JP2007122792A - 回折格子、光ピックアップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】位置ずれの発生の有無にかかわらず視野特性が良好となる回折格子を提供することを目的とする。
【解決手段】一定幅の第1溝を幅方向に一定間隔で繰り返し、光ディスク媒体に対して出射されるレーザー光を回折することにより、0次光、1次以上の正の第1高次回折光、1次以上の負の第1高次回折光を発生する第1格子溝と、一定幅の第2溝を幅方向に一定間隔で繰り返し、且つ第1溝に対して第2溝をずらすとともに第1格子溝に隣接しレーザー光を回折することにより、0次光、第1溝に対する第2溝のずれに応じた1次以上の正の第2高次回折光、当該ずれに応じた1次以上の負の第2高次回折光を発生する第2格子溝とを有し、第1格子溝及び第2格子溝の隣接方向と直交する方向のそれぞれの長さは、0次光、正の第1、第2高次回折光、負の第1、第2高次回折光を光ディスク媒体に集光するための対物レンズの有効径の1/2以下である、ことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、回折格子、光ピックアップ装置に関する。
現在、情報の記録/再生のための光ディスク媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等が普及している。この光ディスク媒体に対する情報の記録/再生は、当該光ディスク媒体に螺旋状に形成されたトラックのうちの所望のトラックに対して、対物レンズにて集光するレーザー光の焦点(以下、集光スポットという)を正確に照射させる必要がある。そのため、光ディスク媒体からのレーザー光の反射光(トラック形状による回折光を含む。以下、反射光という記載は当該回折光も含むものとする)に基づいて、トラッキング制御やフォーカシング制御等が施されることとなる。
トラッキング制御を行うための方法としては、例えば、3ビーム法、プッシュプル法、差動プッシュプル法(以下、DPP(Differential・Push・Pull)法という)等が知られている。特に、隣接するトラック間の距離(以下、トラックピッチTpという)が異なる光ディスク媒体(例えば、DVD−RAM(Random Access Memory):トラックピッチ1.23μm)と、DVD−R(Recordable)/RW(ReWritable):トラックピッチ0.74μm)に対して、対物レンズを兼用して記録/再生を行う場合、トラッキングエラー信号(以下、DPP信号という)を検出するために、一般的にDPP法が用いられている。そして、このDPP法を用いてトラッキング制御を行う場合、レーザー光を出射する半導体レーザーから光ディスク媒体までの往路光学系において、当該レーザー光を回折し、例えば0次光(以下、0次光をメインビームという)と±1次高次回折光(以下、+1次高次回折光を先行サブビーム、−1次高次回折光を後行サブビームという)を発生する回折格子が用いられている。
例えば、特許文献1においては、図7上に示す回折格子(以下、2分割回折格子101という)が用いられている。この2分割回折格子101は、格子溝102(又は格子面103。以下、格子面103は略する)が所定の周期で連続する第1周期構造104と、当該所定の周期と同一周期であって、且つ、第1周期構造104の格子溝102の位相に対し略180度位相が異なる格子溝102が連続する第2周期構造105から構成されている。この第1周期構造104の格子溝102と第2周期構造105の格子溝102の位相が略180度異なることによって、当該第1周期構造104からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)に対する当該第2周期構造105からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)は、位相が略180異なることとなる。
そして、この2分割回折格子101は、半導体レーザーからのレーザー光の中心が第1周期構造104と第2周期構造105の境界線106上となるとき(つまり、第1周期構造104と第2周期構造105に対してレーザー光が等しい領域で照射されるとき)、且つ、第1周期構造104と第2周期構造105により発生した位相分布の境界が光軸中心と一致するとき、当該第1周期構造104からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)の領域と、当該第2周期構造105からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)の領域とが等しくなる。この結果、光ディスク媒体のトラックに対して集光した先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットは、図7下に示すようになる。そして、当該先行サブビーム、後行サブビームの反射光を光検出器等で受光してサブプッシュプル信号(以下、SPP信号という)を生成する。また、メインビームの反射光を光検出器で受光したメインプッシュプル信号(以下、MPP信号という)を生成する。そして、MPP信号−k×SPP信号(kは、トラッキング制御により対物レンズが光ディスク媒体の径方向に変位する(以下、対物レンズシフトという)ことによるDCオフセットをキャンセルするべく定まる値)を演算することによって、DPP信号を検出してトラッキング制御を行うこととなる。
また、特許文献2においては、図8上に示す回折格子(以下、3分割回折格子106という)が用いられている。この3分割回折格子106は、格子溝102が所定の周期で連続する第1周期構造107、第2周期構造108、第3周期構造109を有している。そして、第1周期構造107は、第2周期構造108の格子溝102の位相に対し、略+90度位相が異なる格子溝102から構成されている。また、第3周期構造109は、第2周期構造108の格子溝102の位相に対し、略−90度位相が異なる格子溝102から構成されている。この結果、第1周期構造107の格子溝102と第3周期構造109の格子溝102の位相が略180度異なることとなり、当該第1周期構造107からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)に対する当該第3周期構造109からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)は、位相が略180異なることとなる。
そして、この3分割回折格子106は、半導体レーザーからのレーザー光の中心が、第2周期構造108の中心となるとき(つまり、第1周期構造107と第3周期構造109に対してレーザー光が等しい領域で照射されるとき)、且つ、第1周期構造107と第3周期構造109により発生した位相分布の境界の中心が光軸中心と一致するとき、当該第1周期構造107からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)の領域と当該第2周期構造108からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)の領域と当該第3周期構造109からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)の領域とが等しい領域となる。この結果、光ディスク媒体のトラックに対して集光した先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットは、図8下に示すようになる。そして、前述したようにDPP信号を生成してトラッキング制御を行うこととなる。
特開平11−296875号 特開2004−14591号
しかしながら、前述した2分割回折格子101、3分割回折格子106等の従来の回折格子においては、光軸中心に対する当該回折格子の位置調整を厳密に行う必要があった。
仮に、回折格子が光ディスク媒体の径方向にずれた場合(図9上、図10上参照)、異なる周期構造からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)に付加された位相の領域が光軸中心に対し等しい領域とならない可能性があり、この結果、当該先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットが変化する(図9下、図10下参照)可能性があった。また、対物レンズシフトする場合においても、先行サブビーム又は後行サブビームに付加された位相の領域がずれるため集光スポットは変化することとなるが、回折格子がずれた場合、先行サブビーム又は後行サブビームに付加された位相の領域のずれが更に大きくなることとなる。
例えば、図9下は、同図下に示すように2分割回折格子101が径方向にずれた場合の、先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットを示した図である。また、図10下は、図10上に示すように3分割回折格子106が径方向にずれた場合の、先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットを示した図である。そして、このように、集光スポットが変化することによりSPP信号が悪化し、光ディスク媒体の径方向への対物レンズの変位に対するDPP信号の変化(以下、視野特性という)が劣化する可能性があった。この視野特性を図示すると、図11は、回折格子の径方向へのずれが発生していない場合の視野特性を示すものである。また、図12は、回折格子の径方向へのずれが発生した場合の視野特性を示すものである。図12に示すとおり、回折格子の径方向へのずれが発生した場合、SPP信号が悪化し、これに伴ってDPP信号が劣化してしまう可能性があった。そのため、対物レンズの許容変位幅を非常に狭小な範囲に限定せざるを得ず、当該対物レンズが組み込まれる光ピックアップ装置の実用性が大きく阻害される可能性があった。
このような視野特性の劣化を防ぐために回折格子の位置調整を厳密に行う必要があった。しかしながら、回折格子の位置調整を厳密に行うためには、位置調整のための機器等を必要とすることとなり、コストアップ、位置調整のための作業が煩雑になるという可能性があった。
そこで、本発明は、位置ずれの発生の有無にかかわらず視野特性が良好となる回折格子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための発明は、一定幅の第1溝を当該幅方向に一定間隔で繰り返し、光ディスク媒体に対して出射されるレーザー光を回折することにより、0次光、1次以上の正の第1高次回折光、1次以上の負の第1高次回折光を発生する第1格子溝と、前記一定幅の第2溝を当該幅方向に前記一定間隔で繰り返し、且つ、前記第1溝に対して前記第2溝をずらすとともに前記第1格子溝に隣接し、前記レーザー光を回折することにより、0次光、前記第1溝に対する前記第2溝のずれに応じた1次以上の正の第2高次回折光、前記第1溝に対する前記第2溝のずれに応じた1次以上の負の第2高次回折光を発生する第2格子溝と、を有する回折格子において、前記第1格子溝及び前記第2格子溝の隣接方向と直交する方向のそれぞれの長さは、前記0次光、前記正の第1及び第2高次回折光、前記負の第1及び第2高次回折光を前記光ディスク媒体に集光するための対物レンズの有効径の1/2以下である、ことを特徴とする。
また、光ディスク媒体に対してレーザー光を出射するレーザー素子と、一定幅の第1溝を当該幅方向に一定間隔で繰り返し、光ディスク媒体に対して出射されるレーザー光を回折することにより、0次光、1次以上の正の第1高次回折光、1次以上の負の第1高次回折光を発生する第1格子溝と、前記一定幅の第2溝を当該幅方向に前記一定間隔で繰り返し、且つ、前記第1溝に対して前記第2溝をずらすとともに前記第1格子溝に隣接し、前記レーザー光を回折することにより、0次光、前記第1溝に対する前記第2溝のずれに応じた1次以上の正の第2高次回折光、前記第1溝に対する前記第2溝のずれに応じた1次以上の負の第2高次回折光を発生する第2格子溝と、を有する回折格子と、前記0次光、前記正の第1及び第2高次回折光、前記負の第1及び第2高次回折光を前記光ディスク媒体に集光するための対物レンズと、を備えた光ピックアップ装置において、前記回折格子における前記第1格子溝及び前記第2格子溝の隣接方向と直交する方向のそれぞれの長さは、前記対物レンズの有効径の1/2以下である、ことを特徴とする。
本発明によれば、位置ずれの発生の有無にかかわらず視野特性が良好となる回折格子を提供することが可能となる。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
<<本発明に係る回折格子2を適用した光ピックアップ装置の全体構成例>>
図1、図2を参照しつつ、本発明に係る光ピックアップ装置の全体構成について説明する。図1は、光ピックアップ装置の全体構成の一例を示す機能ブロック図である。図2は、図1に示す光検出器9の詳細図である。
光ピックアップ装置は、半導体レーザー1、回折格子2、コリメータレンズ3、ビームスプリッタ4、絞り5、対物レンズ6、レンズホルダー7、検出光学系8、光検出器9を有する。尚、図1に示す光ピックアップ装置は、一般的な光ピックアップ装置が有する光学系(例えば、1/4波長板等)や光学部品、レンズホルダー7を対物レンズ6、絞り5とともにフォーカス方向(X方向:レーザー光の光軸方向)やトラッキング方向(Y方向:光ディスク媒体10の径方向)に移動するためのアクチュエータ等は省略している。また、図1に示す光ピックアップ装置は、X方向への制御(つまりフォーカシング制御)を行うための光学系(例えば、シリンドリカルレンズ等)を省略しているが、本発明に係る回折格子2は、当該光学系を構成とする光ピックアップ装置においても当然に適用可能である。
半導体レーザー1は、例えばp型半導体とn型半導体をpn接合したダイオードから構成されている。半導体レーザー1は、不図示の回路からの制御電圧が印加することにより、光ディスク媒体10に対応した波長λのレーザー光(例えば、光ディスク媒体10がDVDである場合の波長650nm〜660nmの赤色レーザー光)を回折格子2に出射する。
回折格子2は、後述する構成を有し、半導体レーザー1からのレーザー光を回折し、例えばメインビームと先行サブビーム、後行サブビームを発生し、コリメータレンズ3に出射する。
コリメータレンズ3は、回折格子2からのメインビーム、先行サブビーム、後行サブビームを平行光に変換して、ビームスプリッタ4に出射する。
ビームスプリッタ4は、コリメータレンズ3からのメインビーム、先行サブビーム、後行サブビームを透過して対物レンズ6に出射する。また、ビームスプリッタ4は、対物レンズ6を介した光ディスク媒体10からのメインビーム、先行サブビーム、後行サブビームの反射光(以下、メインビームの反射光をメイン反射光、先行サブビームの反射光を先行サブ反射光、後行サブビームの反射光を後行サブ反射光という)を反射して、検出光学系8に出射する。
絞り5は、対物レンズ6の有効径a0を所望の有効径に定めるべく設けられる。詳述すると、絞り5は、対物レンズ6にて集光されるメインビーム、先行サブビーム、後行サブビームが光ディスク媒体10のトラックに集光スポットを形成するように、当該対物レンズ6の焦点距離f0、開口数NAから一義的に定まる有効径a0(=f0×NA×2)とすべく設けられている。このため、絞り5は、当該有効径a0を超えるビームスプリッタ4からのメインビーム、先行サブビーム、後行サブビームの一部を遮光する。
対物レンズ6は、絞り5を介したビームスプリッタ4からのメインビーム、先行サブビーム、後行サブビームを集光して光ディスク媒体10に出射する。この結果、光ディスク媒体10のトラックに対して、メインビーム、先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットが形成されることとなる。また、対物レンズ6は、光ディスク媒体10からのメイン反射光、先行サブ反射光、後行サブ反射光を平行光に変換して、ビームスプリッタ4に出射する。
レンズホルダー7は、対物レンズ6、絞り5を保持し、不図示のアクチュエータから供給される駆動力によって、X方向、又はY方向へ移動する。
検出光学系8は、例えば、集光レンズから構成され、ビームスプリッタ4からのメイン反射光、先行サブ反射光、後行サブ反射光を集光して光検出器9に出射する。
光検出器9は、検出光学系8からのメイン反射光、先行サブ反射光、後行サブ反射光を受光し、当該メイン反射光、先行サブ反射光、後行サブ反射光の光量に基づいてDPP信号を生成する。
以下、図2を参照しつつ、光検出器9によるDPP信号の生成について詳細に説明する。光検出器9は、メイン反射光を受光するための例えば4分割された4分割フォトディテクタ12、先行サブ反射光を受光するための例えば2分割された2分割フォトディテクタ13、後行サブ反射光を受光するための例えば2分割された2分割フォトディテクタ14を有している。この4分割フォトディテクタ12は、受光面A乃至Dから構成されている。また、2分割フォトディテクタ13は、受光面E、Fから構成されている。また、2分割フォトディテクタ14は、受光面G、Fから構成されている。この受光面A、Bと受光面C、Dとの分割線16、受光面Eと受光面Fとの分割線17、受光面Gと受光面Fとの分割線17は、光ディスク媒体10のトラックの方向(図1、Z方向)と略同一方向になるように設けられている。
先ず、4分割フォトディテクタ12において受光したメイン反射光に基づくMPP信号の生成について説明する。尚、4分割フォトディテクタ12において受光するメイン反射光は、周知ように光ディスク媒体10のトラックによってメインビームが回折されることにより、0次光と、当該0次光に±1次回折光の一部が重畳したスポットとなる。受光面A、Bは、当該受光面A、Bにおいて受光したメイン反射光の光量に応じたアナログ信号(以下、受光面Aからのアナログ信号をA´、受光面Bからのアナログ信号をB´という)を加算器19に出力する。加算器19は、A´とB´を加算した加算結果(A´+B´)を減算器21に出力する。また、受光面C、Dは、当該受光面C、Dにおいて受光したメイン反射光の光量に応じたアナログ信号(以下、受光面Cからのアナログ信号をC´、受光面Dからのアナログ信号をD´という)を加算器20に出力する。加算器20は、C´とD´を加算した加算結果(C´+D´)を減算器21に出力する。減算器21は、(A´+B´)から(C´+D´)を減算した減算結果{(A´+B´)−(C´+D´)}をMPP信号として、減算器22に出力する。
次に、2分割フォトディテクタ13において受光した先行サブ反射光に基づく、先行サブプッシュプル信号(以下、先行SPP信号という)の生成について説明する。尚、2分割フォトディテクタ13において受光した先行サブ反射光は、メイン反射光と同様に光ディスク媒体10のトラックによって先行サブビームが回折されることにより、0次光と、当該0次光に±1次回折光の一部が重畳したスポットとなる。受光面Eは、当該受光面Eにおいて受光した先行サブ反射光の光量に応じたアナログ信号(以下、受光面Eからのアナログ信号をE´という)を減算器23に出力する。また、受光面Fは、当該受光面Fにおいて受光した先行サブ反射光の光量に応じたアナログ信号(以下、受光面Fからのアナログ信号をF´という)を減算器23に出力する。減算器23は、E´からF´を減算した減算結果(E´−F´)を先行SPP信号として、加算器24に出力する。
次に、2分割フォトディテクタ14において受光した後行サブ反射光に基づく、後行サブプッシュプル信号(以下、後行SPP信号という)の生成について説明する。尚、2分割フォトディテクタ14において受光した後行サブ反射光は、メイン反射光と同様に光ディスク媒体10のトラックによって後行サブビームが回折されることにより、0次光と、当該0次光に±1次回折光の一部が重畳したスポットとなる。受光面Gは、当該受光面Gにおいて受光した後行サブ反射光の光量に応じたアナログ信号(以下、受光面Gからのアナログ信号をG´という)を減算器25に出力する。また、受光面Hは、当該受光面Hにおいて受光した後行サブ反射光の光量に応じたアナログ信号(以下、受光面Hからのアナログ信号をH´という)を減算器25に出力する。減算器25は、G´からH´を減算した減算結果(G´−H´)を後行SPP信号として、加算器24に出力する。
加算器24は、(E´−F´)と(G´−H´)を加算した加算結果{(E´−F´)+(G´−H´)}をSPP信号として、増幅器26に出力する。増幅器26は、回折格子2にて回折した後のメインビームの光量と、対物レンズシフトにより発生する、受光面A乃至Hにおけるスポットの位置ずれに起因して発生するDCオフセットをキャンセルするための増幅率kでSPP信号を増幅して、減算器22に出力する。減算器22は、MPP信号{(A´+B´)−(C´+D´)}から、増幅されたSPP信号k{(E´−F´)+(G´−H´)}を減算した減算結果[{(A´+B´)−(C´+D´)}−k{(E´−F´)+(G´−H´)}]をDPP信号として、前述したアクチュエータを制御する不図示の制御回路に出力する。この結果、DPP信号に基づく、Y方向におけるトラッキング制御が行われることとなる。
尚、図2に示す光検出器9は、DPP法を用いてDPP信号を生成する一般的な光検出器の一例を示すものであり、これに限るものではない。例えば、4分割フォトディテクタ12に換えて2分割フォトディテクタを有する光検出器を用いても良い。
<<回折格子2の構成>>
図3乃至図5を参照しつつ、本発明に係る回折格子2の構成について説明する。図3は、図1−X方向から回折格子2を見たときの、当該回折格子2の正面図である。図4は、本発明に係る回折格子2を適用したときの、光ディスク媒体10のトラックに対する、メインビーム、先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットを示す図である。図5は、先行サブビーム(又は後行サブビーム)を平面波で表したときの、当該先行サブビーム(又は後行サブビーム)における位相差の様子を模式的に示した図である。
回折格子2は、格子溝(第1溝)40(又は格子面(一定間隔)41。以下、格子面41は略する)が所定の周期P1で連続する第1周期構造42と第2周期構造43が交互に隣接した構成となっている。この第1周期構造42、第2周期構造43によって、回折格子2は、半導体レーザー1からのレーザー光を回折してメインビーム(0次光)、先行サブビーム、後行サブビームを発生する。
回折格子2は、Y方向(幅方向)において、同一の長さ(一定幅)である格子溝(第1溝)40と格子面(一定間隔)41が交互に繰り返す第1周期構造(第1格子溝)42を有している。尚、Y方向における1組の格子溝40と格子面41(以下、格子面41は略する)との長さP1を周期と称して以下説明する。また、回折格子2は、Y方向において、同一の長さである格子溝(第2溝)40と格子面(一定間隔)41が周期P1で繰り返す第2周期構造(第2格子溝)43を有している。この第1周期構造42、第2周期構造43によって、回折格子2は、半導体レーザー1からのレーザー光を回折してメインビーム(0次光)、先行サブビーム、後行サブビームを発生する。
また、この第2周期構造43の格子溝40は、Y方向において、第1周期構造42の格子溝40に対して当該格子溝40の長さ(=P1/2)ずれて形成されている。尚、以下、この第1周期構造42の格子溝40と第2周期構造43の格子溝40とが周期P1/2ずれていることを、第1周期構造42の格子溝40の位相と第2周期構造43の格子溝40の位相とは略+180度位相が異なると称して説明する。つまり、第2周期構造43の格子溝40は、第1周期構造42の格子溝40の位相に対し、例えば略+180度位相が異なるように形成されている。即ち、第2周期構造43の格子溝40は、第1周期構造42の格子溝40の周期P1の半周期(P1/2)分シフトして形成されている。この結果、第1周期構造42からの先行サブビーム(1次以上の正の第1高次回折光)と、第2周期構造43からの先行サブビーム(1次以上の正の第2高次回折光)とは、レーザー光の波長λの略+1/2、つまり位相において略+180度位相が異なるビームとなる。即ち、第1周期構造42の格子溝40の位相に対し、第2周期構造43の格子溝40の位相を略+180度位相シフトすることによって、当該第2周期構造43からの先行サブビームは、当該第1周期構造42からの先行サブビームに対し略+180度の位相差を付加したビームとなる。
尚、後行サブビームについては、第1周期構造42からの先行サブビームと第2周期構造43からの先行サブビームとの位相差が反転する。即ち、第1周期構造42からの後行サブビーム(1次以上の負の第1高次回折光)は、第2周期構造43からの後行サブビーム(1次以上の負の第2高次回折光)に対し略+180度の位相差を付加したビームとなる。
次に、この第1周期構造42と第2周期構造43が接する方向(隣接方向。Z方向(第1溝同士又は第2溝同士の隣接する辺の方向)に対して角θをなす方向、図3参照)と直交する方向の長さP2について、図1を参照しつつ詳述する。今、X方向における、半導体レーザー1の出射から回折格子2の出射位置までの長さをd、半導体レーザー1の出射位置からコリメータレンズ3の出射位置までの長さをfcとする。このとき、回折格子2からコリメータレンズ3までの光路(距離fc−d)において、レーザー光は発散光であるためP2がP2´に拡大する。そして、このP2が拡大されたときの長さP2´は、
P2´=fc×P2/d
となる。そして、このP2´が、P2´≦a0/2を満たす長さとなるようにP2を定める。つまり、第1周期構造42と第2周期構造43の長さP2は、当該P2が回折格子2からコリメータレンズ3までの光路において拡大されたときのP2´が、対物レンズ6の有効径a0の1/2以下の長さとなるように設けられる。そして、第1周期構造42と第2周期構造43は、隣接方向と直交する方向に、このP2をもって交互に形成されている。
尚、本実施形態においては、回折格子2を、半導体レーザー1のからコリメータレンズ3までの光路間に設ける構成としたため、P2´に基づいてP2を定めたが、これに限るものではない。例えば、コリメータレンズ3の出射位置からビームスプリッタ4への入射位置までの光路間に回折格子2を設けることも可能である。この場合、P2がP2≦a0/2を満たす長さとなるように、当該P2は定められることとなる。
次に、図4を参照しつつ、第1周期構造42と第2周期構造43のZ方向に対する所定の角度θについて詳述する。周知のようにDPP法においては、先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットが、光ディスク媒体10のトラックピッチTpの1/2に位置となるとき、SPP信号の信号振幅が最大となり、最も良好なトラッキング制御を行うことが可能となる。
そこで、この所定の角度θは、対物レンズ6にて集光された先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットが、トラックピッチTpの1/2の位置となるように定めることとなる。尚、位相差が付加した先行サブビーム、後行サブビームは、図4に示すように、光ディスク媒体10のトラックに集光される際、分離して2つの集光スポット(以下、先行サブビームに基づいて形成された集光スポットを集光スポットA、B、後行サブビームに基づいて形成された集光スポットを集光スポットC、Dという)が形成される。この結果、Z方向における集光スポットAの中心と集光スポットBの中心(或いは、集光スポットCの中心と集光スポットDの中心)との距離Lが、トラックピッチTpと等しくなるように所定の角度θを定めることとなる。このLは、
L=λ×f0×sinθ/P2´
となる。更に、L=Tpとしてθを求める。そして、このように求められたθをもって、第1周期構造42、第2周期構造43をZ方向に対して構成することにより、集光スポットA、B、C、Dは、トラックピッチTpの1/2に位置に形成されることとなり、信号振幅が最大となるSPP信号を得ることが可能となる。
そして、上述した構成の回折格子2を光ピックアップ装置に備えることによって、半導体レーザー1からのレーザー光は当該回折格子2にて回折され、図5に示すような位相差を有する先行サブビーム、後行サブビーム(但し、後行サブビームは、先行サブビームの位相(0とλ/2(+180度))が反転する)となる。尚、以下の説明においては、図5に示す、先行サブビーム又は後行サブビームを平面波で表したときの位相差によるパターンを、位相パターンと称して説明する。また、以下の説明においては、先行サブビームの位相パターンについて説明するが、前述したように後行サブビームは先行サブビームの位相を単に反転したものであるため説明を省略する。
<<回折格子2のY方向へのずれ>>
図6、図13を参照しつつ、本発明に係る回折格子2が−Y方向に所定距離tずれた場合(以下、単に回折格子2ずれという)における、先行サブビームの位相パターンについて説明する。図6(a)は、回折格子2ずれが発生していないときの、当該回折格子2へのレーザー光の照射の様子及び先行サブビームの位相パターンを示す図である。また、図6(b)は、回折格子2ずれが発生したときの、当該回折格子2へのレーザー光の照射の様子及び先行サブビームの位相パターンを示す図である。図13は、本発明に係る回折格子2を用いた場合の視野特性を示した図である。尚、図13に示す各信号は、対物レンズシフトが0μmのときの値で規格化したものである。
図6(a)、(b)の位相パターンを比較すると、回折格子2ずれが発生した場合であっても、位相パターンがほぼ同一に保たれていることが分かる。例えば、位相パターンにおける左下及び右上の位相差0の領域に着目すると、回折格子2のずれによって左下の位相差0の領域は減少しているが、右上の位相差0の領域は、左下の減少分と略等しく増加していることが分かる。つまり、位相パターンにおける、回折格子2ずれが発生したときの位相差0の全領域は、回折格子2ずれが発生していないときの位相差0の全領域とほぼ等しくなる。同様に、位相パターンにおける、回折格子2ずれが発生したときの位相差λ/2(+180度)の全領域は、回折格子2ずれが発生していないときの位相差λ/2(+180度)の全領域とほぼ等しくなる。何故ならば、前述したように、位相パターンのP2´は、P2に基づく長さであり、対物レンズ6の有効径a0の1/2以下となっているためである。
この結果、回折格子2ずれの発生の有無にかかわらず、ほぼ同一の位相パターンの先行サブビームがビームスプリッタ4を介して対物レンズ6に出射されることとなる。そのため、回折格子2ずれが発生したときの先行サブビームに基づく集光スポットA、Bは、回折格子2ずれが発生していないときの先行サブビームに基づく集光スポットA、Bとほぼ等しいものとなる。
そして、回折格子2ずれが発生したときの先行サブビームに基づく集光スポットA、Bの反射光である先行サブ反射光に基づいて、先行SPP信号が生成されることとなる。同様に、回折格子2ずれが発生したときの後行サブビームに基づく集光スポットC、Dの反射光である後行サブ反射光に基づいて、後行SPP信号が生成されることとなる。また、メイン反射光に基づいてMPP信号が生成される。そして、当該先行SPP信号、後行SPP信号に基づいてSPP信号が生成され、当該SPP信号とMPP信号に基づいてDPP信号が生成されることとなる。つまり、回折格子2ずれが発生していないときのDPP信号とほぼ等しいDPP信号が生成されることとなる。この結果、図13に示すような良好な視野特性を常に得ることが可能となり、対物レンズ6のY方向における許容変位幅を大きくすることが可能となる。
<<その他の実施形態>>
以上、本発明に係る回折格子2、光ピックアップ装置について説明したが、上記の説明は、本発明の理解を容易とするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。
==回折格子2における所定の角度θのその他の形態==
上述した実施形態によれば、所定の角度θをLがトラックピッチTpと等しくなるように定めているが、これに限るものではない。
トラックピッチTpが異なる、例えば1.23μmのDVD−RAMと0.74μmDVD−R/RWに対して、本発明に係る回折格子2が適用可能となるθを定めても良い。この場合、例えば、DVD−RAMのトラックピッチをTp1、DVD−R/RWのトラックピッチをTp2とおく。そして、DVD−RAM及びDVD−R/RWそれぞれにおいて、MPP信号振幅に対するSPP信号振幅の割合を同程度とする場合、
cos(L×π/Tp1)≒cos(L×π/Tp2)
を満たす共通の値Lを算出する。上記式からLについて解くと、L≒0.924μm×n(nは整数)となる。そして、前述のL=λ×f0×sinθ/P2´からθを求める。そして、Z方向に対して求めたθとなるように第1周期構造42と第2周期構造43が構成された回折格子2を形成する。このように形成された回折格子2は、DVD−RAM、DVD−R/RWに対して良好なSPP信号を生成させることが可能となる。尚、上述のように算出されるLは、DPP信号を検出する上で必要な条件である、MPP信号とSPP信号とが逆相となる条件を満たす必要がある。
尚、上述によれば、トラックピッチTpが異なる2つの光ディスク媒体について説明したが、これに限るものではない。例えば、トラックピッチTpが異なる複数(n)の光ディスク媒体においては、
cos(L×π/Tp1)≒cos(L×π/Tp2)≒・・≒cos(L×π/Tpn)
を満たす共通の値Lを算出する。例えば、n=3である場合の共通の値Lを算出する方法の一例としては、
cos(L×π/Tp1)−cos(L×π/Tp2)、
cos(L×π/Tp1)−cos(L×π/Tp3)、
cos(L×π/Tp2)−cos(L×π/Tp3)、
のそれぞれの演算結果が、ゼロに最も近似するような共通の値Lを算出する。そして、共通の値Lに基づいて、θを求めることとなる。
つまり、λ、f0が既知であれば、L、θを調整することが可能となり、トラックピッチTpが異なる各々の光ディスク媒体に対して、所望のSPP信号振幅を得ることが可能となる。この結果、トラックピッチTpが異なる光ディスク媒体に対しても、本発明に係る回折格子2は良好に適用可能となる。
=第1周期構造42の格子溝40の位相に対する第2周期構造43の格子溝40の位相=
上述した実施形態によれば、第1周期構造42の格子溝40の位相に対する、第2周期構造43の格子溝40の位相を略+180度異なるように形成しているが、これに限るものではない。
例えば、第1周期構造42の格子溝40の位相に対する、第2周期構造43の格子溝40の位相を略+90度異なるように形成しても良い。即ち、第2周期構造43の格子溝40を、第1周期構造42の格子溝40の周期P1の1/4周期(P1/4)分シフトして形成しても良い。この結果、当該第2周期構造43からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)は、当該第1周期構造42からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)に対し略+90度の位相差が付加したビームとなる。そして、当該第1周期構造42からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)、当該第2周期構造43からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)を用いて、SPP信号を生成してトラッキング制御を行っても良い。
或いは、第1周期構造42の格子溝40の位相に対する、第2周期構造43の格子溝40の位相を略+45度異なるように形成しても良い。即ち、第2周期構造43の格子溝40を、第1周期構造42の格子溝40の周期P1の1/8周期(P1/8)分シフトして形成しても良い。この結果、当該第2周期構造43からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)は、当該第1周期構造42からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)に対し略+45度の位相差が付加したビームとなる。そして、当該第1周期構造42からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)、当該第2周期構造43からの先行サブビーム(又は後行サブビーム)を用いて、SPP信号を生成してトラッキング制御を行っても良い。
尚、上述した実施形態において、第1周期構造42の格子溝40と第2周期構造43の格子溝40の位相が略+180度異なる回折格子2を用いた理由は、当該位相が180度異なるとき、先行サブビーム、後行サブビームに基づく集光スポットA、B、C、Dの光量が最大となるためである。この結果、先行サブ反射光、後行サブ反射光の光量も最大となり、トラッキング制御をより厳密かつ確実に行うことが可能となるためである。
上述した実施形態及びその他の実施形態によれば、第1周期構造42及び第2周期構造43の隣接方向と直交する方向のそれぞれの長さP2が、対物レンズ6の有効径a0の1/2以下となる回折格子2を提供することが可能となる。この結果、回折格子2ずれが発生する場合の先行サブビーム(及び後行サブビーム)の位相パターンを、回折格子2ずれが発生していない場合の先行サブビーム(及び後行サブビーム)の位相パターンとほぼ同一に保つことが可能となる。そのため、先行サブビーム(及び後行サブビーム)の集光スポットが回折格子2ずれの発生の有無にかかわらずほぼ同一に形成され、良好な視野特性を得ることが可能となる。
更に、第1周期構造42と第2周期構造43の隣接方向において、第1周期構造42の格子溝40と第2周期構造43の格子溝40とを略180度ずらすことにより、より光量が大きい先行サブビーム、後行サブビームを光ディスク媒体10に入射することが可能となる。この結果、当該先行サブビーム、後行サブビームの反射光である先行サブ反射光、後行サブ反射光に基づいて、より正確なトラッキング制御を行うことが可能となる。
更に、Z方向に対する第1周期構造42及び第2周期構造43の角度θを、sinθ={Tp・P2´(コリメータレンズ3以降の光路に回折格子2が設けられる場合P2)}/(λ・f0)を満たすようにすることによって、先行サブビームの集光スポットA、B、及び後行サブビームの集光スポットC、Dの間隔Lを、トラックピッチTpと等しくすることが可能となる。この結果、先行サブ反射光、後行サブ反射光に基づくSPP信号の信号振幅が最大となり、より確実なトラッキング制御を行うことが可能となる。
また、Z方向に対する第1周期構造42及び第2周期構造43の角度θが、sinθ={L(cos(L・π/Tp(1))≒・・≒cos(L・π/Tp(n))を満たす共通の値。但し、Tp(1)・・Tp(n)は、光ディスク媒体10が複数(n)種類の場合の光ディスク媒体10の各トラックピッチ)・P2´(コリメータレンズ3以降の光路に回折格子2が設けられる場合P2)}/(λ・f0)を満たすようにすることが可能となる。この結果、各々の光ディスク媒体10に対して、MPP信号振幅に対するSPP信号振幅の割合を同程度とすることが可能となり、複数の光ディスク媒体に対するトラッキング制御を行うことが可能となる。
更に、例えば、本発明に係る回折格子2をコリメータレンズ3とビームスプリッタ4間の光路に設けることによって(つまり、レーザー光が平行光に変換した後の光路に設けることによって)、先行サブビーム、後行サブビームはP2のままビームスプリッタ4に入射することとなる。この結果、レーザー光が発散することを考慮することなく、回折格子2の構成を容易に設計することが可能となる。
また、図1に示す光ピックアップ装置のように、本発明に係る回折格子2を、半導体レーザー1とコリメータレンズ3間の光路に設ける(つまり、レーザー光が平行光に変換する前の光路に設ける)ことも可能となる。この結果、本発明に係る回折格子2は、光ピックアップ装置に対してより汎用的に適用することが可能となる。
また、上述の回折格子2を適用した光ピックアップ装置を提供することが可能となる。この結果、視野特性が良好となる光ピックアップ装置を、光ディスク媒体10(トラックピッチTpが異なる複数の光ディスク媒体を含む)に対するトラッキング制御に用いることが可能となる。
本発明に係る光ピックアップ装置の全体構成の一例を示す機能ブロック図である。 図1に示す光検出器9の詳細図である。 図1−X方向から回折格子2を見たときの、当該回折格子2の正面図である。 光ディスク媒体10のトラックに対する、メインビーム、先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットを示す図である。 先行サブビーム又は後行サブビームを平面波で表したときの、位相差が付加されている様子を模式的に示した図である。 回折格子2ずれが発生していないとき及び発生したときの、当該回折格子2へのレーザー光の照射及び先行サブビームの位相パターンを示す図である。 2分割回折格子101、及び、当該2分割回折格子101におけるメインビーム、先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットを示す図である。 3分割回折格子106、及び、当該3分割回折格子106におけるメインビーム、先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットを示す図である。 径方向にずれた2分割回折格子101、及び、当該2分割回折格子101におけるメインビーム、先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットを示す図である。 径方向にずれた3分割回折格子106、及び、当該3分割回折格子106におけるメインビーム、先行サブビーム、後行サブビームの集光スポットを示す図である。 回折格子の径方向へのずれが発生していない場合の視野特性を示すものである。 回折格子の径方向へのずれが発生した場合の視野特性を示すものである。 本発明に係る回折格子2のY方向へのずれが発生した場合の視野特性を示す図である。
符号の説明
1 半導体レーザー
2 回折格子
3 コリメータレンズ
4 ビームスプリッタ
5 絞り
6 対物レンズ
7 ホルダー
8 検出光学系
9 光検出器
10 光ディスク媒体
12 4分割フォトディテクタ
13 2分割フォトディテクタ
14 2分割フォトディテクタ
16、17、18 分割線
19、20、24 加算器
21、22、23、25 減算器
26 増幅器
40 格子溝
41 格子面
42 第1周期構造
43 第2周期構造
101 2分割回折格子
102 格子溝
103 格子面
104 第1周期構造
105 第2周期構造
106 3分割回折格子
107 第1周期構造
108 第2周期構造
109 第3周期構造

Claims (7)

  1. 一定幅の第1溝を当該幅方向に一定間隔で繰り返し、光ディスク媒体に対して出射されるレーザー光を回折することにより、0次光、1次以上の正の第1高次回折光、1次以上の負の第1高次回折光を発生する第1格子溝と、
    前記一定幅の第2溝を当該幅方向に前記一定間隔で繰り返し、且つ、前記第1溝に対して前記第2溝をずらすとともに前記第1格子溝に隣接し、前記レーザー光を回折することにより、0次光、前記第1溝に対する前記第2溝のずれに応じた1次以上の正の第2高次回折光、前記第1溝に対する前記第2溝のずれに応じた1次以上の負の第2高次回折光を発生する第2格子溝と、
    を有する回折格子において、
    前記第1格子溝及び前記第2格子溝の隣接方向と直交する方向のそれぞれの長さは、
    前記0次光、前記正の第1及び第2高次回折光、前記負の第1及び第2高次回折光を前記光ディスク媒体に集光するための対物レンズの有効径の1/2以下である、
    ことを特徴とする回折格子。
  2. 前記一定幅及び前記一定間隔は、同一長であり、
    前記第1溝及び前記第2溝は、前記隣接方向において前記一定間隔ずれてなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の回折格子。
  3. 前記第1溝同士又は前記第2溝同士の隣接する辺の方向と、前記第1格子溝及び前記第2格子溝の隣接方向とがなす90度以下の角度θは、
    sinθ=(Tp・P)/(λ・f0)
    (但し、Tp・・前記光ディスク媒体のトラックピッチ
    P・・・前記第1格子溝及び前記第2格子溝の前記隣接方向と直交する方向
    のそれぞれの長さ
    λ・・・前記レーザー光の波長
    f0・・前記対物レンズの焦点距離)
    を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回折格子。
  4. 前記第1溝同士又は前記第2溝同士の隣接する辺の方向と、前記第1格子溝及び前記第2格子溝の隣接方向とがなす90度以下の角度θは、
    sinθ=(L・P)/(λ・f0)
    (但し、P・・・前記第1格子溝及び前記第2格子溝の前記隣接方向と直交する方向
    のそれぞれの長さ
    λ・・・前記レーザー光の波長
    f0・・前記対物レンズの焦点距離
    L・・・cos(L・π/Tp(1))≒・・≒cos(L・π/Tp(n))
    を満たす共通の値
    但し、Tp(1)・・Tp(n)は、前記光ディスク媒体が複数(n)
    種類の場合の前記光ディスク媒体の各トラックピッチ)
    を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回折格子。
  5. 前記レーザー光が平行光であるときの光路に介在する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項4の何れかに記載の回折格子。
  6. 前記レーザー光が発散光であるときの光路に介在する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の回折格子。
  7. 光ディスク媒体に対してレーザー光を出射するレーザー素子と、
    一定幅の第1溝を当該幅方向に一定間隔で繰り返し、前記レーザー光を回折することにより、0次光、1次以上の正の第1高次回折光、1次以上の負の第1高次回折光を発生する第1格子溝と、前記一定幅の第2溝を当該幅方向に前記一定間隔で繰り返し、且つ、前記第1溝に対して前記第2溝をずらすとともに前記第1格子溝に隣接し、前記レーザー光を回折することにより、0次光、前記第1溝に対する前記第2溝のずれに応じた1次以上の正の第2高次回折光、前記第1溝に対する前記第2溝のずれに応じた1次以上の負の第2高次回折光を発生する第2格子溝と、を有する回折格子と、
    前記0次光、前記正の第1及び第2高次回折光、前記負の第1及び第2高次回折光を前記光ディスク媒体に集光するための対物レンズと、
    を備えた光ピックアップ装置において、
    前記回折格子における前記第1格子溝及び前記第2格子溝の隣接方向と直交する方向のそれぞれの長さは、前記対物レンズの有効径の1/2以下である、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。

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