JP2007120534A - プーリ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリーブの雌ねじ部を加工時間及び加工コストを低減できるタップ加工によって形成することができ、雌ねじ部の有効径を安定させ寸法補正や検査の工数を低減できるプーリ装置を提供することにある。
【解決手段】一方向クラッチ内蔵型プーリ装置10では、円弧逃がし部aを持った工具掛け部11bの内接円が、タップ30の外径(雌ねじ部の最大内径)Dよりも大きく設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プーリ装置に関するものであり、特に、自動車補機であるスタータ、オルタネータ、クランクプーリ、コンプレッサや、エンジンアイドルストップ時のモータによる補機駆動用またはエンジン始動用等として使用する一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に関するものである。
一般に、オルタネータ等、自動車用補機の回転軸の端部には従動プーリが固定されており、エンジンのクランク軸の端部に固定された駆動プーリとの間に無端ベルトが掛け渡され、補機を駆動するために利用されている。また、従動プーリとしては、無端ベルトの走行速度が一定もしくは上昇傾向にある場合に、無端ベルトから回転軸への動力の伝達を自在とし、無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合に、従動プーリと回転軸との相対回転を自在とするよう、一方向クラッチを内蔵したプーリ装置が知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
例えば、図7に示すように、オルタネータに組み込まれる一方向クラッチ内蔵型プーリ装置100は、エンジンのクランク軸に固定された駆動プーリからの駆動ベルトが掛け渡されるプーリ101と、オルタネータの回転軸に固定されるスリーブ102とを備え、プーリ101とスリーブ102との間に、一方向クラッチ103及び一対のサポート軸受104が配置されている。
そして、プーリ101の回転角速度がオルタネータの回転軸の回転角速度より速い場合には、一方向クラッチ103のローラのくさび作用によって、プーリ101とスリーブ102とが相対回転不能(ロック状態)になり、エンジンの回転力がオルタネータの回転軸に伝達される。一方、速度変動や微小角速度変動等、プーリ101の回転角速度がオルタネータの回転軸の回転角速度より遅い場合には、プーリ101とスリーブ102との相対回転が自在(オーバーラン状態)となる。従って、クランク軸の回転角速度が変動した場合でも、一方向クラッチ103の作用により、無端ベルトとプーリ101が擦れ合うことが防止され、鳴きと呼ばれる異音の発生や摩耗による無端ベルトの寿命低下を防止すると共に、オルタネータの発電効率が低下することを防止できる。
また、スリーブ102の内周面には、オルタネータの回転軸を固定するため、回転軸をがたつきなく嵌合するための軸嵌合用円孔部102aと、回転軸を螺合固定するための雌ねじ部102bと、スリーブ102と回転軸とを固定するため工具が係止可能な断面形状が六角形の工具掛け部102cとが形成されている。
特開2001−32910号 特開2001−355710号 特開2001−27308号
ところで、図8に示すように、スリーブ102の軸嵌合用円孔部102aの内径d、雌ねじ部102bの最大内径D、工具掛け部102cの二平面幅Wは、相手部材となる回転軸や工具の形状寸法に応じて決定されており、これらの寸法の相対関係については具体的に考慮されていなかった。
このため、雌ねじ部102bの最大内径Dと比較して軸嵌合用円孔部102aの内径dや工具掛け部102cの二平面幅WがD≧d、もしくはD≧W、或いはその両方の寸法関係にある場合に雌ねじ部102bを加工する際、タップを用いて加工しようとするとタップ外径が軸嵌合用円孔部102aや工具掛け部102cと干渉してキズを付けてしまうという問題がある。軸嵌合用円孔部102aの内径dは回転軸と高精度に嵌合する必要がありキズは品質不良の要因となる。また、工具掛け部102cにタップ外径が干渉すると不連続に干渉すること(断続切削)になり、タップ先端の早期損傷を招きねじ品質安定の妨げとなったり、タップ費用が増大するなどの問題があり、なにより製品の外観品質の低下が問題となる。
従来はこのキズを発生させないために、図9(a)に示すように、ねじ旋削バイト110を用いて雌ねじ部102bのねじ切り加工を行っていた。具体的には、スリーブ102を旋盤主軸にチャックすると共に、ねじ旋削バイト110を軸嵌合用円孔部102aもしくは工具掛け部102cに接触しないように雌ねじ部位近傍に位置決めし、スリーブ102を回転駆動しながら、図9(b)に示すような旋削サイクルで数回に分けて切込みを行うねじ切り加工を行っていた。
ねじ旋削加工は一般に旋盤を用いて行われるが、ねじ旋削バイト110をスリーブ102の内周面に干渉しないように挿入するためには、ねじ旋削バイト110は雌ねじ部102bの内径や軸嵌合円孔部102aの内径、又は工具掛け部102cの二平面幅Wよりも小さい寸法であることが必然である。このため、バイト110の剛性が低くなるとともに、ねじ山を切削する際には、徐々に切込みを増やし数回に分けて加工する必要があるので、加工時間が長くなる問題があった。
またねじ切り加工は一般に旋盤を用いて行われるが、旋盤本体の温度変化による熱変位やねじ切りバイト110の先端の磨耗によって、加工される雌ねじ有効径寸法が不安定となり、作業者による細やかな寸法補正やねじ検査が必要でコスト増加の一因であった。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スリーブの雌ねじ部を加工時間及び加工コストを低減できるタップ加工によって形成することができ、雌ねじ部の有効径を安定させ寸法補正や検査の工数を低減できるプーリ装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 回転軸に固定自在なスリーブと、
スリーブの周囲にスリーブと同心に配置されるプーリと、
を備えるプーリ装置であって、
スリーブの内周面には、工具掛け部と、軸嵌合部と、工具掛け部と軸嵌合部間に位置する雌ねじ部とが形成されており、
工具掛け部の内接円の径は、雌ねじ部の最大内径よりも大きいことを特徴とするプーリ装置。
(2) 雌ねじ部の最大内径は、軸嵌合部の内径と略等しいことを特徴とする(1)に記載のプーリ装置。
(3) スリーブの内周面における雌ねじ部と軸嵌合部との間には、雌ねじ部の最大内径より大きな内径を有する逃がし部が形成されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のプーリ装置。
(4) スリーブとプーリとの間に配置される一方向クラッチをさらに備えることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のプーリ装置。
なお、本発明の雌ねじ部の最大内径が軸嵌合部の内径と略等しいとは、雌ねじ部の最大内径の公差を持った寸法範囲と軸嵌合部の内径の公差を持った寸法範囲が部分的に重なる部分を有することを意味する。
本発明によれば、スリーブの内周面に形成される、工具掛け部の最小内接円の径は、雌ねじ部の最大内径よりも大きいので、スリーブの雌ねじ部を加工時間及び加工コストを低減できるタップ加工によって形成することができ、雌ねじ部の有効径を安定させ寸法補正や検査の工数を低減できる。
以下、本発明の一実施形態に係るプーリ装置について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を説明するための縦断面図である。図1に示されるように、本実施形態の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置10は、オルタネータ等の補機を駆動するためのもので、図示されない回転軸が内嵌されるスリーブ11を有する。スリーブ11の周囲には、外周面にベルト溝12aが形成されたプーリ12がスリーブ11と同心に配置されている。また、スリーブ11の外周面とプーリ12の内周面との間で、この間に形成される環状空間の軸方向中間部には、一方向クラッチ13が配置されており、上記環状空間の軸方向両端部、即ち、一方向クラッチ13の軸方向両側には、例えば、深溝玉軸受等の玉軸受である一対のサポート軸受14が配設されている。なお、ベルト溝12aの形状は、V溝、ポリV溝、歯型溝等の任意の形状に設計可能である。
一方向クラッチ13は、プーリ12がスリーブ11に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみプーリ12からスリーブ11への回転力を伝達する。また、一対のサポート軸受14は、プーリ12に加わるラジアル荷重を支承しつつ、スリーブ11とプーリ12との相対回転を可能とする。
各サポート軸受14は、スリーブ11の外周面に外嵌される内輪15と、プーリ12の内周面に内嵌される外輪16と、内輪15と外輪16の両軌道面間に配置された転動体である複数の玉17と、玉17を転動自在に保持する保持器18と、外部からの異物の浸入や内部からのグリース等の潤滑剤の漏洩を防止するシール部材19を有している。
一方向クラッチ13は、プーリ12の内周面に圧入固定されるクラッチ外輪20と、スリーブ11の大径部の外周面に圧入固定されるクラッチ内輪21と、クラッチ外輪20とクラッチ内輪21との間に回動自在に配設された係合子である複数のローラ22とを備えている。クラッチ内輪21の外周面は、ローラ22が転接する嵌合部である複数の凹状のランプ面21aが円周方向に所定の間隔で設けられたカム面を形成する。ローラ22は、各ランプ面21aとクラッチ外輪20の内周面に形成された円筒面20aとから構成される楔空間に回転自在に保持されている。
また、一方向クラッチ13は、各ローラ22を個別に収容する複数のポケットを有するクラッチ保持器23と、各ローラ22をロック方向に弾性的に押圧する弾性部材であるばね24とを備えている。
上記のように構成される一方向クラッチ内蔵型プーリ装置10では、プーリ12の回転角速度が、例えばオルタネータの回転軸の回転角速度より速い場合には、一方向クラッチ13のローラ22がくさび作用によってクラッチ内輪21のランプ面21aとクラッチ外輪20の円筒面20aとの間に噛み込まれて、プーリ12とスリーブ11とが相対回転不能(ロック状態)となり、エンジンの回転力がオルタネータの回転軸に伝達される。一方、プーリ12の回転角速度がオルタネータの回転角速度より遅い場合には、ローラ22の噛み込みが解除されて、プーリ12とスリーブ11との相対回転が自在(オーバーラン状態)となる。
また、上記のプーリ装置10において、スリーブ11の内周面は、オルタネータの回転軸が挿入されるオルタネータ側に軸嵌合部である軸嵌合用円孔部11aと、オルタネータ側と反対側の自由端側に六角レンチ等の工具が係合可能な工具掛け部11bと、軸嵌合用円孔部11aと工具掛け部11bとの間に形成され、図示しない回転軸の雄ねじ部と螺合可能な雌ねじ部11cと、軸嵌合用円孔部11aと雌ねじ部11cとの間に形成され、雌ねじ部11cをねじ加工する際に使用される後述のタップ30(図5参照。)が内周面と干渉するのを回避するための逃がし部11dとを備える。
軸嵌合用円孔部11aの内径dは、雌ねじ部11cの最大内径寸法Dに比してD≧dの関係にある。また、工具掛け部11bの断面形状は、図2(b)及び図2(c)に示されるように、各辺の平面部b間に単一の仮想内接円Cを構成する円弧逃がし部aが形成される略六角形状であり、対向する2平面幅Wは雌ねじ部11cの最大内径寸法Dに比してD≧Wの関係を有する一方、仮想内接円Cの径D1は、タップ30の外径との干渉を避けるように、D1>Dに設定されている。
さらに、逃がし部11dの内径D2は、雌ねじ部11cの最大内径Dより大きく設定されており、その軸方向長さLは、後述する雌ねじ加工用タップ30による雌ねじ部11cの加工終了時点において、タップ30が軸嵌合用円孔部11aとの干渉を避けるように、タップ30の食い付き部30aのテーパ長さlとねじ1ピッチ程度を合計した長さ以上に設定されている。
次に、スリーブ11の加工方法について説明する。まず、スリーブ材料として鋼丸棒を所望の長さに切断した後、数回の冷間鍛造加工を行い、図3に示すような中空のスリーブ鍛造素形材Sを造る。
また、冷間鍛造加工工程内の工具掛け部11bの成形時において、円弧逃がし部aと平面部bは、図4に示すような円弧逃がし部a1と平面部b1を持った同一形状の鍛造金型(パンチ)40によって同時に成形され、鍛造成形工程数を増やすことなく成形可能である。その後、雌ねじ部11c以外の内径、外径、及び端面が、旋削や研削にて所望の寸法に加工される。
次に、図5に示すように、雌ねじ部11cがタップ30を用いて加工される。タップ30には切削タップや成形(盛上げ、転造)タップなどの種類があるが、いずれもそのタップ寸法が被加工物に転写される。タップ30は、所定のねじピッチPでねじが切られた外径Dを有する平行ねじ部30aと、ねじ部30aの先端に設けられ、通常1〜4ピッチ程度の長さlを有する被加工物への食い付きテーパ部30aとを備える。
図5(a)及び(b)に示すように、スリーブ11の工具掛け部11bは、タップ30の平行ねじ部30aの外径Dより大きい内接円D1を構成する円弧逃がし部aを有しているので、タップ30は、雌ねじ部11cを加工する図5(a)に示す加工開始点の位置まで、工具掛け部11bと干渉することなく挿入される。
また、タップ30もしくは被加工物が回転駆動されると、加工するねじが右ねじの場合は右回転によりタップ30が奥へ進み、左回転によって後退する(左ねじの場合はその逆の動作となる。)。この回転駆動により、雌ねじ部のタップ加工は進行するが、その軸方向送り速度はタップ30もしくは被加工物1回転当たりのねじピッチ量となる。
このようにして、タップ30を加工開始点の位置まで挿入した後、タップ30もしくは被加工物を回転駆動すると、食い付きテーパ部30bが被加工物に切込み、回転と送りを与える事により、食い付きテーパ部30bに沿ってねじが形成され、タップ30の平行ねじ部30aの寸法に加工される。
回転と送りによりタップ30は進行し、被加工物の所望の完全ねじ位置Tを食い付きテーパ部30bが完全に抜けることにより、被加工物に形成されるねじが雌ねじ部11cの軸方向長さ全長に亘って完全に形成され、図5(c)に示される位置が加工終了点となる。
この加工終了点でタップ30もしくは被加工物の回転駆動を停止、且つ送りも停止して逆転に備えるが、タップ30もしくは被加工物を駆動する主軸機構には回転慣性があり瞬時に回転および送りを停止することができない。このため、停止させようとする点から僅かにタップが進行してしまう。また、食い付きテーパ部30bの長さにも製作上の誤差があるため、安定して完全ねじ位置を確保するためには、タップ30を進行方向に進めて停めるのが一般的である。
一方、スリーブ11は、図5(c)に示すように、タップ30の外径Dよりも大きな内径D2を有する逃がし部11dが食い付きテーパ部30aの長さlとねじ1ピッチ程度の余裕代の合計長さを有するように形成されるので、タップ30は、加工終了時点においてもスリーブ11の軸嵌合用円孔部11aと干渉することがない。
そして、前述のように被加工物に完全にねじを形成した後、タップ30もしくは被加工物を逆転させるとともに、戻り方向に1回転あたり1ピッチ分の送りで戻すことにより、タップ30の抜取り加工が完了する。
前述したタップ加工においては、タップ寸法がそのまま被加工物に形成されるので、加工機械の熱変位の影響が無く、寸法補正が不要なので補正作業ミスも発生しないので、ねじ旋削加工と比較してねじ外径寸法やねじ有効径寸法が安定する。
また{(ねじ長さ/ねじピッチ)+食い付きテーパ部の長さ}×2(行・帰り各1回)分の長さの工具移動で加工が完了するので、ねじ旋削加工で数回に分けて切込み加工を行う場合と比較して、加工時間が短縮できる。特に小径のねじのねじ旋削加工の場合、バイトが小さいためバイト剛性が低く、旋削時のビビリ抑制のため加工条件を低くしなければならないので、タップ加工はこのような場合に非常に有利となる。更に、前述のように形成された雌ねじの寸法が安定することにより、検査の頻度を減らし工数低減が可能となる。
従って、本実施形態の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置10によれば、円弧逃がし部aを持った工具掛け部11bの仮想内接円Cが、タップ30の外径(雌ねじ部の最大内径)Dよりも大きいので、タップ30は工具掛け部11bに干渉することなく挿入可能となる。
また、雌ねじ部11cの最大内径Dは、軸嵌合用円孔部11aの内径と略等しく、軸嵌合用円孔部11a側からタップ30を挿入することが不可能な場合にも、工具掛け部側から雌ねじ部11cのタップ加工が可能となる。
また、雌ねじ部11cと軸嵌合用円孔部11aとの中間にタップ30の外径(雌ねじ部の最大内径)Dよりも大きい内径D2である逃がし部11dが、タップ食い付き部30bの長さとねじ1ピッチ分の合計よりも長く付設されるので、雌ねじ部11cの加工部位において不完全ねじとなることを防止し、且つ軸嵌合用円孔部11aにタップ30が干渉することを防止できる。
加えて、タップ30の食い付きテーパ部30bの長さよりもねじ1ピッチ以上長く逃がし部11dの長さを設定することにより、タップ30を正回転加工した後逆回転で戻す際、正回転から逆回転に回転切替えする際のタップ30及び回転駆動主軸の慣性によって、意図する回転切替え位置よりも長くタップ30が進んでしまった場合にも、タップ30が軸嵌合用円孔部に干渉することを防止することができる。
さらに、工具掛け部11bにタップ30の外径(雌ねじ部11cの最大内径)Dよりも大きい円弧逃がし部aを付設するに際し、円弧逃がし部aと平面部bが同一金型を用いた冷間鍛造によって成形されるので、円弧逃がし部aを付設するための新しい工程を増加する必要がなくなるので、コストの増加を防止できる。
また、タップ30の外径よりも大きい内接円を構成する円弧逃がし部aを付設した工具掛け部側からタップ30を挿入することにより、雌ねじ部11c以外のスリーブ11の内周面のどこにもタップ30が干渉してキズ付けることがなく、タップ加工開始点にタップ30を位置決めできる。そして、雌ねじ部11cを切削もしくは成形(盛上げタップ、転造タップ)を行い、そのタップ30の加工終点位置は、軸嵌合用円孔部11aに隣接した逃がし部11dの範囲内とするので、雌ねじ部以外のスリーブ11の内周面のどこにも干渉してキズ付けることなくタップ加工を終了することができる。
加えて、上記によって雌ねじ加工方法をねじ切り旋削加工からタップ加工とすることが可能であり、タップ加工することにより以下の効果がある。
1)加工用タップのねじ有効径と外径と谷径と山形状が、そのままスリーブ内径部に転写されるので、加工機械の熱変位や作業者の寸法修正ミスやねじ切りバイト先端の磨耗などの不安定要素が解消され、ねじ精度が安定する。
2)ねじ精度が安定するので、ねじ検査の頻度を少なくでき、検査工数が低減できる。
3)ねじ精度が安定するので、細やかな寸法補正の必要が無く、寸法補正にかかる工数を低減できる。
4)タップ加工では、タップを適当な回転数で回転駆動しながら、1回転あたりねじピッチと同じ送り速度でタップを進め、加工終点位置で逆転させてタップを逆方向に抜取る作業1回でねじ成形できるので、加工時間が短くできる。
なお、本実施形態のスリーブ11では、対向する2平面幅Wが雌ねじ部11cの最大内径寸法D以下のD≧Wとし、仮想内接円Cの直径D1が雌ねじ部の最大内径寸法Dより大きなD1>Dに設定される、円弧逃がし部aを持った略六角形状の工具掛け部11bとしたが、図6に示すように、スリーブ11’は、雌ねじ部11cの最大内径Dより大きな2平面幅Wを有して、円弧逃がし部を有しない断面六角形の工具掛け部11b’としてもよい。
このように形成されるスリーブ11’では、六角形の工具掛け部11b’の仮想内接円Cの径D1が雌ねじ部11cの最大内径寸法Dより大きくなる、即ち、W=D1>Dとなるので、タップ30は工具掛け部11bに干渉することなく挿入可能となる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
本発明の一方向クラッチは、スリーブとプーリとの間で回転力を伝達するものであればよく、本実施形態のように、プーリがスリーブに対して所定の方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、回転力を伝達する一方向クラッチでもよいし、クラッチ内輪の外周面を円筒面と、クラッチ外輪の内周面を複数のランプ面を有するカム面とし、スリーブがプーリに対して所定の方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、回転力を伝達する一方向クラッチでもよい。
また、本発明の一方向クラッチは、本実施形態のようなローラクラッチであってもよく、カムクラッチやスプラグクラッチであってもよい。また、一方向クラッチのクラッチ外輪或いはクラッチ内輪は、本実施形態のようにプーリ或いはスリーブと別体であってもよく、プーリ或いはスリーブと一体、即ち、プーリの内周面或いはスリーブの外周面によって構成されてもよい。
さらに、本発明の一対のサポート軸受は、深溝玉軸受以外の形式であってもよく、ころ軸受や、玉軸受ところ軸受の組合せであってもよい。また、サポート軸受の内輪或いは外輪も、プーリ或いはスリーブと一体、即ち、プーリの内周面或いはスリーブの外周面によって構成されてもよい。
本発明の一実施形態に係る一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。 (a)は図1のスリーブの断面図であり、(b)は(a)の側面図であり、(c)は(b)のII部拡大図である。 スリーブの冷間鍛造工程を示す断面図である。 (a)はスリーブを冷間鍛造するための鍛造金型の正面図であり、(b)は(a)の側面図である。 (a)はスリーブの雌ねじ部加工工程のタップが加工開始点位置にある状態を示す断面図であり、(b)は(a)の側面図であり、(c)は、タップが加工終了点位置にある状態を示す断面図である。 本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置のスリーブの変形例を示す断面図である。 従来の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。 (a)は図7のスリーブの断面図であり、(b)は(a)の側面図である。 (a)は従来のスリーブのねじ旋削加工を示す断面図であり、(b)は旋削バイトの旋削サイクルを示す図である。
符号の説明
10 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
11 スリーブ
11a 軸嵌合用円孔部(軸嵌合部)
11b 工具掛け部
11c 雌ねじ部
11d 逃がし部
12 プーリ
12a プーリ溝
13 一方向クラッチ
14a,14b サポート軸受
a 円弧逃がし部
b 平面部

Claims (4)

  1. 回転軸に固定自在なスリーブと、
    該スリーブの周囲に該スリーブと同心に配置されるプーリと、
    を備えるプーリ装置であって、
    前記スリーブの内周面には、工具掛け部と、軸嵌合部と、前記工具掛け部と前記軸嵌合部間に位置する雌ねじ部とが形成されており、
    前記工具掛け部の内接円径は、前記雌ねじ部の最大内径よりも大きいことを特徴とするプーリ装置。
  2. 前記雌ねじ部の最大内径は、前記軸嵌合部の内径と略等しいことを特徴とする請求項1に記載のプーリ装置。
  3. 前記スリーブの内周面における前記雌ねじ部と前記軸嵌合部との間には、前記雌ねじ部の最大内径より大きな内径を有する逃がし部が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のプーリ装置。
  4. 前記スリーブと前記プーリとの間に配置される一方向クラッチをさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプーリ装置。
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