JP3684360B2 - 輸送体による原油とナフサの輸送方法及び前記輸送体からの原油とナフサの移送方法 - Google Patents

輸送体による原油とナフサの輸送方法及び前記輸送体からの原油とナフサの移送方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原油タンカー等の輸送体を用いて原油とナフサを輸送する方法及び前記輸送体から陸上の貯蔵タンクに原油とナフサとを移送する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
油の輸送に利用される輸送体としては、大量の油を一度に輸送することのできるタンカーが一般的に利用されている。そして、このようなタンカーには、油田から産出した原油を運ぶ原油タンカーと、ナフサ,灯油,軽油などのクリーンプロダクト(白油)、すなわち、製品油を輸送する精製油タンカーとが含まれている。
原油を輸送する原油タンカーは、輸送効率が高い20万重量トン以上のVLCC(Very Large Crude Carrier)が主流である。
【0003】
VLCC等の超大型原油タンカーは、一般の港湾には接岸が困難である。そのため、通常は、シーバースと称される海上に設置された荷役用ターミナルに接岸して、原油を積み下ろす。又は、港の近傍の海上ブイに係留された状態で、原油を積み下ろす。そして、目的地のシーバース等に到着した後、原油タンカーのタンクから陸上の原油タンクまで、配管を用いて、原油を移送するようにしている。
【0004】
一方、一般的に、ナフサは、ナフサ専用の輸送船(精製油タンカー)で輸送され、この精製油タンカーが目的地のシーバースに到着すると、精製油タンカーのタンクから陸上のナフサ用タンクまで、ナフサ専用配管を用いて移送されている。
【0005】
しかしながら、ナフサ専用の精製油タンカーは、最大でも積載量が7万〜10万トンクラスのものであり、一回の航海における輸送量が少なく、また、原油タンカーに比べて輸送コストも割高であるため、ナフサ専用の精製油タンカーを利用すると、ナフサ価格に占める輸送費の割合が高くなり、原価の低減を図ることができないという問題がある。
【0006】
また、シーバースに到着した原油タンカーから通常数キロ離れた陸上のタンクまでは、原油用の配管しかなく、ナフサを移送する専用配管がない場合がある。このような場合のために、原油用の配管でナフサを陸上のタンクまで移送することが要望されている。
【0007】
ナフサは、石油精製の過程で得られる精製物の一つであり、さらに蒸留され、あるいは、蒸留処理を行う必要がない場合はそのまま、エチレン製造装置(熱分解装置)や芳香族製造装置の原料ナフサとして使用される。
そして、この原料ナフサは、重質化合物を一定の比率以上含んでいないことが要求されている。
なお、上記「一定の比率」とは、エチレン製造装置(熱分解装置)や芳香族製造装置の重質化合物に対する処理性能により定まる、ナフサに含まれる重質化合物の比率をいう。
【0008】
ところが、このような要求に反して、一本の配管を使用してナフサと原油をバッチ移送すると、原油がナフサに混入し、ナフサが原油などの重質化合物を一定の比率以上含むこととなり、蒸留処理を行わなければ原料ナフサとして使用できなくなる。
このため、原油をナフサに混入させないで、あるいは、原油の混入量を極小化した状態で、原油とナフサを移送する技術が望まれている。
【0009】
このような観点から、一本の配管によって原油とナフサを移送する技術がいくつか提案されている。
たとえば、原油用のパイプラインでナフサを輸送する方法の技術が知られている(特許文献1参照)。
この技術は、ナフサのロットをヘッドの凝縮液のロットとテールの凝縮液のロットとの2つの凝縮液のロットで挟んだ状態で、原油用のパイプラインで輸送し、パイプラインの出口で、ヘッドの凝縮液/ナフサの境界面の通過時または実質的に通過し終った時より前、および、ナフサ/テールの凝縮液の界面領域が現れる時または実質的に現れた時より後に、ナフサのロットを回収する技術である。
【0010】
また、この技術は、全長約数百kmにおよぶパイプラインを使用して、原油とナフサを移送する際、ナフサのロットを回収するタイミングを、移送流体の比色や比重を計測することにより決定している。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−108200号公報(明細書の[0010]の欄の記載及び実施例の欄の記載)
【0012】
しかしながら、特開2001−108200号公報に記載の技術を利用して原油とナフサを移送する場合には、特別の仕切り剤として凝縮液を使用するので移送工程が複雑となり、また、凝縮液の回収装置を新たに設ける必要があり、そのためコスト上昇を招き、実用的でないといった問題があった。
また、この技術は、原油とナフサの境界を、移送流体の比色や比重を計測することにより決定しているため、受入先のタンクを切り換えるタイミングを精度よく求めることができず、ナフサに混入する原油量を極小化することができないといった問題があった。この問題は、パイプライン(配管距離)が長くなる程顕著であった。
【0013】
なお、原油用の配管でナフサを移送するとき、ナフサと原油を仕切る特別の仕切り剤として、たとえば、液体(水など)などを用いることも知られているが(例えば、特許文献2参照)、この場合も移送工程が複雑となるといった問題があった。
【0014】
【特許文献2】
特公昭56−21960号公報(明細書の第2欄第9行目〜第25行目の記載)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点にかんがみてなされたもので、ナフサの輸送コストの大幅削減を図ることができ、ナフサの原価を低減させることが容易なナフサの輸送方法の提供を第一の目的とする。
また、原油を仕切る特別の仕切り剤などを用いなくても、一本の配管を使用して、輸送体タンクから貯留タンクへナフサと原油をバッチ移送することを可能とした原油とナフサの移送方法の提供を第二の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第一の目的を達成するため、本発明の発明者は、原油タンカーの輸送コストが、ナフサ
を専用に輸送する精製油タンカーの輸送コストに比べてはるかに安いことに着目した。ま
た、ナフサは、さらに蒸留等されて他の石油化学製品の原料となるため、重質化合物を一
定の比率以上含んでいないことが要求される。本発明の発明者は、ナフサとしての性状を
一定以上に維持するために重質化合物の混合の比率を一定の値より小さくすれば、原油タ
ンカーの船内タンクにナフサを積載して輸送できることを見出した。
【0017】
具体的に請求項1に記載の発明は、原油を輸送する輸送体を利用したナフサの輸送方法であって、前記輸送体に設けられた複数の輸送体タンクの少なくとも一部をナフサ積載用に指定し、このナフサ積載用の前記輸送体タンクの内部を、ナフサの積み込み前に予め洗浄し、ナフサの積み込み又は荷下ろしの際に、少なくとも前記輸送体上の配管内から原油を抜き出して、前記ナフサの積み込み又は荷下ろしを行う方法としてある。この際、ナフサを積み込む輸送体タンクの洗浄は、専用の洗浄剤や海水等を用いてもよいが、請求項2に記載するように、原油によって行うようにするとよい。
【0018】
輸送体タンクを予め洗浄することで、輸送体タンクに残留する原油やスラッジ等をほとんど取り除くことができる。原油によって輸送体タンクの内部の洗浄を行うと、輸送体タンクの内壁や底部に原油が付着した状態で残存するが、輸送体タンクに積載されるナフサの量に比して残留する原油の量はきわめて少なく、原油の混合の比率を許容値よりも十分に小さくすることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、前記輸送体が、15万重量トンを超える超大型の原油タンカーである方法としてある。
VLCC(Very Large Crude Carrier)やULCC(Ultra Large Crude Carrier)のような超大型の原油タンカーは、一度に大量の原油及びナフサを輸送することができ、かつ、輸送コストもナフサ専用のタンカーに比して割安であるので、ナフサの輸送コストをより大幅に削減することが可能である。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記配管内の原油を抜き出すためのドレンが接続されている前記輸送体タンクを避けて、ナフサ積載用の輸送体タンクを指定する方法である。
このようにすることで、配管内の原油を抜き出す際に、ナフサに配管内の原油が混入することがないので、ナフサに混入する原油の量を少なくすることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、前記ナフサを積載する際に、積載開始後の初期においては、前記輸送体タンクの底部に残留していることのある原油残さ物を攪拌しない速度でゆっくりと前記ナフサを積載する方法である。
また、請求項6に記載の発明は、前記ナフサを荷下ろしする際に、前記輸送体タンクの底部に残留していることのある原油残さ物を攪拌しない速度で前記ナフサの荷下ろしを行う方法である。
このようにすることで、ナフサに混入する原油の量を可能な限り少なくすることができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、前記ナフサの積載量に応じて使用する前記輸送体タンクの数を決定するとともに、原油とナフサとの密度又は比重の違いによる前記原油タンカーの重心の移動を抑制するように、前記ナフサを積載する前記輸送体タンクを指定する方法である。
原油とナフサとを混載する場合は、両者の密度又は比重の違いによる原油タンカーの重心の移動を考慮しなければならない。請求項7に記載の発明のように輸送体タンクを指定することで、前記重心の移動を抑制することができ、原油とナフサとを混載する場合においても、安定的な航行を確保することができる。
【0023】
第二の目的を達成するために、本発明の発明者は、鋭意研究を行った結果、原油用の配管を使用して輸送体タンクから貯留タンクへ、ナフサを原油と交互に移送する際の、配管中の原油,ナフサ及び原油とナフサからなる混合流体の流れ解析(以下、「流動解析」と称することもある。)を行い、この流れ解析にもとづいた移送方法を採用することにより、特別の仕切り剤などを用いなくても、原油によるナフサ汚染を抑制した状態でナフサを移送できることを見出し、本発明を完成したものである。
【0024】
これにより、原油タンカーから陸上のタンクまで原油用の配管しかなく、ナフサを移送する専用配管がない場合であっても、大型原油タンカーで原油とともにナフサを輸送することを可能とし、従来のナフサ船での輸送に比べ、輸送費を大幅に低減することができるようになった。
【0025】
具体的には、本発明の原油とナフサの移送方法は、請求項8に記載するように、請求項1〜7のいずれかに記載の輸送方法により原油とナフサとを共通の輸送体で輸送し、一本の配管によって原油とナフサを前記輸送体の輸送体タンクから貯留タンクへ移送する方法において、
(1)前記配管を用いて前記輸送体タンクから前記貯留タンクへナフサ又は原油を送り出すに際し、前記配管を原油用又はナフサ用のタンクに接続しておくとともに、
(2)前記輸送体タンクと貯留タンクを連結する前記配管中に滞留している原油又はナフサの量を予め算出し、
(3)前記輸送体タンクからナフサ又は原油を送り出すとともに、その送出し量を計量し、
(4)前記輸送体タンクからのナフサ又は原油の送出し量が、予め算出した前記配管に滞留している原油又はナフサの量とほぼ同量となったときに、前記輸送体タンクからのナフサ又は原油の送り出しを停止させ、受入先のタンクを原油用又はナフサ用のタンクからナフサ用又は原油用のタンクに切り換え、
(5)前記タンクの切り換え後、前記輸送体タンクからのナフサ又は原油の送り出しを再開して、ナフサ又は原油をナフサ用又は原油用のタンクに貯留する、方法としてある。
【0026】
このようにすると、配管中に滞留した原油又はナフサを、ナフサ又は原油を送り出す際に、原油用タンク又はナフサ用タンクにポンピング作用によって押し出すことができるので、ナフサへの原油の混入量を効果的に低減することができる。
また、ナフサと原油を仕切る特別の仕切り剤などを用いなくてもよいので、移送工程を単純化することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明は、前記配管中の原油,ナフサ及び原油とナフサからなる混合流体の流れ解析を行ない、この流れ解析結果を利用して、前記輸送体タンクからのナフサ又は原油の送り出しを停止するタイミングを決定する方法としてある。
このようにすると、ナフサへの原油の混入量を精度よく制御することができ、ナフサに重質化合物が一定の比率以上混入してしまい、ナフサが重質化合物で汚染されるといった不具合を防止することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明は、前記配管中に滞留している原油又はナフサの量を予め算出するときに、滞留している原油又はナフサの少なくとも温度,密度又は比重を補正要素とする方法としてある。
このようにすると、流れ解析を精度よく行うことができるとともに、たとえば、輸送体タンクからのナフサ又は原油の送出し量を、受入先のタンクに押し出された原油又はナフサの量にもとづいて計量する場合には、ナフサ又は原油の送出し量を精度よく計量することができる。
【0029】
また、請求項11に記載の発明は、前記輸送体タンクからのナフサ又は原油の送出し量を、前記受入先のタンクの止尺を利用して計量する方法としてある。
このようにすると、単純かつ確実に輸送体タンクからのナフサ又は原油の送出し量を計量することができ、受入先のタンクを原油又はナフサ用のタンクからナフサ用又は原油用のタンクに切り換えるタイミングを精度よく求めることができる。
【0030】
請求項12に記載の発明は、前記配管中に滞留している原油又はナフサをタンクへ押し出すときの、ナフサ又は原油の送出し速度を、前記流れ解析結果にもとづいて、変化させる方法としてある。
このようにすると、原油のナフサへの混入を最小限に抑制した状態で移送することができる。
【0031】
また、請求項13に記載の発明は、前記ナフサ又は原油の送り出し開始直後及び送り出し停止直前に、前記ナフサ又は原油の送出し速度を変化させる方法としてある。
このように、送り出し開始直後にナフサ又は原油の送出し速度を変化させると、配管中のナフサと原油の混合流体の長さを短くすることができ、配管中のナフサと原油の混合を最小限に抑制することができる。また、送り出し停止直前にナフサ又は原油の送出し速度を変化させると、受入先のタンクを原油又はナフサ用のタンクからナフサ用又は原油用のタンクに切り換えるタイミングをより精度よく求めることができる。
【0032】
また、請求項14に記載の発明は、前記ナフサ又は原油の送り出し開始直後の前記ナフサ又は原油の送出し速度を、所定の送出し速度まで急速に立ち上げる方法としてある。
このようにすると、原油とナフサが混ざり合った混合流体を短時間で形成することができ、すなわち、配管中のナフサと原油の混合流体の長さを短くすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を、図面にしたがって詳細に説明する。
[輸送方法の説明]
図1は、本発明の輸送方法のフローチャートである。
まず、輸送するナフサの量,原油の量及び原油タンカーの寄港先とに基づいて、ナフサと原油とを混載する原油タンカーを指定する(ステップS1)。この際、複数の組み合わせの中から、ナフサ及び原油の輸送コストが最も安くなる組み合わせを選択して、原油タンカーの指定と混載するナフサの量とを決定するとよい。なお、ナフサと原油とを混載する可能性のある原油タンカーについては、原油とナフサとの性質の違いによるタンク及び/又はパッキン等の部品の早期腐食等を防止するために、これら部品をナフサ及び原油による早期腐食等が生じにくいものに交換しておくのがよい。
【0034】
前記した原油タンカーの指定とこの原油タンカーに混載するナフサの量とは、コンピュータ等の判断装置を利用して自動的に行うようにすることができる。
図2は、原油タンカーの指定とこの原油タンカーに混載するナフサの量とを自動的に判断して決定する判断装置の一例にかかり、その概略構成図である。
判断装置21は、原油及びナフサの輸送計画を入力するためのキーボード等の入力部22と、所有する原油タンカー及び精製油タンカーの航行状況を監視する航行状況監視部24と、入力部22から入力された輸送計画及び原油タンカー及び精製油タンカーの航行状況をデータベース25に書き込み又は読み出す読み出し・書き込み部23と、前記の輸送計画及び原油タンカー及び精製油タンカーの航行状況とから原油タンカーの指定と混載するナフサの量とを判断して決定する処理部26と、この処理部26の処理結果を出力するプリンタやディスプレイ等の出力部27とを有している。
【0035】
航行状況監視部24は、航行中の各原油タンカー及び精製油タンカーから入電される航行状況を逐一読み出し・書き込み部23に送信し、データベース25に書き込む。
データベース25には、所有する原油タンカー及び精製油タンカーの種類及び名称と、各原油タンカー及び精製油タンカーの積載能力、航行状況監視部24から入力された各原油タンカー及び精製油タンカーの現在の航行状況(現在位置,目的地,寄港地,入港予定日等)、定期点検の予定の他、入力部22から入力された次回の輸送計画(原油及びナフサの輸送トン数、寄港地(原油及びナフサの仕入れ先)、目的地及び輸送日程等)が記憶されている。
【0036】
処理部26は、データベース25に記憶された前記航行状況に基づいて、前記輸送計画にしたがって輸送が可能な原油タンカー及び精製油タンカーを割り出す。そして、割り出された原油タンカーの輸送能力と前記輸送計画で輸送する原油の量とから、混載することが可能なナフサの量を求める。
次いで、処理部26は、輸送計画に示された原油及びナフサの仕入れ先(寄港先)を勘案しながら、この輸送計画における原油及びナフサの総輸送コストを演算によって求め、必要に応じて混載するナフサの量を増減させて、どの原油タンカーにどれだけのナフサを混載すれば最も総輸送コストが安くなるかを求める。このようにしてナフサを混載させる原油タンカーを決定するとともに、各原油タンカー及び精製油タンカーの寄港地や日程等を決定して、ディスプレイ等の出力部27に出力する。
【0037】
以上の手順でナフサを混載する原油タンカーが決定されれば、次に、混載するナフサの量に基づいて、当該原油タンカーに設けられた複数の船内タンクの中から、ナフサを積み込む船内タンクを指定する(ステップS2)。
図3は、ナフサを混載するVLCC等の超大型の原油タンカーの概略平面図である。
原油タンカー1には複数の船内タンク11が設けられている。ナフサ3と原油2とはその密度(又は比重、以下の説明では、密度として記載する)が異なるため、ナフサ3と原油2とを混載して輸送する場合には、原油タンカー1の航行に支障を生じさせないように、バランスよくナフサ3を積載する必要がある。
【0038】
図3は、複数ある船内タンク11のうちの五つにナフサを積載する場合を示している。図中、ナフサを積み込む船内タンク11を符号Nで、原油を積み込む船内タンク11を符号Oで示している。また、WBTはバラストタンクである。
図示するように、原油タンカー1の重心位置が可能な限り移動しないように、ナフサを積み込む船内タンク11と原油を積み込む船内タンク11とを、原油タンカー1の進行方向に対して左右及び前後にバランスよく指定している。なお、ナフサ積み込み用に指定される可能性のある船内タンクについては、ナフサによる腐食性の小さいNBR(ニトリルブタジエンラバー)等のパッキンに予め交換しておくとよい。
また、ナフサを積み込む際には、原油タンカー1の船上の配管内に残存している原油をドレンから抜き出す必要があるが、前記ドレンが接続されている船内タンク11は原油専用に用いるものとし、予めナフサを積み込む船内タンク11の指定から除外しておくとよい。
【0039】
ナフサを積み込む船内タンクが指定されたならば、ナフサと原油との密度の違いを考慮して、船内タンクに設けられているレベルゲージの補正を行う(ステップS3)。
また、ナフサを積み込む船内タンクの内部を洗浄して、残留している原油やスラッジを船内タンクから可能な限り除去する(ステップS4)。
この船内タンクの内部洗浄は、専用の洗浄剤や海水等を用いてもよいが、前回の航海時に輸送した原油を使って行うようにするのがよい。船内タンクの内部壁面には、原油が付着した状態で残留することになるが、その量は、船内タンクに積み込まれるナフサの量に対して微量であり、ナフサ(原料ナフサ)に混入する原油の量を十分許容値以下にすることができる。また、ナフサの積み込み前に、残留している原油を抜き取ることで、ナフサに混入する原油の量を少なくすることができる。
【0040】
ナフサの積み込みは、原油の積み込みの後であってもよいし、先であってもよい。ナフサを積み込む前には、再度、船内タンクの底部に滞留している原油及びスラッジを抜き出すようにするのが好ましい(ステップS5)。このようにすることで、ナフサに混入する原油の量をさらに少なくすることができる。
ナフサへの原油の混入を可能な限り防止するために、ナフサを積み込む際には、原油タンカーの船上の配管内に残留している原油を、ドレンを使って、原油を積み込む(又は既に積み込まれている)船内タンクに抜き出すようにするとよい(ステップS5)。
【0041】
以上の手順により、ナフサの積み込みの準備が完了し、以後、指定された船内タンクへのナフサの積み込みを開始する(ステップS6)。
なお、このとき、ナフサに混入する原油の量をさらに少なくするために、ナフサの積み込み開始初期においては比較的ゆっくりとした速度でナフサの積み込みを行うようにして、船内タンクの底部に残留している原油やスラッジを攪拌しないようにするとよい。
また、このように、積み込み開始初期においてナフサの積み込みをゆっくりと行うことで、ナフサと船内タンクとの摩擦による静電気の発生を極力抑制することができ、安全の上でも有利である。
【0042】
上記の手順でナフサの積み込みが完了する。ナフサの積み込み完了後には、配管内に残留しているナフサを、ナフサを積載した船内タンクに抜き出して、欠減を可能な限り防止するようにするのが好ましい。
【0043】
上記手順によって積載されたナフサと原油とは、共通の原油タンカーによって目的地まで輸送される(ステップS7)。さらに、航行時に船内タンクの圧力が上昇したときは、甲板に散水を行って船内タンクの冷却を行うようにするとよい。これにより、ナフサのベーパライズによる欠減を防止することができる。また、船内タンクの圧力を調整するためのバルブを設けてもよい。
目的地では、ナフサ又は原油のいずれを先に荷下ろししてもよい。積載時に、原油を積み込んだ後にナフサを積み込んだのであれば、ナフサから先に荷下ろしするのが好ましい。このようにすれば、船上の配管内から原油を取り除く作業を省略することができるうえ、ナフサに混入する原油の量も少なくすることができる。ナフサを荷下ろしする際には、本船エダクター装置を使用してナフサを完全に船内タンクから取り出すようにする。
【0044】
また、積載時に、ナフサを積み込んだ後に原油を積み込んだのであれば、原油を先に荷下ろしするとよい。そして、先と同様の手順で配管内の原油を抜き出し(ステップS8)、配管内をナフサで満たした後、ナフサの荷下ろしを開始するようにする(ステップS9)。
なお、荷下ろしの際にも、船内タンク内に残留している原油やスラッジを攪拌しないように、船内タンクの底部近傍でゆっくりとナフサを荷下ろしするようにするとよい。また、ナフサの荷下ろし後に、原油で船内タンクを洗浄する等して、船内タンクの防錆処理を行うようにするのが好ましい。
【0045】
船上の配管に接続される陸上配管(陸地に設けられた配管の他、陸地からシーバスまで延びる海上の配管部分も含む)がナフサ用と原油用とで区別されている場合には、ナフサ専用の前記陸上配管を用いてナフサを荷下ろしし、原油専用の前記陸上配管を用いて原油を荷下ろしするようにするとよい。
【0046】
本発明によれば、輸送コストの安い原油タンカーを利用してナフサを輸送することが可能になるので、ナフサの輸送コストの大幅な削減を図ることができるという効果がある。
本発明の具体的な効果を以下の表1に示す。
この表は、超大型の原油タンカーであるVLCCにナフサ5万tと原油とを混載して輸送した場合の輸送コストの削減高を示したものである。2001年の1t当たりの輸送コストは、原油タンカーで約20$,ナフサ専用の精製油タンカーで約31$であった。
【0047】
【表1】
Figure 0003684360
【0048】
このように、本発明によれば、一回の輸送で約55万$(1$=130円換算で7150万円)の輸送コストの削減を図ることができる。これは、ナフサの輸送コストを従来の約2/3に削減できることを示している。そのため、本発明によれば、従来困難であった原料ナフサのコスト削減を容易かつ大幅に達成することができるものである。
また、原料ナフサ又は製品ナフサの性状を荷下ろし後に検査したところ、若干の色変は認められたものの、原油の混入量はごく僅かで、装置の運転を規制する法律、その他の法律で定められた許容値を十分に下まわっていた。
【0049】
[移送方法の説明]
ところで、陸上配管が、ナフサ用と原油用とで区別されていない場合には、原油用の陸上配管を利用してナフサを荷下ろしすることが可能である。
この場合は、例えば、特開2001−108200号公報や特開平7−83399号公報,特公昭57−25760号公報等で公知の技術を用いて、ナフサ3を移送するようにするとよい。
この実施形態では、図4〜図10を参照しながら説明する以下の方法により、原油の混入量を極小化した状態で、共通の陸上配管を用いて原油とナフサとを移送させるようにしている。
【0050】
図4は、本発明の原油とナフサの移送方法の実施形態における、移送状況を説明するための概略ブロック図を示している。
なお、図4は、理解しやすいように、バイパス配管等を省略してある。
図4において、大型タンカー1は、輸送体タンクとして複数の船内タンク11を備えており、原油2とナフサ3が混入しないように、それぞれ異なる船内タンク11に積まれており、輸送先のシーバースに停泊している。
【0051】
また、通常、大型タンカー1には、積載した原油2を陸上の原油用タンク4に移送するためのポンプ12が設置されており、シーバースには、ポンプ12から送り出される原油2を移送するための、バルブ51,圧力計52,一本の配管53が設けてある。また、必要に応じて密度計54が設けられる。
【0052】
また、陸上には、貯留タンクとして、複数の原油用タンク4およびナフサ用タンク6が設けてあり、タンク4,6の近くまで敷設された配管53の先端に、バルブ61を介して接続されている。
【0053】
また、図5は、本発明の原油とナフサの移送方法の一実施形態における概略フローチャート図を示しており、具体的には、ナフサを移送した後に原油を移送する例を示している。
本実施形態の原油とナフサの移送方法によれば、一本の配管53によって原油2とナフサ3を、原油2が船内タンク11から陸上の各タンク4,6へ移送する場合、まず、配管53を原油用タンク4に接続する(ステップS11)。
【0054】
このとき、配管53中には原油2が滞留しているので、まず、ナフサ3をナフサ用タンク6に移送するためには、配管53にナフサ3を送り出し、このポンピング作用により配管53中の原油2を原油用タンク4に押し出す必要がある。
【0055】
次に、船内タンク11と各タンク4,6を連結する配管53中に滞留している原油2の量を予め算出する(ステップS12)。
ここで、配管53中の原油2は、通常、バルブ51,61の閉じられた配管53中にほぼ満杯状態で貯留されており、このような場合には、配管53中の容積を原油2の体積(量)として算出することができる。
【0056】
続いて、送り出し開始にあたって、バルブ51,61を開き、船内タンク11からナフサ3を送り出すとともに、そのナフサ3の送出し量を計量する(ステップS13)。
この計量は、たとえば、配管53に接続した流量計を用いたり、船内タンク11の液面の高さを計測したり、受入先のタンク4の液面の高さを計測することによって行うことができる。
【0057】
次に、船内タンク11からのナフサ3の送出し量が、予め算出した滞留している原油2の量とほぼ同量となったときに、船内タンク11からのナフサ3の送り出しを停止させ、受入先のタンクを原油用タンク4からナフサ用タンク6に切り換える(ステップS14)。
なお、ほぼ同量としてあるのは、原油2に含まれる重質化合物の比率や、ナフサ3の総移送量などによって、ナフサ3への原油2の許容混入量が変わるからである。
【0058】
次に、受入先のタンクを原油用タンク4からナフサ用タンク6に切り換えた後、船内タンク11からのナフサ3の送り出しを再開して、ナフサ3をナフサ用タンク6に貯留する(ステップS15)。
なお、船内タンク11からナフサ3を移送し終わったとき、大型タンカー1のポンプ12を停止する。
【0059】
このように、本実施形態の原油とナフサの移送方法によれば、配管53中に滞留した原油2を、ナフサ3を送り出すことにより、原油用タンク4にポンピング作用によって押し出すことができるので、ナフサ3への原油2の混入量を効果的に低減することができる。
また、ナフサ3と原油2を仕切る特別の仕切り剤などを用いなくてもよいので、移送工程を単純化することができる。
【0060】
続いて、大型タンカー1の船内タンク11の原油2を原油用タンク4に移送する。
この場合、配管53中にはナフサ3が滞留しているので、配管53中のナフサ3をナフサ用タンク6に押し出す必要がある。
したがって、配管53をナフサ用タンク6に接続させたままとしておく(ステップS16)。
【0061】
続いて、船内タンク11と各タンク4,6を連結する配管53中に滞留しているナフサ3の量を予め算出する(ステップS17)。
【0062】
次に、船内タンク11から原油2を送り出すとともに、その原油2の送出し量を計量し(ステップS18)、船内タンク11からの原油2の送出し量が、予め算出した滞留しているナフサ3の量とほぼ同量となったときに、船内タンク11からの原油2の送り出しを停止させ、受入先のタンクをナフサ用タンク6から原油用タンク4に切り換える(ステップS19)。
【0063】
受入先のタンクをナフサ用タンク6から原油用タンク4に切り換えた後、船内タンク11からの原油2の送り出しを再開して、原油2を原油用タンク4に貯留する(ステップS20)。
なお、船内タンク11から原油2を移送し終わったとき、ポンプ12を停止し、かつ、バルブ51,61を閉じる。したがって、配管53中には原油2が滞留することとなる。
【0064】
このようにすると、配管53中に滞留したナフサ3を、原油2を送り出すことにより、ナフサ用タンク6にポンピング作用によって押し出すことができるので、ナフサ3の原油2への混入量を効果的に低減することができる。
【0065】
なお、本実施形態は、大型タンカー1から先ずナフサ3を揚荷し、続いて原油2を揚荷する場合の原油とナフサの移送方法としてあるが、揚荷の順番については、特に限定するものではなく、上記と逆(原油の揚荷後、ナフサの揚荷を行う。)の順番で行ってもよい。この順番の決定は、揚荷するタンカーの積荷(原油のみか、原油/ナフサ)状況を考慮して行う。
【0066】
本実施形態の原油とナフサの移送方法においては、たとえば、配管53中に滞留している原油2の量を予め算出する(ステップS12)ときに、滞留している原油2の少なくとも温度,密度などを補正要素とすることが好ましい。
このようにすると、受入先の原油用タンク4の止尺42を利用して計量された原油2の量から、船内タンク11からのナフサ3の送出し量を求める場合に、原油用タンク4に既に貯留されている原油2との温度差及び密度差などによる計量誤差を補正することができるので、原油用タンク4からナフサ用タンク6に切り換えるタイミングをより精度よく求めることができる。
【0067】
本実施形態においては、上記密度を配管53のポンプ12側に取り付けた密度計54により計量することができる。
また、同様に配管53中に滞留しているナフサ3の量を予め算出する(ステップS17)ときにも、上記と同様にナフサ3の温度,密度などを補正要素とするとよいことは勿論である。
【0068】
また、ナフサ3の送出し量を計量する(ステップS13)ときに、船内タンク11からのナフサ3の送出し量を、受入先の原油用タンク4の止尺42を利用して計量してもよく、このようにすると、単純かつ確実に船内タンク11からのナフサ3の送出し量を計量することができ、受入先のタンクを原油用タンク4からナフサ用タンク6に切り換えるタイミングを精度よく求めることができる。
同様に、原油2の送出し量を計量する(ステップS18)ときに、船内タンク11からの原油2の送出し量を、受入先のナフサ用タンク6の止尺62を利用して計量してもよいことは、勿論である。
【0069】
ところで、本発明は、ナフサ3と原油2を仕切る特別の仕切り剤等を用いていないので、ナフサ3と原油2の境界は、ナフサ3と原油2が混ざりあった混合流体7となる。
この混合流体7は、配管53中に様々な条件により決定される距離だけ形成されるので、ナフサ3への原油2の混入を防止する、あるいは、ナフサ3への原油2の混入量を制御するには、ナフサ3又は原油2の送出し量に対応する混合流体7の状態を知る必要がある。
【0070】
図6は、本発明の実施形態における配管中の混合流体について説明するための概略図を示しており、(a)は原油が滞留している配管にナフサを送り出した状態の断面図を、(b)はナフサが滞留している配管に原油を送り出した状態の断面図を示している。
【0071】
同図(a)において、原油2が滞留している配管53にナフサ3を送り出すと、距離L1の混合流体7が配管53中に形成され、混合流体7の距離L1は、配管の長さに依存する(図10参照)。
また、濃度曲線は、配管53の断面における原油2に対するナフサ3の比率を表しており、混合流体7の先端側ほどナフサ比率が高くなり、後端側ほどナフサ比率が低くなる。
【0072】
また、同図(b)において、ナフサ3が滞留している配管53に原油2を送り出すと、距離L2の混合流体7が配管53中に形成され、混合流体7の距離L2は、同様に配管の長さに依存する。
また、濃度曲線は、配管53の断面におけるナフサ3に対する原油2の比率を表しており、混合流体7の先端側ほど原油比率が低くなり、後端側ほど原油比率が高くなる。
【0073】
ここで、原油2とナフサ3の混合を極小化させるためには、送り出すナフサ3又は原油2の流速制御および貯留タンクの切り換え制御を精度よく実行する必要がある。
つまり、送り出すナフサ3又は原油2の流速制御(送出し速度の制御)を行うことにより、混合流体7の配管53中における距離を短くするほど、ナフサ3と原油2の混合量を少なくすることができる。
【0074】
また、貯留タンクの切り換え制御、すなわち、どのタイミングでナフサ3又は原油2の送り出しを停止するかの制御は、移送中の混合流体7の状態を直接的に観察できないことから、配管53中の原油2,ナフサ3及び混合流体7の流れ状態の解析を行い、この流れ解析結果を利用することが好ましい。このようにすると、ナフサ3への原油2の混入量を精度よく制御することができ、ナフサ3に重質化合物が一定の比率以上混入してしまい、ナフサ3が重質化合物で汚染されるといった不具合を防止することができる。
【0075】
上記流動解析は、図7に示す連続方程式(1),運動量方程式(2),乱流モデル式(3)及び拡散方程式(4)から、送り出し流速に対する原油2,ナフサ3及び混合流体7の流れ状態を解析している。
同図において、連続方程式(1),運動量方程式(2)及び拡散方程式(4)より配管53中の濃度分布を計算することができる。
【0076】
そして、混合流体7の流れ状態を解析し、この流れ解析結果を利用して、船内タンク11からのナフサ3又は原油2の送り出しを停止するタイミングを決定する。このようにすると、配管53の任意の位置におけるナフサ比率又は原油比率を求めることができるので、たとえば、混合流体7の一部がタンク4,6に押し出された場合であっても、配管53中の混合流体7の原油量又はナフサ量を精度よく算出することができる。
【0077】
また、配管53中に滞留している原油2又はナフサ3を原油用タンク4又はナフサ用タンク6へ送り出すときの、ナフサ3又は原油2の送出し速度を変化させて、混合流体7の流れ状態をシミュレーションすることにより、混合流体7の距離L1,L2を短くすることが可能なナフサ3又は原油2の送出し速度を選択することができ、原油2のナフサ3への混入を最小限に抑制した状態で移送することができる。
【0078】
次に、本実施形態の原油とナフサの移送方法を用いて、原油2が満たされた配管53を使用し、原油2及びナフサ3を船内タンク11から陸上の原油用タンク4およびナフサ用タンク6まで移送した解析例について、図面を参照して説明する。
【0079】
(解析例)
図8は、本実施形態の流れ状態の解析例を説明するための概略図を示しており、(a)は解析モデル図を、(b)は送出し速度(流量)の変化を表すグラフを示している。
同図(a)において、配管53は、内径約1.2mかつ長さ約9kmであり、原油2が滞留しており、図示してないが、大型タンカー1のポンプ12からナフサ3が送り出される。
【0080】
また、同図(b)において、ナフサ3の送出し速度は、通常、時間にほぼ比例して流量を多くし、通常の送出し曲線に示すように、所定の送出し速度(たとえば、約4800kl/hr)に達したら、この所定の送出し速度で移送を続け、移送を停止する前には、同様に時間にほぼ比例して流量を少なくして、移送を停止する。
【0081】
これに対し、本発明の原油とナフサの移送方法では、送り出し開始直後のナフサ3の送出し速度を、上記所定の送出し速度まで急速に立ち上げる。
このように、ナフサ3の送り出し開始直後から送出し速度を急激に増加させ、できるだけ早く乱流状態にすることにより、混合流体7の距離を極小化することができる。
【0082】
つまり、混合流体7の流れ状態をシミュレーションすることにより、送り出し開始直後にナフサ3又は原油2の送出し速度を変化させ、配管53中のナフサ3と原油2の混合流体7の長さを短くすることができ、配管53中のナフサ3と原油2の混合を最小限に抑制することができる。
【0083】
なお、配管53中の原油2,ナフサ3及び原油2とナフサ3からなる混合流体7の流れ解析にもとづいて、配管53中に滞留している原油2又はナフサ3をタンク4,6へ押し出すときの、ナフサ3又は原油2の送出し速度を変化させる方法は、上記送出し速度の変化に限定されるものではなく、たとえば、配管の敷設条件などによって異なる。
【0084】
また、送り出し停止直前にナフサ3又は原油2の送出し速度を変化させてもよく、このようにすると、受入先のタンクを原油用タンク4又はナフサ用タンク6からナフサ用タンク6又は原油用タンク4に切り換えるタイミングをより精度よく求めることができ、原油2がナフサ3に混入するのをより確実に防止することができる。
【0085】
図9は、本実施形態の解析例における、原油とナフサの移送状態を説明するための移送時間に対する移送量を表したグラフである。
まず、本解析例の状況を、図5に示すフローチャートに沿って説明する。
【0086】
大型タンカー1は、30万トン級タンカーであり、複数の船内タンク11に原油約23万KL及びナフサ約7万KLを混入しないように積んでいる。
また、移送開始前の配管53には、原油2が滞留している。
原油2の滞留している配管53を用いて船内タンク11からナフサ用タンク6へナフサ3を送り出すに際し、配管53を原油用タンク4に接続する(ステップS11)。
次に、船内タンク11と原油用タンク4を連結する配管53中に滞留している原油2の量を予め算出する(ステップS12)。
【0087】
シーバースに停泊した大型タンカー1は、ナフサ3が積まれた船内タンク11が、大型タンカー1に設置されたポンプ12と接続され、ポンプ12は、配管53中に滞留した原油2を原油用タンク4に押し出すために、船内タンク11からナフサ3を配管53に送り出す。そして、その原油2の送出し量を、原油用タンク4の止尺42を利用して計量する(ステップS13)。
【0088】
ここで、ナフサ3は、上記解析結果にもとづいて、図8(b)に示す送出し曲線で送り出される。
図10は、本実施形態の解析例における、配管長さ方向のナフサ濃度分布を説明するための濃度曲線のグラフである。
同図において、各濃度曲線A,B,Cは、各配管長さにおけるナフサ濃度曲線であり、たとえば、濃度曲線Aは、送り出し開始から約0.6時間後の、配管長さ約2350mから約2650mに存在する混合流体7のナフサの濃度曲線を表している。
【0089】
つまり、ナフサ3が上記送出し曲線で送り出されると、配管長さ約2650mより先の配管53中には原油2だけが存在し、配管長さ約2650mから約2350mまでの配管53中には原油2とナフサ3が濃度曲線Aに応じて存在し、配管長さ約2350mより手前の配管53中にはナフサ3だけが存在する。
【0090】
また、混合流体7は、配管53中に約300mの長さを有しており、中央部(すなわち、配管長さ約2500mの位置)におけるナフサ比率は、約40vol%である。
このように、混合流体7の中央部でナフサ比率が約50vol%でないのは、ナフサ3の密度が原油2のより軽いからであり、原油2およびナフサ3の密度を精度よく測定することにより、配管53中の流れ解析を精度よく行うことができる。
【0091】
また、混合流体7は、配管53中を移送されるにしたがって長くなり、たとえば、送り出し開始から約1.2時間後には、濃度曲線Bに示すように、混合流体7の先端が約5225mのとき、後端は約4775mであり、混合流体7は、配管53中に約450mの長さを有している。
さらに移送され、たとえば、送り出し開始から約2.4時間後には、濃度曲線Cに示すように、混合流体7の先端が約9365mのとき、後端は約8635mであり、混合流体7は、配管53中に約730mの長さを有している。
【0092】
このようにして、混合流体7の先端が配管53の端に到達したときの濃度曲線を算出すると、混合流体7内の原油量を精度よく算出することができる。したがって、この混合流体7内の原油量を配管53に滞留していた原油量から引き算した原油量が、原油用タンク4に押し出されたとき、混合流体7の先端が配管53の端に到達したことを知ることができる。
【0093】
つまり、混合流体7の先端が配管53の端に到達したこと、あるいは、何秒後に到達するかを知ることができ、かつ、混合流体7の先端が原油用タンク4に押し出された場合であっても、配管53中に残った混合流体7の長さ及び濃度曲線を流れ解析結果から得ることができ、混入される原油量を精度よく算出することができるので、ナフサ3に混入する原油量を極めて精度良く制御した状態で、配管53中に滞留していた原油2を押し出すことができる。
【0094】
なお、ナフサ用タンク6のナフサ3に原油2をほぼ混入させず、かつ、原油用タンク4に移送されるナフサ3を極少化するには、混合流体7の後端が配管53を通過したところでナフサ3の送り出しを停止すればよい。
また、ナフサ3に混入可能な原油量が設定されているときは、濃度曲線から混入される原油量に応じた、混合流体7の送り出し停止位置を算出できるので、ナフサ3への原油2の混入量を精度よく制御することができる。
【0095】
次に、船内タンク11からのナフサ3の送出し量が、予め算出した滞留している原油2の量とほぼ同量となったときに、船内タンク11からのナフサ3の送り出しを停止させ、受入先のタンクを原油用タンク4からナフサ用タンク6に切り換える(ステップS14)。
【0096】
そして、受入先のタンクを原油用タンク4からナフサ用タンク6に切り換え後、船内タンク11からのナフサ3の送り出しを再開して、ナフサ3をナフサ用タンク6に貯留する(ステップS15)。
【0097】
次に、原油2を移送する必要がある。しかし、この段階では、配管53中にナフサ3が滞留している。
そこで、配管53中に滞留していた原油2をナフサ3で押し出したように、今度は、配管53中に滞留しているナフサ3を原油2でナフサ用タンク6に押し出す。
なお、これ以降は、上記の場合と同様にして実施することができる。
【0098】
つまり、ナフサ用タンク6のナフサ3に原油2を全く混入させず、かつ、ナフサ用タンク6に移送されるナフサ3を極大化するには、混合流体7の先端が配管53の端に到達したところで原油2の送り出しを停止すればよく、また、ナフサ3に混入可能な原油量が設定されているときは、濃度曲線から混入される原油量に応じた混合流体7の送り出し停止位置を算出し、この停止位置で混合流体7が停止するように、原油2の送り出しを停止すればよい。
【0099】
本発明では、配管に滞留している原油等の算出、この算出した滞留原油量と計量した原油量との比較、混合流体の流れ解析などは、図示しない制御装置が行う。
【0100】
なお、制御装置が、流れ解析結果を利用して、ポンプ12やバルブ51,61の開閉を自動制御する構成とすることもできる。このようにすると、ナフサ3への原油2の混入量をより精度よく制御することができる。
バルブ51,61が手動式の場合には、作業員が制御装置の指示にもとづいてバルブの開閉を行う。
【0101】
また、押し出された原油2又はナフサ3の量を止尺42又は止尺62で計量し、この計量結果から、船内タンク11から送り出されるナフサ3又は原油2の量を算出するときは、所定の時間ごとに計量結果を制御装置に入力すると、混合流体7の流れ状態を知ることができる。
【0102】
ここで、上記計量結果を制御装置に入力するタイミングについては、たとえば、止尺数量の約5000kl前から約1000kl増えるごとに、上記計量結果を制御装置に入力し、さらに、止尺数量の約1000kl前からは約200kl増えるごとに、上記計量結果を制御装置に入力するとよく、このようにすると、混合流体7の流れ状態をより精度よく知ることができる。
【0103】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態により限定されるものではない。
例えば、本発明は、VLCCに限らず、VLCCよりもさらに大型の原油タンカーであるULCCや、VLCCよりも小型の原油タンカーにも適用が可能である。
【0104】
[産業上の利用分野]
本発明は、タンカー(船)以外にも適用が可能で、たとえば、タンク付き貨車,自動車,航空機等にも適用が可能である。
【0105】
【発明の効果】
本発明のナフサの輸送方法によれば、輸送コストの安い原油タンカーを利用してナフサの輸送を行うことができるので、ナフサの輸送コストを大幅に削減することが可能になり、ナフサの原価を安価なものにすることができる。
【0106】
本発明の原油とナフサの移送方法によれば、原油タンカーに原油ロットとナフサロットを共積みし、シーバースから原油専用配管を共用して、原油とナフサの混合を極小化した状態で、原油とナフサをそれぞれのタンクに分離して受け入れることができる。
つまり、ナフサを輸送してきた原油タンカーから原油用の配管でナフサを陸上のタンクまで移送しても、原料ナフサとして使用できるレベル以下に原油のナフサへの混入(ナフサの汚染)を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の輸送方法の手順を説明するためのフロー図である。
【図2】原油タンカーの指定とこの原油タンカーに混載するナフサの量とを自動的に判断して決定する判断装置の一例にかかり、その概略構成図である。
【図3】ナフサと原油とを混載した超大型の原油タンカーの平面図である。
【図4】本発明の原油とナフサの移送方法の実施形態における、移送状況を説明するための概略ブロック図を示している。
【図5】本発明の原油とナフサの移送方法の一実施形態における概略フローチャート図を示している。
【図6】本発明の実施形態における配管中の混合流体について説明するための概略図を示しており、(a)は原油が滞留している配管にナフサを送り出した状態の断面図を、(b)はナフサが滞留している配管に原油を送り出した状態の断面図を示している。
【図7】本実施形態の流れ状態を解析するための、連続方程式(1),運動量方程式(2),乱流モデル式(3)及び拡散方程式(4)を示している。
【図8】本実施形態の流れ状態の解析例を説明するための概略図を示しており、(a)は解析モデル図を、(b)は送出し速度(流量)の変化を表すグラフを示している。
【図9】本実施形態の解析例における、原油とナフサの移送状態を説明するための移送時間に対する移送量を表したグラフである。
【図10】本実施形態の解析例における、配管長さ方向のナフサ濃度分布を説明するための濃度曲線のグラフである。
【符号の説明】
1 大型タンカー
2 原油
3 ナフサ
4 原油用タンク
6 ナフサ用タンク
11 船内タンク
12 ポンプ
42 止尺
51 バルブ
52 圧力計
53 配管
54 密度計
61 バルブ
62 止尺

Claims (14)

  1. 原油を輸送する輸送体を利用したナフサの輸送方法であって、
    前記輸送体に設けられた複数の輸送体タンクの少なくとも一部をナフサ積載用に指定し、
    このナフサ積載用の前記輸送体タンクの内部を、ナフサの積み込み前に予め洗浄し、
    ナフサの積み込み又は荷下ろしの際に、少なくとも前記輸送体上の配管内から原油を抜き出して、前記ナフサの積み込み又は荷下ろしを行うこと、
    を特徴とする輸送体によるナフサの輸送方法。
  2. 前記ナフサを積載する前記輸送体タンクの内部を原油で洗浄することを特徴とする請求項1に記載の輸送体によるナフサの輸送方法。
  3. 前記輸送体が、10万重量トンを超える超大型の原油タンカーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の輸送体によるナフサの輸送方法。
  4. 前記配管内の原油を抜き出すためのドレンが接続されている前記輸送体タンクを避けて、ナフサ積載用の輸送体タンクを指定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の輸送体によるナフサの輸送方法。
  5. 前記ナフサを積み込む際に、積み込み開始直後の初期においては、前記輸送体タンクの底部に残留していることのある原油残さ物を攪拌しない速度でゆっくりと前記ナフサを積み込むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の輸送体によるナフサの輸送方法。
  6. 前記ナフサを荷下ろしする際に、前記輸送体タンクの底部に残留していることのある原油残さ物を攪拌しない速度で前記ナフサの荷下ろしを行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の輸送体によるナフサの輸送方法。
  7. 前記ナフサの積載量に応じて使用する前記輸送体タンクの数を決定するとともに、原油とナフサとの密度又は比重の違いによる前記輸送体の重心の移動を抑制するように、前記ナフサを積載する前記輸送体タンクを指定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の輸送体によるナフサの輸送方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の輸送方法により原油とナフサとを共通の輸送体で輸送し、一本の配管によって原油とナフサを前記輸送体の輸送体タンクから貯留タンクへ移送する方法において、
    (1)前記配管を用いて前記輸送体タンクから前記貯留タンクへナフサ又は原油を送り出すに際し、前記配管を原油用又はナフサ用のタンクに接続しておくとともに、
    (2)前記輸送体タンクと貯留タンクを連結する前記配管中に滞留している原油又はナフサの量を予め算出し、
    (3)前記輸送体タンクからナフサ又は原油を送り出すとともに、その送出し量を計量し、
    (4)前記輸送体タンクからのナフサ又は原油の送出し量が、予め算出した前記配管に滞留している原油又はナフサの量とほぼ同量となったときに、前記輸送体タンクからのナフサ又は原油の送り出しを停止させ、受入先のタンクを原油用又はナフサ用のタンクからナフサ用又は原油用のタンクに切り換え、
    (5)前記タンクの切り換え後、前記輸送体タンクからのナフサ又は原油の送り出しを再開して、ナフサ又は原油をナフサ用又は原油用のタンクに貯留する、
    ことを特徴とした原油とナフサの移送方法。
  9. 前記配管中の原油,ナフサ及び原油とナフサからなる混合流体の流れ解析を行ない、この流れ解析結果を利用して、前記輸送体タンクからのナフサ又は原油の送り出しを停止するタイミングを決定することを特徴とする請求項8記載の原油とナフサの移送方法。
  10. 前記配管中に滞留している原油又はナフサの量を予め算出するときに、滞留している原油又はナフサの少なくとも温度,密度又は比重を補正要素とすることを特徴とする請求項8又は9記載の原油とナフサの移送方法。
  11. 前記輸送体タンクからのナフサ又は原油の送出し量を、前記受入先のタンクの止尺を利用して計量することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の原油とナフサの移送方法。
  12. 前記配管中に滞留している原油又はナフサをタンクへ押し出すときの、ナフサ又は原油の送出し速度を、前記流れ解析結果にもとづいて、変化させることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の原油とナフサの移送方法。
  13. 前記ナフサ又は原油の送り出し開始直後及び送り出し停止直前に、前記ナフサ又は原油の送出し速度を変化させることを特徴とする請求項12記載の原油とナフサの移送方法。
  14. 前記ナフサ又は原油の送り出し開始直後の前記ナフサ又は原油の送出し速度を、所定の送出し速度まで急速に立ち上げることを特徴とする請求項13記載の原油とナフサの移送方法。
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