JP2007120262A - 地中埋設管の改築推進工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発生した破砕片や土砂を小さな動力で地上に搬送でき、破砕片や土砂を地上に搬送するための搬送管を破損することがなく、さらに掘進機が円滑に推進することが可能な地中埋設管の改築推進工法を提供すること。
【解決手段】掘進機10を推進させて既設管OPをその周囲の地山Gとともに切削・破砕する工程と、既設管を切削・破砕したときに発生した破砕片のうち、所定寸法より小さいものだけを、地山の切削により発生した土砂とともに掘進機本体11に形成された取込口14から掘進機内に取り込む工程と、掘進機内に取り込まれた破砕片及び土砂を地上に搬送する工程と、掘進機に追従して新管NPを推進させ、掘進機の後方空間に新管を設置する工程とを具備する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、掘進機を推進させて既設管を新管に置き換える地中埋設管の改築推進工法に関する。
地中に埋設された下水道管(既設管)は、管内を流下する流体に含まれる酸性物質などにより、コンクリートが劣化し、また鉄筋が腐食していく。そのため、既設管の強度は、地中に埋設された時点から徐々に低下してゆき、断面の破損や継ぎ手からの漏水などが発生することがある。
断面の破損や継ぎ手からの漏水は、不等沈下による継ぎ手の離脱や既設管の段差などを引き起こし、場合によっては、下水の流下に支障をきたすため、所定期間ごとに既設管を新管に置き換える必要がある。
また、処理人口の増加によって埋設当初の計画流量を上回る流量が発生すると、既設管より口径を大きくするために、それまで使用されていた埋設管を新管に更改する場合がある。
従来、既設管を新管に置き換える場合、道路を掘削して既設管を取り除き、その後、新管を設置する、いわゆる開削工法が実施されていた。しかしながら、開削工法は、工事規模が大きく、交通渋滞などの原因となることがある。
そこで、最近では、掘進機を推進させて既設管を破砕し、掘進機の後方に形成される空間部に新管を設置する、いわゆる地中埋設管の改築推進工法が実施されるようになってきている。
ところで、掘進機が推進すると、既設管の破砕片が発生する。そのため、発生した破砕片は、適切な処理がなされなければならない。破砕片の処理方法には、主に2種類の方式が存在する。1つは切削した土砂とともに破砕片を全て掘進機内に取り込む方式であり、もう1つは発生した破砕片を全て地中に留置する方式である(例えば、特許文献1を参照。)。
特開平11−6393号
しかしながら、発生した破砕片を全て取り込む方式は、取り込んだ破砕片が掘進機内もしくは搬送管内でつまらないように、大きなエネルギーで長い時間をかけて既設管の全ての破砕片を小さく破砕する必要がある。破砕片が小さく破砕されずに掘進機内に取り込まれた際には、その破砕片を土砂とともに地上に搬送するための搬送管がつまり、破砕片及び土砂を地上に搬送できず、推進不能となる。さらに、連続的に破砕片及び土砂を取り込んでいるときには、破砕片及び土砂を取り込むための開口部に大きな破砕片がつまり、開口部が塞がれてしまう。
また、発生した破砕片を全て地中に留置する方式は、留置された破砕片の存在によって掘進機の外周面に大きな摩擦力が作用し、掘進機の推進が妨げられたり、新設管が損傷したりすることがある。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、小さなエネルギーで短い時間で既設管を破砕することができ、取り込んだ破砕片で搬送管がつまることが無く、さらに掘進機が円滑に推進することが可能な地中埋設管の改築推進工法を提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の地中埋設管の改築推進工法は、次のように構成されている。
(1)掘進機を推進させて既設管をその周囲の地山とともに切削・破砕する工程と、前記既設管を切削・破砕したときに発生した破砕片のうち、所定寸法より小さいものだけを、前記地山の切削により発生した土砂とともに前記掘進機に形成された開口部から当該掘進機内に取り込む工程と、前記掘進機内に取り込まれた破砕片及び土砂を地上に搬送する工程と、前記掘進機に追従して新管を推進させ、前記掘進機の後方に形成される空間部に当該新管を設置する工程とを具備する。
(2)(1)に記載された地中埋設管の改築推進工法において、前記破砕片のうち、前記開口部に並設された複数の棒状部材の隙間を通過したものだけを、当該掘進機内に取り込む。
(3)(1)または(2)に記載された地中埋設管の改築推進工法において、前記破砕片及び土砂の取込動作は、断続的に行われる。
本発明によれば、小さなエネルギーで短い時間で既設管を破砕することができ、切削した土砂とともに破砕片を地上に搬送する際に搬送管がつまることがなく、さらに掘進機が円滑に推進することができる。
以下、図面を参照しながら、一実施形態について説明する。
先ず、図1と図2を参照しながら、一実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る地中埋設管の改築推進工法を示す概念図、図2は同実施形態に係る掘進機10の構成を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態における地中埋設管の改築推進工法では、掘進機10が使用される。この掘進機10は、円筒状の掘進機本体11を備えていて、その前面には既設管OPや地山Gを切削・破砕するためのカッター部12が設けられている。カッター部12の外径は、掘進機本体11の外径よりも大きいため、掘進機10が推進すると、掘進機本体11と地山Gとの間には隙間Sが形成される。なお、本実施形態では、既設管OPとして上下水管などが使用される。
カッター部12の中心部とその周辺の少なくとも1カ所以上には、添加材をカッター部12の前面に噴射するための添加材吐出口が設けられている。添加材吐出口には、添加材供給管15が接続されていて、当該添加材供給管15を通して添加材吐出口に添加材が補給される。これにより、既設管OPやその周囲の地山Gを切削・破砕したときに発生した破砕片や土砂は、カッター部12の回転により添加材と混合され、ペースト状の泥土となる。
図2に示すように、掘進機本体11の所定位置には、泥土を掘進機本体11内に取り込むための取込口14が形成されている。取込口14には、泥土に含まれる所定寸法よりも大きく破砕された既設管OPの破砕片が取り込まれるのを防止する複数の棒状部材19が設けられている。なお、棒状部材19の設置本数と設置間隔は、掘進条件、カッター部の種類、既設管の種類に応じて決定される。
掘進機10の後端部には、掘進機本体11内に取り込まれた泥土を地上に導くための排土管23が設けられている。この排土管23は、掘進機10に追従する新管NP内を通って地上まで延びている。
掘進機本体11内には、取込口14から掘進機本体11内に取り込まれた泥土を排土管23に押し込んで、当該排土管23を通して地上に搬送するポンプ16が設けられている。このポンプ16は、制御装置17に接続されていて、当該制御装置によって動作が制御されている。なお、本実施形態では、掘進機本体11内にポンプ16が配設されているが、例えば地上に配設されていてもよい。ポンプ16を地上に配設する場合は、排土管23を通して泥土を吸引する形態となる。
(置き換え作業)
次に、既設管OPを新管NPに置き換える工程について説明する。
先ず、地山Gに発進立坑Hが掘削される。また、これとは別工程として、発進立坑Hに元押装置30が設置される。なお、元押装置30には、予め掘進機10が搭載されている。
次に、カッター部12が回転され、掘進機10が元押装置30により押圧される。これにより、掘進機10は、既設管OPとその周囲の地山Gを切削・破砕しながら、既設管OPが連なる方向に向かって推進する。なお、掘進機10の推進により発生した泥土は、掘進機本体11に設けられた取込口14から当該掘進機本体11内に取り込まれる。
ところで、前述したように、本実施形態では、既設管OPとして上下水管が適用されている。通常の上下水管は、鉄筋コンクリート管であることが多いため、多数の鉄筋を備えている。したがって、既設管OPの破砕片の中には、所定寸法を超える長い鉄筋や大きさのコンクリート塊が存在することもある。
しかしながら、所定寸法を超える大きさの鉄筋、コンクリート塊は、取込口14に設けられた棒状部材19に阻まれて、掘進機本体11内に取り込まれることがない。すなわち、掘進機本体11内に取り込まれる泥土には、棒状部材19によって選別されたあとの比較的小さな鉄筋、コンクリート塊しか存在しない。
取込口14から掘進機本体11内に取り込まれた泥土は、ポンプ16によって排土管23を通って地上に搬送される。ポンプ16の排出動作は、制御装置17からの指令に従って断続的に行われている。すなわち、本実施形態における地中埋設管の改築推進工法では、所定時間おきに、泥土の取込が行われていない時間と、泥土の排出が行われていない時間とが交互に存在する。
掘進機本体11内への泥土の取込が行われている時間に発生した泥土は、ポンプ16によって排土管23を通って地上に搬送される。しかしながら、泥土の取込が行われていない時間は、掘進機本体11の内外に圧力差が存在しないため、発生した泥土は、掘進機本体11内に取り込まれることはなく、掘進機本体11と地山Gとの隙間Sを通過して、掘進機10の後方に設置される新管NPの周囲に充填される。
したがって、取込口14に配設された棒状部材19の隙間に、所定寸法を超える大きさの鉄筋、コンクリート塊がつまったとしても、掘進機本体11内への泥土の取込が行われないことによって、これらの鉄筋やコンクリート塊は、掘進機10が元押装置30により前方に進むことで掘進機本体11の後方に移動することになる。そのため、取込口14の閉塞状態はすぐに解除される。
なお、掘進機本体11内に取り込まれなかった泥土には、所定寸法を超える大きさの鉄筋、コンクリート塊も含まれているが、これらは軟らかい泥土に包まれているので、掘進機10や新管NP等を損傷させることはない。また、新管NPの設置が不安定となることはない。
(本実施形態による作用)
本実施形態における地中埋設管の改築推進工法において、発生した泥土に含まれる鉄筋、コンクリート塊のうち、所定寸法を超える大きさのものは、取込口14に設けられた棒状部材19によって、掘進機10内に取り込まれないようになっている。
そのため、掘進機10内に取り込まれた泥土には、事前に決められた所定寸法に満たない大きさの鉄筋、コンクリート塊しか含まれていないから、当該泥土が排土管23を通って地上に搬送されるときに、掘進機10内もしくは排土管23内で鉄筋、コンクリート塊がつまることがない。
さらに、事前に決められた所定寸法を超える大きさの鉄筋、コンクリート塊を取り込まないことによって、既設管の全ての鉄筋やコンクリート塊を細かくする必要が無くなるから、小さなエネルギーで、しかも短い時間で既設管の破砕を行うことが可能となる。
本実施形態における地中埋設管の改築推進工法において、泥土の取込及び排出動作は交互に行われ、取込排出が断続的に行われている。すなわち、掘進機10の推進中に、泥土の取込が行われない期間が存在している。そのため、泥土に含まれる所定寸法を超える大きさの鉄筋、コンクリート塊により取込口14の棒状部材19の隙間が閉塞されても、これら鉄筋やコンクリート塊は、掘進機10が元押装置30により前方に進むことで、泥土の取込が停止すると同時に、掘進機10の後方に移動することになる。したがって、取込口14の閉塞状態は、すぐに開放されるから、泥土の取込が円滑かつ効率的に行われる。
本実施形態における地中埋設管の改築推進工法において、発生した泥土の一部は、掘進機本体11内に取り込まれ、排土管23を通って地上に搬送される。そのため、既設管の破砕片を全て地中に留置する場合に比べて、掘進機10の掘進機本体11と地山Gとの間に生じる摩擦が低減するから、掘進機10や新管NPの推進が円滑となる。さらに、発生した泥土を全て取り込む場合に比べて、地上に搬送する泥土が減るため、産業廃棄物を減らす効果もある。
本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
本発明の一実施形態に係る地中埋設管の改築推進工法を示す概念図。 同実施形態に係る掘進機の構成を示す概略図。
符号の説明
10…掘進機(掘進機)、11…掘進機本体、14…取込口(開口部)、OP…既設管、NP…新管、G…地山。

Claims (3)

  1. 掘進機を推進させて既設管をその周囲の地山とともに切削・破砕する工程と、
    前記既設管を切削・破砕したときに発生した破砕片のうち、所定寸法より小さいものだけを、前記地山の切削により発生した土砂とともに前記掘進機に形成された開口部から当該掘進機に取り込む工程と、
    前記掘進機内に取り込まれた破砕片及び土砂を地上に搬送する工程と、
    前記掘進機に追従して新管を推進させ、前記掘進機の後方に形成される空間部に当該新管を設置する工程とを具備することを特徴とする地中埋設管の改築推進工法。
  2. 前記破砕片のうち、前記開口部に並設された複数の棒状部材の隙間を通過したものだけを、当該掘進機内に取り込むことを特徴とする請求項1に記載された地中埋設管の改築推進工法。
  3. 前記破砕片及び土砂の取込動作は、断続的に行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された地中埋設管の改築推進工法。
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