JP2007122175A - 木造構造物監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の監視システムでは、木造構造物の環境異常発生の有無は、単に測定データの値が特定のしきい値を超えたか否かで判断されているため、耐震性等の低下につながるような重大な品質低下を招く恐れがあり、更に、木造構造物における湿度等の測定データには木造構造物の戸外の外気との関係が何ら考慮されていないため、測定データの分析が不十分で腐食進行に繋がる重大な環境異常を見逃す恐れがある、という問題があった。
【解決手段】木造構造物2の周囲環境を計測する計測センサ13・14と、該構造物計測センサ13・14からの測定データを収集して分類しインターネット等のネットワーク3に送信する計測コントローラ12と、該計測コントローラ12からの測定データに基づいて木造構造物2の品質を推測する品質管理装置7とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】木造構造物2の周囲環境を計測する計測センサ13・14と、該構造物計測センサ13・14からの測定データを収集して分類しインターネット等のネットワーク3に送信する計測コントローラ12と、該計測コントローラ12からの測定データに基づいて木造構造物2の品質を推測する品質管理装置7とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、腐食による木造構造物の品質変化や環境変化を監視し、検知された品質異常や環境異常に対して迅速に対応可能な木造構造物監視システムに関する。
木造構造物の腐朽菌による腐食には、栄養分となる木材の他、酸素、温度、水分の四条件が必要であるが、このうちの栄養、酸素は一般の木造構造物では十分に満たされていることから、残りの温度、水分が腐食の進行の律速因子となっている。そのため、高温多湿の腐食環境下では、腐朽菌による腐食が急速に進み、各種品質の低下、特に構造強度の著しい低下を招く。すなわち、このような高温多湿の腐食環境下では、木造構造物の骨組みである土台、柱、梁、筋交い等の各部の構造強度が低下し、木造構造物全体での耐震性、耐風性等も低下することとなる。また、品質低下部位の補強や良好な外観維持には莫大な補修費が必要となるばかりか、たとえ補修を施しても、木造構造物の商品としての経済的価値の低下は避けられない。
そこで、木造構造物周囲の湿度等をセンサーで常時監視しておき、湿度等の測定データが異常値を示した場合に、該測定データを監視センターに送信し、換気や応急処置等の対策を行う監視システム(例えば特許文献1)が公知となっている。
特許第3516912号公報
そこで、木造構造物周囲の湿度等をセンサーで常時監視しておき、湿度等の測定データが異常値を示した場合に、該測定データを監視センターに送信し、換気や応急処置等の対策を行う監視システム(例えば特許文献1)が公知となっている。
しかしながら、この従来の監視システムでは、木造構造物での環境異常発生の有無は、測定データの値が特定のしきい値を超えたか否かで判断されているため、漏水による床下浸水等の顕著な環境異常は検知できるが、外部からは確認しにくい、木造構造物内部における長期にわたって進行する腐食に対する対応は十分とはいえず、耐震性等の低下につながるような重大な品質低下を招く恐れがある、という問題があった。
しかも、木造構造物における湿度等の測定データには木造構造物の戸外の外気との関係が何ら考慮されていないため、測定データの分析が不十分で、腐食進行に繋がる重大な環境異常を見逃す恐れがある、という問題があった。
しかも、木造構造物における湿度等の測定データには木造構造物の戸外の外気との関係が何ら考慮されていないため、測定データの分析が不十分で、腐食進行に繋がる重大な環境異常を見逃す恐れがある、という問題があった。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、木造構造物における環境変化に関する情報を収集して分析し、木造構造物の品質と環境を監視する木造構造物監視システムにおいて、該木造構造物監視システムは、木造構造物の周囲環境を計測する計測手段と、該計測手段からの測定データを収集して分類しインターネット等のネットワークに送信する送信制御手段と、該送信制御手段からの測定データに基づいて木造構造物の品質を推測する品質推測手段とを備えるものである。
請求項2においては、前記品質推測手段内またはネットワーク内に記憶手段を備え、該記憶手段には、木造構造物の周囲環境を計測して得られた構造物測定データを蓄積する構造物計測情報データベースと、木造構造物の戸外の外気を計測して得られた外気測定データを蓄積する外気計測情報データベースと、前記構造物測定データから木造構造物の品質を推測すると共に前記構造物測定データと外気測定データとから環境異常の有無を判断するための情報やプログラム等を蓄積した分析モデルデータベースとを備えるものである。
請求項3においては、前記送信制御手段と計測手段とは、無線で交信可能な構成にすると共に、前記送信制御手段は、前記計測手段に電波を発信して非接触で電力を供給するものである。
請求項4においては、前記計測手段は、木造構造物に貼付又は係止可能な取付構造を備えると共に、前記送信制御手段は、計測手段から受信した電波の方向や強度等の電波特性を分析して、該計測手段の位置データと破損データとを取得するものである。
請求項5においては、前記木造構造物監視システムは生活監視サブシステムを有し、該生活監視サブシステムは、前記木造構造物内での生活状況や住環境を計測する生活情報計測手段と、該生活情報計測手段からの測定データを収集してインターネット等のネットワークに送信する生活情報送信制御手段とを備え、該生活情報送信制御手段からの測定データに基づいて生活状況や住環境の異常の有無を判断するものである。
すなわち、請求項1においては、木造構造物における環境変化に関する情報を収集して分析し、木造構造物の品質と環境を監視する木造構造物監視システムにおいて、該木造構造物監視システムは、木造構造物の周囲環境を計測する計測手段と、該計測手段からの測定データを収集して分類しインターネット等のネットワークに送信する送信制御手段と、該送信制御手段からの測定データに基づいて木造構造物の品質を推測する品質推測手段とを備えるものである。
請求項2においては、前記品質推測手段内またはネットワーク内に記憶手段を備え、該記憶手段には、木造構造物の周囲環境を計測して得られた構造物測定データを蓄積する構造物計測情報データベースと、木造構造物の戸外の外気を計測して得られた外気測定データを蓄積する外気計測情報データベースと、前記構造物測定データから木造構造物の品質を推測すると共に前記構造物測定データと外気測定データとから環境異常の有無を判断するための情報やプログラム等を蓄積した分析モデルデータベースとを備えるものである。
請求項3においては、前記送信制御手段と計測手段とは、無線で交信可能な構成にすると共に、前記送信制御手段は、前記計測手段に電波を発信して非接触で電力を供給するものである。
請求項4においては、前記計測手段は、木造構造物に貼付又は係止可能な取付構造を備えると共に、前記送信制御手段は、計測手段から受信した電波の方向や強度等の電波特性を分析して、該計測手段の位置データと破損データとを取得するものである。
請求項5においては、前記木造構造物監視システムは生活監視サブシステムを有し、該生活監視サブシステムは、前記木造構造物内での生活状況や住環境を計測する生活情報計測手段と、該生活情報計測手段からの測定データを収集してインターネット等のネットワークに送信する生活情報送信制御手段とを備え、該生活情報送信制御手段からの測定データに基づいて生活状況や住環境の異常の有無を判断するものである。
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1においては、木造構造物における環境変化に関する情報を収集して分析し、木造構造物の品質と環境を監視する木造構造物監視システムにおいて、該木造構造物監視システムは、木造構造物の周囲環境を計測する計測手段と、該計測手段からの測定データを収集して分類しインターネット等のネットワークに送信する送信制御手段と、該送信制御手段からの測定データに基づいて木造構造物の品質を推測する品質推測手段とを備えるので、床下浸水等の顕著な異常を検知できるばかりでなく、長期にわたって進行する腐食に対しても周囲環境の測定データから木造構造物の品質を推測できるため、該推測結果を基に、通気性の確保、補修等の適切な腐食対策を予め講じることができ、木造構造物の品質低下を抑制し、腐食被害の拡大を確実に防止することができる。
請求項2においては、前記品質推測手段内またはネットワーク内に記憶手段を備え、該記憶手段には、木造構造物の周囲環境を計測して得られた構造物測定データを蓄積する構造物計測情報データベースと、木造構造物の戸外の外気を計測して得られた外気測定データを蓄積する外気計測情報データベースと、前記構造物測定データから木造構造物の品質を推測すると共に前記構造物測定データと外気測定データとから環境異常の有無を判断するための情報やプログラム等を蓄積した分析モデルデータベースとを備えるので、周囲環境の測定データを分析するにあたって戸外の外気の湿度等を考慮することができ、従来のように気象変動による測定データの変化を誤って異常発生とみなしたり、逆に気象変動に隠れて測定データの異常に気づかないといった誤りを確実に防止して、周囲環境の状況を正確に把握することができ、木造構造物の腐食に繋がる重大な環境異常も見逃すことがない。
請求項3においては、前記送信制御手段と計測手段とは、無線で交信可能な構成にすると共に、前記送信制御手段は、前記計測手段に電波を発信して非接触で電力を供給するので、各種データの送受信や電源の供給のための配線のせいで計測手段の取付位置が制限されることがなく、更に、電池切れや電源コードが抜けて急に計測手段が動作不能となることもなく、計測手段の設置自由度が高い上に電力切れのない安定した木造構造物監視システムを提供することができる。
請求項4においては、前記計測手段は、木造構造物に貼付又は係止可能な取付構造を備えると共に、前記送信制御手段は、計測手段から受信した電波の方向や強度等の電波特性を分析して、該計測手段の位置データと破損データとを取得するので、木造構造物に直接貼付又は係止した計測手段が腐食の進行に伴って取付位置からずれたり、脱落したり、あるいは破損したことを即座に検知することができるため、周囲環境の計測による間接的なデータに加えて、計測手段そのものを使って木質部材の腐食による膨張や腐朽といった現象を直に確認することができ、腐食の進行度合いをより精度良く検知することができる。
請求項5においては、前記木造構造物監視システムは生活監視サブシステムを有し、該生活監視サブシステムは、前記木造構造物内での生活状況や住環境を計測する生活情報計測手段と、該生活情報計測手段からの測定データを収集してインターネット等のネットワークに送信する生活情報送信制御手段とを備え、該生活情報送信制御手段からの測定データに基づいて生活状況や住環境の異常の有無を判断するので、要介護者や独居老人等の居住者の暮らしぶりや住まいの様子を適宜監視することができ、居住者や住環境の異常を早期に検知して適切な対応をとることができるため、居住者のトラブルや住環境被害の拡大を確実に防止することができる。
すなわち、請求項1においては、木造構造物における環境変化に関する情報を収集して分析し、木造構造物の品質と環境を監視する木造構造物監視システムにおいて、該木造構造物監視システムは、木造構造物の周囲環境を計測する計測手段と、該計測手段からの測定データを収集して分類しインターネット等のネットワークに送信する送信制御手段と、該送信制御手段からの測定データに基づいて木造構造物の品質を推測する品質推測手段とを備えるので、床下浸水等の顕著な異常を検知できるばかりでなく、長期にわたって進行する腐食に対しても周囲環境の測定データから木造構造物の品質を推測できるため、該推測結果を基に、通気性の確保、補修等の適切な腐食対策を予め講じることができ、木造構造物の品質低下を抑制し、腐食被害の拡大を確実に防止することができる。
請求項2においては、前記品質推測手段内またはネットワーク内に記憶手段を備え、該記憶手段には、木造構造物の周囲環境を計測して得られた構造物測定データを蓄積する構造物計測情報データベースと、木造構造物の戸外の外気を計測して得られた外気測定データを蓄積する外気計測情報データベースと、前記構造物測定データから木造構造物の品質を推測すると共に前記構造物測定データと外気測定データとから環境異常の有無を判断するための情報やプログラム等を蓄積した分析モデルデータベースとを備えるので、周囲環境の測定データを分析するにあたって戸外の外気の湿度等を考慮することができ、従来のように気象変動による測定データの変化を誤って異常発生とみなしたり、逆に気象変動に隠れて測定データの異常に気づかないといった誤りを確実に防止して、周囲環境の状況を正確に把握することができ、木造構造物の腐食に繋がる重大な環境異常も見逃すことがない。
請求項3においては、前記送信制御手段と計測手段とは、無線で交信可能な構成にすると共に、前記送信制御手段は、前記計測手段に電波を発信して非接触で電力を供給するので、各種データの送受信や電源の供給のための配線のせいで計測手段の取付位置が制限されることがなく、更に、電池切れや電源コードが抜けて急に計測手段が動作不能となることもなく、計測手段の設置自由度が高い上に電力切れのない安定した木造構造物監視システムを提供することができる。
請求項4においては、前記計測手段は、木造構造物に貼付又は係止可能な取付構造を備えると共に、前記送信制御手段は、計測手段から受信した電波の方向や強度等の電波特性を分析して、該計測手段の位置データと破損データとを取得するので、木造構造物に直接貼付又は係止した計測手段が腐食の進行に伴って取付位置からずれたり、脱落したり、あるいは破損したことを即座に検知することができるため、周囲環境の計測による間接的なデータに加えて、計測手段そのものを使って木質部材の腐食による膨張や腐朽といった現象を直に確認することができ、腐食の進行度合いをより精度良く検知することができる。
請求項5においては、前記木造構造物監視システムは生活監視サブシステムを有し、該生活監視サブシステムは、前記木造構造物内での生活状況や住環境を計測する生活情報計測手段と、該生活情報計測手段からの測定データを収集してインターネット等のネットワークに送信する生活情報送信制御手段とを備え、該生活情報送信制御手段からの測定データに基づいて生活状況や住環境の異常の有無を判断するので、要介護者や独居老人等の居住者の暮らしぶりや住まいの様子を適宜監視することができ、居住者や住環境の異常を早期に検知して適切な対応をとることができるため、居住者のトラブルや住環境被害の拡大を確実に防止することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に関わる木造構造物監視システムの全体構成を示すブロック図、図2は計測手段である計測センサの詳細構成を示すブロック図、図3は送信制御手段である計測コントローラの詳細構成を示すブロック図、図4は計測センサと計測コントローラの配置構成を示す木造構造物の平面模式図、図5は品質推測手段である品質管理装置の詳細構成を示すブロック図、図6は木質部の経時劣化モデルを示す図、図7は湿度変化を示す図であり、図7(a)は1日の湿度変化、図7(b)は月間の最大湿度差の変化を示す図、図8は無線式の木造構造物監視システムの全体構成を示すブロック図、図9は無線式の計測センサの詳細構成を示すブロック図、図10は無線式の計測コントローラの詳細構成を示すブロック図、図11は生活監視サブシステムを有する木造構造物監視システムの全体構成を示すブロック図、図12は生活監視サブシステムの詳細構成を示すブロック図である。
である。
図1は本発明に関わる木造構造物監視システムの全体構成を示すブロック図、図2は計測手段である計測センサの詳細構成を示すブロック図、図3は送信制御手段である計測コントローラの詳細構成を示すブロック図、図4は計測センサと計測コントローラの配置構成を示す木造構造物の平面模式図、図5は品質推測手段である品質管理装置の詳細構成を示すブロック図、図6は木質部の経時劣化モデルを示す図、図7は湿度変化を示す図であり、図7(a)は1日の湿度変化、図7(b)は月間の最大湿度差の変化を示す図、図8は無線式の木造構造物監視システムの全体構成を示すブロック図、図9は無線式の計測センサの詳細構成を示すブロック図、図10は無線式の計測コントローラの詳細構成を示すブロック図、図11は生活監視サブシステムを有する木造構造物監視システムの全体構成を示すブロック図、図12は生活監視サブシステムの詳細構成を示すブロック図である。
である。
まず、本発明に係わる木造構造物監視システムの全体構成について、図1により説明する。
該木造構造物監視システム1において、木造住宅等の木造構造物2の浴室、洗面所、台所、床下等には複数の構造物計測センサ13が取り付けられ、木造構造物2の外壁外面等には外気計測センサ14が取り付けられる。更に、木造構造物2には計測コントローラ12が設置され、該計測コントローラ12に、前記各種計測センサ13・14が接続されている。
該木造構造物監視システム1において、木造住宅等の木造構造物2の浴室、洗面所、台所、床下等には複数の構造物計測センサ13が取り付けられ、木造構造物2の外壁外面等には外気計測センサ14が取り付けられる。更に、木造構造物2には計測コントローラ12が設置され、該計測コントローラ12に、前記各種計測センサ13・14が接続されている。
該計測コントローラ12は、インターネット等のネットワーク3に接続され、該ネットワーク3には、前記木造構造物2を使用する利用者4の携帯電話やパソコン等のローカル端末5と、木造構造物2の監視サービスを提供する木造構造物監視センター6の品質管理装置7とが接続されている。
更に、該品質管理装置7には、必要に応じて、前記利用者4が保守管理契約を結んだ建築会社等の保守管理機関8におけるローカル端末9や、該保守管理機関8や前記利用者4等と保険契約や担保契約等を結んだ保険金融関連等の資産管理機関10におけるローカル端末11を、専用回線15や前記ネットワーク3を介して接続することもできる。
このような構成において、前記計測コントローラ12が、計測センサ13・14から得られた各種の測定データを、データの種類や測定位置等で分類した上でネットワーク3を介して木造構造物監視センター6の品質管理装置7に送信し、該品質管理装置7では、分析して木造構造物2各部の現在の品質を推測すると共に周囲環境の状況を把握する。そして、得られた分析結果は、ネットワーク3を介して、利用者4、更には関連機関である保守管理機関8や資産管理機関10に瞬時に伝達することができるので、木造構造物監視センター6が木造構造物2の品質変化や環境変化を常時監視することにより、保守管理機関8や資産管理機関10は、腐食対策情報や資産運用等のための品質推測情報をリアルタイムで取得することができる。
更に、これらの関連機関8・10と前記利用者4との連係も密となって、関係機関8・10から利用者4への的確な指示や、逆に、該利用者4から関係機関8・10への木造構造物2に関する詳細情報の提供が容易となり、該木造構造物2の品質異常や環境異常に対するより迅速な対応が可能となる。
更に、これらの関連機関8・10と前記利用者4との連係も密となって、関係機関8・10から利用者4への的確な指示や、逆に、該利用者4から関係機関8・10への木造構造物2に関する詳細情報の提供が容易となり、該木造構造物2の品質異常や環境異常に対するより迅速な対応が可能となる。
次に、前記計測センサ13・14、計測コントローラ12について、図1乃至図4により説明する。
計測センサ13・14は、変復調回路等から成る通信装置16と、該通信装置16を制御して前記計測コントローラ12との間で配線23を介して通信を行う通信制御装置17と、周囲環境、例えば湿度、含水率、温度を計測するための素子を組み込んだセンサ部18と、該センサ部18、前記通信装置16、及び通信制御装置17を作動させるための、定電流回路等から成る電力供給部19とを備えている。
計測センサ13・14は、変復調回路等から成る通信装置16と、該通信装置16を制御して前記計測コントローラ12との間で配線23を介して通信を行う通信制御装置17と、周囲環境、例えば湿度、含水率、温度を計測するための素子を組み込んだセンサ部18と、該センサ部18、前記通信装置16、及び通信制御装置17を作動させるための、定電流回路等から成る電力供給部19とを備えている。
このうちの通信制御装置17には、通信制御プログラム等の各種プログラムを読み込むメインメモリ21と、該プログラムの指令を受けて各種処理を行う中央処理装置20と、ROM等の読み出し専用のメモリから成る記憶装置22とが内蔵され、該記憶装置22内には、各計測センサ13・14の個体番号のようなセンサ識別情報を蓄積したセンサ識別情報データベース22aを設けている。
また、前記計測コントローラ12の場合も、変復調回路等から成る通信装置24と、該通信装置24を制御して前記計測センサ13・14との間で配線23を介して通信を行う通信制御装置25と、キーボード、タッチパネル、音声入力機器などの入力装置やCRTディスプレイ、液晶ディスプレイなどの出力装置を備えた入出力部26と、該入出力部26、前記通信装置24、及び通信制御装置25を作動させるための、AC/DC電源等の電力供給部27とを備えている。
前記通信制御装置25にも、通信制御プログラム等の各種プログラムを読み込むメインメモリ29と、該プログラムの指令を受けて各種処理を行う中央処理装置28と、EEPROM等の書き込み可能なメモリから成る記憶装置30とが内蔵されている。該記憶装置30内には、各計測センサ13・14の個体番号のようなセンサ識別情報と、各個体番号に対応する、計測センサの種類(構造物計測用か外気計測用か)、計測対象の種類(湿度用、温度用、含水率用、漏水用等)、計測センサの設置位置(浴室、床下等)等のセンサ固有情報と、各木造構造物2の個体番号のような構造物識別情報とを蓄積した固有・識別情報データベース30aを設けている。
そして、図4に示すように、構造物計測センサ13a乃至13m、外気計測センサ14は、配線23によって互いに接続されると共に、該配線23の途中部に前記計測コントローラ12が接続され、該計測コントローラ12を介して各計測センサ13・14が前記ネットワーク3に接続されている。
このような構成において、定期的に、前記計測コントローラ12が、所定の計測センサ13・14に向かって、データ収集のための作動信号13を送信する。あるいは、必要に応じて、前記木造構造物監視センター6や利用者4が、前記品質管理装置7やローカル端末5を操作して、ネットワーク3を介して作動信号31を所定の前記計測コントローラ12に送信すると、該計測コントローラ12中の通信制御装置25が、前記固有・識別情報データベース30aを基に、測定に使用する計測センサ13・14を選択し、該当する計測センサ13・14に向かって、作動信号31を送信するのである。
このようにして送られてきた作動信号31を受信した計測センサ13・14は、前記センサ部18を作動させて計測し、得られた木造構造物や外気の測定データは、前記センサ識別情報データベース22a中のセンサ識別情報と一緒に、配線23を介して前記計測コントローラ12に返信される。
該計測コントローラ12では、測定データと一緒に返信されてきたセンサ識別情報を、固有・識別情報データベース30a中のセンサ識別情報と照合し、該測定データを、例えば木造構造物の浴室の湿度、木造構造物周囲の外気の湿度、木質部の含水率といったように分類する。これを測定データ識別情報として測定データに付与し、更に、該測定データは、固有・識別情報データベース30a中の構造物識別情報と関連づけられた上で、ネットワーク3を介し、前記品質管理装置7やローカル端末5に送信されるのである。
次に、該木造構造物監視センター6の品質管理装置7、及びそれによる品質の推測や周囲環境状況の把握について、図5乃至図7により説明する。
前記品質管理装置7は、入出力・演算部32、ハードディスク等の記憶装置33、及び通信インターフェース34を有し、該通信インターフェース34を介して前記ネットワーク3に接続されている。このうち前記入出力・演算部32は、キーボード、タッチパネル、音声入力機器、マウスなどの入力装置35と、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイなどの表示機器やレーザープリンタなどの印刷機器に代表される出力装置36と、制御プログラムや前記測定データを分析するための分析プログラムなどの各種プログラムを読み込むメインメモリ37と、該プログラムの指令を受けて各種処理を行う中央処理装置38とから成る。
前記品質管理装置7は、入出力・演算部32、ハードディスク等の記憶装置33、及び通信インターフェース34を有し、該通信インターフェース34を介して前記ネットワーク3に接続されている。このうち前記入出力・演算部32は、キーボード、タッチパネル、音声入力機器、マウスなどの入力装置35と、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイなどの表示機器やレーザープリンタなどの印刷機器に代表される出力装置36と、制御プログラムや前記測定データを分析するための分析プログラムなどの各種プログラムを読み込むメインメモリ37と、該プログラムの指令を受けて各種処理を行う中央処理装置38とから成る。
そして、前記記憶装置33内には、前記計測コントローラ12からの測定データから測定データ識別情報に基づいて抽出した木造構造物の測定データ(以下、「構造物測定データ」とする)を蓄積する構造物計測情報データベース33aと、同様にして抽出した戸外での測定データ(以下、「外気測定データ」とする)を蓄積する外気計測情報データベース33bと、木造構造物2の個体番号、種類、構造、建築時期、所在地の環境、センサ配置位置等の構造物固有情報を蓄積した固有情報データベース33cと、腐食環境下での木質部の経時劣化モデル、品質低下部位の補強等の補修が必要とされる限界強度等の限界品質レベル、周囲環境と戸外との比較評価等の各種分析に必要な計算プログラム等の分析モデルプログラム、及び異常発生有無の判断基準となる計測対象毎のしきい値を蓄積した分析モデルデータベース33dと、分析により得られた木造構造物2の品質と周囲環境の状況等の分析データを蓄積する分析結果データベース33eとを設けている。なお、前記各測定データには構造物識別情報が付随している。
このような構成において木造構造物2の各部の品質を推測する場合は、前記構造物測定データが構造物計測情報データベース33aから読み出されると共に、該構造物測定データの構造物識別情報から特定される木造構造物2の構造物固有情報が固有情報データベース33cから読み出され、これら構造物測定データと構造物固有情報に対して、前記分析モデルデータベース33dからメインメモリ37に読み込まれた分析モデルに基づき、中央処理装置38が品質推測処理を実行し、その結果は、分析データとして前記分析結果データベース33eに蓄積される。
例えば、図6に示すように、該当する腐食環境下における木質部の経時劣化モデルの曲線39と限界強度41とを前記分析モデルデータベース33dから読み出し、構造物固有情報中の建築時期から築後経過期間を求めて測定時の強度40を推測すると共に、前記限界強度41から補修期限を求めて該補修期限までの猶予期間42を推測することができる。
また、木造構造物2の各部の周囲環境状況を把握する場合は、前記構造物測定データと外気測定データとが、前記構造物計測情報データベース33aと外気計測情報データベース33bとからそれぞれ読み出され、これら構造物測定データと外気測定データに対して、前記分析モデルデータベース33dからメインメモリ37に読み込まれた分析モデルプログラムに基づき、中央処理装置38が環境異常検出処理を実行し、その結果は、分析データとして前記分析結果データベース33eに蓄積される。
例えば、図7(a)に示すように、計算プログラムを前記分析モデルデータベース33dから読み出し、構造物測定データの曲線43と外気測定データの曲線44との最大湿度差45を算出する。そして、図7(b)に示すように、該最大湿度差45が急激に変動した場合には、異常発生とみなして前記分析結果データベース33eに異常情報として蓄積されると同時に、警報が発せられる。もちろん、前記分析モデルデータベース33d中のしきい値を構造物測定データの値が超えた場合にも、異常発生とみなされる。また、木質部の含水率についても、同様に、計算プログラムを前記分析モデルデータベース33dから読み出して一日における最大含水率を算出し、該最大含水率が急激に変動した場合には、異常発生とみなして前記分析結果データベース33eに異常情報として蓄積すると同時に、警報を発するようにすることができる。
このようにして、記憶装置33中の分析結果データベース33eに蓄積された、測定時の強度40、補修等までの猶予期間42、異常情報等の分析データは、構造物測定データと一緒にネットワーク3を介して、利用者4、関連機関8・10等に瞬時に伝達される。更には、これら分析データ、構造物測定データは、図示せぬサーバ又は木造構造物監視センター6内に開いたホームページ上に表示し、該ホームページには、登録している利用者4や関係機関8・10がローカル端末5・9・11から自由にアクセスできるようにしてもよい。
すなわち、木造構造物2における環境変化に関する情報を収集して分析し、木造構造物2の品質と環境を監視する木造構造物監視システム1において、該木造構造物監視システム1は、木造構造物2の周囲環境を計測する計測手段である計測センサ13・14と、該構造物計測センサ13・14からの測定データを収集して分類しインターネット等のネットワーク3に送信する送信制御手段である計測コントローラ12と、該計測コントローラ12からの測定データに基づいて木造構造物2の品質を推測する品質推測手段である品質管理装置7とを備えるので、床下浸水等の顕著な異常を検知できるばかりでなく、長期にわたって進行する腐食に対しても周囲環境の測定データから木造構造物2の品質を推測できるため、該推測結果を基に、通気性の確保、補修等の適切な腐食対策を予め講じることができ、木造構造物2の品質低下を抑制し、腐食被害の拡大を確実に防止することができる。
更に、前記品質推測手段である品質管理装置7内またはネットワーク3内に記憶手段である記憶装置33を備え、該記憶装置33には、木造構造物2の周囲環境を計測して得られた構造物測定データを蓄積する構造物計測情報データベース33aと、木造構造物2の戸外の外気を計測して得られた外気測定データを蓄積する外気計測情報データベース33bと、前記構造物測定データから木造構造物2の品質を推測すると共に前記構造物測定データと外気測定データとから環境異常の有無を判断するための情報やプログラム等を蓄積した分析モデルデータベース33dとを備えるので、周囲環境の測定データを分析するにあたって戸外の外気の湿度等を考慮することができ、従来のように気象変動による測定データの変化を誤って異常発生とみなしたり、逆に気象変動に隠れて測定データの異常に気づかないといった誤りを確実に防止して、周囲環境の状況を正確に把握することができ、木造構造物2の腐食に繋がる重大な環境異常も見逃すことがない。
次に、前記計測センサと計測コントローラとの間を無線で交信可能な構成とした場合の実施例について、図8乃至図10により説明する。
このような無線式の木造構造物監視システム46では、無線式の構造物計測センサ67と外気計測センサ68とは、いずれもアンテナ部48と、樹脂などのモールドで囲まれたいわゆる非接触ICチップにより構成される制御部49と、湿度等を計測するための素子を組み込んだセンサ部50とから成る。そして、前記制御部49内には、変復調回路等から成る通信装置47と、該通信装置47を制御して後述の無線式の計測コントローラ66との間で無線通信を行う通信制御装置51とが、小型チップ化されて内蔵されている。更に、該通信制御装置51内には、通信制御プログラム等の各種プログラムを読み込むメインメモリ53と、該プログラムの指令を受けて各種処理を行う中央処理装置52と、ROM等の読み出し専用のメモリから成る記憶装置54とを内蔵しており、該記憶装置52内には、各計測センサ67・68の個体番号のようなセンサ識別情報を蓄積したセンサ識別情報データベース54aを設けている。
このような無線式の木造構造物監視システム46では、無線式の構造物計測センサ67と外気計測センサ68とは、いずれもアンテナ部48と、樹脂などのモールドで囲まれたいわゆる非接触ICチップにより構成される制御部49と、湿度等を計測するための素子を組み込んだセンサ部50とから成る。そして、前記制御部49内には、変復調回路等から成る通信装置47と、該通信装置47を制御して後述の無線式の計測コントローラ66との間で無線通信を行う通信制御装置51とが、小型チップ化されて内蔵されている。更に、該通信制御装置51内には、通信制御プログラム等の各種プログラムを読み込むメインメモリ53と、該プログラムの指令を受けて各種処理を行う中央処理装置52と、ROM等の読み出し専用のメモリから成る記憶装置54とを内蔵しており、該記憶装置52内には、各計測センサ67・68の個体番号のようなセンサ識別情報を蓄積したセンサ識別情報データベース54aを設けている。
また、無線式の計測コントローラ66は、アンテナ部55と、制御部56と、キーボード、タッチパネル、音声入力機器などの入力装置やCRTディスプレイ、液晶ディスプレイなどの出力装置を備えた入出力部57と、該入出力部57、前記制御部56を作動させるための、AC/DC電源等の電力供給部58とを備えている。そして、前記制御部56内には、変復調回路等から成る通信装置59と、該通信装置59を制御して前記計測センサ67・68との間で無線通信を行う通信制御装置60とが、小型チップ化されて内蔵されている。更に、該通信制御装置60内には、通信制御プログラムや前記センサ電波を分析するための分析プログラムなどの各種プログラムを読み込むメインメモリ62と、該プログラムの指令を受けて各種処理を行う中央処理装置61と、EEPROM等の書き込み可能なメモリから成る記憶装置63を内蔵しており、該記憶装置63内には、固有・識別情報データベース63aに加えてセンサ位置情報データベース63bを設け、該センサ位置情報データベース63bには、各計測センサ67・68の発信するセンサ電波65の基準の強度や周波数等の動作特性と、該センサ電波の方向や強度等の電波特性を分析して計測センサ67・68の現在の位置を推定する位置推定プログラムと、推定した現在の位置データと、取付時の位置データとを蓄積している。
このような構成において、前実施例と同様に、定期的に、計測コントローラ66が、所定の計測センサ67・68に向かって、データ収集のための作動電波64を発信する。あるいは、必要に応じて、前記木造構造物監視センター6や利用者4が、前記品質管理装置7やローカル端末5を操作して、ネットワーク3を介して作動信号31を所定の無線式計測コントローラ66に送信すると、通信制御装置60が、前記固有・識別情報データベース63aを基に、測定に使用する無線式の計測センサ67・68を選択し、該当する計測センサ67・68に向かって作動電波64を発信する。
このようにして送られてきた作動電波64を、前記計測センサ67・68のアンテナ部48が受けると、電磁誘導により電流が流れて電力が生じ、該電力によって前記制御部49とセンサ部50とが起動して計測が行われる。そして、得られた木造構造物や外気の測定データと、前記センサ識別情報データベース54a中のセンサ識別情報とを含んだセンサ電波65を、前記計測コントローラ66に向けて返信する。
すなわち、前記送信制御手段である計測コントローラ66と、計測手段である計測センサ67・68とは、無線で交信可能な構成にすると共に、前記計測コントローラ66は、前記計測センサ67・68に電波を発信して非接触で電力を供給するので、各種データの送受信や電源の供給のための配線のせいで計測センサ67・68の取付位置が制限されることがなく、更に、電池切れや電源コードが抜けて急に計測センサ67・68が動作不能となることもなく、計測センサ67・68の設置自由度が高い上に電力切れのない安定した木造構造物監視システム46を提供することができる。
また、計測コントローラ66では、センサ電波65を受信すると、測定データと一緒に返信されてきたセンサ識別情報を固有・識別情報データベース63a中のセンサ識別情報と照合して分類し、これを測定データ識別情報として前記測定データに付与し、更に、該測定データは、固有・識別情報データベース63a中の構造物識別情報と関連づけられた上で、ネットワーク3を介して前記品質管理装置7やローカル端末5に送信され、前実施例と同様にして、木造構造物2の品質の推定や、周囲環境の状況の把握が行われる。
そして、同時に、前記通信装置59にて検出されたセンサ電波65の方向や強度等の電波特性が、前記メインメモリ61と中央処理装置62により、前記センサ位置情報データベース63b中の位置推定プログラムに従って分析され、計測センサ67・68の現在の位置データが推定される。この現在の位置データは、前記センサ位置情報データベース63bに蓄積された上で、取付時の位置データと比較され、該取付時位置データと前記現在位置データとが異なれば、異常信号69が、計測コントローラ66からネットワーク3を介して前記品質管理装置7やローカル端末5に送信されるのである。
この際、計測センサ67・68の制御部49、センサ部50を内設する本体70は、木造構造物2の所定位置に、貼付や、巻き付け、埋め込み等による係止によって取り付けられており、取付位置の木質部での腐食が進行したり漏水等が発生すると、本体70は、容易に取付位置からずれたり、脱落するようにしている。このようにして、計測センサ67・68の現在位置が変化すると、前記異常信号69が発信される。
更に、前記本体70の素材を、紙、繊維、プラスチック、あるいはこれらの生分解性を高めた材料から構成し、腐食による膨張や腐朽によって計測センサ67・68が容易に破損するようにしてもよい。これにより、計測センサ67・68が破損し、前記センサ電波65の強度がセンサ位置情報データベース63b中の基準強度に比べて弱まったり、センサ電波65自体が全く検出されなくなると、計測コントローラ66は破損データを取得したと判断し、前述の位置データが相違した場合と同様に、異常信号69が、計測コントローラ66からネットワーク3を介して前記品質管理装置7やローカル端末5に送信される。つまり、計測センサ67・68を、腐食環境の計測手段としてだけでなく、腐食現象を直接確認可能な検知手段としても機能させることができるのである。
すなわち、前記計測手段である計測センサ67・68は、木造構造物2に貼付又は係止可能な取付構造を備えると共に、前記送信制御手段である計測コントローラ66は、計測センサ67・68から受信した電波の方向や強度等の電波特性を分析して、該計測センサ67・68の位置データと破損データとを取得するので、木造構造物2に直接貼付又は係止した計測センサ67・68が腐食の進行に伴って取付位置からずれたり、脱落したり、あるいは破損したことを即座に検知することができるため、周囲環境の計測による間接的なデータに加えて、計測手段である計測センサ67・68そのものを使って木質部材の腐食による膨張や腐朽といった現象を直に確認することができ、腐食の進行度合いをより精度良く検知することができる。
次に、以上のような木造構造物監視システム46に生活監視サブシステム71を備える場合の実施例について、図11と図12により説明する。
該生活監視サブシステム71は、生活情報の各種計測センサから成る生活情報計測センサ72と、前記計測コントローラ66と一緒に、総合コントローラ73内に併設されるサブコントローラ74とから構成され、該総合コントローラ73は前記ネットワーク3に接続されている。そして、該ネットワーク3には、前記ローカル端末5、木造構造物監視センター6の品質管理装置7に加え、新たに、生活情報監視センター78の生活情報管理装置79が接続されている。更に、該生活情報管理装置79には、必要に応じて、前記木造構造物2の居住者、例えば要介護者の暮らしぶりや住まいの様子を監視する監視契約を結んだ福祉サービス会社や建築会社等の関連機関80におけるローカル端末81を、専用回線82や前記ネットワーク3を介して接続してもよい。
該生活監視サブシステム71は、生活情報の各種計測センサから成る生活情報計測センサ72と、前記計測コントローラ66と一緒に、総合コントローラ73内に併設されるサブコントローラ74とから構成され、該総合コントローラ73は前記ネットワーク3に接続されている。そして、該ネットワーク3には、前記ローカル端末5、木造構造物監視センター6の品質管理装置7に加え、新たに、生活情報監視センター78の生活情報管理装置79が接続されている。更に、該生活情報管理装置79には、必要に応じて、前記木造構造物2の居住者、例えば要介護者の暮らしぶりや住まいの様子を監視する監視契約を結んだ福祉サービス会社や建築会社等の関連機関80におけるローカル端末81を、専用回線82や前記ネットワーク3を介して接続してもよい。
前記生活情報計測センサ72には、生活状況計測センサ75や住環境計測センサ76等があり、このうちの生活状況計測センサ75には、通信装置75a、通信制御装置75b、センサ部75c等が組み込まれた感圧センサ、水センサ、開閉センサ、赤外線センサ、温度センサ等が用いられる。例えば、寝床の下に設けた感圧センサにより要介護者の寝返りの回数をカウントしたり、おむつに取り付けた水センサによりおむつの濡れ具合を確認することによって、要介護者への介護処置の要否を判断することができる。なお、かかる生活状況計測センサ75に加えて、通信装置85a、通信制御装置85b、スイッチ部85c等が組み込まれた呼出スイッチ85を、生活状況計測センサ75の一種として要介護者の側に設置し、該呼出スイッチ85による要介護者からの呼出信号の有無によっても、要介護者への介護処置の要否を判断することができる。この呼出スイッチ85には図示せぬ監視カメラを連動させておき、該監視カメラからの映像情報によっても要介護者の暮らしぶりを確認できるようにしてもよい。
更に、例えば、蛇口等に取り付けた水センサによる水道使用の有無の確認、ドア等に取り付けた開閉センサによるトイレや郵便ポストの使用の有無の確認、及び車庫に取り付けた赤外線センサによる入車庫の有無の確認を行ったり、屋内に配設した温度センサによる体温測定を行うことによって、独居老人等の被監視者の暮らしぶり確認し、被監視者の異常の有無を判断することができる。
前記住環境計測センサ76には、通信装置76a、通信制御装置76b、センサ部76c等が組み込まれた水センサ、通電センサ、ガスセンサ、振動センサ、傾斜センサ、熱センサ、煙センサ、ごみセンサ等が用いられる。例えば、水センサによる水道使用の可否の確認、通電センサによる電気使用の可否の確認、及びガスセンサによるガス使用の可否確認、更には、振動センサによる地震等の感知、傾斜センサによる地滑り等の感知、熱センサによる火災の感知、ガスセンサによるガス漏れの感知を行うことによって、災害時の被災状況を監視し、警報を発することができる。更に、煙センサによる空気汚染の感知、ごみセンサによる部屋内の埃等の感知を行うことによって、室内の汚染状況を監視し、シックハウス、花粉症、アトピー等に対する対策の要否を判断可能としている。
また、前記サブコントローラ74は、無線式の前記計測コントローラ66と同様に、通信装置74a、通信制御装置74b、入出力部74c、電力供給部74d等を備えており、各種の前記生活情報計測センサ72からのセンサ電波77や呼出電波86を受信したり、逆に、作動電波83を生活状況計測センサ75や住環境計測センサ76に発信して非接触で電力を供給し計測可能な構成としている。
このような構成において、定期的に、サブコントローラ74が、複数の生活情報計測センサ72のうちの所定の計測センサに向かって、データ収集のための作動電波83を発信する。あるいは、必要に応じて、前記生活情報監視センター78や利用者4が、前記生活情報管理装置79やローカル端末5を操作して、ネットワーク3を介して作動信号84を所定の総合コントローラ73内のサブコントローラ74に送信すると、通信制御装置74bが、計測センサの種類等や木造構造物2の個体番号等のデータベースを基に、測定に使用する生活情報計測センサ72を選択し、該当する生活情報計測センサ72に向かって作動電波83を発信する。
このようにして送られてきた作動電波83を、生活情報計測センサ72のアンテナ部が受けると、電磁誘導により電流が流れて電力が生じ、該電力によって各センサが起動して計測が行われる。そして、得られた測定データ、呼出信号、映像情報、センサ識別情報等を含んだセンサ電波を、前記サブコントローラ74に向けて返信する。
サブコントローラ74では、センサ電波77や呼出電波86を受信すると、測定データと一緒に返信されてきたセンサ識別情報を通信制御装置74bのデータベース中のセンサ識別情報と照合して分類し、これを測定データ識別情報として前記測定データに付与し、更に、該測定データは、データベース中の構造物識別情報と関連づけられた上で、前記呼出信号と一緒に、ネットワーク3を介して前記生活情報管理装置79やローカル端末5に送信される。このようにして、測定データや呼出信号は、生活情報監視センター78や利用者4、必要に応じて前記関連機関80等に瞬時に伝達される。
すなわち、前記木造構造物監視システム1は生活監視サブシステム71を有し、該生活監視サブシステム71は、前記木造構造物2内での生活状況や住環境を計測する生活情報計測手段である生活情報計測センサ72と、該生活情報計測センサ72からの測定データを収集してインターネット等のネットワーク3に送信する生活情報送信制御手段であるサブコントローラ74とを備え、該サブコントローラ74からの測定データに基づいて生活状況や住環境の異常の有無を判断するので、要介護者や独居老人等の居住者の暮らしぶりや住まいの様子を適宜監視することができ、居住者や住環境の異常を早期に検知して適切な対応をとることができるため、居住者のトラブルや住環境被害の拡大を確実に防止することができるのである。
本発明は、腐食環境下における材料の品質異常や環境異常をセンサで検出する監視システム全般に適用することができる。例えば、前記含水率測定用の計測センサにGPS(global position system)や太陽電池を組み込んだものを森林の樹木や乾燥中の木材に取り付け、利用者が携帯電話等を使って松食い虫による虫害等の発生を監視する用途や、更には、木材以外で、コンクリート製や鉄製の構造物の腐食を監視する用途にも、適用することができるのである。
1・46 木造構造物監視システム
2 木造構造物
3 ネットワーク
7 品質推測手段
12・66 送信制御手段
13・14・67・68 計測手段
33 記憶手段
33a 構造物計測情報データベース
33b 外気計測情報データベース
33d 分析モデルデータベース
71 生活監視サブシステム
72 生活情報計測手段
74 生活情報送信制御手段
2 木造構造物
3 ネットワーク
7 品質推測手段
12・66 送信制御手段
13・14・67・68 計測手段
33 記憶手段
33a 構造物計測情報データベース
33b 外気計測情報データベース
33d 分析モデルデータベース
71 生活監視サブシステム
72 生活情報計測手段
74 生活情報送信制御手段
Claims (5)
- 木造構造物における環境変化に関する情報を収集して分析し、木造構造物の品質と環境を監視する木造構造物監視システムにおいて、該木造構造物監視システムは、木造構造物の周囲環境を計測する計測手段と、該計測手段からの測定データを収集して分類しインターネット等のネットワークに送信する送信制御手段と、該送信制御手段からの測定データに基づいて木造構造物の品質を推測する品質推測手段とを備えることを特徴とする木造構造物監視システム。
- 前記品質推測手段内またはネットワーク内に記憶手段を備え、該記憶手段には、木造構造物の周囲環境を計測して得られた構造物測定データを蓄積する構造物計測情報データベースと、木造構造物の戸外の外気を計測して得られた外気測定データを蓄積する外気計測情報データベースと、前記構造物測定データから木造構造物の品質を推測すると共に前記構造物測定データと外気測定データとから環境異常の有無を判断するための情報やプログラム等を蓄積した分析モデルデータベースとを備えることを特徴とする請求項1記載の木造構造物監視システム。
- 前記送信制御手段と計測手段とは、無線で交信可能な構成にすると共に、前記送信制御手段は、前記計測手段に電波を発信して非接触で電力を供給することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の木造構造物監視システム。
- 前記計測手段は、木造構造物に貼付又は係止可能な取付構造を備えると共に、前記送信制御手段は、計測手段から受信した電波の方向や強度等の電波特性を分析して、該計測手段の位置データと破損データとを取得することを特徴とする請求項3記載の木造構造物監視システム。
- 前記木造構造物監視システムは生活監視サブシステムを有し、該生活監視サブシステムは、前記木造構造物内での生活状況や住環境を計測する生活情報計測手段と、該生活情報計測手段からの測定データを収集してインターネット等のネットワークに送信する生活情報送信制御手段とを備え、該生活情報送信制御手段からの測定データに基づいて生活状況や住環境の異常の有無を判断することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちのいずれか一項に記載の木造構造物監視システム。
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