JP2007125179A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被検部位の変形や移動が生じても、被検者の走査位置や走査方向とのずれが生じない高い精度のガイド画像を表示し得る超音波診断装置を提供する。
【解決手段】 生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波観測装置3と、超音波断層像の位置もしくは配向を算出する位置配向算出装置4と、参照画像データを保持する参照画像記憶部52と、参照画像データと超音波断層像との相関を演算する補正回路55と、超音波断層像の解剖学的な位置もしくは配向をガイドするためのガイド画像を、補正回路55により演算された相関結果と、位置配向算出装置4により算出された位置もしくは配向と、に基づいて作成する2次元ガイド画像作成回路56および3次元ガイド画像作成回路57と、を備えた超音波診断装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波診断装置に関する。
生体内へ超音波を送り、生体組織からの反射波を受けて電気信号に変換し、生体の状態を画像として観察し得るように構成した超音波診断装置は、生体内の様子をリアルタイムで観察することができるために、近年では広く普及している。
このような超音波診断装置の中には、体外から超音波を照射するタイプのものがある一方で、光学観察窓を設けた超音波内視鏡などの、被検者内に挿入する細長で可撓性のある超音波プローブを備えたものもある。後者の超音波診断装置は、超音波プローブを胃、十二指腸に挿入して、膵臓や胆嚢などの胆膵管周囲の体内深部の器官を観察する用途に多く用いられる。
しかし、第1に、これらの器官は消化管に対して深部に存在しており、消化管に露出していないために、光学観察窓からは、これらの器官を直接観察することができない。そして、第2に、術者は、超音波プローブの位置や方向を目視で確認することができない。これらの2点の理由から、術者は、予め生体内の各器官、各組織の既知の解剖学的な位置関係を念頭に置きながら、現在観察している超音波断層像の解剖学上の位置を推定して診断している。
具体的には、術者は、まず、大動脈、下大静脈、上腸間膜動脈、上腸間膜静脈、脾動脈、脾静脈、等の指標になる脈管を観察しながら、超音波断層像の解剖学上の位置を推定する。その後に、術者は、超音波プローブの位置や方向を微妙に操作して超音波走査面を変更することにより、胆膵管周囲の器官を超音波断層像上に描出し、観察する。このような操作が術者により行われるのが通例である。
上述したような操作は熟練を要することから、細長で可撓性のある超音波プローブを設けた超音波診断装置には、超音波断層像の観察位置をリアルタイムで案内する必要性が非常に大きい。このために、これら細長で可撓性のある超音波プローブにより得られた超音波断層像の解剖学的な位置を案内するための分かり易いガイド画像をリアルタイムで表示して、診断を支援するようにした超音波診断装置が、例えば、特開2003−180697号公報、特開2003−175042号公報、特開2004−113629号公報などにおいて提案されている。
これらの内の特開2003−180697号公報に開示された超音波診断装置は、予め取得された連続した複数の超音波断層像に基づき構成したキューブデータから、血流部分を抽出して、血流走行上に走査面の模式図を重ねた状態の3次元画像を構築するものとなってる。この3次元画像はガイド画像であって、このガイド画像はモニタ画面の左側に、超音波断層像はモニタ画面の右側に、それぞれ表示されるようになっている。そして、走査面の模式図は、超音波内視鏡の先端の移動に連動して、3次元画像内を移動する。この動作はリアルタイムに行われる。
また、特開2003−175042号公報に開示された超音波診断装置は、超音波画像を元に関心領域の模式図を生成する模式図生成手段と、超音波内視鏡の先端の位置及び角度により推定される超音波走査面を指示する走査面指示図生成手段と、関心領域の模式図と走査面指示図とを合成する合成手段と、を備えている。この特開2003−175042号公報に開示された超音波診断装置は、予め、3次元の超音波画像データを構成する各2次元データから臓器の輪郭を抽出して、挿入部の向きに応じた臓器断面を生成し、臓器断面の模式図を出力するようになっている。
さらに、特開2004−113629号公報に開示された超音波診断装置は、超音波を送受する部位の位置を検出するための超音波走査位置検出手段と、超音波信号を基に超音波画像を生成する超音波画像生成手段と、超音波走査位置検出手段により得られる位置に対応する被検者の部位の解剖学的な模式図を、人体の模式図データを有する画像情報保持手段から取得して、この模式図をガイド画像として超音波画像と同一の画面に表示させる制御手段と、を備えている。この特開2004−113629号公報に開示された超音波診断装置は、超音波走査前に、実際の被検者上に存在する剣状突起などの解剖学的な特徴点の位置情報を取得して、被検者の部位の解剖学的な画像情報上でこれらに対応する特徴点のアドレスを取得している。そして、これらの超音波診断装置は、特徴点の位置情報とアドレスとを基に被検者と解剖学的な画像情報とを対応付けた後に、被検者の走査位置や走査方向を含んだ走査面の位置情報を基にして走査面のガイド画像を作成するようになっている。
特開2003−180697号公報 特開2003−175042号公報 特開2004−113629号公報
上述したような各超音波診断装置は、術者による超音波走査中には被検者は動くことがなくかつ被検部位が変形しないことを前提にして、走査面の位置情報と被検部位との対応付けを行いガイド画像を作成するものとなっている。しかしながら、被検者には、心拍や、呼吸性移動や、超音波探触子を術者が動かすこと、圧迫すること、による被検部位の変形や移動が生じることが多い。そのために、ガイド画像と、被検者に対する超音波の実際の走査位置や走査方向と、がずれてしまい、ガイド画像によるガイド位置の精度が低下する可能性があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、被検部位の変形や移動が生じても、ガイド画像と被検者の走査位置や走査方向とがずれることのない、高い精度のガイド画像を表示することができる超音波診断装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、第1の発明による超音波診断装置は、生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波断層像作成手段と、参照画像データを保持する参照画像データ保持手段と、前記超音波断層像の解剖学的な位置もしくは配向をガイドするガイド画像を作成するガイド手段と、を具備する超音波診断装置において、前記参照画像データと前記超音波断層像との相関を演算する補正手段をさらに具備し、前記ガイド手段は、前記補正手段の相関結果に基づいて前記ガイド画像を作成するものである。
また、第2の発明による超音波診断装置は、上記第1の発明による超音波診断装置において、前記超音波断層像の位置もしくは配向を算出する算出手段をさらに具備し、前記ガイド手段は、前記補正手段により演算された相関結果と、前記算出手段により算出された前記位置もしくは前記配向と、に基づいて前記ガイド画像を作成するものである。
さらに、第3の発明による超音波診断装置は、生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波断層像作成手段と、参照画像データを保持する参照画像データ保持手段と、前記超音波断層像の解剖学的な位置もしくは配向をガイドするガイド画像を作成するガイド手段と、を具備する超音波診断装置において、前記超音波断層像の位置もしくは配向を算出する算出手段と、前記参照画像データと前記超音波断層像との相関を演算する補正手段と、をさらに具備し、前記ガイド手段は、前記補正手段により演算された相関結果に基づいて補正されたガイド画像を作成するものである。
第4の発明による超音波診断装置は、生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波断層像作成手段と、参照画像データを保持する参照画像データ保持手段と、前記超音波断層像の解剖学的な位置もしくは配向をガイドするガイド画像を作成するガイド手段と、を具備する超音波診断装置において、前記超音波断層像の位置もしくは配向を算出する算出手段と、前記参照画像データと前記超音波断層像との相関を演算する補正手段と、をさらに具備し、前記ガイド手段は、前記補正手段により演算された相関結果に基づいて前記位置もしくは前記配向を補正し、補正された位置もしくは配向に基づいてガイド画像を作成するものである。
第5の発明による超音波診断装置は、上記第2から第4の発明による超音波診断装置において、前記補正手段が、前記算出手段により算出された前記位置もしくは配向から求められる、前記参照画像データ内の相関演算範囲内で、前記相関を演算するものである。
第6の発明による超音波診断装置は、上記第5の発明による超音波診断装置において、前記相関演算範囲を設定するための入力手段をさらに具備したものである。
第7の発明による超音波診断装置は、上記第2から第4の発明による超音波診断装置において、前記相関演算の最小ステップを設定するための入力手段をさらに具備したものである。
第8の発明による超音波診断装置は、上記第2から第7の発明による超音波診断装置において、前記超音波断層像作成手段が、体腔内へ挿入される可撓性のある超音波プローブから得られた超音波信号に基づいて前記超音波断層像を作成するものである。
第9の発明による超音波診断装置は、生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波断層像作成手段と、参照画像データを保持する参照画像データ保持手段と、前記超音波断層像の解剖学的な位置もしくは配向をガイドするガイド画像を作成するガイド手段と、を具備する超音波診断装置において、前記ガイド手段は、前記参照画像データから作成した2次元画像上に超音波断層像を示す超音波断層像マーカを重畳した2次元超音波ガイド画像を作成するものである。
第10の発明による超音波診断装置は、上記第9の発明による超音波診断装置において、前記ガイド手段が、超音波断層像上の特定の方向を示す指標を重畳するものである。
第11の発明による超音波診断装置は、生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波断層像作成手段と、参照画像データを保持する参照画像データ保持手段と、前記超音波断層像の解剖学的な位置もしくは配向をガイドするガイド画像を作成するガイド手段と、を具備する超音波診断装置において、前記ガイド手段は、前記参照画像データから特定部位を抽出して前記超音波断層像の位置と配向とを示す超音波断層像マーカを重畳した3次元ガイド画像を作成する3次元ガイド画像作成手段と、前記参照画像データの内の前記超音波断層像を含む平面に対応したデータに基づいて、2次元ガイド画像を作成する2次元ガイド画像作成手段と、を有して構成されたものであり、当該超音波診断装置は、前記3次元ガイド画像と前記2次元ガイド画像とを同時に表示する表示手段をさらに具備したものである。
[第1の発明、第2の発明、および第8の発明の効果]
この構成によれば、参照画像データと前記超音波断層像との相関を演算する補正手段を設けて、ガイド手段が補正手段の相関結果に基づきガイド画像を作成するようにしたために、被検部位の変形や移動があっても、従来技術に比して、ガイド画像と被検者の走査位置や走査方向とがずれることはなく、ガイド画像を精度良く表示することができる。特に、従来技術に開示されているように、探触子として、体腔内へ挿入される可撓性のある超音波プローブを用いた場合には、術者が超音波プローブ自体を動かすことによって、超音波プローブと常に接触している被検者の幽門や噴門なども一緒に動いてしまい、被検部位が移動、変形してしまう可能性が高い。一般に、内臓、特に消化管は、骨格に固定されている箇所が限られており、伸縮性に富んでいる。このために、被検者の被検部位が動く可能性は、体外から超音波を走査する形態の超音波診断装置よりも高く、この構成が有用である。
[第3の発明および第8の発明の効果]
この構成によれば、超音波断層像の位置もしくは配向を算出する算出手段と、参照画像データと超音波断層像との相関を演算する補正手段と、を設けて、ガイド手段が補正手段により演算された相関結果に基づき補正されたガイド画像を作成するようにしたために、被検部位の変形や移動があっても、従来技術に比して、ガイド画像と被検者の走査位置や走査方向とがずれることはなく、ガイド画像を精度良く表示することができる。特に、従来技術に開示されているように、探触子として、体腔内へ挿入される可撓性のある超音波プローブを用いた場合には、術者が超音波プローブ自体を動かすことによって、超音波プローブと常に接触している被検者の幽門や噴門なども一緒に動いてしまい、被検部位が移動、変形してしまう可能性が高い。一般に、内臓、特に消化管は、骨格に固定されている箇所が限られており、伸縮性に富んでいる。このために、被検者の被検部位が動く可能性は、体外から超音波を走査する形態の超音波診断装置よりも高く、この構成が有用である。
[第4の発明および第8の発明の効果]
この構成によれば、超音波断層像の位置もしくは配向を算出する算出手段と、参照画像データと超音波断層像との相関を演算する補正手段と、を設けて、ガイド手段が補正手段により演算された相関結果に基づき位置もしくは配向を補正し、補正された位置もしくは配向に基づきガイド画像を作成するようにしたために、被検部位の変形や移動があっても、従来技術に比して、ガイド画像と被検者の走査位置や走査方向とがずれることはなく、ガイド画像を精度良く表示することができる。特に、従来技術に開示されているように、探触子として、体腔内へ挿入される可撓性のある超音波プローブを用いた場合には、術者が超音波プローブ自体を動かすことによって、超音波プローブと常に接触している被検者の幽門や噴門なども一緒に動いてしまい、被検部位が移動、変形してしまう可能性が高い。一般に、内臓、特に消化管は、骨格に固定されている箇所が限られており、伸縮性に富んでいる。このために、被検者の被検部位が動く可能性は、体外から超音波を走査する形態の超音波診断装置よりも高く、この構成が有用である。
[第5の発明の効果]
この構成によれば、算出手段により算出された位置もしくは配向から求められる、参照画像データ内の相関演算範囲内で、相関を演算しているために、演算の範囲を限定して、演算処理量を減らすことができる。従って、2次元ガイド画像、3次元ガイド画像を作成、表示する処理を高速化することができる。さらに、相関回路を簡単な回路構成にし、安価にすることができる。
[第6の発明の効果]
この構成によれば、相関演算範囲を設定する入力手段を設けたために、演算の範囲を変化させることにより、演算処理量を任意に可変に変化させることができる。従って、参照画像データと超音波断層像データとの類似度に応じて、2次元ガイド画像、3次元ガイド画像の精度を優先させるか、作成、表示する処理の高速化を優先させるか、を選択することができる。
[第7の発明の効果]
この構成によれば、相関演算の最小ステップを設定する入力手段を設けたために、ステップを変化させることにより、演算処理量を任意に可変に変化させることができる。従って、参照画像データと超音波断層像データとの類似度に応じて、2次元ガイド画像、3次元ガイド画像の精度を優先させるか、作成、表示する処理の高速化を優先させるか、を選択することができる。
[第9の発明および第10の発明の効果]
従来より、2次元の超音波断層像と同じ大きさに相当する2次元ガイド画像を作成する超音波診断装置が提案されているが、被検者の全体像をガイド画像として観察することができず、術者にとっては超音波断層像の解剖学上の解釈を得難かった。
この構成によれば、ガイド手段が、参照画像データから作成した2次元画像上に超音波断層像を示す超音波断層像マーカを重畳した2次元超音波ガイド画像を作成するようにしたために、被検者の全体像に対する超音波断層像の位置や配向の関係が分かり易く、術者にとっては超音波断層像の解剖学上の解釈を得易い。従って、術者の検査時間の短縮、教育期間の短縮につながる効果がある。
[第11の発明の効果]
この構成によれば、ガイド手段が、参照画像データから特定部位を抽出して超音波断層像の位置と配向とを示す超音波断層像マーカを重畳した3次元ガイド画像を作成する3次元ガイド画像作成手段と、参照画像データの内超音波断層像を含む平面に対応したデータを基に2次元ガイド画像を作成する2次元ガイド画像作成手段と、を有して構成され、超音波診断装置が、3次元ガイド画像と2次元ガイド画像とを同時に表示する表示手段をさらに備えた。3次元ガイド画像は超音波断層像が解剖学上のどの位置・配向で撮像されているかを案内し、2次元ガイド画像は超音波断層像の解剖学上の解釈を与える。従って、術者は、立体的な3次元ガイド画像を観察しながら超音波振動子アレイを粗動させて被検部位を画面上に描出し、さらに2次元超音波ガイド画像を観察しながら超音波振動子アレイを微調整させることにより、最も良い位置および配向の断面により被検部位を観察し、超音波断層像上で何がどのように描出されているかを理解することができる。こうして、術者の検査時間の短縮、教育期間の短縮につながる効果がある。
本発明の超音波診断装置によれば、被検部位の変形や移動が生じても、ガイド画像と被検者の走査位置や走査方向とがずれることのない、高い精度のガイド画像を表示することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
図1から図20は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は超音波診断装置の構成を示すブロック図、図2は位置検出プローブの構成を示す図、図3は超音波画像処理装置の構成を示すブロック図、図4は参照画像記憶部に記憶されている参照画像データを概念的に示す図、図5はボクセル空間の構成を示す図、図6は送信アンテナ上に定義された原点および直交座標系等を示す図、図7は超音波画像処理装置、マウス、キーボード、表示装置の作用の全体的な概要を示すフローチャート、図8は図7のステップS1における特徴点指定処理の詳細を示すフローチャート、図9は光学像視野下で位置検出プローブの先端を特徴点に接触させようとする様子を示す図、図10は図7のステップS2におけるガイド画像作成・表示処理の詳細を示すフローチャート、図11は2次元ガイド画像作成回路により作成された2次元ガイド画像データの様子を示す図、図12は3次元ガイド画像作成回路により作成された立体画像データの様子を示す図、図13は3次元ガイド画像作成回路により作成された超音波断層像マーカRの様子を示す図、図14は3次元ガイド画像作成回路により作成された3次元ガイド画像データの様子を示す図、図15は表示装置の表示画面に超音波断層像と2次元ガイド画像と3次元ガイド画像とが並べて表示されている様子を示す図、図16は図10のステップS27における補正処理の詳細の一部を示すフローチャート、図17は図10のステップS27における補正処理の詳細の他の一部を示すフローチャート、図18は補正回路により定義される相関演算範囲の様子を示す図、図19は超音波断層像データを示す図、図20は変形および補間処理もしくは間引き処理後のスライスデータを示す図である。
図1を参照して、超音波診断装置の構成について説明する。
この超音波診断装置は、超音波プローブとしての電子ラジアル走査型の超音波内視鏡1と、光学観察装置2と、超音波断層像作成手段たる超音波観測装置3と、算出手段たる位置配向算出装置4と、送信アンテナ5と、位置検出プローブ6と、超音波画像処理装置7と、入力手段たるマウス8と、入力手段たるキーボード9と、表示手段たる表示装置10と、を含み、これらを信号線を介して電気的に接続して構成されている。
この超音波診断装置の外部には、X線3次元ヘリカルCT(Computer Tomography)装置13と、3次元MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置12と、これらを接続する光通信やADSL等の高速のネットワーク11と、が設けられている。そして、X線3次元ヘリカルCT装置13と3次元MRI装置12とは、ネットワーク11を経由して、この超音波診断装置の超音波画像処理装置7と接続されている。
超音波内視鏡1は、先端側に設けられステンレス等の硬質な材料により形成された硬性部21と、この硬性部21の後端側に連設されており可撓性のある材料により形成された長尺の可撓部22と、この可撓部22の後端側に設けられていて硬質な材料により形成された操作部23と、を含んでいる。この超音波内視鏡1は、前述した構成の内の、硬性部21と、可撓部22の少なくとも一部と、が体腔内に挿入されて用いられる挿入部として機能するようになっている。
硬性部21は、カバーガラスを含んで構成された光学観察窓24と、この光学観察窓24の内部側に配設されたレンズ25と、このレンズ25による結像面の位置に配設されたCCD(Charge Coupled Device)カメラ26と、体腔内に照明光を照射するための図示しない照明光照射窓と、を備えている。CCDカメラ26は、光学観察装置2と信号線27を介して接続されている。
このような構成において、図示しない照明光照射窓から照明光を照射して、体腔内を照明すると、体腔表面の像が光学観察窓24を介してレンズ25によりCCDカメラ26の撮像面に結像される。こうしてCCDカメラ26から出力されるCCD信号は、信号線27を介して、光学観察装置2へ出力される。
硬性部21には、超音波振動子アレイ31が配設されている。この超音波振動子アレイ31は、挿入軸の周囲に、該挿入軸に沿った短冊状をなすように切断された極小の超音波振動子群が、該挿入軸を略中心とする環状に配列されて構成されたものである。この超音波振動子アレイ31を構成する各超音波振動子は、それぞれ信号線32を介して、操作部23を経由し超音波観測装置3と接続されている。
ここで、硬性部21に固定されている正規直交基底(各方向の単位ベクトル)V,V3,V12(なお、肉太文字を用いてベクトルを表記する代わりに、通常の文字を用いている。以下においても同様である。)は、図1に示すように定義されている。後述するように、Vは超音波断層像の法線方向ベクトル、V3は3時方向ベクトル、V12は12時方向ベクトルである。
位置配向算出装置4は、送信アンテナ5および長尺の位置検出プローブ6と、信号線を介してそれぞれ接続されている。
これらの内の位置検出プローブ6について、図2を参照して説明する。図2は、位置検出プローブ6の構成を示す図である。
この位置検出プローブ6は、可撓性のある材料で構成された外筒41を備え、この外筒41内の先端側に受信コイル42が固定されている。また、外筒1の後端側にはコネクタ43が設けられている。そして、外筒41の表面の後端側には、挿入方向の位置を示すために該外筒41の周方向に沿ったマークとなっている鉗子口マーカ44と、周方向の位置を示すための12時方向マーカε45と、が設けられている。
受信コイル42は、図2に示すように、位置検出プローブ6に固定された直交する3つの方向単位ベクトルVa,Vb,Vcをそれぞれ巻線軸の方向とした3個のコイルを、一体に構成したものである。これら3個のコイルは、それぞれ2つの極を備え、各極に1本ずつ(つまり、1個のコイルにそれぞれ2本ずつ)の信号線46が接続されているために、該受信コイル42には、合計6本の信号線46が接続されていることになる。一方、コネクタ43は、図示しない6個の電極を備えている。そして、一端側で受信コイル42に接続されている6本の信号線は、他端側でこれらの6個の電極にそれぞれ接続されている。さらに、コネクタ43に設けられた6個の各電極は、図示しないケーブルを介して、位置配向算出装置4と接続されている。
超音波内視鏡1は、図1に示すように、操作部23から可撓部22を経て硬性部21にかけて設けられた管状の鉗子チャンネル35を備えている。この鉗子チャンネル35は、操作部23に第1の開口としての鉗子口36を、硬性部21に第2の開口としての突出口37を、それぞれ備えている。そして、位置検出プローブ6は、鉗子チャンネル35に対して、鉗子口36から挿通され、突出口37から先端部が突出されるように構成されている。さらに、突出口37は、該突出口37から突出する位置検出プローブ6の先端部が光学観察窓24の光学視野範囲の内に入るように、その開口方向が定められている。
鉗子口マーカ44は、術者が鉗子口36から位置検出プローブ6を挿通する際に、鉗子口マーカ44と鉗子口36の開口面との挿通方向の位置が一致したときに、位置検出プローブ6の先端の位置と突出口37の開口面の位置とが所定の位置関係に一致するような外筒41の表面上の位置に設けられている。このときには、受信コイル42は、超音波振動子アレイ31の環の中心のごく近傍に配置されるように構成されている。超音波振動子アレイ31の環の中心は、後述するラジアル走査による超音波ビームの旋回中心である。
一方、操作部23の鉗子口36の近傍の周囲には、位置検出プローブ6の外筒41の12時方向マーカε45を合わせる位置を示すための、12時方向マーカγ38が設けられている。これら12時方向マーカε45と12時方向マーカγ38とは、術者が鉗子口36から位置検出プローブ6を挿通する際に、これらの12時方向マーカε45と12時方向マーカγ38との位置が一致するまで、図2に示すベクトルVcの周りに位置検出プローブ6を回転させると、図2に示すベクトルVcが図1に示すベクトルVと、図2に示すベクトルVaが図1に示すベクトルV3と、図2に示すベクトルVbが図1に示すベクトルV12と、それぞれ一致するように、設けられたものとなっている。
操作部23の鉗子口36付近には、位置検出プローブ6が、挿入軸方向に動くことがないように、かつ鉗子チャンネル35内で回転することがないように、着脱可能に固定するための図示しない固定治具が、さらに設けられている。
送信アンテナ5は、巻線軸の配向が異なる複数の図示しない送信コイルを、直方体の筐体の中に一体に収納して構成されている。これら複数の送信コイルは、位置配向算出装置4にそれぞれ接続されている。
次に、図3を参照して、超音波画像処理装置7の構成について説明する。
超音波画像処理装置7は、通信回路51と、参照画像データ保持手段たる参照画像記憶部52と、補間回路53と、ボリュームメモリ54と、補正手段たる補正回路55と、ガイド手段であり2次元ガイド画像作成手段たる2次元ガイド画像作成回路56と、ガイド手段であり3次元ガイド画像作成手段たる3次元ガイド画像作成回路57と、混合回路58と、表示回路59と、制御回路60と、を備えている。
通信回路51は、大容量のデータを高速に通信することができる通信モデムを含んで構成されている。そして、この通信回路51は、上述したネットワーク11を経由して、X線3次元ヘリカルCT装置13および3次元MRI装置12と、それぞれ接続されている。
参照画像記憶部52は、大容量のデータを保存することができる例えばハードディスクドライブ等のデバイスを含んで構成されている。この参照画像記憶部52は、解剖学的な画像情報として、複数の参照画像データを記憶している。ここに、参照画像データは、図4に示すように、ネットワーク11経由で得られた被検者の断層像のデータである。本実施形態においては、以下、参照画像データを、被検者の体軸(頭から足に抜ける軸)に沿って0.5mm〜数mmピッチでX線3次元ヘリカルCT装置13により得られた、前記体軸に垂直な一辺数十cmの正方形の断層像のデータとする。
また、図4に示した参照画像記憶部52内の参照画像データには、説明の都合上、1番からN(Nは1以上の整数)番までの番号が付されている。ここで、複数の参照画像データに対して固定した直交座標軸O’-x'y'z'とその正規直交基底(各軸方向の単位ベクトル)i’,j’,k’とを、図4に示すように定義する。すなわち、まず原点O’は、1番の参照画像データの左下角に定義する。そして、この原点O’を基点として、画像の横方向をx’軸、画像の縦方向をy’軸、画像の厚み方向(体軸に沿った方向)をz’軸とし、各軸方向の単位長さのベクトルを正規直交基底i’,j’,k’として定義する。
補間回路53は、参照画像記憶部52から読み出した参照画像データを後述するボリュームメモリ54のボクセル空間へ埋めて行き、空いているボクセルがある場合には、補間を行って埋めて行くものである。
ボリュームメモリ54は、大容量のデータを格納することができるように構成されたメモリである。このボリュームメモリ54が備える記憶領域の少なくとも一部には、ボクセル空間が割り当てられている。このボクセル空間は、図5に示すように、参照画像データに設定した直交座標軸O’-x'y'z'に対応するアドレスを有するメモリセル(以下、ボクセル)から構成されている。
補正回路55は、位置・配向データを補正する処理を行うものであり、相関回路61を備えて構成されている。この相関回路61は、相互相関演算を高速に行う大規模集積回路で構成されている。
2次元ガイド画像作成回路56は、ボクセルデータから超音波断層像の解剖学上の解釈を与える平面的な2次元ガイド画像データを作成するものである。2次元ガイド画像データの詳細については後述する。
3次元ガイド画像作成回路57は、ボクセルデータから超音波断層像が解剖学上のどの位置・配向で撮像されているかを案内する立体的な3次元ガイド画像データを作成するものである。3次元ガイド画像データの詳細については後述する。
混合回路58は、超音波観測装置3からの超音波断層像データと、2次元ガイド画像作成回路56からの2次元ガイド画像データと、3次元ガイド画像作成回路57からの3次元ガイド画像データと、を並べて、表示用の混合データを作成するものである。
表示回路59は、入力先を切り替えるためのスイッチ62を含んで構成されている。このスイッチ62は、入力端子α62aと、入力端子β62bと、出力端子62cと、を備えている。入力端子α62aは、光学観察装置2の図示しない出力端子と接続されている。また、入力端子β62bは、混合回路58の出力側に接続されている。そして、出力端子62cは、表示装置10の入力側に接続されている。
制御回路60は、この超音波画像処理装置7内の各部、回路と図示しない信号線を介して接続されていて、これらから情報を取得するとともに、これらへ指令を出力して制御するものとなっている。また、この制御回路60は、この超音波画像処理装置7に接続されている超音波観測装置3、マウス8、およびキーボード9と、制御線を介して直接接続されており、マウス8およびキーボード9から情報を取得するとともに、超音波観測装置3を制御するようになっている。
キーボード9は、図1に示すように、表示切換キーα9aと、表示切換キーβ9bと、特徴点指定キー9cと、走査制御キー9dと、を備えている。制御回路60は、表示切換キーα9aが押されると、スイッチ62を入力端子α62aへ切り換えるように、表示回路59へ指令を出力するようになっている。一方、制御回路60は、表示切換キーβ9bが押されると、スイッチ62を入力端子β62bへ切り換えるように、表示回路59へ指令を出力するようになっている。また、特徴点指定キー9cは、後述するように、特徴点を指定する際に操作するキー、走査制御キー9dは、ラジアル走査のオン/オフを操作するためのキーとなっている。
次に、このような超音波診断装置の作用について説明する。
なお、図1および図3においては、
第1:点線が光学像に係る信号・データの流れ、
第2:破線が超音波断層像に係る信号・データの流れ、
第3:実線が位置に係る信号・データの流れ、
第4:一点鎖線が参照画像データや参照画像データを加工して作成されたデータの流れ、
第5:太線が超音波断層像データ(後述)と、2次元ガイド画像データ(後述)と、3次元ガイド画像データ(後述)と、を合成した最終的な表示画面に係る信号・データの流れ、
第6:曲線がそれ以外の制御に係る信号・データの流れ、
をそれぞれ示している。
まず、第1の、光学像に係る信号・データの流れに沿って、本実施形態の超音波診断装置の作用を説明する。
硬性部21の図示しない照明光照射窓を介して、照明光を光学視野範囲へ照射する。そして、CCDカメラ26が、光学視野範囲の物体を撮像して、CCD信号を光学観察装置2へ出力する。光学観察装置2は、入力されたCCD信号を基にして、光学視野範囲の画像のデータを作成し、このデータを光学像データとして超音波画像処理装置7内の表示回路59のスイッチ62の入力端子α62aへ出力する。
次に、第2の、超音波断層像に係る信号・データの流れに沿って、本実施形態の超音波診断装置の作用を説明する。
術者が走査制御キー9dを押すと、制御回路60は、後述するラジアル走査のオン/オフ制御を指令するための走査制御信号を、超音波観測装置3へ出力する。超音波観測装置3は、制御回路60から走査制御信号を受けると、超音波振動子アレイ31を構成する超音波振動子の内の、一部かつ複数の超音波振動子を選択して、選択した超音波振動子にのみパルス電圧状の励起信号を送信する。この一部かつ複数の超音波振動子は、励起信号を受け取って、媒体の疎密波である超音波に変換する。
このときに、超音波観測装置3は、励起信号がそれぞれの超音波振動子に到着する時刻が異なるように、各励起信号に遅延をかけている。より具体的には、この遅延は、各超音波振動子が励起する超音波が被検者内で重ね合わせられたときに、一本の超音波ビームを形成するようにかけられる。このように発生された超音波ビームは、超音波内視鏡1の外部へ照射され、被検者内からの反射波が超音波ビームとは逆の経路を辿って各超音波振動子へ戻る。各超音波振動子は、この反射波を電気的な超音波信号に変換して、上述した励起信号とは逆の経路により超音波観測装置3へ伝達する。
次に、超音波観測装置3は、超音波ビームが、超音波振動子アレイ31の環の中心を含み、硬性部21および可撓部22に垂直な平面(以下、ラジアル走査面)内で旋回するように、超音波ビームの形成に関与する複数の超音波振動子を選択し直して、選択した超音波振動子へ励起信号を再び送信する。このようにして超音波ビームの送波角度が変化して行く。このような処理を反復的に繰り返すことにより、いわゆるラジアル走査が実現される。
この際に、超音波観測装置3は、超音波振動子が反射波から変換した超音波信号から、超音波振動子アレイ31の1回のラジアル走査に対して、硬性部21および可撓部22の挿入軸に垂直な1枚のデジタル化した超音波断層像データを作成し、超音波画像処理装置7の混合回路58と補正回路55とへ出力する。このとき、超音波観測装置3は、超音波断層像データを正方形に加工して作成する処理も行う。
このように本実施形態においては、超音波観測装置3が超音波ビームの形成に関与する複数の超音波振動子を選択し直して、再び励起信号を送信することにより、正方形の超音波断層像の例えば12時方向は、超音波観測装置3が12時方向としてどの超音波振動子を選択して励起信号を送信するかに応じて決定されるようになっている。こうして、超音波断層像の法線方向ベクトルV、3時方向ベクトルV3、12時方向ベクトルV12が定義される。
続いて、第3の、位置に係る信号・データの流れに沿って、本実施形態の超音波診断装置の作用を説明する。
位置配向算出装置4は、送信アンテナ5の図示しない送信コイルを励磁する。これにより、送信アンテナ5は、空間に交番磁場を張る。
受信コイル42を構成する巻線軸の異なる3個のコイルは、この交番磁場を検出して、交番磁場を位置電気信号に変換し位置配向算出装置4へ出力する。
位置配向算出装置4は、入力される各位置電気信号を基にして、受信コイル42の巻線軸が直交する3個のコイルの位置と巻線軸の方向とを算出し、これらの算出値から、受信コイル42の位置と配向とを算出する。そして、位置配向算出装置4は、算出した受信コイル42の位置と配向とを、位置・配向データとして、超音波画像処理装置7の補正回路55へ出力する。
ここで、本実施形態においては、原点Oを送信アンテナ5上に定義して、術者が被検者を検査する実際の空間上に、直交座標軸O-xyzと、その正規直交基底(各軸方向の単位ベクトル)i,j,kと、を図6に示すように定義する。なお、図6は、術者が、鉗子口マーカ44と鉗子口36の開口面との位置が一致するまで位置検出プローブ6を鉗子口36へ挿通させ、図2のベクトルVcを中心に、12時方向マーカε45と12時方向マーカγとの位置が一致するまで位置検出プローブ6を回転させたときの、送信アンテナ5と超音波断層像との相対的な位置関係を示している。
このとき、受信コイル42は、超音波振動子アレイ31の環の中心のごく近傍に配置されるために、O”はラジアル走査の中心に一致する。また、Vcは法線方向ベクトルVに、Vaは3時方向ベクトルV3に、Vbは12時方向ベクトルV12に、それぞれ一致する。このとき、位置・配向データを、以下に説明するような(x,y,z)と(ψ,θ,φ)とにより定義する。
まず、(x,y,z)は、直交座標軸O-xyzにおける受信コイル42の位置O”の位置ベクトルOO”の各方向成分である。
次に、(ψ,θ,φ)は、直交座標軸O-xyzに対する受信コイル42の配向を示すオイラー角の各角度成分である。
ここに、オイラー角とは、図6に示すような直交座標軸O-xyzに、z軸の周りの回転、y軸の周りの回転、再びz軸の周りの回転、をこの順に加えて、以下の数式1に示す通りに各軸が一致するような角度である。ここに、φは最初のz軸の周りの回転角度、θはy軸の周りの回転角度、ψは再びのz軸の周りの回転角度である。また、図6に示すHは、O”からxy平面へ下ろした垂線とxy平面との交点である。
[数1]
回転後のi=Va(=V3:図6の場合)
回転後のj=Vb(=V12:図6の場合)
回転後のk=Vc(=V:図6の場合)
なお、この数式1において、i,j,k,Va,Vb,Vc,V3,V12,Vはそれぞれベクトルであるが、上述したように、肉太文字に代えて、通常の文字を用いている。
補正回路55は、ボリュームメモリ54内のボクセル空間から断面(以下、スライスデータ)を切り出す。そして、補正回路55の相関回路61が、スライスデータと超音波断層像との相関演算を実施する。その後、補正回路55は、相関回路61による相関演算の結果に基づいて、位置・配向データを補正する補正処理を行う。なお、この補正処理の詳細については後述する。
第4の、参照画像データや参照画像データを加工して作成されたデータの流れに沿って、本実施形態の超音波診断装置の作用を説明する。
術者は、事前に、X線3次元ヘリカルCT装置13や3次元MRI装置12を用いて、被検者の腹部全体に渡る参照画像データを取得しておく。
その後、この超音波診断装置を用いて被検者を検査する際に、術者は、キーボード9の所定のキーを押すか、または表示装置10の画面上のメニューをマウス8で選択することにより、参照画像データの取得を指示する。このとき同時に、術者は、入手先の外部機器をどの機器にするかも指示する。この指示を受けて、制御回路60は、通信回路51に、参照画像データの取り込みとその入手先とを指令する。
入手先が、例えばX線3次元ヘリカルCT装置13であった場合には、通信回路51は、ネットワーク11から複数枚の2次元CT画像を取り込み、参照画像記憶部52へ参照画像データとして記憶させる。X線3次元ヘリカルCT装置13で撮像する際には、予めX線造影剤を被検者の静脈から注入して、大動脈、上腸間膜静脈等の血管や、血管を多く含む器官などが、2次元CT画像上において高輝度で表示されるようにし、周囲の組織とは輝度差が付き易いようにしておく。
一方、入手先が、例えば3次元MRI装置12であった場合には、通信回路51は、ネットワーク11から複数枚の2次元MRI画像を取り込み、参照画像記憶部52へ参照画像データとして記憶させる。3次元MRI装置12で撮像する際には、予め核磁気共鳴の感度の高いMRI用造影剤を被検者の静脈から注入して、大動脈、上腸間膜静脈等の血管や、血管を多く含む器官などが、2次元MRI画像上において高輝度で表示されるようにし、周囲の組織とは輝度差が付き易いようにしておく。
以下の作用は、術者が入手先としてX線3次元ヘリカルCT装置13を選択した場合と3次元MRI装置12を選択した場合とで同様となるために、入手先としてX線3次元ヘリカルCT装置13を選択し、通信回路51が複数枚の2次元CT画像を参照画像データとして取り込んだ場合についてのみ、作用を説明する。
図4を参照して、参照画像記憶部52に記憶されている参照画像データについて説明する。
参照画像は、X線造影剤の作用により、大動脈や上腸間膜静脈等の血管が高輝度に、膵臓等の末梢血管を多く含む器官が中輝度に、十二指腸等が低輝度に、それぞれ造影された画像となっている。
補間回路53は、参照画像記憶部52から、1番〜N番までの全ての参照画像データを読み出す。次に、補間回路53は、読み出した参照画像データを、図5に示すようなボリュームメモリ54のボクセル空間へ埋めて行く。この埋めて行く処理は、具体的には、参照画像データの各画素の輝度を、画素に対応するアドレスを有するボクセルへ出力して行くことにより行う。続いて、補間回路53は、空いているボクセルが存在する場合には、空いているボクセルのアドレスに対応する画素に隣接する参照画像データの画素の輝度値を基に、補間処理を行い、補間処理により算出された輝度値を空いているボクセルに埋めて行く。このような処理を、空いているボクセルの全てに対して行うことにより、ボクセル空間内の全てのボクセルが、参照画像データを基にしたデータ(以下、ボクセルデータ)により満たされる。
その後、補正回路55は、ボリュームメモリ54からスライスデータを適宜読み出す。この補正回路55の作用は、後で詳細に説明する通りである。
3次元ガイド画像作成回路57は、ボクセルデータから超音波断層像が解剖学上のどの位置・配向で撮像されているかを案内する立体的な3次元ガイド画像データを作成する。そして、3次元ガイド画像作成回路57は、作成した3次元ガイド画像データを、混合回路58へ出力する。この3次元ガイド画像作成回路57の作用の詳細についても、後述する。
2次元ガイド画像作成回路56は、ボクセルデータから超音波断層像の解剖学上の解釈を与える平面的な2次元ガイド画像データを作成する。そして、2次元ガイド画像作成回路56は、作成した2次元ガイド画像データを、混合回路58へ出力する。この2次元ガイド画像作成回路56の作用の詳細についても、後述する。
次に、第5の、超音波断層像データと、2次元ガイド画像データと、3次元ガイド画像データと、を合成した最終的な表示画面に係る信号・データの流れに沿って、本実施形態の超音波診断装置の作用を説明する。
混合回路58は、超音波観測装置3からの超音波断層像データと、2次元ガイド画像作成回路56からの2次元ガイド画像データと、3次元ガイド画像作成回路57からの3次元ガイド画像データと、を並べて表示用の混合データを作成する。
表示回路59は、この混合データをアナログビデオ信号に変換する。
表示装置10は、このアナログビデオ信号を基に、例えば図15に示すように、表示画面10aに、超音波断層像77Aと2次元ガイド画像71Aと3次元ガイド画像76Aとを並べて表示する。
続いて、第6の、制御に係る信号・データの流れに沿って、本実施形態の超音波診断装置の作用を説明する。
超音波画像処理装置7内の通信回路51と、参照画像記憶部52と、補間回路53と、ボリュームメモリ54と、補正回路55と、2次元ガイド画像作成回路56と、3次元ガイド画像作成回路57と、混合回路58と、表示回路59とは、制御回路60からの指令により制御される。この制御の詳細については、超音波画像処理装置7の詳細な作用とともに後述する。
図7を参照して、本実施形態の超音波画像処理装置7、マウス8、キーボード9、表示装置10の作用の全体について説明する。
この処理を開始すると、まず、特徴点指定処理を行い(ステップS1)、その後に、ガイド画像作成・表示処理を行って(ステップS2)、終了する。これらの各ステップの処理の詳細は、以下に説明するようになっている。
まず、図7のステップS1における特徴点指定処理は、次のようになっている。
なお、本実施形態においては、特徴点として、被検者の体腔表面上の4点、例えば、噴門(食道と胃の境界)と、幽門(胃と十二指腸の境界)と、十二指腸乳頭(総胆管の十二指腸への開口部)と、下十二指腸角(十二指腸下降脚が横に折れて十二指腸横行脚へ変化する箇所)と、を指定する処理を例に挙げて説明する。
術者は、予め、ボクセルデータ上で4特徴点に対応する各ボクセル、噴門P0’、幽門P1’、十二指腸乳頭P2’、下十二指腸角P3’を指定しておく。
補正回路55は、制御回路60の指令により、このボクセルのアドレスの直交座標軸O’-x'y'z'における各方向成分を記憶しておく。
以下では、図8を参照して、被検者の実際の噴門P0、幽門P1、十二指腸乳頭P2、下十二指腸角P3の位置・配向データを取得する手段について説明する。
まず、術者は、表示切換キーα9aを押す(ステップS11)。これに応じて、制御回路60は、表示回路59に指令を出力し、表示回路59のスイッチ62が、指令によって入力端子α62aに切り換わる。
次に、表示回路59が、光学観察装置2からの光学像データをアナログビデオ信号に変換して、光学像を表示装置10に出力する。これにより、表示装置10は、光学像を表示する(ステップS12)。
続いて、術者が、被検者を、左側を臥せた体位、所謂、左側臥位にする。その後、術者は、硬性部21と可撓部22とを被検者の体腔へ挿入して、光学像を観察しながら硬性部21を動かして特徴点を探す。術者は、特徴点が見つかった後に、硬性部21を特徴点近傍へ移動する(ステップS13)。
さらに、術者は、表示装置10を介して光学像を観察しながら、位置検出プローブ6を鉗子口36から挿入して、突出口37から突出させる。そして、術者は、光学像視野下において、位置検出プローブ6の先端を特徴点に接触させる(ステップS14)。
このときの様子は、例えば図9に示すようになる。この図9においては、表示装置10の表示画面10aに光学像が表示されている。そして、この図9に示す光学像には、特徴点の例としての十二指腸乳頭P2が表示されるとともに、この十二指腸乳頭P2に先端が接触しようとしている位置検出プローブ6が表示されている。
その後、術者は、キーボード9の特徴点指定キー9cを押す(ステップS15)。
すると、制御回路60が、補正回路55に指令を出し、補正回路55は、指令に応じて位置配向算出装置4から位置・配向データを取り込んで記憶する(ステップS16)。
続いて、制御回路60は、4特徴点が指定され、4特徴点の位置・配向データが取得されているか否かを判定する(ステップS17)。
ここで、4特徴点の指定と位置・配向データの取得とが完了していない場合には、ステップS13へ戻って、上述したような処理を繰り返して行う。
一方、ステップS17において、4特徴点の指定と位置・配向データの取得とが完了していると判定された場合には、制御回路60が補正回路55へ指令を出力して、補正回路55は、この指令に応じて位置・配向データの取り込みを中止する。
その後、この図8に示す処理から、図7に示す処理へ復帰する。
次に、図10を参照して、図7のステップS2におけるガイド画像作成・表示処理について説明する。
まず、術者は、位置検出プローブ6の鉗子口マーカ44と鉗子口36の開口面との位置を一致させる。次に、術者は、位置検出プローブ6の12時方向マーカε45と操作部23の鉗子口36周囲に設けられた12時方向マーカγ38との位置が一致するまで位置検出プローブ6を回転させる。このとき、位置検出プローブ6の先端の位置と突出口37の開口面の位置とが一致して、受信コイル42が超音波振動子アレイ31の環の中心のごく近傍に配置されることになるために、受信コイル42の位置O”はラジアル走査の中心にほぼ一致する。また、図2に示したベクトルVcが図1に示したベクトルVと、図2に示したベクトルVaが図1に示したベクトルV3と、図2に示したベクトルVbが図1に示したベクトルV12と、それぞれ一致する。その後、術者は、位置検出プローブ6が鉗子チャンネル35内で動くことがないように固定する(ステップS21)。
次に、術者は、表示切換キーβ9bを押す。これに応じて、制御回路60が、表示回路59に指令を出し、表示回路59のスイッチ62が、指令を受けて入力端子β62bに切り換わる(ステップS22)。
続いて、術者は、走査制御キー9dを押す(ステップS23)。
すると、制御回路60が、走査制御信号を超音波観測装置3へ出力し、超音波振動子アレイ31が、ラジアル走査を開始する(ステップS24)。
また、制御回路60は、混合回路58に指令を出す。混合回路58は、この指令を受けて、超音波観測装置3からのラジアル走査に応じて入力される超音波断層像データを逐次取り込む(ステップS25)。
さらに、制御回路60は、補正回路55に指令を出す。補正回路55は、この指令を受けて、位置配向算出装置4から位置・配向データを取り込んで記憶する(ステップS26)。この取り込みは瞬時に行われる。従って、補正回路55は、ステップS25において混合回路58が超音波断層像データを取り込んだ瞬間の、以下のような2種類のデータを取り込むことになる。
1.(x,y,z):直交座標軸O-xyzにおけるラジアル走査の中心すなわち超音波断層像の中心O”の各方向成分
2.(ψ,θ,φ):直交座標軸O-xyzに対する超音波断層像の配向を示すオイラー角の各角度成分
続いて、補正回路55は、超音波断層像データとボクセルデータとの相対的な位置と配向とを算出して、さらに補正処理を施す(ステップS27)。この補正処理については、後で図16および図17を参照して詳細に説明するが、その概要は、以下のようになっている。
補正回路55は、ステップS1において説明したように、4特徴点、つまり、噴門、幽門、十二指腸乳頭、下十二指腸角に対する、以下のような第1の各方向成分と第2の各方向成分とを記憶している。
第1の各方向成分:ボクセルデータ上の各ボクセル、噴門P0’、幽門P1’、十二指腸乳頭P2’、下十二指腸角P3’のアドレスの直交座標軸O’-x'y'z'における各方向成分。
第2の各方向成分:位置・配向データとして得られた被検者の実際の噴門P0、幽門P1、十二指腸乳頭P2、下十二指腸角P3の直交座標軸O-xyzにおける各方向成分。
また、補正回路55は、ステップS26において説明したように、以下のような第3の各方向成分と第4の各角度成分とを取り込んでいる。
第3の各方向成分:直交座標軸O-xyzにおける超音波断層像の中心O”の各方向成分である(x,y,z)。
第4の各角度成分:直交座標軸O-xyzに対する超音波断層像の配向を示すオイラー角の各角度成分である(ψ,θ,φ)。
従来技術では、一般に、上述した第1の4特徴点の各方向成分と第2の4特徴点の各方向成分とを照合して、第3の各方向成分と第4の各角度成分とを基に、超音波断層像データ上の各画素が、ボクセルデータ上のどのボクセルに対応するかを算出する。すなわち、補正回路55は、超音波断層像データとボクセルデータとの相対的な位置と配向とを算出することになる。ただし、このままでは、術者による超音波走査中には被検者が動くことなく変形しないことを前提にして算出したことになる。
そこで、本実施形態では、補正回路55が、直交座標軸O-xyzにおける超音波断層像の中心O”の各方向成分(x,y,z)と、直交座標軸O-xyzに対する超音波断層像の配向を示すオイラー角の各角度成分(ψ,θ,φ)とに補正処理を施して、補正されたO”の各方向成分(xcor,ycor,zcor)とオイラー角の各角度成分(ψcor,θcor,φcor)とを算出する。このような補正処理の詳細については、後で詳しく説明する。
補正回路55は、算出した(xcor,ycor,zcor)と(ψcor,θcor,φcor)とを、補正された位置・配向データとして、2次元ガイド画像作成回路56と3次元ガイド画像作成回路57とへそれぞれ出力する。
次に、2次元ガイド画像作成回路56が、2次元ガイド画像データを作成する(ステップS28)。この処理は、以下のようにして行われる。
2次元ガイド画像作成回路56は、ステップS27において説明した第1の4特徴点の各方向成分と第2の4特徴点の各方向成分とを照合して、(xcor,ycor,zcor)と(ψcor,θcor,φcor)とに基づき、超音波断層像データ上の各画素が、ボクセルデータ上のどのボクセルに対応するかを算出する。
次に、2次元ガイド画像作成回路56は、ボリュームメモリ54のボクセルデータから、超音波断層像データを含む平面上において、超音波断層像データを含み、かつ超音波断層像データよりも広い範囲に相当するボクセルを取り込む。
続いて、2次元ガイド画像作成回路56は、抽出したボクセルの中の、高輝度(血管:大動脈、上腸間膜静脈)のボクセルと中輝度(膵臓)のボクセルとを、それぞれの輝度値に応じた数種のレベルに分類して着色する。
さらに、2次元ガイド画像作成回路56は、抽出し着色したボクセルに超音波断層像の範囲を示す超音波断層像マーカQ72を重畳して、図11に示すような2次元ガイド画像データ71を作成する。
その後、2次元ガイド画像作成回路56は、作成した2次元ガイド画像データを混合回路58へ出力する。
続いて、3次元ガイド画像作成回路57が、3次元ガイド画像データを作成する(ステップS29)。この処理は、以下のようにして行われる。
3次元ガイド画像作成回路57は、ボリュームメモリ54のボクセルデータから、高輝度(血管:大動脈、上腸間膜静脈)および中輝度(膵臓)のボクセルデータ上のボクセルを、それぞれの輝度値に分類して抽出し、輝度レベル別に分類して着色し、図12に示すような立体画像データ73を作成する。この図12に示す例においては、血管が赤、膵臓が緑に着色されている。
次に、3次元ガイド画像作成回路57は、ステップS27において説明した第1の4特徴点の各方向成分と第2の4特徴点の各方向成分とを照合して、(xcor,ycor,zcor)と(ψcor,θcor,φcor)とに基づき、超音波断層像の中心O”と、3時方向ベクトルV3と、12時ベクトルV12と、の直交座標軸O’-x'y'z'における各方向成分を算出する。すなわち、3次元ガイド画像作成回路57は、超音波断層像の中心O”、3時方向ベクトルV3、12時ベクトルV12、の各々と、ボクセルデータと、の相対的な位置と配向との関係を算出することになる。
続いて、3次元ガイド画像作成回路57は、超音波断層像上の特定の方向を示す指標たる12時方向マーカξ75を付した平行四辺形の超音波断層像マーカR74(図13参照)を作成する。
さらに、3次元ガイド画像作成回路57は、図12に示したような立体画像データ73と、図13に示したような超音波断層像マーカR74と、を合成する。
そして、3次元ガイド画像作成回路57は、合成したデータに、陰面消去、陰影付加、視線変換に伴う座標変換等の公知の3次元画像処理を施し、図14に示すような3次元ガイド画像データ76を作成する。
その後、3次元ガイド画像データ作成回路は、作成した3次元ガイド画像データを混合回路58へ出力する。
次に、超音波断層像、2次元ガイド画像、3次元ガイド画像の表示を行う(ステップS30)。この表示は、以下のようにして行われる。
混合回路58は、超音波観測装置3から入力される超音波断層像データと、2次元ガイド画像作成回路56から入力される2次元ガイド画像データと、3次元ガイド画像作成回路57から入力される3次元ガイド画像データと、を並べて、混合データとして表示回路59へ出力する。
表示回路59は、混合データをアナログビデオ信号に変換して、表示装置10に出力する。
表示装置10は、図15に示すように、超音波断層像77Aと、2次元ガイド画像71Aと、3次元ガイド画像76Aとを、表示画面10aに並べて表示する。これらの内の2次元ガイド画像71Aと3次元ガイド画像76Aとの上で表現される各器官は、元々の参照画像データ上の輝度値に応じた色で器官別に色分けされることになる。なお、この図15に示す例においては、膵臓が緑、大動脈および上腸間膜静脈が赤にそれぞれ表示されている。
上述したようなステップS25〜S30の処理を行っている間、制御回路60は、術者が再び走査制御キー9dを押すか否かを確認している(ステップS31)。
ここで、術者が再び走査制御キー9dを押してはいないと判定された場合には、ステップS25へジャンプする。このようにして、ステップS25〜S30で述べたような処理を繰り返して行うことにより、超音波振動子アレイ31が1回のラジアル走査をして超音波観測装置3が超音波断層像データを作成し、この超音波断層像データが超音波観測装置3から混合回路58に入力する毎に、新たな2次元ガイド画像71Aと新たな3次元ガイド画像76Aとが作成され、新たな超音波断層像77Aとともに表示装置10の表示画面10aにリアルタイムに更新されつつ表示される。すなわち、術者による可撓部22、硬性部21の用手的な操作に伴うラジアル走査面の移動とともに、2次元ガイド画像71Aと超音波断層像マーカQ72とが変化し、さらに、超音波断層像マーカR74が立体画像データ73上を移動して行くことになる。この移動を、図15のブロック矢印で示す。
また、ステップS31において、術者が再び走査制御キー9dを押していたと判定された場合には、制御回路60は、上述したような処理を終了させて、ラジアル走査の制御オフを指令するための走査制御信号を超音波観測装置3へ出力する。これにより、超音波振動子アレイ31は、ラジアル走査を終了する。
続いて、図16および図17を参照して、図10のステップS27における補正回路55の補正処理の詳細を説明する。なお、図16および図17は、元来は一つの図面であるが、紙面の都合上、2つの図に分割したものである。
この処理を開始すると、補正回路55は、実際の空間内に相関演算範囲を定義する(ステップS41)。この処理は、具体的には、以下のようにして行われる。
補正回路55は、既に上述したステップS26において、直交座標軸O-xyzにおける超音波断層像の中心O”の各方向成分(x,y,z)と、直交座標軸O-xyzに対する超音波断層像の配向を示すオイラー角の各角度成分(ψ,θ,φ)と、を取り込んでいる。
このときの相関演算範囲81は、図18に示すように定義される。
まず、相関演算範囲81は、例えば立方体形状をなし、その一辺の長さは、超音波断層像データ(上述したように、正方形をなす)の一辺の半分の長さをLとして、2Lのn倍、すなわち2nLである。ここに、nは任意の正の整数であり、術者がキーボード9やマウス8などを用いて、予め入力しておくようになっている。そして、この相関演算範囲81の中心は、超音波断層像の中心O”となっている。さらに、相関演算範囲81の配向は、各辺が直交座標軸O-xyzの各軸と平行になる方向となっている。
補正回路55は、ボクセル空間の直交座標軸O’-x'y'z'上の、x’軸に変数Xを、y’軸に変数Yを、z’軸に変数Zを、それぞれ用意し、さらにオイラー角ψに変数Ψを、オイラー角θに変数Θを、オイラー角φに変数Φを、それぞれ用意する。
次に、補正回路55は、これら(x,y,z)と(ψ,θ,φ)との取り込んだ値を基に、変数X,変数Y,変数Z,変数Ψ,変数Θ,変数Φの各々の、下限minX,minY,minZ,minΨ,minΘ,minΦと、上限maxX,maxY,maxZ,maxΨ,maxΘ,maxΦと、変化範囲と、を以下の数式2に示すようにそれぞれ定義する。
[数2]
minX=x−(n−1)L, maxX=x+(n−1)L, minX<X<maxX
minY=y−(n−1)L, maxY=y+(n−1)L, minY<Y<maxY
minZ=z−(n−1)L, maxZ=z+(n−1)L, minZ<Z<maxZ
minΨ=ψ−π, maxΨ=ψ+π, minΨ<Ψ<maxΨ
minΘ=θ−π, maxΘ=θ+π, minΘ<Θ<maxΘ
minΦ=φ−π, maxΦ=φ+π, minΦ<Φ<maxΦ
続いて、補正回路55は、変数XにminXを、変数YにminYを、変数ZにminZを、変数ΨにminΨを、変数ΘにminΘを、変数ΦにminΦを、それぞれの変数の初期値として代入する(ステップS42)。
さらに、補正回路55は、超音波断層像データとボクセルデータとの相対的な位置と配向とを算出する(ステップS43)。この処理は、以下のようにして行われる。
補正回路55は、直交座標軸O-xyzにおける超音波断層像の中心O”の各方向成分を改めて(X,Y,Z)とみなすとともに、直交座標軸O-xyzに対する超音波断層像の配向を示すオイラー角の各角度成分を改めて(Ψ,Θ,Φ)とみなす。
次に、補正回路55は、以下のような第1の4特徴点の各方向成分と第2の4特徴点の各方向成分とを照合して、これらの(X,Y,Z)と(Ψ,Θ,Φ)とを基に、超音波断層像データ上の各画素が、ボクセルデータ上のどのボクセルに対応するかを算出する。
第1の4特徴点の各方向成分:ボクセルデータ上の各ボクセル、噴門P0’、幽門P1’、十二指腸乳頭P2’、下十二指腸角P3’のアドレスの直交座標軸O’-x'y'z'における各方向成分。
第2の4特徴点の各方向成分:位置・配向データとして得られた被検者の実際の噴門P0、幽門P1、十二指腸乳頭P2、下十二指腸角P3の直交座標軸O-xyzにおける各方向成分。
このようにして、補正回路55は、超音波断層像の中心O”の各方向成分を(X,Y,Z)、超音波断層像の配向を示すオイラー角の各角度成分を(Ψ,Θ,Φ)とした場合の、超音波断層像データとボクセルデータとの相対的な位置と配向とをステップS43において算出することになる。
次に、補正回路55は、ボリュームメモリ54のボクセルデータから、超音波断層像データ上の各画素が対応するボクセルを取り込む。以下では、スライスデータをこのボクセルの集合により定義する(ステップS44)。
続いて、補正回路55は、スライスデータが超音波断層像と同様に正方形になるように、変形を加える。さらに、補正回路55は、超音波断層像データとスライスデータとが同じ縮尺かつ同じ画素数になるように、スライスデータに補間処理もしくは間引き処理を施す(ステップS45)。このときの、超音波断層像データ77を図19に、変形および、補間処理もしくは間引き処理後のスライスデータ78を図20に、それぞれ示している。図19においては、超音波断層像データ77上の画素の輝度値をUS(a,b)と表現し、図20においては、スライスデータ78上の画素の輝度値をSLICE(a,b)と表現している。ここに、aは横方向のアドレス、bは縦方向のアドレスであり、アドレスの原点をデータの中心に定義している。
補正回路55内の相関回路61は、相互相関演算を行って、次の数式3に示すような、US(a,b)とSLICE(a,b)との積の、横方向アドレスaと縦方向アドレスbとに関する和により演算される相互相関値cor(X,Y,Z,Ψ,Θ,Φ)を高速に算出する(ステップS46)。
[数3]
cor(X,Y,Z,Ψ,Θ,Φ)=ΣaΣb US(a,b)×SLICE(a,b)
ここに、相互相関値cor(X,Y,Z,Ψ,Θ,Φ)は、(X,Y,Z)と(Ψ,Θ,Φ)とを変数とする関数である。
この数式3に示したようなΣaとΣbとにより表現される加算は、超音波断層像データ77上の全ての画素とスライスデータ78上の全ての画素とに対して行われる。
そして、補正回路55は、相関回路61により算出されたcor(X,Y,Z,Ψ,Θ,Φ)と、このときのX,Y,Z,Ψ,Θ,Φと、を関連付けて記憶する。
次に、補正回路55は、変数ΦにδΦを加算する(ステップS47)。このδΦは、変数Φを離散的に変化させる最小ステップであり、術者がキーボード9やマウス8などを用いて予め入力しておくようになっている。
ここで、補正回路55は、ステップS47においてδΦを加算された変数Φと、maxΦと、を比較する(ステップS48)。
この比較の結果、変数ΦがmaxΦ以下である場合には、補正回路55は、処理をステップS43へジャンプして、上述したような処理を繰り返して行う。
一方、変数ΦがmaxΦよりも大きい場合には、変数Φに初期値minΦを代入する(ステップS49)。ここで、全ての変数X,Y,Z,Ψ,Θ,Φが初期値に戻ることになる。
続くステップS50〜S64の処理は、変数をΦから他の変数Θ,Ψ,X,Y,Zに変えた以外は、上述したステップS47〜S49の処理と同様であるために、説明を省略する。なお、ステップS51,S54,S57,S60,S63における変数が上限以下である場合のジャンプ先は、ステップS48において説明したと同様のステップS43である。また、ステップS50におけるδΘ,ステップS53におけるδΨ,ステップS56におけるδX,ステップS59におけるδY,ステップS62におけるδZは、上述したステップS47におけるδΦと同様に、変数Θ,Ψ,X,Y,Zを離散的に変化させる最小ステップであり、術者がキーボード9やマウス8などを用いて予め入力しておくようになっている。
こうして、相関回路61を含む補正回路55は、6つの変数X,Y,Z,Ψ,Θ,Φを全て変化させながら、相互相関値cor(X,Y,Z,Ψ,Θ,Φ)を算出する。その後、補正回路55は、相互相関値cor(X,Y,Z,Ψ,Θ,Φ)と、このときのX,Y,Z,Ψ,Θ,Φと、を関連付けて記憶する。
上述したようにステップS64までの処理を行ったら、補正回路55は、記憶した相互相関値cor(X,Y,Z,Ψ,Θ,Φ)の中から最大値max{cor(X,Y,Z,Ψ,Θ,Φ)}と、これに関連付けられた最大値を与える変数Xcor,Ycor,Zcor,Ψcor,Θcor,Φcorと、を算出する(ステップS65)。すなわち、次の数式4が成立する。
[数4]
cor(Xcor,Ycor,Zcor,Ψcor,Θcor,Φcor
=max{cor(X,Y,Z,Ψ,Θ,Φ)|
minX<X<maxX,minY<Y<maxY,minZ<Z<maxZ,
minΨ<Ψ<maxΨ,minΘ<Θ<maxΘ,minΦ<Φ<maxΦ}
変数X,Y,Z,Ψ,Θ,Φを種々に変化させて作成した多数のスライスデータの内の、相互相関値の最大値を与えるスライスデータは、最も超音波断層像データに類似したスライスデータである。
その後、補正回路55は、最大の相互相関値cor(X,Y,Z,Ψ,Θ,Φ)を与えるときの変数Xcor,Ycor,Zcor,Ψcor,Θcor,Φcorを、2次元ガイド画像作成回路56と3次元ガイド画像作成回路57とへそれぞれ出力する(ステップS66)。
このような実施形態1によれば、参照画像データと超音波断層像との相関を演算する相関回路61を補正回路55内に設けて、2次元ガイド画像作成回路56と3次元ガイド画像作成回路57とが、補正回路55の相関結果に基づいてガイド画像を作成するように構成し作用するようにしたために、被検部位の変形や移動があっても、従来技術に比して、ガイド画像と被検者の走査位置や走査方向とがずれることはなく、ガイド画像を精度良く表示することができる。
特に、従来技術に開示されているように、探触子として、体腔内へ挿入する超音波内視鏡1を用いた場合には、術者が超音波内視鏡1自体を動かすことによって、超音波内視鏡1と常に接触している被検者の幽門や噴門なども一緒に動いてしまい、被検部位が移動、変形してしまう可能性が高い。一般に、内臓、特に消化管は、骨格に固定されている箇所が限られており、伸縮性に富んでいる。このために、被検者の被検部位が動く可能性は、体外から超音波を走査する形態の超音波診断装置よりも高く、本実施形態の構成が有用である。
また、本実施形態によれば、相関回路61を相互相関演算を高速に行う大規模集積回路により構成したために、6変数X,Y,Z,Ψ,Θ,Φの相互相関をリアルタイムに実施することができる。
さらに、本実施形態では、相関回路61が、位置・配向算出装置から入力する位置・配向データに基いた相関演算範囲内で相関演算を実施するように構成し作用するようにしたために、演算の範囲を限定して、演算処理量を減らすことができる。そのために、2次元ガイド画像や3次元ガイド画像を作成し表示する処理を、高速化することができる。さらに、相関回路61を簡単な回路構成にし、安価にすることができる。
そして、本実施形態では、相関演算範囲の一辺の長さを、術者がキーボード9やマウス8などを用いて任意の正の整数nとして入力するように構成し作用するようにしたために、演算の範囲を変化させることにより、演算処理量を任意に可変に変化させることができる。従って、参照画像データと超音波断層像データとの類似度に応じて、2次元ガイド画像や3次元ガイド画像の精度を優先させるか、あるいは作成し表示する処理の高速化を優先させるか、を選択することができる。
加えて、本実施形態では、相互相関演算の際に、変数の離散的な変化を与える最小ステップを術者がキーボード9やマウス8などを用いて入力するように構成し作用するようにしたために、ステップを変化させることにより、演算処理量を任意に可変に変化させることができる。従って、参照画像データと超音波断層像データとの類似度に応じて、2次元ガイド画像や3次元ガイド画像の精度を優先させるか、あるいは作成し表示する処理の高速化を優先させるか、を選択することができる。
従来より、2次元の超音波断層像と同じ大きさに相当する2次元ガイド画像を作成する超音波診断装置が提案されているが、被検者の全体像をガイド画像として観察することができず、術者にとっては超音波断層像の解剖学上の解釈を得難かった。本実施形態では、2次元ガイド画像作成回路56が、ボリュームメモリ54のボクセルデータから超音波断層像データを含む平面に相当するボクセルを取り込む際に、この平面上で超音波断層像データを含みかつ超音波断層像データよりも広い範囲に相当するボクセルを取り込んで、抽出し着色したボクセルに超音波断層像の範囲を示す超音波断層像マーカQ72を重畳するように構成し作用するようにしたために、被検者の全体像に対する超音波断層像の位置や配向の関係が分かり易く、術者にとっては超音波断層像の解剖学上の解釈を得易い。従って、術者の検査時間の短縮、教育期間の短縮につながる効果がある。
また、本実施形態では、2次元ガイド画像作成回路56が、参照画像データの中から超音波断層像を含む平面に対応したデータを基に2次元ガイド画像を作成し、3次元ガイド画像作成回路57が、参照画像データから特定部位を抽出して超音波断層像の位置と配向とを示す指標を重畳した3次元ガイド画像を作成し、混合回路58と表示回路59とに図15に示すように超音波画像と2次元ガイド画像と3次元ガイド画像とを並べて表示するように構成し作用するようにしている。3次元ガイド画像は、超音波断層像が解剖学上のどの位置・配向で撮像されているかを案内し、2次元ガイド画像は、超音波断層像の解剖学上の解釈を与える。従って、術者は、立体的な3次元ガイド画像を観察しながら、超音波振動子アレイ31を粗動させて被検部位を画面上に描出し、さらに2次元超音波ガイド画像を観察しながら、超音波振動子アレイ31を微調整させることにより、最も良い位置および配向の断面により被検部位を観察することができ、超音波断層像上で何がどのように描出されているかを理解することができる。こうして、術者の検査時間の短縮、教育期間の短縮につながる効果がある。
[変形例]
なお、上述した実施形態においては、minΨ、maxΨ、minΘ、maxΘ、minΦ、maxΦを固定したが、術者がキーボード9やマウス8などを用いて可変に入力することができるように構成し作用するようにしても良い。
例えば、本実施形態においては、相関演算範囲を、位置配向算出装置4の出力のψ,θ,φを中心に±πの範囲にとったが、位置配向算出装置4の出力から大きく変わらない範囲内に相互相関値の最大値があると予測することができる場合には、もっと小さい範囲、例えば±π/2の範囲をとるようにしても構わない。このような±π/2の範囲を採用する場合には、上述した実施形態よりも相関の演算の範囲が狭くなるために、演算処理量を1/2の3乗、すなわち1/8に減らすことができる。そのために、2次元ガイド画像や3次元ガイド画像を作成し表示する処理を高速化することができる。さらに、相関回路61をより簡単な回路構成にして、安価にすることができる。
また、上述した実施形態においては、相関回路61が超音波断層像の配向をあらわすパラメータとしてオイラー角(Ψ,Θ,Φ)を用いて相関演算を実施したが、3時方向ベクトルV3、12時方向ベクトルV12の直交座標軸O-xyzにおける各方向成分をパラメータとして相関演算を実施するようにしても良い。超音波断層像の位置と配向とを表現することができるパラメータであれば、これらに限らず、どのようなパラメータを用いて相関演算を行っても良く、パラメータの種類に限定されるものではない。
さらに、上述した実施形態においては、相関演算範囲を立方体にとったが、直方体でも球でも楕円体でも良いし、特定の形状に限定されるものではない。
そして、上述した実施形態では、鉗子チャンネル35を備えた超音波内視鏡1と、この鉗子チャンネル35に挿通する位置検出プローブ6と、を含むように超音波診断装置を構成したが、このような構成に限るものではない。例えば、鉗子チャンネル35を設けることなく、硬性部21に受信コイル42を内蔵した超音波内視鏡1を含むように超音波診断装置を構成しても構わない。
また、上述した実施形態では、超音波プローブとして電子ラジアル走査型の超音波内視鏡1を用いたが、例えば背景技術において述べたような特開2004−113629号公報に開示されている超音波診断装置のように、機械走査型超音波内視鏡でも、挿入軸の一方に超音波振動子群を扇状に設けた電子コンベックス走査型超音波内視鏡でも、カプセル型の超音波ゾンデでも良く、超音波の走査方式に限定されるものではない。さらに、光学観察窓24が設けられていない超音波プローブであっても構わない。
そして、上述した実施形態では、超音波内視鏡1の硬性部21において超音波振動子を短冊状に細かく切断して、挿入軸の周囲に環状のアレイとして配列させたが、超音波振動子のアレイは360°全周に設けても良いし、それよりも狭い角度範囲で設けても構わない。具体的には、270°の角度範囲や、180°の角度範囲で設けた超音波振動子アレイであっても構わない。
さらに、上述した実施形態では、位置検出手段として送信アンテナ5と受信コイル42とを用いて、磁場により位置と配向とを検出するように構成し作用するようにしたが、送信側と受信側とを逆にしても良く、また、磁場以外の手段、例えば加速度等の手段を用いて、位置と配向とを検出するように構成し作用するようにしても構わない。
加えて、上述した実施形態では、原点Oを送信アンテナ5上の特定の位置に設定するように構成したが、送信アンテナ5との位置関係が変わることのない他の場所に設定するようにしても良い。
また、上述した実施形態では、2次元ガイド画像データや3次元ガイド画像データ上の各器官を、器官別に色分けして表示するように構成したが、色分けの態様を採用するに限るものではなく、輝度、明度、彩度等の少なくとも1つを異ならせる態様を採用しても良いし、その他の態様を採用しても構わない。
さらに、上述した実施形態では、参照画像データとして、複数枚の2次元CT画像や2次元MRI画像を用いるように構成し作用するようにしたが、PET(Positron Emission Tomography)のような他のモダリティーを用いて事前に取得した3次元画像データを用いても良い。また、体外から超音波を照射する方式の、所謂、体外式の超音波診断装置を使用して事前に取得した3次元画像データを用いても構わない。
[実施形態2]
図21は本発明の実施形態2を示したものであり、2次元ガイド画像作成回路により作成された2次元ガイド画像データの様子を示す図である。この実施形態2において、上述の実施形態1と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
この実施形態2の構成は、上述した実施形態1に示したものと同様である。
また、本実施形態の超音波診断装置の作用は、2次元ガイド画像作成回路56の作用のみが異なっている。
すなわち、2次元ガイド画像作成回路56は、補正回路55により補正されたオイラー角の各角度成分(ψcor,θcor,φcor)を基に、超音波断層像の12時方向ベクトルV12の直交座標軸O-xyzにおける各方向成分を算出する。
次に、2次元ガイド画像作成回路56は、算出した結果を利用して、2次元ガイド画像データ上で指標たる12時方向マーカη79を重畳すべき位置と方向とを算出する。
続いて、2次元ガイド画像作成回路56は、図21に示すように、超音波断層像の12時方向を示す12時方向マーカη79を超音波断層像マーカQ72の上にさらに重畳して、2次元ガイド画像データ71を作成する。
その他の作用は、上述した実施形態1と同様である。
このような実施形態2によれば、上述した実施形態1とほぼ同様の効果を奏するとともに、2次元ガイド画像作成回路56が、超音波断層像の12時方向を示す12時方向マーカを超音波断層像マーカの上にさらに重畳して2次元ガイド画像データを作成するように構成し作用するようにしたために、上述した実施形態1に比して、被検者の全体像に対する超音波断層像の位置や配向の関係がより一層分かり易くなる。
また、この実施形態2においても、上述した実施形態1と同様の変形例を適用することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
本発明は、生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波診断装置に好適に利用することができる。
本発明の実施形態1における超音波診断装置の構成を示すブロック図。 上記実施形態1における位置検出プローブの構成を示す図。 上記実施形態1における超音波画像処理装置の構成を示すブロック図。 上記実施形態1において、参照画像記憶部に記憶されている参照画像データを概念的に示す図。 上記実施形態1におけるボクセル空間の構成を示す図。 上記実施形態1において、送信アンテナ上に定義された原点および直交座標系等を示す図。 上記実施形態1において、超音波画像処理装置、マウス、キーボード、表示装置の作用の全体的な概要を示すフローチャート。 上記図7のステップS1における特徴点指定処理の詳細を示すフローチャート。 上記実施形態1において、光学像視野下で位置検出プローブの先端を特徴点に接触させようとする様子を示す図。 上記図7のステップS2におけるガイド画像作成・表示処理の詳細を示すフローチャート。 上記実施形態1において、2次元ガイド画像作成回路により作成された2次元ガイド画像データの様子を示す図。 上記実施形態1において、3次元ガイド画像作成回路により作成された立体画像データの様子を示す図。 上記実施形態1において、3次元ガイド画像作成回路により作成された超音波断層像マーカRの様子を示す図。 上記実施形態1において、3次元ガイド画像作成回路により作成された3次元ガイド画像データの様子を示す図。 上記実施形態1において、表示装置の表示画面に超音波断層像と2次元ガイド画像と3次元ガイド画像とが並べて表示されている様子を示す図。 上記図10のステップS27における補正処理の詳細の一部を示すフローチャート。 上記図10のステップS27における補正処理の詳細の他の一部を示すフローチャート。 上記実施形態1において、補正回路により定義される相関演算範囲の様子を示す図。 上記実施形態1における超音波断層像データを示す図。 上記実施形態1において、変形および補間処理もしくは間引き処理後のスライスデータを示す図。 本発明の実施形態2において、2次元ガイド画像作成回路により作成された2次元ガイド画像データの様子を示す図。
符号の説明
1…超音波内視鏡
2…光学観察装置
3…超音波観測装置(超音波断層像作成手段)
4…位置配向算出装置(算出手段)
5…送信アンテナ
6…位置検出プローブ
7…超音波画像処理装置
8…マウス(入力手段)
9…キーボード(入力手段)
9a…表示切換キーα
9b…表示切換キーβ
9c…特徴点指定キー
9d…走査制御キー
10…表示装置(表示手段)
10a…表示画面
11…ネットワーク
12…3次元MRI装置
13…X線3次元ヘリカルCT装置
21…硬性部
22…可撓部
23…操作部
24…光学観察窓
25…レンズ
26…CCDカメラ
27…信号線
31…超音波振動子アレイ
32…信号線
35…鉗子チャンネル
36…鉗子口
37…突出口
38…12時方向マーカγ
41…外筒
42…受信コイル
43…コネクタ
44…鉗子口マーカ
45…12時方向マーカε
46…信号線
51…通信回路
52…参照画像記憶部(参照画像データ保持手段)
53…補間回路
54…ボリュームメモリ
55…補正回路(補正手段)
56…2次元ガイド画像作成回路(ガイド手段、2次元ガイド画像作成手段)
57…3次元ガイド画像作成回路(ガイド手段、3次元ガイド画像作成手段)
58…混合回路
59…表示回路
60…制御回路
61…相関回路
62…スイッチ
62a…入力端子α
62b…入力端子β
62c…出力端子
71…2次元ガイド画像データ
71A…2次元ガイド画像
72…超音波断層像マーカQ
73…立体画像データ
74…超音波断層像マーカR
75…12時方向マーカξ(指標)
76…3次元ガイド画像データ
76A…3次元ガイド画像
77…超音波断層像データ
77A…超音波断層像
78…スライスデータ
79…12時方向マーカη(指標)
81…相関演算範囲

Claims (11)

  1. 生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波断層像作成手段と、
    参照画像データを保持する参照画像データ保持手段と、
    前記超音波断層像の解剖学的な位置もしくは配向をガイドするガイド画像を作成するガイド手段と、
    を具備する超音波診断装置において、
    前記参照画像データと前記超音波断層像との相関を演算する補正手段をさらに具備し、
    前記ガイド手段は、前記補正手段の相関結果に基づいて前記ガイド画像を作成するものであることを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記超音波断層像の位置もしくは配向を算出する算出手段をさらに具備し、
    前記ガイド手段は、前記補正手段により演算された相関結果と、前記算出手段により算出された前記位置もしくは前記配向と、に基づいて前記ガイド画像を作成するものであることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波断層像作成手段と、
    参照画像データを保持する参照画像データ保持手段と、
    前記超音波断層像の解剖学的な位置もしくは配向をガイドするガイド画像を作成するガイド手段と、
    を具備する超音波診断装置において、
    前記超音波断層像の位置もしくは配向を算出する算出手段と、
    前記参照画像データと前記超音波断層像との相関を演算する補正手段と、
    をさらに具備し、
    前記ガイド手段は、前記補正手段により演算された相関結果に基づいて補正されたガイド画像を作成するものであることを特徴とする超音波診断装置。
  4. 生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波断層像作成手段と、
    参照画像データを保持する参照画像データ保持手段と、
    前記超音波断層像の解剖学的な位置もしくは配向をガイドするガイド画像を作成するガイド手段と、
    を具備する超音波診断装置において、
    前記超音波断層像の位置もしくは配向を算出する算出手段と、
    前記参照画像データと前記超音波断層像との相関を演算する補正手段と、
    をさらに具備し、
    前記ガイド手段は、前記補正手段により演算された相関結果に基づいて前記位置もしくは前記配向を補正し、補正された位置もしくは配向に基づいてガイド画像を作成するものであることを特徴とする超音波診断装置。
  5. 前記補正手段は、前記算出手段により算出された前記位置もしくは配向から求められる、前記参照画像データ内の相関演算範囲内で、前記相関を演算するものであることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記相関演算範囲を設定するための入力手段をさらに具備したものであることを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。
  7. 前記相関演算の最小ステップを設定するための入力手段をさらに具備したものであることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の超音波診断装置。
  8. 前記超音波断層像作成手段は、体腔内へ挿入される可撓性のある超音波プローブから得られた超音波信号に基づいて前記超音波断層像を作成するものであることを特徴とする請求項2から請求項7の何れか一項に記載の超音波診断装置。
  9. 生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波断層像作成手段と、
    参照画像データを保持する参照画像データ保持手段と、
    前記超音波断層像の解剖学的な位置もしくは配向をガイドするガイド画像を作成するガイド手段と、
    を具備する超音波診断装置において、
    前記ガイド手段は、前記参照画像データから作成した2次元画像上に超音波断層像を示す超音波断層像マーカを重畳した2次元超音波ガイド画像を作成するものであることを特徴とする超音波診断装置。
  10. 前記ガイド手段は、超音波断層像上の特定の方向を示す指標を重畳するものであることを特徴とする請求項9に記載の超音波診断装置。
  11. 生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波断層像作成手段と、
    参照画像データを保持する参照画像データ保持手段と、
    前記超音波断層像の解剖学的な位置もしくは配向をガイドするガイド画像を作成するガイド手段と、
    を具備する超音波診断装置において、
    前記ガイド手段は、
    前記参照画像データから特定部位を抽出して前記超音波断層像の位置と配向とを示す超音波断層像マーカを重畳した3次元ガイド画像を作成する3次元ガイド画像作成手段と、
    前記参照画像データの内の前記超音波断層像を含む平面に対応したデータに基づいて、2次元ガイド画像を作成する2次元ガイド画像作成手段と、
    を有して構成されたものであり、
    当該超音波診断装置は、前記3次元ガイド画像と前記2次元ガイド画像とを同時に表示する表示手段をさらに具備したものであることを特徴とする超音波診断装置。
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