JP2007120104A - マンホールの補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間に、効率良く、地中に埋設されたマンホールを道路を通行する車両からの輪荷重などに対する耐力の向上が得られるようにすることのできるマンホールの補強構造を提供する。
【解決手段】函体2の頂版2aに開口用首部3を接続したマンホールの前記首部3の周りの前記頂版2aの下面に繊維強化プラスチック製の円弧形補強材18を首部3を囲むように配置して接着し、側版2b、2cと前記頂版2aとで成す前記内部空間側の隅角部8に補強用ブロック19、20を横並びで函体2の長手方向に配設した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地中に埋設されたコンクリート構造物であるマンホールの補強構造に関するものであり、特に、簡単な方法で短時間で補強が可能となり、道路上を通行する車両からの輪荷重などに対する耐力を向上させることができるマンホールの補強構造に関するものである。
従来、例えば、地中に埋設されている通信ケーブルの分岐、接続部の収容のための空間、及び作業者が入坑してケーブルの建設、保守作業を行う空間を確保するために、マンホール(人孔)が地中に埋設されている。
マンホールの容量、形状は、ルート上の管路の条数、収容するケーブルの条数、或いは分岐方向などによって決定され、適用管路条数に応じて容量の異なる複数種類が規格されている。いずれのマンホールも、次のような基本的な構成を有する。
図26に示すように、マンホール1は、矩形の躯体部分である鉄筋コンクリート製の函体2の頂版2aに開口用首部3を接続した。この開口用首部3は函体2に連通する開口部4を有する円筒状のもので、蓋5を頂部に頂く。
又、函体2の側部には、ダクトスリーブ6が形成され、管路7が接続されている。そして、管路7内を通して通信ケーブルなどが敷設される。
図26における寸法は、直線形3号の規格によるもので、一例を示したものに過ぎない。
前記マンホール1は、現場で鉄筋コンクリートを打設する現場打ち方式、或いはプレキャスト製品を現場に運搬、据え付けるブロック方式で地中に配設され、当初、側方土圧、路面荷重などに耐え得る強度設計になっているが、土かぶりとの関係で、車両等の通行による輪荷重(道路設計荷重の増大)による劣化が起こる。又、コンクリートの経年による劣化が、多くのマンホール1で見られる。実際にマンホール1の内部から観察すると、コンクリートのひびわれ(亀裂)、鉄筋の露出(爆裂)が観察される。このため、補修・補強が必要である。
従来、マンホール1の補修としては、鉄筋が腐食して膨張し、かぶりコンクリート部分が剥落した箇所などの劣化部分をはつり落とし、防錆処理した後に断面修復することしか行われていなかった、しかしながら、斯かる補修方法は、施工に時間がかかり、又、補強効果は限定的なものであった。
一方、図27に、出入り口のマンホール1の地中内の函体2の単位断面2Sについて、応力・ひずみの関係を略示する。この単位断面は幅狭い門型であり、地面における載荷重による上下方向の応力またその応力の分圧として左右横方向の応力により隅角部にはマイナス(−)の曲げモーメントが、上下及び左右側面の壁面にはプラス(+)の曲げモーメントが強く影響(内部鉄筋により変化する)を受けている。このため、とくに隅角部8の補強が必要である。
又、マンホール1はその内部の幅が小さく、そこに電気ケーブルが束になって輻輳しており、補修作業が極めて小さい狭隘なスペースしかない悪条件のもとでこれを克服して行われる必要がある。
このようなマンホールの補強に関しては下記特許文献があり、とくにその隅角部とその壁面の補強を目的とした老朽マンホールの狭隘箇所対応補修・補強工法である。
特開2005−155273(老朽マンホールの狭隘箇所対応補修・補強工法)
この特許文献1の工法は、図28に示すように、隅角部8から直近の隣接する2つの面に、かつその奥行き方向の適当間隔毎に、アンカーボルト9を打ち込み、該ボルトの頭部を介して同様の奥行き方向の適当間隔毎に異型鉄筋10を緊結し、これらの部材を含浸させるよう樹脂モルタル11を手詰めにより打設して左官仕上げを行って、隅角部8を補強するものである。
又、上下壁面及び又は左右壁面について下地処理を施した上で、含浸接着剤を使って炭素繊維シート12を貼り付け、表面仕上げを行って、コンクリート壁を補強する。
しかし、この特許文献1では異型鉄筋の配設や樹脂モルタルを手詰めにより打設して左官仕上げを行うことなどで、やはり時間と労力がかかる。施工に時間がかかると、マンホール1は、道路の下の地中に埋設されているため、交通規制が長時間におよび、補修・補強工事が難しいという問題がある。
さらに、含浸接着剤を使っての炭素繊維シートを貼り付けに関しては、図29に示すように下地ケレン13による処理、プライマー14による処理、不陸修正材15による不陸修正処理、含浸接着剤(下塗)16a、炭素繊維17、含浸接着剤(下塗)16bによる繊維シート接着処理(樹脂含浸、硬化)などのいくつもの工程を要するため、施工に時間がかかる。
前記炭素繊維17による炭素繊維シート12は、補強繊維が直線であり、マンホール1の開口用首部3の周りを効率的に補強することは難しい。更に、詳しくは後述するが、斯かる工法では、函体2の頂版2aの上面端部に発生する引張力に対しては、補強することができない。
本発明の目的は、前記従来例の不都合を解消し、短時間に、効率良く、地中に埋設されたマンホールを道路を通行する車両からの輪荷重などに対する耐力の向上が得られるようにすることのできるマンホールの補強構造を提供することである。
前記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、函体の頂版に開口用の首部を接続したマンホールの前記首部の周りの前記頂版の下面に繊維強化プラスチック製の円弧形補強材を首部による開口部を囲むように配置して接着し、函体の側版と頂版とで成す隅角部に補強用ブロックを横並びで函体長手方向に配設したことを要旨とするものである。
函体の頂版に開口用首部を接続したマンホールは、頂版に首部からの輪荷重がかかると、頂版下面の開口部の周りには引張応力が作用し、コンクリートは、圧縮力には強く、引張力には弱い。すなわち、頂版下面には、開口部の周辺で、強い引張応力が発生している。
請求項1記載の本発明によれば、地中に埋設されたマンホールの開口部の周りの頂板下面に、繊維強化プラスチック製の円弧形補強材を首部を囲むように接着樹脂を用いて接着することで、開口部の周りの頂版下面に作用する引張応力に対して、円弧形補強材が応力を分担することができ、マンホールの構造を補強することができる。
特に、既に硬化された円弧形補強材をマンホール内に運び入れ、これを所定箇所に貼り付けるといった極めて簡単な作業にて、作業性良くマンホールを補強することができる。従って、短時間に高率良くマンホールの補強工事を施工することができる。特に、プライマー、接着樹脂として速硬化型の接着樹脂を使用することで、極めて短時間に作業を完了することができる。
又、隅角部の補強も取り扱いが簡単で取り付け易い補強用ブロックを函体長手方向に配設することで、短時間にかつ効果的に行うことができる。
請求項2記載の本発明は、補強用ブロックは、中央に位置する数個は角部が内部空間側の隅角部と非接触とすることを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、補強用ブロックは、中央に位置する数個は角部が隅角部と非接触とすることで火打ち的なものとなり、函体の頂版と側版とへの荷重の分散を図り、無理のない支持補強とすることができる。
請求項3記載の本発明は、補強用ブロックは、中央に位置する数個で繊維強化プラスチック製の円弧形補強材を頂版に対して押さえ込むことを要旨とするものである。
請求項3記載の本発明によれば、円弧形補強材を接着するのに、補強用ブロックを押さえとすることができ、他の押さえを必要としないで、円弧形補強材の貼り付けが可能となる。
請求項4記載の本発明は、繊維強化プラスチック製の円弧形補強材は、半円形であり、端部の突合せ部分を補強用ブロックで押さえ込むことを要旨とするものである。
請求項4記載の本発明によれば、円弧形補強材は、半円形であり、首部3の開口部4を通して函体2内に運び入れることのできる可能な限りの大きさである。頂版2aの下面に作用する引張応力に対する補強の観点からは、円弧形補強材は、長手方向中心線に対し両側90°の範囲にわたり連続するもので実用上十分の補強効果を得ることができる。しかも、端部の突合せ部分を補強用ブロックで押さえ込むことで円として連続させ、又、接着の際の端部の突合せ部分の押さえを補強用ブロックを利用して行うことができる。
請求項5記載の本発明は、補強用ブロックは、接着により固定することを要旨とするものである。
請求項5記載の本発明によれば、補強用ブロックは接着により固定することにより簡単に設置できる。特に、補強用ブロックをレジンコンクリートで作成した場合は軽量で、取り扱い易いものとなるが、接着によりコンクリート製の函体2の固定が可能である。
請求項6記載の本発明は、補強用ブロックは箱抜きとし、相互にボルトで結合することを要旨とするものである。
請求項6記載の本発明によれば、補強用ブロックは箱抜きとし、相互にボルトで結合することで、横一列に連結固定した梁状のものとすることができ、より補強強度を上げることができる。
請求項7記載の本発明は、円弧形補強材は、少なくともその円弧形状に沿って一方向に配列された強化繊維を有することを要旨とするものである。
請求項7記載の本発明によれば、円弧形補強材に対し、円弧形状の周方向の引張強度を持たせ、函体の頂版の上面端部に発生する引張力に対して効果的に対応できる。
以上述べたように本発明のマンホールの補強構造は、短時間に効率良くマンホールを補強することができるものである。更に、本発明によれば、道路を通行する車両からの輪荷重などに対する耐力が向上した、補強されたマンホールを提供することができる。
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のマンホールの補強構造の1実施形態を示す縦断側面図、図2は同上横断平面図、図3は同上縦断面図、図4は同上要部の斜視図である。
本実施例にて本発明を適用するマンホール1は前記図26で説明した通りであり、矩形の躯体部分(コンクリートボックス)である函体2、円筒状の首部3、及び蓋5を有する。函体2は、頂版2aと、函体2の長手方向に沿う側版(長手方向側版)2bと、底版2dと、函体2の短手方向(長手方向に直交する方向)に沿う側版(短手方向側版)2cとで矩形の内部空間を形成する。首部3は、頂版2aに接続され、函体2の内部空間に連通する開口部4を有する。又、函体2の短手方向側版2cには、ダクトスリーブ6が形成され、管路7が接続される。
道路を通行する車両などから地中に埋設されたマンホール1への輪荷重の主要なものとして、蓋5、首部3を経て頂版2aに伝達されるものが挙げられる。そこで、本発明者は、地中に埋設されたマンホール1に車両の輪荷重がかかった場合の頂版2aの応力を、FEM(finite element method:有限要素法)を用いて頂版2aの下面(内部空間側)と、上面(道路側)とについて解析した。
ここでは、一例として、直線形の3号マンホール(標準規格)の頂版2aをモデル化して解析を行った。3号マンホールの寸法は次の通りである。
長手方向長さ(長さ)L(内法寸法):2.3m
短手方向長さ(幅)W(内法寸法):1.3m
高さH(内法寸法):1.5m
版厚:150〜200mm
開口部の径d:750mm
そして、図2に示すように、このマンホール1の頂版2aに輪荷重が直接作用するものとしてFEM解析を行った。図13は、函体2の長手方向に沿い開口部4の中心を通る軸線(以下「長手方向中心線」という。)A、及び、函体2の短手方向に沿い開口部4の中心を通る軸線(以下「短手方向中心線」という。)Bで切り取った4分の1サイズの頂版を示す。
円弧状部分が首部3の接続部である円弧状部分がり、この部分に矢印方向の輪荷重がかかる。FEM解析は、次の条件で行った。つまり、コンクリートは等方性材料として、3次元ソリッド要素でモデル化した。周辺2辺(図13及び図14中の長手方向・短手方向の各中心線の反対側の辺)は完全拘束し、長手方向・短手方向の各中心線は対称境界条件とした。又、解析は、弾性解析とした。
結果を図14及び図15に示す。図14は、函体2の内部空間側の頂版2aの下面(以下「頂版下面という。)に作用する応力の分布を示す。又、図15は、函体2の外側の頂版2aの上面(以下「頂版上面」という。)に作用する応力の分布を示す。なお、図14及び図15は、長手方向中心線A及び短手方向中心線Bで切り取った4分の1サイズの頂版2aについての結果を示す。但し、解析結果は、他の4分の1サイズ部分についても同様である。即ち、頂版2aの応力は、長手方向中心線A、短手方向中心線Bに対し略対称に現れた。
図14及び図15に示すパターン凡例に併記した応力値(単位:N/mm2)が負であれば圧縮応力、正であれば引張応力が作用していることを示す。又、図14及び図15中に示す矢印は、応力の作用方向を示している。
図14示す結果から、頂版2aに首部3からの輪荷重がかかると、頂版2aの下面の開口部4の周りには引張応力が作用していることが分かる。コンクリートは、圧縮力には強く、引張力には弱い。
頂版の下面には、開口部4の周辺で、長手方向中心線Aを基準(0°)として±60°の範囲、より詳細には±45°の範囲、特に、±30°の範囲に強い引張応力が発生している。
本発明は、開口部4の周りの頂板2aの下面aに、円弧形の繊維強化プラスチック(FRP)製の補強材(以下「円弧形補強材」という。)18を、接着樹脂を用いて接着する。
円弧形補強材18は、開口部4を通るマンホール1の長手方向中心線Aを基準(0°)として±90°の半円形として、2つが組み合わされて円形となるものとするが、これに限定されず、±60°以上(即ち、長手方向中心線Aに対し両側30°以上)の範囲にわたる連続した円弧形であればよい。
円弧形補強材18は、所定幅を有するように作成され、上記の如く開口部4の周りに配置されることから、当然、その幅方向の最内周の曲率半径は、開口部4の曲率半径以上である。円弧形補強材18は、開口部4の周により近接して取り付けることが好ましい。しかし、頂版2aの下面のコンクリート面の状態などに応じて、開口部4の周から所定距離を隔てて円弧形補強材18を取り付けることができる。開口部4の周りに作用する引張応力に対する補強効果などの点から、距離は、100mm以下とするのが好ましい。より好ましくは50mm以下とする。一方、通常、距離は、5mm以上とされる。
なお、マンホール1が直線形ではない場合、例えば、分岐L形、分岐T形、分岐十字形である場合にも、首部3が設けられた、分岐部を除いた基本となる躯体(函体)を矩形と擬制して上記同様に考えればよい。
マンホール1の首部3の高さは、通常、50cm〜1mであり、又、開口部4の内径は60〜90cmである。そして、既に硬化された、所定幅を有する円弧形補強材18を、この首部3の開口部4を通して函体2内に運び入れる。
図11は、本発明で使用し得る円弧形補強材18の一実施例を示す。円弧形補強材18は、少なくとも、当該円弧形補強材18の円弧形状に沿って一方向に引き揃えられた(即ち、円弧形補強材18の円周方向に配列された)連続繊維である強化繊維f1の層(以下「円弧状一方向繊維層」という。)F1を有することが好ましい。そして、強化繊維f1にマトリクス樹脂が含浸され、硬化されることで円弧形補強材18が形成される。
一方向に配列される強化繊維f1は、多数本のフィラメントを平行に或いは緩く撚りを掛けて集束して作製されるストランド、或いはこのストランドを更に複数本平行に或いは緩く撚りを掛けて集束したもの(ロービング、ヤーン)とされる。これにより、円弧形補強材18の円弧状一方向繊維層F1は、フィラメントが複数層に積層され一方向に配向された状態でマトリクス樹脂により接着された一方向配列繊維組織を有することになる。
強化繊維f1としては、炭素繊維(CFRP)、ガラス繊維、セラミック繊維、ボロン繊維を含む無機繊維;チタン、スチールを含む金属繊維;アラミド、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ビニロン、ポリアセタール、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、高強度ポリプロピレンを含む有機繊維;から選択されるいずれかの繊維、或いは、これらの繊維を複数種類混入したハイブリッドタイプの繊維を使用することができる。
強化繊維f1としては、所望の補強強度などに応じて上記の如き繊維から選択して使用することができるが、典型的には、炭素繊維を好適に使用することができる。炭素繊維は、PAN系、ピッチ系、その他、いずれのタイプの炭素繊維であっても構わない。好ましくは、引張強度が100Kgf/mm2(980N/mm2)以上、又引張弾性率が10Tonf/mm2(98,000N/mm2)以上の高強度、高弾性率のものを使用する。
円弧形補強材18を構成する円弧状一方向繊維層F1としては、強化繊維f1を略均一に互いに密に一方向に配置した一方向配列強化繊維シートを用いてもよい。なお、円弧形補強材18は、同種若しくは異種の強化繊維f1から成る実質的に複数層の円弧状一方向繊維層F1を有していてよい。
又、円弧状一方向繊維層F1の他に、円弧状一方向繊維層F1の第1面(表面)及び/又は第2面(裏面)に、補助層を設けることができる。
例えば、補助層として、円弧状一方向繊維層F1を構成する強化繊維f1と同種又は異種の強化繊維から成るマット、クロス或いはニットの層(以下「補助層」という。)を、円弧状一方向繊維層F1の第1面(表面)及び/又は第2面(裏面)に、単層若しくは複数層積み重ねることができる。これにより、所望に応じて円弧形補強材18の断面剛性を向上させたり、所望の表面性状を与えることができる。
或いは、補助層として、円弧状一方向繊維層F1を構成する強化繊維f1と同種又は異種の強化繊維から成る、円弧状一方向繊維層F1の強化繊維f1と交差する方向に引き揃えられた強化繊維の層(典型的には、円弧形の半径方向に引き揃えられた強化繊維の層)を、円弧状一方向繊維層F1の第1面(表面)及び/又は第2面(裏面)に、単層若しくは複数層積み重ねることができる。これにより、円弧形補強材1に対し、円弧形状の周方向の引張強度に加えて、それに交差する方向(例えば、直交方向)の強度を付与することができる。
補助層を構成する強化繊維は、円弧状一方向繊維層F1を構成する強化繊維f1と同様に上述の群より選択されるものを使用することができる。円弧形補強材1は、円弧状一方向繊維層F1と補助層とが交互に複数層積層された構成を有していてもよい。又、円弧形補強材18は、円弧状一方向繊維層F1に対し、同種又は異種の補助層を複数組み合わせて設けてもよい。
ここで、マットは、製織によらずに作製される不織布状の任意のものであってよく、例えば、切断されたストランドを無方向に略均一な厚さに積み結合剤で固めたチョッブドストランドマット、連続ストランドを無方向に略均一な厚さに積み結合剤で固めたコンティニュアスストランドマットなどが挙げられる。クロスは、平織、朱子織など任意の織物組織を有する製織により作製される織物であり、ロービングクロスであってもよい。ニットは、縦編み、横編みいずれの編み物組織を有するものであってもよい。
又、補助層として、円弧状一方向繊維層F1の強化繊維f1と交差する方向に引き揃えられた強化繊維の層(交差繊維層)を設ける場合、円弧状一方向繊維層F1の強化繊維f1と組み合わせて2方向、若しくは交差繊維層を多層設けることで更に多方向に強化繊維を配置することができる。
円弧形補強材18は、図12に示すように、断面中心部に円弧状一方向繊維層F1として導電性を有する強化繊維f1の層を有する。更に、この円弧形補強材1は、この円弧状一方向繊維層F1の外側、ここでは、円弧状一方向繊維層F1の第1面(表面)及び第2面(裏面)に、電気絶縁性を有する強化繊維f2の層(補助層)F2を積層した断面構造(サンドイッチ構造)を有する。
好ましくは、円弧状一方向繊維層F1の強化繊維f1として導電性を有する繊維である炭素繊維を用いる場合に、補助層F2の電気絶縁性を有する強化繊維f2としてガラス繊維を好適に用いることができる。又、ガラス繊維f2から成る補助層F2の組織としては、マットを好適に採用し得る。
このように、円弧状一方向繊維層F1を構成する強化繊維f1が導電性繊維である場合に、その少なくとも一面(マンホールに適用した際に函体2の内部空間に面する側)に電気絶縁性を有する強化繊維f2を配置することによって、マンホール1内での万一の漏電などに対する安全性を高める効果がある。
なお、円弧状一方向繊維層F1として炭素繊維などの導電性を有する繊維を用いる際に、円弧形補強材18の表面に絶縁層を設ける目的のためには、補助層として、補強繊維を含有しない電気絶縁性の樹脂層を円弧形補強材18を設けてもよい。
マトリクス樹脂としては、ポリアミド樹脂、常温硬化型エポキシ樹脂、熱硬化型エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、又は、アクリル樹脂(MMA(メチルメタクリレート)樹脂等)、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などのラジカル反応系樹脂(ラジカル重合樹脂)を少なくとも1種類以上含むものを使用することができる。
又、円弧形補強材18の強化繊維の体積含有率は、所望の引張強度が得られ、又樹脂含浸性も良好であるように、通常、20〜70体積%とされる。
円弧形補強材18の作製方法は、特に制限されるものではなく、利用可能な任意の成形方法を採用することができる。生産性や、製品の寸法精度の安定性の点から、引き抜き成形法が好適である。引き抜き成形法は当業者には周知の通りのものであり、円弧状一方向繊維層F1を構成する強化繊維f1(場合によっては更にマット、クロス、ニットなどの補助層F2を構成する強化繊維f2)の供給、マトリクス樹脂の含浸、金型による賦形・硬化、引っ張り、切断などを含む一連の工程を連続して行うことができる。
円弧形補強材1の断面構成は、要求性能に応じて適宜変更可能である。通常、引張強度が1,900〜5,000N/mm2、引張弾性率が0.6×105〜6.5×105N/mm2のものが好ましく使用される。
円弧形補強材18の設計厚さt、円弧形補強材18の幅(強化繊維f1の配向方向に略直交する方向の長さ)ωは、補強されるマンホール1の寸法、強化繊維f1の種類などに応じて適宜決定する。通常、円弧形補強材18の厚さtは2〜5mm、幅wは20〜100mmとされる。
例えば、円弧形補強材18の円弧状一方向繊維層F1を構成する強化繊維fとして炭素繊維を用いる場合、7μmφのモノフィラメントを、例えば、約24,000本集束したストランドを50本集束したロービング、即ち、強化繊維f1を使用することができる。この強化繊維f1を、繊維目付300〜5,000g/m2にて、均一に引き揃え、互いに密に一方向に配列することができる。これにより、例えば、図11に示すように円弧形補強材18が円弧状一方向繊維層F1のみから成る場合、マトリクス樹脂を含浸して硬化させた後の厚さtは、0.5〜15mmとされる。
又、例えば、図12に示すように、円弧形補強材1の外側にガラス繊維マットから成る補助層F2を設ける場合、ガラス繊維マットの繊維目付は300〜2,000g/m2とすることができる。これにより、マトリクス樹脂を含浸して硬化させた後の円弧形補強材18(円弧状一方向繊維層F1及び補助層F2を含む)の厚さtは、1〜20mmとされる。
更に、マンホール1においては、図14及び図15に示す結果から分かるように、頂版2aに首部3からの輪荷重がかかると、首部3付近の長手方向側版2cと頂板2aとの接合部において、頂板2aの上面に引張応力が作用している。コンクリートは、圧縮力には強く、引張力には弱い。又、マンホール1の補強工事を短時間で高率的に行うためには、この頂板2aの上面に対する補強を函体2の内部空間から補強することが求められる。
短手方向中心線を中心として、開口部4の径の約1.5倍の範囲において、長手方向側版2bと頂板2aとの接合部の頂板2aの上面に強い引張応力が発生している。
そこで、本発明は、頂板2aの下面と長手方向側版2cとで成す函体2の内部空間側の隅角部8に補強用ブロック19、20を横並びで函体2の長手方向に配設する。
この補強用ブロックは隅角部8がハンチ形状であるので、これに見合う台形状の立体であるが、補強用ブロック19は中央に位置するブロック、補強用ブロック20は左右に位置するブロックである。
補強用ブロック20は、図8〜図10に示すように、隅角部8のハンチ形状と合致するもので、ハンチの傾斜面8aに接合する天端面20aがあり、この天端面20aから連続する側面20b、20cは頂板2aと側版2bに接合する面である。
補強用ブロック19隅角部8のハンチの傾斜面8aに接合しない天端面19aを有するものとし、設置の際に、角部が内部空間側の隅角部8と非接触で隙間α(図4参照)を確保するものとする。天端面19aから連続する側面19b、19cは頂板2aと側版2bに接合する面である点は補強用ブロック20と同じである。
補強用ブロック19、20ともに箱抜きとし、ボルト貫通孔22を設けて相互にボルト23(及びナット)で結合するものとする。又、天端面19a、20aを貫通するアンカーボルト用貫通孔24を形成し、把手取付用の埋め込みナット25を側面19b、20b、19c、20cと反対側の箱抜き内面に埋設した。なお、前記アンカーボルト用貫通孔24はすべての補強用ブロック19、20に設ける必要はなく、これを設けるものと、設けないものとを併存させてもよい。前記把手取付用の埋め込みナット25に対しては、図示は省略するが、コ字形の把手の根元部に設けた板体を蝶ボルトでこの埋め込みナット25に固定する。このようにすれば、コ字形の把手を補強用ブロック19、20の裏側左右に設けることができ、嵌め込みの際の支持を行うことができる。
補強用ブロック19、20を構成する材質としては、コンクリート、レジンコンクリート、アルミダイガスト等の鋳物等特に限定はないが、セメントの代わりに酸に強い不飽和ポリエステル樹脂を使用。骨材、充填材、鉄筋を遠心力により一体成形したレジンコンクリートが好適であり、素材となるレジンコンクリートは、セメントコンクリートに比べて引張り強さや圧縮強さが大きく、しかも軽量化できる。
レジンコンクリートは、各種薬品に対して優れた耐食性を示し、特に、硫化水素による腐食には抜群の強さを示す。樹脂だけでなく、骨材や充填材にも耐摩耗性の大きな材料を使用しているため摩耗作用に対しても大きな抵抗を有し、耐久性に優れる。吸収率が非常に小さく、凍結融解による強度劣化がない。又、表面がなめらかで水理特性に優れる。
次に、円弧形補強材18を頂版2aの下面に貼り付ける工程、補強用ブロック19、20の設置について更に説明する。本発明に従う円弧形補強材18の貼り付け工程は、次の各工程の全て或いはいずれかの組み合わせを有する。
(1)ケレン処理工程
頂板2aの下面における円弧形補強材18を貼り付ける部分の下地コンクリートをケレン処理する。下地ケレン処理13(図16参照)は、ディスクサンダー、サンドブラストなどの任意の手段により行うことができる。
(2)プライマー塗布工程
次に、ケレン処理した頂板2aの下面にプライマー14を塗布して下地処理する。プライマー14は、次に接着樹脂21にて接着する円弧形補強材18とコンクリート面との馴染み馴染みを向上させる。プライマーとしては、次に塗布する接着樹脂21との親和性が良く、又、円弧形補強材18と共に使用することが許容される任意のものを用いることができる。プライマー14としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの室温硬化樹脂、又は、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などのラジカル反応系樹脂(ラジカル重合樹脂)を用いることができる。又、プライマーとしては、特に、硬化の早い速硬化型のラジカル反応系樹脂、例えばアクリル樹脂が好ましい。より具体的には、速硬化型のアクリル樹脂としては、日鉄コンポジット(株)製FP−Mを好適に用いることができる。プライマー14の塗布量は、好ましくは、円弧形補強材18の表面積当たり0.1〜0.4kg/m2である。
(3)接着樹脂塗布工程
次に、接着樹脂21を頂板2aの下面のコンクリート面(プライマー14を適用する場合はプライマー塗布面)に塗布する。接着樹脂としては、円弧形補強材18と共に使用することが許容される任意のものを用いることができる。接着樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの室温硬化樹脂、又は、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などのラジカル反応系樹脂(ラジカル重合樹脂)を用いることができる。特に、硬化の早い速硬化型のラジカル反応系樹脂、例えばアクリル樹脂が好ましい。より具体的には、速硬化型のアクリル樹脂としては、日鉄コンポジット(株)製FR−MIPを好適に用いることができる。接着樹脂の塗布量は、好ましくは、円弧形補強材18の表面積当たり0.5〜5.0kg/m2である。
(4)円弧形補強材貼着工程
次に、円弧形補強材18を接着樹脂21(プライマーを適用する場合は更にプライマー)を介して頂板2aの下面に付着させる。
同時に、補強用ブロック19、20を接着樹脂21により接着させて配設するが、円弧形補強材18はこの補強用ブロック19(補強用ブロック20を加える場合もある)で、押さえ込むようにする。円弧形補強材18の端部の突合せ部分を補強用ブロック19で押さえ込むことで円として連続させ、又、接着の際の端部の突合せ部分の押さえを補強用ブロックを利用して行うことができる。
補強用ブロック19、20の取付は、図示は省略するが、埋め込みナット25にねじ込みで取り付けた把手をもって接着を行い、横並びになった補強用ブロック19、20は、ボルト23(ナット)で相互に締結する。
前記補強用ブロック19、20は取り付けの際にアンカーボルト用貫通孔24を介してアンカーボルトで仮固定を行うが、このアンカーボルトの固定は両端や数個置き等適宜に選定できる。
接着樹脂21が硬化することにより、円弧形補強材18や補強用ブロック19、20へのマンホール1への適用は終了する。なお、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を用いた円弧形補強材18を用いる場合は、エポキシ樹脂接着剤で接着することが好ましい。又、マトリクス樹脂としてアクリル樹脂を用いた円弧形補強材18を用いる場合は、アクリル樹脂接着剤で接着することが好ましい。
本発明の好ましい実施例によれば、円弧形補強材18を頂板2aの下面に貼り付ける工程は、上記工程(1)〜(4)の全てを有する。但し、上記工程(2)のプライマー塗布工程、更には上記工程(1)のケレン処理工程は、場合によっては省くことができる。又、上記工程(3)の接着樹脂塗布工程においては、接着樹脂2を円弧形補強材18の面に塗布してもよい。又、上記工程(1)〜(4)の他、公知のコンクリートのひび割れ補修工程など、任意の工程を適宜追加してもよい。
なお、図16に示すように、必要に応じて、例えば、直線形の一方向繊維強化プラスチック製の補強材26を頂板2aの下面の任意の箇所に、任意の配向にて貼り付けることができる。この追加の補強材26は、特に一方向強化繊維が円弧状に配列されていないことを除けば、上述の円弧形補強材18と同様の構成とすることができる。又、その頂板2aの下面への貼り付け工程も、上記円弧形補強材18と同様とすることができる。好ましくは、この追加の補強材26は、頂板2aの下面において引張応力が作用している箇所に、その引張応力の作用方向に沿って一方向連続強化繊維が配向するように貼り付ける。
前記のように、円弧形補強材18を頂板2aの下面に貼り付けることによって、開口部4の周りの頂版下面に作用する引張応力(図14)に対して、円弧形補強材18が応力を分担することができ、マンホール1構造を補強することができる。又、既に硬化された円弧形補強材18をマンホール1内に運び入れ、これを所定箇所に貼り付けるといった極めて簡単な作業にて、作業性良くマンホール1を補強することができる。従って、短時間に高率良くマンホール1の補強工事を施工することができる。特に、プライマー14、接着樹脂21として速硬化型の接着樹脂を使用することで、極めて短時間に補強工事を完了することができる。これにより、地中に埋設されたマンホール1の補強工事のための交通規制時間を短縮することができる。
更に、マンホール1においては、図14及び図15に示す結果から分かるように、頂版2aに首部3からの輪荷重がかかると、頂版2aの短手方向中心線を中心として、開口部4の径の約1.5倍の範囲において、長手方向側版2cと頂板2aとの接合部の頂板上面に強い引張応力が発生している。
この頂板上面の端部に作用する引張応力(図15)に対しては、前記所定の範囲において頂板下面と長手方向側版内面とに固定された補強用ブロック19、20を設けることによって応力を緩和することができる。又、補強用ブロック19、20をマンホール1内に運び入れ、これを所定箇所に接着剤、ボルトなどで固定するといった極めて簡単な作業にて、作業性良くマンホール1を補強することができる。従って、短時間に高率良く補強工事を施工することができる。これにより、地中に埋設されたマンホール1の補強工事のための交通規制時間を短縮することができる。
以上説明したように、地中に埋設されたマンホール1は、円弧形補強材18と補強用ブロック19、20との双方を所定箇所に取り付けることによって、開口部4の周りの頂版2aの下面に作用する引張応力、頂版2aの上面の端部に作用する引張応力の両方、即ち、首部3を介して函体2に作用する輪荷重によってマンホール1に発生する主要な引張応力に対して、マンホール1の内側から短時間に効率良く補強を施すことができる。
次に、本発明の効果を確認する試験結果について説明する。試験目的は、鉄筋コンクリート製マンホールの上床版(頂版2a)の開口部4の下面に炭素繊維補強プレート(CFRP)[円弧形補強材18]を接着した時に期待される補強効果及び上床版の破壊性状を調査すると共に、補強プレートの取り付け作業時間、品質及び美観性も確認し、本発明の有効性を総括的に検証するものである。
試験体は図17に示すような直線形3号マンホール(標準規格)に円弧形補強材18を適用したものであり、この円弧形補強材18の仕様は下記の通りである。
・円弧形補強材 2枚
強化繊維:高強度炭素繊維(CFRP)
マトリクス樹脂:アクリル樹脂[日鉄コンポジット(株)製FR−MIP]
形状:
幅ω 50mm
厚さt 5mm
長手方向中心線に対し±150°にわたる円弧形状
使用強化繊維の機械的特性:
引張強度:4900N/mm2(炭素繊維断面積ベース)
引張弾性率:2.39×105N/mm2(炭素繊維断面積ベース)
この円弧形補強材18を、開口部4の周からの距離gが10mmとなる位置に、頂版2aの下面をケレン処理した後、次のプライマー、接着樹脂を用いて接着した。
プライマー:速硬化型アクリル樹脂[日鉄コンポジット(株)製FR−M]
接着樹脂:速硬化型アクリル樹脂[日鉄コンポジット(株)製FR−MIP]
実験ケースは下記の通りである。
Test0:予備載荷
Test1:無補強試験体を終局までに載荷
Test2:健全時に補強した試験体を終局まで載荷
Test3−1:無補強試験体を初期ひび割れ発生まで載荷
Test3−2:Test3−1を補強し終局まで載荷
実験方法は図18に示す載荷装置による。図中27は反力フレーム、28は反力床、29は支承フレーム、30はジャッキ、31はロードセル、32はMH鉄蓋、33は試験体、34は荷重フレームである。
載荷:片押し
荷重:上床版開口部に等分布(鉄蓋使用)
載荷手順:10〜20N刻みの段荷重
図19に沈込み量の変化を示す
Fc21ピン支持の荷重〜変形曲線(縦軸太数字:ピン支承)
注)縦軸細数字:ピン支承の0.7倍(ローラー支承の推定値)
測定内容は下記の通りである。
ひずみ測定:鉄筋・コンクリート面・鐵蓋
変位測定:沈み込み量(変位計・傾斜計)
ひび割れ:画像処理(ファイバースコープ)
荷重:載荷荷重(ロードセル)
温度:コンクリート表面・内部・裏側(屋外実験につき、温度補償の押さえのため)
図20に鉄筋ひずみ測定点(全実験ケース共通)、図21に試験体表面 変形測定点(全実験ケース共通)、図22に試験体裏面 コンクリートひずみ測定点(Test3−1)を示す。
又、図23に荷重〜変位関係(未補正)、図24に荷重と平均変位の関係[P〜Δ(未補正)]、図25に荷重と平均変位の関係[P〜δ(ゴム支承のオフセット補正後)]を示す。
なお、前記実施例では、コンクリート構造物は、通信ケーブルの分岐スペース等として使用されるマンホールであるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、前記マンホールにて極めて有効に作用するものであるが、躯体部分と、この躯体部分の頂版に接続され前記躯体部分の内部空間に連通する開口部を具備する円筒状の首部とを有し、地中に埋設されて使用される任意のコンクリート構造物に対して等しく適用し得るものである。
本発明のマンホールの補強構造の1実施形態を示す縦断側面図(図3のA−A線断面図)である。 本発明のマンホールの補強構造の1実施形態を示す横断平面図(図3のB−B線断面図)である。 本発明のマンホールの補強構造の1実施形態を示す縦断面図である。 本発明のマンホールの補強構造の1実施形態を示す要部の斜視図である。 補強用ブロックの第1例を示す底面図である。 図5のA−A線断面図である。 図5のB−B線断面図である。 補強用ブロックの第2例を示す底面図である。 図8のA−A線断面図である。 図8のB−B線断面図である。 円弧形補強材の一実施例の斜視図である。 円弧形補強材の他の実施例の断面図である。 FEM解析の荷重条件のコンピュータ出力を示す図である。 FEM解析による頂版下面の応力分布のコンピュータ出力を示す図である。 FEM解析による頂版上面の応力分布のコンピュータ出力を示す図である。 円弧形補強材の他の適用例を示す頂版下面の模式図である。 効果確認試験での試験体の説明図である。 効果確認試験での載荷装置の側面図である。 効果確認試験での沈込み量を示すグラフである。 鉄筋ひずみ測定点(全実験ケース共通)を示す模式図である。 試験体表面 変形測定点(全実験ケース共通)を示す模式図である。 試験体裏面 コンクリートひずみ測定点(Test3−1)を示す模式図である。 荷重〜変位関係(未補正)を示すグラフである。 荷重と平均変位の関係[P〜Δ(未補正)]を示すグラフである。 荷重と平均変位の関係[P〜δ(ゴム支承のオフセット補正後)]を示すグラフである。 マンホールの一例の模式図である。 マンホールの応力・ひずみの関係を示す説明図である。 従来例を示す要部の断面図である。 他の従来例を示す説明図である。
符号の説明
1…マンホール 2…函体
2a…頂版 2b、2c…側版
2d…底版 3…首部
4…開口部 5…蓋
6…ダクトスリーブ 7…管路
8…隅角部 8a…傾斜面
9…アンカーボルト 10…異型鉄筋
11…樹脂モルタル 12…炭素繊維シート
13…下地ケレン 14…プライマー
15…不陸修正材 16a、16b…含浸接着剤
17…炭素繊維 18…円弧形補強材
19、20…補強用ブロック 19a、20a…天端面
19b、19c、20b、20c…側面 21…接着樹脂
22…ボルト貫通孔 23…ボルト
24…アンカーボルト用貫通孔 25…埋め込みナット
26…補強材 27…反力フレーム
28…反力床 29…支承フレーム
30…ジャッキ 31…ロードセル
32…MH鉄蓋 33…試験体
34…荷重フレーム

Claims (7)

  1. 函体の頂版に開口用の首部を接続したマンホールの前記首部の周りの前記頂版の下面に繊維強化プラスチック製の円弧形補強材を首部による開口部を囲むように配置して接着し、函体の側版と頂版とで成す隅角部に補強用ブロックを横並びで函体長手方向に配設したことを特徴とするマンホールの補強構造。
  2. 補強用ブロックは、中央に位置する数個は角部が隅角部と非接触とする請求項1記載のマンホールの補強構造。
  3. 補強用ブロックは、中央に位置する数個で繊維強化プラスチック製の円弧形補強材を頂版に対して押さえ込む請求項1又は請求項2記載のマンホールの補強構造。
  4. 繊維強化プラスチック製の円弧形補強材は、半円形であり、端部の突合せ部分を補強用ブロックで押さえ込む請求項3記載のマンホールの補強構造。
  5. 補強用ブロックは、接着により固定する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマンホールの補強構造。
  6. 補強用ブロックは箱抜きとし、相互にボルトで結合する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のマンホールの補強構造。
  7. 円弧形補強材は、少なくともその円弧形状に沿って一方向に配列された強化繊維を有する請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のマンホールの補強構造。
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