JP2007122002A - 投射型表示装置及びそれに用いられるプリズムユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】投射型表示装置において、偏光板から伝わる熱による液晶パネルの過熱を効果的に防止し、安定した映像が得られる投射型表示装置を提供する。
【解決手段】液晶パネル21と入射側の偏光板との間に高断熱性の光学板としてコントラスト改善素子23を配置した構成とし、これによって偏光板から液晶パネル21に伝わる熱を遮断する。さらにこの構成においてコントラスト改善素子23は、液晶パネル21に固定保持され、かつその保持部36が、液晶パネル21との間に冷却風を通すダクト構造に形成されている構成とし、このダクト構造によって冷却風が液晶パネル21にスムーズに供給されて、液晶パネル21が効率的に冷却されるようにする。
【選択図】図4

Description

本発明は、映像を投射して表示する投射型表示装置、及びこの投射型表示装置に用いられるプリズムユニットに関する。
一般に、いわゆる3板式の投射型表示装置は、光源であるランプから発光されて分離された3原色の色光を色光毎に映像情報に応じて変調する3つの液晶パネルと、この液晶パネルの入射側と出射側に夫々配置される偏光板と、液晶パネルで変調された各色光を合成するクロスプリズムと、このクロスプリズムによって形成された映像を投射する投射レンズと、を備えて構成される(例えば特許文献1参照)。
そしてこの投射型表示装置では、送風手段として冷却ファンが内蔵され、この冷却ファンから送られる冷却風によって発熱量の大きいランプや液晶パネルの付近を冷却するようにしている。
特開2004−226914号公報
このような投射型表示装置では、液晶パネル付近において偏光板からも熱が発生し、特に入射側の偏光板の発熱量が大きく、この偏光板の熱が液晶パネルに伝わると液晶パネルが過熱し、映像に悪影響を及ぼすおそれがある。上記の如く投射型表示装置においては、冷却風によって液晶パネルの付近を冷却するようにしているが、偏光板の熱が液晶パネルに伝わると、液晶パネルはそれ自身の発熱に加えてさらに高温となるので、冷却風によっても充分な冷却効果が得られず、その結果、液晶パネルの動作が不安定となって映像が劣化する懸念がある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、偏光板から伝わる熱による液晶パネルの過熱を効果的に防止し、安定した映像が得られる投射型表示装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため本発明は、
光源であるランプから発光されて分離された複数の色光を色光毎に映像情報に応じて変調する複数の液晶パネルと、この液晶パネルの少なくとも入射側に配置される偏光板と、液晶パネルで変調された各色光を合成するクロスプリズムと、このクロスプリズムによって形成された映像を投射する投射レンズと、ランプ及び液晶パネル付近を冷却するための冷却風を流す送風手段と、を有して構成される投射型表示装置において、
液晶パネルと偏光板との間に配置される高断熱性の光学板として例えばコントラスト改善素子を備え、ここでこのコントラスト改善素子は、液晶パネルに固定保持され、かつその保持部が、液晶パネルとの間に冷却風を通すダクト構造に形成されていることを特徴とするものである。
本発明では、液晶パネルと偏光板との間に高断熱性の光学板としてコントラスト改善素子を配置したことにより、偏光板から液晶パネルに伝わる熱を確実に遮断できるので、液晶パネルの過熱が効果的に防止されて安定した映像を得ることができる。さらに本発明では、コントラスト改善素子の保持部が、液晶パネルとの間に冷却風を通すダクト構造に形成されていることにより、冷却ファンから送風される冷却風が液晶パネルにスムーズに供給されるので、液晶パネルが効率的に冷却されて、より安定した映像を得ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。
図1は、本発明による投影型表示装置の実施例としてビデオプロジェクタを示しており、即ちこのビデオプロジェクタ1は、その筐体2の前面3に表出する投影レンズ26から前方のスクリーンに映像を投射して表示するものである。
このビデオプロジェクタ1に内蔵される光学系は、図2に示すように、光源であるランプ5、フライアイレンズ6、偏光変換素子7、コンデンサーレンズ8、ダイクロイックミラー9,10、全反射ミラー11,12,13、リレーレンズ14,15、フィールドレンズ16,17,18、表示素子である液晶パネルを備えた3つのライトバルブ20(R),20(G),20(B)、クロスプリズム25、投射レンズ26を有して構成されている。
この光学系では、ランプ5で発光された偏りのない白色光が先ずフライアイレンズ6から偏光変換素子7を透過して直線偏光光に変換されるとともにコンデンサーレンズ8で集光されて輝度むらのない均一の白色光が形成され、その輝度むらのない白色光がダイクロイックミラー9,10を経由して3つのライトバルブ20(R),20(G),20(B)に入射される。
その際、色分離手段であるダイクロイックミラー9,10によって白色光が赤色光(R)・緑色光(G)・青色光(B)に分離され、赤色光はダイクロイックミラー9から全反射ミラー11を介してフィールドレンズ16で集光されて赤色用のライトバルブ20(R)に入射する。また、緑色光は、ダイクロイックミラー10からフィールドレンズ17で集光されて緑色用のライトバルブ20(G)に入射し、さらに青色光は、リレーレンズ14、全反射ミラー12、リレーレンズ15、全反射ミラー13を介してフィールドレンズ18で集光されて、青色用のライトバルブ20(B)に入射する。
3つのライトバルブ20(R),20(G),20(B)は夫々、液晶パネル21の入射側に偏光板22とコントラスト改善素子23を有するとともに出射側に偏光板24を有して構成されており、入射側の偏光板22で各色光の偏光方向が揃えられ、さらにコントラスト改善素子23によって各色光のコントラストが最適化されて液晶パネル21に入射される。
液晶パネル21は各色に対応して印加された映像信号により各色光を変調し、この3つの変調光が出射側の偏光板24を透過して偏光されて映像光となり、クロスプリズム25に入射される。そして、クロスプリズム25では各色の映像光が合成され、この合成された映像光が投射レンズ26によってスクリーンに投射されてフルカラーの映像が映し出されるものである。
なお、このような光学系を内蔵するビデオプロジェクタには冷却ファンが備えられており、この冷却ファンから送風される冷却風によって発熱量の大きいランプやライトバルブ付近を効率的に冷却するようにしている。
上記の如き光学系を備えたビデオプロジェクタにおけるクロスプリズム付近の構造例を図3に示す。ここでは、各色のライトバルブ20(R),20(G),20(B)を夫々構成する液晶パネル21、コントラスト改善素子23、偏光板24と、各色光を合成するクロスプリズム25と、を一体に組み合わせたプリズムユニット28を有し、これが投射レンズ26とともにアルミダイカスト製の基台46に螺子止めによって固定されている。
このプリズムユニット28のさらに詳細な構造を図4及び図5で説明する。図4は図3の一部を拡大して示すプリズムユニットの平面図、図5はプリズムユニットの全体構成を示す斜視図である。
このプリズムユニット28においてクロスプリズム25には、各色のライトバルブ20(R),20(G),20(B)を夫々構成する液晶パネル21、コントラスト改善素子23、偏光板24を取り付けるための樹脂製のベース部品30が固定されている。このベース部品30は、クロスプリズム25の下側に配置される下部ベース30aと、クロスプリズム25の上側に配置される上部ベース30bと、により構成されており、何れも接着剤によってクロスプリズム25に固定される。
液晶パネル21は、これを保持する保持枠32の四隅部に固定孔33を有し、この固定孔33にベース部品30から突出されるピン34を通した状態でその部分を接着剤で固着することにより、クロスプリズム25に対し正確に位置決めされた状態で固定される。
コントラスト改善素子23は、これを保持する保持枠36を液晶パネルの保持枠32に被せるように固定して液晶パネル21の外側に取り付けられる。ここで図6に示す如くコントラスト改善素子23は、保持枠36の上枠部36aと下枠部36bとの間に位置し、かつ保持枠36の左右両側枠部36cと36dに形成された左右の突起部37の間に嵌め込まれる状態で接着剤によって固定される。この場合、コントラスト改善素子23は、その四隅部を保持枠36の4箇所に設けられた突き当て面部38に突き当てることによって前後左右の傾きが抑えられた状態で確実に保持枠36に固定され、さらに上辺部を保持枠36の上側枠部36aに形成された左右一対の突き当て凸部39に突き当てることにより、面方向の回転が防止された状態で確実に保持枠に固定される。
そしてこのコントラスト改善素子23は、保持枠36を液晶パネルの保持枠32に接着剤で固定して液晶パネル21の外側に取り付けられる。ここで図5に示す如くコントラスト改善素子23は、保持枠36の四隅部を液晶パネルの保持枠32の4箇所に設けられた突き当て凸部40に突き当てることにより、液晶パネル21に対する平行度が正確に保たれた状態で位置決め固定されるとともに、保持枠36の左右両側枠部36c,36dにおいて上下に形成された突起部41aと41bの一方(本例では上方)の突起部41aを液晶パネルの保持枠32の突き当て凸部40に突き当てることで、面方向の回転が防止された状態で液晶パネル21に対し正確に位置決め固定される構造となっている。
このように本例のプリズムユニット28では、コントラスト改善素子23が液晶パネル21に対し正確に位置決めされた状態で固定されるので、安定したコントラスト改善効果が得られるものである。
またこのコントラスト改善素子23は、これに用いられている光学補償フィルム(WVフィルム)により、光学特性面での断熱効果が他の光学部品に比べて高い。そこで本例の光学系では、図2に示す如く、入射側の偏光板22と液晶パネル21との間にコントラスト改善素子23を配置することにより、発熱量の大きい入射側の偏光板22から液晶パネル21を効果的に断熱する構成としてある。
そしてこの構成において本例のプリズムユニット28では、図4及び図5に示す如く、コントラスト改善素子23の保持枠36を、液晶パネル21の保持枠32との間で所要の空間を確保し、かつ上下方向に開放されるダクト(管)構造となるように形成してあり、これよって冷却ファンから送風される冷却風が液晶パネル21にスムーズに供給されるようにしている。このため液晶パネル21が効率的に冷却されて、常に安定した映像を得ることができるものである。
上記の如く構成されるプリズムユニット28は、図3及び図4に示す如く、クロスプリズム25の前面(出射面)を投影レンズ26側に向けた状態で、基台46と一体の台座部47に螺子止めによって固定される。本例の構成では、ベース部品30の下部ベース30aにおける投射レンズ26側の前方中央の1箇所とその反対側の後方左右2箇所の計3箇所に螺子止め部42a,42b,42cが設けられており、この螺子止め部42a,42b,42cの螺子穴に夫々螺子43を通して台座部47に固定するようにしている。
このように本例の構成では、プリズムユニット28を3箇所で螺子止めして台座部47に固定する構造としたことにより、プリズムユニット28は台座部47に対し安定した状態で固定される。即ち、プリズムユニット28を4箇所以上で螺子止めする構造の場合、プリズムユニット28は台座部47の平面状態の影響を受けて台座部47との間に歪みが生じ、不安定な固定状態となるが、本例のようにプリズムユニット28の螺子止め部を3箇所とした構造では、プリズムユニット28は台座部47の平面状態の影響を受けず、台座部47との間に歪みが生じることないので、安定した状態で確実に固定されることになる。
なお、このプリズムユニット28には、ベース部品30における上部ベース30bの上面に円筒状の摘み部44が設けられており、プリズムユニット28をビデオプロジェクタに組み込むときや取り外しの際には、この摘み部44を指先で摘んでプリズムユニット28を簡単に持つことができるようになっている。
上記の如く本例のプリズムユニット28は、その3箇所に螺子止め部42a,42b,42cを設けて台座部47に安定して固定される構造となっているが、ここで前方中央の螺子止め部42aにおいて螺子止めを行う場合、投射レンズ26とクロスプリズム25との間の狭い空間に螺子とドライバーを挿入して螺子を回す際に、螺子やドライバーがクロスプリズム25に接触して傷を付けてしまうおそれがある。
その対策として特に本例のプリズムユニットでは、図5に示すように、ベース部品30の上部ベース30bにおいて、クロスプリズム25を挟んで前方中央の螺子止め部42aと対向する位置に、クロスプリズム25の前面より突出する凸部45を設けてある。
このような凸部45を設けたプリズムユニット28では、螺子やドライバーを上方から挿入して螺子止め作業を行う際に、凸部45があることによって螺子やドライバーはクロスプリズム25に接触しないようにガイドされる状態となり、即ち凸部45が螺子やドライバーからクロスプリズム25を保護する働きを有し、これによって螺子やドライバーがクロスプリズム25に接触して傷を付けてしまうことを効果的に防止することができるものである。
図7は、プリズムユニットの他の構造例を示す。この例のプリズムユニット28は、ベース部品30の下部ベース30aと上部ベース30bとを一体化したものである。即ちこの例では、ベース部品30の下部ベース30aと上部ベース30bとを連結柱部30cで連結して一体に形成した構造を有し、ここでも図5の実施例と同様に上部ベース30bに凸部45を設けてあり、これによって螺子やドライバーがクロスプリズム25に接触して傷を付けてしまうことを効果的に防止できる構造となっている。この例のプリズムユニット28は、ベース部品30の下部ベース30aと上部ベース30bとを一体化した構造により、下部ベース30aと上部ベース30bを夫々別個にクロスプリズム25に固定する必要がないので、組立性がよいという利点がある。
なお、以上の実施例では、本発明による投射型表示装置として、映像を前方のスクリーンに投影して表示する前方投影式のビデオプロジェクタを例示して説明したが、本発明はこの方式に限ることなく、スクリーンの背面から映像を投影する背面投影式の表示装置においても好適に採用できるものであることは言うまでもない。
本発明の実施例を示すビデオプロジェクタの斜視図である。 上記ビデオプロジェクタに内蔵される光学系の構成図である。 上記光学系におけるクロスプリズム付近の構造例を示す平面図である。 図3の一部を拡大して示すプリズムユニットの平面図である。 プリズムユニットの全体構成を示す斜視図である。 プリズムユニットにおけるコントラスト改善素子の正面図である。 プリズムユニットの他の構造例を示す斜視図である。
符号の説明
1…ビデオプロジェクタ(投射型表示装置)、5…ランプ、21…液晶パネル、23…コントラスト改善素子(高断熱性の光学板)、25…クロスプリズム、26…投射レンズ、28…プリズムユニット、36…コントラスト改善素子の保持枠(保持部)

Claims (4)

  1. 光源であるランプから発光されて分離された複数の色光を色光毎に映像情報に応じて変調する複数の液晶パネルと、上記液晶パネルの少なくとも入射側に配置される偏光板と、上記液晶パネルで変調された各色光を合成するクロスプリズムと、上記クロスプリズムによって形成された映像を投射する投射レンズと、上記ランプ及び上記液晶パネル付近を冷却するための冷却風を流す送風手段と、を有して構成される投射型表示装置であって、
    上記液晶パネルと偏光板との間に配置される高断熱性の光学板を備え、この光学板は、上記液晶パネルに固定保持され、かつその保持部が、上記液晶パネルとの間に上記冷却風を通すダクト構造に形成されていることを特徴とする投射型表示装置。
  2. 上記光学板は、コントラスト改善素子であることを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
  3. 光源であるランプから発光されて分離された複数の色光を色光毎に映像情報に応じて変調する複数の液晶パネルと、上記液晶パネルの少なくとも入射側に配置される偏光板と、上記液晶パネルで変調された各色光を合成するクロスプリズムと、上記クロスプリズムによって形成された映像を投射する投射レンズと、上記ランプ及び上記液晶パネル付近を冷却するための冷却風を流す送風手段と、を有して構成される投射型表示装置において、上記液晶パネルと上記クロスプリズムとを一体に組み合わせて構成されるプリズムユニットであって、
    上記液晶パネルと上記偏光板との間に配置される高断熱性の光学板を備え、この光学板は、上記液晶パネルに固定保持され、かつその保持部が、上記液晶パネルとの間に上記冷却風を通すダクト構造に形成されていることを特徴とするプリズムユニット。
  4. 上記光学板は、コントラスト改善素子であることを特徴とする請求項3に記載のプリズムユニット。
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JP2013218192A (ja) * 2012-04-11 2013-10-24 Seiko Epson Corp プロジェクター

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