JP2007121135A - 透明導電シートを用いた生体標本サンプルの作製法及び生体組織の直接質量分析法 - Google Patents

透明導電シートを用いた生体標本サンプルの作製法及び生体組織の直接質量分析法 Download PDF

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Abstract

【課題】生体標本の透過照明による顕微鏡観察が可能であり、標本の取り扱いが容易であり、冷凍保存が可能であり、且つ生体標本を全ての質量分析装置に導入することができる、生体標本の作製方法を提供する。
【解決手段】可撓性透明基材上に透明導電層が設けられた透明導電シートを支持体として用い、前記支持体の導電層面上に、細胞又は組織を含む生体標本を用意することによって、生体標本サンプルを作製する方法。上記の生体標本サンプル作製方法を用いて作製された生体標本サンプルを用意する工程と、前記生体標本にマトリックスを供給し、MALDI質量分析装置を用いることによって、前記生体標本内のタンパク質の質量分析を行う工程とを含む、生体標本の直接質量分析法。

【選択図】図1

Description

本発明は、ライフサイエンス分野、具体的には、細胞生物学、病理学、生化学などの医学・生物学分野に関する。例えば、本発明は、生体組織標本上で直接的に生体組織を質量分析する方法に関する。
ITO付ガラス製品をはじめ、金属蒸着ガラスは光を透過する導電性素材として液晶ディスプレー製造分野において利用されている。
一方、生体組織について、その解剖学的構造を維持したまま直接質量分析する方法が報告されている。このような方法においては、例えば、生体組織切片を直接質量分析試料用ターゲットに貼り付けたものや、ポリビニリデンジフルオライド(PVDF)膜上に貼り付け、その膜を導電性両面テープにより質量分析試料用ターゲットに貼り付けたものを質量分析に供している。また、ニッケルで蒸着したスライドガラスを試料の支持体として用いられることもある。
生体組織について直接質量分析を行った例として、例えば、特開2004−347594号公報には、生体組織標本に対し、タンパク質染色、トリプシン消化、及びMALDI質量分析を行い、MSスペクトルを得たことが報告されている。
生体組織について直接質量分析を行った他の例として、例えば、Stoeckli, M.; Chaurand, P.; Hallahan, E. D.; Caprioli, M. R. Nature Med. 7, 493-496 (2001)、Chaurand, P.; Schwartz, A. S.; Caprioli, M. R. Anal. Chem., 76, 86A-93A (2004)などにおいて、凍結生体組織切片を、直接質量分析ターゲットプレート上で融解し、70(v/v)%エタノール水溶液で洗浄し、酵素消化を行うことなくMSスペクトルを取得した技術が報告されている。
生体組織について直接質量分析を行ったさらに他の例として、例えば、Chaurand, P.; Schwartz, A. S.; Billheimer, D.; Xu, J. B; Crecelius, A.; Caprioli, M. R. Anal. Chem., 76, 1145-1155 (2004)において、伝導性を有する支持体を用いて、上記技術(Nature Med. 7, 493-496 (2001)、Anal. Chem., 76, 86A-93A (2004))におけるものと同様のMSスペクトルを取得した報告がされている。この文献に開示された技術においては、伝導性支持体の一例としてITO付スライドガラスが用いられている。
さらに一方、タンパク質の二次元電気泳動において、等電点電気泳動(IEF)を行った後、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により分子量に基づいて分離が行われる。SDS−PAGEを行う際に、一次元目のゲルをSDSを含む溶液で平衡化することにより、ゲル中のタンパク質がSDS化される。
ストックリ・M(Stoeckli, M.)、ショーラン・P(Chaurand, P.)、ハラハン・E・D(Hallahan, E. D.)、及びカプリオーリ・M・R(Caprioli, M. R.)、「ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)」第7巻、p.493−496、2001年 ショーラン・P(Chaurand, P.)、シュワルツ・A・S(Schwartz, A. S.)、及びカプリオーリ・M・R(Caprioli, M. R.)、「アナリティカル・ケミストリー(Analytical Chemistry)」、第76巻、p.86A−93A、2004年 ショーラン・P(Chaurand, P.)、シュワルツ・A・S(Schwartz, A. S.)、ビルハイマー・D(Billheimer, D.)、スー・J・B(Xu, J. B.)、クレセリウス・A(Crecelius, A.)、及びカプリオーリ・M・R(Caprioli, M. R.)、「アナリティカル・ケミストリー(Analytical Chemistry)」、第76巻、p.1145−1155、2004年 特開2004−347594号公報
生体組織について直接質量分析を行う方法においては、多くの場合、試料の支持体は光透過性が無い。このため、組織の顕微鏡観察を行う場合には、落射照明によって観察することしかできない。
一方、Anal. Chem., 76, 1145-1155 (2004)に開示の方法においては、光透過性を有する支持体であるITO付スライドガラスを用いている。しかしながら、支持体の大きさを自由に変更することができないため、取り扱いが不便な場合がある。また、試料の破損という危険性も含んでいる。さらに、ひび割れの危険性のため、試料の冷凍保存が不可能である。
さらに一方、金属蒸着スライドガラスを試料の支持体として用いる場合、質量分析装置によっては、ガラスの厚みのために、支持体を直接装置内に導入することができないことがある。
また、上記の生体組織についての直接質量分析法全般において、MSスペクトルを取得することは可能であるが、酵素消化を行っていないため意味のあるMS/MSスペクトルを取得することはできない。また、単純に消化酵素を塗布しても消化を行うことはできないため、やはり意味のあるMS/MSスペクトルを取得することはできない。
従って、質量分析を用いて生体組織内のタンパク質の同定を行うためには、予め、これまでの生化学的手法により組織の分離精製を行わなければならない。しかしながら、微量な物質を解析対象の試料とした場合、操作の途中で試料が失われる可能性もある。また、マトリックスの添加がコントロールされていないため、質量分析において解像度や再現性に問題がある。
一般的にタンパク質の同定を質量分析によって行うには、多段階の質量分析によって得られたスペクトル情報が必要である。このためには、試料タンパク質を電気泳動などの手法で精製し、その後、変性させ消化酵素でペプチド化する。従って、生体組織中のタンパク質の同定を質量分析によって行うためには、上記に準じた手法で多段階の質量分析を行わなければならない。しかしながら、組織内では、タンパク質は立体構造を保っているため、消化酵素による消化効率が悪い。
そこで本発明の目的は、生体標本の透過照明による顕微鏡観察が可能であり、標本の取り扱いが容易であり、冷凍保存が可能であり、且つ生体標本を全ての質量分析装置に導入することができる、生体組織標本の作製方法を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、生体組織の解剖学的構造を保持したまま、高い解析感度及び高い解析効率で組織を構成するタンパク質の質量分析を行うことができる、質量分析用試料の前処理方法を提供することにある。また、本発明の目的は、生体組織内の解剖学的構造を保持したまま、多段階質量分析を行うことができる、質量分析用試料の前処理方法を提供することにある。
本発明は、以下の発明を含む。
下記(1)〜(6)は、生体標本サンプルの作製方法に関する。
(1)可撓性透明基材上に透明導電層が設けられた透明導電シートを支持体として用い、前記支持体の導電層面上に、細胞又は組織を含む生体標本を用意することによって、生体標本サンプルを作製する方法。
(2)前記導電層は、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、及びアンチモンドープ酸化スズ(ATO)から選ばれる物質からなる層である、(1)に記載の生体標本サンプル作製法。
(3)前記支持体は、50〜200μm厚である、(1)又は(2)に記載の生体標本サンプル作製法。
(4)前記生体標本が、生体内における微細構造を保持した組織標本である、(1)〜(3)のいずれかに記載の生体標本サンプル作製法。
(5)前記生体標本は凍結切片である、(4)に記載の生体標本サンプル作製法。
(6)前記生体標本は培養細胞である、(1)〜(3)のいずれかに記載の生体標本サンプル作製法。
下記(7)は、生体標本サンプルの保存法に関する。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の生体標本サンプル作製法を用いて生体標本サンプルを作製し、前記生体標本サンプルを−80〜4℃の温度条件下で保存する、生体標本サンプルの保存法。
下記(8)〜(16)は、生体標本を直接質量分析する方法に関する。
(8)(1)〜(6)のいずれかに記載の生態標本サンプル作製法を用いて作製された生体標本サンプル、又は、(7)に記載の方法によって保存された生体標本サンプルを用意する工程と、
前記生体標本にマトリックスを供給し、MALDI質量分析装置を用いることによって、前記生体標本内のタンパク質の質量分析を行う工程とを含む、生体標本の直接質量分析法。
下記(9)は、生体組織内のタンパク質に対して行われうる変性工程、染色工程、及び/又は消化工程を含む形態について記載する。
(9)前記生体標本サンプルを用意する工程の後、前記質量分析工程の前に、前記固着された生体標本に対し、
変性剤を供給することによって、前記生体標本内のタンパク質を変性させる工程、
染色剤を供給することによって、前記タンパク質を染色する工程、及び/又は
消化酵素を分注することによって、前記タンパク質を消化する工程をさらに含む、(8)に記載の質量分析法。
下記(10)及び(11)は、上記変性工程において用いられる変性剤について記載する。
(10)前記タンパク質を変性させる工程を含む場合、前記変性剤は、界面活性剤、尿素、及びグアジニン塩酸から選ばれる、(9)に記載の質量分析法。
(11)前記界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、3−[(3−コールアミドプロピル) ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸、ポリオキシエチレン−p−t−オクチルフェニルエーテル、モノラウリン酸ソルビタン、及び1−O−n−オクチル−β−D−グルコピラノシドから選ばれる、(10)に記載の質量分析法。
下記(12)及び(13)は、上記変性剤とともに用いられうる還元剤について記載する。
(12)前記タンパク質を変性させる工程を含む場合、前記変性剤を、還元剤とともに用いる、(9)〜(11)のいずれかに記載の質量分析法。
(13)前記還元剤は、2−メルカプトエタノール、ジチオスレイトール、トリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン、及び2−メルカプトエタノールアミンから選ばれる、(12)に記載の質量分析法。
下記(14)は、消化工程における分注操作について記載する。
(14)前記タンパク質を消化する工程を含む場合、インクジェット技術を用いて分注操作を行う、(9)〜(13)のいずれかに記載の質量分析法。
下記(15)及び(16)は、質量分析工程について記載する。
(15)前記質量分析を行う工程において、多段階質量分析を行う、(9)〜(14)のいずれかに記載の質量分析法。
(16)前記質量分析工程において、インクジェット法を用いた分注又はスプレーコーティング法を用いた塗布を行うことによって前記マトリックスの供給を行う、(9)〜(15)のいずれかに記載の質量分析法。
本発明によると、生体標本の透過照明による顕微鏡観察が可能であり、標本の取り扱いが容易であり、冷凍保存が可能であり、且つ生体標本を全ての質量分析装置に導入することができる、生体標本の作製方法を提供することができる。
さらに、本発明によると、生体組織の解剖学的構造を保持したまま、高い解析感度及び高い解析効率で組織を構成するタンパク質の質量分析を行うことができる、質量分析用試料の前処理方法を提供することができる。また、本発明によると、生体組織内の解剖学的構造を保持したまま、多段階質量分析を行うことができる、質量分析用試料の前処理方法を提供することができる。
<生体標本サンプルの作製>
本発明においては、光透過性、導電性及び可撓性を有する支持体上に生体標本を用意することによって、生体標本サンプルを作製する。
光透過性、導電性及び可撓性を有する支持体としては、具体的には、可撓性透明基材上に透明導電層が設けられた透明導電シートを用いる。本発明において、光透過性を有するとは、可視光線の透過率が高い性質であることをいい、具体的には、透過率の値は70%以上、例えば70〜90%、好ましくは80〜90%である。また、本発明において、導電性を有するとは、表面抵抗が低い性質であることをいい、具体的には、表面抵抗の値は500Ω/sq以下、例えば7〜500Ω/sq、好ましくは10〜50Ω/sqである。さらに、本発明の支持体は可撓性を有するため、外力に対して応力緩和が速かに行なわれる性質を有する。具体的には、透明導電層面を外側にして曲げる場合、透明導電層にクラックを生じるのに例えば30mmφ以下、好ましくは10mmφ以下を許容する程度とすることができる。
可撓性透明基材としては、通常ポリマー樹脂製の基材が使用される。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル基材、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン基材、ポリカーボネート基材、アクリル基材、ノルボルネン基材などが挙げられる。
透明導電層としては、前記導電層は、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、及びアンチモンドープ酸化スズ(ATO)から選ばれる物質からなる層が挙げられる。上記物質は、1種又は複数種選ばれることができる。
本発明の支持体すなわち透明導電シートにおいては、透明導電層は、蒸着によって設けられたものでも良いし、塗布によって設けられたものでも良い。
さらに、本発明においては、支持体は200μm以下、例えば50〜200μm厚の膜であることが好ましく、100〜150μm厚であることがより好ましい。上記より厚い支持体では、支持体に固着した生体標本の質量分析を行う際に、質量分析装置によっては、生体標本を固着した支持体を導入できない場合がある。また上記より薄い支持体では、破れが起こるなど、支持体の強度に影響が現れる場合がある。
本発明の支持体は、薄く、可撓性を有するため、任意の寸法に裁断することが容易である。また、可撓性を有するため、試料破損などの恐れが無く、試料の取り扱いが容易になる。さらに、光透過性を有するため、透過照明を用いて試料の形態観察を行うことが可能になる。
本発明における生体標本は、細胞又は組織を含むものであれば特に限定されない。例えば、生体内における微細構造(解剖学的構造)を保持した状態を有する組織標本や、培養細胞標本などが挙げられる。具体的には、脳腫瘍、肺がん、大腸がん、前立腺がんなどの腫瘍細胞又は組織、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患に罹患した個体に由来する細胞又は組織が挙げられる。
生体組織標本としては、生体内での解剖学的構造を保持した状態を得るために、生体組織が適当な包埋剤によって包埋されたものを用いることができる。包埋剤としては、生体試料の適性に応じて特に限定することなく用いることができる。例えば、水、パラフィン、セロイジン、カーボワックス、ゼラチン、アルブミン、アガロース、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等や、グリコールメタクリレート等の水溶性樹脂等を用いることができ、これら包埋剤は、当業者が適宜選択することができる。このような生体標本としては、例えば凍結切片等の未固定試料、パラフィン包埋切片等の固定化試料等を用いることができる。
支持体の導電層面上に生体標本を用意する具体的な方法としては特に限定されず、生体標本作製に用いられる通常の支持体を用いた場合と同様の方法を用いることができる。生体標本が組織標本である場合、支持体へ固着する方法によって用意すると良い。例えば凍結切片の場合、凍結切片を膜へ載せ融解させれば固着が可能となる。一方、生体標本が培養細胞標本である場合、支持体上で細胞を培養することによって用意することができる。
支持体上の導電層面上に用意された生体標本は、適宜、洗浄などを行い、乾燥させておくことができる。
このように作製された生体標本のサンプルは、このまま直接、MALDI質量分析に供することができる。ここで直接とは、支持体上に用意された生体標本の物理的形態を保持した状態で、ということを意味する。より具体的には、生体組織が組織標本である場合は、支持体上の組織における解剖学的構造を保持した状態で、という意味であり、生体組織が培養細胞標本である場合は、支持体上の細胞の分布を保持した状態で、という意味である。本発明においては、生体標本に対し各処理液を直接作用させることにより、生体標本内タンパク質の処理を行い、得られた処理済生体標本を質量分析用試料として、直接MALDI質量分析を行うことができる。さらに、支持体に用意された生体標本を、タンパク質の変性、タンパク質の染色、及び/又はタンパク質の消化の処理工程に供することができる。
<変性工程>
変性の処理を行う場合、生体標本に対し、適当な変性剤を供給することによって、生体標本内のタンパク質を変性させる。変性剤としては、タンパク質の一次構造を維持したまま高次構造のみを破壊するものであれば、特に限定されない。例えば、変性剤は、各種界面活性剤、尿素、グアジニン塩酸等から選ばれる。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤のいずれも用いることができる。例えば、陰イオン界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などが挙げられる。両性界面活性剤としては、3−[(3−コールアミドプロピル) ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸(CHAPS)などが挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、Triton X-100 (ポリオキシエチレン−p−t−オクチルフェニルエーテル)、Tween 20 (モノラウリン酸ソルビタン)、1−O−n−オクチル−β−D−グルコピラノシドなどが挙げられる。
なお、これら変性剤は、1種又は複数種を選ぶことができる。複数種を選ぶ場合は、その組み合わせは、選ばれた変性剤が互いに相互作用しないものであれば特に限定されない。また、変性剤は、通常水溶液の形態で供給することができる。
変性剤濃度としては、1〜10M、好ましくは4〜8Mとすることができる。上記濃度より低い濃度の場合、タンパク質の変性が不十分となる傾向がある。また、上記濃度より高い濃度の場合、組織切片が剥がれ落ちる傾向がある。界面活性剤濃度としては0.05%〜2%、好ましくは0.1〜1%とすることができる(単位%は、界面活性剤の形態によりw/v%或いはv/v%となりうる)。上記濃度より低い濃度の場合、タンパク質の変性が不十分となる傾向がある。また、上記濃度より高い濃度の場合、生体標本上に界面活性剤が残留し質量スペクトルにポリマー由来のピークが検出される傾向がある。
変性剤水溶液には、通常、トリス塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、リン酸緩衝食塩水、酢酸緩衝液などから選ばれるバッファーが含まれる。トリス塩酸は10mM〜100mM、リン酸緩衝液は0.1M〜0.3M、リン酸緩衝食塩水は0.05M〜0.2M、酢酸緩衝液は0.1M〜0.2Mの濃度のものを使用することができる。上記濃度より低い濃度の場合、組織切片が剥離する傾向がある。また、上記濃度より高い濃度の場合、質量分析において塩の影響によりバックグラウンドが大きくなる傾向がある。なお、これらバッファーは、1種又は複数種を選ぶことができる。またバッファーのpHはトリス塩酸、リン酸緩衝液、リン酸緩衝食塩水においては6〜9、好ましくはpH6.5〜8.0、酢酸緩衝液ではpH3〜4とすることができる。
変性剤水溶液には、さらに、ジスルフィド結合の切断やSH基の保護などのために、還元剤を含んでいても良い。還元剤としては、例えば、2−メルカプトエタノール、DTT(ジチオスレイトール(dithiothreitol))、TCEP(トリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン(Tris[2-carboxyethyl]phosphine))、2−MEA(2−メルカプトエタノールアミン(2-Mercaptoethanolamine))等が挙げられる。これら還元剤は、1種又は複数種を選ぶことができる。
変性剤水溶液中の還元剤濃度としては、10〜70mM、好ましくは40mM〜50mMとすることができる。上記濃度より低い濃度の場合、酵素消化において、反応の効率が低下する傾向がある。また、上記濃度より高い濃度の場合、質量分析において塩の影響によりバックグラウンドが大きくなる傾向がある。
変性剤水溶液には、さらに、安定剤を含んでいても良い。安定剤としては、例えば、グリセロール(グリセリン)等が挙げられる。
変性剤水溶液中の安定剤濃度としては、0.1〜50(v/v)%、好ましくは20〜50(v/v)%とすることができる。上記濃度より高い濃度の場合、上記濃度より高い濃度の場合、変性剤の粘性により取扱が困難になる傾向がある。
生体標本中のタンパク質の変性は、上記の変性剤水溶液を、生体標本に供給することにより行う。具体的には、生体標本を上記の変性剤水溶液に浸漬し振盪するか、エアブラシ等を用いて霧状にした変性剤水溶液を生体標本上へ噴霧し、湿潤条件で放置するとよい。振盪時間および湿潤条件での放置時間は3〜24時間とすることができる。変性を行った生体標本は、適宜洗浄などを行うことができる。
<染色工程>
染色の処理を行う場合、生体標本に対し、適当な染色剤を供給することによって、生体標本内のタンパク質を染色する。なお、生体標本作製の際にパラフィンなど疎水性の包埋剤を用いた場合は、染色工程に先立って包埋剤を除去しておく。本工程は、好ましくは、上記工程によりタンパク質が変性した生体標本に対して行うことができる。
染色剤としては、通常タンパク質の染色に用いられるものを、特に限定することなく用いることができる。例えば、メチルレッド等のモノアゾ色素;ポンソーSなどのジアゾ色素;Direct Blue71などのトリアゾ色素;ファストレッドなどのアゾイック色素;オーラミンなどのジフェニルメタン色素;ブリリアントグリーン等のジアミノトリフェニルメタン色素;ファストグリーン等のトリアミノトリフェニルメタン色素;ローダミンBなどのキサンテン色素;ローダミン3Gなどのフルオロン色素;アクリジンオレンジ等のアクリジン色素;クレシルファストバイオレット等のオキサジン色素;トルイジンブルー等のチアジン色素;アリザリンレッドS等のアントラキノン色素;ヘマトキシリン等の天然色素等を用いることができる。これら染色剤を用い、通常の方法に従った操作を行うことによって染色を行うことができる。例えば、エタノール−酢酸水溶液中に適当な濃度で溶解させた染色剤水溶液へ生体組織標本の浸漬及び振盪を行い、その後洗浄する操作を繰り返すと良い。Direct Blue 71を用いる場合、上記エタノール−酢酸水溶液は、10〜70(v/v)%エタノール−1〜20(v/v)%酢酸を含む水溶液とすることが好ましく、染色剤濃度は上記エタノール−酢酸水溶液中0.005〜0.01(w/v)%とすることが好ましく、上記振盪は2.5〜7分行うことが好ましく、振盪及び洗浄の操作は、3〜6回繰り返して行うことが好ましい。
染色を行った生体標本は、十分に乾燥させると良い。
<消化工程>
消化の処理を行う場合、生体標本に対し、適当なタンパク質消化酵素を分注することによって、生体標本内のタンパク質を消化する。本工程は、好ましくは、上記工程によりタンパク質が染色された生体標本に対して行うことができる。本発明において分注とは、生体標本上の特定の領域に対して、試薬溶液を供給することをいう(後述の質量分析工程においても同じ)。すなわち、消化工程では、上記工程によりタンパク質が染色された生体標本の特定の領域に対し、適当なタンパク質消化酵素を供給することによって、特定の領域における生体標本内のタンパク質を消化する。生体標本の有効活用及び試薬の消費量の軽減という観点から、特定の領域の面積及び分注量はできるだけ抑え、且つ、後述の質量分析を可能にするために十分な程度であることが好ましい。本発明においては、分注を行うためには、試薬溶液の微量供給が可能である公知の装置を特に限定することなく用いることができる。特に、インクジェット技術による機構を備えた分注装置を用いると良い。このような分注装置としては、ケミカルプリンタCHIP-1000(島津製作所製)等が挙げられる。
タンパク質消化酵素としては特に限定されないが、通常、トリプシンが用いられる。消化の条件としては、当業者が適宜決定することができる。トリプシン溶液の分注量としては、10〜50nlとすることができる。
効率よく生体標本内タンパク質の消化を行うためには、消化酵素を供給された試料は20〜40℃に設定した恒温槽内に1〜24時間保存すると良い。例えば、保存温度と時間とを、それぞれ37℃、12時間とすることが好ましい。上記温度より低い場合は酵素の活性が低くなる傾向があり、上記温度より高い場合は酵素の活性が失われる傾向がある。また、上記保存時間より短い場合は、消化が十分に行われず、イオン化効率が低くなる傾向があり、上記保存時間より長い場合は、酵素の自己消化産物が多くなり、目的物質の検出強度が低くなる傾向がある。
本発明で、生体標本内タンパク質の変性を行うことは、従来に比べて優れた効率で消化を行うことができるという点で好ましい。
<質量分析工程>
本工程ではまず、生体標本に対してマトリックスを供給する。
マトリックスとしては、タンパク質のMALDI質量分析に用いられるものを、特に限定することなく用いることができる。例えば、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHBA)、5−メトキシサリチル酸を混合したDHBA(sDHB)、α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(a-CHCA)、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシケイ皮酸(シナピン酸)等を用いることができる。これらマトリックスは、アセトニトリル−トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液などの適当な溶媒に溶解し、マトリックス溶液として用いる。例えばDHBAを用いる場合、上記アセトニトリル−TFA水溶液は、25〜50(v/v)%アセトニトリル−0.05〜1(v/v)% TFAを含む水溶液とすることが好ましく、マトリックス濃度は、上記アセトニトリル−TFA水溶液中5〜30mg/mlとすることが好ましい。
生体標本に対してマトリクスを供給するためには、生体標本上の特定の領域に対して
マトリックス溶液を分注しても良いし、生体標本にマトリックス溶液を塗布しても良い。
マトリックス溶液を分注する場合は、上記消化工程ですでに述べたように、溶液の微量供給が可能である公知の装置を特に限定することなく用いることができ、インクジェット法による分注を行うと良い。なお、マトリックス溶液の分注量としては、50〜200nlとすることができる。一方、マトリックス溶液を塗布する場合は、スプレーコーティング法による塗布を行うと良い。スプレーコーティングを行うためには、エアブラシなどを用いると良い。
次に、マトリックス溶液を分注した箇所にレーザー照射し、MALDI質量分析を行う。好ましくは、上記工程によって消化された領域に対してマトリックスを分注し、当該領域についてMALDI質量分析を行うことが好ましい。MALDI質量分析装置としては、例えばAXIMA-QIT(島津製作所製)等を用いることができる。
また、すでに述べたように、本発明において生体標本内タンパク質の変性を行った場合、消化酵素による消化効率が従来に比べて優れている。このため、MS解析において、タンパク質のピークを比較的強い強度で検出することが可能である。このことは、MS/MS及びそれ以上の多段階質量分析をも可能にする。本発明では、多段階質量分析を行うことができるため、タンパク質のアミノ酸配列の決定や、翻訳後修飾の解析などに必要なスペクトル情報を得ることができる。
本工程では、質量分析測定を行うことにより、マスイメージング(イオンマッピング)を行うことができる。マスイメージングは、生体標本にマトリックスを供給(塗布又は分注)し、生体標本表面を2次元的に質量分析し、得られた各データ点のスペクトルから画像を構成する技術である。得られた画像により、生体物質の分布・局在の情報を得ることができる。
具体的には、例えば、組織切片にマトリックスを塗布し、組織内を2次元的に質量分析測定する。得られたマススペクトルから任意のピークについて強度分布を作製する。本発明においては、ITOシートなどの透明導電膜を支持体として用いるため、従来から用いられてきた支持体を用いる場合と異なり、シート上のマトリックスを、メタノールなどの有機溶媒により除去することが可能となる。このため、試料を繰り返し別の実験に用いることが可能となる。
<実施例1>
本実施例では、MALDI-TOF/TOFタイプの装置(Bruker社製ultraflex)を用いてマスイメージングを行った。支持体としては、ITOシート(トービ社製、OTEC 210B-125N)を用いた。適当な大きさ(20mm×10mm)に裁断したITOシート上に、30μmの厚みで作製したマウス脳の凍結切片を載せ融解することにより接着した。その後、70%エタノール水溶液(v/v)中で30秒振盪した。この作業を2回繰り返し、真空デンシケータ内で30分間乾燥させた。乾燥を完了したITOシート上の組織切片に対し、50%アセトニトリル−0.1%トリフルオロ酢酸水溶液(v/v/v)を溶媒とし、12.5mg/mLの水溶液として調製したシナピン酸を、エアブラシで組織切片上に塗布した。この試料をultraflex用MALDIターゲットプレートへ導電性両面テープを用いて貼り付け、質量分析装置へ導入した。実際のデータ取得においては、組織切片内を150μm間隔で走査した。得られたデータをBruker社の画像処理ソフトウェアで処理した。
本実施例の凍結切片のスキャナーによる実画像を図1(a)に示す。また、m/z12,000のイオン分布を図1(b)に示す。
<比較例1>
ITOシートのかわりに、導電性ガラス(Bruker社製ニッケル蒸着スライドガラス)を支持体として用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
本実施例の凍結切片のスキャナーによる実画像を図2(a)に示す。また、m/z12,000のイオン分布を図2(b)に示す。
上記実施例1及び比較例1で得られたイメージング画像から、本発明の方法を用いて作製された生体標本サンプルにおいても、従来と同程度の分析能力があることが分かる。
<実施例2>
Applied Biosystems社製MALDI-TOF/TOFタイプの装置(4800 MALDI TOF/TOF Analyzer)を用いてマスイメージングを行った。支持体としては、ITOシート(トービ社製、OTEC 210B-125N)を用いた。適当な大きさ(20mm×10mm)に裁断したITOシート上に、10μmの厚みで作製したマウス脳の凍結切片を載せ融解することにより接着した。その後、70%エタノール水溶液(v/v)中で30秒振盪した。この作業を2回繰り返し、真空デンシケータ内で30分間乾燥させた。乾燥を完了したITOシート上の組織切片に対し、50%アセトニトリル−0.1%トリフルオロ酢酸水溶液(v/v/v)を溶媒とし、12.5mg/mLの水溶液として調製したシナピン酸を、エアブラシで組織切片上に塗布した。この試料を4800用MALDIターゲットプレートへ導電性両面テープを用いて貼り付け、質量分析装置へ導入した。実際のデータ取得においては、組織切片内を200μm間隔で走査した。1データ点あたり200回レーザーを照射してスペクトルを得た。得られたデータをフリーソフトウェアBioMapで処理した。得られたデータを図3に示す。図3中、(a)、(c)及び(e)は、ワイルドタイプマウスのデータであり、(b)、(d)及び(f)は遺伝子ノックアウトマウスのデータである。また、図3中、(a)及び(b)は、m/z13,840のタンパク質の分布、(c)及び(d)は、m/z28,331のタンパク質の分布、(e)及び(f)は、m/z32,492のタンパク質の分布を示す。これらの質量を有するタンパク質は、ワイルドタイプとミュータントとで異なっている様子が分かる。
実施例1における凍結切片のスキャナーによる実画像(a)、及び当該凍結切片におけるm/z12,000のイオン分布を示すマスイメージング画像(b)である。 比較例1における凍結切片のスキャナーによる実画像(a)、及び当該凍結切片におけるm/z12,000のイオン分布を示すマスイメージング画像(b)である。 実施例2において得られたマスイメージング画像であり、ワイルドタイプマウスにおけるm/z13,840のタンパク質の分布(a)、ワイルドタイプマウスにおけるm/z28,331のタンパク質の分布(c)、ワイルドタイプマウスにおけるm/z32,492のタンパク質の分布(e)、ミュータントマウスにおけるm/z13,840のタンパク質の分布(b)、ミュータントマウスにおけるm/z28,331のタンパク質の分布(d)、及びミュータントマウスにおけるm/z32,492のタンパク質の分布(f)を示す。

Claims (16)

  1. 可撓性透明基材上に透明導電層が設けられた透明導電シートを支持体として用い、前記支持体の導電層面上に、細胞又は組織を含む生体標本を用意することによって、生体標本サンプルを作製する方法。
  2. 前記導電層は、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、及びアンチモンドープ酸化スズ(ATO)から選ばれる物質からなる層である、請求項1に記載の生体標本サンプル作製法。
  3. 前記支持体は、50〜200μm厚である、請求項1又は2に記載の生体標本サンプル作製法。
  4. 前記生体標本が、生体内における微細構造を保持した組織標本である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体標本サンプル作製法。
  5. 前記生体標本は凍結切片である、請求項4に記載の生体標本サンプル作製法。
  6. 前記生体標本は培養細胞である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体標本サンプル作製法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の生体標本サンプル作製法を用いて生体標本サンプルを作製し、前記生体標本サンプルを−80〜4℃の温度条件下で保存する、生体標本サンプルの保存法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の生態標本サンプル作製法を用いて作製された生体標本サンプル、又は、請求項7に記載の方法によって保存された生体標本サンプルを用意する工程と、
    前記生体標本にマトリックスを供給し、MALDI質量分析装置を用いることによって、前記生体標本内のタンパク質の質量分析を行う工程とを含む、生体標本の直接質量分析法。
  9. 前記生体標本サンプルを用意する工程の後、前記質量分析工程の前に、前記固着された生体標本に対し、
    変性剤を供給することによって、前記生体標本内のタンパク質を変性させる工程、
    染色剤を供給することによって、前記タンパク質を染色する工程、及び/又は
    消化酵素を分注することによって、前記タンパク質を消化する工程をさらに含む、請求項8に記載の質量分析法。
  10. 前記タンパク質を変性させる工程を含む場合、前記変性剤は、界面活性剤、尿素、及びグアジニン塩酸から選ばれる、請求項9に記載の質量分析法。
  11. 前記界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、3−[(3−コールアミドプロピル) ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸、ポリオキシエチレン−p−t−オクチルフェニルエーテル、モノラウリン酸ソルビタン、及び1−O−n−オクチル−β−D−グルコピラノシドから選ばれる、請求項10に記載の質量分析法。
  12. 前記タンパク質を変性させる工程を含む場合、前記変性剤を、還元剤とともに用いる、請求項9〜11のいずれか1項に記載の質量分析法。
  13. 前記還元剤は、2−メルカプトエタノール、ジチオスレイトール、トリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン、及び2−メルカプトエタノールアミンから選ばれる、請求項12に記載の質量分析法。
  14. 前記タンパク質を消化する工程を含む場合、インクジェット技術を用いて分注操作を行う、請求項9〜13のいずれか1項に記載の質量分析法。
  15. 前記質量分析を行う工程において、多段階質量分析を行う、請求項9〜14のいずれか1項に記載の質量分析法。
  16. 前記質量分析工程において、インクジェット法を用いた分注又はスプレーコーティング法を用いた塗布を行うことによって前記マトリックスの供給を行う、請求項9〜15のいずれか1項に記載の質量分析法。
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