル部とで抵抗バランスがほぼ合致したことに起因していると考えられる。
[実施例3]
本実施例においては、5plノズル部にのみ高さ調節部材を設け、かつ高さ調節部材をノズル形成部材と同じ材料で作製した構造を形成した。すなわち、本実施例では、高さ調節部材2は、エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤を溶剤に溶解して作製し、マスク10を介してUV光12を0.2J/cm2照射した。なお、それ以外の製造工程は実施例1と同様であるため、詳細の説明は省略する。
[実施例3]
本実施例においては、5plノズル部にのみ高さ調節部材を設け、かつ高さ調節部材をノズル形成部材と同じ材料で作製した構造を形成した。すなわち、本実施例では、高さ調節部材2は、エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤を溶剤に溶解して作製し、マスク10を介してUV光12を0.2J/cm2照射した。なお、それ以外の製造工程は実施例1と同様であるため、詳細の説明は省略する。
このインクジェット記録ヘッドを用い、高品位なカラーグラフィック画像の印刷を行ったところ、画像が超細密な部分においては粒状感等も目立たず正常な印刷がなされていた。
一方、画像が比較的粗い部分においても、印刷がなされず白抜きになっている状態は見受けられず正常な印刷がなされていた。
そこで、5pl、1pl各ノズル部における吐出特性、具体的には、吐出速度とリフィルにかかる時間を調べてみたところ、5pl、1plどちらのノズル部においても、ほぼ同等の値であった。これは、5plノズル部にのみ高さ調節部材を設けてオリフィスプレートの高さを増すことにより前方抵抗を大きくしたことにより、5plノズル部と1plノズル部とで抵抗バランスがほぼ合致したことに起因していると考えられる。
なお、上記各実施例における数値は一例であり、本発明は一例として示した各数値に限定されるものではない。
また、各実施例では、吐出する液滴サイズが1plと5plとの2種類のみのインクジェット記録ヘッドを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液滴サイズが2種類以上の記録ヘッドにも適用可能である。すなわち、本発明は、高さ調整部材の厚みを液滴サイズが大きくなるにつれ厚くする構成とすることで、吐出される液滴サイズが大きくなるにつれ前方抵抗が大きくなるようにしたインクジェット記録ヘッドおよびその製造方法も含むものである。
また、本発明における被記録媒体としては、紙のほか、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等が挙げられる。本発明はこれらの被記録媒体に対し記録を行うプリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に適用できる発明である。
なお、本発明における『記録』とは、文字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を付与することも意味する。
1 インク吐出口
2 高さ調節部材
3 ノズル形成部材
7 インク吐出エネルギ発生素子
20 ノズル部
2 高さ調節部材
3 ノズル形成部材
7 インク吐出エネルギ発生素子
20 ノズル部
Claims (9)
- インクを吐出するためのインク吐出エネルギ発生素子と、インクを吐出するインク吐出口とを有するノズル部を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
吐出されるインク液滴の大きさが他の前記ノズル部から吐出されるインク液滴より大きい前記ノズル部における前記インク吐出エネルギ発生素子から前記インク吐出口までの流路の抵抗である前方抵抗が、他の前記ノズル部の前記前方抵抗よりも大きいことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 前記インク吐出エネルギ発生素子が形成された面に対向する面に、前記インク吐出エネルギ発生素子から前記インク吐出口までの距離を長くするための高さ調整部材を有する、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 吐出されるインク液滴の大きさが大きいほど前記高さ調節部材の厚さが厚い、請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記ノズル部に連通するインク供給口を介して相対する位置に、複数の前記インク吐出口からなる第一のインク吐出口列および第二のインク吐出口列が配置され、前記第一のインク吐出口列を構成する前記インク吐出口から吐出するインク液滴の大きさは同一であり、前記第二のインク吐出口列を構成する前記インク吐出口から吐出するインク液滴の大きさは同一であり、前記第一のインク吐出口列を構成する前記インク吐出口から吐出するインク液滴の大きさと前記第二のインク吐出口列を構成する前記インク吐出口から吐出するインク液滴の大きさが異なる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記第一のインク吐出口列に対して前記第二のインク吐出口列が半ピッチずれて配列されている、請求項4に記載のインクジェット記録ヘッド。
- インクを吐出するためのインク吐出エネルギ発生素子と、インクを吐出するインク吐出口とを有するノズル部を備えたインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
前記インク吐出エネルギ発生素子が形成された面に対向する面に、前記インク吐出エネルギ発生素子から前記インク吐出口までの距離を長くするための高さ調整部材を設ける工程を含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。 - 吐出されるインク液滴の大きさが大きいほど、厚さが厚い前記高さ調節部材を設ける、請求項6に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 前記ノズル部に連通するインク供給口を介して相対する位置に、吐出するインク液滴の大きさが同一の複数の前記インク吐出口からなる第一のインク吐出口列と、複数の前記インク吐出口からなり、前記第一のインク吐出口列の前記インク吐出口から吐出されるインク液滴とは異なる大きさのインク液滴が吐出され、かつ列を構成する複数の前記インク吐出口から吐出されるインク液滴の大きさは同一である第二のインク吐出口列とを形成する工程を含む、請求項6または7に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 前記第一のインク吐出口列に対して前記第二のインク吐出口列が半ピッチずらして形成する工程を含む、請求項8に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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2005
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