JP2007119004A - 輸送装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】ガソリンに混合するETBEを簡単な構成で効率よく輸送できる輸送システムを提供する。
【解決手段】一端がガソリンタンク110に接続する流入経路150の他端を流通経路140の上流側の端部のローディングアーム141と接続させる。一端が混合燃料油貯蔵タンク130に接続する流出経路160の他端を流通経路140の下流側に分岐して連通する状態に接続する。演算部171により、ETBEをETBE用タンク120へ流入させた後、流入経路150を介してガソリンタンク110からガソリンを流通経路140に流通させ、流出経路160を介して流通経路140内に残留するETBEを混合燃料油貯蔵タンク130へ流入させる。ETBEが残留せず、流通経路140が損傷するなどの不都合が防止でき、ガソリンおよびETBEを廃棄せず効率よく輸送できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば自動車などの燃料として燃料油に適宜混合されて混合燃料油として調製される酸素含有炭化水素化合物を化合物貯蔵タンクから輸送する輸送装置およびその方法に関する。
従来、一本の配管を使用して、輸送タンクから貯留タンクへナフサと原油とをバッチ移送する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のものは、複数の輸送体タンクの少なくとも一部をナフサ積載用に指定し、ナフサと原油とを1つの輸送体に混載して輸送する。そして、荷揚げ時に、配管を用いて船内タンクからナフサ用タンクへナフサを送り出す際、配管を原油用タンクに接続し、配管中に残留している原油の量をあらかじめ算出し、船内タンクからナフサを送り出す。このナフサの送り出し量を計量し、配管中の原油とナフサからなる混合流体の流れ解析に基づいて、ナフサの送り出し量があらかじめ算出され滞留している原油の量とほぼ同量となったときに、ナフサの送り出しを停止させ、原油用タンクに切り替えてナフサの送り出しを再開する。
特開2003−200884号公報
ところで、例えば自動車の燃料油として、ガソリンにアルコールを混合した混合燃料油や、エタノールを原料として生成されたエチル−ターシャリ−ブチル−エーテル(Ethyl Tertiary Butyl Ether:ETBE)をガソリンに混合した混合燃料油が知られている。特に近年では、例えば自動車などの排ガスによる炭酸ガスの排出による地球温暖化が懸念されており、地球温暖化防止のために二酸化炭素の排出を削減するため、燃料油としても植物由来のアルコールやバイオマス由来のアルコールを混合することが提案されている。すなわち、大気中の二酸化炭素を炭素分として固定する植物などの農林産物やバイオマスを燃料として利用可能ないわゆるバイオアルコールは、大気中の二酸化炭素がネットで増大しないことから、このバイオアルコール、あるいはバイオアルコールを用いて生成されるETBEを燃料油に混合して利用することが知られている。
そして、生成されるETBEには、原料のエタノールや副産物としてのブタノールなどが混入している。また、アルコールは吸水性が比較的に高いことから、混合燃料油として混合するアルコールやETBE中に水分が混合するおそれが比較的に高い。
これらのことから、例えば製油所で生成したETBEを、ガソリンと混合して混合燃料油を調製する製油所や油槽所などにタンカや配管などにより輸送して貯留タンクへ貯留させるなどの際、配管などの流通経路中における各構成において、ETBEに混入するアルコールにより、いわゆるドライコロージョンと称される配管などの腐食やパッキンの膨潤などの不都合が生じるおそれがある。このため、配管などの流通経路として、耐腐食性の材料を用いたり耐腐食処理を施したり、膨潤しない特別なパッキンなどを用いたりするなど、特別な設備が必要となる問題がある。
本発明は、このような点などに鑑みて、燃料油に混合される酸素含有炭化水素化合物を簡単な構成で効率よく輸送する輸送装置およびその方法を提供することを目的とする。
本発明の輸送装置は、燃料油に適宜混合されて混合燃料油として調製される酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクから、他の化合物貯蔵タンクへ前記化合物貯蔵タンクおよび前記他の化合物貯蔵タンク間を連通する流通経路を介して前記酸素含有炭化水素化合物を流入させる輸送装置であって、前記燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに一端が接続され、他端が前記流通経路の上流側に接続された流入経路と、前記混合燃料油を貯蔵する混合燃料油貯蔵タンクに一端が接続され、他端が前記流通経路の下流側に接続された流出経路と、前記化合物貯蔵タンクに貯蔵された前記酸素含有炭化水素化合物が前記他の化合物貯蔵タンクへ前記流通経路を介して流入された後に、前記燃料油貯蔵タンクから前記流入経路を介して前記燃料油を前記流通経路に流通させ、前記流通経路中に残留する前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合燃料油貯蔵タンクへ前記流出経路を介して流入させる制御をする制御手段と、を具備したことを特徴とする。
この発明では、燃料油に適宜混合されて混合燃料油として調製される酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクから、他の化合物貯蔵タンクへ化合物貯蔵タンクおよび他の化合物貯蔵タンク間を連通する流通経路を介して酸素含有炭化水素化合物を流入させた後に、制御手段により流通経路へ燃料油を流通させる制御をする。すなわち、一端が燃料油を貯蔵する貯蔵タンクに接続された流入経路の他端を流通経路の上流側に接続する。また、一端が混合燃料油を貯蔵する混合燃料油貯蔵タンクに接続する流出経路の他端を流通経路の下流側に接続する。そして、制御手段により、酸素含有炭化水素化合物が他の化合物貯蔵タンクへ流入された後に、流入経路を介して燃料油貯蔵タンクから燃料油を流通経路に流通させ、流出経路を介して流通経路中に残留する酸素含有炭化水素化合物を混合燃料油貯蔵タンクへ流入させる制御をする。
このことにより、吸水性が高くいわゆるドライコロージョンにより流通経路が損傷したり流通経路中のパッキンなどが膨潤したりするなどの不都合を生じるアルコールあるいはこのアルコールを含有するエーテルやエステルなどの酸素含有炭化水素化合物を流通経路を介して流通させた後に燃料油を流通させることで、流通経路中に残留する酸素含有炭化水素化合物が排出され、流通経路中に残留せず、流通経路が損傷するなどの不都合が防止され、流通経路として耐食機能を付与する特別な構成とする必要がなく、構成の簡略化が図れる。さらに、残留する酸素含有炭化水素化合物を排出させる燃料油は、地球温暖化防止のために二酸化炭素の排出を抑制する観点から動植物やバイオマス由来の酸素含有炭化水素化合物と混合されて混合燃料油として調製されるものであり、排出される酸素含有炭化水素化合物に燃料油が混合しても、混合燃料油貯蔵タンクへ流入されて混合燃料油として利用されるので、燃料油および酸素含有炭化水素化合物を廃棄する必要がなく有効利用され、効率的な酸素含有炭化水素化合物の輸送が得られる。
そして、本発明では、請求項1に記載の輸送装置であって、前記流入経路は、前記燃料油および前記酸素含有炭化水素化合物を混合して混合燃料油を調製する製油施設に設置され、一端が前記製油施設に設置された前記燃料油貯蔵タンクに接続され、他端が前記製油施設に設置された前記流通経路の上流側に接続され、前記流出経路は、前記製油施設に設置され、一端が前記製油施設に設置された前記混合燃料油貯蔵タンクに接続され、他端が前記流通経路の下流側に接続された構成とすることが好ましい。
この発明では、流入経路として、燃料油と酸素含有炭化水素化合物とを混合して混合燃料油を調製する製油施設に設置された燃料油貯蔵タンクに一端を接続させ、他端を製油施設に設置された流通経路の上流側に接続させる。さらに、流出経路として、製油施設に設置された混合燃料油貯蔵タンクに一端を接続させ、他端を流通経路の下流側に接続させる。
このことにより、例えば、混合燃料油を調製する製油施設に輸送タンカなどにより酸素含有炭化水素化合物を搬入する際などに、酸素含有炭化水素化合物を他の化合物貯蔵タンクへ流入させた後に、製油施設における混合燃料油として調製される燃料油を利用して流通経路から排出させることが可能となり、製油施設の構成が有効利用され、効率よく酸素含有炭化水素化合物が輸送される。
また、本発明では、請求項1に記載の輸送装置であって、前記流通経路は、一端が前記酸素含有炭化水素化合物を製造する製油施設に設置され前記製造された酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する前記化合物貯蔵タンクに接続され、他端が前記酸素含有炭化水素化合物を輸送する輸送体に設けられ前記酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する前記他の化合物貯蔵タンクに接続するものであり、前記流入経路は、前記製油施設に設置され、一端が前記製油施設に設置された前記燃料油貯蔵タンクに接続され、他端が前記流通経路の上流側に接続され、前記流出経路は、一端が前記流通経路の下流側に接続され、他端が前記輸送体に設けられた前記混合燃料油貯蔵タンクに接続された構成とすることが好ましい。
この発明では、流通経路として、一端が酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する製油施設に設置された酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクに接続され、他端が酸素含有炭化水素化合物を輸送する輸送タンカなどの輸送体に設けられ酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する他の化合物貯蔵タンクに接続された構成であって、流入経路として、製油施設に設置された燃料油貯蔵タンクに一端を接続させ、他端流通経路の上流側に接続させる。さらに、流出経路として、流通経路の下流側に一端を接続させ、他端を輸送体に設けられた混合燃料油を貯蔵する混合燃料油貯蔵タンクに接続させる。
このことにより、例えば、酸素含有炭化水素化合物を製造する製油施設から混合燃料油を製造する他の製油施設へ輸送タンカなどの輸送体で搬送するために製油施設から輸送体へ製造した酸素含有炭化水素化合物を流入する際などに、酸素含有炭化水素化合物を輸送体の他の化合物貯蔵タンクへ流入させた後に、製油施設における混合燃料油として調製される燃料油を利用して流通経路から排出させることが可能となり、燃料油により排出され燃料油が混合してしまう酸素含有炭化水素化合物は輸送体の混合燃料油貯蔵タンクへ別途流入されるので、混合燃料油貯蔵タンクへ流入された酸素含有炭化水素化合物は混合燃料油として他の製油施設へ搬入させればよく、燃料油および酸素含有炭化水素化合物を廃棄することなく、効率よく酸素含有炭化水素化合物が輸送される。
さらに、本発明では、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の輸送装置であって、前記制御手段は、前記流入経路および前記流出経路間の前記流通経路内の容量に対して、少なくとも略同量以上で前記燃料油を前記流通経路に流通させる制御をする構成とすることが好ましい。
この発明では、制御手段により、流入経路および流出経路間の流通経路内の容量に対して、少なくとも略同量以上で燃料油を流通経路に流通させる。
このことにより、流通経路中に残留する酸素含有炭化水素化合物が確実に排出され、流通経路の損傷などの不都合が確実に防止される。
また、本発明では、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の輸送装置であって、前記流通経路を流通する前記酸素含有炭化水素化合物の流量を検出する化合物流量検出手段を具備し、前記制御手段は、前記化合物貯蔵タンクから前記他の化合物貯蔵タンクへ前記酸素含有炭化水素化合物を流入させる際、前記化合物流量検出手段で検出する前記流量に基づいて、前記化合物貯蔵タンクから前記流通経路へ前記酸素含有炭化水素化合物の流通開始当初から、前記流入経路および前記流出経路間の前記流通経路内の容量に対して少なくとも略同量以上の前記酸素含有炭化水素化合物を流通させるまでの間、前記流通経路が前記流出経路を介して前記混合燃料油貯蔵タンクに連通する状態に制御をする構成とすることが好ましい。
この発明では、制御手段により、化合物貯蔵タンクから他の化合物貯蔵タンクへ酸素含有炭化水素化合物を流入させる際、化合物流量検出手段で検出する流通経路を流通する酸素含有炭化水素化合物の流量に基づいて、化合物貯蔵タンクから流通経路へ酸素含有炭化水素化合物を流通させる流通開始当初では、混合燃料油貯蔵タンクへ流入する状態とする。すなわち、制御手段により、検出した酸素含有炭化水素化合物の流量に基づいて、流通開始当初から流入経路および流出経路間の流通経路内の容量に対して少なくとも略同量以上の酸素含有炭化水素化合物を流通させるまでの間、流通経路が流出経路を介して混合燃料油貯蔵タンクに連通する状態とする。
このことにより、酸素含有炭化水素化合物を他の化合物貯蔵タンクへ流入させる際に、例えば既に酸素含有炭化水素化合物を流入させた後に燃料油を流通させる処理が実施されている場合など、流通経路中に燃料油が残留しているので、酸素含有炭化水素化合物の流通当初では流出経路を介して流通経路に残留する燃料油を混合燃料油貯蔵タンクへ流入させて排出させることで、燃料油が混入しない酸素含有炭化水素化合物が他の化合物貯留タンクへ確実に流入される。したがって、酸素含有炭化水素化合物に燃料油などが混入することなく、安定した性状で他の化合物貯蔵タンクに貯蔵される。さらに、混合燃料油貯蔵タンクへ流入された燃料油は混合燃料油として利用され、燃料油および酸素含有炭化水素化合物を廃棄することなく、効率よく酸素含有炭化水素化合物が輸送される。
本発明の輸送装置は、燃料油に適宜混合されて混合燃料油として調製される酸素含有炭化水素化合物を製造する製油施設に設置され前記酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクから、前記酸素含有炭化水素化合物を輸送する輸送体に設けられた他の化合物貯蔵タンクへ前記酸素含有炭化水素化合物を流入させる輸送装置であって、前記製油施設に設置され前記燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに一端が接続され、一端が前記化合物貯蔵タンクに接続され他端が前記輸送体の前記他の化合物貯蔵タンクおよび前記輸送体に設けられ前記混合燃料油を貯蔵する混合燃料油貯蔵タンクに切替可能に接続される流通経路における上流側に他端が接続された流入経路と、前記化合物貯蔵タンクに貯蔵された前記酸素含有炭化水素化合物を前記輸送体の前記他の化合物貯蔵タンクへ前記流通経路を介して流入させた後に、前記燃料油貯蔵タンクから前記流入経路を介して、前記他の化合物貯蔵タンクに接続する状態から前記混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切り替えられた前記流通経路に前記燃料油を流通させ、前記流通経路中に残留する前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合燃料油貯蔵タンクへ流入させる制御をする制御手段と、を具備したことを特徴とする。
この発明では、燃料油に適宜混合されて混合燃料油として調製される酸素含有炭化水素化合物を製造する製油施設に設置され酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクから、酸素含有炭化水素化合物を輸送する輸送体に設けられた他の化合物貯蔵タンクへ、一端が化合物貯蔵タンクに接続され他端が輸送体の他の化合物貯蔵タンクおよび輸送体に設けられ混合燃料油を貯蔵する混合燃料油貯蔵タンクに切替可能に接続された流通経路を介して流入させた後に、制御手段により流通経路へ燃料油を流通させる制御をする。すなわち、製油施設に設置され一端が燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに接続された流入経路の他端を、流通経路の上流側へ接続する。そして、輸送体の他の化合物貯蔵タンクに接続された流通経路を介して化合物貯蔵タンクに貯蔵された酸素含有炭化水素化合物が他の化合物貯蔵タンクへ流入された後に、制御手段により、他の化合物貯蔵タンクに接続する状態から輸送体の混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切り替えられた流通経路に燃料油を流通させ、流通経路中に残留する酸素含有炭化水素化合物を輸送体の混合燃料油貯蔵タンクへ流入させる制御をする。
このことにより、請求項1に記載の発明と同様の作用効果、すなわち流通経路を損傷するなどの不都合を生じず構成の簡略化が図れ、燃料油および酸素含有炭化水素化合物を廃棄する必要がなく効率的な酸素含有炭化水素化合物の輸送が得られる。
そして、本発明では、請求項6に記載の輸送装置であって、前記制御手段は、前記流通経路を前記他の化合物貯蔵タンクに接続する状態から前記混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切替制御した後に、前記流入経路を介して前記燃料油貯蔵タンクから前記燃料油を前記流通経路に流通させる制御をする構成とすることが好ましい。
この発明では、制御手段により、流通経路が輸送体の他の化合物貯蔵タンクに接続する状態から混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切替制御した後に流入経路を介して燃料油貯蔵タンクから燃料油を流通経路に流通させる。
このことにより、例えば作業者が流通経路を他の化合物貯蔵タンクおよび混合燃料油貯蔵タンクとの接続状態の切替作業を実施する必要がなく、流通経路内に残留する酸素含有炭化水素化合物を、この酸素含有炭化水素化合物と混合されて混合燃料油として調製される燃料油により排出させることが自動的に実施され、酸素含有炭化水素化合物の輸送が容易となる。
また、本発明では、請求項6または請求項7に記載の輸送装置であって、前記制御手段は、前記流入経路が接続される位置から前記流通経路の下流側端部までの前記流通経路内の容量に対して、少なくとも略同量以上で前記燃料油を前記流通経路に流通させる制御をする構成とすることが好ましい。
この発明では、制御手段により、流入経路が接続される位置から流通経路における他の化合物貯蔵タンクまたは混合燃料油貯蔵タンクと接続する下流側端部までの流通経路内の容量に対して、少なくとも略同量以上で燃料油を流通経路に流通させる。
このことにより、流通経路中に残留する酸素含有炭化水素化合物が確実に排出され、流通経路の損傷などの不都合が確実に防止される。
さらに、本発明では、請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の輸送装置であって、前記流通経路を流通する前記酸素含有炭化水素化合物の流量を検出する化合物流量検出手段を具備し、前記制御手段は、前記化合物貯蔵タンクから前記他の化合物貯蔵手段へ前記酸素含有炭化水素化合物を流入させる際、前記化合物流量検出手段で検出する前記流量に基づいて、前記化合物貯蔵タンクから前記流通経路へ前記酸素含有炭化水素化合物の流通開始当初から、前記流入経路が接続する位置から前記流通経路の下流側端部までの前記流通経路内の容量に対して少なくとも略同量以上の前記酸素含有炭化水素化合物を流通させるまでの間、前記混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切り替えられた前記流通経路に前記酸素含有炭化水素化合物を流通させる制御をする構成とすることが好ましい。
この発明では、制御手段により、化合物貯蔵タンクから他の化合物貯蔵タンクへ酸素含有炭化水素化合物を流入させる際、化合物流量検出手段で検出する流通経路を流通する酸素含有炭化水素化合物の流量に基づいて、化合物貯蔵タンクから流通経路へ酸素含有炭化水素化合物を流通させる流通開始当初では、混合燃料油貯蔵タンクへ流入する状態とする。すなわち、制御手段により、検出した酸素含有炭化水素化合物の流量に基づいて、流通開始当初から流入経路が接続する位置から流通経路の下流側端部までの流通経路内の容量に対して少なくとも略同量以上の酸素含有炭化水素化合物を流通させるまでの間、混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切り替えられた流通経路に酸素含有炭化水素化合物を流通させる制御をする。
このことにより、酸素含有炭化水素化合物を他の化合物貯蔵タンクへ流入させる際に、例えば既に酸素含有炭化水素化合物を流入させた後に燃料油を流通させる処理が実施されている場合など、流通経路中に燃料油が残留しているので、酸素含有炭化水素化合物の流通当初では混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切り替えられた流通経路へ流通させて残留する燃料油を排出させることで、燃料油が混入しない酸素含有炭化水素化合物が他の化合物貯蔵タンクへ確実に流入される。したがって、酸素含有炭化水素化合物に燃料油などが混入することなく、安定した性状で他の化合物貯蔵タンクに貯蔵される。さらに、混合燃料油貯蔵タンクへ流入された燃料油は混合燃料油として利用され、燃料油および酸素含有炭化水素化合物を廃棄することなく、効率よく酸素含有炭化水素化合物が輸送される。
また、本発明では、請求項9に記載の輸送装置であって、前記制御手段は、前記流通経路を前記混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切替制御した後に、前記化合物流量検出手段で検出する前記流量に基づいて、前記酸素含有炭化水素化合物の流通当初から前記流入経路が接続する位置および前記流通経路の下流側端部間の前記流通経路内の容量に対して少なくとも略同量以上で前記酸素含有炭化水素化合物を流通させる制御の後に、前記流通経路を前記混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態から前記他の化合物貯蔵タンクに接続する状態に切替制御する構成とすることが好ましい。
この発明では、制御手段により、流通経路を混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切替制御した後に、化合物流量検出手段で検出する流量に基づいて、流通当初から流入経路が接続する位置および流通経路の下流端部間の流通経路内の容量に対して少なくとも略同量以上で酸素含有炭化水素化合物を流通させる制御の後、流通経路を混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態から他の化合物貯蔵タンクに接続する状態に切替制御する。
このことにより、流通経路中に残留する燃料油などが混入しない案内した性状で他の化合物貯蔵タンクに効率よく貯蔵させる輸送が、例えば作業者による切替作業を実施することなく自動的に実施され、酸素含有炭化水素化合物の輸送が容易となる。
本発明の輸送装置は、燃料油とこの燃料油に混合可能な酸素含有炭化水素化合物とを、混合手段で適宜混合して混合燃料油を調製するために前記燃料油および前記酸素含有炭化水素化合物を輸送する輸送装置であって、前記酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクおよび前記混合手段を連結し前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合手段へ流入させる流通経路の上流側に一端が接続され、前記燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに他端が接続された流入経路と、前記混合燃料油を調製するために前記化合物貯蔵タンクから前記流通経路を介して前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合手段へ流入させた後、前記流入経路を介して前記燃料油を前記流通経路に流通させる制御をする制御手段と、を具備したことを特徴とする。
この発明では、燃料油とこの燃料油に混合可能な酸素含有炭化水素化合物とを混合手段で適宜混合して混合燃料油を調製するために燃料油および酸素含有炭化水素化合物を輸送する際、酸素含有炭化水素化合物を流通経路を介して混合手段へ流通させた後に燃料油を流通経路に流通させる制御をする。すなわち、燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに一端が接続する流入経路の他端を、酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクおよび混合手段を連結し酸素含有炭化水素化合物を混合手段へ流入させる流通経路の上流側に接続する。そして、流通経路を介して化合物貯蔵タンクに貯蔵された酸素含有炭化水素化合物を混合手段へ流入させた後に、制御手段により、流入経路を介して燃料油貯蔵タンクから燃料油を流通経路に流通させる。
このことにより、請求項1および請求項6の発明と同様の作用効果、すなわち流通経路を参照するなどの不都合を生じず構成の簡略化が図れ、燃料油および酸素含有炭化水素化合物を廃棄する必要がなく効率的な燃料油および酸素含有炭化水素化合物の輸送が得られる。
そして、本発明では、請求項11に記載の輸送装置であって、前記制御手段は、前記流入経路が接続される位置から前記混合手段に連結する位置までの前記流通経路内の容量に対して、少なくとも略同量以上で前記燃料油を前記流通経路に流通させる制御をする構成とすることが好ましい。
この発明では、制御手段により、流入経路が接続される位置から混合手段に連結する位置までの流通経路内の容量に対して、少なくとも略同量以上で燃料油を流通経路に流通させる。
このことにより、流通経路中に残留する酸素含有炭化水素化合物が確実に排出され、流通経路の損傷などの不都合が確実に防止される。
また、本発明では、請求項11または請求項12に記載の輸送装置であって、前記制御手段は、所定の性状の前記混合燃料油を調製するための前記燃料油および前記酸素含有炭化水素化合物の混合割合に対して、前記酸素含有炭化水素化合物の割合が、前記流入経路が接続される位置から前記混合手段に連通する位置までの前記流通経路内の容量分で少ない割合で、かつこの容量分より多く前記流通経路に流通される前記燃料油の流量分で多くなる割合に、前記化合物貯蔵タンクに貯蔵された前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合手段へ前記流通経路を介して流入させる制御をする構成とすることが好ましい。
この発明では、化合物貯蔵タンクに貯蔵された酸素含有炭化水素化合物を混合手段へ流通経路を介して流入させる際、制御手段により、流入経路が接続される位置から混合手段に連通するまでの前記流通経路内の容量分で少ない割合で、かつこの流通経路内の容量分より多く制御手段により流通経路に流通させる燃料油の流量分で多くなる割合で流入させる。
このことにより、流通経路中に残留する酸素含有炭化水素化合物を排出するために燃料油を流通させることにより、混合手段へ流入される酸素含有炭化水素化合物さらには燃料油の流量分を加味して、混合手段で混合して調製する所望の性状の混合燃料油における燃料油および酸素含有炭化水素化合物の混合割合に対して調整された割合で混合手段へ流入されるので、混合燃料油が所望の性状で安定して調整される。
さらに、本発明では、請求項13に記載の輸送装置であって、前記混合手段は、前記燃料油および前記酸素含有炭化水素化合物の混合をバッチ処理するものであり、前記制御手段により前記流通経路に前記燃料油を流通させた後に前記燃料油および前記酸素含有炭化水素化合物の混合を実施する構成とすることが好ましい。
この発明では、制御手段により流通経路に燃料油を流通させた後に、バッチ式の混合手段により混合する。
このことにより、所望の性状の混合割合で流入された燃料油および酸素含有炭化水素化合物が混合されることとなり、例えば混合した混合手段内の混合燃料油を混合燃料油貯蔵タンクへ流入させた後に流通経路中に残留する酸素含有炭化水素化合物が燃料油の流通により混合手段内に流入して残留したり混合手段から混合燃料油貯蔵タンクまでの経路内に残留したりして損傷するなどの不都合が生じることを防止し、流通経路のみならず他の部位においても構成の簡略化が図れる。
そして、本発明では、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の輸送装置であって、前記燃料油は、ガソリン、軽油、灯油、重油、および、ナフサのうちのいずれかである構成とすることが好ましい。
この発明では、燃料油として、ガソリン、軽油、灯油、重油、および、ナフサのうちのいずれかを対象としている。
このことにより、利用量が多いガソリン、軽油、灯油、重油、ナフサを対象とするので、これらに混合する酸素含有炭化水素化合物として大気中の二酸化炭素を炭素分として固定する植物などの農林産物やバイオマスを燃料として利用可能なアルコールやエーテル、エステルなどとすることで、二酸化炭素の排出の削減による地球温暖化防止が効率よく抑制されることとなり、輸送するための構成として利用の拡大が容易に得られる。
また、本発明では、請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の輸送装置であって、前記酸素含有炭化水素化合物は、アルコール、エーテルおよびエステルのうちのいずれか1つである構成とすることが好ましい。
この発明では、酸素含有炭化水素化合物として、アルコール、エーテルおよびエステルのうちのいずれか1つを対象としている。
このことにより、酸素含有炭化水素化合物として燃料油と混合可能なアルコール、エーテルおよびエステルのうちのいずれか1つであることから、燃料油被供給体への影響は少なく、かつ大気中の二酸化炭素を炭素分として固定する植物などの農林産物やバイオマスを有効利用して効率よく容易に生成されるので、二酸化炭素の排出の削減による地球温暖化防止が効率よく容易に抑制されることとなり、輸送するための構成として利用の拡大が容易に得られる。
そして、本発明では、請求項16に記載の輸送装置であって、前記エーテルは、イソブテンとエタノールとの反応に基づいて生成されたエチル−ターシャリ−ブチル−エーテル(Ethyl Tertiary Butyl Ether:ETBE)である構成とすることが好ましい。
この発明では、エーテルとしてイソブテンとエタノールとの反応に基づいて生成されたETBEを利用する。
このことにより、燃料油に添加することでオクタン価が増大するETBEとして利用するので、燃料油供給体が良好に出力できるとともに、取扱が比較的に容易にであり、良好に燃料油と混合されて供給されることとなり、輸送するための構成として利用の拡大が容易に得られる。
また、本発明では、請求項16または請求項17に記載の輸送装置であって、前記エステルは、脂肪酸メチルエステルまたは脂肪酸エチルエステルである構成とすることが好ましい。
この発明では、エステルとして、脂肪酸メチルエステルまたは脂肪酸エチルエステルを利用する。
このことにより、エステルは、油脂とメタノールあるいはエタノールを原料として合成されるので、油脂として動植物油脂脂肪酸や廃食用油などを用い、メタノールあるいはエタノールとして農林産物やバイオマスなどから生成したものを用いることで、二酸化炭素の排出の削減による地球温暖化防止が効率よく容易に抑制されることとなり、輸送するための構成として利用の拡大が容易に得られる。
本発明の輸送方法は、燃料油に適宜混合されて混合燃料油として調製される酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクから、他の化合物貯蔵タンクへ前記化合物貯蔵タンクおよび前記他の化合物貯蔵タンク間を連通する流通経路を介して前記酸素含有炭化水素化合物を流入させる輸送装置における前記酸素含有炭化水素化合物の輸送を実施するための輸送方法であって、前記輸送装置における前記燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに一端が接続し他端が前記流通経路の上流側に接続する流入経路と、前記輸送装置における前記混合燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに一端が接続し他端が前記流通経路の下流側に接続する流出経路とを設け、前記化合物貯蔵タンクに貯蔵された前記酸素含有炭化水素化合物が前記他の化合物貯蔵タンクへ前記流通経路を介して流入された後に、前記燃料油貯蔵タンクから前記流入経路を介して前記燃料油を前記流通経路に流通させ、前記流通経路中に残留する前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合燃料油貯蔵タンクへ前記流出経路を介して流入させることを特徴とする。
この発明は、請求項1に記載の輸送装置を方法に展開したもので、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏する。
本発明の輸送方法は、燃料油に適宜混合されて混合燃料油として調製される酸素含有炭化水素化合物を製造する製油施設に設置され前記酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクから、前記酸素含有炭化水素化合物を輸送する輸送体に設けられた他の化合物貯蔵タンクへ前記酸素含有炭化水素化合物を流入させる輸送装置における前記酸素含有炭化水素化合物の輸送を実施するための輸送方法であって、前記輸送装置における前記製油施設に設置され前記燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに一端が接続し、一端が前記化合物貯蔵タンクに接続され他端が前記輸送体の前記他の化合物貯蔵タンクおよび前記輸送体に設けられ前記混合燃料油を貯蔵する混合燃料油貯蔵タンクに切替可能に接続される流通経路の上流側に他端が接続する流入経路を設け、前記化合物貯蔵タンクに貯蔵された前記酸素含有炭化水素化合物を前記輸送体の前記他の化合物貯蔵タンクへ前記流通経路を介して流入させた後に、前記燃料油貯蔵タンクから前記流入経路を介して、前記他の化合物貯蔵タンクに接続する状態から前記混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切り替えられた前記流通経路に前記燃料油を流通させ、前記流通経路中に残留する前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合燃料油貯蔵タンクへ流入させることを特徴とする。
この発明では、請求項6に記載の輸送装置を方法に展開したもので、請求項6に記載の発明と同様の作用効果を奏する。
本発明の輸送方法は、燃料油とこの燃料油に混合可能な酸素含有炭化水素化合物とを、混合手段で適宜混合して混合燃料油を調製するために前記燃料油および前記酸素含有炭化水素化合物を輸送する輸送装置における前記酸素含有炭化水素化合物の輸送を実施するための輸送方法であって、前記輸送装置における前記酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクおよび前記混合手段を連結し前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合手段へ流入させる流通経路の上流側に一端が接続し、他端が前記燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに接続する流入経路を設け、前記混合燃料油を調製するために前記化合物貯蔵タンクから前記流通経路を介して前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合手段へ流入させた後、前記流入経路を介して前記燃料油を前記流通経路に流通させることを特徴とする。
この発明では、請求項11に記載の輸送装置を方法に展開したもので、請求項11に記載の発明と同様の作用効果を奏する。
以下、本発明の輸送装置に係る実施の一形態を説明する。
なお、本実施の形態では、燃料油としてガソリンを対象とし、酸素含有炭化水素化合物としてエチル−ターシャリ−ブチル−エーテル(Ethyl Tertiary Butyl Ether:ETBE)を対象とし、ETBEを輸送する輸送装置としての輸送システムの構成を例示するがこの限りではない。すなわち、ガソリンに限らず、軽油、灯油、ナフサ、重油など、自動車やトラックなどの車両、あるいは軌道車または船舶や飛行機などの移動体、さらには燃焼炉や乾燥炉などの燃料油を燃焼させる構築物などの燃料油被供給体で利用する各種燃料を対象とすることができる。また、ガソリンとしても、分解ガソリンや直留ガソリン、改質ガソリンなどの各種ガソリンを対象とすることができる。さらに、ガソリンとともに供給される酸素含有炭化水素化合物として、エチル−ターシャリ−ブチル−エーテル(Ethyl Tertiary Butyl Ether:ETBE)を例示するが、これに限らず、各種エーテル、あるいはエタノールなどのアルコール、さらには脂肪酸メチルエステルや脂肪酸エチルエステルなどの脂肪酸エステル(Fatty Acid Methyl Ester)など各種エステルをも対象とすることができる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の輸送装置に係る第1実施形態としての輸送システムについて図面を参照して説明する。
この第1実施形態では、ガソリンとETBEとを混合して所定の混合燃料油を調製する製油施設としての製油所に、輸送体としての輸送タンカでETBEを荷揚げする際の輸送を制御するシステム構成を例示する。なお、輸送体としては、船舶に限らず、車両や航空機などいずれの形態を対象とすることができる。
図1は、第1実施形態における輸送システムの概略構成を示す概念図である。図2は、輸送システムの制御装置の概略構成を示すブロックである。
(輸送システムの構成)
図1において、10は製油所で、この製油所10は、ガソリンとETBEとを混合して所定の性状の混合燃料油を調製する。そして、製油所10には、ガソリンおよびETBEを適宜輸送する輸送システム100が設置されている。
この輸送システム100は、ガソリンを貯蔵する燃料油貯蔵タンクとしてのガソリンタンク110と、ETBEを貯蔵する他の化合物貯蔵タンクとしてのETBE用タンク120と、図示しない混合手段でガソリンおよびETBEが混合されて調製された混合燃料油を貯留する混合燃料油貯蔵タンク130と、を備えている。
また、輸送システム100は、製油所10に設置され、例えば製油所10の桟橋やいわゆるシーバースなどに接岸された輸送タンカ200に着脱可能に接続され、輸送タンカ200に積載されたETBEを荷揚げしてETBE用タンク120へ流入させる流通経路140を備えている。
流通経路140は、一端が輸送タンカ200に設けられETBEを貯蔵する化合物貯蔵タンクとしてのETBE用船内タンク210に着脱可能に接続されるローディングアーム141を有している。なお、図1は、説明の都合上、ETBE用船内タンク210が輸送タンカ200内に1つ示しているが、複数設けた構成、さらに輸送タンカ200にETBE以外を積載する他のタンクなどを備えた構成などでもよい。そして、ローディングアーム141に、ETBE用船内タンク210などにETBEを流通可能に接続したことを検出するセンサなどを設けた構成とし、接続状態を自動認識できる構成とするなどしてもよい。
また、流通経路140は、ローディングアーム141が一端に接続し他端がETBE用タンク120に接続される流通管142を有している。この流通管142には、流通経路140内の流通を規制すなわち開閉する流通バルブ143と、流通経路140内を流通するETBEの流量を検出する化合物流量検出手段としてのETBE流量検出センサ144と、ETBE用タンク120の図示しない流入口近傍に設けられたETBE用タンクバルブ146と、などが設けられている。
また、流通経路140におけるローディングアーム141の基端には、ガソリンタンク110に一端が接続された流入経路150の他端部が接続されている。
この流入経路150には、一端がガソリンタンク110に接続されガソリンタンク110に貯蔵されたガソリンを流通する流入管151を有している。そして、流入管151には、流入経路150内の流通を規制すなわち開閉するガソリン流出バルブ153と、流入経路150内を流通するガソリンの流量を検出するガソリン流量検出センサ154と、ガソリンタンク110に貯蔵されたガソリンを流入管151に流通させるポンプ155と、が設けられている。
さらに、流通経路140のETBE用タンクバルブ146の上流側には、混合燃料油貯蔵タンク130に一端が接続された流出経路160の他端部が接続されている。
この流出経路160は、一端が流通管142に接続され他端が混合燃料油貯蔵タンク130に接続された流出管161を有している。この流出管161には、混合燃料油貯蔵タンク130の図示しない流入口近傍に設けられた混合燃料油貯蔵タンクバルブ162を有している。
そして、流出経路160は、流通管142から流出するETBEやガソリンを流出管161から混合燃料油貯蔵タンクバルブ162を介して混合燃料油貯蔵タンク130へ流通させる。
また、輸送システム100は、流通経路140、流入経路150および流出経路160の流通状態を制御する制御手段としての制御装置170を備えている。この制御装置170は、流入経路150および流出経路160とにより、本発明の輸送装置を構成する。
そして、制御装置170は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備えた演算部171と、この演算部171に接続され演算部171が読み出し可能に各種情報を記憶する記憶部172と、などを備えている。
記憶部172は、演算部171が演算処理に利用あるいは演算処理した結果の各種情報を、演算部171が読み出し可能に適宜記憶する。
記憶する情報としては、例えば輸送タンカ200で搬入され荷揚げするETBEの量や性状、ガソリンタンク110に貯蔵するガソリンの量や性状、ETBE用タンク120に貯蔵するETBEの量や性状、混合燃料油貯蔵タンク130に貯蔵する混合燃料油の量や混合燃料油の性状、流通経路140、流入経路150および流出経路160内の容量などが例示できる。また、記憶部172は、輸送システム100全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどを記憶する。
なお、記憶部172としては、HD(Hard Disk)やFD(Flexible Disk)などの磁気ディスク、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、光磁気ディスク、メモリカードなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成や半導体メモリ、これらの組み合わせなどが例示できる。
演算部171は、各種プログラムに基づいて、ETBEおよびガソリンの輸送状態、すなわち流通状態を制御する。
この流通状態の制御としては、例えば、流通経路140のETBE流量検出センサ144から出力される検出信号に基づいて流通するETBEの流量を認識したり、流入経路150のガソリン流量検出センサ154から出力される検出信号に基づいて流通するガソリンの流量を認識したり、流通経路140の流通バルブ143、流入経路150のガソリン流出バルブ153および流出経路160の混合燃料油貯蔵タンクバルブ162の開閉動作制御、流入経路150のポンプ155の駆動制御、などが例示できる。
(輸送システムの動作)
次に、上記輸送システム100における輸送タンカ200に積載されたETBEを製油所10へ荷揚げする輸送動作について説明する。
なお、制御装置170により、ETBEおよびガソリンを自動的に流通させる動作制御を例示して説明するが、例えば作業者が、各種バルブを適宜操作したり、ポンプ155を駆動させたりするなど、手動により流通させる動作とすることも可能である。また、輸送タンカ200に設けられた図示しないポンプを駆動させてETBEを荷揚げさせる処理を例示するが、例えば流通経路140に設けたポンプを駆動してETBEを荷揚げする処理するなどしてもよい。
製油所10の桟橋やシーバースに接岸された輸送タンカ200のETBE用船内タンク210に、例えば作業者が流通経路140のローディングアーム141を接続する。
そして、例えば作業者がETBEの荷揚げ動作を開始する旨のスイッチなどの操作や、ローディングアーム141のスイッチが輸送タンカ200のETBE用船内タンク210に接続されたことを検出して検出信号が出力されるなどにより、制御装置170は、作業者によるスイッチ操作による検出信号やローディングアーム141からの検出信号などを認識し、ETBEを荷揚げ、すなわちETBE用タンク120へ流入させて貯蔵させる移送処理を開始する。
すなわち、制御装置170は、演算部171により、流通管142がETBE用タンク120に接続するとともに混合燃料油貯蔵タンク130に接続しない状態に、流通バルブ143、ETBE用タンクバルブ146および混合燃料油貯蔵タンクバルブ162の切替状態を設定して動作制御する。すなわち、流通バルブ143およびETBE用タンクバルブ146を「開」、混合燃料油貯蔵タンクバルブ162を「閉」に設定する。なお、流入経路150のガソリンバルブ153は閉設定を維持する。
そして、作業者や演算部171により輸送タンカ200の図示しないポンプを駆動させ、輸送タンカ200のETBE用タンク120に貯蔵されたETBEを流通経路140に流入させる。このETBEの揚荷処理の際、演算部171は、ETBE流量検出センサ144から出力される検出信号に基づいて、荷揚げしているETBEの量となる流通するETBEの量を逐次認識する。
この揚荷処理における輸送タンカ200のポンプの駆動により、ETBE用タンク120から流通経路140の流通管142を流通し、ETBE用タンクバルブ146を介してETBE用タンク120へ順次流入され、貯留される。
なお、輸送タンカ200により輸送されたETBEの量、すなわち荷揚げするETBEの量は、制御装置170に別途設定されて記憶部172に記憶されている。
そして、演算部171は、あらかじめ設定されている量のETBEを荷揚げしたことをETBE流量検出センサ144からの検出信号に基づいて認識すると、例えばその旨を作業者に聴覚や視覚的に報知する処理をして作業者により輸送タンカ200のポンプの駆動を停止させたり、制御信号などを輸送タンカ200へ出力してポンプの駆動を停止させるとともに、流通バルブ143を閉状態に設定して動作制御する。この後、ローディングアーム141に残留するETBEは、いわゆる「先払い」や「ハナ切り」などと称される排出処理を実施するとよい。具体的には、例えば空気や窒素ガスなどの不活性ガスをローディングアーム141の流入経路150が接続する基端のすぐ上両側に供給し、輸送タンク200へ残留するETBEを返送する処理を実施する。
なお、単にETBEの流量でETBEの荷揚げの完了を認識するのみならず、例えば輸送タンカ200のETBE用船内タンク210に設けた貯蔵量センサ、あるいは流通経路140に設けた圧力計や密度計などにより荷揚げの完了を認識するなどしてもよい。
この後、例えば作業者の入力操作や演算部171による排出処理の完了の認識などにより、演算部171がETBEの揚荷処理が完了したことを認識すると、流入経路150を介してガソリンを流通経路140に流通させる制御をする。
すなわち、制御装置170の演算部171は、流通管142が流出経路160を介してガソリンタンク110に接続する状態とする。すなわち、演算部171は、流通バルブ143、ガソリンバルブ153および混合燃料油貯蔵タンクバルブ162を「開」、ETBE用タンクバルブ146を「閉」に設定し動作制御する。そして、ポンプ155を駆動させ、ガソリンタンク110に貯蔵されたガソリンを流入管151を介して接続バルブ152から流通経路140のローディングアーム141の基端部より流通管142へ流入させる。
このローディングアーム141にガソリンが流入されることにより、流通経路140内に残留するETBEは、ガソリンにより押し出されるように流通管142から流出経路160の流出管161を介して混合燃料油貯蔵タンク130に流入される。このガソリンの流入の際、演算部171は、流入経路150のガソリン流量検出センサ154から出力される検出信号に基づいて、流通経路140に流入させているガソリンの量を逐次認識する。
そして、演算部171は、あらかじめ設定されている量のガソリンを流入、すなわち記憶部172にあらかじめ記憶されている流通経路140の容量と略同量以上のガソリンを流入したことをガソリン流量検出センサ154からの検出信号に基づいて認識すると、ポンプ155の駆動を停止させる。このガソリンを流入させる流通経路140の容量と略同量以上のガソリンの流量としては、例えばガソリンにより押し出される状態となるETBEとガソリンとが一部混合する状態となるので、このETBEと混合するガソリンの量と、流通経路140の流入経路150および流出経路160間となる流入経路150の合流位置から流出経路160に分岐する位置までの容量と、の和の量を流入させる。
このようにして、ガソリンの流入により、ETBEおよびガソリンが混合するETBEとが混合燃料油貯蔵タンク130に流入され、流通経路140内にはガソリンが残留する状態となる。この状態で、ETBEの製油所10のETBE用タンク120への揚荷処理が終了する。
また、流通経路140を介してガソリンの荷揚げ、あるいは上述したETBEの荷揚げ後にガソリンを流通させる処理の後、流通経路140を介してETBEを荷揚げする処理の場合には、流通経路140内に残留するガソリンを排出する処理をする。
すなわち、制御装置170は、演算部171により、作業者によるETBEの荷揚げ処理要求のスイッチ操作による検出信号などを認識すると、記憶部172に記憶された従前の荷揚げ状態の履歴情報に基づいて、流通経路140内にガソリンが残留する状態か否かを判断する。そして、ガソリンが残留していない、すなわち流通経路140内が空の状態であると判断すると、上述したETBEの揚荷処理を実施する。
一方、ガソリンが残留していると判断すると、制御装置170の演算部171により、流通管142が流出経路160を介して混合燃料油貯蔵タンク130に接続する状態に設定する。すなわち、演算部171は、流通バルブ143および混合燃料油貯蔵タンクバルブ162を「開」、ETBE用タンクバルブ146を「閉」に設定し動作制御する。なお、なお、流入経路150のガソリンバルブ153は閉設定を維持する。そして、作業者や演算部171により輸送タンカ200の図示しないポンプを駆動させ、輸送タンカ200のETBE用タンク120に貯蔵されたETBEを流通経路140に流入させる。このETBEの流入の際、ETBE流量検出センサ144から出力される検出信号に基づいて、荷揚げしているETBEの量となる流通するETBEの量を逐次認識し、記憶部172にあらかじめ記憶されている流通経路140の容量と略同量以上のETBEを流入させる。
このETBEを流入させる流通経路140の容量と略同量以上の流量としては、上述したガソリンを流入させる場合と同様に、ETBEにより押し出される状態となるガソリンとETBEとが一部混合する状態となるので、このガソリンと混合するETBEの量と、流通経路140の容量と、の和の量を流入させる。
そして、上述した所定量のETBEが流入したことを認識した演算部171は、例えばその旨を作業者に聴覚や視覚的に報知する処理をして作業者により輸送タンカ200のポンプの駆動を停止させたり、制御信号などを輸送タンカ200へ出力してポンプの駆動を停止させる。さらに、演算部171は、流通バルブ143およびETBE用タンクバルブ146を「開」、混合燃料油貯蔵タンクバルブ162を「閉」に設定し動作制御する。すなわち、上述したETBEの揚荷処理と同様の接続状態に切り替える設定をして動作制御する。この後、再び作業者や演算部171により輸送タンカ200のポンプを駆動させ、輸送タンカ200のETBE用タンク120に貯蔵されたETBEを、流通経路140を介してETBE用タンク120に流入させ、荷揚げする。
この荷揚げ後、上述したように、ガソリンを流通経路140に流通させて残留するETBEを混合燃料油貯蔵タンク130へ流入させてガソリンが残留する処理を実施する。
(輸送システムの作用効果)
上述したように、上記第1実施形態では、ガソリンに適宜混合されて混合燃料油として調製されるETBEを貯蔵する輸送タンカ200のETBE用船内タンク210から、製油所10のETBE用タンク120へ、ETBE用船内タンク210およびETBE用タンク120を連通する状態に接続した流通経路140を介してETBEを流入させて荷揚げした後に、制御装置170の演算部171により、流通経路140へガソリンを流通させる。
すなわち、一端がガソリンタンクに110に接続する流入経路150の他端を流通経路140の上流側となるローディングアーム141の基端と接続させるとともに、一端が混合燃料油貯蔵タンク130に接続する流出経路160の他端を流通経路140の下流側に接続する。そして、演算部171により、ETBEがETBE用タンク120へ流入させた後に、流入経路150を介してガソリンタンク110からガソリンを流通経路140に流通させ、流出経路160を介して流通経路140内に残留するETBEを混合燃料油貯蔵タンク130へ流入させる。
このため、吸水性が高くいわゆるドライコロージョンにより流通経路140が損傷したり流通経路140中の各バルブやポンプ145のパッキンなどが膨潤したりするなどの不都合を生じるエタノールを含有するETBEを、流通経路140を介して流通させた後にガソリンを流通させているので、流通経路140中に残留するETBEがガソリンにより押し出されるように排出され、流通経路140中に残留しない。
したがって、流通経路140が損傷するなどの不都合が防止され、流通経路140として耐食性部材にて各部位を形成したり、耐食処理を施したり、膨潤しない特別な材料のパッキンを用いるなどの特別な構成とする必要がなく、構成を容易に簡略化できる。さらに、残留するETBEを排出させるガソリンは、地球温暖化防止のために二酸化炭素の排出を抑制する観点から動植物やバイオマス由来のETBEと混合されて混合燃料油として調製されるものであることから、排出されるETBEにガソリンが混合しても、混合燃料油貯蔵タンク130へ流入されて混合燃料油として利用されるので、ガソリンおよびETBEを廃棄する必要がなく有効利用でき、効率よくETBEを荷揚げ輸送できる。
そして、流入経路150として、ガソリンとETBEとを混合して混合燃料油を調製する製油所10に設置されたガソリンタンク110に一端を接続させ、他端を製油所10に設置された流通経路140の上流側に接続させる。さらに、流出経路160として、製油所10に設置された混合燃料油貯蔵タンク130に一端を接続させ、他端を流通経路140の下流側に接続させている。
このため、混合燃料油を調製する製油所10に輸送タンカ200によりETBEを搬入するためにETBEを製油所10のETBE用タンク120へ流入させた後、製油所10における混合燃料油として調製されるガソリンを利用して流通経路140から排出させているので、製油所10の荷揚げのための流通経路140などの構成を有効利用して、効率よくETBEを荷揚げ輸送できる。
また、制御装置170の演算部171により、流入経路150および流出経路160間の流通経路140内の容量に対して、少なくとも略同量以上でガソリンを流通経路140に流通させる制御をしている。
このため、流通経路140中に残留するETBEを残留することなく確実に排出でき、流通経路140の損傷などの不都合を確実に防止できる。
そして、ETBEを排出させる際に一部が混合してしまうガソリンの量も考慮して流通させている。このため、より確実にETBEの残留を防止できる。
さらに、制御装置170の演算部171により、輸送タンカ200のETBE用船内タンク210から製油所10のETBE用タンク120へETBEを流入させる際、ETBE流量検出センサ144で検出する流通経路140を流通するETBEの流量に基づいて、ETBE用船内タンク210から流通経路140へETBEを流通させる荷揚げの際の流通開始当初では、混合燃料油貯蔵タンク130へ流入する状態としている。すなわち、演算部171により、検出したETBEの流量に基づいて、流通開始当初から流入経路150および流出経路160間の流通経路140内の容量に対して少なくとも略同量以上のETBEを流通させるまでの間、流通経路140が流出経路160を介して混合燃料油貯蔵タンク130に連通する状態としている。
このため、ETBEをETBE用タンク120へ流入させる際に、例えば既にETBEを流入させた後にガソリンを流通させる揚荷処理が実施されている場合など、流通経路140中にガソリンが残留しているので、ETBEの流通当初では流出経路160を介して流通経路140に残留するガソリンを混合燃料油貯蔵タンク130へ流入させて排出させることで、ガソリンが混入しない安定した性状のETBEを確実にETBE用タンク120へ流入・貯蔵することができる。さらに、混合燃料油貯蔵タンク130へ流入されたガソリンは混合燃料油として利用され、ガソリンおよびETBEを廃棄することなく、効率よくETBEを輸送できる。
そして、利用量が多い車両の燃料油、特にガソリンの一部を二酸化炭素の排出の削減による地球温暖化防止の観点から置換するためのETBEを輸送する構成に適用しているので、利用量が多くなるETBEを廃棄することなく効率よく輸送できる。
さらに、酸素含有炭化水素化合物としてエーテル、特にETBEを用いるので、アルコール自体を混合する場合に比してドライコロージョンなどの不都合が生じにくく取扱が容易で流通経路140の構成の簡略化が図れるとともに、燃料油としてオクタン価が増大するので、車両の出力増大にも寄与できる。
また、制御装置170の演算部171を例えばCPUなどを用いてプログラムとして構成しているので、プログラムをインストールすることで、効率よくETBEを輸送するための制御をする構成を容易に構築でき、利用の拡大が容易に図れる。さらには、そのプログラムを記録媒体に記録し、演算手段、すなわちコンピュータに適宜読み取らせる構成とすることで、容易に本機能を提供できる構成が得られるとともに、プログラムを容易に取り扱いでき、利用の拡大が容易にできる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の輸送装置にかる第2実施形態としての輸送システムについて図面を参照して説明する。
この第2実施形態では、ETBEを製造する製油所などの製油施設から他の製油所や化学工場、油槽所などにETBEを輸送するために輸送タンカにETBEを積み込む際の輸送を制御するシステム構成を例示する。
図3は、第2実施形態における輸送システムの概略構成を示す概念図である。なお、以下に示す第2実施形態としては、第1実施形態と同様の構成について同一の符号を付して説明を簡略化および省略する。
(輸送システムの構成)
図3において、20は製油施設で、この製油施設20は、ガソリンと混合されて混合燃料油として調製されるETBEを製造する。この製油施設20には、ETBEを適宜輸送する輸送システム300が設置されている。
この輸送システム300は、ガソリンタンク110と、製造されたETBEを貯蔵する化合物貯蔵タンクとしてのETBE用タンク120と、を備えている。
また、輸送システム300は、製油施設20に設置され、例えば製油施設20のシーバースなどに接岸された輸送タンカ200に着脱可能に接続され、輸送タンカ200に設けられた他の化合物貯蔵タンクとしてのETBE用タンク120へETBEを流入させて積み込みする流通経路140を備えている。
そして、流通経路140は、第1実施形態と同様に、ローディングアーム141と、流通管142と、流通バルブ143と、ETBE流量検出センサ144と、ポンプ145と、ETBE用タンクバルブ146と、などが設けられている。
なお、この流通経路140のローディングアーム141は、輸送タンカ200のETBE用船内タンク210に着脱可能に接続してETBEを流入可能であるとともに、輸送タンカ200に設けられ混合燃料油を貯蔵する混合燃料油貯蔵タンクとしての混合燃料油船内貯蔵タンク220に着脱可能に接続してETBEやガソリンを流入可能に構成されている。また、図3は、説明の都合上、ETBE用船内タンク210および混合燃料油船内貯蔵タンク220を輸送タンカ200内にそれぞれ1つずつ示しているが、複数設けた構成、さらに輸送タンカ200にETBEや混合燃料油以外を積載する他のタンクなどを備えた構成などとしてもよい。
また、流通経路140における上流端側、すなわちETBE用タンクバルブ146のすぐ下流側には、ガソリンタンク110に一端が接続された流入経路150の他端部が接続されている。また、流通経路140には、流通管142を流通するETBEやガソリンを輸送タンカ200へ流通させるポンプ145が設けられている。
そして、流入経路150は、流入管151と、ガソリン流出バルブ153と、ガソリン流量検出センサ154と、を備え、ガソリンが流通する流入管151の下流側端部が流通管142の上流端側に連結され、流入管151を流通するガソリンが流通管142へ流入可能となっている。なお、図3に示すように、ポンプ155を有しない構成として例示するが、第1実施形態のようにポンプ155を備えていてもよい。
また、輸送システム300は、流通経路140および流入経路150の流通状態を制御する制御装置170を備えている。この制御装置170は、流入経路150とにより、本発明の輸送装置を構成する。
この制御装置170は、第1実施形態と同様に、演算部171および記憶部172を備えている。
(輸送システムの動作)
次に、上記輸送システム300における輸送タンカ200へETBEを積み込む輸送動作について説明する。
なお、制御装置170により、ETBEおよびガソリンを自動的に流通させる動作制御を例示して説明するが、第1実施形態と同様に、例えば作業者が各バルブを適宜操作したり、ポンプ145を駆動させたりするなど、手動により流通させる動作とすることも可能である。また、流通経路140のポンプ145を駆動してETBEを積み込みする処理を例示するが、例えば輸送タンカ200に設けられたポンプを駆動させてETBEを積み込みする処理をするなどしてもよい。
製油施設20の桟橋やシーバースに接岸された輸送タンカ200のETBE用船内タンク210に、例えば作業者が流通経路140のローディングアーム141を接続する。
そして、制御装置170は、演算部171により、例えば作業者がETBEの荷揚げ動作を開始する旨のスイッチなどの操作による検出信号や、ローディングアーム141のスイッチが輸送タンカ200のETBE用船内タンク210に接続されたことを検出して検出信号などを認識すると、ETBEを輸送タンカ200へ積み込み、すなわちETBE用船内タンク210へ流入させて貯蔵させる移送処理を開始する。
すなわち、制御装置170は、演算部171により、流通管142がETBE用タンク120に接続する状態に設定して動作制御する。具体的には、流通バルブ143およびETBE用タンクバルブ146を「開」、混合燃料油貯蔵タンクバルブ162を「閉」に設定する。なお、流入経路150のガソリンバルブ153は閉設定を維持する。
そして、演算部171は、ポンプ145を駆動させ、ETBE用タンク120に貯蔵されたETBEを流通経路140に流入させる。このETBEの積み込み処理の際、演算部171は、ETBE流量検出センサ144から出力される検出信号に基づいて、積み込みしているETBEの量となる流通するETBEの量を逐次認識する。
なお、輸送タンカ200へ輸送するETBEの量、すなわち積み込みするETBEの量は、制御装置170に別途設定されて記憶部172に記憶されている。
そして、演算部171は、あらかじめ設定されている量のETBEを積み込みしたことをETBE流量検出センサ144からの検出信号に基づいて認識すると、ポンプ145の駆動を停止させるとともに、流通バルブ143を閉状態に設定して動作制御する。なお、ETBEの積み込みの完了を認識する方法としては、第1実施形態におけるETBEの荷揚げの場合と同様に、例えば輸送タンカ200のETBE用船内タンク210に設けた貯蔵量センサ、あるいは流通経路140に設けた圧力計や密度計などにより演算される流量に基づくなど、各種方法が利用できる。
この後、例えば作業者の操作や演算部171によるローディングアーム141の動作制御などにより、ローディングアーム141を輸送タンカ200の混合燃料油船内貯蔵タンク220に接続させる。そして、作業者によるスイッチ操作やローディングアーム141のセンサによる検知などにより、演算部171が流通経路140の混合燃料油船内貯蔵タンク220への接続を認識すると、演算部171は、流入経路150を介してガソリンを流通経路140に流通させる制御をする。
すなわち、演算部171は、流通管142の上流側に流入管151の下流側端部が接続する状態とする。さらに、演算部171は、流入経路150のガソリン流出バルブ153および流通経路140の流通バルブ143を開状態に設定するとともに、ETBE用タンクバルブ146を閉状態に設定して動作制御し、ポンプ145を駆動させ、ガソリンタンク110に貯蔵されているガソリンを、流入管151を介して流通管142の上流側に流入させる。
この流通管142にガソリンが流入されることにより、流通経路140内に残留するETBEは、ガソリンにより押し出されるように流通管142およびローディングアーム141を介して輸送タンカ200の混合燃料油船内貯蔵タンク220へ流入される。このガソリンの流入の際、演算部171は、流入経路150のガソリン流量検出センサ154から出力される検出信号に基づいて、流通経路140に流入しているガソリンの量を逐次認識する。
そして、演算部171は、あらかじめ設定されている量のガソリンを流入、すなわち記憶部172にあらかじめ記憶されている流通経路140の容量と略同量以上のガソリンを流入したことをガソリン流量検出センサ154からの検出信号に基づいて認識すると、ポンプ145の駆動を停止させる。
このガソリンを流入させる流通経路140の容量と略同量以上のガソリンの流量としては、例えばガソリンにより押し出される状態となるETBEとガソリンとが一部混合する状態となるので、このETBEと混合するガソリンの量と、流通経路140における流入経路150が接続する位置から輸送タンカ200に接続する下流側端部までの容量と、の和の量を流入させる。
このようにして、ガソリンの流入により、ETBEおよびガソリンが混合するETBEとが混合燃料油船内貯蔵タンク220に流入され、流通経路140内にはガソリンが残留する状態となる。この状態で、ETBEの輸送タンカ200への積み込み処理が終了する。
また、流通経路140を介して輸送タンカ200へガソリンを積み込む処理、あるいは上述したETBEの積み込み処理によりガソリンを流通させる処理の後、流通経路140を介してETBEを積み込み処理する場合には、流通経路140内に残留するガソリンを排出する処理をする。
すなわち、制御装置170は、演算部171により、作業者によるETBEの積み込み処理要求のスイッチ操作による検出信号やローディングアーム141からの検出信号などを認識すると、記憶部172に記憶された従前の輸送状態の履歴情報に基づいて、流通経路140内にガソリンが残留する状態か否かを判断する。そして、ガソリンが残留していない、すなわち流通経路140内が空の状態であると判断すると、上述したETBEの積み込み処理を実施する。
一方、ガソリンが残留していると判断すると、制御装置170の演算部171により、流通管142のローディングアーム141が輸送タンカ200の混合燃料油船内貯蔵タンク220に接続する状態に動作制御したり、作業者に対して接続作業を指示する旨などを報知したりする。そして、混合燃料油船内貯蔵タンク220に流通管142が接続する状態であることを、演算部171が検出信号に基づいて認識すると、演算部171は、流通管142がETBE用タンク120に接続する状態に設定して動作制御する。具体的には、流通バルブ143およびETBE用タンクバルブ146を「開」、混合燃料油貯蔵タンクバルブ162を「閉」に設定する。なお、流入経路150のガソリンバルブ153は閉設定を維持する。
さらに、演算部171は、流通経路140の流通バルブ143を開状態に設定して動作制御し、ポンプ145を駆動させ、ETBE用タンク120に貯蔵されたETBEを流通経路140に流入させる。
このETBEの流入の際、ETBE流量検出センサ144からの出力される検出信号に基づいて、流通経路140を流通するETBEの量を逐次認識し、記憶部172にあらかじめ記憶されている流通経路140の容量と略同量以上のETBEを流入させる。
この流入させるETBEの量としては、上述したガソリンを流入させる場合と同様に、ETBEにより押し出される状態となるガソリンとETBEとが一部混合する状態となるので、このガソリンと混合するETBEの量と、流通経路140の容量と、の和の量を流入させる。
そして、上述した所定量のETBEが流入したことを認識した演算部171は、ポンプ145の駆動を停止させ、流通管142のローディングアーム141が輸送タンカ200のETBE用船内タンク210に接続する状態に動作制御したり、作業者に対して接続作業を指示する旨などを報知したりする。この後、演算部171は、流通経路140が輸送タンカ200のETBE用船内タンク210に接続することを認識すると、再びポンプ145を駆動させ、ETBE用タンク120に貯蔵されているETBEを、流通経路140を介して輸送タンカ200のETBE用船内タンク210に流入させ、積み込みする。
この積み込みの後、上述したように、ガソリンを流通経路140に流通させて残留するETBEを混合燃料油船内貯蔵タンク220へ流入させ、流通経路140にガソリンが残留する処理を実施する。
(輸送システムの作用効果)
上述したように、上記第2実施形態では、ガソリンに適宜混合されて混合燃料油として調製されるETBEを製造する製油施設20に設置されETBEを貯蔵するETBE用タンク120から、ETBEを輸送する輸送タンカ200に設けられたETBE用船内タンク210へ、一端がETBE用タンク120に接続され他端が輸送タンカ200のETBE用船内タンク210および輸送タンカ200に設けられ混合燃料油を貯蔵する混合燃料油船内貯蔵タンク220に切替可能に接続された流通経路140を介して流入させる。この後、制御装置170の演算部171により、流通経路140へガソリンを流通させる制御をする。
すなわち、製油施設20に設置され一端がガソリンタンク110に接続された流入経路150の他端を、流通経路140の上流側へ接続する。そして、輸送タンカ200のETBE用船内タンク210に接続された流通経路140を介してETBE用タンク120に貯蔵されたETBEを輸送タンカ200のETBE用船内タンク210へ流入された後に、制御装置170の演算部171により、ETBE用船内タンク210に接続する状態から輸送タンカ200の混合燃料油船内貯蔵タンク220に接続する状態に切り替えられた流通経路140にガソリンを流通させ、流通経路140中に残留するETBEを輸送タンカ200の混合燃料油船内貯蔵タンク220へ流入させる制御をする。
このため、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。すなわち、流通経路140にETBEが残留せず、流通経路140を損傷するなどの不都合を生じず構成を簡略化でき、ガソリンおよびETBEを廃棄する必要がなく効率よくETBEを輸送できる。
また、制御装置170の演算部171により、流通経路140が輸送タンカ200のETBE用船内タンク210に接続する状態から混合燃料油船内貯蔵タンク220に接続する状態にローディングアーム141を動作制御した後に、流入経路150を介してガソリンタンク110からガソリンを流通経路140に流通させることにより、例えば作業者が流通経路140の接続状態を切り替える切替作業を実施する必要がない。
このため、流通経路140内に残留するETBEを、このETBEと混合されて混合燃料油として調製されるガソリンにより排出させることが自動化でき、ETBEの輸送がより容易にできる。
そして、演算部171により、流入経路150が接続される位置から流通経路140における輸送タンカ200のETBE用船内タンク210または混合燃料油船内貯蔵タンク220と接続する下流側端部までの流通経路140内の容量に対して、少なくとも略同量以上でガソリンを流通経路140に流通させている。
このため、第1実施形態と同様に、流通経路140中に残留するETBEを確実に排出でき、流通経路140の損傷などの不都合を確実に防止できる。
特に、ETBEを排出させる際に一部が混合してしまうガソリンの量も考慮して流通させている。このため、より確実にETBEの残留を防止できる。
さらに、演算部171により、ETBE用タンク120から輸送タンカ200のETBE用船内タンク210へETBEを流入させる際、ETBE流量検出センサ144で検出する流通経路140を流通するETBEの流量に基づいて、ETBE用タンク120から流通経路140へETBEを流通させる積み込み時の流通開始当初では、輸送タンカ200の混合燃料油船内貯蔵タンク220へ流入する状態とする。
すなわち、演算部171により、検出したETBEの流量に基づいて、積み込み時の流通開始当初から、流入経路150が接続する位置から流通経路140の混合燃料油船内貯蔵タンク220に接続する下流側端部までの流通経路140内の容量に対して少なくとも略同量以上のETBEを流通させるまでの間、流通経路140が混合燃料油船内貯蔵タンク220に接続する状態を認識し、この状態でETBEを流通経路140に流通させる制御をしている。
このため、ETBEを輸送タンカ200のETBE用船内タンク210へ流入させる際に、例えば既にETBEを流入させた後にガソリンを流通させる処理が実施されている場合など、流通経路140中にガソリンが残留しているので、ETBEの流通当初では混合燃料油船内貯蔵タンク220に接続する状態とした流通経路140へ流通させて残留するガソリンを排出させることで、ガソリンが混入しない安定した性状でETBEを輸送タンカ200のETBE用船内タンク210へ確実に流入・貯蔵することができる。さらに、混合燃料油船内貯蔵タンク220へ流入されたガソリンは混合燃料油として利用され、ガソリンおよびETBEを廃棄することなく、効率よくETBEを輸送できる。
そして、演算部171により、流通経路140が輸送タンカ200の混合燃料油船内貯蔵タンク220に接続する状態とした後に、ETBE流量検出センサ144で検出する流量に基づいて、流通当初から流入経路150が接続する位置および流通経路140の下流端部間の流通経路140内の容量に対して少なくとも略同量以上でETBEを流通させる制御の後、流通経路140を混合燃料油船内貯蔵タンク220に接続する状態からETBE用船内タンク210に接続する状態に切替制御することにより、例えば作業者による切替作業を実施することなく自動化でき、より容易にETBEの輸送ができる。
特に、流通経路140が輸送タンカ200の混合燃料油船内貯蔵タンク220に接続する状態への切替制御も実施することにより、より自動化でき、より容易にETBEの輸送ができる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の輸送装置に係る第3実施形態としての輸送システムについて図面を参照して説明する。
この第3実施形態では、ガソリンとETBEとを混合手段で混合して所定の性状の混合燃料油を調製する製油施設において、混合手段へETBEを流入する際のETBEおよびガソリンの輸送を制御するシステム構成を例示する。また、混合手段として連続式の構成を例示して説明する。
図4は、第3実施形態における輸送システムの概略構成を示す概念図である。図5は、輸送システムの制御装置の概略構成を示すブロック図である。なお、以下に示す第3実施形態としては、第1実施形態および第2実施形態と同様の構成について同一の符号を付して説明を簡略化および省略する。
(輸送システムの構成)
図4において、30は製油施設で、この製油施設30は、ガソリンとETBEとを混合して所定の性状の混合燃料油を調製する。そして、製油施設30には、ガソリンおよびETBEを混合する混合手段400と、ガソリンおよびETBEを適宜輸送する輸送システム500と、が配置されている。
混合手段400は、例えば、管内混合する連続式の構成が利用できる。この管内混合する構成としては、例えば乱流促進する図示しない攪拌翼を有したスタティックミキサや各種オリフィスプレートを利用する構成などが例示できる。また、管内混合する構成として、スタティックミキサやオリフィスプレートなどの動力源が不要な構成に限らず、動力により駆動して流通するガソリンおよびETBEを管内混合するいずれの構成も適用できる。
なお、混合手段400としては、図示しない混合タンクおよび混合タンク内に設けられた攪拌装置を備えたバッチ式の構成などとしてもよい。
輸送システム500は、ガソリンタンク110と、ETBE用タンク120と、混合手段400で調製された混合燃料油を貯蔵する混合燃料油貯蔵タンク130と、を備えている。
また、輸送システム500は、製油施設30に設置され、ガソリンタンク110および混合手段400を連結するガソリン流通経路510と、ETBE用タンク120および混合手段400を連結する流通経路としてのETBE流通経路520と、混合手段400および混合燃料油貯蔵タンク130を連結する混合燃料油流通経路530と、ガソリンタンク110およびETBE流通経路520を連結する流入経路150と、を備えている。
ガソリン流通経路510は、一端がガソリンタンク110に接続され他端が混合手段400に接続され、ガソリンタンク110に貯蔵するガソリンを混合手段400へ流通するガソリン流通管511を備えている。
このガソリン流通管511には、このガソリン流通管511内のガソリンの流通を規制すなわち開閉するガソリン流通バルブ512と、ガソリン流通管511内を流通するガソリンの流量を検出するガソリン流通量検出センサ513と、ガソリンポンプ514と、などが設けられている。
ETBE流通経路520は、一端がETBE用タンク120に接続され他端が混合手段400に接続され、ETBE用タンク120に貯蔵するETBEを混合手段400へ流通するETBE流通管521を備えている。
このETBE流通管521には、このETBE流通管521内のETBEの流通を規制すなわち開閉する流通バルブ143と、ETBE流通経路520内を流通するETBEの流量を検出する化合物流量検出手段としてのETBE流量検出センサ144と、ポンプ145と、ETBE用タンクバルブ146と、などが設けられている。
そして、ETBE流通経路520における上流端側、すなわちETBE用タンクバルブ146のすぐ下流側には、ガソリンタンク110に一端が接続された流入経路150の他端部が接続されている。
混合燃料油流通経路530は、一端が混合手段400に接続され他端が混合燃料油貯蔵タンク130に接続され、混合手段400で混合されて調製され流出される混合燃料油を混合燃料油貯蔵タンク130へ流通する混合燃料油流通管531を備えている。
流入経路150は、一端がガソリンタンク110に接続され他端が流通管142の上流端側、具体的にはETBE用タンクバルブ146の直ぐ下流側に連結され、ガソリンを流通してETBE流通管521へ流入させる流入管151を備えている。この流入管151には、ガソリン流出バルブ153およびガソリン流量検出センサ154などが設けられている。
また、輸送システム500は、ガソリン流通経路510と、ETBE流通経路520と、流入経路150との流通状態を制御する制御装置540を備えている。この制御装置540は、流入経路150とにより、本発明の輸送装置を構成する。
この制御装置540は、演算部541および記憶部542を備えている。
記憶部542は、演算部541が演算処理に利用あるいは演算処理した結果の各種情報を、演算部541が読み出し可能に適宜記憶する。なお、この記憶部542の構成としては、第1実施形態と同様の各種構成が適用できる。
記憶する情報としては、例えばキーボードなどの操作手段により設定入力され混合燃料油の量や性状、あるいは混合するガソリンおよびETBEの混合割合、ガソリンタンク110に貯蔵するガソリンの量や性状、ETBE用タンク120に貯蔵するETBEの量や性状、混合燃料油貯蔵タンク130に貯蔵する混合燃料油の量や混合燃料油の性状、流通経路140、流入経路150および流出経路160内の容量などが例示できる。さらに、記憶部542には、輸送システム500全体を動作制御するOS上に展開される各種プログラムなども記憶する。
演算部541は、各種プログラムに基づいて、ETBEおよびガソリンの輸送状態、すなわち流通状態を制御する。
この流通状態の制御としては、例えば、ガソリン流通経路510のガソリン流通量検出センサ513から出力される検出信号に基づいて流通するガソリンの流量を認識したり、ETBE流通経路520のETBE流量検出センサ144から出力される検出信号に基づいて流通するETBEの流量を認識したり、流入経路150のガソリン流量検出センサ154から出力される検出信号に基づいて流通するガソリンの流量を認識したりすることで、ガソリン流通経路510のガソリン流通バルブ512の開閉動作制御、ガソリン流通経路510のガソリンポンプ514の駆動制御、ETBE流通経路520の流通バルブ143の開閉動作制御、ETBE流通経路520のポンプ145の駆動制御、流入経路150のガソリン流出バルブ153の開閉動作制御などが例示できる。
(輸送システムの動作)
次に、上記輸送システム500におけるETBEおよびガソリンから混合燃料油を調製する調製処理におけるETBEおよびガソリンの輸送動作について説明する。
なお、制御装置540により、ETBEおよびガソリンを自動的に流通させる動作制御を例示して説明するが、例えば作業者が、各種バルブを適宜操作したり、ポンプ145などを駆動させたりするなど、手動により流通させる動作とすることも可能である。
例えば、作業者が混合燃料油の調製処理を開始する旨を制御装置540に設定入力することで、制御装置540の演算部541は、調製処理の開始要求を認識し、記憶部542に別途設定入力された混合燃料油の製造量や製造する性状、すなわちガソリンおよびETBEの混合割合に関する情報を読み取る。
さらに、演算部541は、ETBE用タンク120に接続するETBE流通管521が混合手段400に接続する状態に設定して動作制御する。具体的には、流通バルブ143を「開」に設定して動作制御する。
そして、演算部541は、混合燃料油の製造量および性状に関する情報に基づいて、ガソリン流通経路510のガソリン流通バルブ512およびETBE流通経路520の流通バルブ143を適宜開状態に設定して動作制御し、ガソリン流通経路510のガソリンポンプ514およびETBE流通経路520のポンプ145を適宜駆動させ、ガソリンおよびETBEを混合手段400へ流入させる。
このガソリンおよびETBEの混合手段400への流入としては、混合手段400が特に連続式の場合、あらかじめ読み取った情報に基づく混合割合で混合手段400へ流入する状態に制御する。この制御としては、例えばガソリン流通バルブ512および流通バルブ143の開度、ガソリンポンプ514およびポンプ145の移送量が混合割合に対応する状態となる駆動状態の制御などが例示できる。なお、混合手段400がバッチ式の場合、ガソリンおよびETBEがほぼ同時に流入しない状態で制御するなどしてもよい。
そして、混合手段400へ流入されたガソリンおよびETBEは、適宜管内混合され、混合燃料油流通経路530の混合燃料油流通管531を介して混合燃料油貯蔵タンク130へ流入される。
このガソリンおよびETBEの混合手段400への流量は、ガソリン流通経路510のガソリン流通量検出センサ513およびETBE流通経路520のETBE流量検出センサ144からの検出信号に基づいて、演算部541により逐次認識している。
そして、演算部541は、検出信号に基づいて、あらかじめ設定された混合燃料油の製造量に基づくガソリンおよびETBEの流量を認識すると、ガソリンポンプ514およびポンプ145の駆動を逐次停止させるとともに、ガソリン流通バルブ512および流通バルブ143を閉状態にそれぞれ設定して動作制御する。なお、混合燃料油流通管531に設けた流量計などに基づいて混合燃料油の流量を認識してガソリンおよびETBEの混合手段400への流入を停止させる制御をするなどしてもよい。
この後、制御装置540の演算部541は、ETBE流通管521の上流側に流入管151の下流側端部が接続する状態とする。具体的には、ETBE用タンクバルブ146を「閉」、流通バルブ143およびガソリンバルブ153を「閉」に設定して動作制御する。そして、演算部541は、ポンプ145を駆動させ、ガソリンタンク110に貯蔵されているガソリンを、流入管151を介してETBE流通管521の上流側に流入させる。
このETBE流通管521にガソリンが流入されることにより、ETBE流通管521内に残留するETBEは、ガソリンにより押し出されるようにETBE流通管521を介して混合手段400へ流入され、さらに混合手段400から混合燃料油流通管531を介して混合燃料油貯蔵タンク130へ流入される。このガソリンの流入の際、演算部541は、流入経路150のガソリン流量検出センサ154から出力される検出信号に基づいて、ETBE流通経路520に流入しているガソリンの量を逐次認識する。
そして、演算部541は、あらかじめ設定されている量のガソリンを流入、すなわち記憶部542にあらかじめ記憶されているETBE流通経路520の容量と略同量以上のガソリンを流入したことをガソリン流量検出センサ154からの検出信号に基づいて認識すると、ポンプ145の駆動を停止させる。
このガソリンを流入させるETBE流通経路520の容量と略同量以上のガソリンの流量としては、例えばガソリンにより押し出され混合燃料油貯蔵タンク130に至るまでの経路容積と、ETBEと一部混合するガソリンの量と、の和の量、具体的には、ETBE流通経路520における流入経路150が接続する位置から混合手段400に接続する下流側端部までの容量と、混合手段400内の容量と、混合燃料油流通管531の容量と、ETBEと混合してしまうガソリンの量と、の和の量、を流入させる。
このようにして、ガソリンの流入により、ETBEおよびガソリンが混合するETBEとが、混合手段400および混合燃料油流通管531を介して混合燃料油貯蔵タンク130へ流入され、ETBE流通管521内、混合手段400内および混合燃料油流通管531内にはガソリンが残留する状態となる。この状態で、ETBEおよびガソリンの混合処理が終了する。
(輸送システムの作用効果)
上述したように、上記第3実施形態では、ガソリンとこのガソリンに混合可能なETBEとを混合手段400で適宜混合して混合燃料油を調製するためにガソリンおよびETBEを輸送する際、ETBE流通経路520を介してETBEを混合手段400へ流通させた後にガソリンをETBE流通経路520に流通させる制御をする。
すなわち、ガソリンタンク110に一端が接続する流入経路150の他端を、ETBE用タンク120および混合手段400を連結しETBEを混合手段400へ流入させるETBE流通経路520の上流側に接続する。そして、ETBE流通経路520を介してETBE用タンク120に貯蔵されたETBEを混合手段400へ流入させた後に、制御装置540の演算部541により、流入経路150を介してガソリンタンク110からガソリンをETBE流通経路520に流通させる。
このため、第1実施形態および第2実施形態と同様の作用効果を奏する。すなわち、ETBE流通経路520にETBEが残留せず、ETBE流通経路520を損傷するなどの不都合を生じず構成を簡略化でき、ガソリンおよびETBEを廃棄する必要がなく効率よくETBEを輸送できる。
そして、演算部541により、流入経路150が接続される位置から混合手段400に連結する位置までのETBE流通経路520内の容量に対して、少なくとも略同量以上でガソリンをETBE流通経路520へ流通させている。
このため、ETBE流通経路520中に残留するETBEが確実に混合手段400へ排出され、ETBE流通経路520の損傷などの不都合を確実に防止できる。
特に、ETBE流通経路520における流入経路150が接続し押し出すガソリンが流入する位置から混合燃料油貯蔵タンク130に至るまでの経路容積と、ETBEと一部混合するガソリンの量と、の和の量で流入させている。
このため、経路内でETBEあるいはガソリンと混合するETBEが残留せず、ETBE流通経路520、混合手段400および混合燃料油流通管531の損傷などの不都合をより確実に防止でき、より構成の簡略化が得られる。
さらに、混合手段400としてスタティックミキサなどの管内混合する連続式の構成を用いている。このため、効率よく短時間で所定の特性の混合燃料油を調製することができ、また混合燃料油を調製するための構成が容易に得られる。さらには、動力源が不要であることから、混合燃料油の製造コストの低減も容易に図れる。
〔実施の形態の変形〕
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造および形状などは、本発明の目的および効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状などとしても適用できる。
例えば、上述したように、混合燃料油の基材としてガソリンを対象としたが、例えばディーゼルエンジンを内燃機関とした車両や発電機、農工機などのために軽油を基材としたり、暖房用機器を混合燃料油被供給体として灯油を基材としたり、ナフサを基材とするなどしてもよい。
そして、流通経路としては、例えば、製油施設に設置され下流側が他の化合物貯蔵タンクおよび混合燃料油貯蔵タンクに切替可能に接続する枝分かれ状の構成、あるいは輸送体に接続し輸送体内に設置され化合物貯蔵タンクおよび混合燃料油貯蔵タンクに切替可能な枝分かれ状の構成に連通する構成とするなどしてもよい。
このような構成とすることで、制御手段による切替制御により自動化が容易に得られる。
また、流通経路140内に残留するガソリンをETBEで押し出す処理を実施した後にETBEを流入させる工程を実施して説明したが、この工程を実施する場合に限られない。例えば、ガソリンを排出する工程として、ガソリンを流通経路140に流通させた後に空気を流通させて流通経路140内を空の状態にするなど、いずれの方法が利用できる。
また、残留するガソリンをETBEで押し出す処理として、混合燃料油として流入させる構成に限らず、第1実施形態ではガソリンタンク110へ流入させたり、第2実施形態では輸送タンカ200に設けたガソリン船内タンクに流入させたりするなどしてもよい。
そして、第1実施形態において、ローディングアーム141の基端に流入経路150を接続して説明したが、ローディングアーム141の先端を流入経路150の下流側に着脱可能に接続し、ローディングアーム141もガソリンにてETBEを洗い流す構成としてもよい。例えば、流入経路150における流入管151の下流側端部に、ローディングアーム141の先端部が着脱可能に接続された際に流入管151内を流通するガソリンがローディングアーム141に流入可能な接続バルブ152を設けるなどが例示できる。
なお、演算部171により、流入経路150の接続バルブ152から出力される検出信号に基づいて流通経路140のローディングアーム141が接続されたか否かを判断することが好ましい。
特に、流通経路140の上流側端部のローディングアーム141の先端部が流入経路150に接続する構成とすることにより、流通経路140の上流側端部からETBEが残留することによる損傷を防止できる。
また、第1実施形態において、例えばETBE用タンクバルブ146および混合燃料油貯蔵タンクバルブ162の代わりに流通管142と流出管161との分岐位置に、三方弁などの流通経路を切り替える弁などを設けてもよい。
同様に、第2実施形態や第3実施形態においも、流通経路140と流入経路150との連結位置に、三方弁などの流通経路を切り替える弁などを設けてもよい。
さらに、第3実施形態において、ガソリンタンク110にガソリン流通経路510および流入経路150が接続する構成を例示したが、この構成に限られない。
例えば、ガソリン流通経路510に三方弁などの切替弁を介して流入経路150を枝分かれ状に設け、残留するETBEを排出させる場合には、ガソリン流通経路510の切替弁を切り替えてガソリン流通管511から切替弁を介して流入管151にガソリンを流通させ、ETBE流通管521の上流側へ流入させるなどしてもよい。
また、第3実施形態において、ETBEが混合燃料油貯蔵タンク130に至るまでの経路容積と、ETBEと一部混合するガソリンの量と、の和の量でガソリンを流通させて説明したが、この限りではない。
例えば、ETBE流通経路520における流入経路150が接続する位置から混合手段400に接続する下流側端部までの容量と同量としてもよい。この場合でも、少なくともETBE流通管521の残留するETBEの排出により、損傷するなどの不都合を防止できる。このような構成では、混合手段400や混合燃料油流通管531の構成として、耐食性の機能を付与することが好ましい。
また、ガソリンを流入させる量として、調製する混合燃料油の性状すなわちガソリンおよびETBEの混合割合に応じて、押し出されるETBEの量と、余剰分として流出するガソリンの量との割合が混合割合となるように、余剰に流通経路にガソリンを流入させてもよい。この構成によれば、混合燃料油貯蔵タンク130内の混合燃料油の性状が所望の安定した性状に設定できる。
同様に、流通経路140にガソリンが残留する場合でETBEを流通させる際に、流通開始当初から所定量のETBEを流通させる際、混合割合に基づいて流入させる構成としてもよい。
そして、第3実施形態において、混合手段400がバッチ式の構成の場合、混合処理する前にガソリンを流通させるとよい。このことにより、経路の損傷などの不都合を防止するためにガソリンにより排出するETBEを、製造する混合燃料油の材料の一部として利用されることとなり、混合燃料油として安定した性状で提供することができる。
特に、この排出されるETBEの量、さらにはETBEの排出のために流入させ混合手段400へ流入するガソリンの量を、混合燃料油の製造量および混合割合に基づいて設定することで、より安定した性状の混合燃料油として提供できる。
なお、本発明における制御装置としては、1つのコンピュータに限らず、複数のコンピュータをネットワーク状に組み合わせた構成、CPU(Central Processing Unit)やマイクロコンピュータなどの素子、あるいは複数の電子部品が搭載された回路基板などをも含むものである。
また、システム構成を例示したが、1つの装置構成として構築してもよい。
その他、本発明の実施における具体的な構造および形状などは、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などとしてもよい。
本発明の輸送装置は、例えば製油施設や油槽所などにおいて、荷揚げや輸送タンカや輸送車両などへ積み込み、さらには混合燃料油を調製するためなどに、混合燃料油の原料となるETBEを輸送するための構成として有効に利用することができる。
本発明の輸送装置における第1実施形態に係る輸送システムの概略構成を示す概念図である。 前記第1実施形態における輸送システムを構成する制御装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の輸送装置における第2実施形態に係る輸送システムの概略構成を示す概念図である。 本発明の輸送装置における第3実施形態に係る輸送システムの概略構成を示す概念図である。 前記第3実施形態における輸送システムを構成する制御装置の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
10……製油施設としての製油所
20,30…製油施設
100,300,500……輸送装置としての輸送システム
110……燃料油貯蔵タンクとしてのガソリンタンク
120……化合物貯蔵タンクおよび他の化合物貯蔵タンクとして機能するETBE用タンク
130……混合燃料油貯蔵タンク
140……流通経路
144……化合物流量検出手段としてのETBE流量検出センサ
150……流入経路
160……流出経路
170,540……制御手段としての制御装置
200……輸送体としての輸送タンカ
210……化合物貯蔵タンクおよび他の化合物貯蔵タンクとして機能するETBE用船内タンク
220……混合燃料油貯蔵タンクとしての混合燃料油船内貯蔵タンク
400……混合手段
520……流通経路としてのETBE流通経路

Claims (21)

  1. 燃料油に適宜混合されて混合燃料油として調製される酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクから、他の化合物貯蔵タンクへ前記化合物貯蔵タンクおよび前記他の化合物貯蔵タンク間を連通する流通経路を介して前記酸素含有炭化水素化合物を流入させる輸送装置であって、
    前記燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに一端が接続され、他端が前記流通経路の上流側に接続された流入経路と、
    前記混合燃料油を貯蔵する混合燃料油貯蔵タンクに一端が接続され、他端が前記流通経路の下流側に接続された流出経路と、
    前記化合物貯蔵タンクに貯蔵された前記酸素含有炭化水素化合物が前記他の化合物貯蔵タンクへ前記流通経路を介して流入された後に、前記燃料油貯蔵タンクから前記流入経路を介して前記燃料油を前記流通経路に流通させ、前記流通経路中に残留する前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合燃料油貯蔵タンクへ前記流出経路を介して流入させる制御をする制御手段と、
    を具備したことを特徴とした輸送装置。
  2. 請求項1に記載の輸送装置であって、
    前記流入経路は、前記燃料油および前記酸素含有炭化水素化合物を混合して混合燃料油を調製する製油施設に設置され、一端が前記製油施設に設置された前記燃料油貯蔵タンクに接続され、他端が前記製油施設に設置された前記流通経路の上流側に接続され、
    前記流出経路は、前記製油施設に設置され、一端が前記製油施設に設置された前記混合燃料油貯蔵タンクに接続され、他端が前記流通経路の下流側に接続された
    ことを特徴とした輸送装置。
  3. 請求項1に記載の輸送装置であって、
    前記流通経路は、一端が前記酸素含有炭化水素化合物を製造する製油施設に設置され前記製造された酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する前記化合物貯蔵タンクに接続され、他端が前記酸素含有炭化水素化合物を輸送する輸送体に設けられ前記酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する前記他の化合物貯蔵タンクに接続するものであり、
    前記流入経路は、前記製油施設に設置され、一端が前記製油施設に設置された前記燃料油貯蔵タンクに接続され、他端が前記流通経路の上流側に接続され、
    前記流出経路は、一端が前記流通経路の下流側に接続され、他端が前記輸送体に設けられた前記混合燃料油貯蔵タンクに接続された
    ことを特徴とした輸送装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の輸送装置であって、
    前記制御手段は、前記流入経路および前記流出経路間の前記流通経路内の容量に対して、少なくとも略同量以上で前記燃料油を前記流通経路に流通させる制御をする
    ことを特徴とした輸送装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の輸送装置であって、
    前記流通経路を流通する前記酸素含有炭化水素化合物の流量を検出する化合物流量検出手段を具備し、
    前記制御手段は、前記化合物貯蔵タンクから前記他の化合物貯蔵タンクへ前記酸素含有炭化水素化合物を流入させる際、前記化合物流量検出手段で検出する前記流量に基づいて、前記化合物貯蔵タンクから前記流通経路へ前記酸素含有炭化水素化合物の流通開始当初から、前記流入経路および前記流出経路間の前記流通経路内の容量に対して少なくとも略同量以上の前記酸素含有炭化水素化合物を流通させるまでの間、前記流通経路が前記流出経路を介して前記混合燃料油貯蔵タンクに連通する状態に制御をする
    ことを特徴とした輸送装置。
  6. 燃料油に適宜混合されて混合燃料油として調製される酸素含有炭化水素化合物を製造する製油施設に設置され前記酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクから、前記酸素含有炭化水素化合物を輸送する輸送体に設けられた他の化合物貯蔵タンクへ前記酸素含有炭化水素化合物を流入させる輸送装置であって、
    前記製油施設に設置され前記燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに一端が接続され、一端が前記化合物貯蔵タンクに接続され他端が前記輸送体の前記他の化合物貯蔵タンクおよび前記輸送体に設けられ前記混合燃料油を貯蔵する混合燃料油貯蔵タンクに切替可能に接続される流通経路における上流側に他端が接続された流入経路と、
    前記化合物貯蔵タンクに貯蔵された前記酸素含有炭化水素化合物を前記輸送体の前記他の化合物貯蔵タンクへ前記流通経路を介して流入させた後に、前記燃料油貯蔵タンクから前記流入経路を介して、前記他の化合物貯蔵タンクに接続する状態から前記混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切り替えられた前記流通経路に前記燃料油を流通させ、前記流通経路中に残留する前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合燃料油貯蔵タンクへ流入させる制御をする制御手段と、
    を具備したことを特徴とした輸送装置。
  7. 請求項6に記載の輸送装置であって、
    前記制御手段は、前記流通経路を前記他の化合物貯蔵タンクに接続する状態から前記混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切替制御した後に、前記流入経路を介して前記燃料油貯蔵タンクから前記燃料油を前記流通経路に流通させる制御をする
    ことを特徴とした輸送装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の輸送装置であって、
    前記制御手段は、前記流入経路が接続される位置から前記流通経路の下流側端部までの前記流通経路内の容量に対して、少なくとも略同量以上で前記燃料油を前記流通経路に流通させる制御をする
    ことを特徴とした輸送装置。
  9. 請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の輸送装置であって、
    前記流通経路を流通する前記酸素含有炭化水素化合物の流量を検出する化合物流量検出手段を具備し、
    前記制御手段は、前記化合物貯蔵タンクから前記他の化合物貯蔵手段へ前記酸素含有炭化水素化合物を流入させる際、前記化合物流量検出手段で検出する前記流量に基づいて、前記化合物貯蔵タンクから前記流通経路へ前記酸素含有炭化水素化合物の流通開始当初から、前記流入経路が接続する位置から前記流通経路の下流側端部までの前記流通経路内の容量に対して少なくとも略同量以上の前記酸素含有炭化水素化合物を流通させるまでの間、前記混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切り替えられた前記流通経路に前記酸素含有炭化水素化合物を流通させる制御をする
    ことを特徴とした輸送装置。
  10. 請求項9に記載の輸送装置であって、
    前記制御手段は、前記流通経路を前記混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切替制御した後に、前記化合物流量検出手段で検出する前記流量に基づいて、前記酸素含有炭化水素化合物の流通当初から前記流入経路が接続する位置および前記流通経路の下流側端部間の前記流通経路内の容量に対して少なくとも略同量以上で前記酸素含有炭化水素化合物を流通させる制御の後に、前記流通経路を前記混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態から前記他の化合物貯蔵タンクに接続する状態に切替制御する
    ことを特徴とした輸送装置。
  11. 燃料油とこの燃料油に混合可能な酸素含有炭化水素化合物とを、混合手段で適宜混合して混合燃料油を調製するために前記燃料油および前記酸素含有炭化水素化合物を輸送する輸送装置であって、
    前記酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクおよび前記混合手段を連結し前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合手段へ流入させる流通経路の上流側に一端が接続され、前記燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに他端が接続された流入経路と、
    前記混合燃料油を調製するために前記化合物貯蔵タンクから前記流通経路を介して前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合手段へ流入させた後、前記流入経路を介して前記燃料油を前記流通経路に流通させる制御をする制御手段と、
    を具備したことを特徴とした輸送装置。
  12. 請求項11に記載の輸送装置であって、
    前記制御手段は、前記流入経路が接続される位置から前記混合手段に連結する位置までの前記流通経路内の容量に対して、少なくとも略同量以上で前記燃料油を前記流通経路に流通させる制御をする
    ことを特徴とした輸送装置。
  13. 請求項11または請求項12に記載の輸送装置であって、
    前記制御手段は、所定の性状の前記混合燃料油を調製するための前記燃料油および前記酸素含有炭化水素化合物の混合割合に対して、前記酸素含有炭化水素化合物の割合が、前記流入経路が接続される位置から前記混合手段に連通する位置までの前記流通経路内の容量分で少ない割合で、かつこの容量分より多く前記流通経路に流通される前記燃料油の流量分で多くなる割合に、前記化合物貯蔵タンクに貯蔵された前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合手段へ前記流通経路を介して流入させる制御をする
    ことを特徴とした輸送装置。
  14. 請求項13に記載の輸送装置であって、
    前記混合手段は、前記燃料油および前記酸素含有炭化水素化合物の混合をバッチ処理するものであり、前記制御手段により前記流通経路に前記燃料油を流通させた後に前記燃料油および前記酸素含有炭化水素化合物の混合を実施する
    ことを特徴とする輸送装置。
  15. 請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の輸送装置であって、
    前記燃料油は、ガソリン、軽油、灯油、重油、および、ナフサのうちのいずれかである
    ことを特徴とした輸送装置。
  16. 請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の輸送装置であって、
    前記酸素含有炭化水素化合物は、アルコール、エーテルおよびエステルのうちのいずれか1つである
    ことを特徴とした輸送装置。
  17. 請求項16に記載の輸送装置であって、
    前記エーテルは、イソブテンとエタノールとの反応に基づいて生成されたエチル−ターシャリ−ブチル−エーテル(Ethyl Tertiary Butyl Ether:ETBE)である
    ことを特徴とした輸送装置。
  18. 請求項16または請求項17に記載の輸送装置であって、
    前記エステルは、脂肪酸メチルエステルまたは脂肪酸エチルエステルである
    ことを特徴とした輸送装置。
  19. 燃料油に適宜混合されて混合燃料油として調製される酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクから、他の化合物貯蔵タンクへ前記化合物貯蔵タンクおよび前記他の化合物貯蔵タンク間を連通する流通経路を介して前記酸素含有炭化水素化合物を流入させる輸送装置における前記酸素含有炭化水素化合物の輸送を実施するための輸送方法であって、
    前記輸送装置における前記燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに一端が接続し他端が前記流通経路の上流側に接続する流入経路と、
    前記輸送装置における前記混合燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに一端が接続し他端が前記流通経路の下流側に接続する流出経路とを設け、
    前記化合物貯蔵タンクに貯蔵された前記酸素含有炭化水素化合物が前記他の化合物貯蔵タンクへ前記流通経路を介して流入された後に、前記燃料油貯蔵タンクから前記流入経路を介して前記燃料油を前記流通経路に流通させ、前記流通経路中に残留する前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合燃料油貯蔵タンクへ前記流出経路を介して流入させる
    ことを特徴とする輸送方法。
  20. 燃料油に適宜混合されて混合燃料油として調製される酸素含有炭化水素化合物を製造する製油施設に設置され前記酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクから、前記酸素含有炭化水素化合物を輸送する輸送体に設けられた他の化合物貯蔵タンクへ前記酸素含有炭化水素化合物を流入させる輸送装置における前記酸素含有炭化水素化合物の輸送を実施するための輸送方法であって、
    前記輸送装置における前記製油施設に設置され前記燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに一端が接続し、一端が前記化合物貯蔵タンクに接続され他端が前記輸送体の前記他の化合物貯蔵タンクおよび前記輸送体に設けられ前記混合燃料油を貯蔵する混合燃料油貯蔵タンクに切替可能に接続される流通経路の上流側に他端が接続する流入経路を設け、
    前記化合物貯蔵タンクに貯蔵された前記酸素含有炭化水素化合物を前記輸送体の前記他の化合物貯蔵タンクへ前記流通経路を介して流入させた後に、前記燃料油貯蔵タンクから前記流入経路を介して、前記他の化合物貯蔵タンクに接続する状態から前記混合燃料油貯蔵タンクに接続する状態に切り替えられた前記流通経路に前記燃料油を流通させ、前記流通経路中に残留する前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合燃料油貯蔵タンクへ流入させる
    ことを特徴とする輸送方法。
  21. 燃料油とこの燃料油に混合可能な酸素含有炭化水素化合物とを、混合手段で適宜混合して混合燃料油を調製するために前記燃料油および前記酸素含有炭化水素化合物を輸送する輸送装置における前記酸素含有炭化水素化合物の輸送を実施するための輸送方法であって、
    前記輸送装置における前記酸素含有炭化水素化合物を貯蔵する化合物貯蔵タンクおよび前記混合手段を連結し前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合手段へ流入させる流通経路の上流側に一端が接続し、他端が前記燃料油を貯蔵する燃料油貯蔵タンクに接続する流入経路を設け、
    前記混合燃料油を調製するために前記化合物貯蔵タンクから前記流通経路を介して前記酸素含有炭化水素化合物を前記混合手段へ流入させた後、前記流入経路を介して前記燃料油を前記流通経路に流通させる
    ことを特徴とする輸送方法。
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