JP7227823B2 - 試料支持体 - Google Patents

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Description

本発明は、試料支持体に関する。
質量分析等を行うために生体試料等の試料をイオン化するイオン化法として、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法(MALDI:Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization)、表面支援レーザ脱離イオン化法(SALDI:Surface-Assisted Laser Desorption/Ionization)、脱離エレクトロスプレーイオン化法(DESI:Desorption Electrospray Ionization)等が知られている。マトリックス支援レーザ脱離イオン化法は、レーザ光を吸収するマトリックスと呼ばれる低分子量の有機化合物を試料に加え、これにレーザ光を照射することにより、試料をイオン化する方法である。表面支援レーザ脱離イオン化法は、表面に微細な凹凸構造を有するイオン化基板に試料を滴下し、これにレーザ光を照射することにより、試料をイオン化する方法である。脱離エレクトロスプレーイオン化法は、試料に対して、帯電した微小液滴(charged-droplets)を照射することにより、試料を脱離・イオン化する方法である。
また、試料の成分の位置情報(試料を構成する分子の二次元分布情報)を維持しつつ試料の成分をイオン化することを可能とする試料支持体として、第1表面、及び第1表面とは反対側の第2表面、並びに、第1表面及び第2表面のそれぞれに開口する複数の貫通孔を有する基板を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような試料支持体においては、試料に基板の第2表面が接触させられると、基板において、試料の成分が、複数の貫通孔を介して第2表面側から第1表面側に移動し、第1表面側に留まる。
特許第6093492号公報
上述したようなイオン化法においては、その対象として、凍結された試料が用いられる場合がしばしばある。その場合に、上述したような試料支持体においては、複数の貫通孔を介して試料の成分をいかに均一に移動させ得るかが重要となる。
本発明は、特に凍結された試料を用いる場合に、複数の貫通孔を介して試料の成分を均一に移動させることができる試料支持体を提供することを目的とする。
本発明の試料支持体は、試料のイオン化用の試料支持体であって、第1表面、及び第1表面とは反対側の第2表面、並びに、第1表面及び第2表面のそれぞれに開口する複数の貫通孔を有する基板と、基板に取り付けられたフレームと、を備え、フレームの熱伝導率は、1.0W/m・K以下である。
この試料支持体では、凍結された試料に基板の第2表面が接触させられて、その状態で試料が解凍されると、基板において、試料の成分が、複数の貫通孔を介して第2表面側から第1表面側に移動し、第1表面側に留まる。このとき、フレームの熱伝導率が1.0W/m・K以下であるため、例えばフレームを素手でハンドリングしたとしても、フレームを介した試料への熱伝導が抑制され、その結果、試料の解凍が均一に進行する。試料の解凍が均一に進行すると、試料と基板の第2表面とが均一に接触し、その結果、試料の成分が、複数の貫通孔を介して第2表面側から第1表面側に確実に移動する。よって、この試料支持体によれば、特に凍結された試料を用いる場合に、複数の貫通孔を介して試料の成分を均一に移動させることができる。
本発明の試料支持体では、複数の貫通孔のそれぞれの幅は、1~700nmであり、基板の厚さは、1~50μmであってもよい。これにより、凍結された試料に基板の第2表面が接触させられて試料が解凍された場合に、基板において、試料の成分を、複数の貫通孔を介して第2表面側から第1表面側にスムーズに移動させ、第1表面側に適切な状態で留まらせることができる。
本発明の試料支持体では、基板は、バルブ金属又はシリコンを陽極酸化することにより形成されていてもよい。これにより、複数の貫通孔を有する基板を容易に且つ確実に得ることができる。
本発明の試料支持体では、基板及びフレームのそれぞれの材料は、電気絶縁性の材料であってもよい。これにより、例えば、脱離エレクトロスプレーイオン化法において、高電圧が印加された微小液滴照射部が第1表面に近付けられても、微小液滴照射部と試料支持体との間での放電の発生が抑制される。したがって、脱離エレクトロスプレーイオン化法において、特に凍結された試料を用いる場合に、帯電した微小液滴の照射によって試料の成分を確実にイオン化することができる。
本発明の試料支持体では、フレームの材料は、セラミックス又はガラスであってもよい。これにより、熱伝導率が1.0W/m・K以下である電気絶縁性のフレームを容易に得ることができる。特にフレームの材料がセラミックス又はガラスであると、凍結した試料の解凍が進行する際に、試料が収縮するのを抑制することができる。
本発明の試料支持体では、フレームの材料は、樹脂であってもよい。これにより、熱伝導率が1.0W/m・K以下である電気絶縁性のフレームを容易に得ることができる。本発明の試料支持体では、樹脂は、PET、PEN又はPIであってもよい。これにより、熱伝導率が1.0W/m・K以下である電気絶縁性のフレームをより容易に得ることができる。
本発明の試料支持体では、フレームの厚さは、10~500μmであってもよい。これにより、例えば、脱離エレクトロスプレーイオン化法において、微小液滴照射部が第1表面に近付けられても、微小液滴照射部とフレームとの物理的な干渉が生じ難くなる。したがって、脱離エレクトロスプレーイオン化法において、微小液滴照射部を第1表面に近付けて、第1表面に対して、帯電した微小液滴を照射することにより、複数の貫通孔を介して第1表面側に移動した試料の成分を確実にイオン化することができる。
本発明の試料支持体では、フレームは、可視光に対して透過性を有してもよい。これにより、フレームを介した試料の視認性が向上するため、試料に基板の第2表面を確実に接触させることができる。
本発明の試料支持体では、フレームは、可撓性を有してもよい。これにより、試料支持体の取扱いの容易性を向上させることができる。
本発明の試料支持体では、基板は、複数の基板であり、フレームは、複数の基板にそれぞれ対応する複数のフレームであり、複数のフレームは、少なくとも1列に配列された状態で互いに接続されていてもよい。これにより、対応する基板及びフレームを必要な分だけ切り離して使用することができる。
本発明によれば、特に凍結された試料を用いる場合に、複数の貫通孔を介して試料の成分を均一に移動させることができる試料支持体を提供することが可能となる。
一実施形態の試料支持体の平面図である。 図1に示されるII-II線に沿っての試料支持体の断面図である。 図1に示される試料支持体の基板の拡大像である。 図1に示される試料支持体を用いた質量分析方法の工程を示す図である。 図1に示される試料支持体を用いた質量分析方法の工程を示す図である。 図1に示される試料支持体を用いた質量分析方法が実施される質量分析装置の構成図である。 変形例の試料支持体の斜視図である。 変形例の試料支持体を用いた質量分析方法の工程を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[試料支持体]
図1及び図2に示されるように、試料支持体1は、基板2と、フレーム3と、接着層4と、を備えている。基板2は、第1表面2a及び第2表面2b、並びに、複数の貫通孔2cを有している。第2表面2bは、第1表面2aとは反対側の表面である。各貫通孔2cは、第1表面2a及び第2表面2bのそれぞれに開口している。本実施形態では、複数の貫通孔2cは、基板2の全体に一様に(均一な分布で)形成されており、各貫通孔2cは、基板2の厚さ方向(第1表面2a及び第2表面2bが互いに対向する方向)に延在している。
基板2は、電気絶縁性の部材である。本実施形態では、基板2の厚さは、1~50μmであり、各貫通孔2cの幅は、1~700nm程度である。基板2の厚さ方向から見た場合における基板2の形状は、例えば、直径が数mm~数cm程度の略円形である。基板2の厚さ方向から見た場合における各貫通孔2cの形状は、例えば、略円形である(図3参照)。なお、貫通孔2cの幅とは、基板2の厚さ方向から見た場合における貫通孔2cの形状が円形である場合には、貫通孔2cの直径を意味し、当該形状が円形以外の形状である場合には、貫通孔2cに収まる仮想的な最大円柱の直径(有効径)を意味する。
フレーム3は、第3表面3a及び第4表面3b、並びに、開口3cを有している。第4表面3bは、第3表面3aとは反対側の表面であり、基板2側の表面である。開口3cは、第3表面3a及び第4表面3bのそれぞれに開口している。フレーム3は、電気絶縁性の部材であり、フレーム3の熱伝導率は、1.0W/m・K以下である。本実施形態では、フレーム3の材料は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)又はPI(ポリイミド)であり、また、フレーム3の厚さは、10~500μm(より好ましくは、100μm以下)である。更に、本実施形態では、フレーム3は、可視光に対して透過性を有しており、また、フレーム3は、可撓性を有している。基板2の厚さ方向から見た場合におけるフレーム3の形状は、例えば、一辺が数cm程度の矩形である。基板2の厚さ方向から見た場合における開口3cの形状は、例えば、直径が数mm~数cm程度の円形である。なお、フレーム3の熱伝導率の下限値は、例えば、0.1W/m・Kである。
フレーム3は、基板2に取り付けられている。本実施形態では、基板2の第1表面2aのうち基板2の外縁に沿った領域と、フレーム3の第4表面3bのうち開口3cの外縁に沿った領域とが、接着層4によって互いに固定されている。接着層4の材料は、例えば、放出ガスの少ない接着材料(低融点ガラス、真空用接着剤等)である。試料支持体1では、基板2のうちフレーム3の開口3cに対応する部分が、複数の貫通孔2cを介して第2表面2b側から第1表面2a側に試料の成分を移動させるための実効領域Rとして機能する。
図3は、基板2の厚さ方向から見た場合における基板2の拡大像ある。図3において、黒色の部分は貫通孔2cであり、白色の部分は貫通孔2c間の隔壁部である。図3に示されるように、基板2には、略一定の幅を有する複数の貫通孔2cが一様に形成されている。実効領域Rにおける貫通孔2cの開口率(基板2の厚さ方向から見た場合に実効領域Rに対して全ての貫通孔2cが占める割合)は、実用上は10~80%であり、特に60~80%であることが好ましい。複数の貫通孔2cの大きさは互いに不揃いであってもよいし、部分的に複数の貫通孔2c同士が互いに連結していてもよい。
図3に示される基板2は、Al(アルミニウム)を陽極酸化することにより形成されたアルミナポーラス皮膜である。具体的には、Al基板に対して陽極酸化処理を施し、酸化された表面部分をAl基板から剥離することにより、基板2を得ることができる。なお、基板2は、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、Ti(チタン)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、Zn(亜鉛)、W(タングステン)、Bi(ビスマス)、Sb(アンチモン)等のAl以外のバルブ金属を陽極酸化することにより形成されてもよいし、Si(シリコン)を陽極酸化することにより形成されてもよい。
[イオン化法及び質量分析方法]
試料支持体1を用いたイオン化法及び質量分析方法について説明する。ここでのイオン化法は、脱離エレクトロスプレーイオン化法である。脱離エレクトロスプレーイオン化法は、大気圧雰囲気中で実施されため、試料の直接分析が可能となり、試料を手軽に交換して観察及び分析を行い得る点で有利である。なお、図4及び図5では、試料支持体1において、貫通孔2c及び接着層4の図示が省略されている。また、図1及び図2に示される試料支持体1と図4及び図5に示される試料支持体1とでは、図示の便宜上、寸法の比率等が異なっている。
まず、試料のイオン化用の試料支持体として、上述した試料支持体1を用意する(第1工程)。試料支持体1は、イオン化法及び質量分析方法の実施者によって製造されることにより用意されてもよいし、試料支持体1の製造者又は販売者等から譲渡されることにより用意されてもよい。
続いて、図4の(a)に示されるように、スライドグラス(載置部)6の載置面6aに試料Sを載置する(第2工程)。試料Sは、例えば組織切片等の薄膜状の生体試料(含水試料)であり、凍結された状態にある。続いて、図4の(b)に示されるように、試料Sに基板2の第2表面2bが接触するように載置面6aに試料支持体1を載置する(第2工程)。このとき、基板2の厚さ方向から見た場合に試料Sが実効領域R内に位置するように、試料支持体1を配置する。続いて、図5の(a)に示されるように、電気絶縁性のテープ7を用いてフレーム3をスライドグラス6に固定する。この状態で、試料Sが解凍されると、図5の(b)に示されるように、基板2においては、例えば毛細管現象によって、試料Sの成分S1が複数の貫通孔2c(図2参照)を介して第2表面2b側から第1表面2a側に移動し、例えば表面張力によって、試料Sの成分S1が第1表面2a側に留まる。
続いて、試料Sが乾燥したら、図6に示されるように、質量分析装置10のイオン化室20内のステージ21上に、スライドグラス6、試料S及び試料支持体1を載置する。イオン化室20内は、大気圧雰囲気である。続いて、基板2の第1表面2aのうち実効領域Rに対応する領域に対して、帯電した微小液滴Iを照射することにより、第1表面2a側に移動した試料Sの成分S1をイオン化し、イオン化された成分である試料イオンS2を吸引する(第3工程)。本実施形態では、例えばステージ21をX軸方向及びY軸方向に移動させることにより、基板2の第1表面2aのうち実効領域Rに対応する領域に対して、帯電した微小液滴Iの照射領域I1を相対的に移動させる(つまり、当該領域に対して、帯電した微小液滴Iを走査する)。以上の第1工程、第2工程及び第3工程が、試料支持体1を用いた脱離エレクトロスプレーイオン化法に相当する。
イオン化室20内では、ノズル22から、帯電した微小液滴Iが噴射され、イオン輸送管23の吸引口から試料イオンS2が吸引される。ノズル22は、二重筒構造を有している。ノズル22の内筒には、高電圧が印加された状態で溶媒が案内される。これにより、ノズル22の先端に達した溶媒に、片寄った電荷が付与される。ノズル22の外筒には、ネブライズガスが案内される。これにより、溶媒が微小液滴となって噴霧され、溶媒が気化する過程で生成された溶媒イオンが、帯電した微小液滴Iとして出射される。
イオン輸送管23の吸引口から吸引された試料イオンS2は、イオン輸送管23によって質量分析室30内に輸送される。質量分析室30内は、高真空雰囲気(真空度10-4Torr以下の雰囲気)の条件下にある。質量分析室30内では、試料イオンS2がイオン光学系31で収束され、高周波電圧が印加された四重極質量フィルタ32に導入される。高周波電圧が印加された四重極質量フィルタ32に試料イオンS2が導入されると、当該高周波電圧の周波数によって決定される質量数を有するイオンが選択的に通過させられ、通過させられたイオンが検出器33で検出される(第4工程)。四重極質量フィルタ32に印加する高周波電圧の周波数を走査することにより、検出器33に到達するイオンの質量数を順次変化させて、所定の質量範囲の質量スペクトルを得る。本実施形態では、帯電した微小液滴Iの照射領域I1の位置に対応するように検出器33にイオンを検出させて、試料Sを構成する分子の二次元分布を画像化する。以上の第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程が、試料支持体1を用いた質量分析方法に相当する。
[作用及び効果]
試料支持体1では、凍結された試料Sに基板2の第2表面2bが接触させられて、その状態で試料Sが解凍されると、基板2において、試料Sの成分S1が、複数の貫通孔2cを介して第2表面2b側から第1表面2a側に移動し、第1表面2a側に留まる。このとき、フレーム3の熱伝導率が1.0W/m・K以下であるため、例えばフレーム3を素手でハンドリングしたとしても、フレーム3を介した試料Sへの熱伝導が抑制され、その結果、試料Sの解凍が均一に進行する。試料Sの解凍が均一に進行すると、試料Sと基板2の第2表面2bとが均一に接触し、その結果、試料Sの成分S1が、複数の貫通孔2cを介して第2表面2b側から第1表面2a側に確実に移動する。よって、試料支持体1によれば、特に凍結された試料Sを用いる場合に、複数の貫通孔2cを介して試料Sの成分S1を均一に移動させることができる。
また、試料支持体1では、各貫通孔2cの幅が1~700nmであり、基板2の厚さが1~50μmである。これにより、凍結された試料Sに基板2の第2表面2bが接触させられて、その状態で試料Sが解凍された場合に、基板2において、試料Sの成分S1を、複数の貫通孔2cを介して第2表面2b側から第1表面2a側にスムーズに移動させ、第1表面2a側に適切な状態で留まらせることができる。
また、試料支持体1では、基板2が、バルブ金属又はシリコンを陽極酸化することにより形成されている。これにより、複数の貫通孔2cを有する基板2を容易に且つ確実に得ることができる。
また、試料支持体1では、基板2及びフレーム3のそれぞれの材料が電気絶縁性の材料である。これにより、例えば、脱離エレクトロスプレーイオン化法において、高電圧が印加された微小液滴照射部であるノズル22が第1表面2aに近付けられても、ノズル22と試料支持体1との間での放電の発生が抑制される。ノズル22と試料支持体1との距離が縮められると、イメージングにおいてエレクトロスプレー(帯電した微小液滴のスプレー)の拡散が抑えられるため、空間分解能を向上させることができる。そのため、上述したようにノズル22を第1表面2aに近付け得ることは、試料Sの成分S1を確実にイオン化する上で極めて有効である。したがって、脱離エレクトロスプレーイオン化法において、特に凍結された試料Sを用いる場合に、帯電した微小液滴Iの照射によって試料Sの成分S1を確実にイオン化することができる。
また、試料支持体1では、フレーム3の材料がPET、PEN又はPIである。これにより、熱伝導率が1.0W/m・K以下である電気絶縁性のフレーム3を容易に得ることができる。
また、試料支持体1では、フレーム3の厚さが10~500μm(より好ましくは、100μm以下)である。これにより、例えば、脱離エレクトロスプレーイオン化法において、ノズル22が第1表面2aに近付けられても、ノズル22とフレーム3との物理的な干渉が生じ難くなる。したがって、脱離エレクトロスプレーイオン化法において、ノズル22を第1表面2aに近付けて、第1表面2aに対して、帯電した微小液滴Iを照射することにより、複数の貫通孔2cを介して第1表面2a側に移動した試料Sの成分S1を確実にイオン化することができる。
また、試料支持体1では、フレーム3が可視光に対して透過性を有している。これにより、フレーム3を介した試料Sの視認性が向上するため、試料Sに基板2の第2表面2bを確実に接触させることができる。
また、試料支持体1では、フレーム3が可撓性を有している。これにより、試料支持体1の取扱いの容易性を向上させることができる。
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、図7に示されるように、試料支持体1は、複数の基板2と、複数の基板2にそれぞれ対応する複数のフレーム3と、を備え、複数のフレーム3は、少なくとも1列に配列された状態で互いに接続されていてもよい。これにより、対応する基板2及びフレーム3を必要な分だけ切り離して使用することができる。なお、その場合にフレーム3が可撓性を有していれば、少なくとも1列に配列された状態で互いに接続された複数のフレーム3をロール状に巻き取った状態で、試料支持体1の取り扱うことができる。
また、フレーム3の材料は、PET、PEN又はPI以外の樹脂であってもよい。その場合にも、熱伝導率が1.0W/m・K以下である電気絶縁性のフレーム3を容易に得ることができる。また、フレーム3の材料は、セラミックス又はガラスであってもよい。その場合にも、熱伝導率が1.0W/m・K以下である電気絶縁性のフレーム3を容易に得ることができる。特にフレーム3の材料がセラミックス又はガラスであると、凍結した試料Sの解凍が進行する際に、試料Sが収縮するのを抑制することができる。なお、熱伝導率が0.1W/m・Kであるフレーム3を実現することができれば、フレーム3の材料は、特に限定されない。また、フレーム3は、例えば顔料によって、着色されていてもよい。これにより、試料支持体1を用途に応じて分類することができる。
また、上述した実施形態では、基板2に1つの実効領域Rが設けられていたが、基板2に複数の実効領域Rが設けられていてもよい。また、上述した実施形態では、基板2の全体に複数の貫通孔2cが形成されていたが、基板2のうち少なくとも実効領域Rに対応する部分に複数の貫通孔2cが形成されていればよい。また、上述した実施形態では、1つの実効領域Rに1つの試料Sが対応するように試料Sが配置されたが、1つの実効領域Rに複数の試料Sが対応するように試料Sが配置されてもよい。
また、フレーム3に、開口3cとは別の開口を形成し、その開口を利用して、テープ7で試料支持体1をスライドグラス6に固定してもよい。また、テープ7以外の手段(例えば、接着剤、固定具等を用いる手段)で試料支持体1をスライドグラス6に固定してもよい。一例として、図8に示されるように、ジェル8を用いて、試料支持体1をスライドグラス6に固定してもよい。その場合、ジェル8は、凍結した試料Sを取り扱う低温環境において固まらない材料(例えば、グリセロール等)であることが好ましい。手順としては、フレーム3における基板2側の表面のうち、基板2が固定されていない領域(例えば、フレーム3の四隅等)にジェル8を塗布する。このとき、ジェル8が基板2の実効領域Rにはみ出さないように、当該領域にジェル8を塗布する。続いて、試料Sに基板2の実効領域Rを接触させつつ、スライドグラス6の載置面6aに試料支持体1を載置する。なお、フレーム3の材料が樹脂である場合、静電気を利用して試料支持体1をスライドグラス6に固定することも可能である。
また、試料Sは、含水試料に限定されず、乾燥試料であってもよい。試料Sが乾燥試料である場合には、試料Sの粘性を低くするための溶液(例えばアセトニトリル混合液等)が試料Sに加えられる。これにより、例えば毛細管現象によって、複数の貫通孔2cを介して基板2の第1表面2a側に試料Sの成分S1を移動させることができる。
また、試料支持体1は、脱離エレクトロスプレーイオン化法以外の他のイオン化法に用いられてもよい。他のイオン化法においては、フレーム3は、導電性を有していてもよい場合がある。また、他のイオン化法においては、基板2自体が導電性を有していてもよい場合、又は、基板2に導電膜が形成されていてもよい場合がある。なお、導電膜の材料は、試料(例えば、タンパク質等)との親和性が低い金属が好ましく、例えば、Au(金)、Pt(白金)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)等が好ましい。
1…試料支持体、2…基板、2a…第1表面、2b…第2表面、2c…貫通孔、3…フレーム。

Claims (10)

  1. 脱離エレクトロスプレーイオン化法用の試料支持体であって、
    外部に露出した第1表面、及び前記第1表面とは反対側において外部に露出した第2表面、並びに、前記第1表面及び前記第2表面のそれぞれに開口する複数の貫通孔を有する基板と、
    前記基板に取り付けられたフレームと、を備え、
    前記フレームの熱伝導率は、1.0W/m・K以下であり、
    前記基板及び前記フレームのそれぞれの材料は、電気絶縁性の材料である、試料支持体。
  2. 前記複数の貫通孔のそれぞれの幅は、1~700nmであり、
    前記基板の厚さは、1~50μmである、請求項1に記載の試料支持体。
  3. 前記基板は、バルブ金属又はシリコンを陽極酸化することにより形成されている、請求項1又は2に記載の試料支持体。
  4. 前記フレームの材料は、セラミックス又はガラスである、請求項1~3のいずれか一項に記載の試料支持体。
  5. 前記フレームの材料は、樹脂である、請求項1~3のいずれか一項に記載の試料支持体。
  6. 前記樹脂は、PET、PEN又はPIである、請求項に記載の試料支持体。
  7. 前記フレームの厚さは、10~500μmである、請求項1~のいずれか一項に記載の試料支持体。
  8. 前記フレームは、可視光に対して透過性を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の試料支持体。
  9. 前記フレームは、可撓性を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の試料支持体。
  10. 前記基板は、複数の基板であり、
    前記フレームは、前記複数の基板にそれぞれ対応する複数のフレームであり、
    前記複数のフレームは、少なくとも1列に配列された状態で互いに接続されている、請求項1~のいずれか一項に記載の試料支持体。
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